説明

液体循環式発電装置

【課題】発電を行いたい場所において、常時、発電を可能とする液体循環式発電装置を提供する。
【解決手段】下水槽1に液体2を入れ、吸い上げ管3は下水槽1の液体2中に下方管口が常に入るようにして、吸い上げ管3の上方管口は折れ曲がって上水槽4へとつながって開口している、上水槽4は液体2が落下できる内部形状で、その下方には発電装置6を内設した落下管5を設ける。吸い上げ管3下方口より、上水槽4、落下管5下方口まで、または、発電装置6までの内部に液体2を充填し、上水槽4と落下管5の内部液体量(落下側の内部液体量)の和を吸い上げ管3の内部液体量(吸い上げ側の内部液体量)よりも大きな内部液体量とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体を充填した循環管路内部で液体容量差を作り出し、その液体容量差により生じる重力(引力)の差で発生する液体流動を利用して循環路内部で液体を循環や回転させ、以上によって生じる液体落下圧力で発電をする液体循環式発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の発電には、身近で液体を始動時以外で動力装置を用いずに、液体循環管路内部で液体容量に変化を持たせ、その液体に掛る重力(引力)の差で生じる液体移動力を利用して、液体を循環や回転をさせて発電をする装置が無かった。
なお、外部からの力、浮力、動力装置を用いて循環させる発電装置はあった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2009−24689号公報
【特許文献2】 特開2010−90768号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、次のような問題点があった、
従来、水力発電は自然水の自然循環によって、ほとんどが成り立っており、設置場所も山岳や高地である。
揚水発電のエネルギーも余剰電力を用いてのエネルギー保存であり、なんらエネルギー的には増加や新たに発生させたるものでない。
また、小水力発電も多くが自然水と自然の位置エネルギーを利用した、一度きりの発電であり、従って水力発電は、必要とする身近で数多く発電をすることが出来ない問題点があった。
本発明は以上のような、問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
液体(2)を入れた下水槽(1)の中に吸い上げ管(3)下方口を入れ、吸い上げ管(3)の上端を折り曲げた先に上水槽(4)を設け、上水槽(4)下方に発電装置(6)を設け、吸い上げ管(3)下方口から発電装置(6)まで、または、落下管までは内部に液体(2)を充填させた液体循環式発電装置である。
【発明の効果】
【0006】
重力の有る場所で、設置空間が有り、装置内部の液体の循環や回転を妨げる条件が無いなら、全ての場所において発電が常時可能である。
発電量は小さいがクリーンな発電であり、個人で電力を身近で作り出すことが出来る。
動力源は重力(引力)なので発電コストがほとんどかからない。
構造があまり複雑でなく、装置の形状も設置場所によってある程度、変化を持たせられる。
液体の凍結や蒸発を無くすれば、理論的には始動し始めれば連続的に循環や回転する。
蓄電装置と共に利用すれば、家庭用電気や電気自動車等の電力源となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】落下管下方口が下水槽液面上で開口の(a)装置断面図、(b)発電装置拡大図である。
【図2】落下管下方口が下水槽液中で開口の(a)装置断面図、(b)発電装置拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
下水槽(1)に液体(2)を深く入れ、吸い上げ管(3)下方口は下水槽(1)の液体(2)中に常に入るようにし、また、空気が入らない深さとする。
吸い上げ管(3)上部は折れ曲がっており、その上方口は上水槽(4)上部、または側部で開口させる(以下、吸い上げ管下方口から吸い上げ管最上部までを吸い上げ側とする)、上水槽(4)下方は液体(2)が落下できる内部形状であり、上水槽(4)下方には発電装置(6)を設置した落下管(5)を設ける(以下、吸い上げ管最上部の上水槽側から落下管下方口までを落下側とする)。
発電装置(6)は水力発電用の装置であり(図1ではクロスフロー水車型発電機)、基本的には液体(2)流動が有ればどの位置でも設置できる、上水槽(4)に直接設置してもよい。
落下管(5)下方口は、大きく分けて二種類ある、下水槽(1)の液体(2)面上で開口させるものと(図1)、下水槽(1)の液体(2)中で開口させる形態のものである(図2)。
その他に、吸い上げ管(3)下方口より液体(2)が常に給液出来るなら、設置条件や意向により液体(2)の放出形態を変えられる。
また、吸い上げ管(3)下方口より液体(2)を常に給液出来るなら、その液体(2)は下水槽(1)の液体(2)でなく他の液体(2)でもよいが、危険性や毒性のある液体(2)、極端な汚水などの液体(1)は不適当である。
下水槽(1)以外の液体循環路内部容積比率として上水槽(4)と落下管(5)の内部容積(落下側)の和は、吸い上げ管(3)の内部容積(吸い上げ側)よりも大きな内部容積の構造である。
液体(2)は吸い上げ管(3)下方口より落下管(5)下方口まで(液体循環路)、または、発電装置(6)まで充填状態である。
図1.2の装置断面図の奥行き(幅)は10cmとしたが、当装置は基本的には管、水槽などの形状に自由度が有る為、形状が一様に定められないが、基本的構造や形状は上記のとうりである。
本発明は以上のような構造である。
これを使用するには、始動作業を行わなければならない、始動は人工的に液体循環路内部の液体(2)に何らかの方法で力を与えてやり(動力装置、手動など)、吸い上げ管(3)から上水槽(4)そして落下管(5)へと液体(2)を力強く流動させて循環や回転の弾みを与えてやるのである。
つまり、吸い上げ管(3)下方口より上水槽(4)、落下管(5)下方口までの内部液体(2)は、吸い上げ側より落下側の液体(2)量が多い為、落下側に掛る重力(引力)が吸い上げ側より常に勝っている、以上の状態にて始動作業を行い、落下側に強く液体(2)流動の弾みを付ける事で落下側への液体(2)流動力が発生し、よって連続的に吸い上げ管(3)で下水槽(1)の液体(2)を吸い上げ、吸い上げ管(3)下方口より落下管(5)下方口まで連続的に液体(2)が循環、回転し始め、落下管の発電装置(6)の羽根(8)を液体落下圧力で回転させて発電装置(6)内の永久磁石(10)と固定発電用コイル(11)によって起電させ発電を得るのである(図中で液体(2)の流れを矢印で表した)。
これは当装置の、液体循環路内部において、落下側の内部液体(2)量を多くし、その液体(2)に掛る重力(引力)を吸い上げ側より大きくして、その結果、発生する落下側への液体(2)流動力を利用し、落下側に常に落下条件を作り出し連続的に循環、回転をさせるものである。
従って、落下側での液体落下は自然落下でなく、吸い上げ側での液体を吸い上げる為に必要な力を落下側の液体落下圧力より得ている為、落下側の液体落下圧力は自然落下より弱くなる。
落下管(5)下方口より空気の混入は、当装置にとって液体(2)循環や回転の重大な妨げになるので、これを防ぐ為に開閉弁(7)は始動時は徐々に開けてゆき、循環、回転時において空気の混入が起きない程度の一定の落下圧力が掛るように開閉弁(7)の開閉を調整する。
下水槽(1)の液量は、吸い上げ液量と落下液量とは、ほとんど同量となるので、多量の蒸発等がない限り液体(2)減少が少ないので連続的に循環や回転をする。
【符号の説明】
【0009】
1 下水槽
2 液体
3 吸い上げ管
4 上水槽
5 落下管
6 発電装置
7 開閉弁
8 羽根
9 防水カバー
10 永久磁石
11 固定発電用コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を入れた下水槽の中に吸い上げ管を入れ、吸い上げ管の上端を折り曲げた先に上水槽を設け、上水槽の下方に発電装置を設けた液体循環式発電装置。

【図1】
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【図2】
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