説明

液体安定剤混合物

本発明は、(a)1以上の液体UV吸収剤(ただし、液体UV吸収剤としてのTinuvin384−2を除外する)、(b)安定化作用を有する基を含む1以上の分岐ポリマー、(c)場合によって1以上のさらなる添加剤を含む混合物に関する。光、酸素、および/または熱の作用に対して無生物有機材料を安定化させるためのかかる混合物の使用。少なくとも1つのかかる混合物を含む無生物有機材料、およびかかる無生物有機材料から製造される物体。光、酸素、および/または熱の作用に対して無生物有機材料を安定化させる方法であって、少なくとも1つのかかる混合物を無生物有機材料に有効量で適用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
(a)1以上の液体UV吸収剤(ただし、液体UV吸収剤としてのTinuvin384−2を除外する)、
(b)安定化作用を有する基を含む1以上の分岐ポリマー、
(c)場合によって1以上のさらなる添加物
を含む混合物に関する。
【0002】
本発明はさらに、この混合物を用いて無生物有機材料、さらに詳細にはプラスチックを、光、酸素および/または熱の作用に対して安定化する方法を開示する。本発明はさらに、このようにして安定化された無生物有機材料から製造される物品に関する。
【0003】
本発明のさらなる実施形態は、特許請求の範囲、説明、および実施例から明らかである。前述の本発明の主題の特徴、および以下でさらに説明する特徴は、それぞれの場合での特定の組み合わせだけではなく、他の組み合わせでも、本発明の範囲から逸脱することなく使用できると理解される。さらに詳細には、本発明の主題の特徴のすべてが、好適な定義を有する本発明の実施形態が好ましく、非常に好適な定義を有する本発明の実施形態が非常に好ましい。
【0004】
無生物有機材料、特にプラスチックは、特に、光、酸素および/または熱の作用によって、多くの場合は急速に破壊されることが知られている。このような破壊は、典型的には、材料の黄変、変色、亀裂または脆化という形で現れる。したがって、例えば光安定剤等の安定剤の目的は、光、酸素および/または熱による無生物有機材料の破壊に対して満足できる保護を得ることである。
【0005】
2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンの誘導体は、約30年の間、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)という名称で光安定剤および安定剤として、さらに詳細にはプラスチックおよびコーティング材料用に商業的に使用されてきた。
【0006】
2以上の安定剤、例えば酸化防止剤、HALS化合物および/またはUV吸収剤の混合物を、ポリマーを安定化させる目的で使用できることも、当業者には既知である。
【0007】
EP1363883B1は、HALS化合物を含む安定剤を開示している。これらは、ポリマーの安定化のために用いられる。この明細書は、他の成分の中でも特にUV吸収剤も含む組成物も記載している。
【0008】
EP1060225B1は、液体多官能性添加剤の製造法を記載する。この多官能性添加剤は、有機材料、例えばポリマーを安定化させるために用いられる。多官能性添加剤に加えて、安定化された材料は、場合によって、さらなる添加剤、例えば、UV吸収剤も含み得る。
【0009】
WO02/092668A1は、超分岐もしくは樹状ポリマーまたはコポリマーに化学的に結合した基の形態の既知ポリマー添加剤を含む添加剤を記載する。これらのポリマー添加剤は、例えばUV吸収剤であるか、またはHALS化合物である。この明細書は、これらの安定剤を含む組成物も開示する。さらに、これらの組成物は、例えば、UV吸収剤または光安定剤等の従来型添加剤も含み得る。
【0010】
WO2004/094505A1は、高度に分岐したアンカー基としての官能基、および1以上の安定化作用を有する基を有する高度に分岐したポリマーから構成される安定剤であって、熱、UV線放射、酸化、加水分解または加工中の機械的作用による損傷からプラスチックを保護する1以上の安定化作用を有する基を有する安定剤を開示し、この安定化作用を有する基は、高度に分岐したポリマーの官能基と反応することができる官能基を介してアンカー基とカップリングする。
【0011】
WO2005/070987A1は、1分子あたり平均2〜10個のイソシアネート基を有し、イソシアネート基1モルあたり0.1〜1.0モルの1以上の安定化作用を有する基を有する1以上のポリイソシアネートから構成される安定剤であって、熱、UV線放射、酸化、加水分解または加工中の機械的作用による損傷からプラスチックを保護する安定剤を開示し、この安定化作用を有する基は、イソシアネート基と反応することができる官能基を介して、ポリイソシアネート基とカップリングする。安定化作用を有する基は、フェノール、立体的に遮蔽されたアミン(HALS化合物)、ベンゾトリアゾ−ル、ベンゾフェノン、芳香族アミン、およびホスファイトから選択される。
【0012】
本発明者等の未公開の国際出願第PCT/EP2007/057427号は、ポリマー中で安定剤として使用できる分岐添加剤を記載する。PCT/EP2007/057427の分岐添加剤は、HALS化合物を含むことができ、例えば、酸化、熱または放射線によって誘発される分解に対して熱可塑性物質および熱硬化性物質を安定化させるために用いられる。
【0013】
WO2006/048206A1で開示される安定化された熱可塑性成形材料は、HALS基を有する分岐安定剤を含み得る。
【0014】
これらの化合物および混合物は、商慣習ですでに確立されているが、それでもなお、さらに詳細には安定剤の取り扱い性、安定剤と安定化される化合物との混和性において、改善の余地がある。多くの場合、安定剤もしくはこれらの混合物は固体物質であり、これらは粉末形態であることが多く、測定するのが容易でない。さらに、ある場合においては、安定剤の均質な分布を達成しつつ固体安定剤を安定化される材料中に組み入れることは困難である。これらの場合、安定剤を溶媒中に分散もしくは溶解させる必要があることが多い。しかし、この方法はさらなる処理工程を必要とする。さらに、溶解もしくは分散された安定剤は、低濃度の有効化合物を有し、したがって、安定剤の輸送は好ましくない。多くの場合さらには、液体成分が安定化される材料の製造もしくは加工においてすでに使用されている(例えば、ポリウレタンの製造においてはポリオールであり、プラスチックの加工においては可塑剤である)。この場合、もちろん、液体添加剤を混合することが特に有益である。
【0015】
したがって、取り扱いやすく、安定化される材料中に組み入れやすい混合物を提供することが、本発明の1つの目的であった。本発明のさらなる目的は、安定化される材料中に液体形態で組み入れることができ、安定化された物質から移動する傾向を有さず、同時に低揮発度を示す液体安定剤混合物を提供することであった。本発明のさらなる従属的目的は、混合物、さらに詳細には液体混合物であって、高い安定剤濃度を有し、経済的に輸送することもできるものを提供することであった。本発明のさらなる目的は、光、酸素および/または熱の作用に対して材料を効率的に安定化させる混合物を提供することであった。
【0016】
したがって、冒頭に記載する混合物を見いだした。
【0017】
本発明に関して、Ca−Cbの形の表示は、特定数の炭素原子を有する化合物または置換基を特定する。炭素原子の数は、aおよびbを含むa〜bの全範囲から選択することができ、aは少なくとも1であり、bは常にaよりも大きい。化合物または置換基は、Ca−CbVの形の表示によってさらに詳しく記載される。ここで、Vは化合物もしくは置換基の化学的分類であり、例えばアルキル化合物またはアルキル置換基を表す。
【0018】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは、フッ素、塩素または臭素、さらに好ましくはフッ素または塩素である。
【0019】
ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、硫黄またはリンである。
【0020】
表示する様々な総称は、特に記載しない限り、以下の特定の定義を有する:
1−C30アルキル:30個までの炭素原子を有する直鎖または分岐炭化水素基、例えばC1−C18アルキル、C1−C10アルキルまたはC11−C20アルキル、好ましくは、C1−C10アルキル、例えばC1−C6アルキル、C1−C4アルキル、C1−C3アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル,またはC4−C6アルキル、n−ブチル、sec−ブチル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチル−ペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル,またはC7−C10アルキル、例えばヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニルまたはデシル(例えば、2−プロピルヘプチル)、ならびにこれらの異性体。
【0021】
2−C22アルケニル:2〜22個の炭素原子および任意の望ましい位置で少なくとも1個の二重結合、好ましくは、1個の二重結合を有する不飽和直鎖または分岐炭化水素基、例えばC2−C10アルケニルまたはC11−C22アルケニル、好ましくは、C2−C10アルケニル、例えばC2−C4アルケニル、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル,またはC5−C6アルケニル、例えば1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニルまたは1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、ならびにC7−C10アルケニル、例えば、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルまたはデセニルの異性体。
【0022】
3−C15シクロアルキル:3〜15個の炭素環構成要素を有する単環式飽和炭化水素基、好ましくは、C3−C8シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル、ならびに飽和または不飽和多環系、例えばノルボルニルまたはノルベニル。C5−C6シクロアルキルが特に好適である。
【0023】
アリール:6〜14個の炭素環構成要素を有する1〜3環式芳香族環系、例えばフェニル、ヒドロキシフェニル、ナフチルまたはアントラセニル、好ましくは、1〜2環式、さらに好ましくは単環式芳香族環系。
【0024】
複素環:酸素、窒素および/または硫黄原子を含み、適切ならば2以上の環を含む5〜12員、好ましくは、5〜9員、さらに好ましくは5〜6員環系、例えば、フリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオロピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニルまたはtert−ブチルチオフェニル。
【0025】
1−C20アルコキシは、酸素原子(−O−)を介して結合する1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基(前記で特定)であり、例えば、C1−C10アルコキシ、例えばn−ヘキソキシ、イソヘキソキシ、n−オクトキシ、2−エチルヘキソキシ、およびイソオクトキシ、さらにメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、またはC11−C20アルコキシ、例えばn−ウンデコキシおよびn−ドデコキシ、好ましくは、C1−C10アルキルオキシ、さらに好ましくはC1−C8アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシまたはオクトキシ。
【0026】
1−C22アルキレン:1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐炭化水素基、例えば、C2−C10アルキレンまたはC11−C22アルキレン、好ましくは、C2−C10アルキレン、特にメチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサメチレン。
【0027】
「液体」である物質は、本出願に関しては、5〜40℃の温度および500〜1500mbarの圧力で、寸法の変化に対して抵抗しないも同然に存在するが、体積変化に対しては非常に抵抗する物質である。液体物質のさらなる特性は、例えばDIN53019にしたがって23℃および1barで測定して、これらが1〜150,000mPa・s、好ましくは、10,000mPa・sまでの範囲の動的粘度を有することである。
【0028】
「デンドリマー」とは、本発明の文脈では、分岐度(DB)が99.9〜100%であることを意味する。「分岐度」の定義は、H. Frey et al., Acta Polym. 1997, 48, 30.を参照。
【0029】
「超分岐ポリマー」は、分子的および構造的に不均一である。これらは、ポリマー骨格と同じモノマーから構成される側基を含む点で、直鎖状ポリマーと異なる。これらはさらに、デンドリマーとは例えば分子不均一性が異なり、製造が大幅に容易である。「超分岐」とは、本発明の文脈では、分岐度が10〜99.9%、好ましくは、20〜99%、さらに好ましくは20〜95%であることを意味する。
【0030】
分岐度(DB)は
【数1】

[式中、Tは、末端結合したモノマー単位の平均数であり、Zは、分岐を形成するモノマー単位の平均数であり、Lは、問題となる高分子化合物中の直線的に結合したモノマー単位の平均数である]として定義される。
【0031】
本発明に関して、「分岐ポリイソシアネート」とは、多価イソシアネートの反応によって形成される基を含むオリゴマーおよびポリマーイソシアネートである。問題となる基は、例えば、ウレタン、アロファネート、尿素、ビウレット、ウレトジオン、アミド、イソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサジアジントリオンまたはイミノオキサジアジンジオンン基であり、これらは場合によって分岐をもたらす。分岐ポリイソシアネートは、したがって、多価イソシアネートのオリゴマーまたはポリマー化合物(二量体、三量体、四量体またはさらに高次の多量体)として特徴づけることができる。
【0032】
本発明に関して「超分岐ポリカーボネート」は、構造的と分子的との両方で不均一であるヒドロキシルおよびカーボネートまたはカルバモイルクロリド基を有する非架橋高分子である。本発明の一態様では、これらは、中心的分子から出発して、デンドリマーと同様であるが、不均一な分岐鎖長を有する組成を有し得る。本発明の別の態様では、これらは官能的側基を有する直鎖状組成を有し得るものであるか、または両極の組み合わせとして、直鎖部分と分岐部分とを有し得る。デンドリマーおよび超分岐ポリマーの定義に関しては、PJ. Flory, J. Am. Chem. Soc. 1952, 74, 2718およびH. Frey et al., Chem. Eur. J. 2000, 6, no. 14, 2499も参照。
【0033】
「分岐ポリマー」は、例えば、分岐ポリイソシアネートまたは超分岐ポリカーボネートであり得る。
【0034】
「安定化添加剤」は既知である。これらの機能は、例えば、光、酸素および/または熱によって引き起こされる環境への有害な影響の悪影響から化合物を保護することである。このような安定化添加剤の例としては、例えば酸化防止剤、加水分解阻害剤、クエンチャー、難燃剤または光安定剤が挙げられる。
【0035】
「安定化作用を有する基」は、多くの場合、安定化添加剤に基づく。これらは、光、熱、酸素、ペルオキシド、フリーラジカルおよび/または他の有害な分子または状態との相互作用に対する安定化添加剤の影響が防止されるか、または少なくとも被害が軽減される安定化添加剤の一部である。安定化作用を有する基は、分岐ポリマーと共有結合する。好ましくは、安定化作用を有する基は分岐ポリマーの鎖末端と共有結合する。原則として、分岐ポリマーは様々な安定化作用を有する基をはじめとする1以上の安定化作用を有する基を含む。安定化作用を有する基の数および他の安定化作用を有する基に対する割合は様々であり、安定化作用を有する基に対する分岐ポリマー中の結合点(共有結合)の数によってのみ制限される。しかし、この文脈で、全ての結合点が安定化作用を有する基と反応している必要はない。安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマーが、例えば、酸化防止剤として作用する場合、このポリマーは、プラスチックの酸化的分解を遅らせるかまたは停止させるこれらの安定化作用を有する基を含み得る。
【0036】
本発明の混合物において、成分(a)は、1以上の異なる液体UV吸収剤を含む。
【0037】
液体UV吸収剤は、多くの場合、市販品である。これらは、例えばBASF Aktiengesellschaft(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン)により、Uvinul(登録商標)の商標で販売されている。Uvinul(登録商標)光安定剤は、以下の種類の化合物を含む:ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、シアノアクリレート、桂皮酸エステル、パラ−アミノベンゾエート、ナフタルイミド。さらに、他の既知発色団、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジンまたはオキサルアニリドが用いられる。この種類の化合物は、例えば化粧品用途、例えば日焼け防止製品において、または有機ポリマーを安定化するために、単独もしくは他の光安定剤との混合物で用いられる。好適な液体UV吸収剤は、シアノアクリレート、桂皮酸エステル、ベンゾトリアゾールまたはトリアジンである。特に好適に使用される液体UV吸収剤は、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルまたは4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルである。非常に好適に使用される液体UV吸収剤は、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルである。非常に好適に使用されるさらなる液体UV吸収剤は、4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルである。
【0038】
液体UV吸収剤のさらなる例は次のとおりである:2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−4−アミノベンゾエート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチレート、2−エチルヘキシルサリチレート、イソアミル4−メトキシシンナメート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニルプロパン酸C7−9アルキルエステル、β−[3−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル]プロパン酸ポリ(エチレングリコール)300エステル、ビス{β−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル]プロパン酸}ポリ(エチレングリコール)300エステル。
【0039】
さらに好適な液体UV吸収剤は、参考として本明細書で明確に援用される、Cosmetic Legislation, Vol.1, Cosmetic Products, European Commission 1999,pp.64−66の本文から明らかである。
【0040】
好適な液体UV吸収剤は、EP1191041A2の6ページ14〜30行([0030])にも記載されている。当業者にはこれらのUV吸収剤のうちのどれが液体であるかはわかっている。この文献は、本発明の開示内容の一部となるように、本明細書で援用される。
【0041】
液体UV吸収剤は、Tinuvin384−2(95%ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−、C7−9−分岐および直鎖状アルキルエステル;5%の酢酸1−メトキシ−2−プロピル)(Ciba Speciality Chemicals,Inc.から得られるUV吸収剤)を含まない。
【0042】
さらに、本発明の混合物中で、成分(b)は、安定化作用を有する基を含む1以上の異なる分岐ポリマーから構成される。
【0043】
本発明の混合物の好適な一実施形態において、安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマー、またはそれらの混合物は液体である。
【0044】
安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマーは、例えば、WO2004/094505A1(4ページ、12行〜26行)で「分岐ポリマー安定剤」として開示されている。ここで開示されている安定剤は、参考として本明細書で明確に援用される。
【0045】
安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマーの構造は、好ましくは超分岐である。
【0046】
安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマーは、例えば、WO2004/094505A1(8ページ、71行〜13ページ、33行)に記載される一般法によって製造できる。ここで開示される製造法は、参考として本明細書で援用される。
【0047】
安定化作用を有する基(b)、例えば、特にここで記載される安定化作用を有する基(活性物質基、14ページ、1行〜22ページ、4行)を含む分岐ポリマーおよびその製造法に関して、WO2004/094505A1の全内容が参照することによって本明細書で援用される。安定化作用を有する基の主成分となる安定化化合物は、市販されているか、または当業者に既知の簡単な反応によって、市販の化合物から得ることができる。
【0048】
本発明の混合物は、好ましくは、成分(b)として安定化作用を有する基を含み、100〜20000g/mol、好ましくは、100〜15000g/mol、さらに好ましくは、100〜10000g/mol、および非常に好ましくは、200〜5000g/molの数平均分子量Mnを有する分岐ポリマーであることを特徴とする。
【0049】
好ましくは、本発明の混合物は、安定化作用を有する基としてHALS化合物を含む分岐ポリマーを成分(b)として含む。
【0050】
本発明の混合物の好適な一実施形態において、安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマーは、カーボネート−基を含む。この場合、ポリマーは好ましくは超分岐である。
【0051】
カーボネート基および安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリマーの製造は、本発明者等の国際出願PCT/EP2007/057427で示す方法によって行うことができる。
【0052】
本明細書によれば、安定化作用を有する基を有する超分岐ポリカーボネート(すなわち、カーボネート基を含む超分岐ポリマー)は、
(A)少なくとも3個のアルコール性ヒドロキシル基を有する少なくとも1つの化合物(以下、化合物(A)または、アルコール性ヒドロキシル基の数にしたがって、例えばトリオール(A)またはテトロール(A)またはペントール(A)とも称する)を、
(B)少なくとも1つの式Iの試薬(以下、試薬(B)とも称する)、
【化1】

(C)および一般式X3−(A1m−X4(以下、試薬(C)とも称する)の少なくとも1つの試薬
と反応させることによって、得ることができる。
【0053】
変数は以下のように定義される:
1、X2は、同様もしくは異なって、ハロゲン、より詳細には、例えば臭素および塩素、
1−C20アルコキシ、好ましくは、C1−C6アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、n−ヘキソキシおよびイソヘキソキシ、さらに好ましくはメトキシ、エトキシ、n−ブトキシおよびtert−ブトキシ;
アリールオキシ、さらに詳細にはフェノキシ、1−ナフトキシ、2−ナフトキシまたはC1−C4アルキル置換C6−C10アリールオキシ、
特にo−トリルオキシまたはp−トリルオキシ、
およびO−C(=O)−ハロゲン、特にO−C(=O)−Clから選択されるか;
あるいはX1およびX2は、一緒になって、式O−Q−O(式中、Qは、非置換もしくは置換α,ωアルキレン基、さらに詳細には、エチレンである)の基である。
【0054】
特に好適な試薬(B)は、ホスゲン、クロロギ酸エチル、ジホスゲンおよびトリホスゲン、ならびにジアルキルカーボネートまたはジアリールカーボネート、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート(ジ−n−ブチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート)、ジ−tert−ブチルジカーボネート、ジ−tert−ブチルトリカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ジエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、およびプロピレンカーボネートである。ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、およびプロピレンカーボネートが非常に特に好ましい。
【0055】
化合物(A)は、少なくとも3個のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物、例えばトリオール(A)、テトロール(A)またはペントール(A)から選択される。
【0056】
好適なトリオール(A)の例は、脂肪族、芳香族およびベンジルトリオールであり、これらはアルコキシル化されていないか、あるいはヒドロキシル基1個あたり1〜100回アルコキシル化されていてもよく、好ましくはC2−C4アルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくは1,2−ブチレンオキシドまたはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドの混合物でアルコキシル化されていてもよく、さらに詳細には、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでアルコキシル化されていてもよい。
【0057】
一例として、次のものが挙げられる:グリセロール、トリメチロールメタン、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミン、トリス(ヒドロキシエチル)アミン、トリス(ヒドロキシプロピル)アミン、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、フロログルシノール、トリヒドロキシトルエン、トリヒドロキシジメチルベンゼン、フロログルシド、1,3,5−ベンゼントリメタノール、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、三官能性またはさらに高次の多官能性アルコールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチレンオキシド、またはポリエステロールに基づく三官能性またはさらに高次の多官能性ポリエーテロール。グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパンおよびエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドに基づくこれらのポリエーテロールが特に好ましい。
【0058】
好適な例としては、アルコキシル化されていないか、またはヒドロキシル基1個あたり1〜100回C2−C4アルキレンオキシドでアルコキシル化されたグリセロールおよび(HO−CH23C−X7が挙げられ、X7は、窒素原子およびC−R6から選択され、R6は、水素およびC1−C4アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルから選択される。グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、1〜20回アルコキシル化されたグリセロール、および1〜20回アルコキシル化された1,1,1−トリメチロールプロパン(R6=C25)が非常に好ましく、アルコキシル化剤は、好ましくは、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドまたはこれらの混合物である。
【0059】
好適なテトロール(A)の例は、ペンタエリスリトール、ビス(トリメチロールプロパン)、およびジグリセロール(アルコキシル化されていないか、またはヒドロキシル基1個あたり1〜100回アルコキシル化されていてもよく、好ましくは、C2−C4アルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくは1,2−ブチレンオキシド、またはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドの混合物でアルコキシル化されていてもよく、さらに詳細には、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでアルコキシル化されていてもよい。
【0060】
好適なペントール(A)の例は、1分子あたり5個より多いアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物も含む。これらとしては、トリグリセロール、ポリグリセロール、ヘキサヒドロキシベンゼン、または糖、例えば、ソルボース、マンノースまたはグルコース、例えば特に還元糖、例えばソルビトールが挙げられ、これらは、アルコキシル化されていないか、またはヒドロキシル基1個あたり1〜100回アルコキシル化されていてもよく、好ましくは、C2−C4アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたは1,2−ブチレンオキシドまたはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドの混合物でアルコキシル化されていてもよく、さらに詳細には、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでアルコキシル化されていてもよい。
【0061】
化合物(A)は、好ましくは、3価もしくは4価アルコール、特にグリセロール、TMP(1,1,1−トリ(ヒドロキシメチル)プロパン、トリメチロールプロパン、CAS番号77−99−6)またはペンタエリスリトール(3価もしくは4価アルコールのヒドロキシル基1モルあたり、1〜5モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物でランダムにエーテル化されている)である。
【0062】
さらに、一般式X3−(A1m−X4(本発明に関しては、試薬(C)とも称する)の少なくとも1つの試薬を用いて反応を行い、
ここで、
3は、OH、SH、NH2、NH−C1−C4アルキル(ここで、C1−C4アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルから選択される)、例えばNH−CH3、NH−C25、NH−n−C37、NH−イソ−C37、NH−n−C49、NH−イソ−C49、NH−sec−C49、NH−tert−C49、さらに、イソシアネート、エポキシ、例えば
【化2】

COOH、COOR12、C(=O)−O−C(=O)、C(=O)−Cl、好ましくは、COOH、COOR12、OHおよびNH2から選択される官能基であり、
12は、C1−C4アルキルまたはC6−C10アリールであり、
1は、単結合またはスペーサーであり、スペーサーA1の例は、パラ−フェニレン、メタ−フェニレン、好ましくは、C2−C100アルキレン、好ましくは、C2−C50アルキレン、さらに好ましくはC20までのアルキレンであって、分岐もしくは非分岐であり、ここで、1〜6個の隣接しないCH2基を、適切ならば、それぞれ硫黄原子で置換することができ、これを酸化することもできるか、または酸素原子で置換することができる。以下のスペーサーを一例としてあげることができる:
−CH2−、−CH2−CH2−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−、−(CH210−、−(CH212−、−(CH214−、−(CH216−、−(CH218−、−(CH220−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH(C25)−、−CH2−CH(CH[CH32)−、−CH2−CH(n−C37)−、−[CH(CH3)]2−、−CH(CH3)−CH2−CH2−CH(CH3)−、−CH(CH3)−CH2−CH(CH3)−、−CH2−C(CH32−CH2−、−CH2−CH(n−C49)−、−CH2−CH(イソ−C37)−、−CH2−CH(tert−C49)−、
−CH2−O−、−CH2−O−CH2−、−(CH22−O−(CH22−、−[(CH22−O]2−(CH22−、−[(CH22−O]3−(CH22−、
−CH2−S−、−CH2−S−CH2−、−(CH22−S−(CH22−、−[(CH22−S]2−(CH22−、−[(CH22−S]3−(CH22−、−CH2−SO−CH2−、−CH2−SO2−CH2−、
特に好適なスペーサーは、C1−C10アルキレン基(分岐もしくは非分岐)、例えばCH2−、−CH2−CH2−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH2)S−、−(CH29−、−(CH210−であり、
mは、0または1であり、
4は、フェノール基、ベンゾフェノン、芳香族アミン、および含窒素複素環から選択される基(それぞれの場合、置換または非置換である)であり;好ましくは、含窒素複素環、さらに詳細にはHALS基から選択される基である。
【0063】
ここで、X4は、安定化作用を有する基の役割をする。試薬(C)は、かなりの程度まで商業的に入手可能であるか(例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノールもしくは1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジノール)、またはこれらの有機合成の標準的方法によって商業的に入手可能な化合物から得ることができる。
【0064】
フェノール基の具体例は、特に、立体的に遮蔽されたフェノール基、例えば1もしくは2個のイソプロピル基またはtert−ブチル基によって、フェノール性OH基に対してオルト位で置換されたフェノール基である。フェノール基の特に好適な例は
【化3】

である。
【0065】
フェノール基の非常に特に好適な例は、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸基である。
【0066】
ベンゾフェノン基の具体例は、
【化4】

である。
【0067】
芳香族アミンの例は、
【化5】

であり、ここで変数は次のように定義される:
6は、水素、
1−C12アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシルから選択され;
さらに好ましくは、C1−C4アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、
3−C12シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルおよびシクロドデシル;
好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル、
6−C14アリール、例えば1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラセニル、2−アントラセニル、9−アントラセニルおよび特にフェニル、
ベンジルから選択され、
7は、水素、
1−C4アルキル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルから選択される。
【0068】
含窒素複素環は、芳香族、一不飽和または飽和であり得る。含窒素複素環は、1、2もしくは3個の窒素原子を含むことができ、1以上の置換基を有し得、芳香族複素環の場合、1以上のヒドロキシフェニル置換基が好ましい。芳香族複素環の例は、ベンゾトリアゾールおよびトリアジン、特に式
【化6】

を有するものであり、これらはそれぞれ1以上のさらなる置換基、例えばヒドロキシルまたはC1−C4アルキル、特にtert−ブチル、さらにC(CH32(C65)またはC(CH32OHまたはパーフルオロ−C1−C4アルキル、特にCF3またはn−C49を有し得る。1以上の置換基を有する含窒素芳香族環の具体例は、
【化7】

である。
【0069】
飽和含窒素複素環の具体例は、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)として既知の置換基であり、式IIaもしくは式IIb
【化8】

を有し得、
ここで、変数は次のとおり定義される:
1、R2、R3およびR4は、同一または異なって、互いに独立して、
1−C12アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル;さらに好ましくはC1−C4アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルであり、特にR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、同じであり、メチルであり、
3−C12シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルおよびシクロドデシル;好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルであるか、
またはそれぞれの場合、R1およびR2および/またはR3およびR4は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、4〜8員環を形成し、
5は、酸素原子、硫黄原子、NH基、N−(C1−C4アルキル)基、カルボニル基;好ましくは、酸素原子であり、
2は、単結合またはスペーサーである。スペーサーA2の例は、パラ−フェニレン、メタ−フェニレン、好ましくは、C1−C20アルキレン(分岐もしくは非分岐)であり、それぞれの場合、1〜6個の隣接しないCH2基は、適切ならば、硫黄原子によって置換することができるか(酸化形態を含む)、または酸素原子で置換することができる。一例として、次のスペーサーが挙げられる:
−CH2−、−CH2−CH2−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−、−(CH210−、−(CH212−、−(CH214−、−(CH216−、−(CH218−、−(CH220−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH(C25)−、−CH2−CH(CH[CH32)−、−CH2−CH(n−C37)−、−[CH(CH3)]2−、−CH(CH3)−CH2−CH2−CH(CH3)−、−CH(CH3)−CH2−CH(CH3)−、−CH2−C(CH32−CH2−、−CH2−CH(n−C49)−、−CH2−CH(イソ−C37)−、−CH2−CH(tert−C49)−、
−CH2−O−、−CH2−O−CH2−、−(CH22−O−(CH22−、−[(CH22−O]2−(CH22−、−[(CH22−O]3−(CH22−、
−CH2−S−、−CH2−S−CH2−、−(CH22−S−(CH22−、−[(CH22−S]2−(CH22−、−[(CH22−S]3−(CH22−、−CH2−SO−CH2−、−CH2−SO2−CH2−、
好適なスペーサーA2は、C2−C10アルキレン基(分岐もしくは非分岐)、例えば−CH2−CH2−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−、−(CH210−であり;
好ましくは、A2は単結合であり、
nは、0または1であり、
6は、水素、酸素、
O−C1−C19アルキル、好ましくは、C1−C6アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、n−ヘキソキシ、およびイソヘキソキシ、さらに好ましくはメトキシまたはエトキシ、
1−C12アルキル、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオ−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル;さらに好ましくはC1−C4アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、
2−C18−アシル、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル、ステアリル、
または7〜12個のC原子を有するアリールオキシカルボニル、例えばC65−OCOである。
【0070】
式IIaもしくはIIbの前記安定化化合物が主成分とする特に好適なHALS化合物(安定化添加剤)の例は、次のとおりである:
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、
4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、
4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−オクトキシピペリジン、
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−オクトキシピペリジン、
4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−オクトキシピペリジン。
【0071】
4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、および4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルが非常に特に好適である。
【0072】
本発明の混合物の好適な一実施形態において、HALS化合物を含む超分岐ポリカーボネートは:
(A)1以上の多価アルコール、
(B)1以上のカーボネート、
(C)(A)および/または(B)と反応する官能基を含む1以上のHALS化合物
を含む混合物を反応させることによって得られる。
【0073】
一般式(III):
【化9】

[式中、
21は、OH、SH、NHRまたはNH2であり、
22は、H、C1−C22アルキル、C1−C8アルコキシであり、
23、R24、R25、およびR26は、互いに独立して、同一または異なって、C1−C22アルキルであるか、またはR23およびR24および/またはR25およびR26は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、4−、5−、6−、7−または8員環を形成し、
27、R28は、互いに独立して、同一または異なって、HまたはC1−C22アルキルであり、
21は、(A)および/または(B)と反応する]
のHALS化合物も、非常に好適である。
【0074】
21=OH、R22=R23=R24=R25=R26=メチル、およびR27=R28=Hが非常に特に好適である。
【0075】
本発明の一実施形態において、本発明の混合物は、安定化作用を有する基を有する超分岐ポリカーボネートを含み、その特徴は、これらのポリカーボネートを、23℃で、例えばDIN53019にしたがって測定して、100〜150,000mPa・s、好ましくは、10,000mPa・sまでの動的粘度を有することである。
【0076】
本発明の一実施形態において、本発明の混合物は、安定化作用を有する基を有する超分岐ポリカーボネートを含み、その特徴は、これらのポリカーボネートが、100〜15,000、好ましくは200〜12,000、特に400〜10,000g/molの数平均分子量(Mn)を有することであり、これは、例えば、GPC、標準としてポリメチルメタクリレート(PMMA)および溶離液としてジメチルアセトアミドを用いることによって測定することができる。
【0077】
本発明の一実施形態において、本発明の混合物は、安定化作用を有する基を有する超分岐ポリカーボネートを含み、その特徴は、これらのポリカーボネートが、示差熱分析(示差走査熱力測定)によって測定して、−70〜10℃の範囲のガラス転移温度Tgを有することである。
【0078】
本発明の一実施形態において、本発明の混合物は、安定化作用を有する基を有する超分岐ポリカーボネートを含み、その特徴は、これらのポリカーボネートが、0〜600、好ましくは1〜550、および特に1〜500mgKOH/g(DIN53240、パート2に準拠)の範囲のOH価を有することである。
【0079】
本発明の好適な一実施形態において、本発明の混合物は安定化作用を有する基を有する超分岐ポリカーボネートを含み、その特徴は、これらのポリカーボネートを、23℃で、例えばDIN53019にしたがって測定すると100〜150,000mPa・s、好ましくは、10,000mPa・sまでの動的粘度を有し、これらのポリカーボネートが、100〜15,000、好ましくは200〜12,000および特に400〜10,000g/molの数平均分子量(Mn)(GPC、標準としてポリメチルメタクリレート(PMMA)および溶離剤としてジメチルアセトアミドを用いて測定することができる)を有し、これらのポリカーボネートを、示差熱分析(示差走査熱力測定)によって測定して、−70〜10℃の範囲のガラス転移温度Tgを有し、これらのポリカーボネートが、0〜600、好ましくは1〜550および特に1〜500mgKOH/g(DIN53240、パート2に準拠)の範囲のOH価を有することである。
【0080】
超分岐ポリカーボネートの製造に関して、1分子あたり2個のアルコール性ヒドロキシル基を有する1以上の化合物(D)(これについても、化合物(D)という略語が用いられる)を場合によって添加することも可能である。好適な化合物(D)の例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,2−、1,3−および1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−5−トリメチルシクロヘキサン、レゾルシン、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシフェニル、ビス(4−ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシメチル)トルエン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ジヒドロキシベンゾフェノン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物に基づく二官能性ポリエーテルポリオール、ポリテトラヒドロフラン、ポリカプロラクトン、またはジオールおよびジカルボン酸に基づくポリエステロールを含む。
【0081】
別の実施形態において、本発明の混合物中に含まれる超分岐ポリカーボネートは、反応によってすでに得られた官能基(ヒドロキシル基、カーボネート基またはカルバモイルクロリド基)だけでなく、1以上のさらなる官能基も含むことができる。官能化は、分子量増加プロセス中、またはその後、すなわち、実際の重縮合が終わった後に行うことができる。
【0082】
ヒドロキシル基またはカーボネート基だけでなく、さらなる官能基または官能元素を有する成分が、重縮合によるポリカーボネートの実際の形成前もしくは形成中に添加される場合、カーボネート、カルバモイルクロリド、もしくはヒドロキシル基と異なるランダムに分散した官能基を有する超分岐ポリカーボネートポリマーが得られる。
【0083】
例として、これらの効果は、重縮合中に、ヒドロキシル基、カーボネート基またはカルバモイルクロリド基だけでなく、さらなる官能基または官能元素、例えばメルカプト基、第1、第2もしくは第3アミノ基、エーテル基、カルボン酸基もしくはそれらの誘導体、スルホン酸基もしくはそれらの誘導体、ホスホン酸基もしくはそれらの誘導体、シラン基、シロキサン基、アリール基または長鎖アルコール基を有する化合物を添加することによって達成することができる。カーバメート基による修飾に使用できる化合物の例は、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(シクロヘキシルアミノ)エタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−(2’−アミノエトキシ)エタノール、またはアンモニアの高級アルコキシル化生成物、4−ヒドロキシ−ピペリジン、1−ヒドロキシエチルピペラジン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン,トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンまたはイソホロンジアミンである。
【0084】
メルカプト基による修飾に使用できる化合物の一例は、メルカプトエタノールである。第3アミノ基は、例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミンまたはN,N−ジメチルエタノールアミンを組み入れることによって製造できる。エーテル基は、例えば、二官能性もしくはさらに高次の官能性ポリエーテロールの共縮合によって生成させることができる。ジカルボン酸、トリカルボン酸、ジカルボン酸エステル、例えばジメチルテレフタレート、またはトリカルボン酸エステルの添加によって、エステル基を生成させることができる。長鎖アルカノールまたはアルカンジオールとの反応によって、長鎖アルキル基を導入することができる。アルキルもしくはアリールジイソシアネートとの反応によって、アルキル、アリールおよびウレタン基を有するポリカーボネートが生成し、第1もしくは第2アミンの添加は、ウレタンまたは尿素基の導入に至る。
【0085】
その後の官能化は、本発明の超分岐ポリカーボネートをさらなる処理段階でポリカーボネートのOHおよび/またはカーボネートまたはカルバモイルクロリド基と反応できる好適な官能化試薬と反応させることによって得ることができる。
【0086】
ヒドロキシル基を含む本発明の超分岐ポリカーボネートは、例えば、酸基を含むか、またはイソシアネート基を含む分子の添加によって修飾することができる。例として、酸基を含むポリカーボネートは、アンヒドリド基を含む化合物との反応によって得ることができる。さらに、ヒドロキシル基を有する本発明の超分岐ポリカーボネートは、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシドとの反応によって、高官能価ポリカーボネートポリエーテルポリオールに変換することもできる。
【0087】
安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリカーボネートの製造法における好適な手順では、
(A)1分子あたり少なくとも3個のアルコール性ヒドロキシル基を有する少なくとも1つの化合物を、
(B)一般式Iの少なくとも1つの試薬と、
(C)一般式X3−(A1m−X4の少なくとも1つの試薬と、
(D)および、適切ならば、1分子あたり2個のアルコール性ヒドロキシル基を有する少なくとも1つの化合物と混合し、
混合物を60〜260℃、好ましくは、80〜220℃の範囲の温度に加熱する。
【0088】
化合物(A)と試薬(B)および試薬(C)との反応は、一工程で行うことができる。しかし、2工程で行うこともでき、例としては、化合物(A)をまず試薬(B)と反応させて、超分岐ポリカーボネートを生成させ、これを次いで試薬(C)で官能化させることができる。
【0089】
試薬(B)との反応において、H−X1およびH−X2は通常、除去することができる。H−X1および/またはH−X2がハロゲン化水素、特にHClである場合、除去されるハロゲン化水素は、好ましくは、例えば除去されるハロゲン化水素に基づいて等モル量で塩基を添加することによって反応混合物から好ましく除去される。好適な塩基は、例えば、アルカリ金属水酸化物または有機アミン、特に第3アミン、例えばトリエチルアミンおよびヒューニッヒ塩基(ジイソプロピルエチルアミン)である。H−X1およびH−X2がアルコールである場合、除去されるアルコールH−X1およびH−X2は、好ましくは反応中に蒸留によって好ましく除去される。蒸留による除去は、大気圧または減圧下、例えば0.1〜950mbar、特に100〜900mbarで行うことができる。蒸留は好ましくは大気圧で行われる。
【0090】
安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリカーボネートの製造法は、好ましくは非プロトン性である有機溶媒の存在下で行うことができる。例は、デカン、ドデカン、またはソルベントナフサ、ならびに芳香族炭化水素、例えばトルエン、エチルベンゼン、1以上の異性体キシレンまたは塩素化芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼンである。十分高い沸点を有するエーテル、例えばジ−n−ブチルエーテルまたは1,4−ジオキサンも好適である。さらなる好適な溶媒は、N、N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドである。しかし、安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリカーボネートの製造は、好ましくは溶媒を使用せずに行われる。
【0091】
安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリカーボネートの製造法は、触媒または触媒混合物の存在下で行うことができる。好適な触媒は、エステル化またはエステル交換反応を触媒する化合物、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、好ましくはナトリウム、カリウムもしくはセシウム、または有機アミン、特に第3アミン、グアニジン、アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、ジルコニウムまたはビスマスの有機化合物、さらにDE10138216またはDE10147712で記載されているような複合金属シアン化物(DMC)触媒である。
【0092】
水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、イミダゾール類、例えばイミダゾール、1−メチルイミダゾールまたは1,2−ジメチルイミダゾール、チタンテトラ−n−ブチレート、チタンテトライソプロピレート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、スズジオクトエート、ジルコニウムアセチルアセトネートまたはこれらの混合物の使用が好ましい。
【0093】
触媒もしくは触媒混合物の添加量は、一般的に、使用される化合物(A)の量または(A)および(D)の全体の量に対して、50〜10,000質量ppm、好ましくは、100〜5000質量ppmである。
【0094】
一般的に、安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリカーボネートは、0.1mbar〜20bar、好ましくは、1mbar〜5barの圧力範囲で製造される。
【0095】
製造プロセスは、例えば1以上のタンク中で、例えばバッチ式、半連続的および連続的に操作されるリアクターもしくはリアクターカスケード中で行われる。
【0096】
超分岐ポリカーボネートは:
10〜59モル%の化合物(A)、好ましくは、10〜55モル%、さらに好ましくは49モル%までの化合物(A)、
40〜60モル%の試薬(B)、好ましくは、45〜55モル%、さらに好ましくは約50モル%の試薬(B)、
1〜50モル%の試薬(C)、好ましくは、45モル%まで、さらに好ましくは40モル%までの試薬(C)(それぞれの場合、(A)、(B)、および(C)の全反応混合物に基づく)
を用いて製造することができる。
【0097】
使用される1以上の化合物(D)の量は、通常、化合物(A)に対して、0〜50モル%、好ましくは、0〜45モル%、さらに好ましくは〜40モル%まで、および非常に好ましくは0〜30モル%である。
【0098】
反応条件の前記設定によって、および適切ならば好適な溶媒の選択によって、安定化作用を有する基(b)を含み、粗生成物の形態で得られた超分岐ポリカーボネートを、製造プロセスの後にさらに精製することなく、さらに処理することができる。
【0099】
粗生成物として得られた本発明の超分岐ポリカーボネートをさらにストリップすることができる、すなわち低分子量揮発性化合物を除去することができる。このために、触媒を、場合によって所望の変換が達成された後に不活化させ、低分子量揮発性成分、例えば、モノアルコール、フェノール、カーボネート、塩素水素、または揮発性オリゴマーもしくは環状化合物を蒸留によって、適切ならば気体、好ましくは窒素、二酸化炭素または空気を導入しながら、適切ならば減圧下で、除去することができる。
【0100】
安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリカーボネートの製造プロセスの分子間重縮合反応を停止させるための様々な可能な方法がある。例えば、反応が停止し、超分岐ポリカーボネートが貯蔵安定性である範囲まで温度を低下させることができる。別の実施形態において、触媒もしくは触媒混合物を、塩基性触媒の場合は、例えば酸性成分、例えばルイス酸、または有機もしくは無機プロトン性酸の添加によって不活化することができる。
【0101】
さらなる反応に利用可能な末端官能基の数が、試薬(C)との反応のために不十分になった場合、反応を自動的に停止させることもできる。
【0102】
さらに、超分岐ポリカーボネートが所望の重縮合度になるとすぐに、安定化作用を有する基(b)を含む超分岐ポリカーボネートに対して反応性である基を有する生成物を添加することによって、反応を停止させることができる。例として、モノアミン、ジアミンもしくはポリアミン、または例えばモノイソシアネート、ジイソシアネートもしくはポリイソシアネート、エポキシ基を含む化合物、あるいはOH基と反応性である酸誘導体を添加することができる。
【0103】
本発明の混合物の成分(b)として特に好適であるのは、安定化作用を有する基を含む超分岐カーボネートであって、置換基、記号および指数のできるだけ多く、特に全てが、これらの好適または特に好適な定義を選択するものである。
【0104】
本発明の混合物のさらに好適な実施形態において、分岐ポリマーは、ウレタン、アロファネート、尿素、ビウレット、ウレトジオン、アミド、イソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサジアジントリオンまたはイミノオキサジアジンジオン基を含み、本発明に関して、分岐ポリイソシアネートと称する。好ましくは、ウレタン、アロファネート、尿素および/またはビウレット基が含まれる。
【0105】
ジイソシアネートおよびポリイソシアネートは、1分子あたり、平均2〜10、好ましくは2.1〜10、さらに好ましくは2.2〜8のイソシアネート基を含む。多官能性イソシアネートは、ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートまたはこれらの混合物である。
【0106】
好適なジイソシアネートおよびポリイソシアネートは、従来技術の脂肪族、脂環式および芳香族イソシアネートまたはこれらの混合物である。好適なジイソシアネートまたはポリイソシアネートは、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート、モノマージフェニルメタンジイソシアネートおよびオリゴマージフェニルメタンジイソシアネートから構成される混合物(ポリマーMDI)、トリレン2,4−ジイソシアネート、トリレン2,6−ジイソシアネート、ナフチレン1,5−および2,6−ジイソシアネート、フェニレン1,3−および1,4−ジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、トリイソシアナートトルエン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシル)2,4’−または4,4’−ジイソシアネート、o−、m−またはp−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ドデシルジイソシアネート、アルキルがC1アルキル〜C10アルキルであるリシンアルキルエステルジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、1,4−ジイソシアナートシクロヘキサン、4−イソシアナートメチルオクタメチレン1,8−ジイソシアネート、2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、2−イソシアナートプロピルシクロヘキシルイソシアネート、3(4)−イソシアナートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジイソシアナート−4−メチルペンタン、および4−メチルシクロヘキサン1,3−ジイソシアネート(H−TDI)である。
【0107】
2以上の前記ポリイソシアネートから構成される混合物を使用することが好適である。
【0108】
好適な分岐ポリイソシアネートは、前記ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートまたはこれらの混合物から、ウレタン、アロファネート、尿素、ビウレット、ウレトジオン、アミド、イソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサジアジントリオン、またはイミノオキサジアジンジオンン構造を用いて連結することによって、製造できる化合物である。これらの連結機構は、例えば、Becker and Braun,Kunststoff−Handbuch Nr.7[Plastics Handbook No.7],Polyurethane[Polyurethanes],Carl−Hanser−Verlag Munich 1993に記載されている。ウレタン構造、アロファネート構造、尿素構造、ビウレット構造、イソシアヌレート構造、ウレトンイミン構造、オキサジアジントリオン構造またはイミノオキサジアジンジオン構造を含有するポリイソシアネートを使用することが好適である。
【0109】
前記分岐ポリイソシアネートの混合物を本発明の混合物の成分(b)の主成分として使用することも可能である。
【0110】
ウレタン基によるジイソシアネートもしくはポリイソシアネートの連結は、例えば、その官能価が2以上であるアルコールまたはアルコール混合物を使用して行われる。例として、3モルのヘキサメチレンジイソイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、またはジフェニルメチレンジイソシアネートと、≦1モルのトリオール、例えばグリセロールもしくはトリメチロールプロパンとの反応、または2モルのオリゴマージフェニルメタンジイソシアネート(ポリマーMDI)と≦1モルのジオール、例えばエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールまたはポリオキシアルキレンジオールとの反応を挙げることができる。これらの反応は、その官能価が2より大きい分岐ポリイソシアネートを形成する。これに関しても、Becker and Braun,Kunststoff−Handbuch Nr.7[Plastics Handbook No.7],Polyurethane[Polyurethanes],Carl−Hanser−Verlag Munich 1993,p. 91を参照。
【0111】
アロファネート基を含むポリイソシアネートは、ウレタン基を含むポリイソシアネートから、ウレタン基をさらなるイソシアネート基と反応させることによって生成される。これに関しても、Becker and Braun,Kunststoff−Handbuch Nr.7[Plastics Handbook No.7],Polyurethane[Polyurethanes],Carl−Hanser−Verlag Munich 1993,p. 94を参照。別の製造法は、EP825211にしたがったオキサジアジントリオンのアルコールとの反応である。アロファネートの製造例として、GB994890、EP496208、EP524500またはEP524501にしたがって、その官能価が2より大きいオリゴイソシアネートを得る、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートのモノアルコールとの反応を挙げることができる。例としてEP1122273に記載されるような、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートと、二価もしくは多価アルコールとの反応も挙げることができる。これらの反応は、2よりも大きな官能価を有する分岐ポリイソシアネートを形成する。
【0112】
例として、尿素基およびビウレット基を含むポリイソシアネートは、イソシアネートの水もしくはアミンとの反応によって製造することができる。これに関しても、Becker and Braun,Kunststoff−Handbuch Nr.7[Plastics Handbook No.7],Polyurethane[Polyurethanes],Carl−Hanser−Verlag Munich 1993,p. 95を参照。例として、DE−A2808801、DE−A3403277、またはDE−A1543178に記載されるような、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートの水または水生成物質との反応も挙げることができる。これらの反応は、2よりも大きな官能価を有する分岐ポリイソシアネートを形成する。
【0113】
イソシアヌレート構造を含むポリイソシアネートは、3個のイソシアネート基の触媒もしくは熱環化によって得られる。ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートを出発化合物として用いる場合、生成物は、一般的に、実際の三量体だけでなく、さらに高次のオリゴマーポリイソシアネートである。これらのポリイソシアネートの全官能価は、したがって3より大きい。これに関しても、Becker and Braun,Kunststoff−Handbuch Nr.7[Plastics Handbook No.7],Polyurethane[Polyurethanes],Carl−Hanser−Verlag Munich 1993,p. 91を参照。例として、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化による分岐ポリイソシアネートの製造を挙げることができ、これに関して可能な方法は、DE−A2916201またはDE−A3810908に準拠するものである。
【0114】
ウレトンイミン基を含むポリイソシアネートは、イソシアネート基のカルボジイミド基を含むポリイソシアネートとのさらなる反応によって得られる。これに関しても、Becker and Braun,Kunststoff−Handbuch Nr.7[Plastics Handbook No.7],Polyurethane[Polyurethanes],Carl−Hanser−Verlag Munich 1993,p. 94を参照。
【0115】
オキサジアジントリオン基を含むポリイソシアネートは、例えば、DE−A1670666に記載されるように、ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートの二酸化炭素とのさらなる反応によって得られる。
【0116】
イミノオキサジアジンジオンン基を含むポリイソシアネートは、イソシアヌレート基を含むポリイソシアネートの不斉相対物と見なすことができる。これらの化合物の製造法は、例えば、DE−A19734048に記載されている。
【0117】
好ましくは、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、尿素またはビウレット基を含む脂肪族または脂環式ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートを使用する。
【0118】
本発明の混合物中に含まれる分岐ポリイソシアネートは、1以上の安定化作用を有する基を含み、安定化作用を有する基に対応する安定化された添加剤は、ポリイソシアネートのNCO基と化学的に反応することができる官能基を介してポリイソシアネートとカップリングし、その際、共有結合を形成する。
【0119】
酸化防止剤として作用する安定化作用を有する基の一種は、立体的に遮蔽されたフェノール基である。対応する立体的に遮蔽されたフェノール基は、超分岐ポリカーボネートの場合に関してすでに記載したが、分岐ポリイソシアネートの場合についても使用する。超分岐ポリカーボネートの場合に好適な立体的に遮蔽されたフェノール基は、分岐ポリイソシアネートの場合においても好適である。
【0120】
光安定剤として機能する安定化作用を有する基のさらなる群は、HALS化合物に基づく。対応するHALS基またはHALS化合物は、超分岐ポリカーボネートの場合に関してすでに記載したが、分岐ポリイソシアネートの場合に関しても使用する。超分岐ポリカーボネートの場合において好適なHALS基またはHALS化合物は、分岐ポリイソシアネートの場合でも好適である。
【0121】
安定化作用を有する基のさらなる群は、芳香族アミン基である。対応する芳香族アミン基は、超分岐ポリカーボネートの場合に関してすでに記載したが、分岐ポリイソシアネートの場合でも使用する。超分岐ポリカーボネートの場合で好適な芳香族アミン基は、分岐ポリイソシアネートの場合でも好適である。
【0122】
本発明の混合物のさらなる実施形態において、分岐ポリイソシアネートは、2つの異なる安定化作用を有する基を含み、これらの基の一方は、立体的に遮蔽されたフェノールに基づき、他方はHALS化合物に基づく。
【0123】
安定化作用を有する基を含む分岐ポリイソシアネートは、典型的には、重付加反応によって製造され、アンカー基として少なくとも1つの分岐ポリイソシアネートを、適切ならば、有機溶媒をさらに使用して、不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素下で、反応容器中に初回チャージとして導入し、この初回チャージを撹拌しながら反応温度にする。続いて、反応温度で、少なくとも1つの安定化作用を有する基を連続的もしくは不連続的に添加する。安定化作用を有する基の量は、分岐ポリイソシアネートのNCO基の数に依存し、イソシアネート基のモル数の、これと反応する活性物質の基のモル数の比が、実質的に1:1になるように選択される。2以上の活性物質がポリイソシアネートと同時もしくは連続的に反応する場合、活性物質の反応性基の合計量は、イソシアネート基の合計量に実質的に対応するようにされる。しかし、このようにして製造された、安定化作用を有する基を含む分岐ポリイソシアネートは、20モル%まで、好ましくは10モル%までの遊離NCO基、すなわち、安定化作用を有する基との反応によって消費されなかったNCO基も有する。しかし、好ましくは、本発明の安定剤は、実質的にNCO基を含まない。
【0124】
反応時間は、一般的に、分岐ポリイソシアネートのNCO基が安定化作用を有する基の反応性基と完全に反応するように選択される。安定化作用を有する基および助剤との前記反応は、適切ならば、触媒の存在下で行われ、触媒は、それぞれの場合、分岐ポリイソシアネートの量に対して、0.0001質量%〜1質量%、さらに詳細には0.001質量%〜0.1質量%の量で用いられる。重付加反応に適した触媒としては、有機金属化合物、特に、有機スズ、有機亜鉛、有機チタン、有機ビスマスまたは有機ジルコニウム化合物が挙げられる。例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシド、チタンテトラブチレート、亜鉛アセチルアセトネートまたはジルコニウムアセチルアセトネートが特に好ましい。さらに、強塩基、好ましくは窒素化合物、例えば、トリブチルアミン、キヌクリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデカンまたはジアザビシクロウンデセンを使用することが可能である。
【0125】
使用できる好適な溶媒は、反応条件下で反応物質に対して不活性なものである。アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドンが好適である。
【0126】
重付加反応の反応温度は、典型的には−10〜220℃、好ましくは、0〜180℃である。反応は、大気圧および大気圧以上もしくは大気圧以下、例えば2〜20barまたは0.1〜0.001barの圧力で起こる。
【0127】
本発明の一実施形態において、本発明の混合物は、安定化作用を有する基を有する分岐ポリイソシアネートを含み、その特徴は、これらのポリイソシアネートが、40℃で、例えばDIN53019と同様にして測定して、100〜150,000mPa・s、好ましくは、10,000mPa・sまでの範囲の動的粘度を有することである。
【0128】
本発明の一実施形態において、本発明の混合物は、安定化作用を有する基を有する分岐ポリイソシアネートを含み、その特徴は、これらのポリイソシアネートが、100〜15,000、好ましくは200〜12,000、特に400〜10,000g/molの数平均分子量(Mn)を有することであり、これは、例えば、GPC、標準としてポリメチルメタクリレート(PMMA)および溶離液としてテトラヒドロフランを用いて測定することができる。
【0129】
本発明の好適な一実施形態において、本発明の混合物は安定化作用を有する基を有する分岐ポリイソシアネートを含み、その特徴は、これらのポリイソシアネートが、40℃で、例えばDIN53019と同様にして測定して、100〜150,000mPa・s、好ましくは、10,000mPa・sまでの範囲の動的粘度を有し、これらのポリイソシアネートが100〜15,000、好ましくは200〜12,000、さらに詳細には400〜10,000g/molの数平均分子量(Mn)を有し、これは、例えばGPC、標準としてポリメチルメタクリレート(PMMA)および溶離液としてテトラヒドロフランを用いて測定することができる。
【0130】
本発明の混合物の一実施形態において、安定化作用を有する基を含む分岐ポリマーとして使用されるポリマーは:
(A’)1以上の多官能性イソシアネート、
(B’)(A’)と反応する官能基を含む1以上のHALS化合物、
(C’)不活性溶媒または不活性溶媒の混合物、
(D’)場合によって触媒
を含む混合物の反応によって得られるポリマーである。
【0131】
この系において、イソシアネート(A’)は好ましくは2より多い官能価を有し、さらに好ましくは、イソシアネート(A’)は、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートに基づくオリゴマーイソシアネートである。
【0132】
さらに、好ましくは、HALS化合物(B’)は、前記一般式(III)(式中、R21は、多官能性イソシアネート(A’)または分岐ポリイソシアネートのNCO基と反応する)の化合物である。
【0133】
21=OH、R22=R23=R24=R25=R26=メチルおよびR27=R28=Hが非常に特に好ましい。
【0134】
不活性溶媒(C’)は、好ましくは、アセトン、2−ブタノン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルまたは酢酸ブチルである。
【0135】
任意の触媒(D’)は、好ましくは、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシドまたはチタン−テトラブチレートである。
【0136】
本発明の混合物中、成分(c)は、場合によって、1以上の添加物をさらに含み得る。
【0137】
任意のさらなる添加物(c)
場合によって、本発明の混合物は、成分(c)として、または混合物によって安定化される無生物有機材料はさらに、少なくとも1つのさらなる光安定剤および/またはさらなる(共)安定剤を含む。好適な光安定剤およびさらなる(共)安定剤は、例えばa)〜s)の群から選択される:
a)4,4−ジアリールブタジエン、
b)桂皮酸エステル、
c)ベンゾトリアゾール、
d)ヒドロキシベンゾフェノン、
e)ジフェニルシアノアクリレート、
f)オキサミド、
g)2−フェニル−1,3,5−トリアジン、
h)酸化防止剤、
i)ニッケル化合物、
j)分岐ポリマーに安定化作用を有する基として結合していない、立体的に遮蔽されたアミン、
k)金属不活性化剤、
l)ホスファイトおよびホスホナイト、
m)ヒドロキシルアミン、
n)ニトロン、
o)アミンオキシド、
p)ベンゾフランおよびインドリノン、
q)チオ相乗剤、
r)ペルオキシド分解化合物、および
s)塩基性補助安定剤。
【0138】
4,4−ジアリールブタジエンのa)群は、例えば式(aa):
【化10】

の化合物を包含する。
【0139】
この化合物は、EP−A−916335から既知である。置換基R19およびR20は、互いに独立して、同一または異なって、好ましくは、C1−C8アルキルおよびC5−C8シクロアルキルである。
【0140】
桂皮酸エステルのb)群としては、例えば、2−イソアミル4−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル4−メトキシシンナメート、メチルα−メトキシカルボニルシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメートおよびメチルα−メトキシカルボニル−p−メトキシシンナメートが挙げられる。
【0141】
ベンゾトリアゾールのc)群としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシ−カルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコール300とのエステル化生成物;[R−CH2CH2−COO(CH2)3]2(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニル)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0142】
ヒドロキシベンゾフェノンのd)群としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラ−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(n−オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩、ならびに2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸およびそのナトリウム塩が挙げられる。
【0143】
ジフェニルシアノアクリレートのe)群には、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(例えば、BASF AG(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン)から商品名Uvinul(登録商標)3035で市販されている)、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(例えば、BASF AG(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン)からUvinul(登録商標)3039として市販されている)、および1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン(例えば、BASF AG(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン)から名称Uvinul(登録商標)3030で市販されている)が含まれる。
【0144】
オキサミドのf)群には、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジ−エトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド、およびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物ならびにオルト−、パラ−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、ならびにオルト−およびパラ−エトキシ二置換オキサニリドの混合物が含まれる。
【0145】
2−フェニル−1,3,5−トリアジンのg)群には、例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、および2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジンが含まれる。
【0146】
酸化防止剤のh)群は、例えば以下のものを含む:
アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、非分岐または側鎖分岐ノニルフェノール、例えば、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデク−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデク−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデク−1−イル)フェノールおよびこれらの混合物。
【0147】
アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、および2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0148】
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、およびビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0149】
トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0150】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、および4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0151】
アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ペンタン。
【0152】
ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、1,3,5−トリ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステルおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチルエステル、カルシウム塩。
【0153】
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tertブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0154】
ヒドロキシベンジル−芳香族化合物、例えば、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0155】
トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート。
【0156】
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート(ジエチル(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチルホスホネート)、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、およびモノエチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートのカルシウム塩。
【0157】
アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジンおよびオクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カーバメート。
【0158】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価もしくは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0159】
β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の一価もしくは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0160】
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価もしくは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス−(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0161】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の一価もしくは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0162】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−プロピオニルオキシ)エチル]−オキサミド(例えば、UniroyalのNaugard(登録商標)XL−1)。
【0163】
アスコルビン酸(ビタミンC)
アミン酸化防止剤、例えば、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス−[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン,1,2−ビス(フェニルアミノ)−プロパン、o−トリル−ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル−ジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルスクシネートポリマー[CAS番号65447−77−0],(例えば、Ciba Specialty Chemicals,Inc.のTinuvin(登録商標)622)、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]−heneicosan−21−オンおよびエピクロロヒドリンのポリマー[CAS番号:202483−55−4]、例えば(ClairantのHostavin(登録商標)N30)。
【0164】
ニッケル化合物のi)群には、例えば、2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば、1:1または1:2錯体(n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはNシクロヘキシル−ジエタノールアミン等のさらなるリガンドを含むか、または含まない)、ニッケルジブチルジチオカーバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸モノアルキルエステル、例えば、メチルエステルもしくはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体(さらなるリガンドを含むか、または含まない)が含まれる。
【0165】
立体的に遮蔽されたアミンのj)群には、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート(n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−エステル)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびコハク酸の縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状もしくは環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状もしくは環状縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、ならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504−96−6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4、5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4、5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、4−メトキシメチレンマロン酸の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキソ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびt−アミルアルコールの炭素基の反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート、2,4−ビス{N[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−2,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1H,4H,5H,8H−2,3a,4a,6,7a,8a−ヘキサアザシクロペンタ[def]フッ素en−4,8−ジオン(例えば、BASF AG(ドイツ国ルートヴィヒスハーフェン)のUvinul(登録商標)4049)、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])[CAS番号71878−19−8]、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N’’’−[1,2−エタンジイルビス[[4,6−ビス−[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]ビス[N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−(CAS番号106990−43−6)(例えば、Ciba Specialty Chemicals,Inc.のChimassorb 119)が含まれる。
【0166】
金属不活性化剤のk)群には、例えば、N,N’−ジフェニルオキサルアミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾ−ル、ビス(ベンジリデン)−オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサル酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドが含まれる。
【0167】
ホスファイトおよびホスホナイトのl)群には、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジ−オキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジ−オキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル−(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイトが含まれる。
【0168】
ヒドロキシルアミンのm)群には、例えば、N、N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N、N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N、N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミンおよび水素化牛脂脂肪族アミン由来のN、N−ジアルキルヒドロキシルアミンが含まれる。
【0169】
ニトロンのn)群には、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロンおよび水素化牛脂脂肪族アミンから製造されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン由来のニトロンが含まれる。
【0170】
アミンオキシドのo)群には、例えば、米国特許第5,844,029号および第5,880,191号に記載されているアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシルアミンオキシドが含まれる。
【0171】
ベンゾフラノンおよびインドリノンのp)群には、例えば、米国特許第4,325,863号;第4,338,244号;第5,175,312号;第5,216,052号;第5,252,643号;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839またはEP−A−0591102に記載されているもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、Ciba Specialty ChemicalsのIrganoxs HP−136、および3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オンが含まれる。
【0172】
チオ相乗剤のq)群には、例えば、ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネートが含まれる。
【0173】
ペルオキシド分解化合物のr)群には、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカーバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)−プロピオネートが含まれる。
【0174】
塩基性補助安定剤のs)群には、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、アルカリ金属塩および高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム、およびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモンまたはピロカテコール酸亜鉛が含まれる。
【0175】
本発明の混合物は成分(c)として、またはプラスチックはさらに、他の添加剤および添加物t)を含むことができる。t)群からの好適な添加剤は、通常の添加剤、例えば、顔料、染料、核形成剤、フィラーまたは強化剤、防曇剤、殺生剤および帯電防止剤である。
【0176】
好適な顔料は無機顔料であり、例えば、二酸化チタン(その3つの修飾体、ルチル、アナターゼもしくはイタチタン石);ウルトラマリンブルー、酸化鉄、バナジウム酸ビスマスまたはカーボンブラック、および有機顔料種、例えば、フタロシアニン、ペリレン、アゾ化合物、イソインドリン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、インダントロン由来の化合物である。
【0177】
染料とは、用いられるプラスチック中に完全に溶解するか、または分子的に分散した分布で存在し、したがってポリマーの高透明度非散乱着色に使用することができる全ての着色剤を意味する。同様に、電磁スペクトルの可視部で蛍光を示す有機化合物、例えば蛍光染料も染料と見なされる。
【0178】
好適な核形成剤としては、例えば、無機物質、例えばタルク、二酸化チタンまたは酸化マグネシウム等の金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩もしくは硫酸塩;モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸等の有機化合物およびこれらの塩、例えば、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム;ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(「イオノマー」)が挙げられる。
【0179】
好適なフィラーまたは強化剤としては、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、タルク、マイカ、カオリン、硫酸バリウム、金属酸化物および金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉および他の天然産物の粉もしくは繊維、ならびに合成繊維が挙げられる。繊維状もしくは粉状フィラーのさらなる好適な例としては、ガラス繊維織物の形態の炭素繊維もしくはガラス繊維、ガラスマットもしくはフィラメントガラスロービング、細断ガラス、ガラスビーズ、および珪灰石が挙げられる。ガラス繊維は、ガラス短繊維または連続繊維(ロービング)の形態のいずれかで組み入れることができる。
【0180】
好適な帯電防止剤の例としては、例えばアミン誘導体、例えばN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミンまたはアルキレンアミン、ポリエチレングリコールエステルおよびエーテル、エトキシル化カルボン酸エステルおよびカルボキサミド、ならびにグリセリルモノステアレートおよびジステアレート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0181】
任意の成分(c)として、酸化防止剤、難燃剤および/または着色剤が本発明の混合物中に存在するのが好ましい。
【0182】
成分(c)が存在する場合、本発明の混合物中の成分(a)および(b)の質量比は、一般的に、5:1〜1:5、好ましくは、2:1〜1:2、さらに好ましくは1.2:1〜1:1.2であり、約1:1の質量比の混合物が特に好ましい。
【0183】
本発明の混合物の成分(a)および(b)の合計の成分(c)に対する質量比は、一般的に、100:1〜2:1、好ましくは、50:1〜5:1、さらに好ましくは30:1〜7:1であり、約10:1の質量比の混合物が特に好ましい。
【0184】
本発明の混合物は、当業者に周知の公知の方法によって製造することができる。
【0185】
例えば、成分(b)が固体である場合、成分(b)を液体成分(a)に混合しながら添加することができる。
【0186】
成分(b)自体が液体である場合、液体の混合について当業者に公知の方法を、これと液体成分(a)との混合に用いることができる。
【0187】
好適な一実施形態において、本発明の混合物は液体である。
【0188】
一般的に言えば、成分(a)、(b)、および、場合によって(c)を任意の順序で混合することができる。
【0189】
例えば、成分(c)を、成分(a)および(b)の混合物に添加することができ、結果として得られる混合物を次いで均質化することができる。
【0190】
あるいは、成分(c)を(a)および/または(b)とまず混合し、次いで最終混合物を得ることができる。
【0191】
本発明は、したがって、本発明の混合物を製造する対応する方法も提供する。
【0192】
本発明の混合物は、成分(a)、(b)および、場合によって(c)を添加することによって、安定化される無生物有機材料中でのみ製造することもできる。
【0193】
成分の混合を高温で行うことが有利であり得る。さらに詳細には、成分(a)および場合によって成分(c)を、成分(b)の合成直後に添加することができる。
【0194】
成分(a)の化合物ならびに式IIaおよびIIbの安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマーの以下の組み合わせ:
1.2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートならびに4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
2.2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートならびに4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
3.2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートならびに4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
4.2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートならびに4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
5.2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートならびに4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
6.2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートならびに4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
7.2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナメートならびに4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
8.2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナメートならびに4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
9.2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナメートならびに4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
10.2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナメートならびに4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
11.2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナメートならびに4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルに基づく式IIaおよびIIbの化合物、
12.2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナメートならびに4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルに基づく式IIaおよびIIbの化合物
が特に好ましい。
【0195】
本発明の混合物は、光、酸素および熱の作用に対して無生物有機材料を安定化させるための安定剤としての使用に非常に適している。本発明の混合物を、一般的に、安定化させる無生物有機材料に、所望の安定化効果を得るために十分な濃度(すなわち、有効量)で添加する。好ましくは、本発明の混合物を好ましくは、無生物有機材料の製造前、製造中または製造後に、無生物有機材料に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.02〜1質量%の濃度で添加する。
【0196】
本発明はさらに、無生物有機材料、さらに詳細にはプラスチックおよびコーティング材料を、光、酸素および熱の作用に対して安定化する方法であって、本発明の混合物を無生物有機材料に、好ましくは前述の濃度で添加することを含む方法も提供する。
【0197】
本発明の混合物を、あらかじめ製造された成分(a)、(b)、および場合によって(c)の混合物の形態で、保護される無生物有機材料に添加することができるが、成分(a)、(b)、および場合によって(c)を保護される材料に別々に添加することも可能であり、この場合、混合物は、保護される材料においてのみ形成される。成分(a)、(b)、および場合によって(c)を別々に添加する場合、これらは同時にもしくは異なる時間で添加することができ、添加の順序は一般的に重要ではない。
【0198】
無生物有機材料とは、化粧品、例えば軟膏およびローション、製剤、例えば丸薬および坐剤、写真記録材料、例えば写真乳剤またはプラスチックおよびコーティング材料の中間体、さらに詳細にはプラスチックおよびコーティング材料自体を意味する。無生物有機材料から、物品を製造することが可能である。
【0199】
本発明はさらに、光、酸素および熱の作用に対して安定化される無生物有機材料、さらに詳細にはプラスチックおよびコーティング材料であって、本発明の混合物を、好ましくは前述の濃度で含むものを提供する。
【0200】
本発明の混合物を主にプラスチックと混合するために、安定剤もしくは他のアジュバントをポリマー中に混合するためのあらゆる既知の装置および方法を使用することが可能である。
【0201】
本発明の混合物によって安定化することができるプラスチックの例としては、以下のものが挙げられる:
熱可塑性エラストマー;
モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えば、低密度および高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状ポリブト−1−エン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、例えばモノオレフィンもしくはジオレフィンのコポリマー、または前記ポリマーの混合物;
モノオレフィンもしくはジオレフィンの他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレンアルキルアクリレートコポリマー、エチレンアルキルメタクリレートコポリマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマーまたはエチレン−アクリル酸コポリマー;
ポリスチレンならびにスチレンもしくはα−メチルスチレンのジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、例えば、スチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、スチレン−エチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−エチルアクリレート、スチレン−アクリロニトリル−メタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)またはメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS);
ハロゲン化ポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、およびこれらのコポリマー;
α,β−不飽和酸およびそれらの誘導体由来のポリマー、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル;
不飽和アルコールおよびアミンおよび/またはこれらのアクリル誘導体もしくはアセタール由来のポリマー、例えば、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアセテート;
ポリウレタン、ポリアミド、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0202】
さらに、本発明の混合物を、コーティング、例えば工業用コーティングを安定化させるために使用することが可能である。これらのうちで、焼き付け塗料系、さらに詳細には、ビヒクル仕上げ、好ましくは二度塗り仕上げが特に重要視される。別の使用分野は、例えば、建物、他の構築物または技術装置の外部塗装用コーティング材料の分野である。
【0203】
本発明の混合物は、固体もしくは溶解した形態でコーティング材料に添加することができる。これに関連して、コーティング系中の高い溶解度が特に有利である。
【0204】
本発明の混合物は、例えば、ポリオレフィンに基づく熱可塑性エラストマーを安定化させるために好適に使用される。本発明の混合物は、さらに詳細には、前記物質を含む成形材料の安定化において利用できる。
【0205】
別の好適な使用分野は、低密度および高密度ポリエチレン、ならびにポリプロピレンおよびポリアミド、例えば前記ポリマーの繊維の安定化である。
【0206】
本発明の混合物を、熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン、ポリスチレン、スチレンもしくはα−メチルスチレンのコポリマー、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタンならびに前記ポリマーの物理的ブレンドから選択される少なくとも1つのポリマーから構成されるプラスチックを安定化させるために使用することも同様に好適である。
【0207】
本発明の混合物は、高UVフラクションおよび/または高光強度を有する光に関して無生物有機材料の改善された安定化を示す。さらに、本発明の混合物は、容易に入手可能な出発物質に基づく。本発明の混合物を用いて、酸素または熱に関する無生物有機材料の効率的な保護を確実にすることが可能である。
【0208】
本発明の方法の前期実施形態、および以下の実施例は、本発明を例示するものである。しかし、当業者には、請求の範囲から逸脱せずに考えられる方法の多くのさらなる変形、および本発明の方法の特徴の組み合わせがある。
【0209】
実施例
実施例1:本発明の混合物の製造
972gのトリメチロールプロパン(ヒドロキシル基1モルあたり1モルのエチレンオキシドでランダムにエーテル化したもの)、411gの1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オールおよび709gのジエチルカーボネートを、撹拌器、還流冷却器および内部温度計を備えた反応容器中に添加し、次いで0.2gの炭酸カリウムを添加し、混合物を撹拌しながら140℃に加熱し、および3.5時間140℃で撹拌した。その後、還流冷却器を下降冷却器と交換し、エタノールを蒸留により除去し、反応混合物の温度をゆっくりと200℃まで上昇させた。留出物(490g)を冷却した丸底フラスコ中に集めた。次いで、反応混合物を140℃まで冷却し、0.1gの85%強度のリン酸を不活化のために添加し、混合物から次いで10分間100mbarで揮発性成分を除去した。その後、生成物を室温まで冷却し、ゲル透過クロマトグラフィーによって分析した。溶離液はジメチルアセトアミドであり、使用した校正標準は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)であった。数平均分子量Mnは810g/molであり、質量平均分子量Mwは1590g/molであった。23℃でDIN53019にしたがって測定された粘度は、1100mPasであった。
【0210】
500gの安定剤基を含む本発明のポリカーボネートを次いで80℃まで加熱し、500gの2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(CAS番号6197−30−4)を添加し、混合物を均一になるまで2時間撹拌した。安定剤混合物を23℃でDIN53019にしたがって測定した粘度は、5800mPasであった。
【0211】
実施例2:本発明の混合物の製造
撹拌器、ガス注入管および圧力補正付滴下漏斗を備えた反応容器に、乾燥窒素ブランケット下、588gのBASONAT(登録商標)HA300(等質量の乾燥2−ブタノン中溶液)、300ppm(イソシアネートに基づく)のジブチルスズジラウレートを室温で添加し、混合物を50℃に加熱した。次いで、453.6gの1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(同じ等質量の乾燥2−ブタノン中溶液)を30分にわたって滴下した。添加の終了後、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。続いて、溶媒を減圧下、ロータリーエバポレーターで除去した。ポリマー安定剤の平均モル質量を、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。テトラヒドロフランを移動相として用いて溶出を行い、ポリメチルメタクリレートを標準として用いてカラムを校正した。Mn=1060g/mol、Mw=1190g/mol。
【0212】
500gの安定剤基を含む本発明のポリウレタンを次いで丸底フラスコ中、80℃まで加熱し、500gの2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(CAS番号6197−30−4)を添加し、混合物を均一になるまで2時間撹拌した。安定剤混合物を40℃でDIN53019にしたがって測定した粘度は、8100mPasであった。
【0213】
BASONAT(登録商標)HA 300(BASF AG):ヘキサメチレンジイソシアネートに基づくアロファネート基を含むポリイソシアネート;23℃での粘度(DIN53019)は、200〜400mPasであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1以上の液体UV吸収剤(ただし、液体UV吸収剤としてのTinuvin384−2を除外する)、
(b)安定化作用を有する基を含む1以上の分岐ポリマー、
(c)場合によって1以上のさらなる添加物
を含む混合物。
【請求項2】
安定化作用を有する基(b)を含む分岐ポリマーが室温で液体である、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
混合物が室温で液体である、請求項1または2記載の混合物。
【請求項4】
UV吸収剤(a)が、シアノアクリレート類、桂皮酸エステル類、ベンゾトリアゾール類、およびトリアジン類から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項5】
UV吸収剤(a)が、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートまたは2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナメートである、請求項4記載の混合物。
【請求項6】
安定化作用を有する基を含む分岐ポリマーが超分岐構造を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項7】
分岐ポリマーがカーボネート基を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項8】
分岐ポリマーが、ウレタン基、アロファネート基、尿素基および/またはビウレット基を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項9】
分岐ポリマーが安定化作用を有する基としてHALS基を含む、請求項1から8までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項10】
任意の成分(c)として、酸化防止剤、難燃剤および/または着色剤をさらに含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の混合物。
【請求項11】
光、酸素および/または熱の作用に対して無生物有機材料を安定化させるための、請求項1から10までのいずれか1項に記載の混合物の使用。
【請求項12】
熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン、ポリスチレン、スチレンもしくはα−メチルスチレンのコポリマー、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、および前記ポリマーの物理的ブレンドから選択される少なくとも1つのポリマーから成るプラスチックを安定化させるための、請求項11記載の使用。
【請求項13】
コーティング材料を安定化させるための、請求項11記載の使用。
【請求項14】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの混合物を含む無生物有機材料。
【請求項15】
請求項14記載の無生物有機材料から製造される物品。
【請求項16】
光、酸素および/または熱の作用に対して無生物有機材料を安定化する方法する方法であって、前記無生物有機材料に、請求項1から10までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの混合物を有効量で添加することを含む方法。

【公表番号】特表2011−504953(P2011−504953A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535346(P2010−535346)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066050
【国際公開番号】WO2009/068492
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】