説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】流路部材に局所的に負荷が掛かることを防止して信頼性が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクを吐出するヘッド本体と、前記ヘッド本体に供給されるインクが流通する第1流路及び第2流路をそれぞれ有する第1流路部材17及び第2流路部材21と、第1流路部材17及び前記第2流路部材21に挟持された環状のシール部材18とを備え、前記1流路及び前記第2流路は、第1流路部材17、第2流路部材21及びシール部材18とで画成された空間部100内で連通し、シール部材18の第1流路部材17との接合面91には、空間部100を外部に連通させる大気開放路90が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体噴射ヘッドの代表例として、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。インクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、インクをノズル開口から吐出する複数のヘッド本体と、ヘッド本体に供給されるインクの第1流路及び第2流路が設けられた第1流路部材及び第2流路部材とを備え、第1流路部材と第2流路部材との間にシール部材を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
シール部材は、第1流路部材と第2流路部材とで挟持され、一定量圧縮されている。このようなシール部材を設けることで、第1流路部材と第2流路部材との間の気密性が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−056872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、第1流路と第2流路とは接着剤などで接着されて連通している。この接着剤で接着された第1流路と第2流路との接合面からは、インクは漏洩しないものの、インク中の気泡が漏れ出ることがある。このように漏れ出た気体を外部に排出するため、第1流路と第2流路との周辺の空間部を外部に連通させる大気開放路を設ける必要がある。大気開放路は、流路における水分の蒸発を抑制するために、狭い断面積で長い経路であることが望ましい。
【0006】
シール部材に、そのような大気開放路を設ける場合、大気開放路を形成するための一定の大きさの領域が必要となる。しかしながら、大気開放路が設けられたシール部材を第1流路部材と第2流路部材とに挟持させると、大気開放路が設けられた領域に対向する第1流路部材及び第2流路部材の一部に局所的に負荷が掛かり、変形してしまう虞がある。
【0007】
また、シール部材には、大気開放路が設けられた領域と、それ以外の領域とで不均等に力が掛かる。このため、シール部材に均等に力が加わるように、ネジなどの締結部材で第1流路部材及び第2流路部材を固定する必要が生じ、部品点数の増加や組立工程が煩雑になってしまう。
【0008】
なお、このような問題は、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑み、流路部材に局所的に負荷が掛かることを防止して信頼性が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するヘッド本体と、導入された液体が流通する第1流路を有する第1流路部材と、前記ヘッド本体に供給される液体が流通する第2流路を有する第2流路部材と、前記第1流路部材及び前記第2流路部材に挟持された環状のシール部材とを備え、前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1流路部材、前記第2流路部材及び前記シール部材とで画成された空間部内で連通し、前記シール部材の前記第1流路部材又は前記第2流路部材との接合面には、前記空間部を外部に連通させる大気開放路が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、シール部材と第1流路部材又は第2流路部材との接合面に大気開放路が形成される。これにより、第1流路部材及び第2流路部材で挟持される力は、シール部材全体に均等に掛かり、第1流路部材又は第2流路部材の一部にシール部材からの反力が局所的に掛かることが防止される。したがって、第1流路部材又は第2流路部材の変形を防止することができる。このように、流路部材に局所的に負荷が掛かることを防止して信頼性が向上した液体噴射ヘッドが提供される。また、シール部材を第1流路部材と第2流路部材とでかしめればよいので、締結部材でこれらを固定することが不要となり、部品コストを低減し、組立工程を簡略化することができる。
【0011】
ここで、前記空間部内には、第3流路を有する第3流路部材が配設され、前記第1流路及び前記第2流路は、前記第3流路を介して連通していることが好ましい。これによれば、第3流路を介して第1流路及び第2流路を連通させることができる。
【0012】
また、前記シール部材には、当該シール部材の全周のうちの一部である第1領域を除いた第2領域に大気開放路が設けられ、前記大気開放路は、前記空間部に連通する入口部及び前記外部に連通する出口部を有し、前記入口部と前記出口部とは前記第1領域を挟んで配置されていることが好ましい。これによれば、大気開放路の流路を最も長くすることができる。大気開放路の流路長を長くすることで、大気開放路の流路抵抗が大きくなる。これにより、第1流路、第2流路、第3流路に流れる液体の水分が蒸発することを抑制することができる。
【0013】
また、前記シール部材には、前記第1流路部材又は前記第2流路部材の何れか一方との接合面に溝が形成され、前記溝と前記接合面とで画成される空間が前記大気開放路となっていることが好ましい。これによれば、シール部材と第1流路部材又は第2流路部材とから大気開放路を構成することができる。
【0014】
また、前記溝の両側に、前記第1流路部材又は前記第2流路部材が当接する凸部が形成されていることが好ましい。これによれば、シール部材と第1流路部材又は第2流路部材とで構成される大気開放路のシール性が向上する。この大気開放路のシール性向上により、大気開放路の気密性が確保され、大気開放路に流入した気体を途中で漏洩させることなく、確実に外部に排出できる。
【0015】
また、前記シール部材には、前記溝が形成された接合面とは反対側の接合面に凸部が形成されていることが好ましい。これによれば、シール部材の大気開放路が設けられていない側と、第1流路部材又は第2流路部材との界面でシール性が向上する。この界面のシール性向上により、空間部と外部との間で、当該界面を介して気体や液体が出入りすることを防止することができる。
【0016】
また、前記ヘッド本体は、液体を吐出するノズルと、当該ノズルに連通する圧力発生室と、当該圧力発生室に圧力を発生させる圧力発生手段と、当該圧力発生室に連通した個別流路と、当該個別流路に連通して各個別流路に共通のマニホールドと、当該マニホールドに対応する領域に形成されたコンプライアンス空間部とを備え、前記空間部は、前記コンプライアンス空間部に連通していることが好ましい。これによれば、コンプライアンス空間部に溜まる気体を空間部を介して外部に連通することができる。
【0017】
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、流路部材に局所的に負荷が掛かることを防止して信頼性が向上した液体噴射装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】一実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】一実施形態に係る記録ヘッドの断面図である。
【図4】一実施形態に係る記録ヘッド本体の断面図である。
【図5】一実施形態に係るシール部材の平面図及び断面図である。
【図6】一実施形態に係る記録ヘッドの要部断面図である。
【図7】一実施形態に係る大気開放路の平面図および断面図である。
【図8】一実施形態に係るシール部材の変形例を示す断面図である。
【図9】一実施形態に係る記録ヘッドの変形例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。以下、インクジェット式記録ヘッドは液体噴射ヘッドの一例であり、単に記録ヘッドとも言う。また、インクジェット式記録装置は液体噴射装置の一例である。
【0020】
図1は、本実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示す斜視図である。インクジェット式記録装置1は、記録ヘッド2を具備する。記録ヘッド2は、キャリッジ4に搭載され、キャリッジ4はキャリッジ軸9に沿って移動可能に設けられている。
【0021】
駆動モーター(図示せず)の駆動力が複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ4に伝達されることで、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ4はキャリッジ軸9に沿って移動される。
【0022】
キャリッジ4のキャリッジ軸9に沿う方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、検出信号が位置情報として制御部(図示せず)に送信される。これにより、制御部はこのリニアエンコーダー10からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の位置を認識しながら、インクの吐出動作等を制御することができる。
【0023】
また、インクジェット式記録装置1はプラテン5を備えており、紙送り機構8により給紙された紙等の記録媒体である記録シート6がプラテン5に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【0024】
図2は、記録ヘッド2の分解斜視図、図3は、記録ヘッド2の断面図である。本実施形態の記録ヘッド2は、流路部材12と、回路基板13と、ヘッド本体14と、ヘッドカバー15とを備えている。
【0025】
流路部材12は、インクカートリッジ3からのインクをヘッド本体14に供給する流路が形成された部材である。具体的には、流路部材12は、第1流路部材17と、第2流路部材21と、第3流路部材19とが接合されて構成されている。
【0026】
第1流路部材17は、上面に複数のインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるインクカートリッジ装着部22を備えている。インクカートリッジ装着部22の底部上面には、装着される各インクカートリッジ3に対応して複数のインク導入針23が形成されている。本実施形態では、4色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクに対応して、4本のインク導入針23が列設されている。
【0027】
インク導入針23の内部には第1流路24が形成されている。インク導入針23をインクカートリッジ3に挿入することで、第1流路24とインクカートリッジ3内部とが連通される。また、第1流路24の下端部は、第1流路部材17と第2流路部材21との間に配設される第3流路部材19に形成された第3流路27に連通可能に形成されている。
【0028】
第2流路部材21は、第2流路部材21の厚さ方向に貫通した第2流路29を備えている。第2流路29は、第1流路部材17側に向けて拡径したテーパ形状を有しており、開口部には、フィルター20が配設される。また、第2流路29の回路基板13側は、回路基板側に突出しており、後述する回路基板13の流路挿通孔34に挿通されている。
【0029】
シール部材18は、第3流路部材19の外径よりも大きい内径を有し、環状に形成された樹脂等から成る弾性部材である。シール部材18は、第1流路部材17と第2流路部材21との間に挟持されている。すなわち、シール部材18、第1流路部材17及び第2流路部材21で空間部100が画成されている。本実施形態では、シール部材18は、加熱され、第1流路部材17と第2流路部材21とから圧力が加えられてかしめられている。なお、シール部材18には、空間部100を外部に連通させる大気開放路が設けられているが、詳細は後述する。
【0030】
上述した空間部100には、第3流路部材19が配設されている。第3流路部材19は、4本のインク導入針23にそれぞれ対応して形成された第3流路27を4つ有する平板状の部材である。空間部100に配設された第3流路部材19は、第1流路部材17及び第2流路部材21に接着剤(図示せず)で接着されて固定されている。
【0031】
第3流路部材19に設けられた第3流路27は、一方の開口が第1流路24に連通し、他方の開口は、フィルター20を介して第2流路29に連通している。なお、フィルター20は、第1流路24内のインクに混入した気抱や異物を捕捉するものである。
【0032】
上述したように、第1流路部材17と第2流路部材21とがシール部材18を介して接合され、これらにより画成された空間部100内で第1流路24と第2流路29とは第3流路27を介して連通している。このような構成の流路部材12によれば、第1流路24、第2流路29及び第3流路27から構成された液体流路にインクカートリッジ3からインクが供給され、当該インクがヘッド本体14に供給される。
【0033】
回路基板13は、表面にIC、抵抗等の電装部品が実装されたものである。回路基板13は、第2流路部材21とヘッド本体14との間に配設されている。
【0034】
回路基板13は、ヘッド本体14の振動子ユニット45を構成するフレキシブルケーブル33が接合されている。また、回路基板13には、コネクター32が設けられており、図示しない信号ケーブル(図示せず)が接続される。当該信号ケーブルは、インクジェット式記録装置1の制御部に接続される。回路基板13は、当該信号ケーブルを通じて制御部から送られてくる駆動信号等が送信され、フレキシブルケーブル33を介して振動子ユニット45を駆動する。
【0035】
また、回路基板13には、第2流路29に対応する領域に、厚さ方向に貫通した流路挿通孔34が形成されている。流路挿通孔34には、第2流路29の下端が挿通され、第2流路29の下端は、回路基板13より下方でヘッドケース本体47のインク供給路70(図4参照)に接続される。
【0036】
図4は、本実施形態に係るヘッド本体の断面図である。図示するように、ヘッド本体14は、流路ユニット39と、ヘッドケース41と圧力発生手段の一例である振動子ユニット45とを具備する。
【0037】
流路ユニット39は、ノズルプレート49、流路形成基板50、振動板51から構成されている。
【0038】
流路形成基板50には、各圧力発生室38が隔壁によって区画されてその幅方向に複数並設されている。例えば、本実施形態では、複数の圧力発生室38が並設された列が流路形成基板50に2列設けられている。
【0039】
各圧力発生室38の列の外側には、各圧力発生室38にインクを供給するためのマニホールド52が、流路形成基板50を厚さ方向に貫通して設けられている。そして、各圧力発生室38とマニホールド52とは、個別流路であるインク供給路53を介して連通している。
【0040】
このような流路形成基板50は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、流路形成基板50に設けられる圧力発生室38等は、流路形成基板50をエッチングすることによって形成されている。
【0041】
流路形成基板50の一方面側にはノズル36が形成されたノズルプレート49が接合されている。圧力発生室38のマニホールド52とは反対の端部側は、ノズル36に連通している。
【0042】
また、流路形成基板50の他方面側、すなわち圧力発生室38の開口面側には振動板51が接合され、各圧力発生室38はこの振動板51によって封止されている。そしてこの振動板51上には、圧力発生室38内にインク滴を噴射するための圧力を発生する圧力発生手段である振動子ユニット45が設けられている。振動子ユニット45は、その先端部が振動板51上に当接した状態で固定されている。
【0043】
振動子ユニット45は、固定板42と該固定板42に固定された圧電素子43と圧電素子43に接合されたフレキシブルケーブル33とから構成されている。圧電素子43は、本実施形態では、圧電材料61と電極形成材料62及び63とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層されたものである。この圧電素子43の振動に寄与しない不活性領域が固定板42に固着されている。
【0044】
ここで、振動子ユニット45の先端が当接する振動板51は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜55と、この弾性膜55を支持する、例えば、金属材料等からなる支持板54との複合板で形成されており、弾性膜55側が流路形成基板50に接合されている。
【0045】
また、振動板51の各圧力発生室38に対向する領域内には、圧電素子43の先端部が当接する島部60が設けられている。すなわち振動板51の各圧力発生室38の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部58が形成されて、この薄肉部58の内側にそれぞれ島部60が設けられている。
【0046】
振動板51のマニホールド52に対向する領域には、薄肉部58と同様に、支持板54がエッチングにより除去されて実質的に弾性膜55のみで構成されるコンプライアンス部59が設けられている。コンプライアンス部59は、マニホールド52内の圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部59の弾性膜55が変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド52内の圧力を一定に維持する役割を果たす。
【0047】
振動板51には、ヘッドケース41が接合されている。ヘッドケース41は、ヘッドケース本体47と、補強部材48とから構成されている。ヘッドケース本体47は、例えば、エポキシ系樹脂などの樹脂により作製され、中空箱体状のケース部47aと、該ケース部47aの上端において当該ケース部47aから側方に延出した板状部47bとから構成されている。ケース部47aの下面には補強部材48が接着固定されている。ケース部47aの内部には、補強部材48の挿通口40と連通される収容空部46が形成され、この収容空部46内に振動子ユニット45の一部が収容されている。なお、ケース部47aの下面には、補強部材48に対して位置決めされる突起部75が下方に向けて突設されている(図2参照)。
【0048】
ヘッドケース本体47及び補強部材48には、厚さ方向に貫通した第1大気連通孔71が形成されている。
【0049】
補強部材48のコンプライアンス部59に対向する部分には、コンプライアンス部59の変形を許容する空間部100であるコンプライアンス空間部56が形成されている。このコンプライアンス空間部56はヘッドケース本体47の第1大気連通孔71を介して空間部100と連通している。詳細は後述するが、コンプライアンス空間部56は第1大気連通孔71を介して空間部100と連通し、該空間部100を経由して大気開放されている。これによりコンプライアンス部59がマニホールド52の圧力変化に伴って良好に変形する。
【0050】
また、ヘッドケース本体47及び補強部材48には、厚さ方向に貫通したインク供給路70が形成されている。インク供給路70は、一端が上述した第2流路29に連通し、他端がマニホールド52に連通している。
【0051】
このようなヘッド本体14では、インク滴を噴射する際に、振動子ユニット45及び振動板51の変形によって各圧力発生室38の容積を変化させて所定のノズル36からインク滴を噴射させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジからマニホールド52にインクが供給されると、流路部材12の液体流路(第1流路24、第2流路29、第3流路27)及びインク供給路70を介して各圧力発生室38にインクが分配される。
【0052】
実際には、振動子ユニット45の圧電素子43に電圧を印加することにより圧電素子43を収縮させる。これにより、振動板51が圧電素子43と共に変形されて圧力発生室38の容積が広げられ、圧力発生室38内にインクが引き込まれる。そして、ノズル36に至るまで内部にインクを満たした後、回路基板13からフレキシブルケーブル33を経由して送信される記録信号に従い、圧電素子43に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電素子43が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板51も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室38の容積が収縮して圧力発生室38内の圧力が高まりノズル36からインク滴が噴射される。
【0053】
上述したヘッド本体14には、ヘッドカバー15が取り付けられている。ヘッドカバー15は、ヘッドケース本体47に接続され、流路ユニット39やヘッドケース41を保護する金属製の部材である。このヘッドカバー15は、薄板部材によって作製され、ヘッドケース41の側面を囲うと共に、下端がノズルプレート49側に略90度屈曲してノズルプレート49の表面に当接している。このヘッドカバー15のノズルプレート49の表面に当接する面は、ノズル36を露出するように枠状に形成されている。また、ヘッドカバー15の上端は、側方に向けてフランジ部80が突設され、このフランジ部80には、ヘッドカバー基準穴81が開設されている(図2参照)。このヘッドカバー基準穴81には、ヘッドケース本体47の下面側に突設されたヘッドカバー位置決め部76が挿通され、ヘッドカバー15が位置決めされる。
【0054】
ここで、シール部材18について詳細に説明する。図5(a)はシール部材18の平面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図、図5(c)は図5(a)のB−B線断面図、図5(d)は図5(a)のC−C線断面図である。
【0055】
図5(a)に示すように、シール部材18は、後述する大気開放路を構成する部材であり、第3流路部材19の外径よりも大きい形状を有し、環状に形成された弾性部材である。シール部材18の内側には、第3流路部材19が配設され(図2、3参照)、第3流路部材19の外周全体を覆うようになっている。
【0056】
図5(b)〜(d)に示すように、シール部材18の上面側、すなわち第1流路部材17に接合される側の接合面91には、上方に突設した内側壁部89及び外側壁部82がそれぞれ両端に形成され、これらの内側壁部89及び外側壁部82は、シール部材18の全周に亘って設けられている。詳細は後述するが、内側壁部89と外側壁部82との間には、第1流路部材17の接合部17aが収容され、接合面91には接合部17aが当接される。
【0057】
シール部材18には、内側壁部89と外側壁部82とを連結する隔壁部83が設けられている。隔壁部83は、シール部材18の全周のうちの一部である第1領域の一例である。シール部材18のうち、隔壁部83を除いた領域が第2領域となり、当該第2領域には、後述する大気開放部が形成される。
【0058】
内側壁部89は、隔壁部83近傍の一部が切り欠かれて大気入口部84が形成され、外側壁部82は、隔壁部83近傍の一部が切り欠かれて大気出口部85が形成されている。さらに、接合面91には、大気入口部84及び溝部86に接続された入口溝部86a(請求項の入口部に相当する。)と、大気出口部85及び溝部86に接続された出口溝部86b(請求項の出口部に相当する。)とが形成されている。これらの入口溝部86aと、出口溝部86bとは、シール部材18の第2領域に形成され、第1領域である隔壁部83を挟んで対向配置されている。
【0059】
また、シール部材18の接合面91には、シール部材18の全周に亘って溝部86が形成されている。また、溝部86の両側には、シール部材18の全周に亘って接合面91から突出した内側凸部87及び外側凸部88が形成されている。シール部材18の第2流路部材21との接合面92には、シール部材18の全周に亘って凸部92aが形成されている。
【0060】
図6は、記録ヘッドのシール部材近傍を拡大した要部断面図である。上述した構成のシール部材18は、第1流路部材17及び第2流路部材21に挟持されている。すなわち、シール部材18の接合面91には、第1流路部材17の接合部17aが接合され、接合面92には、第2流路部材21のシール受け部21aが接合されている。
【0061】
接合部17aは、第1流路部材17の下面に、シール部材18の形状に合わせて突出し、幅がシール部材18の内側壁部89と外側壁部82との間隔よりも狭く形成されている。この接合部17aがシール部材18の内側壁部89と外側壁部82との間に収容され、内側凸部87及び外側凸部88を含む接合面91全体に当接している。このとき、溝部86、入口溝部86a及び出口溝部86bは接合部17aで開口が封止されている。
【0062】
シール受け部21aは、第2流路部材21の第3流路部材19が配置される面に、シール部材18の形状に合わせて突出した領域である。このシール受け部21aが凸部92aを含む接合面92全体に当接している。
【0063】
なお、シール部材18は、加熱され、第1流路部材17及び第2流路部材21とで圧縮されてかしめられている。これにより、内側凸部87、外側凸部88、凸部92aは、押し潰されている。
【0064】
このように第1流路部材17と第2流路部材21とでシール部材18が挟持されることで、これらの部材から空間部100が画成されている。この空間部100には、第3流路部材19が配設されており、第3流路27を介して第1流路24と第2流路29とが連通している。なお、詳細は後述するが、第2流路部材21には、ヘッド本体14の第1大気連通孔71(図4参照)に連通した第2大気連通孔101が形成されており、第2大気連通孔101は、空間部100に連通している。すなわち、ヘッド本体14のコンプライアンス部59に対向するコンプライアンス空間部56は、第1大気連通孔71、第2大気連通孔101を介して空間部100に連通している。
【0065】
なお、シール部材18の接合面92に設けられた凸部92aを押し潰して、接合面92に第2流路部材21を接合させたので、これらの界面のシール性が向上している。この界面のシール性向上により、空間部100と外部との間で、当該界面を介して気体や液体が出入りすることが防止されている。
【0066】
上述したシール部材18の接合面91に第1流路部材17が接合されたことで、溝部86、入口溝部86a、出口溝部86b及び第1流路部材17(接合部17a)から大気開放路90が構成されている。大気開放路90は、シール部材18に設けられた気体の流路である。
【0067】
ここで、第3流路部材19は、例えば、接着剤102などで第1流路部材17及び第2流路部材21に接合されている。このため、第3流路27と、第1流路24又は第2流路29との接合界面では、インクは漏洩しない。しかしながら、インクに含まれる気泡などの気体が接合界面から空間部100に流入する。
【0068】
大気開放路90は、この空間部100に流入した気体を外部に排出する。このことを図7を用いて詳細に説明する。
【0069】
図7(a)は、大気開放路を示す平面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線断面図、図7(c)は図7(a)のB−B線断面図、図7(d)は図7(a)のC−C線断面図である。なお、第1流路部材17については図示を全部又は一部省略している。
【0070】
図7(a)(b)に示すように、大気開放路90を構成する入口溝部86aは、大気入口部84に接続しているので、大気開放路90は空間部100に連通している。このため、空間部100の気体は、矢印に示すように入口溝部86aを介して大気開放路90に進入する。
【0071】
図7(a)(c)に示すように、大気開放路90は、隔壁部83により分断されているので、気体は、隔壁部83とは反対側に(図中の時計回りに)進む。
【0072】
図7(a)(d)に示すように、大気開放路90を構成する出口溝部86bは、大気出口部85に接続しているので、大気開放路90は外部に連通している。このため、矢印に示すように大気開放路90から外部に気体が排出される。
【0073】
このように空間部100に流入した気体は、大気開放路90を介して外部に排出される。すなわち、大気開放路90を形成したことで、空間部100内に気体が貯留されることを防止することができる。
【0074】
なお、シール部材18の接合面91に設けられた内側凸部87、外側凸部88を押し潰して、接合面91に第1流路部材17を接合させたので、これらの界面のシール性が向上している。この界面のシール性向上により、大気開放路90の気密性が確保され、大気開放路90に流入した気体を途中で漏洩させることなく、確実に外部に排出できる。
【0075】
さらに、大気開放路90は、環状に形成したシール部材18の全周のうちの一部である第1領域(隔壁部83)を除いた第2領域に設けられている。すなわち、シール部材18の略全周に亘って大気開放路90が設けられている。一方、隔壁部83を挟んで、入口溝部86a及び出口溝部86bが設けられているので、大気開放路90のほぼ両端に、空気の出入口が設けられることになる。すなわち、環状のシール部材18に形成しうる大気開放路として最も長い流路長を有する大気開放路を形成することができる。なお、当該大気開放路の流路長を長くするために、隔壁部83は極力薄くすることが望ましく、入口溝部86a及び出口溝部86bは隔壁部83を挟んで極力近接していることが望ましい。
【0076】
このように大気開放路90の流路長を長くすることで、大気開放路の流路抵抗が大きくなる。これにより、第1流路24、第2流路29、第3流路27に流れるインクの水分が蒸発することを抑制することができる。ちなみに流路抵抗が無い場合、例えば、第3流路部材19が外部に露出している場合などでは、第1流路部材17、第2流路部材21、第3流路部材19の接合面からインクの水分が蒸発し易くなり、インクの粘度が高くなるなどの不具合が生じてしまう。
【0077】
本実施形態では、空間部100には、第2流路部材21に設けられた第2大気連通孔101を介してヘッド本体14のコンプライアンス部59に対向するコンプライアンス空間部56に連通している。インクの揮発成分がコンプライアンス部59の弾性膜55を透過して、コンプライアンス空間部56に溜まることがある。しかしながら、そのような揮発成分は、第1大気連通孔71(図4参照)、第2大気連通孔101、空間部100、大気開放路90を経由して外部に排出される。これにより、コンプライアンス空間部56の圧力が高まることが防止され、コンプライアンス部59の弾性膜55が変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド52内の圧力を一定に維持する機能を維持することができる。
【0078】
以上に説明したように、本実施形態に係る記録ヘッド2によれば、シール部材18に溝部86を設けて第1流路部材17と接合することで大気開放路90を形成した。このように、シール部材18と第1流路部材17との接合面に大気開放路90を形成したので、第1流路部材17及び第2流路部材21で挟持される力は、シール部材18全体に均等に掛かる。これにより、第1流路部材17又は第2流路部材21の一部にシール部材18からの反力が局所的に掛かることが防止され、第1流路部材17又は第2流路部材21の変形を防止することができる。すなわち、第1流路部材17及び第2流路部材21に局所的に負荷が掛かることを防止して信頼性が向上した記録ヘッド2が提供される。
【0079】
ちなみに、シール部材18の第1流路部材17及び第2流路部材21で接合される領域(接合面91、89)以外の部分に、大気開放路90が形成される領域を別途設けた場合、例えば、環状のシール部材18の内側に平板状の領域を設け、当該領域の表面に溝部を設けた場合では次のようになる。すなわち、大気開放路を確保するため、平板状の領域に設けた溝部と第1流路部材17とを密着させるが、この平板状の領域は、環状部分とは形状・面積が異なり、接合面91、89に掛かる力と同等以上の力が掛かる。このため、平板状の領域に対向する第1流路部材17の一部に局所的に力が掛かり、その一部で変形が生じてしまう。
【0080】
また、このような場合、平板状の領域にも十分な力を掛けるため、第1流路部材17と第2流路部材とをネジなどの締結部材で固定していたが、本実施形態の場合は、シール部材18を第1流路部材17と第2流路部材とでかしめればよいので、このような締結部材が不要となり、部品コストを低減し、組立工程を簡略化することができる。
【0081】
なお、上述した実施形態に係る記録ヘッド2のシール部材18は、接合面91に内側凸部87、外側凸部88が形成され、接合面92に凸部92aが形成されていたが、このような態様に限定されない。例えば、図8(a)に示すように、接合面91には内側凸部87及び外側凸部88が無く、接合面92に凸部92aが設けられていてもよい。また、特に図示しないが、接合面91に内側凸部87及び外側凸部88が設けられ、接合面92に凸部92aが設けられていなくてもよい。さらに、これらの内側凸部87、外側凸部88、凸部92aを設けなくてもよい。
【0082】
図8(b)に示すように、溝部86は、第2流路部材21との接合面92に設けられていてもよい。この場合、接合面92に、内側凸部87及び外側凸部88を設けてもよい。
【0083】
また、空間部100に第3流路部材19を配設し、第3流路部材19の第3流路27を介して、第1流路24と第2流路29とを連通させていたが、このような態様に限らない。
【0084】
例えば、図9に示すように、空間部100において、第1流路部材17と第2流路部材21とが接着されて、第1流路24と第2流路29とが直接的に連通していてもよい。この場合においても、第1流路部材17及び第2流路部材21とが接着剤102で接合された界面から、インク中の気泡が漏洩し、空間部100に流入する。この空間部100に流入した気体についても、大気開放路90を介して外部に排出することができる。
【0085】
本実施形態では、大気開放路90は、シール部材18のほぼ全周に亘り設けられていたが、このような態様に限定されない。例えば、シール部材18の一部に亘り設けられていてもよい。また、大気開放路90の入口溝部86aと出口溝部86bとは隔壁部83を挟んで対向配置されていたがこのような態様に限定されない。例えば、隔壁部83を設けずにシール部材18の全周に大気開放路を設け、当該大気開放路に連通する入口部(入口溝部86aに相当する。)と出口部(出口溝部86bに相当する。)をシール部材の任意の位置に形成することで大気開放路とする。この場合、大気開放路の入口部から出口部に至る経路は、2本となる。すなわち、入口部から進入した空気は、時計回り又は反時計回りに、出口部に到達し、外部に排出される。さらに、大気開放路と空間部とを連通させる流路(入口溝部86aに相当する。)や、大気開放路と外部とを連通させる流路(出口溝部86bに相当する。)は、一つに限らず、複数あってもよい。
【0086】
また、大気開放路90は、一つ設けられていたが、複数であってもよい。例えば、シール部材18の両面に溝部86を設け、それぞれ第1流路部材17と第2流路部材21とで接合することで、二つの大気開放路90を構成してもよい。
【0087】
また、空間部100は、コンプライアンス部59に対向するコンプライアンス空間部56と連通していたが、空間部100にコンプライアンス空間部56を連通させる構成は必須ではない。
【0088】
上述した各実施形態では、流路(圧力発生室)に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、圧電材料61と電極形成材料62,63とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子43を例示したが、圧力発生手段は、特にこれに限定されるものではなく、圧電材料61と電極形成材料62,63とを交互に積層させて積層方向の一端部を振動板51に当接させる横振動型の圧電素子を用いるようにしてもよい。
【0089】
また、圧力発生手段としては、例えば、下電極、圧電材料からなる圧電体層及び上電極を成膜及びリソグラフィー法によって形成した薄膜型の圧電素子を用いてもよく、また、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電素子を使用することもできる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるものなども使用することができる。
【0090】
また、上述したインクジェット式記録装置1では、記録ヘッド2がキャリッジ4に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド2が固定されて、紙等の記録シート6を副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
【0091】
なお、上記各実施形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0092】
1 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 2 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 12 流路部材、 14 ヘッド本体、 17 第1流路部材、 18 シール部材、 19 第3流路部材、 21 第2流路部材、 24 第1流路、 27 第3流路、 29 第2流路、 36 ノズル、 38 圧力発生室、 45 振動子ユニット、 52 マニホールド、 56 コンプライアンス空間部、 59 コンプライアンス部、 71 第1大気連通孔、 84 大気入口部、 85 大気出口部、 86 溝部、 86a 入口溝部、 86b 出口溝部、 90 大気開放路、 100 空間部、 101 第2大気連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するヘッド本体と、
導入された液体が流通する第1流路を有する第1流路部材と、
前記ヘッド本体に供給される液体が流通する第2流路を有する第2流路部材と、
前記第1流路部材及び前記第2流路部材に挟持された環状のシール部材とを備え、
前記第1流路及び前記第2流路は、前記第1流路部材、前記第2流路部材及び前記シール部材とで画成された空間部内で連通し、
前記シール部材の前記第1流路部材又は前記第2流路部材との接合面には、前記空間部を外部に連通させる大気開放路が形成されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記空間部内には、第3流路を有する第3流路部材が配設され、
前記第1流路及び前記第2流路は、前記第3流路を介して連通している
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記シール部材には、当該シール部材の全周のうちの一部である第1領域を除いた第2領域に大気開放路が設けられ、
前記大気開放路は、前記空間部に連通する入口部及び前記外部に連通する出口部を有し、前記入口部と前記出口部とは前記第1領域を挟んで配置されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記シール部材には、前記第1流路部材又は前記第2流路部材の何れか一方との接合面に溝が形成され、
前記溝と前記接合面とで画成される空間が前記大気開放路となっている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記溝の両側に、前記第1流路部材又は前記第2流路部材が当接する凸部が形成されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記シール部材には、前記溝が形成された接合面とは反対側の接合面に凸部が形成されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記ヘッド本体は、液体を吐出するノズルと、当該ノズルに連通する圧力発生室と、当該圧力発生室に圧力を発生させる圧力発生手段と、当該圧力発生室に連通した個別流路と、当該個別流路に連通して各個別流路に共通のマニホールドと、当該マニホールドに対応する領域に形成されたコンプライアンス空間部とを備え、
前記空間部は、前記コンプライアンス空間部に連通している
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−240341(P2012−240341A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114053(P2011−114053)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】