説明

液体洗浄剤組成物

【課題】ノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物であって、容器の目詰まりもなく、クリーミーで安定した泡が得られ、洗浄後のコンディショニング効果に優れ、低温下においても泡の形成性に優れる液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】多孔質膜を有するノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に前記多孔質膜を介して容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物であって、(a)特定のアシルタウリン塩(例えば、N−デカノイルN−メチルタウリン塩、等)を1〜30質量%、(b)両性界面活性剤(例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、等)を0.1〜15質量%、および(c)カチオン化デンプンを0.01〜3質量%含有することを特徴とする、液体洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質膜を有するノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に前記多孔質膜を介して容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、冬の時期などの低温下においても泡の形成性に優れ、しかも洗浄後のコンディショニング効果にも優れる液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に該容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物については、これまで種々提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。このようなノンガスタイプの泡吐出容器に収容される液体洗浄剤組成物では、泡質(泡のクリーミーさ、泡の細かさ、等)、泡状に吐出させる際の目詰まり防止の改善等を図っている。特に近年、消費者の使用性等に対する要求も従来に比べ高まる傾向がみられ、泡質のより一層の向上、洗浄後の使用感の向上、目詰まり防止等について、従来にもましてより一層の技術の向上が求められている。また従来、冬の時期などの低温下において泡の形成性が低下するという問題があったが、これに対する解決策も要望されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−132700号公報
【特許文献2】特開平7−252132号公報
【特許文献3】特開平8−131809号公報
【特許文献4】特開2005−187359号公報
【特許文献5】特開2005−187411号公報
【特許文献6】特許第3815538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に該容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物において、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、洗浄後のコンディショニング効果に優れ、冬の時期などの低温下においても良好な泡の形成性を保つことができる液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、組成物中に溶存状態で存在する特定のカチオン性高分子化合物に着目するに至り、該カチオン性高分子化合物を特定のアニオン性界面活性剤および両性界面活性剤とを含有する液体洗浄剤組成物に配合すると、これらが相乗的に作用して、泡吐出容器に充填して泡状に吐出する形態として使用するにあたり、容器の目詰まりもなく、クリーミーで安定した泡が得られること、併せて優れたコンディショニング効果が得られること、また冬の時期などの低温下においても泡の形成性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
すなわち本発明は、多孔質膜を有するノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に前記多孔質膜を介して容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物であって、(a)下記式(I):
【0007】

【0008】
〔式(I)中、R1CO−は炭素原子数6〜10の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を示し;R2は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し;M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し;nは1〜3の整数を示す。〕
で表される短鎖長アシルタウリン塩を1〜30質量%、(b)両性界面活性剤を0.1〜15質量%、および(c)カチオン化デンプンを0.01〜2質量%含有することを特徴とする、液体洗浄剤組成物を提供する。
【0009】
また本発明は、(b)成分が、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、およびN−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミンの中から選ばれる1種または2種以上である、上記液体洗浄剤組成物を提供する。
【0010】
また本発明は、(b)成分が2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、および/または、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインである、上記液体洗浄剤組成物を提供する。
【0011】
また本発明は、ノンガスタイプの泡吐出容器がスクイズフォーマー型容器、あるいはポンプフォーマー型容器である、上記液体洗浄剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、多孔質膜を有するノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に前記多孔質膜を介して容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物であって、容器の目詰まりもなく、クリーミーで安定した泡が得られ、しかも洗浄後のコンディショニング効果に優れ、また低温下においても泡の形成性に優れる液体洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳述する。
【0014】
本発明に用いられる(a)成分は、下記式(I)で表される短鎖長アシルタウリン塩である。
【0015】

【0016】
上記式(I)中、R1COは炭素原子数6〜10の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を示す。該アシル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、具体的には、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基などの飽和アシル基、ヘキセノイル基、オクセノイル基、デセノイル基などの不飽和アシル基が挙げられる。アシル基の炭素原子数が5以下では毛髪や皮膚への刺激が強くなり、泡質および泡立ち、また洗浄を行ったときのすすぎ時にきしみ感がある。また炭素原子数が11以上の場合は冬の時期などの低温下において増粘し、吐出時の泡の感触が悪化する。
【0017】
2は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す。本発明ではメチル基が好ましい。
【0018】
nは1〜3の整数を示す。
【0019】
1は水素原子、アルカリ金属類(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等)、アルカリ土類金属類(例えば、カルシウム、マグネシウム等)、アンモニウムまたは有機アミン類(例えば、トリエタノールアミン等)を示す。
【0020】
(a)成分の具体例としては、例えば、N−ヘキサノイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−オクタノイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−デカノイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ヘキセノイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−オクテノイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−デセノイル−N−メチルタウリンナトリウム等や、これら例示化合物のナトリウム塩を他のアルカリ金属類(カリウム等)、アルカリ土類金属類、アンモニウム、有機アミン類等の塩に代えたもの等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
(a)成分の配合量は、本発明の液体洗浄剤組成物中、1〜30質量%であり、好ましくは5〜20質量%である。配合量が1質量%未満では、洗髪時等の泡立ちが得られず、また洗浄力不足となる。一方、30質量%を超えると系が増粘し、吐出時の泡のクリーミー性が得られず、また安定性に劣る上、すすぎ時のきしみが大きくなりコンディショニング性が得られない。
【0022】
本発明に用いられる(b)成分としての両性界面活性剤は、一般に化粧料に用いられ得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば下記式(II)〜(V)に示す化合物が挙げられる。
【0023】

【0024】
〔式(II)中、R3は炭素原子数7〜21直鎖状または分岐鎖状の飽和または不飽和の炭化水素基を表し;R4、R5は、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し;Qは炭素原子数1〜3のアルキレン基、または炭素原子数2〜3のヒドロキシアルキレン基を表し;Z-は、−COO-または−SO3-を表し(ただし、Z-が−COO-であるとき、Qはアルキレン基である);kは1〜5の整数を表し;mは0または1の整数を表す。〕
【0025】

【0026】
〔式(III)中、R6は炭素原子数9〜17のアルキル基またはアルケニル基を表し;R7は−CH2COOM2または−CH2CH2COOM2を表し;R8は水素原子、−CH2COOM2または−CH2CH2COOM2を表す。ここでM2は水溶性塩を形成するカチオンである。〕
【0027】

【0028】
〔式(IV)中、R9は炭素原子数7〜19のアルキル基、アルケニル基、または炭素原子数7〜15のアルキル基で置換されたアルキルフェニル基を表し;R10、R11はそれぞれ独立に、水素原子、−OH、−CH2COOM3、−CH2CH2COOM3を表す。ただし、R10、R11が同時に水素原子または−OHとなることはない。ここで、M3は、水素原子、ナトリウム、カリウム、アルカノールアミンまたはアルカリ土類金属を表す。〕
【0029】

【0030】
〔式(V)中、R12は炭素原子数5〜19のアルキル基またはアルケニル基を表し;AはR13OM4またはR13OR14COOM4を表し(ここで、R13は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R14は炭素原子数1〜4のアルキレン基またはOH基で置換されたアルキレン基を表し、2つのM4はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属またはアルカノールアミンから誘導されるカチオンを表す);BはR14COOM4またはCH2COHCH2SO34を表し(ここで、R14、M4は上記で定義したとおり);Gは任意のアニオンを表す。〕
【0031】
(b)成分の具体例としては、例えば、N−デシルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドメチルベタイン、ミリスチン酸アミドメチルベタイン、パルミチン酸アミドメチルベタイン、ステアリン酸アミドメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ミリスチルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−カルボキシメチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−カルボキシメトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。中でもヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン等が好ましく用いられ、特には、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが最も好ましく用いられる。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0032】
(b)成分の配合量は、本発明の液体洗浄剤組成物中、0.1〜15質量%であり、好ましくは1〜10質量%である。配合量が0.1質量%未満では、良好なコンディショニング効果が得ることが難しく、一方、15質量%を超えると系が増粘して吐出時の泡の感触が悪くなる。
【0033】
本発明に用いられる(c)成分としてのカチオン化デンプンは、下記式(VI)で表されるカチオン性ポリマーが好ましく、該ポリマーは、(a)成分、(b)成分を含む本発明洗浄剤組成物中に良好な溶存状態で存在する。これにより泡吐出時の泡のクリーミー性や安定性等の効果の向上が図られる。
【0034】

【0035】
式(VI)中、各記号は以下の意味を表す。
【0036】
-は無機酸あるいは有機酸から誘導されるアニオンを表す。
【0037】
a、bは、a+b=1で、aは0.75前後、bは0.25前後の数を示すが(c)成分は下記に示すように平均分子量3万〜100万が好ましいので、a、bは(c)成分がかかる分子量範囲になるよう適宜調整される。
【0038】
(c)成分は平均分子量3万〜100万のものが好ましく、より好ましくは10万〜50万のものである。
【0039】
上記式中、X-はCl-であるのが最も好ましく、この場合、(c)成分は化粧品表示名称で塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプンであり、デンプンと塩化グリシジルプロピルトリメチルアンモニウムからなる4級アンモニウム塩である。塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプンは、例えば「センサマーCI−50」(ナルコ社製。カチオン化ポテトスターチ)等として市販されており、これら市販品を好適に用いることができる。
【0040】
本発明では(c)成分に代えて他のカチオン性ポリマー、例えば、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体、ジメチルジアリルアンモニウム誘導体等を用いた場合、泡吐出時の泡のクリーミーさや安定性等が劣り、本発明効果を得ることができない。
【0041】
(c)成分の配合量は、本発明の液体洗浄剤組成物中、0.01〜2質量%であり、好ましくは0.1〜1質量%である。配合量が0.01質量%未満では、すすぎ時のきしみが大きくなり、コンディショニング性が劣化する。一方、2質量%を超えると系が増粘し、吐出時の泡の感触が悪化する上、容器が目詰まりする。
【0042】
上記構成の本発明の液体洗浄剤組成物は、ブルックフィールド型回転粘度計で0〜50℃の温度で測定した粘度が30mPa・s以下程度の低粘度となることから、クリーミーな泡を得ることができる。粘度が高すぎると、硬く粗い泡になり、クリーミー性に欠けるが、本発明の液体洗浄組成物ではこのような不具合を生じない。
【0043】
本発明の液体洗浄剤組成物は、毛髪や皮膚の洗浄剤として、ヘアーシャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔剤などに好適に用いられ、その種類、使用態様などに応じて、上記必須成分の他に従来から使用されている他の非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陽イオン性高分子化合物、パール化剤、粘度調整剤、ハイドロトロープ剤、香料、色素、その他の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて配合することもできる。
【0044】
本発明の液体洗浄剤組成物は、上述した成分を用いて、通常の方法に準じて調製可能である。
【0045】
本発明の液体洗浄剤組成物は、多孔質膜を有するノンガスタイプの泡吐出容器に収容される。本発明で用いられるノンガスタイプの泡吐出容器は、一定量の液体洗浄剤組成物を一定量の空気と混合し、泡状態として使用時に容器より吐出させるものであれば公知のいずれのタイプのものでもよい。具体的には、例えば、軟質容器の胴部を手指で押圧することにより使用するスクイズフォーマー、ポンプ機構を備えたキャップの頭を指で押圧することにより使用されるポンプフォーマー等が挙げられる。そして使用時、容器内の液体洗浄剤組成物を空気と混合した混合物を多孔質膜(1枚から複数枚)に通すことによって、該液体洗浄剤組成物を容器吐出口から泡状として吐出させるようになっている。多孔質膜としては、例えばスポンジ、焼結体、ネットなどが挙げられるが、使用性等の点から薄肉であるネットが好ましい。ネットとしては30〜300メッシュが好ましく、より好ましくは50〜250メッシュである。30メッシュ未満では孔が大きすぎて泡立ちが悪くなり、一方、300メッシュ超では液体洗浄剤組成物の目詰まりを生じやすく好ましくない。また、このようなメッシュの材料として好ましいものとしては、ナイロン、ポリエステル等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでないことはもちろんである。
【実施例】
【0046】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。化粧品原料は使用のしやすさから水希釈で販売されているがここで表記する配合量は全て純分である。
【0047】
実施例に先立ち、本実施例で用いた各評価の試験方法、評価基準について説明する。
【0048】
[室温での泡のクリーミー性(吐出時、および、吐出から1分間経過後)]
スクイズフォーマー型容器(吐出口内部に150メッシュの多孔質膜を有する)に各試料を充填し、室温にてパネラー10名がそれぞれ通常のスクイズ動作を行い、内容物を吐出させて手に取り、泡吐出時と、泡吐出から1分間経過後に、泡の見た目と感触により、泡のクリーミー性を下記評価基準に従って室温にて官能評価した。
(評価基準)
○:泡がクリーミーで良好
△:泡がやや粗い、やや硬いまたは柔らかすぎる
×:泡が粗い、硬いまたは柔らかすぎる
【0049】
[低温での泡のクリーミー性(吐出時、および、吐出から1分間経過後)]
スクイズフォーマー型容器(吐出口内部に150メッシュの多孔質膜を有する)に各試料を充填し、0℃にてパネラー10名がそれぞれ通常のスクイズ動作を行い、内容物を吐出させて、手に取り、泡吐出時と、泡吐出から1分間経過後に、泡の見た目と感触により、泡のクリーミー性を下記評価基準に従って0℃にて官能評価した。
(評価基準)
○:泡がクリーミーで良好
△:泡がやや粗い、やや硬いまたは柔らかすぎる
×:泡が粗い、硬いまたは柔らかすぎる
【0050】
[コンディショニング性(きしみ感のなさ)]
パネラー10名が各試料を洗髪に用い、すすぎ時のきしみ感のなさを下記評価基準に従って官能評価した。
(評価基準)
○:あまりきしまない
△:かなりきしむ
×:きしみがひどく、指通りが非常に悪い
【0051】
[泡立ち]
パネラー10名が各試料を洗髪に用い、泡立ちを下記評価基準に従って官能評価した。
(評価基準)
○:よく泡立つ
△:普通
×:泡立ちが悪い
【0052】
[実施例1〜6、比較例1〜13]
下記表1〜2に示すヘアシャンプー(液体洗浄剤組成物)を常法に準じて調製した。これらを試料として、上記評価方法により評価し、最も評価が集まった評点を評価結果とした。結果を表1〜2に示す。なお、表1〜2中、「カチオン化デンプン(*)」は「センサマーCI−50」(ナルコ社製。カチオン化ポテトスターチ)を用いた。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
[実施例7]
ポンプフォーマー型容器(吐出口内部に多孔質膜を有する)に下記の試料(液体洗浄剤組成物)を充填して使用する。本実施例7によれば、容器の目詰まりもなくクリーミーで安定な泡が得られる。
(試料)
(配 合 成 分) (質量%)
N−ヘキサノイル−N−メチルタウリンナトリウム(C=6) 20
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10
カチオン化デンプン(カチオン化ポテトスターチ) 1
クエン酸 0.01
香料 0.001
イオン交換水 残余

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質膜を有するノンガスタイプの泡吐出容器に収容され、使用時に前記多孔質膜を介して容器から泡状に吐出される液体洗浄剤組成物であって、(a)下記式(I):

〔式(I)中、R1CO−は炭素原子数6〜10の飽和または不飽和の脂肪酸残基(アシル基)を示し;R2は水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し;M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を示し;nは1〜3の整数を示す。〕
で表される短鎖長アシルタウリン塩を1〜30質量%、(b)両性界面活性剤を0.1〜15質量%、および(c)カチオン化デンプンを0.01〜2質量%含有することを特徴とする、液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
(b)成分が、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、およびN−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミンの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(b)成分が2−ヤシ油脂肪酸アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、および/または、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインである、請求項1または2記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
ノンガスタイプの泡吐出容器がスクイズフォーマー型容器、あるいはポンプフォーマー型容器である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2009−292969(P2009−292969A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149475(P2008−149475)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】