説明

液体浄化装置

【課題】濾過器の逆洗浄中に流出する逆洗浄液の廃棄量を低減することのできる液体浄化装置を提供する。
【解決手段】水浄化装置10は、給水源から送給される原水を貯留する原水タンク11と、原水タンク11中の原水を複数の濾過器12へ送り込むためのポンプP1と、濾過器12を透過して浄化された透過水を貯留する透過水タンク15と、逆洗浄水を貯留する逆洗浄水タンク16と、逆洗浄水タンク16内の逆洗浄液を濾過器12へ送給するためのポンプP2と、を備えている。また、逆洗浄中に濾過器12から流出する逆洗浄水のうち、濁度が所定値以下の部分を回収する機構として、逆洗浄開始後の経過時間に基づいて逆洗浄水の流出先を切り替える流路切替弁である三方弁22及び三方弁22の制御手段26を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水その他の各種液体を濾過器によって浄化する液体浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水その他の各種液体を濾過器で浄化する装置において、前記濾過器を逆洗浄する方法については、従来、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1記載の逆洗浄方法においては、原水中あるいは逆洗浄水中に含まれる浮遊物質全量に対する有機性浮遊物質の割合を指標にして濾過膜の逆洗浄条件が設定される。特許文献2記載の前処理膜の洗浄方法は、逆浸透膜装置から逆洗ラインを経由して送給される塩分濃縮水を用いて前処理膜の洗浄を行う構成である。特許文献3記載の逆洗方法においては、逆洗液タンクから排出される逆洗液中の鉄粉濃度を濁度計にて推定し、この鉄粉濃度が所定値以下となったら逆洗液の排出を停止することにより逆洗液の廃棄量低減が図られている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−169238号公報
【特許文献2】特開2007−14902号公報
【特許文献3】特開2001−276514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2記載の逆洗浄技術においては濾過器の逆洗に使用された逆洗浄液の全量が外部に排出されるので、逆洗浄液の無駄が生じている。また、逆洗浄中に濾過器から流出した逆洗浄液の排水処理にも多くの労力や資材が費やされている。
【0005】
一方、特許文献3記載の逆洗方法においては、濁度計を用いて推定された逆洗液の鉄粉濃度に基づいて逆洗液を廃棄するか否かの判断が行われるため、逆洗液の再利用率を高めることはできる。しかしながら、逆洗液を一旦タンクに貯留して所定時間放置した後、処理する方式であるため、例えば、上水道施設のように大量の液体を浄化する装置への使用は極めて困難である。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、濾過器の逆洗浄中に流出する逆洗浄液の廃棄量を低減することのできる液体浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、液体浄化装置の濾過器の逆洗浄作業を繰り返し行った結果、逆洗浄中に濾過器から流出する逆洗浄液の濁度は一定ではなく、逆洗浄の開始から終了に至るまでの間に変化すること、また、その変化パターンに規則性があることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の液体浄化装置は、原液供給源から送給される原液を浄化する濾過器と、前記濾過器に逆洗浄液を供給する逆洗浄手段と、逆洗浄中に前記濾過器から流出する逆洗浄液の排出流路と、を備え、
逆洗浄中に前記排出流路に流出する逆洗浄液のうち濁度が所定値以下の部分を、逆洗浄開始後の経過時間または逆洗浄液流出量に基づいて回収する回収手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
予め、逆洗浄中に濾過器から流出する逆洗浄液の濁度の変化を観測して、濁度が所定値以下になる時間範囲または逆洗浄液流出量範囲を把握しておけば、逆洗浄開始後の前記時間範囲または洗浄液流出量範囲内に排出経路に流出する逆洗浄液のみを回収することにより、濁度が所定値以下の部分を回収することができる。従って、濾過器の逆洗浄中に流出する逆洗浄液の廃棄量を減らすことができる。なお、回収された逆洗浄液は、再度、濾過器に送給して浄化したり、他の用途に再利用したりすることができる。
【0010】
ここで、前記回収手段として、逆洗浄開始後の前記経過時間または前記逆洗浄液流出量の計測値に基づいて前記排出流路の流出先を切り替える流路切替弁を設けることが望ましい。このような構成とすれば、逆洗浄開始後の経過時間または逆洗浄液流出量の計測値に応じて流路切替弁を作動させるという簡単な機構で逆洗浄液の回収、廃棄の選択を行うことができる。
【0011】
この場合、前記流路切替弁を前記濾過器の直近の前記排出流路に配置することが望ましい。このような構成とすれば、逆洗浄中に濾過器から流出する逆洗浄液の濁度の変化が最初に現れる部分で流出先の切り替えが行われるため、逆洗浄液の回収、廃棄の的確な選択を行うことができる。
【0012】
一方、逆洗浄中に前記濾過器から流出する前記逆洗浄液の濁度を検知する濁度計を設けることもできる。このような構成とすれば、予め、逆洗浄中に濾過器から流出する逆洗浄液の濁度の変化を観測する場合に濁度計を用いて計測することができるため、濁度が所定値以下になる時間範囲または逆洗浄液流出量範囲を正確に設定することができる。また、濾過器から流出する逆洗浄液の実際の濁度を検知できるため、予期せぬ濁度変化などが生じたときも的確に対応することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、濾過器の逆洗浄中に流出する逆洗浄液の廃棄量を低減することのできる液体浄化装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態である水浄化装置の概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示す水浄化装置10は、本発明に係る液体浄化装置の一例であり、全量濾過方式の浄水装置である。給水源(図示せず)から送給される原水を貯留する原水タンク11と、原水タンク11中の原水を複数の濾過器12へ送り込むためのポンプP1と、濾過器12を透過して浄化された透過水を貯留する透過水タンク15と、を備えている。また、逆洗浄水を貯留する逆洗浄水タンク16と、逆洗浄水タンク16内の逆洗浄液を濾過器12へ送給するためのポンプP2と、を備えている。複数の濾過器12はいずれも内圧式中空糸タイプであるが、これに限定するものではない。
【0016】
各濾過器12に連通する流路32には、流路切替弁である三方弁22がそれぞれ配置され、三方弁22と濾過器12との間にそれぞれ濁度計27が配置されている。三方弁22には、逆洗浄水を排出するための流路35が接続され、三方弁22の切り替えを行う制御手段26が設けられている。また、原水タンク11から延設された流路33には、開閉弁13,17及び圧力計42が配置され、逆洗浄水タンク16から延設された流路38には開閉弁18,28及び圧力計43が配置されている。
【0017】
水浄化装置10において原水の浄化作業を行う場合、開閉弁21,28を閉止状態、ポンプP2を停止状態、開閉弁13,17,29,19を開状態、三方弁22は流路32と濾過器12とを連通する状態に設定した後、ポンプP1を作動させる。これにより、原水タンク11内の原水が流路30,31,32及び三方弁22を経由してそれぞれ濾過器12へ送り込まれる。濾過器12を透過して浄化された透過水は流路36、開閉弁29、流路37及び開閉弁19を通過して透過水タンク15に貯留されていく。透過水タンク15内の透過水は開閉弁20を開くことにより所定場所へ送給されるが、開閉弁19から直接目的場所へ送給することもできる。
【0018】
浄化作業を継続すると原水中の浮遊物質などが濾過器12に蓄積していき濾過機能が低下していくが、それに伴って圧力計42の指示値が高まるので、前記指示値が所定値を超えた時点で濾過器12の逆洗浄が行われる。この場合、浄化作業を一時中止し、逆洗浄水タンク16内の逆洗浄水を濾過器12へ逆送給することによって逆洗浄が行われる。本実施形態の水浄化装置10には、逆洗浄中に濾過器12から流出する逆洗浄水のうち、濁度が所定値以下の部分を回収する機構が設けられている。
【0019】
以下、水浄化装置10における逆洗浄水の回収機構について説明する。まず、逆洗浄中に濾過器12から流出する逆洗浄水のうち、濁度が所定値以下の部分(即ち、清浄度の高い部分)を回収するためには、その選択基準となる前記所定値を設定する必要がある。そこで、濾過器12の濾過機能が低下した時点でポンプP1を停止し、開閉弁17,21,29を閉じ、三方弁22を各濾過器12と流路35とを連通する状態に切り替えた後、開閉弁18,28を開き、ポンプP2を作動させる。これにより、逆洗浄水タンク16内の逆洗浄水が流路38,36を経由して各濾過器12へ逆送され、それぞれの濾過器12内を逆流した後、三方弁22を通過して流路35から排出される。
【0020】
ここで、各濾過器12から流出する逆洗浄水の濁度を濁度計27で計測し、逆洗浄開始後の経過時間と濁度変化との相関関係を求めると、例えば、逆洗開始直後に流出する逆洗浄水の濁度は低いが、時間経過に伴って濁度が高まっていき、ピーク値を示した後は、再び濁度が低下するなどの規則性が見出される。そこで、逆洗浄開始後の所定時間Y範囲内に流出する高濁度の逆洗浄水のみを廃棄し、その前の所定時間X範囲内及び後の所定時間Z範囲内に流出する低濁度の逆洗浄水を回収するように設定する。
【0021】
具体的には、前記規則性に基づいて、三方弁22の切替時期(所定時間X,Y,Z)を予め制御手段26に入力しておけば、逆洗浄開始後、所定時間X,Y,Zが経過するごとに制御手段26からの信号により三方弁22の切り替えが行われる。なお、本実施形態では、濾過器12から流出する逆洗浄水の濁度を濁度計27で計測しているが、これに限定するものではないので、目視観察あるいはその他の手段で逆洗浄水の濁度を計測し、それに基づいて三方弁22の切替時期(所定時間X,Y,Z)を設定することもできる。
【0022】
逆洗浄開始後、所定時間Xが経過するまでの間は三方弁22が濾過器12から流路32へ連通する回収モードにセットされ、開閉弁21が開かれ、三方弁25は流路39,40を連通する状態となる。従って、所定時間Xが経過するまでの間に濾過器12から流出する低濁度の逆洗浄水は三方弁22から流路32,31を通り、開閉弁21、流路39、三方弁25及び流路40を経由して原水タンク11へ流入する。
【0023】
所定時間Xが経過すると、制御手段26からの信号により、三方弁22は濾過器12から流路35へ連通する廃棄モードに切り替えられ、開閉弁21が閉じられるので、この後、所定時間Yが経過するまでの間に濾過器12から流出する高濁度の逆洗浄水は三方弁22から流路35を通り、所定の排水設備(図示せず)へ排出される。
【0024】
所定時間Yが経過すると、制御手段26からの信号により、再び三方弁22が濾過器12から流路32へ連通する回収モードにセットされ、開閉弁21が開かれ、三方弁25は流路39,40を連通する状態となる。従って、この後、所定時間Zが経過するまでの間に濾過器12から流出する低濁度の逆洗浄水は三方弁22から流路32,31を通り、開閉弁21、流路39、三方弁25及び流路40を経由して原水タンク11へ流入する。
【0025】
所定時間Zが経過すると、ポンプP2が停止し、開閉弁21,28が閉じ、開閉弁17,29が開き、三方弁22が流路32と濾過器12とを連通した状態にセットされる。従って、この後、ポンプP1を作動させれば、原水タンク11から濾過器12への原水送給が始まり、原水の浄化作業が再開される。なお、流路39,40内などに残留している逆洗浄水は三方弁25を切り替えることにより流路41から排出することができる。
【0026】
このように、予め、逆洗浄中に濾過器12から流出する逆洗浄水の濁度変化を観測し、濁度が所定値以下になる時間範囲(所定時間X,Z)を把握しておけば、逆洗浄開始後の前記時間範囲(所定時間X,Z)内に濾過器12から流出する逆洗浄水のみを回収することにより、濁度が所定値以下の部分を回収することができる。従って、濾過器12の逆洗浄中に流出する逆洗浄水の廃棄量を減らすことができる。本実施形態では、逆洗浄水を原水タンク11内に回収した後、再度、濾過器12に送給して浄化する構成としているが、これに限定しないので、他の用途に再利用することもできる。
【0027】
水浄化装置10においては、逆洗浄水の回収手段として、逆洗浄開始後の経過時間(所定時間X,Y,Z)の計測値に基づいて逆洗浄水の流出先を切り替える流路切替弁である三方弁22を設けている。従って、逆洗浄開始後の経過時間に応じて制御手段26が三方弁22を作動させるという簡単な機構でありながら、逆洗浄液の回収、廃棄の選択を的確に行うことができる。なお、逆洗浄開始後、濾過器12からの逆洗浄液流出量の計測値に基づいて逆洗浄液の流出先を切り替える方式を採用することもできる。
【0028】
また、三方弁22を濾過器12の直近の流路32に配置したことにより、逆洗浄中に濾過器12から流出する逆洗浄液の濁度変化が最初に現れる部分で流出先の切り替えを行うことができるため、逆洗浄水を回収するか否かの的確な選択を行うことができる。
【0029】
さらに、逆洗浄中に濾過器12から流出する逆洗浄液の濁度を検知する濁度計27を濾過器12と三方弁22との間に配置しているので、予め所定時間X,Y,Zを設定するための濁度計測の際に濁度計27を用いることができる。このため、濁度が所定値以下になる時間範囲(または逆洗浄液流出量範囲)を正確に設定することができる。また、濾過器12から流出する逆洗浄液の実際の濁度を検知できるため、予期せぬ濁度変化などが生じたときも的確に対応することができる。なお、水浄化装置10は3本の濾過器12を備えているが、濾過器12の本数、サイズ、種類などは限定されないので、濾過器の本数やサイズの増減、種類の変更などは使用条件に応じて任意に設定することができる。
【0030】
次に、図2に基づいて本発明の第2実施形態について説明する。図2は本発明の第2実施形態である水浄化装置の概略構成を示す図である。なお、図2において図1と同符号を付している部分は水浄化装置10の構成部分と同じ構造、機能を有する部分であり、説明を省略する。
【0031】
図2に示す水浄化装置50は、本発明に係る液体浄化装置の一例であり、クロスフロー方式の浄水装置である。3本の濾過器52はいずれも内圧式中空糸タイプであるが、濾過器の種類、サイズ、本数などはこれに限定されないので、使用条件に応じて任意に設定することができる。
【0032】
水浄化装置50において原水の浄化作業を行う場合、開閉弁21,28を閉止状態、ポンプP2を停止状態、開閉弁13,17,29,19を開状態、三方弁22aは流路32と濾過器52とを連通する状態、三方弁22bは濾過器52と流路31bとを連通した状態に設定した後、ポンプP1を作動させる。これにより、原水タンク11内の原水が流路30,31a,32及び三方弁22aを経由してそれぞれ濾過器52へ送り込まれる。濾過器52を透過して浄化された透過水は流路36、開閉弁29、流路37及び開閉弁19を通過して透過水タンク15に貯留されていく。透過水タンク15内の透過水は開閉弁20を開くことにより所定場所へ送給したり、開閉弁19から直接目的場所へ送給したりすることができる。
【0033】
一方、濾過器52を通過した濃縮水は三方弁22b、流路31b,39、三方弁25及び流路40を通って原水タンク11へ送り込まれ、再び、前述した流路30などを経由して濾過器52へ送給され、浄化される。
【0034】
次に、水浄化装置50における逆洗浄水の回収機構について説明する。水浄化装置10の場合と同様、逆洗浄中に濾過器52から流出する逆洗浄水のうち、濁度が所定値以下の部分(即ち、清浄度の高い部分)を回収するために、その選択基準となる前記所定値を設定する。濾過器52の濾過機能が低下した時点でポンプP1を停止し、開閉弁17,21,29を閉じ、三方弁22a,22bを各濾過器52と流路35とを連通する状態に切り替えた後、開閉弁18,28を開き、ポンプP2を作動させる。これにより、逆洗浄水タンク16内の逆洗浄水が流路38,36を経由して各濾過器52へ逆送され、濾過器12内を通過した後、三方弁22a,22bを通過して流路35から排出される。
【0035】
ここで、各濾過器52から流出する逆洗浄水の濁度を濁度計27で計測し、逆洗浄開始後の経過時間と濁度変化との相関関係を求め、そこで見出された規則性に基づいて、水浄化装置10の場合と同様に所定時間X,Y,Zを決定する。そして、逆洗浄開始後の所定時間Y範囲内に流出する高濁度の逆洗浄水のみを廃棄し、その前の所定時間Xの間及び後の所定時間Zの間に流出する低濁度の逆洗浄水を回収するように設定する。
【0036】
具体的には、前記規則性に基づいて、流路切替弁である三方弁22a,22bの切替時期(所定時間X,Y,Z)を予め制御手段26に入力し、逆洗浄開始後、所定時間X,Y,Zが経過するごとに制御手段26からの信号により三方弁22a,22bの切り替えを行う。
【0037】
逆洗浄開始後、所定時間Xが経過するまでの間は、三方弁22aが濾過器52と流路32とを連通するとともに三方弁22bが濾過器52と流路31bとを連通する回収モードにセットされ、開閉弁21が開かれ、三方弁25は流路39,40を連通する。従って、所定時間Xが経過するまでの間に濾過器52を通過した低濁度の逆洗浄水は、三方弁22a,22bから流出する。三方弁22aから流出した逆洗浄水は流路32,31a,39、開閉弁25及び流路40を経由して原水タンク11へ流入し、三方弁22bから流出した逆洗浄水は流路31b,39、開閉弁25及び流路40を経由して原水タンク11へ流入する。
【0038】
所定時間Xが経過すると、制御手段26からの信号により、三方弁22a,22bは濾過器52と流路35とを連通する廃棄モードに切り替えられ、開閉弁21が閉じられるので、この後、所定時間Yが経過するまでの間に、濾過器52から流出する高濁度の逆洗浄水は、三方弁22a,22bから流路35を通り、所定の排水設備(図示せず)へ排出される。
【0039】
所定時間Yが経過すると、制御手段26からの信号により、再び三方弁22a,22bが濾過器52と流路32,31bとを連通する回収モードにセットされ、開閉弁21が開かれ、三方弁25は流路39,40を連通する状態となる。従って、この後、所定時間Zが経過するまでの間に濾過器52から流出する低濁度の逆洗浄水は流路32,31aまたは流路31b,39、三方弁25及び流路40を経由して原水タンク11へ流入する。
【0040】
所定時間Zが経過すると、ポンプP2が停止して、開閉弁21,28が閉じ、開閉弁17,29が開き、三方弁22aが流路32と濾過器52とを連通するとともに三方弁22bが濾過器52と流路31bとを連通した状態にセットされる。従って、この後ポンプP1を作動させれば、原水タンク11から濾過器52への原水送給が始まり、原水の浄化作業が再開される。なお、流路39,40内などに残留している逆洗浄水は三方弁25を切り替えることにより流路41から排出することができる。
【0041】
このように、予め、逆洗浄中に濾過器52から流出する逆洗浄水の濁度変化を観測し、濁度が所定値以下になる時間範囲(所定時間X,Z)を把握しておけば、逆洗浄開始後の前記時間範囲(所定時間X,Z)内に濾過器52から流出する逆洗浄水のみを回収することにより、濁度が所定値以下の部分を回収することができる。従って、濾過器52の逆洗浄中に流出する逆洗浄水の廃棄量を減らすことができる。本実施形態では、逆洗浄水を原水タンク11内に回収した後、再度、濾過器52に送給して浄化する構成としているが、これに限定しないので、他の用途に再利用することもできる。その他の部分の構造、機能などは前述した水浄化装置10と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の濾過装置は、水浄化手段あるいはその他の液体浄化手段として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態である水浄化装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態である水浄化装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10,50 水浄化装置
11 原水タンク
12,52 濾過器
13,17,18,19,20,21,28,29 開閉弁
15 透過水タンク
16 逆洗浄水タンク
22,22a,22b,25 三方弁
27 濁度計
30,31,31a,31b,32,33,35,36,37,38,39,40,41 流路
42,43 圧力計
P1,P2 ポンプ
X,Y,Z 所定時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液供給源から送給される原液を浄化する濾過器と、前記濾過器に逆洗浄液を供給する逆洗浄手段と、逆洗浄中に前記濾過器から流出する逆洗浄液の排出流路と、を備え、
逆洗浄中に前記濾過器から流出する逆洗浄液のうち濁度が所定値以下の部分を、逆洗浄開始後の経過時間または逆洗浄液流出量に基づいて回収する回収手段を設けたことを特徴とする液体浄化装置。
【請求項2】
前記回収手段として、逆洗浄開始後の前記経過時間または前記逆洗浄液流出量の計測値に基づいて前記排出流路の流出先を切り替える流路切替弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の液体浄化装置。
【請求項3】
前記流路切替弁を前記濾過器の直近の前記排出流路に配置したことを特徴とする請求項1または2記載の液体浄化装置。
【請求項4】
逆洗浄中に前記濾過器から流出する前記逆洗浄液の濁度を検知する濁度計を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の液体浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−183920(P2009−183920A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29253(P2008−29253)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(398018777)株式会社弁天 (15)
【出願人】(399102839)博多港管理株式会社 (16)
【Fターム(参考)】