説明

液晶ディスプレイと液晶ディスプレイ衝撃緩和形状スイッチを組み込んだロボット玩具

【課題】 ロボット玩具等「ロボット」のアミューズメント性を高め、購買意欲を向上させる、ロボット玩具のアイデアを提供する。
【解決手段】 ロボット筺体の表面(一面または部分的)に液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイを衝撃から守る形状をしたスイッチを組み合わせて設置し、液晶ディスプレイに投影表示された映像(静止画または動画)をロボット筐体そのもののデザインの一部として構成する。
【効果】 ロボット玩具そのものの動作と液晶ディスプレイの映像の連動により、既存のロボットには無かった使い方(遊び方)が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボット玩具等「ロボット」をより身近なものにするため、筺体に液晶ディスプレイを設け、遊び方の幅を広げてアミューズメント性を高めた、ロボット玩具のアイデアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の「ロボット」と呼ばれるものは、既に生活に浸透しているものを分類すると、大きくは二つに分けられる。工場などで使われる「工業用ロボット」と、家庭で遊ぶ「ロボット玩具」である。
そのうちロボット玩具は、「ペット型ロボット」のブームによって大きくその認知度を上げた他、自分で組み立てられるキットが販売されるなど、急速にその市場を伸ばしている。
また、ロボットに使用しようとしている「液晶ディスプレイ」は、従来、主に携帯電話やパソコン、テレビのモニターなどに使用されている。液晶技術の向上と廉価化により、これも一般に多く普及されるようになった。
薄型ディスプレイとしては液晶ディスプレイの他に、折り曲げることも可能な「電子ペーパー(紙ディスプレイ)」なども登場している。しかしまだ一般的に商品化できる段階には至っていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在のロボット開発では主に「動く」ことに力が入れられている。現在市販されているロボット玩具(ペットロボット等)は一様に、歩行や階段を昇るなどの基礎的な動作のみに留まっている。動くこと以外の「玩具としてのアミューズメント性」については、まだ非常に乏しいジャンルであると言える。また、精巧な動作を実現するために多くの部品を必要とするので、大変高価となる。
玩具としては高価と感じ、その割に遊べる範囲が小さく、コストパフォーマンスが非常に悪い、というのが現在のロボット玩具の印象である。
ロボットを今よりもっと“楽しいもの”であるということを印象づけ、ユーザの購買意欲を掻き立て、ロボット市場のさらなる拡大を狙いたい。
本発明は、これらの問題点を解決するために発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ロボット筺体の表面一面または部分的に液晶ディスプレイを設置し、ロボットのデザインそのものを映像(絵)で表現する。ロボットの動作と連動して映像を変化させるなどして臨場感を出し、「動くディスプレイ」としての役割も持たせる。
【発明の効果】
【0005】
ロボットの柄が「映像」であるから、本体1つあれば、映像を変化させることによりロボットのデザインは無限に表現できる。例えば、ユーザが自分のロボットを好きなコスチューム(柄)に変えられるボタンをつけるなど、ユーザの遊び方の幅も広げることができる。
また、動作と連動して映像を変化させることにより、動作のみの時よりも効果的に視覚に訴えることができるので、臨場感を増すことができる。
ロボットの表面をモニター化することにより、パソコンやゲームと同じような使い方ができるため、その使用方法は無限に広がる。
上記のような理由により、ロボット玩具を今よりもっと“おもしろい”と感じられるものにできる。これにより、ユーザの購買意欲を掻き立て、その結果さらなる市場拡大につながる可能性が大きくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1のデザイン例に示すように、腕・足・胴など、ロボット筐体の表面一面または部分的に『液晶ディスプレイ』を設置する(1)。ロボットのデザイン柄は、映像を投影表示することにより表現する。ただし、電源が入っていない場合は液晶ディスプレイに何も表示されないため、非常に地味な見た目となる。
ディスプレイ部品の中で液晶ディスプレイを採用する理由としては、(a)発色の良さ、(b)駆動電圧や消費電力が小さい、(c)強度などがあり、これらを総合的に見て、液晶ディスプレイが適当であると判断した。
これに、ロボットの転倒などによって液晶ディスプレイに与えられる「衝撃」を軽減させるための機能を付加する。それが『液晶ディスプレイ衝撃緩和形状スイッチ』である(2)。これは通常のオン・オフ形スイッチであるが、形状に特徴があり、液晶ディスプレイを保護する役割も兼ねている。スイッチとしたのは、そのオン・オフを検出してプログラムに組み込むことにより、センサー的な役割として様々な使い方ができるようにするためである。このスイッチの概念図を(8)に示す。
スイッチの形状は図2に示すように、スイッチ接触部に細い棒状のレバー(3)を付け、これを衝撃緩和のため筒状ゴム(またはウレタン素材)で覆う。スイッチレバーが押されると、接触部(4)が電極部(5)に触れ通電する。レバーを放せばバネ(6)により、自動的に接触部が電極部から離れる。このバネはストッパー(7)との二重構造で、スイッチ自体を衝撃から守る役割も兼ねている。
このスイッチを、液晶ディスプレイを保護するように最適な箇所に設置する(設置場所とスイッチの大きさは、ロボット玩具の形状により異なる)。スイッチに衝撃が加わると反動でスイッチが押されることになるため、オンになるという仕組み。そのときゴムとスイッチ構造が衝撃を吸収するため、液晶ディスプレイへの影響を小さくできるのである。
【発明の実施例】
【0007】
例1:無限のデザイン変化
液晶ディスプレイに投影表示する映像や絵を差し替える。たったこれだけで、ロボットのデザインを変化させることができる。これにより、今まで実現が難しかった「変身モノのロボット」なども、容易に構築することができる。
例2:静止画像や動画の表示
液晶ディスプレイには絵だけでなく、写真や動画なども表示できる(9)。これにより、「デザインが動くロボット」を容易に構築することができる。
例3:ロボットの動作と連動した視覚的効果
一例を挙げると、例えばロボットの腕を叩いたら(腕のスイッチを押したら)腕の部分のディスプレイに、転倒したら(膝のスイッチを押したら)膝の部分のディスプレイに、「血糊」や「破損」の映像を表示する(10)。これにより、本当に血を流したり壊したりしたような、よりリアルな視覚的効果や臨場感をもたらすことができる。
動作と連動してそのような効果をもたらすので、使い方によっては、「教育指導の一環」にも使用できるものと考える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 基本構成
【図2】 液晶ディスプレイ衝撃緩和形状スイッチ図
【図3】 実施例1の説明図
【図4】 実施例2の説明図
【図5】 実施例3の説明図:スイッチ使用例 押下したスイッチ付近のディスプレイに破損映像を投影表示した例
【符号の説明】
【0009】
1 液晶ディスプレイ
2 液晶ディスプレイ衝撃緩和形スイッチ
3 スイッチレバー
4 スイッチ接触部
5 スイッチ電極部
6 バネ
7 ストッパー
8 液晶ディスプレイ衝撃緩和形スイッチ 概念図
9 写真または動画
10 破損の映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット玩具等「ロボット」の筺体の表面(一面または部分的に)に液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイを衝撃から守る形状をしたスイッチを組み合わせて設置し、液晶ディスプレイに投影表示した映像をロボット筐体そのもののデザインの一部として構成し、さらにロボットの動作と連動して変化させるなどして臨場感を出し、ロボットの遊具としてのアミューズメント性を高めたロボット玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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