説明

液体試料の分析手法および液体試料分析用センサ

【課題】低濃度から高濃度までの広い範囲での計測を可能とする測定手法を提供すること。
【解決手段】基質を同じくし、異なる親和性(Km値)を示す2種以上の酵素を用いて、基質濃度に対応し最適な感度で定量できる酵素を選択することで広範囲の基質濃度を定量する。基質が低濃度の場合にはKmがより小さな酵素によって濃度を測定し、基質が高濃度の場合にはKmがより大きな酵素によって濃度を測定することで広濃度範囲にわたり高感度な分析を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として液体試料中の化学物質の分析、特に酵素を用いて液体試料中の基質濃度を測定する分析手法およびセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
環境、食品、医療などの分野において、物質の存在及びその量を分析することは有益な情報をもたらす。分析にはそれぞれの分析対象となる物質を基質とし、かつ基質に対する特異性の高い酵素を用いた酵素分析法が広く用いられている。
【0003】
酵素分析法においては、分析対象である基質に対する酵素の親和性が測定可能範囲に大きな影響を与える。例えば、生体試料中の物質濃度は、測定対象範囲が非常に広い場合があり、生体中のBUN濃度は数mg/dLから400mg/dLまでの非常に広い範囲に及ぶことが知られている。このように必要な定量濃度域が広い場合、測定範囲は酵素の親和性により限定される。また、食品中の尿素と生体中の尿素濃度は1オーダー異なるが、両者を同一の酵素、同一の反応系で測定することは困難である。
【0004】
酵素反応は、一般にMichaelis−Menten式に従い、基質濃度に対して酵素反応速度が飽和曲線を描くことが知られている。したがって、正確に基質量を定量するためには酵素の基質に対するKm値が基質濃度よりも十分に大きく、測定値と直線関係をとるように対象試料を調整する必要がある。
【0005】
例えば、試料中の基質の濃度が酵素のKm値よりも大きい場合には、反応系における基質濃度を低くするために試料を高倍率で希釈を行う。また、基質と酵素の親和性を直接抑制し、Km値そのものを適当な値に調節する手段として、拮抗阻害剤としてホウ酸を使用するといった方法が用いられる(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【0006】
しかしこれら方法では、希釈の精度が最終測定値に与える影響や、阻害剤の毒性・環境汚染の問題が無視できないこと、試料中に阻害剤と相互作用を持つ成分が含まれた場合に酵素の阻害作用が弱まり、測定値が上昇するという問題があった。
【0007】
そのため、同じ基質を認識しKm値の異なる変異酵素を用いるという報告がある。特許文献4では、Kmが大きくなるように改変した微生物由来の変異ウレアーゼについての報告、また、特許文献5では、グルコースに対するKm値が大きい新規な脱水素酵素について報告されている。これら酵素を用いることで高濃度基質を含む試料であっても希釈や拮抗阻害剤添加を行わずに測定することができ、測定可能範囲の上限を上げられることが示されている。
【0008】
また、特許文献6では、同一の基質を認識するKmの異なる2種の酵素を混合することにより、測定範囲を拡大し、必要な濃度域での定量を実現する手法を報告している。
【特許文献1】特開昭59−151900号公報
【特許文献2】特公平3−65160号公報
【特許文献3】特開2000−262299号公報
【特許文献4】特開2000−41699号公報
【特許文献5】特開2005−278597号公報
【特許文献6】特開平11−253198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来の試みは測定可能範囲の上限を引き上げる代わりに、基質が低濃度である場合には感度低下を引き起こしてしまうという課題を有していた。
【0010】
本発明は前記従来の問題を解決するためになされたもので、低濃度から高濃度までの広い範囲において、基質濃度を正確に計測することを可能とする測定手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、複数種の酵素を用いて、液体試料中の基質濃度を定量する方法であって前記基質濃度の概略値を測定する工程、前記基質濃度の概略値に基づいて、前記複数種の酵素から1種を選択する工程、選択された酵素を用いて、液体試料中の基質濃度を定量する工程、からなることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記複数種の酵素が、同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示すことを特徴とし、さらに前記親和性が、酵素のKm値であることを特徴とする。
【0013】
さらに本発明は前記基質濃度の概略値を測定する工程が、酵素反応測定であることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明は、前記基質濃度の概略値を測定する工程が、同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示す複数種の酵素を用いた酵素反応測定であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記基質濃度の概略値に基づいて、前記複数種の酵素から1種を選択する工程において、前記液体試料中の基質濃度の概略値が低い場合には、Km値が小さな酵素を選択し、かつ前記液体試料中の基質濃度の概略値が高い場合には、Km値が大きな酵素を選択することを特徴とする。
【0016】
さらに本発明は、前記基質濃度を定量する工程が、レートアッセイ法であることを特徴とする。
【0017】
さらに本発明は、前記基質濃度を定量する工程が、エンドポイント法であることを特徴とする。
【0018】
さらに本発明は、前記基質濃度を定量する工程が、前記基質濃度の概略値が低い場合には、エンドポイント法であり、前記基質濃度の概略値が高い場合には、レートアッセイ法であることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、液体試料中の基質濃度を酵素を用いて定量する液体試料分析用センサであって、同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示す複数種の酵素が、固定もしくは担持されていることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、液体試料中の基質濃度を酵素を用いて定量する液体試料分析用センサであって、前記基質濃度の概略値を測定する領域、同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示す複数種の酵素を用いて、前記基質濃度を正確に定量する領域からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は基質を同じくし、異なる親和性(Km値)を示す複数種の酵素を用いて、基質濃度に対応し最適な感度で定量できる酵素を選択することで広範囲の基質濃度を定量する酵素分析手法を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施には、Kmが10倍以上異なり同一基質を認識する2種以上の酵素を用いることができる。自然界には、同じ基質を認識しKmの異なる酵素があることが知られており、例えばストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)由来コレステロールオキシダーゼと微生物由来コレステロールオキシダーゼ、アシネトバリラス属(Actinobacillus sp.)由来のクレアチンアミドハイドロラーゼと微生物由来のクレアチンアミドハイドロラーゼ、アスベルギルス属(Aspergillus sp.)由来グルコースオキシダーゼと微生物由来グルコース脱水素酵素、アエロコッカス ビリダンス(Aerococcus viridans)由来乳酸酸化酵素とPig Heart由来乳酸脱水素酵素などがある。
【0023】
また、部位特異的変異法により改変されたKm値の異なる変異酵素が報告されており、例えば微生物由来の変異ウレアーゼ(rUrease、オリエンタル酵母(株))とJack bean由来のウレアーゼではKmが10倍以上異なる。
【0024】
本発明ではこれら酵素に限ることなく、同一基質を認識するKmの異なる酵素であれば、天然の酵素であっても、人工的に変異導入を行った酵素をであっても用いることができ、また、組み合わせて用いることもできる。
【0025】
本発明の実施の形態について図1を用いて詳細を説明する。
【0026】
(実施の形態1)
まず最初に、Kmの異なる2種以上の酵素をそれぞれ含む分析溶液に液体試料を加え(STEP1)、液体試料中の基質濃度について、概略値を測定する(STEP2)。
【0027】
概略値の測定方法については制限されるものではなく、一般的に知られている酵素反応測定法を用いることができるが、上記Kmの異なる2種以上の酵素による反応初期の酵素反応量を測定することによっても測定できる。この場合、測定開始直後の吸光度から1分後の吸光度を差し引いた値、反応開始直後数秒間の吸光度変化、反応開始から一定時間後の数秒間の吸光度変化、反応開始後のある時間での吸光度、等が利用できる。
【0028】
Kmの異なる2種以上の酵素を用いて測定したそれぞれの概略値を比較し、液体試料中の基質濃度の概略値が低い場合には、Km値が小さな酵素を選択し、液体試料中の基質濃度の概略値が高い場合には、Km値が大きな酵素を選択する(STEP3)。
【0029】
選択した酵素を用い、試料中の基質濃度を測定する(STEP4)。この時、測定方法については制限されるものではなく、選択した酵素に適した手法を用いることができる。例えば、Kmの小さな酵素の場合にはエンドポイント法、Kmの大きな酵素の場合にはレートアッセイ法とすることができる。
【0030】
(実施の形態2)
また、本発明による液体試料の分析手法を備えた液体試料分析用センサの実施の形態を図2を用いて詳細を説明する。
【0031】
試料分析センサ基板3は試料添加部1と2つ以上の酵素担持部5と概略値測定部7と基質濃度測定部8とを持ち、それぞれの部位が流路2によって連結された構造を持つ。液体試料は流路2を通って、試料添加部1、酵素担持部5、概略値測定部7および基質濃度測定部8を移動していく。移動手段については特に限定されるものではなく、シリンジポンプやプランジャーポンプ等ポンプを利用した方法、毛細管力を利用した方法、遠心力を利用した方法、等を用いることが可能である。
【0032】
試料分析センサ基板3には、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック素材、ガラス素材など一般的素材を用いることができる。酵素担持部5にはそれぞれ、同一物質を基質とし、異なる親和性を示す複数種の酵素の内の1種が含まれる。概略値測定部7及び基質濃度測定部8では光学的な酵素反応測定を行う。ここでの検出は光学的手法に限られるものではなく、電気化学的な手法など酵素反応測定を可能とするすべての手法が利用可能である。
【0033】
液体試料を試料添加部1に添加し、流路2を通して複数の試薬担持部5に分配する。酵素担持部5において試料とKmの異なるそれぞれの酵素を混合し、概略値測定部7において液体試料中の基質濃度についての概略値を測定する。
【0034】
概略値を比較し、液体試料中の基質濃度の概略値が低い場合には、Km値が小さな酵素を担持した酵素担持部5を選択し、液体試料中の基質濃度の概略値が高い場合には、Km値が大きな酵素を担持した酵素担持部5を選択する。その後試料を酵素担持部5から基質濃度測定部8へ移送し、基質濃度測定部8において基質濃度測定を行う。また、基質濃度測定部8は概略値測定部7は同一の測定部位を用いることもでき、またそれらの設置箇所は、試薬担持部5と同一反応層の内であっても外であっても構わない。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の液体試料の分析手法について、さらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
以下、本発明の一実施の形態に係る液体試料の分析手法を用いて、液体試料中の尿素濃度の測定を行った実施例について説明する。
【0037】
まず、尿素測定試薬として、下記試薬Aと試薬Bを調整した。ただし、試薬A及び試薬Bに標記した濃度は、試料混合後の終濃度である。
【0038】
〔試薬A〕
ウレアーゼ(Jack bean由来) 0.5U/ml
グルタミン酸脱水素酵素(セルロモナス属(Cellulomonas sp.)由来) 2.5U/mL
α―ケトグルタル酸 2.5mM
NADH 0.25mM
Tris−HCl緩衝液(pH8)
〔試薬B〕
ウレアーゼ(微生物由来変異酵素:オリエンタル酵母(株)) 0.5U/ml
グルタミン酸脱水素酵素((セルロモナス属(Cellulomonas sp.)由来) 2.5U/mL
α―ケトグルタル酸 2.5mM
NADH 0.25mM
Tris−HCl緩衝液(pH8.0)
次に、試薬Aまたは試薬B900μLを37℃で加温し、試料として尿素標準液を終濃度がそれぞれ0.1、1、10、20、50、70mMとなるように100μL添加した。混和後、37℃で加温しながら一定時間、純水を対照に340nmの吸光度を分光光度計を用いて測定した。ここで、測定開始直後の吸光度から1分後の吸光度を差し引いた値を算出し、ΔAbs/min(indicator)とした。
【0039】
一方、反応開始1分経過後に得られる吸光度変化の傾きを、ΔAbs/min(sample)とした。また、対照として純水を用いて、同様に得られた吸光度変化の傾きをΔAbs/min(blank)とした。最後に、(式1)に従ってΔAbs/min(test)を算出した。
(式1)
ΔAbs/min(test)= ΔAbs/min(sample)− ΔAbs/min(blank)〕
このようにして算出されたΔAbs/min(test)を尿素濃度に対してプロットしたグラフを図4に示す。また、図4の尿素低濃度域を拡大したグラフを図5に示す。
【0040】
本発明の実施例1における尿素濃度に対するΔAbs/min(indicator)の(表1)に記載する。
【0041】
(表1)においてΔAbs/min(indicator)がAB両方、もしくは一方でマイナス値となる0.1mM及び1mM尿素の時は、図5より試薬Bでは反応が非常に小さいため尿素濃度に依存は見られないのに対して、試薬Aでは濃度依存的な応答が得られた。一方、表1においてΔAbs/min(indicator)がAB共にプラス値となる10mM以上の尿素の時は、図4より試薬Aにおいて飽和反応が見られる一方で、試薬Bでは尿素濃度に依存した応答が得られた。
【0042】
【表1】

【0043】
以上のように、尿素濃度の概略値の指標となるΔAbs/min(indicator)を基準として、0.1mM及び1mM尿素の時には試薬Aでの反応を選択し、10mM以上の尿素の時は試薬Bでの反応を選択することになり、より感度の高い手法を選択することができ、測定可能濃度範囲を広げることができた。
【0044】
(実施例2)
以下、本発明の一実施の形態に係る液体試料分析用センサを用いて、液体試料中の尿素濃度の測定を行った実施例について説明する。
【0045】
まず、ポリエチレンテレフタラート基板を加工して、図2に示す液体試料分析用センサを作製した。
【0046】
次に、尿素測定試薬として、下記試薬Aと試薬Bを調整し、図2の試薬担持部5のそれぞれに各々を滴下、乾燥を行った。試薬A及び試薬Bに標記した濃度は、試料混合後の終濃度である。
【0047】
〔試薬A〕
ウレアーゼ(Jack bean由来) 0.5U/ml
グルタミン酸脱水素酵素((セルロモナス属(Cellulomonas sp.)由来) 2.5U/mL
α―ケトグルタル酸 2.5mM
NADH 0.25mM
Tris−HCl緩衝液(pH8)
〔試薬B〕
ウレアーゼ(微生物由来変異酵素:オリエンタル酵母(株)) 0.5U/ml
グルタミン酸脱水素酵素((セルロモナス属(Cellulomonas sp.)由来) 2.5U/mL
α―ケトグルタル酸 2.5mM
NADH 0.25mM
Tris−HCl緩衝液(pH8.0)
試料として0.1、1、10、20、50、70mMの尿素標準液を用い、試料点着部1に滴下後、シリンジポンプを用いて移動させて、酵素担持部5で前記試薬Aの乾燥体、前記試薬Bの乾燥体とそれぞれと混合した。それぞれの溶解液をさらに移動させて、概略値測定部7と基質濃度測定部8でそれぞれ340nmの吸光度を測定した。
【0048】
試料中の基質濃度の概略値を、測定開始直後の吸光度から1分後の吸光度を差し引いた値から算出し、ΔAbs/min(indicator)とした。一方、反応開始1分経過後に得られた吸光度変化の傾きを、ΔAbs/min(test)とした。
【0049】
このようにして算出されたΔAbs/min(indicator)とΔAbs/min(test)の値を比較すると、両者の関係は実施例1と同様であり、尿素濃度の概略値の指標となるΔAbs/min(indicator)を基準として、より感度の高い手法を選択することができ、測定可能濃度範囲を広げることができた。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明は、液体試料中の化学物質の分析、特に酵素を用いて液体試料中の基質濃度を測定する分析手法およびセンサに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の液体分析手法の概念ブロック図
【図2】本発明の液体試料分析用センサ図
【図3】本発明の実施例における酵素反応スキームを示す図
【図4】本発明の実施例1における反応曲線を示す図
【図5】本発明の実施例1における反応曲線(低濃度域)を示す図
【符号の説明】
【0052】
1 試料添加部
2 流路
3 試料分析センサ基板
5 酵素担持部
7 概略値測定部
8 基質濃度測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の酵素を用いて、液体試料中の基質濃度を定量する方法であって
前記基質濃度の概略値を測定する工程、
前記基質濃度の概略値に基づいて、前記複数種の酵素から1種を選択する工程、
選択された酵素を用いて、液体試料中の基質濃度を定量する工程、
を有することを特徴とする液体試料分析手法。
【請求項2】
前記複数種の酵素が、同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示すことを特徴とする請求項1記載の液体試料分析手法。
【請求項3】
前記親和性が、酵素のKm値であることを特徴とする請求項1記載の液体試料分析手法。
【請求項4】
前記基質濃度の概略値を測定する工程が、酵素反応測定であることを特徴とする請求項1記載の液体試料分析手法。
【請求項5】
前記基質濃度の概略値を測定する工程が、同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示す複数種の酵素を用いた酵素反応測定であることを特徴とする請求項4記載の液体試料分析手法。
【請求項6】
前記基質濃度の概略値に基づいて、前記複数種の酵素から1種を選択する工程において、前記液体試料中の基質濃度の概略値が低い場合には、Km値が小さな酵素を選択し、かつ前記液体試料中の基質濃度の概略値が高い場合には、Km値が大きな酵素を選択することを特徴とする請求項1記載の液体試料分析手法。
【請求項7】
前記基質濃度を定量する工程が、レートアッセイ法であることを特徴とする請求項1記載の液体試料分析手法。
【請求項8】
前記基質濃度を定量する工程が、エンドポイント法であることを特徴とする請求項1記載の液体試料分析手法。
【請求項9】
前記基質濃度を定量する工程が、前記基質濃度の概略値が低い場合には、エンドポイント法であり、前記基質濃度の概略値が高い場合には、レートアッセイ法であることを特徴とする請求項1記載の液体試料分析手法。
【請求項10】
液体試料中の基質濃度を酵素を用いて定量する液体試料分析用センサであって、
同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示す複数種の酵素が、固定もしくは担持されていることを特徴とする液体試料分析用センサ。
【請求項11】
液体試料中の基質濃度を酵素を用いて定量する液体試料分析用センサであって、
前記基質濃度の概略値を測定する領域、
同一物質を基質とし、かつ異なる親和性を示す複数種の酵素を用いて、前記基質濃度を正確に定量する領域、
からなることを特徴とする液体試料分析用センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−22728(P2008−22728A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196368(P2006−196368)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】