説明

液体燃料供給システム

【課題】主タンクから各燃料タンクへの液体燃料の供給を計量することなく安全に液体燃料を供給することのできる液体燃料供給システムを提供する。
【解決手段】主タンク10に貯蔵された液体燃料Aを複数の燃料タンク32に供給するポンプ21、供給管1及び給油管2A〜2Dと、各燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量をそれぞれ検出するフロートスイッチ33と、検出された液体燃料Aの貯蔵量に基づいて燃料タンク32への液体燃料Aの供給を要求する要求制御装置34と、ポンプ21、供給管1及び給油管2A〜2Dによる液体燃料Aの供給開始から所定時間が経過したときに供給要求が継続していると燃料タンク32への液体燃料Aの供給を終了する供給制御装置23を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば学校や公共施設等に用いる液体燃料供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の液体燃料供給装置として、流量計が液体燃料の流量のその時点での積算量を示す信号を出力する機能を備え、主制御部が装置の運転開始前と運転停止後の流量計の積算量差に基づいて1回の運転あたりの流量の積算量を算出し、さらに、1回の運転あたりの流量の積算量を運転回数分だけ積算した値を全流量の積算量として算出するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この場合、高価な流量計を1個使用するだけで集合住宅等の複数の世帯に燃料を供給でき、各世帯毎の燃料の消費量を精度よく計量することができるとともに、流量の積算量に基づく異常判断機能を有するため安全性が高く、また流通量計を1個だけ使用するため安価である。
【特許文献1】特開平11−190500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の液体燃料供給装置は、学校や公共施設等のように複数の燃料供給先ごとに供給量を計量する必要がない場合や集合住宅のように各住戸ごとに既にメータ等がある場合に、流量計は不要であり流量計がないものと比較して高価であった。
【0005】
また、従来の液体燃料供給装置から流量計を省くと、配管の亀裂による液体燃料漏れや異物混入による配管の詰まり等の原因で液体燃料が供給できない場合や、タンク内のフロートスイッチが故障して液体燃料がオーバーフローする場合等、異常発生を検知することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主タンクから各燃料タンクへの液体燃料の供給を計量することなく安全に液体燃料を供給することのできる液体燃料供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、主タンクに貯蔵された液体燃料を複数の燃料タンクに供給する供給手段と、各燃料タンクにおける液体燃料の貯蔵量をそれぞれ検出する検出手段と、検出された液体燃料の貯蔵量に基づいて燃料タンクへの液体燃料の供給を要求する供給要求手段とを備え、供給要求手段の供給要求により燃料タンクに液体燃料を供給するようにした液体燃料供給システムにおいて、供給手段による液体燃料の供給開始から所定時間が経過したときに前記供給要求が継続していると前記燃料タンクへの液体燃料の供給を終了する供給制御手段を備えた液体燃料供給システムを提案する。
【0008】
本発明によれば、所定時間が経過したときに前記供給要求が継続していると前記燃料タンクへの液体燃料の供給が終了されることから、主タンクから燃料タンクへの液体燃料の供給を計量することなく、供給要求された燃料タンクに液体燃料を供給することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、主タンクから燃料タンクへの液体燃料を計量することなく、供給要求された燃料タンクに液体燃料を供給することができるので、燃料タンクから主タンクへの戻り配管を設けることなく燃料タンクのオーバーフローを防止することができ、安全に液体燃料を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1乃至図6は本発明の一実施形態を示すもので、図1は液体燃料供給システムの概略構成図、図2は液体燃料供給システムの制御系構成を示すブロック図、図3は液体燃料供給システムの処理構成図、図4は図3に示した液体燃料要求処理のフローチャート、図5は図3に示した液体燃料供給処理のフローチャート、図6は図3に示した異常時供給処理のフローチャートである。
【0011】
まず、図1及び図2を参照して液体燃料供給システムの構成について説明する。
【0012】
液体燃料供給システムは、主タンク10と、供給盤20と、複数のレベラー30A〜30Dと、中継装置40とを備えている。
【0013】
主タンク10は、屋外に設置され、灯油等の液体燃料Aを貯蔵している。
【0014】
供給盤20は、ポンプ21及び供給弁22によって供給管1及び給油管2A〜2Dを介して各レベラー30A〜30Dに液体燃料Aをそれぞれ供給している。
【0015】
各レベラー30A〜30Dは、例えば学校の各階又は各教室に設けられ、給油管2A〜2Dを介して給油弁31から供給された液体燃料Aを貯蔵する燃料タンク32を内蔵している。
【0016】
燃料タンク32に貯蔵する液体燃料Aは、末端管3からストーブ等の供給先(図示せず)に供給しており、液体燃料Aの貯蔵量は燃料タンク32に設けられたフロートスイッチ33によって検出している。
【0017】
フロートスイッチ33は、燃料タンク32内の液体燃料Aの貯蔵量を検出するため液面の上昇・下降を検知しスイッチ作動を行うものであり、低、中、高等の複数の液面の高さに対応した信号を出力する。これにより、簡易な構造の検出器を用いて燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量を検出することが可能となる。
【0018】
要求制御装置34は、各レベラー30A〜30Dにそれぞれ内蔵され、主としてレベラー30A〜30Dの動作を制御するためのもので、CPU及びRAM、ROM等のメモリを備えた周知のコンピュータからなる。
【0019】
要求制御装置34は、フロートスイッチ33から出力された信号に基づいて燃料タンク32への液体燃料Aの供給を要求する制御信号を出力するとともに、後述する供給制御装置23からの制御信号に基づいて、給油弁31を駆動する。
【0020】
給油弁31は供給管1から燃料タンク32に至る給油管2A〜2Dを開閉するためのもので、周知の電磁弁からなり、要求制御装置34からの制御信号に基づいて動作する。
【0021】
各レベラー30A〜30Dの要求制御装置34から出力された供給要求の制御信号は、中継装置40を介して供給盤20の供給制御装置23に入力される。なお、中継装置40は1つに限定されず、複数であってもよい。このように、中継装置40を介することにより、供給制御装置23に配線が集中するのを回避することが可能となる。
【0022】
供給制御装置23は制御盤20に内蔵され、主として供給盤20の動作を制御するためのもので、CPU及びRAM、ROM等のメモリを備えた周知のコンピュータからなる。
【0023】
供給制御装置23は、中継装置40を介する要求制御装置34からの供給要求の制御信号に基づいて、ポンプ21及び供給弁22を駆動するとともに、中継装置40を介して供給要求の制御信号を入力した要求制御装置34に給油弁31駆動の制御信号を出力する。
【0024】
ポンプ21は主タンク10の液体燃料Aを所定の流量で搬送するためのもので、供給制御装置23からの制御信号に基づいて動作する。
【0025】
供給弁22は、供給盤20から供給管1に至る経路を開閉するためのもので、周知の電磁弁からなり、供給制御装置23からの制御信号に基づいて動作する。
【0026】
タイマ24は、液体燃料Aの供給時間を知らせるためのもので、供給制御装置23からの制御信号に基づいて動作し、供給開始からカウントアップした経過時間のデータを供給制御装置23に出力する。
【0027】
記憶装置25は、液体燃料供給システムの動作に必要なデータを記憶するためのもので、EEPROM等の周知の記憶素子からなり、供給制御装置23から入力されたデータを記憶し、又は記憶しているデータを供給制御装置23に出力する。
【0028】
表示装置26は、液体燃料供給システムの異常発生を知らせるためのもので、周知のLED等からなり、供給制御装置23から入力されたデータを表示する。
【0029】
本実施形態では、供給盤20に表示装置26を備えるようにしたが、これに代えて又はこれとともに、警報器を備え、異常発生を知らせるようにしてもよい。また、記憶装置25に記憶しているデータを更新、追加、削除するため、操作用スイッチ等の入力装置を備えるようにしてもよい。
【0030】
次に、図3乃至図6を参照して、液体燃料供給システムの動作について説明する。
【0031】
図3に示すように、液体燃料供給システムの動作は、各レベラー30A〜30Dでそれぞれ実行される液体燃料要求処理S100と、供給盤20で実行される液体燃料供給処理S200及び異常時供給処理S220から構成されている。
【0032】
図4に示すように液体燃料供給システムが起動すると、要求制御装置34はフロートスイッチ33から出力される信号に基づいて燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量が不足しているか否かを判定する(S101)。
【0033】
この判定の結果、貯蔵量が不足していない場合、すなわち液体燃料Aの液面の高さが「低」以上のときは、液面の高さが「低」より低くなるまでS101の処理を繰り返し、燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量を監視し続ける。
【0034】
貯蔵量が不足している場合、すなわち液体燃料Aの液面の高さが「低」より低いときは、要求制御装置34は中継装置40を介して供給制御装置23に当該燃料タンク32への液体燃料Aの供給要求を開始する(S102)。なお、要求制御装置34は、液体燃料Aの供給要求を開始後、後述する供給要求の終了まで、供給要求の制御信号を出力し続ける。
【0035】
次いで要求制御装置34は、フロートスイッチ33から出力される信号に基づいて燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量が十分か否かを判定し(S103)、供給要求に対して燃料タンク32に十分な液体燃料Aが供給されたことを確認する。
【0036】
この判定の結果、貯蔵量が十分でない場合、すなわち液体燃料Aの液面の高さが「高」より低いときは、液面の高さが「高」以上になるまでS103の処理を繰り返して、燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量を監視し続ける。
【0037】
貯蔵量が十分な場合、すなわち液体燃料Aの液面の高さが「高」以上のときは、要求制御装置34は供給要求の制御信号の出力を止め、当該燃料タンク32への液体燃料Aの供給要求を終了する(S104)。
【0038】
S104の処理後、要求制御装置34は液体燃料供給システムが停止するまでS101〜S104の処理を繰り返す。
【0039】
図5に示すように液体燃料供給システムが起動すると、供給制御措置23は中継装置40を介していずれかの要求制御装置34から供給要求が有るか否かを判定する(S201)。
【0040】
この判定の結果、供給要求がない場合、いずれかの要求制御装置34から供給要求が有るまでS201の処理を繰り返す。
【0041】
供給要求がある場合、供給制御措置23はポンプ21及びタイマ24を駆動し供給弁22を開くとともに、中継装置40及び要求制御装置34を介して給油弁31を開き、供給要求のある燃料タンク32への液体燃料Aの供給を開始するとともに(S202)、自己のメモリ内のカウンタに「1」を加算する。なお、以下の説明において特に記載のない限り、レベラー30Aの要求制御装置34から供給要求があったものとする。
【0042】
供給制御措置23はレベラー30Aの要求制御装置34から供給要求が継続しているか否かを判定する(S203)。
【0043】
この判定の結果、供給要求が継続していない場合、レベラー30Aの燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量が所定量に達したと考えられる。
【0044】
供給制御措置23はポンプ21及びタイマ24を停止し供給弁22を閉じるとともに、中継装置40及び要求制御装置34を介して給油弁31を閉じ、レベラー30Aの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を終了し(S204)、自己のメモリ内のカウンタを「0」にしてS201〜S203の処理を繰り返し、再び各要求制御装置34からの供給要求を監視し、液体燃料Aを供給し続ける。
【0045】
次いで供給制御措置23は、燃料タンク32ごとに予め設定され記憶装置25に記憶されている所定時間を読み込み、タイマ24から出力される経過時間に基づいて液体燃料Aの供給開始から所定時間を経過したか否かを判定する(S205)。
【0046】
この判定の結果、所定時間を経過していない場合、所定時間を経過するまでS203及びS205の処理を繰り返して、レベラー30Aの燃料タンク32に液体燃料Aを供給し続ける。
【0047】
所定時間を経過している場合、供給制御措置23はポンプ21及びタイマ24を停止し供給弁22を閉じるとともに、中継装置40及び要求制御装置34を介して給油弁31を閉じ、レベラー30Aの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を終了する(S206)。
【0048】
次いで供給制御措置23は、レベラー30Aの要求制御装置34から供給要求が継続しているか否かを判定する(S207)。
【0049】
この判定の結果、供給要求が継続していない場合、レベラー30Aの燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量が所定量に達したと考えられ、供給制御装置23は自己のメモリ内のカウンタを「0」にし、S201〜S206の処理を繰り返して、再び各要求制御装置34からの供給要求を監視し、液体燃料Aを供給し続ける。
【0050】
供給要求が継続している場合、フロートスイッチ33が故障していることや、給油管2Aの亀裂や詰まり等が原因で燃料タンク32に液体燃料Aを供給できなかったり、或いは液体燃料Aの供給と同時に液体燃料Aが消費されていること等が考えられる。
【0051】
よって、供給制御装置23は燃料タンク32ごとに予め設定され記憶装置25に記憶されている所定回数を読み込み、自己のメモリ内のカウンタに基づいてレベラー30Aの燃料タンク32への所定時間にわたる液体燃料Aの供給を所定回数行ったか否かを判定する(S208)。
【0052】
なお、燃料タンク32ごとに予め設定される所定時間及び所定回数は、燃料タンク32の容量に基づいて定めている。例えば、容量ごとの基準となる供給量(=流量×所定時間×所定回数)に対して、容量が多い場合に基準となる供給量を変えず所定時間を長く所定回数を少なく設定する。これにより、燃料タンク32の容量が多く液体燃料Aの供給に対して液面の変化が少ないときでも、所定時間を長くすることで供給後の液面の高さの変化を大きくすることが可能となる。
【0053】
この判定の結果、所定時間にわたる液体燃料Aの供給を所定回数行っていない場合、供給制御措置23は自己のメモリ内のカウンタに「1」を加算し、S202〜S208の処理を繰り返して、最大所定回数までレベラー30Aの燃料タンク32に所定時間にわたる液体燃料Aの供給を続ける。
【0054】
所定時間にわたる液体燃料Aの供給を所定回数行っている場合、この間継続して液体燃料Aの供給と同時に液体燃料Aが消費され続けていることは考えにくく、フロートスイッチ33が故障していることや、給油管2Aの亀裂や詰まり等が原因で燃料タンク32に液体燃料Aを供給できないことが考えられる。
【0055】
よって、供給制御装置23は表示装置26に異常発生を示すメッセージを表示し、レベラー30Aの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を停止して(S209)、液体燃料供給処理S200を終了する。
【0056】
図6に示す異常時供給処理S220は、液体燃料供給処理S200の後に実行される。
【0057】
すなわち液体燃料供給処理S200終了後、供給制御装置23はレベラー30Aを除くレベラー30B〜30Dからの供給要求に対して液体燃料Aを供給する。これにより、異常原因の可能性が高いレベラー30Aの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を停止し、他のレベラー30B〜30Dの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を続けることが可能となる。
【0058】
S221〜S228の処理はS201〜S208の処理と同一であり、S228の判定の結果、所定時間にわたる液体燃料Aの供給を所定回数行っている場合、2箇所のレベラー30A〜30Dで異常が発生していることから、2つの燃料タンク32でフロートスイッチ33が同時に故障していることや2つの給油管2A〜2Dで漏れや詰まりが同時に生じていることは考えにくく、供給管1の亀裂や詰まり等が原因で燃料タンク32に液体燃料Aを供給できないことや供給盤20自体が故障していること等、重大な異常が発生していると考えられる。
【0059】
よって、供給制御装置23は表示装置26に重大な異常発生を示すメッセージを表示し、全てのレベラー30A〜30Dの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を停止して(S229)、異常時供給処理S220を終了する。このとき、異常の原因が解決されるまで液体燃料供給システムは停止する。
【0060】
本実施形態では、2箇所の異常が発生しているときに重大な異常が発生していると考えシステムを停止しているが、これに限定されず、例えばレベラー30Aの異常発生後、レベラー30Bの燃料タンク32への液体燃料Aの供給時に異常が発生した場合、供給管1の下流側で配管の亀裂や詰まりが生じていると考え、レベラー30A,30Bの燃料タンク32への供給を停止し、供給管1の上流側、すなわちレベラー30C,30Dからの供給要求に対して液体燃料Aの供給を続けるため再度異常時供給処理S220を実行するようにしてもよい。
【0061】
このように、本実施形態の液体燃料供給システムによれば、主タンク10から燃料タンク32への液体燃料Aの供給を計量することなく、供給要求された燃料タンク32に液体燃料Aを供給することができるので、燃料タンク32から主タンク10への戻り配管を設けることなく燃料タンク32のオーバーフローを防止することができ、安全に液体燃料Aを供給することができる。
【0062】
また、異常原因の可能性が高いレベラー30Aの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を停止し、他のレベラー30B〜30Dの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を続けることができるので、システムの一部に発生した異常によって全体を停止することがなく、システムの稼働率を高めることができる。
【0063】
また、レベラー30Aの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を停止後、供給要求されたレベラー30B〜30Dの燃料タンク32への所定時間にわたる液体燃料Aの供給を所定回数行った結果、レベラー30B〜30Dの燃料タンク32への液体燃料Aの供給要求が継続しているときに、全てのレベラー30A〜30Dの燃料タンク32への液体燃料Aの供給を停止するので、重大な異常の発生を検知しシステムを停止することで安全性を高めることができる。
【0064】
また、フロートスイッチ33によって検出された液体燃料Aの貯蔵量が所定量より少ないときにフロートスイッチ33を設けた燃料タンク32への液体燃料Aの供給を要求することから、簡易な構造の検出器を用いて燃料タンク32における液体燃料Aの貯蔵量を検出し、液体燃料Aの液面の高さで供給要求をすることができるので、複雑な構成や高度な演算等の必要なく単純な構成及び動作で液体燃料Aを供給することができる。
【0065】
また、燃料タンク32ごとに予め設定される所定時間及び所定回数は燃料タンク32の容量に基づいて設定することから、燃料タンク32の容量が多く液体燃料Aの供給に対して液面の変化が少ないときでも、所定時間を長くすることで供給後の液面の高さの変化を大きくすることができるので、液体燃料Aの供給と同時に液体燃料Aが消費されているときでも液面の変化を検出し易くなり、誤って異常発生と判断することを防止することができるとともに、システムの信頼性を高めることができる。
【0066】
なお、本発明の構成及び動作は、前述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態における液体燃料供給システムの概略構成図
【図2】液体燃料供給システムの制御系構成を示すブロック図
【図3】液体燃料供給システムの処理構成図
【図4】図3に示した液体燃料要求処理のフローチャート
【図5】図3に示した液体燃料供給処理のフローチャート
【図6】図3に示した異常時供給処理のフローチャート
【符号の説明】
【0068】
1…供給管、2A〜2D…給油管、10…主タンク、21…ポンプ、22…供給弁、23…供給制御装置、25…記憶装置、31…給油弁、32…燃料タンク、33…フロートスイッチ、34…要求制御装置、A…液体燃料、S100…液体燃料要求処理、S200…液体燃料供給処理、S220…異常時供給処理。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主タンクに貯蔵された液体燃料を複数の燃料タンクに供給する供給手段と、各燃料タンクにおける液体燃料の貯蔵量をそれぞれ検出する検出手段と、検出された液体燃料の貯蔵量に基づいて燃料タンクへの液体燃料の供給を要求する供給要求手段とを備え、供給要求手段の供給要求により燃料タンクに液体燃料を供給するようにした液体燃料供給システムにおいて、
供給手段による液体燃料の供給開始から所定時間が経過したときに前記供給要求が継続していると前記燃料タンクへの液体燃料の供給を終了する供給制御手段を備えた
ことを特徴とする液体燃料供給システム。
【請求項2】
前記所定時間が経過したときに供給要求が継続していると再び供給手段による液体燃料の供給を開始させる動作を行うとともに、この動作が所定回数に達するまで繰り返して行われた場合に、前記燃料タンクへの液体燃料の供給を停止するように供給制御手段を構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の液体燃料供給システム。
【請求項3】
前記燃料タンクへの液体燃料の供給停止後、前記供給手段による他の燃料タンクへの液体燃料の供給開始から所定時間が経過したときに供給要求が継続していると再び供給手段による液体燃料の供給を開始させる動作を行うとともに、この動作が所定回数に達するまで繰り返して行われた場合に、全ての燃料タンクへの液体燃料の供給を停止するように供給制御手段を構成した
ことを特徴とする請求項2に記載の液体燃料供給システム。
【請求項4】
前記検出手段が各燃料タンクに設けられた複数のフロートスイッチからなり、
フロートスイッチによって検出された液体燃料の貯蔵量が所定量より少ないとき、供給要求手段が前記フロートスイッチを設けた燃料タンクへの液体燃料の供給を要求するように構成した
ことを特徴とする請求項1乃至3に液体燃料供給システム。
【請求項5】
前記燃料タンクごとの前記所定時間及び前記所定回数を燃料タンクの容量に基づいて設定した
ことを特徴とする請求項2乃至4に液体燃料供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−145367(P2007−145367A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343132(P2005−343132)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】