説明

液体噴射装置

【課題】 蓄圧式であって、取り扱いが容易で安全性が高く、液体の吐出量の調整が可能な液体噴射装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 ケース本体1内に液体を貯留するタンク5が装着され、該タンク内圧を加圧ポンプ10により加圧し液体を噴射ノズル15より噴射する蓄圧式の液体噴射装置であり、加圧ポンプ10を制御手段によりタンク内圧を一定に保つようにして噴射ノズル15から所望量の液体を噴射するようにし、かつケース本体内にタンク5を着脱可能な着脱部7を備え、ケース本体上部にレバー部材12を備え、レバー部材12はタンク内圧を開放する開放弁を有するとともにタンク5を着脱部7から脱着するカム18,19を有し、レバー部材12を操作することによって、前記開放弁を開放してタンク内圧を減圧した後に、ケース本体1の着脱部7からタンク5を脱着するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬散布、或いは皮膚や創傷部の洗浄に使用される携帯可能な液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置は、農薬散布や医療現場での消毒などに使用されている。液体を噴射する方式には、ギアポンプによる液体噴射タイプと蓄圧式噴射タイプとの2種がある。ギアポンプは、ケース内に設けられた同形ギアの噛み合いにより液体がケース内壁に沿って押し出されて噴射する方式であり(特許文献1参照)、蓄圧式噴射タイプは、液体タンク内を加圧して圧力により液体を押し出して噴射する方式である(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平07−213962号公報(明細書段落〔0008〕〜〔0009〕,図1)
【特許文献2】特開2002−059040号公報(明細書全文,全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記液体噴射タイプの電動噴霧機では、液体タンク側にギアポンプのスイッチが設けられ、噴射ノズルには吐出量を噴射口で調整するコック等が設けられており、噴射口を閉じる操作を行ったとしてもギアポンプが起動し続けるため、手元と液体タンク側の両者を操作しない限り、ギアポンプが起動し続けてタンク内圧が異常に高くなるといったことがあり、別途停止操作を行わねばならないといった煩わしさがあった。
【0005】
また、蓄圧式噴霧機では、薬液を噴霧する際の圧力調整が難しいといった欠点があり、医療現場で使用される蓄圧式噴霧機は、皮膚や創傷部等に応じて洗浄する際の薬液の吐出量に差があり、微妙な調整が困難である欠点があった。また、液体の貯蔵タンクは、本体から簡単に取り外せないため、タンク内が空になった場合、本体毎給水口に搬送しなければならない煩わしさがあった。また、水や薬液等を供給する際、タンク内圧は高い状態にあり、タンクの供給口の蓋の開放がし難かったり、或いは残留薬液等が供給されている場合には、起動状態で供給口の蓋を開いたりするおそれがあり、安全性の点にも問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたものであり、蓄圧式であって、取り扱いが容易で安全性が高く、液体の吐出量の調整が可能な液体噴射装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述課題を解決するために、本発明は、次のような手段を採用した。
請求項1の発明は、ケース本体内に液体を貯留するタンクが装着され、該タンク内圧を加圧ポンプにより加圧し液体を噴射ノズルより噴射する蓄圧式の液体噴射装置において、
前記加圧ポンプを制御手段により所定タンク内圧に保って前記噴射ノズルから所望量の液体を噴射するようにし、かつケース本体内にタンクを着脱可能な着脱部を備え、前記ケース本体上部にレバー部材を備え、該レバー部材は前記タンク内圧を開放する開放弁を有するとともに該タンクを前記着脱部から脱着するカムを有し、該レバー部材を操作することによって、前記開放弁を開放して前記タンク内圧を減圧した後に、ケース本体の該着脱部から該タンクを脱着するようにしたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0008】
また、請求項2の発明は、前記着脱部が、前記タンクの頸部を押圧して該タンクを支持し、かつ該着脱部の押圧力に抗するためのロック解錠部材が該着脱部に設けられ、前記カムが第1と第2のカムからなり、該レバー部材の角度が所定角度で第1のカムが前記ロック解錠部材に係合して前記着脱部による押圧力を開放し、該所定角度以上で第2のカムが押圧レバーに係合し、該タンクの口を下方に押圧して前記着脱部から該タンクを脱着するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置である。
【0009】
また、請求項3の発明は、前記制御手段が、前記タンク内圧を圧力センサで検出し、該タンク内圧が所定レベル以下である場合、前記加圧ポンプを作動させて前記タンク内圧を加圧し、かつ該タンク内圧が所定レベル以上である場合、前記加圧ポンプの動作を停止する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置である。
【0010】
また、請求項4の発明は、前記タンクの頸部が、環状の楔状突起部と嵌合部と係止突起部とを備えることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の液体噴射装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、ケース本体内に液体を貯留するタンクが装着され、該タンク内圧を加圧ポンプにより加圧し液体を噴射ノズルより噴射する蓄圧式の液体噴射装置において、
前記加圧ポンプを制御手段により所定タンク内圧に保って前記噴射ノズルから所望量の液体を噴射するようにし、かつケース本体内にタンクを着脱可能な着脱部を備え、前記ケース本体上部にレバー部材を備え、該レバー部材は前記タンク内圧を開放する開放弁を有するとともに該タンクを前記着脱部から脱着するカムを有し、該レバー部材を操作することによって、前記開放弁を開放して前記タンク内圧を減圧した後に、ケース本体の該着脱部から該タンクを脱着するようにしたことを特徴とする液体噴射装置であるので、タンクの交換が容易であり、液体の補充は、液体が充填されたタンクを予め用意し、空になったタンクと交換するのみで可能であり、液体の補充に時間を要することなく、洗浄或いは消毒等の作業を連続して行うことが可能になる利点がある。また、タンク内圧が一定に維持されており、噴射ノズルでの吐出開口断面積を制御することによって、任意の吐出量を噴射させることができる利点がある。
【0012】
また、請求項2の発明では、前記着脱部が、前記タンクの頸部を押圧して該タンクを支持し、かつ該着脱部の押圧力に抗するためのロック解錠部材が該着脱部に設けられ、前記カムが第1と第2のカムからなり、該レバー部材の角度が所定角度で第1のカムが前記ロック解錠部材に係合して前記着脱部による押圧力を開放し、該所定角度以上で第2のカムが押圧レバーに係合し、該タンクの口を下方に押圧して前記着脱部から該タンクを脱着するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置であるので、タンクを交換する際の作業が、レバー部材の操作によって可能であり、タンクの脱着が容易である利点があり、また、レバー部材の操作によりタンク内の空気圧を開放した後、タンクを脱着するので、残留液体が噴出する等の危険性が回避され、安全性が高いといった利点がある。
【0013】
また、請求項3の発明では、前記制御手段が、前記タンク内圧を圧力センサで検出し、該タンク内圧が所定レベル以下である場合、前記加圧ポンプを作動させて前記タンク内圧を加圧し、かつ該タンク内圧が所定レベル以上である場合、前記加圧ポンプの動作を停止する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置であるので、タンク内圧を圧力センサでタンク内圧の上限と下限を検出し、タンク内圧が所定レベル以下であれば、加圧ポンプを駆動してタンク内圧を高め、タンク内圧が所定レベル以上であれば、加圧ポンプを駆動を停止してタンク内圧を一定に制御するようにし、噴射ノズルから噴射される液体の噴射量の制御が容易なものにすることができる利点がある。
【0014】
また、請求項4の発明では、前記タンクの頸部が、環状の楔状突起部と嵌合部と係止突起部とを備えることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の液体噴射装置であるので、着脱部の係止片がタンクの頸部の嵌合部に噛み合わされ、レバー部材の操作により係止片が外されてタンクが着脱可能となり、タンクの交換が容易である利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1は、本発明の液体噴射装置の一実施形態を示す概略斜視図であり、図2は本実施形態のタンク内圧を加圧又は減圧する系統を示す系統図である。図3は本実施形態の横幅方向の要部断面図、図4は本実施形態の奥行き方向の要部断面図である。図5(a)は着脱部の上面図、図5(b)はそのA−A矢視断面図である。図6(a)は架橋状取付部の上面図、(b)は架橋状取付部のB−B矢視要部断面図、図6(c)は差込部のC−C矢視断面図である。図7はレバー部材とカムであり、(a)はその上面図、(b)はD−D矢視断面図、(c)はE−E矢視断面図である。図8(a)はカムの側面図、(b)はレバー部材の要部裏面図である。
【0016】
先ず、図1,図2を参照して本実施形態の概要を説明する。本実施形態は、ケース本体1が下部ケース2と上部ケース3と内部ケース4とからなる。下部ケース2は箱状脚部2a,2bからなり、これらの箱状脚部2a,2bは内部ケース4に固定され、内部ケース4に設けられた支柱に上部ケース3が固定され、かつ基板6が内部ケース4内に固定されている。また、上部ケース3の上面には、レバー部材12と電源スイッチ13aと表示灯13bとが設けられ、上部ケース3の側面にホースを介して噴射ノズル15が設けられている。
【0017】
上部ケース3内に設けられた基板6には液体を貯留するタンク5を装着する着脱部7が基板6の表面に形成されているとともに、タンク5の口に差し込まれる差込部9が設けられた架橋状取付部8が設けられている。また、基板6の裏面には加圧ポンプ10と圧力センサ11とが固定され、箱状脚部2aには電圧源として電池14が収納されている。電源スイッチ13aは、電池14から電圧源の加圧ポンプ10や圧力センサ11への供給を制御し、表示灯13bは加圧ポンプ10の動作に対応して点灯する。
【0018】
タンク5は、図2〜図4に示したように、その頸部に環状の楔状突起部5aと嵌合部5bと係止突起部5cとが上方から順番に形成されている。楔状突起部5aは、タンク5の頸部先端をテーパー形状として差込部9への挿入が易な形状とし、嵌合部5bと係止突起部5cは、タンク5が着脱部7に係止し易い形状としたものである。また、上部ケース3には液体噴射装置を携帯するためのベルト16が設けられている。なお、下部ケース2の形状は、箱状脚部2a,2bに限定するものではなく、脱着したタンク5を受けることができる有底状構造としてもよい。
【0019】
続いて、本実施形態の各部構造について図1〜図8を参照して詳細に説明する。
基板6には、タンク5の頸部が挿入される円形開口部6aが設けられ、基板6の表面に着脱部7と架橋状取付部8とが設けられている。架橋状取付部8は、その底部に設けられた差込部9が円形開口部6aに位置するように、基板6表面にネジS1で固定されており、差込部9は円形開口部6aより下方に突出している。基板6の裏面側に設けられる内部ケース4は、挿入されるタンク5の頸部が円形開口部6aに案内されるようにテーパー状に形成され、その上端部分が円形開口部4aとなっている。
【0020】
着脱部7は、図3及び図5を参照して説明すると、基板6の表面に円形開口部6aを挟んで互いに向き合うように配置され、その配置方向は、架橋状取付部8の長手方向に対し直交方向であり、架橋状取付部8の取付部9の中心を対向配置された着脱部7の中心線上が通過する位置に配置されている。着脱部7は、基板6の表面に固定された案内部材7aと、案内部材7a内を基板6面を摺動する摺動部材7bと、摺動部材7bの一端に設けられたバネ部材7cと、摺動部材7bの他端に設けられ、タンク5の頸部の嵌合部5bに係合する係止片7dと、摺動部材7bの上面に案内部材7aから突出するロック解除部材7eとからなり、摺動部材7bは一端を基板6に固定されたバネ部材7cにより押圧され、摺動部材7bの先端の係止片7dが円形開口部6a内方向に突出し、係止片7dがタンク5の頸部の嵌合部5bに係合するように構成されている。タンク5は、差込部9にタンク5の口が装着され、かつタンク5の頸部が着脱部7に支持され、ケース本体1内に収納される。
【0021】
架橋状取付部8は、図4及び図6を参照して説明すると、架橋状部材8aとその下部に設けられる差込部9とが一体構造物となっており、架橋状部材8aは基板6の表面に、互いに向かい合うように設けられた着脱部7に対して直交方向に配置され、その脚部8bがネジS1により基板6の表面に固定されている。架橋状取付部8の下端面に設けられた差込部9は、タンク5の頸部が装着し易いように円形開口部6aより下方に突出している。また、架橋状部材8aには切欠部8cが設けられ、押圧レバー17の回動軸17aが切欠部8cに掛架されて回動可能に設けられている。押圧レバー17は、板状部材の両他端を回動軸17aで接続した構造である。また、架橋状部材8aの上部にはジョイントJ1,J2に接続したチューブT2,T3が配設されている。
【0022】
差込部9には噴射用液体の流路9aと加圧用の空気路9bとが設けられ、差込部9の側壁上部にはタンク5の機密性を高めるためのOリング9cが設けられている。タンク5は、タンク5の頸部の嵌合部5bに係合する着脱部7の係止片7dと、タンク5の口に挿入される差込部9とでケース本体1内に装着され、Oリング9cによりタンク5内の機密性が高められている。差込部9の流路9aの下端部には、タンク5内に延在するチューブT1が接続され、そのチューブT1の先端部が概ねタンク5の底部に達している。流路9aの上端部はジョイントJ1を介してチューブT2に接続されてホースを介して噴射ノズル15に接続されている。
【0023】
また、空気路9bは、図2,図3に示したように、その下端部がタンク5内の空気層に開口し、その上端部にジョイントJ2が接続され、ジョイントJ2にチューブT3の一端が接続され、チューブT3の他端が加圧ポンプ10の吐出口に接続され、チューブT3から分岐したチューブが圧力センサ11に接続され、さらにチューブT3から分岐したチューブが空気ノズル20に接続されている。この空気ノズル20の先端がレバー部材12の内面に設けられたパッキン(開放弁)12aと接触し、パッキン12aが開放弁の機能を果たしている。このように差込部9の流路9aと空気路9bに接続されたジョイントJ1,J2に夫々接続されたチューブT2,T3は、架橋状取付部8の上部に沿って引き出されて基板6の裏面側に延在し配設されている。なお、ジョイントJ1,J2には、例えばフレヤードエルボジョイント等が使用され、空気ノズル20には、例えばハーフユニオンジョイント等が使用されている。
【0024】
押圧レバー17は、先に説明したように、架橋状取付部8の左右に延在する板状部材の両他端を回動軸17aで接続された上面コ字状の部材であり、架橋状取付部8に設けられている。押圧レバー17は、板状部材の頭部に突出部17bが設けられ、回動軸17aが架橋状取付部8の切欠部8cに嵌入して軸支され、回動軸17aを軸中心とし回動自在に設けられている。押圧レバー17は、レバー部材12のカムと係合し、押圧レバー17の突出部17bが架橋状取付部8の左右より突出するタンク5の口を押圧し、差込部9に挿入されたタンク5を脱着するための部材である。
【0025】
また、架橋状取付部8には上方に突出する突起部21が設けられ、突起部21は、架橋状取付部8の差込部9の位置合わせ、又はレバー部材12のカムと差込部9との位置決め用として利用し、組み立て精度が高めるようにしている。
【0026】
レバー部材12は、図3,図4,図6に示したように、上部ケース3の上面部に回動軸12aにより回動自在に設けられ、回動軸12aの両端部近傍にカム18,19が設けられ、レバー部材12の内面にタンク内圧を開放する開放弁として機能するパッキン12bが設けられている。カム18,19間には回動軸12aに挿通されたトーションバネ(図省略)が設けられ、レバー部材12が常時閉じられるように付勢している。カム18,19は、レバー部材12に一体に形成されて回動軸12aを中心に回動する。カム18は、着脱部7のロック解除部材7eと係合し、レバー部材12を上方に開くことによって、カム18の幅が次第に拡大するように形成され、カム18が接触するロック解除部材7eが互いに離れるように動作する。また、カム19は、レバー部材12を所定角度まで回動させると、押圧レバー17の突出部17bの上端部に接触し、レバー部材12をさらに上方に回動させることによって、カム19が押圧レバー17を押圧し、押圧レバー17の突出部17bの下端部がタンク5の口を押圧することによって、タンク5が着脱部7より脱着される。
【0027】
さらに、図7(a)〜(c)は、レバー部材12とカム18,19とその断面図を示している。図8(a),(b)にはレバー部材12の角度による機能を示し、カム18,19の詳細図を示している。回動軸12aの軸中心を通過する垂線を基準に10°の範囲が開放弁(パッキン12b)によりタンク5内圧を開放する範囲を示し、10°から40°までの範囲が、カム18の摺動面18aがロック解除部材7eと接触して摺動部材7bをケース本体1の横幅方向に後退させてタンク5の嵌合部5bに係合する係止片7dを引き離す範囲を示している。また、垂線から30°の範囲が、カム19の押圧面19aが押圧レバー17の突出部17bの上端部に接触して押圧して、差込部9に装着されたタンク5を下方に押圧して脱着する範囲を示している。
【0028】
本実施形態の液体噴射装置は、上述のように、流路9aの下端部にチューブT1が接続され、流路9aの上端部にジョイントJ1を介して噴射ノズル15に接続され、加圧ポンプ10の吐出口と加圧用空気路9bとがジョイントを介してチューブT3で接続され、チューブT3から分岐したチューブが圧力センサ11に接続されている。電源スイッチ13aをオンとすることによって、加圧ポンプ10が駆動し、タンク5内圧が上昇する。また、圧力センサ11は、タンク5内圧が所定圧力以下になると、駆動信号を出力して加圧ポンプ10を駆動し、タンク5内圧を上昇させる。一方、タンク5内圧が所定圧力以上になると、圧力センサ11は停止信号を出力し、加圧ポンプ10の駆動を停止させるようにして、タンク内圧が一定になるように制御している。加圧ポンプ10は、圧力センサ11による制御手段により、タンク内圧が一定になるように調整されているので、噴射ノズル15を操作し、噴射ノズル15の液体流路の開口断面積を調整することによって、所望の吐出量の液体を噴射させることができる。
【0029】
また、チューブT3から分岐したチューブの先端には空気ノズル20が接続され、この空気ノズル20の先端部がレバー部材12のパッキン12aに接触して圧力開放弁として機能している。即ち、レバー部材12を開くことにより、開放弁が開放され、タンク内圧が開放される。レバー部材12を上方に回動させて開くと、タンク5内圧が開放され、着脱部7のロック解除部材7eと係合するカム18が両着脱部7のロック解除部材7eが互いに遠ざかるように摺動して、タンク5の頸部の凹嵌部5bに係合していた係止片7dが凹嵌部5bから離れてタンク5のロック状態が解除される。さらに、レバー部材12を上方に回動させると、カム19の押圧面19aが押圧レバー17の突出部17bの上端部に当接し、押圧レバー17を押圧し、押圧レバー17の突出部17bの下端部がタンク5の口を押圧することによって、タンク5は着脱部7から容易に脱着することができる。
【0030】
ケース本体1からタンク5が脱着した後、予め用意した液体が充填されたタンク5をケース本体1内に挿入し、このタンク5の頸部が内部ケース4に沿って円形開口部4aから円形開口部6aに案内されて着脱部7に装着され、液体を噴射可能な状態に設定することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の活用例としては、洗浄機、医療用噴射機、殺虫剤散布機(噴射機、噴霧機)等が列挙される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の液体噴射装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本実施形態のタンク内圧を加圧又は減圧を示す系統図である。
【図3】本実施形態の着脱機構の幅方向の要部断面図である。
【図4】本実施形態の着脱機構の奥行き方向の要部断面図である。
【図5】(a)は着脱部の上面図、(b)はその摺動部材のA−A矢視断面図である。
【図6】(a)は架橋状取付部の上面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。
【図7】(a)はレバー部材の上面図、(b)はそのD−D矢視断面図、(C)はそのE−E矢視断面図である。
【図8】(a)はカムの要部断面図、(b)はレバー部材の裏面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ケース本体
2 下部ケース
2a,2b 箱状脚部
3 上部ケース
4 内部ケース
4a 円形開口部
5 タンク
5a 楔状突起部
5b 嵌合部
5c 係止突起部
6 基板
6a 円形開口部
7 着脱部
8 架橋状取付部
8a 架橋状部材
8b 脚部
8c 切欠部
9 差込部
9a 流路
9b 空気路
9c Oリング
10 加圧ポンプ
11 圧力センサ
12 レバー部材
12a 回動軸
12b パッキン(開放弁)
13a 電源スイッチ
13b 表示灯
14 電池(電圧源)
15 噴射ノズル
16 ベルト
17 押圧レバー
17a 回動軸
17b 突出部
18,19 カム
20 空気ノズル
21 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体内に液体を貯留するタンクが装着され、該タンク内圧を加圧ポンプにより加圧し液体を噴射ノズルより噴射する蓄圧式の液体噴射装置において、
前記加圧ポンプを制御手段により所定タンク内圧に保って前記噴射ノズルから所望量の液体を噴射するようにし、かつケース本体内にタンクを着脱可能な着脱部を備え、前記ケース本体上部にレバー部材を備え、該レバー部材は前記タンク内圧を開放する開放弁を有するとともに該タンクを前記着脱部から脱着するカムを有し、該レバー部材を操作することによって、前記開放弁を開放して前記タンク内圧を減圧した後に、ケース本体の該着脱部から該タンクを脱着するようにしたことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記着脱部が、前記タンクの頸部を押圧して該タンクを支持し、かつ該着脱部の押圧力に抗するためのロック解錠部材が該着脱部に設けられ、前記カムが第1と第2のカムからなり、該レバー部材の角度が所定角度で第1のカムが前記ロック解錠部材に係合して前記着脱部による押圧力を開放し、該所定角度以上で第2のカムが押圧レバーに係合し、該タンクの口を下方に押圧して前記着脱部から該タンクを脱着するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記制御手段が、前記タンク内圧を圧力センサで検出し、該タンク内圧が所定レベル以下である場合、前記加圧ポンプを作動させて前記タンク内圧を加圧し、かつ該タンク内圧が所定レベル以上である場合、前記加圧ポンプの動作を停止する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記タンクの頸部が、環状の楔状突起部と嵌合部と係止突起部とを備えることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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