説明

液晶混合物

【課題】液晶混合物を提供する。
【解決手段】式Iの少なくとも1種類の化合物およびシクロヘキサン環を2環含む3環式の化合物を少なくとも1種類含有する液晶媒体と、電気光学的ディスプレイにおけるそれらの使用とに関する。


(式中、RはH等、A〜Aは含酸素複素6員環、フェニレン環等、Xはハロゲン等、L〜LはH、F等、Z〜Zは単結合等の連結基をあらわし、a、bおよびcは、0〜3の整数を表す。但しa+b+cは1〜4である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶混合物および電気光学的目的のためのそれらの使用と、この媒体を含有するディスプレイとに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶は、印加された電圧によって、その物質の光学的特性を改変できるため、主にディスプレイ装置の中の誘電体として使用されている。液晶に基づく電気光学的装置は当業者に極めて良く知られており、種々の効果に基づくことができる。そのような装置の例は、動的散乱を有するセル、DAP(整列相の変形:deformation of aligned phases)セル、ゲスト/ホストセル、ツイストネマチック構造を有するTNセル、STN(スーパーツイストネマチック:supertwisted nematic)セル、SBE(超複屈折効果:superbirefringence effect)セルおよびOMI(光学モード干渉:optical mode interference)セルである。最も一般的なディスプレイ装置はSchadt−Helfrich効果に基づき、ツイストネマチック構造を有する。
【0003】
液晶材料は、良好な化学的および熱的安定性および電界および電磁放射に対して良好な安定性を有していなければならない。更に、液晶材料は低い粘度を有していなければならず、セル中で、短いアドレス時間、低い閾電圧および高いコントラストを生じなければならない。
【0004】
液晶材料は、更に、通常の動作温度において、即ち、室温より上および下の出来る限り広い範囲において、上記のセル用に適切な中間相、例えばネマチックまたはコレステリック中間相を有していなければならない。液晶は一般に複数成分の混合物として使用されるため、成分が互いに容易に混和することが重要である。導電性、誘電異方性および光学異方性などの更なる特性は、セルのタイプおよび用途分野に応じて、種々の要求を満足しなければならない。例えば、ツイストネマチック構造を有するセル用の材料は、正の誘電異方性および低い導電率を有していなければならない。
【0005】
例えば、個々のピクセルのスイッチングのために集積非線形素子を有するマトリックス液晶ディスプレイ(MLC(matrix liquid−crystal)ディスプレイ)については、大きな正の誘電異方性、広いネマチック相、比較的低い複屈折率、非常に高い比抵抗、良好なUVおよび温度安定性および低い蒸気圧を有する媒体が望まれる。
【0006】
このタイプのマトリックス液晶ディスプレイは既知である。個々のピクセルを個々にスイッチングするために使用できる非線形素子は、例えば、アクティブ素子(即ち、トランジスタ)である。そして、使用される用語「アクティブマトリックス」は、2つのタイプに区別できる:
1.基板としてのシリコンウエハー上のMOS(金属酸化物半導体:metal oxide semiconductor)または他のダイオード、
2.基板としてのガラス板上の薄膜トランジスタ(TFT:thin−film transistor)。
【0007】
基板材料として単結晶シリコンを使用すると、種々の部品ディスプレイのモジュール組立品であっても接続部において問題が生じる結果となるため、ディスプレイの大きさが制限される。
【0008】
好適でより有望なタイプ2の場合、使用される電気光学的効果は、通常、TN効果である。2つの技術に区別される:例えば、CdSeなどの化合物半導体を含むTFT、または、多結晶またはアモルファスシリコンに基づくTFTである。後者の技術について、世界的に集中した研究がなされている。
【0009】
TFTマトリックスは、ディスプレイの一方のガラス板の内側に適用される一方で、他方のガラス板は、その内側に透明な対向電極を備える。ピクセル電極の大きさと比較して、TFTは非常に小さく、事実上、画像に対する悪影響はない。また、この技術は、フルカラー対応のディスプレイにも拡張でき、このディスプレイにおいては、それぞれのスイッチ可能なピクセルにフィルター素子が対向するように、赤、緑および青フィルターのモザイクが配置される。
【0010】
TFTディスプレイは、通常、透過において交差する偏光板を有するTNセルとして動作し、後方より照らされる。
【0011】
本明細書においてMLCディスプレイとの用語は、集積非線形素子を有する任意のマトリックスディスプレイを包含し、即ち、アクティブマトリックスに加えて、また、バリスターまたはダイオード(MIM、即ち、metal−insulator−metal(金属−絶縁体−金属))などのパッシブ素子を有するディスプレイも包含する。
【0012】
このタイプのMLCディスプレイは、特にテレビ用途(例えば、ポケットテレビセット)またはコンピュータ用途(ラップトップ)および自動車または航空機内における高度情報ディスプレイに適している。コントラストの角度依存性および応答時間に関する問題に加えて、また、MLCディスプレイにおいては、液晶混合物の比抵抗が十分に高くないことに起因する問題もある[TOGASHI,S.、SEKIGUCHI,K.、TANABE,H.、YAMAMOTO,E.、SORIMACHI,K.、TAJIMA,E.、WATANABE,H.およびSHIMIZU,H.、Proc.Eurodisplay、第84巻、1984年9月、第A210〜288号、「Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings」、第141ff頁、パリ(非特許文献1);STROMER,M.、Proc.Eurodisplay、第84巻、1984年9月、「Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays」、第145ff頁、パリ(非特許文献2)]。抵抗の低下に伴い、MLCディスプレイのコントラストが劣化し、残像消去の問題が起こることがある。液晶混合物の比抵抗は、ディスプレイの内部表面との相互作用のために、一般に、MLCディスプレイの寿命に渡って低下するので、許容される耐用年数を得るためには、高い(初期)抵抗が非常に重要である。特に、低電圧混合物の場合、非常に高い比抵抗値を達成することは従来不可能であった。更に、温度の上昇および加熱および/またはUV照射後に、比抵抗が可能な限り小さい低下を示すことが重要である。また、先行技術からの混合物の低温特性も、特に不都合である。低温であっても、結晶化および/またはスメクチック相が生じないことが要求され、粘度の温度依存性は可能な限り低いことが要求される。よって、先行技術からのMLCディスプレイは、今日の必要条件を満たさない。
【0013】
よって、非常に高い比抵抗を有すると同時に、広い動作温度範囲、低温においても短い応答時間および低い閾電圧を有しており、これらの不都合を有していないか、低減された程度にのみ有するMLCディスプレイが引き続き強く要求されている。
【0014】
TN(Schadt−Helfrich)セルにおいては、セル中で次の利点を容易にする媒体が望まれる:
−広げられたネマチック相範囲(特に、低い温度まで)、
−極度に低い温度でのスイッチ能力(屋外使用、自動車、航空)、
−UV放射に対する増大された抵抗(より長い寿命)。
【0015】
先行技術から入手可能な媒体では、同時に他のパラメーターを保持しながらこれらの利点を達成することはできない。
【0016】
スーパーツイスト(STN)セルの場合には、より大きなマルチプレックス能力および/またはより低い閾電圧および/またはより広いネマチック相範囲(特に、低温において)を可能とする媒体が望まれる。この目的のために、利用可能なパラメーターの自由度(透明点、スメクチック−ネマチック相転移または融点、粘度、誘電パラメーター、弾性パラメーター)を更に広げることが、至急望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】TOGASHI,S.、SEKIGUCHI,K.、TANABE,H.、YAMAMOTO,E.、SORIMACHI,K.、TAJIMA,E.、WATANABE,H.およびSHIMIZU,H.、Proc.Eurodisplay、第84巻、1984年9月、第A210〜288号、「Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings」、第141ff頁、パリ
【非特許文献2】STROMER,M.、Proc.Eurodisplay、第84巻、1984年9月、「Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays」、第145ff頁、パリ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、特に、このタイプのMLC、IPS、TNまたはSTNディスプレイ用で、上記の不具合を有していないか、低減された程度にのみ有し、好ましくは同時に、非常に高い比抵抗値および低い閾電圧を有する媒体を提供する目的を有する。この目的は、高い透明点および低い回転粘度を有する液晶混合物を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
ここで、本発明による液晶混合物を使用すれば、本目的を達成できることが見出された。
【0020】
よって、本発明は、式Iの少なくとも1種類の化合物と、式Eの少なくとも1種類の化合物とを含有する液晶媒体に関する。
【0021】
【化1】

【0022】
【化2】

式中、
およびRは、それぞれ互いに独立に、H、または、ハロゲン化または無置換の1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
、AおよびAは、それぞれ互いに独立に、
【0023】
【化3】

であり、
は、F、Cl、CN、NCS、OCN、SF、1〜5個の炭素原子を有するフッ化アルキル、1〜5個の炭素原子を有するフッ化アルコキシ、2〜5個の炭素原子を有するフッ化アルケニルまたは1〜5個の炭素原子を有するフッ化アルケニルオキシであり、
は、F、Cl、OCF、OCHF、OCH=CF、OCF=CF、OCHFCF、OCFCFHCF、CH、Cまたはn−Cであり、
、L、LおよびLは、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、
、ZおよびZは、それぞれ互いに独立に、−CO−O−、−O−CO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−(CH−、−C−、−CHCF−、−CFCH−、−CF=CF−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、
a、bおよびcは、それぞれ互いに独立に、0、1、2または3であり、ただし、a+b+cは、1、2、3または4である。
【0024】
本発明は、更に、ディスプレイ中での混合物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、TN−TFT−、IPS−、FFS−、正のVA−(また、HT−VA−とも呼ばれる)用途に、また、PS−IPS−、PS−FFS−、PS−TN−TFT−または正のPS−VA−用途などのポリマー安定化(PS:polymer stabilized)用途に極めて適している。
【0026】
式Iおよび式Eの化合物は、広範囲の用途を有する。置換基の選択に応じて、これらの化合物は、液晶媒体を主に構成するベース材料となり得るが、また、例えば、このタイプの誘電体の誘電的および/または光学的異方性を修正するために、および/または、それの閾電圧および/または粘度を最適なものとするために、式IおよびEの化合物を他に分類される化合物からの液晶ベース材料に加えることも可能である。
【0027】
純粋な状態において、式IおよびEの化合物は無色であり、電気光学的な使用のために好ましい温度範囲において液晶中間相を形成する。特に、本発明による化合物は、それらの広いネマチック相範囲によって際立っている。液晶混合物において本発明による物質はスメクチック相を抑制し、低温貯蔵安定性が著しく改良される結果となる。それらは、化学的に、熱的に、および光に対して安定である。
【0028】
cが0である式Iの化合物が特に好ましい。Z、Zおよび/またはZは、好ましくは、単結合、更には、−CFO−、−OCF−、−C−、−CHO−、−OCH−または−COO−である。
【0029】
、AおよびAは、好ましくは、
【0030】
【化4】

である。
【0031】
は、好ましくは、アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルケニルオキシである。Xは、好ましくは、F、Cl、OCH=CF、OCF=CF、OCF、OCHF、OCHFCF、OCFCHFCF、CN、SF、NCSまたはSCN、特に、FまたはOCFであり、Rは、好ましくは、直鎖状のアルキルまたはアルケニルである。LおよびLは、それぞれ互いに独立に、HまたはFである。特に好ましいものは、X、LおよびLがFである化合物、更には、XがOCFであってLおよびLがFである化合物である。
【0032】
式Iの特に好ましい化合物は、式I1〜I79の化合物である。
【0033】
【化5】

【0034】
【化6】

【0035】
【化7】

【0036】
【化8】

【0037】
【化9】

【0038】
【化10】

【0039】
【化11】

【0040】
【化12】

【0041】
【化13】

【0042】
【化14】

【0043】
【化15】

【0044】
【化16】

【0045】
式中、RおよびXは上で定義される通りであり、(F)はHまたはFとして定義される。
【0046】
式I3、I27、I40およびI58の化合物が特に好ましい。式Iおよびサブ式I1〜I79において、Xは、好ましくは、Fである。
【0047】
式Eの好ましい化合物を、以下に述べる。
【0048】
【化17】

【0049】
【化18】

【0050】
式中、
halogenは、FまたはCl、好ましくは、Fを表し、
alkylまたはalkylは、それぞれ互いに独立に、直鎖状または分岐状で1〜9個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは、直鎖状のアルキル基であり、
alkenylまたはalkenylは、それぞれ互いに独立に、直鎖状または分岐状で9個までの炭素原子を有するアルケニル基、好ましくは、直鎖状のアルケニル基である。
【0051】
式Eの特に好ましい化合物は、式E−1a、E−4a、E−5a、E−6aおよびE−7aの化合物である。
【0052】
【化19】

【0053】
また、本発明は、このタイプの媒体を含有する電気光学的ディスプレイ(特に、フレームと共にセルを形成する2枚の平坦で平行な外板と、外板上の個々のピクセルをスイッチするための集積非線形素子と、セル内に配置され正の誘電異方性および高い比抵抗のネマチック液晶混合物とを有するSTNディスプレイまたはMLCディスプレイ)、および電気光学的目的のための、これらの媒体の使用にも関する。本発明による混合物は、TN−TFT;正のVA、FFS、OCBおよびIPS用途に極めて適している。
【0054】
本発明による液晶混合物によって、利用可能なパラメータの自由度を著しく広げることが可能となる。
【0055】
透明点、低温における粘度、熱およびUV安定性、高いLTS、および、誘電異方性の達成可能な組み合わせは、先行技術からの従来材料よりも遥かに優れている。
【0056】
高い透明点、低温におけるネマチック相および高いΔεに対する要求は、これまで、不充分な程度にしか満足されなかった。例えば、MS99295(メルク社、ダルムスタット市、ドイツ国)などの液晶混合物は匹敵する透明点および低温安定性を有するが、しかしながら、それらは比較的高いΔnの値を有し、また、約1.7V以上の高い閾電圧も有する。
【0057】
他の混合物系で匹敵する粘度およびΔε値を有するものは、60℃の領域における透明点を有するに過ぎない。
【0058】
本発明による液晶混合物によって、−20℃まで、好ましくは−30℃まで、特に好ましくは−40℃までネマチック相を維持しながら、80℃より高い、好ましくは90℃より高い、特に好ましくは100℃より高い透明点と、同時に、4以上、好ましくは6以上の誘電異方性値Δεおよび高い値の比抵抗とを達成することが可能となり、優れたSTNディスプレイおよびMLCディスプレイを得ることが可能となる。特に、混合物は、低い動作電圧により特徴づけられる。TN閾値は1.5Vより低く、好ましくは1.3Vより低い。
【0059】
また、本発明による混合物の成分の適切な選択を通して、他の有利な特性を維持したままで、より高い閾電圧においてより高い透明点(例えば、110℃より高い)を達成することも可能であり、または、より低い閾電圧においてより低い透明点を達成することも可能であることは言うまでもない。対応して粘度が僅かに上昇するのみで、より大きいΔε、よって、より低い閾値を有する混合物を得ることが同様に可能である。本発明によるMLCディスプレイは、好ましくは、グーチおよびタリー[C.H.GoochおよびH.A.Tarry、Electron.Lett.第10巻、第2〜4頁、1974年刊;C.H.GoochおよびH.A.Tarry、Appl.Phys.第8巻、第1575〜1584頁、1975年刊]による第一次透過率極小において動作し、この場合、例えば、特性線の高い急峻性およびコントラストの低い角度依存性(ドイツ国特許第30 22 818号明細書)などの特に好ましい電気光学的特性に加えて、第二次極小値における類似のディスプレイと同じ閾電圧を得るのに、より低い誘電異方性で十分である。このため、第一次極小値において本発明による混合物を使用することにより、シアノ化合物を含む混合物の場合よりも著しく高い比抵抗値を達成することが可能となる。個々の成分およびそれらの重量比の適切な選択を通して、当業者は簡単な日常的方法を使用して、MLCディスプレイの予め指定された層厚に必要な複屈折率を設定することができる。
【0060】
20℃における流動粘度ν20は、好ましくは60mm・s−1未満、特に好ましくは50mm・s−1未満である。ネマチック相範囲は、好ましくは少なくとも90°、特には少なくとも100°である。この範囲は、好ましくは、少なくとも−30°〜+80°に及ぶ。20℃における回転粘度γは、好ましくは200mPa・s未満、特に好ましくは180mPa・s未満、特には160mPa・s未満である。
【0061】
容量保持率(HR:capacity holding ratio)の測定[S.Matsumotoら、Liquid Crystals 第5巻、第1320頁(1989年刊);K.Niwaら、Proc.SID Conference、サンフランシスコ、1984年6月、第304頁(1984年刊);G.Weberら、Liquid Crystals 第5巻、第1381頁(1989年刊)]によって、式Iの化合物を含む本発明による混合物は、式Iの化合物の代わりに、下式
【0062】
【化20】

のシアノフェニルシクロヘキサン類または下式
【0063】
【化21】

のエステル類を含む類似化合物よりも、温度上昇に伴う著しくより小さいHRの低下を示すことが示された。
【0064】
また、本発明による混合物のUV安定性も非常に良好であり、即ち、UVに曝露した際に、混合物は著しくより小さいHRの低下を示す。
【0065】
本発明による媒体は、好ましくは、複数種類(好ましくは、2種類または3種類以上)の式Iの化合物を基礎とする。即ち、これらの化合物の割合は5〜95%、好ましくは10〜60%、特に好ましくは15〜40%の範囲内である。
【0066】
本発明による媒体は、好ましくは、複数種類(好ましくは、1種類、2種類または3種類以上)の式Eの化合物を基礎とする。即ち、これらの化合物の割合は1〜25%、好ましくは3〜20%、特に好ましくは3〜15%の範囲内である。
【0067】
本発明による媒体において使用できる式EおよびI〜IXおよびそれらのサブ式の個々の化合物は既知であるか、またはそれらは既知の化合物に類似して調製できる。
【0068】
好ましい実施形態を下に示す。
【0069】
−媒体は、好ましくは、1種類、2種類または3種類の式Iの同族化合物を含み、ただし、それぞれの同族化合物は最大で10%の量で混合物中に存在する。
【0070】
−媒体は、一般式II〜IXから成る群より選ばれる1種類以上の化合物を追加的に含む。
【0071】
【化22】

【0072】
【化23】

式中、個々の基は以下の意味を有する:
は、それぞれ9個までの炭素原子を有するn−アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニルであり、
は、F、Cl、7個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルケニルオキシまたはハロゲン化アルコキシ、好ましくは、F、OCFおよびOCF=CFであり、
は、−CH=CH−、−C−、−(CH−、−C−、−CHO−、−OCH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−COO−または−O−であり、
、Y、YおよびYは、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、および
rは、0または1である。
【0073】
式IVの化合物は、好ましくは、以下の化合物群より選択される。
【0074】
【化24】

【0075】
−媒体は、好ましくは、下式の1種類以上の化合物を含む。
【0076】
【化25】

【0077】
【化26】

式中、RおよびYは、上で定義される通りである。
【0078】
−媒体は、好ましくは、H1〜H18(n=1〜7)から成る群より選択される化合物の1種類、2種類、3種類、更に4種類の同族体を含む。
【0079】
【化27】

【0080】
【化28】

【0081】
【化29】

【0082】
−媒体は、一般式X〜XVから成る群より選択される1種類以上の化合物を追加的に含む。
【0083】
【化30】

式中、R、X、Y、Y、YおよびYは、それぞれ互いに独立に、請求項5で示される意味の1つを有する。Xは、好ましくは、F、Cl、CF、OCFまたはOCHFである。Rは、好ましくは、アルキル、オキサアルキル、フルオロアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシである。
【0084】
−式EおよびI〜IXの化合物の割合は、合わせて混合物全体において、少なくとも50質量%である。
【0085】
−式Iの化合物の割合は、混合物全体において、5〜50質量%である。
【0086】
−式Eの化合物の割合は、混合物全体において、5〜30質量%、好ましくは、5〜20質量%である。
【0087】
−式IIの化合物の割合は、混合物全体において、3〜40質量%である。
【0088】
−式II〜IXの化合物の割合は、混合物全体において、30〜70質量%である。
【0089】
−好ましくは、
【0090】
【化31】

である。
【0091】
−媒体は、式II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよび/またはIXの化合物を含む。
【0092】
−Rは、直鎖状で2〜7個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルである。
【0093】
−媒体は、本質的に、式I〜XVの化合物より成る。
【0094】
−媒体は、式H17および/またはH18の化合物を5〜40質量%で含む。
【0095】
−媒体は、好ましくは、一般式XVI〜XXから成る以下の群より選択される更なる化合物を含む。
【0096】
【化32】

式中、RおよびXは上で定義される通りであり、「alkyl」は下で定義される通りを表す。
【0097】
−媒体は、好ましくは、式RI〜RIXから成る以下の群より選択される更なる化合物を含む。
【0098】
【化33】

式中、
は、それぞれ9個までの炭素原子を有するn−アルキル、オキサアルキル、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニルであり、
dは、0、1または2であり、
は、HまたはFであり、
alkylまたはalkylは、それぞれ互いに独立に、直鎖状または分岐状で1〜9個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは、直鎖状のアルキル基であり、
alkenylまたはalkenylは、それぞれ互いに独立に、直鎖状または分岐状で9個までの炭素原子を有するアルケニル基、好ましくは、直鎖状のアルケニル基である。
【0099】
−媒体は、好ましくは、下式の1種類以上の化合物を含む。
【0100】
【化34】

式中、nおよびmは、それぞれ、1〜9の整数である。
【0101】
式RIIaおよび/またはRIIbの1種類または2種類の化合物を、好ましくは、20〜60%の量で含有する混合物が特に好ましい。
【0102】
−I:(II+III+IV+V+VI+VII+VIII+IX)の質量比は、好ましくは、1:10〜10:1である。
【0103】
−媒体は、本質的に、一般式EおよびI〜XVから成る群より選択される化合物より成る。
【0104】
特に好ましい混合物は、式I27a、I40aおよびI58aの群より選択される少なくとも1種類の化合物、好ましくは、2種類または3種類の化合物と、式E−1a、E−4a、E−5aおよびE7−aの群より選択される式の少なくとも1種類の化合物とを含有する。
【0105】
【化35】

【0106】
【化36】

式中、R、R、alkylおよびalkylは上で与えられる通りの意味を有し、alkylおよびalkylは、それぞれ独立に、直鎖状で1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。「alkyl」は、好ましくは、n−Cまたはn−C11である。「alkyl」は、好ましくは、メチルまたはエチル、最も好ましくは、メチルである。
【0107】
特に好ましい混合物は、式I27a、好ましくは、下式の少なくとも1種類の化合物を含有する。
【0108】
【化37】

式I27aの化合物(1種類または多種類)は、好ましくは2〜20%、最も好ましくは3〜15%の量で使用される。好ましい混合物は、式I27a−1およびI27a−2の化合物を、混合物全体を基礎として5〜15%の量で含有する。
【0109】
好ましい混合物は、
−好ましくは1〜20%の量において、式E−5aの少なくとも1種類の化合物、または
−好ましくは全体として5〜20%の量において、式E−4aの少なくとも1種類の化合物および式E−5aの少なくとも1種類の化合物
を含有する。
【0110】
好ましい混合物は、式I27の少なくとも1種類の化合物と、式I58の少なくとも1種類の化合物と、式E−5の少なくとも1種類の化合物とを含有する。
【0111】
最も好ましい混合物は、式I27の少なくとも2種類の化合物と、式I58の少なくとも1種類の化合物と、式E−5の少なくとも1種類の化合物とを含有する。
【0112】
従来の液晶材料、しかし特に、式II、III、IV、V、VI、VII、VIIIまたはIXの1種類以上の化合物と、式EおよびIの化合物を比較的低い割合においてでさえも混合することにより、結果として、閾電圧が著しく低下し、低い複屈折率の値となり、低いスメクチック−ネマチック転移温度を有する広いネマチック相が観察され、同時に、貯蔵安定性が改良されることが見出された。式E、I〜IXの化合物は無色で安定であり、互いにおよび他の液晶材料と容易に混和する。
【0113】
用語「アルキル(alkyl)」または「アルキル(alkyl)」は、直鎖状または分岐状で1〜9個の炭素原子を有するアルキル基、特に、直鎖状の基のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。2〜5個の炭素原子を有する基が一般に好ましい。
【0114】
用語「アルケニル(alkenyl)」または「アルケニル(alkenyl)」は、直鎖状または分岐状で9個までの炭素原子を有するアルケニル基、特に、直鎖状の基を包含する。特に好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特に、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までの炭素原子を有する基が一般に好ましい。
【0115】
用語「フルオロアルキル」は、好ましくは、末端フッ素を有する直鎖状の基、即ち、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかしながら、フッ素の他の位置を除外するものではない。
【0116】
用語「オキサアルキル」は、好ましくは、式C2n+1−O−(CHの直鎖状の基を包含する(式中、nおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜6である)。好ましくは、nは1であり、mは1〜6である。
【0117】
およびXの意味の適切な選択を通して、アドレス時間、閾電圧、透過特性線の急峻性などを所望の様式に改変できる。例えば、1E−アルケニル基、3E−アルケニル基、2E−アルケニルオキシ基などは、アルキルまたはアルコキシ基と比較して、一般に、より短いアドレス時間、ネマチック性の傾向の改良および弾性定数k33(ベンド)とk11(スプレイ)とのより高い比を結果として与える。4−アルケニル基、3−アルケニル基などは、アルキルおよびアルコキシ基と比較して、一般に、より低い閾電圧およびk33/k11のより小さい値を与える。
【0118】
および/またはZにおける−CHCH−基は、単共有結合と比較して、一般に、k33/k11のより高い値を結果として与える。k33/k11のより高い値によって、例えば、90°のツイストを有するTNセルにおいては、より平坦な透過特性線(中間階調を達成するために)が容易となり、STN、SBEおよびOMIセルにおいては、より急峻な透過特性線(より大きなマルチプレックス能)が容易となり、逆も同様である。
【0119】
式EおよびIと、II+III+IV+V+VI+VII+VIII+IXの化合物の最適な混合比は、所望の特性と、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよび/またはIXの成分の選択と、存在してもよい任意の他の成分の選択とに実質的に依存する。上で与えられる範囲内の適切な混合比は、場合ごとに容易に決定できる。
【0120】
本発明による混合物における式EおよびI〜XVの化合物の総量は、決定的なものではない。従って、混合物は、各種特性の最適化の目的のために、1種以上の更なる成分を含むことができる。しかしながら、一般に、式EおよびI〜XVの化合物の総濃度が高くなるほど、アドレス時間および閾電圧に対する観察される効果がより大きくなる。
【0121】
特に好ましい実施形態において、本発明による媒体は、Xが、OCF、OCHF、F、OCH=CF、OCF=CF、OCFCHFCFまたはOCF−CFHである式II〜IX(好ましくは、IIおよび/またはIII)の化合物を含む。式Iの化合物との好ましい相乗効果の結果、特に有利な特性が得られる。
【0122】
偏光板、電極基板および表面処理された電極からの本発明によるMLCディスプレイの構成は、このタイプのディスプレイの従来の構成に対応する。本明細書において、従来の構成との用語は広い意味で用いられ、また、MLCディスプレイの全ての誘導品および変更品(特に、多結晶シリコンTFTまたはMIMを基礎とするマトリックスディスプレイ素子を含む。)も包含する。
【0123】
しかしながら、本発明によるディスプレイと、ツイストネマチックセルを基礎とするこれまでの従来のディスプレイとの間の大きな相違は、液晶層の液晶パラメータの選択にある。
【0124】
本発明に従って使用できる液晶混合物は、それ自体は従来の様式で調製される。一般に、より少ない量で使用される成分の所望量を、主要な組成を構成する成分中に、有利には昇温して溶解する。また、有機溶媒中、例えば、アセトン、クロロホルムまたはメタノール中において成分の溶液を混合し、完全に混合後、例えば、蒸留によって溶媒を再び除去することも可能である。
【0125】
また、誘電体は、例えば、安定剤および酸化防止剤などの当業者に既知で文献に記載される更なる添加剤も含んでもよい。例えば、0〜15%の多色性色素またはキラルドーパントを加えることができる。
【0126】
Cは結晶相、Sはスメクチック相、SはスメクチックC相、SはスメクチックB相、Nはネマチック相およびIは等方性相を表す。
【0127】
10は、10%の透過(基板表面に垂直な視野角)に対する電圧を表す。ton、toffは、それぞれV10の値の2倍に対応する動作電圧におけるスイッチオン時間、スイッチオフ時間を表す。Δnは光学異方性を表し、nは屈折率を表す。Δεは誘電異方性(Δε=ε−ε、ここで、εは分子長軸に平行な誘電定数を表し、εはそれに垂直な誘電定数を表す。)を表わす。電気光学的データは、他に明らかに述べない限り、20℃において第1極小でTNセル中において(即ち、0.5μmのd・Δnの値において)測定した。光学的データは、他に明らかに述べない限り、20℃において測定した。
【0128】
本出願および下の例において、液晶化合物の構造は頭字語によって示されており、化学式への変換は下の表AおよびBに従って行われる。基C2n+1およびC2m+1の全ては、それぞれn個およびm個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル基であり、nおよびmは、それぞれ互いに独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。表Bにおけるコードは、それ自体で明らかである。表Aにおいては、親構造に対する頭字語のみが示されている。個々の場合において、親構造に対する頭字語に、ダッシュにより分離されて、置換基R、R、LおよびLに対するコードが続く。
【0129】
【表1】

【0130】
好ましい混合成分が、表AおよびBにおいて与えられる。
【0131】
【表2】

【0132】
【表3】

【0133】
【表4】

【0134】
【表5】

【0135】
【表6】

【0136】
【表7】

【0137】
【表8】

【0138】
【表9】

【0139】
【表10】

【0140】
【表11】

【0141】
【表12】

【0142】
【表13】

【0143】
【表14】

【0144】
【表15】

【0145】
【表16】

【0146】
表Cには、一般に、0.1〜10質量%の量において本発明による混合物に添加される可能なドーパントを示す。
【0147】
【表17】

【0148】
【表18】

【0149】
例えば、本発明による混合物に添加できる安定剤を下に述べる(nは、1、2、3、4、5、6または7である)。
【0150】
【表19】

【0151】
【表20】

【0152】
【表21】

【0153】
【表22】

【0154】
PS−IPS、正のPS VAまたはPS−FFS用途のために本出願による混合物が任意の反応性メソゲン(RM:reactive mesogen)を含有する場合、RMは、好ましくは、本表に列挙される以下の化合物より選択される。
【0155】
【表23】

【0156】
【表24】

【0157】
【表25】

【0158】
【表26】

【0159】
【表27】

【0160】
【表28】

【0161】
【表29】

【0162】
【表30】

好ましい実施形態において、本出願による混合物は、群RM−1〜RM−62より選択される少なくとも1種類のRMを含有する。
【0163】
以下の記号を、本出願において使用する:
は、20℃における容量閾電圧(V)であり、
は、20℃および589nmにおいて測定される異常光屈折率であり、
は、20℃および589nmにおいて測定される正常光屈折率であり、
Δnは、20℃および589nmにおいて測定される光学異方性であり、
εは、20℃および1kHzにおけるダイレクターに垂直な誘電率であり、
εは、20℃および1kHzにおけるダイレクターに平行な誘電率であり、
Δεは、20℃および1kHzにおける誘電異方性であり、
(Δε=ε−ε、ここでεは分子長軸に平行な誘電定数を表し、εはそれに垂直な誘電定数を表す。)
γは、20℃において測定される回転粘度(mPa・s)であり、
は、20℃における「スプレイ(splay)」変形に対する弾性定数(pN)であり、
は、20℃における「ツイスト(twist)」変形に対する弾性定数(pN)であり、
は、20℃における「ベンド(bend)」変形に対する弾性定数(pN)であり、
LTSは、試験用セル中で決定される低温安定性(相安定性)であり、
10は、10%の透過(基板表面に垂直な視野角)に対する電圧である。
【0164】
電気光学的データは、他に明らかに述べない限り、20℃において第1極小でTNセル中において(即ち、0.5μmのd・Δnの値において)測定する。
【0165】
以下の例は、本発明を限定することなく説明する。
【実施例】
【0166】
<混合物例>
【0167】
【表31】

【0168】
【表32】

【0169】
【表33】

【0170】
【表34】

【0171】
【表35】

【0172】
【表36】

【0173】
【表37】

【0174】
【表38】

【0175】
【表39】

【0176】
【表40】

【0177】
【表41】

【0178】
【表42】

【0179】
【表43】

【0180】
【表44】

【0181】
【表45】

【0182】
【表46】

【0183】
【表47】

【0184】
【表48】

【0185】
【表49】

【0186】
【表50】

【0187】
【表51】

【0188】
【表52】

【0189】
【表53】

【0190】
【表54】

【0191】
【表55】

【0192】
【表56】

【0193】
【表57】

【0194】
【表58】

【0195】
【表59】

【0196】
【表60】

【0197】
【表61】

【0198】
【表62】

【0199】
【表63】

【0200】
【表64】

【0201】
【表65】

【0202】
【表66】

【0203】
【表67】

【0204】
【表68】

【0205】
【表69】

【0206】
【表70】

【0207】
【表71】

【0208】
【表72】

【0209】
【表73】

【0210】
【表74】

【0211】
【表75】

【0212】
【表76】

【0213】
【表77】

【0214】
【表78】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの少なくとも1種類の化合物と、式Eの少なくとも1種類の化合物とを含有することを特徴とする液晶媒体。
【化1】

【化2】

(式中、
およびRは、それぞれ互いに独立に、H、または、ハロゲン化または無置換の1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
、AおよびAは、それぞれ互いに独立に、
【化3】

であり、
は、F、Cl、CN、NCS、OCN、SF、1〜5個の炭素原子を有するフッ化アルキル、1〜5個の炭素原子を有するフッ化アルコキシ、2〜5個の炭素原子を有するフッ化アルケニルまたは1〜5個の炭素原子を有するフッ化アルケニルオキシであり、
は、F、Cl、OCF、OCHF、OCH=CF、OCF=CF、OCHFCF、OCFCFHCF、CH、Cまたはn−Cであり、
、L、LおよびLは、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、
、ZおよびZは、それぞれ互いに独立に、−CO−O−、−O−CO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−(CH−、−C−、−CHCF−、−CFCH−、−CF=CF−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、
a、bおよびcは、それぞれ互いに独立に、0、1、2または3であり、ただし、a+b+cは、1、2、3または4である。)
【請求項2】
式I1〜I79の群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の液晶媒体。
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

(式中、RおよびXは請求項1において定義される通りの意味を有し、(F)はHまたはFを表す。)
【請求項3】
式E−1〜E−15の群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶媒体。
【化16】

【化17】

(式中、
は、請求項1において定義される通りの意味を有し、
halogenは、FまたはClであり、
alkylまたはalkylは、それぞれ互いに独立に、直鎖状または分岐状で1〜9個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは、直鎖状のアルキル基であり、
alkenylまたはalkenylは、それぞれ互いに独立に、直鎖状または分岐状で9個までの炭素原子を有するアルケニル基、好ましくは、直鎖状のアルケニル基である。)
【請求項4】
式Iの化合物の少なくとも2種類を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項5】
一般式II〜IXの群より選択される1種類以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化18】

【化19】

(式中、
は、それぞれ9個までの炭素原子を有するn−アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニルであり、
は、F、Cl、7個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル、7個までの炭素原子を有するハロゲン化アルケニル、7個までの炭素原子を有するハロゲン化アルケニルオキシまたは7個までの炭素原子を有するハロゲン化アルコキシであり、
は、−CH=CH−、−C−、−(CH−、−C−、−CHO−、−OCH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−COO−または−O−であり、
、Y、YおよびYは、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、
rは、0または1である。)
【請求項6】
式I27a、I40aおよびI58aの群より選択される少なくとも1種類の化合物と、式E−1a、E−4a、E−5aおよびE−7aの群より選択される式の少なくとも1種類の化合物とを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化20】

【化21】

(式中、Rは請求項1において与えられる通りの意味を有し、alkylおよびalkylは、それぞれ独立に、直鎖状で1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)
【請求項7】
下式の少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化22】

【請求項8】
式RIa〜RIVaの1種類以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化23】

(式中、
nおよびmは、それぞれ、1〜9の整数である。)
【請求項9】
少なくとも1種類の反応性メソゲンを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項10】
式Iの少なくとも1種類の化合物および式Eの少なくとも1種類の化合物を、1種類以上のメソゲン化合物と、任意成分として更なる添加剤と、任意成分として1種類以上の反応性メソゲンと混合することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶媒体の製造方法。
【請求項11】
電気光学的目的のための請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶媒体の使用。
【請求項12】
TN−TFT−、IPS−、FFS−、正のVA−、PS−IPS−、PS−FFS−、PS−TN−TFT−または正のPS−VA−用途のための請求項11に記載の液晶媒体の使用。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶媒体を含有する電気光学的液晶ディスプレイ。

【公開番号】特開2012−117062(P2012−117062A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259024(P2011−259024)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】