説明

液晶テレビジョン受信装置

【課題】表示面の高さすなわち視聴者の目線に応じて最適な画質を表示する液晶テレビジョン受信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の液晶テレビジョン受信装置は、液晶テレビジョン受信装置の所定の位置から垂直方向に対してある角度をもって床面までの距離を計測する距離計測手段5と、距離計測手段5の計測結果と上述の角度を基に床面から表示面までの高さを計算する高さ計算手段6を備える検知手段9、高さに応じて画質を切り換える制御手段7を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶テレビジョン受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビジョン受信装置は、正面から見るのが画質にとって最良であるが、例えば店頭での展示においては、視聴者の目線から低い位置や高い位置に設置されていることも多い。
【0003】
液晶表示装置が目線から低い位置や高い位置に展示された場合、視野角の問題から、コントラスト比が悪くなるという問題がある。特に、TN(ツイステッド・ネマティック)方式の液晶表示装置においては顕著である。
【0004】
特許文献1において、受信装置に挿入されている限定受信システム(CAS)カードの種類を判別することにより、それが店頭展示である場合には、店頭の明るく広い場所に適した画質、音質を自動的に設定するといったテレビジョン受信装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−288432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献の方法においては、CASカードの種類を判別することにより、使用場所が店頭であるということは検知できるが、テレビジョン受信装置が店頭のどの位置に設置されているかまでは検出できないため、例えば展示棚最上段に液晶テレビジョン受信装置が設置された場合には、映像表示面がユーザーの目線位置から高くなり、表示画面を見上げるようになるため、視野角の問題によりコントラスト感などが損なわれるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、映像表示面の高さに応じて最適な画質を表示する液晶テレビジョン受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液晶テレビジョン受信装置は、床面から表示面までの高さを検知する検知手段、高さに応じて画質を切り換える制御手段を備えて構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の液晶テレビジョン受信装置は、床面から表示面の高さが検出され、該高さを基に適切な画質が設定されるため、視聴者の目線に応じた最良の画質を表示させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0011】
(構成)
図1は本発明に係る液晶テレビジョン受信装置10の構成を示す図である。液晶テレビジョン受信装置10は表示面2を有する液晶表示パネル(図示せず。)と、表示面2を露出する形で液晶表示パネルを収容する筐体9を備える。また、筐体9の下部にはスタンド3が設置される。
【0012】
さらに筐体9の前面上部において、超音波にて物体との距離を測定する距離センサー1が下方を向けて取り付けられている。距離センサー1は、超音波を発射し、その反射波が返ってくるまでの時間を計測することにより、物体との距離を測定できるものである。
【0013】
図2は、本発明に係る液晶テレビジョン受信装置10に設置される処理部の構成図であり、距離センサー1を含み距離センサー1の位置から垂直方向に対してある角度をもって床面までの距離を計測する距離計測手段5、距離計測手段5の計測結果と上述の角度を基に床面から表示面2までの高さを計算する高さ計算手段6、高さ計算手段6の計算結果を基に画質を制御する、すなわち床面から表示面2までの高さに応じて画質を切り換える制御手段7、制御手段7により制御された画質を液晶表示パネルに受像させる受像回路8により構成される。距離計測手段5と高さ計算手段6を合わせて、床面から表示面までの高さを検知する検知手段11となる。
【0014】
(動作)
次に液晶テレビジョン受信装置の動作を示す。
【0015】
図3は、本発明の液晶テレビジョン受信装置10が設置されている状態を横から見た図である。表示面2は略垂直方向に設置されている。液晶テレビジョン受信装置10の表示面2に対する、すなわち垂直方向に対する距離センサー1の超音波の発射角度をθ、距離センサー1から超音波発射方向の床面4までの距離をA、液晶テレビジョン受信装置10本体の高さをB、床面4から液晶テレビジョン受信装置10下端までの高さをCとする。
【0016】
図3に示す高さ計算手段6には、上述した超音波発射角度θ、および液晶テレビジョン受信装置10本体の高さBがあらかじめ記憶されている。距離計測手段5は、距離センサー1を用いて距離センサー1から床面4までの距離Aを測定する。高さ計算手段6では、距離計測手段5で計測した距離Aと超音波発射角度θと液晶テレビジョン受信装置10本体の高さBより、床面4から液晶テレビジョン受信装置10のスタンド3までの高さCを計算する。すなわち、式(1)で求めることができる。よって、床面4から表示面2の中心までの高さDは、式(2)で得ることができる。
【0017】
C=Acosθ−B…(1)
D=C+(1/2)B…(2)
【0018】
制御手段7は、高さ計算手段6により得られた結果、すなわち、床面4から表示面2の中心までの高さDを基に、最適な画質に設定する。例えば、店頭展示にて、視聴者の目線よりも高い展示棚や逆に視聴者からの目線より低い展示棚に設置された液晶テレビジョン受信装置10は、視聴者の目線から見ると、視野角の問題から、コントラスト比が悪くなってしまう。
【0019】
そこで、視聴者の目線よりも高い位置あるいは低い位置にあると検出した場合には、自動的にコントラスト比を改善するような設定、例えば、液晶表示パネルのガンマ補正の係数を変更するなどといった設定をして、受像回路8へ出力する。このようにして受像回路8は、液晶テレビジョン受信装置10の設置高さに応じて最良の画質を液晶表示パネルに受像させる。
【0020】
(効果)
本発明の液晶テレビジョン受信装置10は、床面4から表示面2の中心の高さが検出され、該高さを基に適切な画質が設定されるため、視聴者の目線に応じた最良の画質を表示させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る液晶テレビジョン受信装置の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る液晶テレビジョン受信装置の処理部の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る液晶テレビジョン受信装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0022】
1 距離センサー、2 表示面、3 スタンド、4 床面、5 距離計測手段、6 高さ計算手段、7 制御手段、8 受像回路、9 筐体、10 液晶テレビジョン受信装置、11 検知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面から表示面までの高さを検知する検知手段と、
前記高さに応じて画質を切り換える制御手段と、
を備える、液晶テレビジョン受信装置。
【請求項2】
前記検知手段は、
前記液晶テレビジョン受信装置の所定の位置から垂直方向に対してある角度をもって前記床面までの距離を計測する距離計測手段と、
前記距離計測手段の計測結果と前記角度を基に前記床面から前記表示面までの高さを計算する高さ計算手段と、を備える、
請求項1に記載の液晶テレビジョン受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−182392(P2009−182392A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17271(P2008−17271)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】