説明

液体容器用蓋

【課題】従来のウォーターサーバー用の液体容器用蓋は、液体容器本体の口部に装着するのが固いという欠点があった。
【解決手段】本発明の液体容器用蓋は、液体容器の筒状口部の上端開口を塞ぐ上蓋部と、上記上蓋部の外縁から垂下せしめた、上記筒状口部の外周面を覆う外筒と、上記外筒下部内周面に設けた凸部と、上記外筒内周面の凸部に設けた切り欠きとよりなり、上記筒状口部の上端外周面に設けた凸部が、上記上蓋部と上記外筒と上記外筒内周面の凸部とにより形成される部分に液密に嵌合されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体容器用蓋、特に、ウォーターサーバー用の液体容器の口部に装着される蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4〜図6はウォーターサーバー用の液体容器の口部に液密に装着される従来の蓋を示し、1は容量が例えば19.8リットル又は12.3リットルのプラスチック製ボトルなどの液体容器本体の上部に設けた、直径約53mmの円筒状口部、2は上記円筒状口部1の上端外周面に沿って設けた凸部、3は上記円筒状口部に装着される、直径約55mmの可撓性のプラスチック製の蓋である。
【0003】
上記蓋3は、上記円筒状口部1の上端開口を塞ぐ上蓋部4と、上記上蓋部4の外縁から垂下せしめた、上記円筒状口部1の凸部2の外周面を覆う厚さ約1.8mmの上部外筒5と、上記上部外筒5の下部内周面に沿って設けた、半径方向内側に突出した断面三角形状の厚さ約3.5mmの凸部6と、上記上部外筒5の下端に設けた、厚さ約1.2mmの下部外筒7と、上記下部外筒7の上部内周面の略3/4の範囲に渡って設けた溝部8aと、上記下部外筒7に設けた、上記溝部8aの一端から上記下部外筒7の下端に至る切り込み8bと、上記上蓋部4の下面に、同心円状に設けた複数の凸部9と、上記上蓋部4の中央部に設けた穴部10と、上記穴部10の縁部下部に設けた上部筒部11と、上記上部筒部11の底を塞ぐ有底の下部筒部12とよりなる。
【0004】
上記従来の蓋3においては、液体容器本体の円筒状口部1の凸部2が、上記蓋3の上記上蓋部4と上記上部外筒5と上記凸部6とにより形成される部分に液密に嵌合され、液漏れが防止される。
【0005】
そして、上記蓋3を装着した液体容器を逆さにし、上記筒部11、12内にウォーターサーバーの上部に突出せしめた給水管(図示せず)を挿入せしめ、上記給水管の先端により上記下部筒部12を上記上部筒部11から切り離し、上記液体容器内の液体を上記ウォーターサーバー内に供給せしめる。
【0006】
また、上記液体容器内の液体が無くなって、上記液体容器をウォーターサーバーから外し、上記液体容器本体の口部1から蓋3を取り外す時は、上記上部外筒5に対して相対的に、上記切り込み8b付近の上記下部外筒7を手で強く引っ張れば、上記下部外筒7の上記溝部8aの一端部から他端部まで切り離され、さらに、上記下部外筒7を手で引っ張れば、上記蓋3を上記液体容器の口部1から取り外すことができる。
【0007】
ウォーターサーバーと液体容器としては例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−210667号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
液体容器本体の口部に蓋を装着する場合、蓋の上蓋部と円筒状口部の上端間にパッキンを用いるタイプの蓋においては、パッキンにより液漏れを防ぐことができるので、上部外筒の下部内周面に突出して設けた凸部の厚さが2.5mm程度とあまり高くなく、そのため手での装着も可能であったが、上記従来のパッキンを用いないタイプの蓋においては、液漏れを凸部6の高さにより防ぐので、蓋の凸部6の厚さが3.5mm程度と厚いので、液体容器の口部にキャップを装着するのが固く、装着用の治具が必要であるという欠点があった。
【0010】
本発明は上記の欠点の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の液体容器用蓋は、液体容器の筒状口部の上端開口を塞ぐ上蓋部と、上記上蓋部の外縁から垂下せしめた、上記筒状口部の外周面を覆う外筒と、上記外筒下部内周面に設けた凸部と、上記外筒内周面の凸部に設けた切り欠きとよりなり、上記筒状口部の上端外周面に設けた凸部が、上記上蓋部と上記外筒と上記外筒内周面の凸部とにより形成される部分に液密に嵌合されることを特徴とする。
【0012】
また、上記切り欠きの形状は円弧であり、また、上記切り欠きの数が4個以上9個以下であり、また、上記切り欠きの深さは、上記外筒内周面に設けた凸部の厚さから外筒の厚さを引いた値の半分の値であることを特徴とする。
【0013】
また、上記上蓋部の直径が55mm、上記外筒の厚さが1.8mm、上記凸部の厚さ3.5mmであるとき、上記切り欠きの深さは1.1mmであることを特徴とする。
【0014】
また、上記切り欠きの立ち上がり部を湾曲に形成せしめたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の蓋によれば、治具なしに、液体容器本体の口部に蓋を手で容易に装着できるという大きな利益がある。また、切り欠きを設けても液漏れがない。
【0016】
また、従来の蓋は装着が固かったので、液体容器本体の口部に蓋を装着する際、装着感が分からず、液体容器本体の口部に蓋が装着できたかどうかの確認が必要であったが、本願発明においては、液体容器本体の口部に蓋を例えば手で装着する際、「ポン」という装着感があり、液体容器本体の口部に蓋が装着したか否かの確認を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の液体容器用蓋の縦断正面図である。
【図2】本発明の液体容器用蓋の底面図である。
【図3】本発明の液体容器用蓋の要部の拡大底面図である。
【図4】従来の液体容器の口部と蓋の縦断正面図である。
【図5】従来の液体容器用蓋の縦断正面図である。
【図6】従来の液体容器用蓋の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の蓋13においては、図1及び図2に示すように、従来の蓋3の上部外筒5の下部内周面に沿って設けた凸部6に、1つ、又は所望の間隔をあけて複数の切り欠き14を設ける。
【0020】
本発明の蓋によれば、治具なしに、液体容器本体の口部1に蓋13を手で容易に装着できるという大きな利益がある。また、切り欠きを設けても液漏れがない。
【0021】
また、従来の蓋は装着が固かったので、液体容器本体の口部に蓋を装着する際、装着感が分からず、液体容器本体の口部に蓋が装着できたかどうかの確認が必要であったが、本願発明においては、液体容器本体の口部に蓋を例えば手で装着する際、「ポン」という装着感があり、液体容器本体の口部に蓋が装着したか否かの確認を不要にできる。
【0022】
なお、種々実験の結果、上記切り欠き14が単なる切り込みを入れた場合や、切り欠きの形状を三角形状にした場合では、容器本体の口部1に蓋13を装着した時、切り欠き14周辺部が破損してしまい、そこから液漏れを生ずる場合があったが、切り欠きの形状を円弧(楕円または円錐曲線の一部を形成する弧も含む)にした場合には、破損することがなく、非常に装着が容易となり、また、装着感も十分にあったので、切り欠きの形状は円形又は楕円形が好ましい。
【0023】
また、切り欠きの数が3個以下では、装着感がまだ硬く、装着感も悪く、また、10個以上であると、液漏れが生じたため、上記切り欠きの数は4個以上9個以下が好ましい。
【0024】
また、上記切り欠きの深さは、凸部6の厚さから外筒の厚さを引いた値の半分の値、即ち、凸部6の厚さ3.5mmから上部外筒1.8mmを引いた値1.7mmの略半分ぐらいの深さ約0.9mmから、凸部6の厚さ3.5mmから下部外筒1.2mmを引いた値2.3mmの略半分ぐらいの深さ約1.1mmの間とするのが好ましい。
【0025】
また、上記各切り欠き14の間隔は等間隔であるのが好ましい。
【0026】
また、上記切り欠き14の形状は、切り欠きの深さが1.1mmで、直径3mm〜3.5mmの円の円弧であるのが好ましい。
【0027】
また、図3の破線で示すように、切り欠き14の立ち上がり部15が角状に形成されていると、筒状口部1に蓋13を装着した時に、その立ち上がり部周辺が破損しまい、そこから液漏れを生ずる場合があるので、図3の実線に示すように、上記立ち上がり部15の角部分を面取りし、なだらかな湾曲に形成せしめ、破損しなようにするのが好ましい。なお、上記立ち上がり部15の面取りは角部の全体であっても良く、また角部の一部であっても良い。
【符号の説明】
【0028】
1 円筒状口部
2 凸部
3 蓋
4 上蓋部
5 上部外筒
6 凸部
7 下部外筒
8a 溝部
8b 切り込み
9 凸部
10 穴部
11 上部筒部
12 下部筒部
13 蓋
14 切り欠き
15 立ち上がり部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器の筒状口部の上端開口を塞ぐ上蓋部と、上記上蓋部の外縁から垂下せしめた、上記筒状口部の外周面を覆う外筒と、上記外筒下部内周面に設けた凸部と、上記外筒内周面の凸部に設けた切り欠きとよりなり、上記筒状口部の上端外周面に設けた凸部が、上記上蓋部と上記外筒と上記外筒内周面の凸部とにより形成される部分に液密に嵌合されることを特徴とする液体容器用蓋。
【請求項2】
上記切り欠きの形状は円弧であることを特徴とする請求項1記載の液体容器用蓋。
【請求項3】
上記切り欠きの数が4個以上9個以下であることを特徴とする請求項1または2記載の液体容器用蓋。
【請求項4】
上記切り欠きの深さは、上記外筒内周面に設けた凸部の厚さから外筒の厚さを引いた値の半分の値であることを特徴とする請求項1、2または3記載の液体容器用蓋。
【請求項5】
上記上蓋部の直径が55mm、上記外筒の厚さが1.8mm、上記凸部の厚さ3.5mmであるとき、上記切り欠きの深さは1.1mmであることを特徴とする請求項1、2または3記載の液体容器用蓋。
【請求項6】
上記切り欠きの立ち上がり部を湾曲に形成せしめたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の液体容器用蓋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−89842(P2010−89842A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−15170(P2010−15170)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(502316393)ヘルシーウォーター株式会社 (6)
【Fターム(参考)】