液晶用配向膜露光方法及びその装置並びにそれを用いて製作された液晶パネル
【課題】液晶の高速応答が可能な光配向膜の処理方法およびその装置を提供する。
【解決手段】
表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与した基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第4の領域に第4の配向特性を付与する液晶用配向膜露光方法及びその装置とした。
【解決手段】
表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与した基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第4の領域に第4の配向特性を付与する液晶用配向膜露光方法及びその装置とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子の製造方法及びその装置並びにそれを用いて製作された液晶パネルに関し、特に、液晶配向膜に光学的手法により配向特性を付与するのに適した液晶用配向膜露光方法及びその装置並びにそれを用いて製作された液晶パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、大形テレビ、3Dテレビ、パソコンや携帯端末のディスプレイとして、より多くの情報をより高品位に表示するために、高画質化、高精細化が求められている。
【0003】
この液晶表示素子の高画質化、高精細化を実現するには、液晶表示素子を構成する一対
の対抗するガラス基板間に封止する液晶材料の分子の並び(配向)をガラス基板上に形成
された光学的に透明な電極(透明電極)上で均一にさせる必要がある。
【0004】
この液晶材料の分子の並び(配向)を均一にさせるために、従来、ガラス基板に形成さ
れた透明電極上に配向膜を形成し、この配向膜を布でラビングして配向特性を付与する方
法が用いられていた。しかし、この方法では配向膜の一部が剥がれて微細なごみが発生し
、素子不良の原因となったり、ガラス基板の表示領域全面に亘って均一な配向特性を付与
することが難しく、より高精細な表示素子を形成する上で課題となっていた。
【0005】
このラビング方法により配向膜に配向特性を付与する方法に替える手法として、例えば
特許文献1には、トランジスタの形成されたアレイ側基板の光配向膜の画素内をマスク等で2分割し、それぞれに対し0度と180度の2方向から斜め光を照射し、一方、対向基板の光配向膜にはアレイ側と直交する2方向から斜め光を照射することにより、1画素内で4方向の配向を得る方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、光照射に対して可逆的に変化する光配向膜を用い、アレイ側基板に斜め光を全面照射した後、画素内の半分を180度方向から斜め光を照射することにより、画素内で2方向の配向を得る方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許3850002号公報
【特許文献2】特開2007−219191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に記載されている方法では、アレイ側基板と対向基板の配向方向を直交させることにより、基板毎では正逆2方向の配向でありながら、液晶パネルとして画素内4配向を実現している。この結果、90°毎の4方位に輝度が大きくなり視野角が拡大して、特にTV向け用途では有用な性能を付与している。しかしながら、この方法は、今後普及が期待される3Dテレビやホームシアター等の高品位TVに対しては、以下の点で特性改善が必要である。特許文献1、2に記載されている方法では、画素内4方位領域のそれぞれで輝度方位を決める液晶の配向方位が上下基板で90°捻じれているため、電圧印加で液晶を一方向に傾倒させる際に、この液晶捻じれ解消のための分子動作にエネルギーが必要となり、液晶の応答性を低下させる。
【0009】
本発明の目的は、上記した従来の技術上の課題を解決して、液晶の高速応答が可能な光配向膜の処理方法およびその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明では、液晶用配向膜露光装置を、表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1のマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に配向特性を付与する第1の露光ユニットと、基板に第2のマスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に配向特性を付与する第2の露光ユニットと、第1の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させて第2の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させ第1の露光ユニットで露光した基板を第2の露光ユニットへ供給する基板反転移送手段と、第1の露光ユニットと基板反転移送手段との間で基板を搬送する第1の搬送手段と、第2の露光ユニットと基板反転移送手段との間で基板を搬送する第2の搬送手段とを備えて構成し、第1の露光ユニットは、第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第1の配向特性を付与した後に基板反転移送手段で向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第2の配向特性を付与し、第2の露光ユニットは、第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第3の配向特性を付与した後に基板反転移送手段で向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第4の配向特性を付与するようにした。
【0011】
また、上記した目的を達成するために、本発明では、液晶用配向膜露光装置を、表面に液晶用配向膜を形成した基板を載置して平面内で移動が可能で、かつ平面に対して垂直な軸の周りに回転可能なステージ手段と、このステージ手段に載置された基板上の第1の領域にマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射し基板上の第1の領域と異なる領域にマスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射する露光光照射手段と、ステージ手段と露光光照射手段とを制御する制御手段とを備えて構成し、制御手段は、露光光照射手段を制御して第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した後にステージ手段を制御して基板の向きを反転させ、露光光照射手段を制御して向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第2の配向特性を付与し、次に露光光照射手段を制御して第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した後にステージ手段を制御して基板の向きを反転させ、露光光照射手段を制御して向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第4の領域に第2の配向特性を付与するようにした。
【0012】
更に、上記した目的を達成するために、本発明では、表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与した基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第4の領域に第4の配向特性を付与する液晶用配向膜露光方法とした。
【0013】
更にまた、上記した目的を達成するために、本発明では、表面に第1の液晶用配向膜が形成された第1の基板と表面に第2の液晶用配向膜が形成された第2の基板の間に液晶を挟んで形成した液晶パネルにおいて、第1の基板の第1の液晶用配向膜は液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割してこの分割した各小領域毎に配向特性が付与されており、第2の基板の第2の液晶用配向膜は液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割してこの分割した各小領域毎に配向特性が付与されているようにした。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明による液晶用配向膜露光システムにより、液晶パネルのアレイ側基板の画素内を、ホトマスクを用いた斜め光4回の露光により4方位4つの領域に分割し、個々の領域の配向方向を異ならしめることができる。この基板と分割配向処理をしていない対向基板を用いて、高視野角液晶表示パネルを製造することができる。アレイ側基板を分割配向せず、対向基板側を分割配向しても差し支えない。また、対向基板として、画素内にアレイ側とは180°逆平行の配向を与える4回の露光により4つの配向領域を形成した基板を用いることもできる。前記180°逆平行の配向をもつ液晶表示パネルでは、アレイ側基板と対向基板に挟まれた液晶は電圧印加時に分子捻れが生じること無く傾倒するので、輝度変調時に高速に応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】液晶用配向膜露光装置全体の構成を示すブロック図である。
【図2】斜め光を照射する液晶用配向膜露光ユニットの斜視図である。
【図3】基板画素内4方向の配向を示す基板の平面図である。
【図4】第1の斜め光を照射する露光装置と第2の斜め光を照射する露光装置を用いた基板処理を示すフロー図である。
【図5】基板0度位置での第1の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図6】基板180度回転位置での第1の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図7】基板180度回転位置での第2の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図8】基板0度位置での第1の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図9】液晶用配向膜露光装置の構成の別の実施例を示すブロック図である。
【図10】第2の実施例である4方向の斜め光が照射可能な露光ユニットを示す斜視図である。
【図11】第2の実施例である4方向の斜め光が照射可能な露光装置の動作を示すフロー図である。
【図12】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第1の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図13】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第2の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図14】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第3の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図15】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第4の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図16】(a)は液晶パネルのアレイ側基板の画素内配向分布を示すアレイ側基板の平面図、(b)は液晶パネルの対向基板の画素内配向分布を示す対向基板の平面図、(c)は液晶の配向分布を示す液晶パネルの平面図である。
【図17】液晶パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1に、本実施例による液晶用配向膜露光装置100全体の構成を示す。方位11の斜め光を照射する第1の露光ユニット1、第1のロボットアーム3、回転ローダ5,基板6、方位21の斜め光を照射する第2の露光ユニット2、第2のロボットアーム4を備えて構成されている。
【0018】
第2の露光ユニット2の構成は、実質的に第1の露光ユニット1と共通しているので、図2を用いて第1の露光ユニットの構成を説明する。光源110は、波長400nm以下の紫外光を発するランプ、またはレーザであり、偏光方向が基板6と平行、または垂直方向の直線偏光となるよう、図示しない偏光素子または波長板が装着されている。光源110を出射した発散光1000は、凹面鏡111を反射し平行光1001となり、平面鏡112で反射した後、照明光1002となってマスク71に入射、マスク開口部710を透過した部分が基板6に照射される。基板6は基板チャック114上に固定され、基板チャック114は基板ステージ115に載置され、駆動部1151,1152,1153により、X方向、Y方向の平行移動および回転移動がなされる。
【0019】
光源110と凹面鏡111の距離は、凹面鏡の曲率半径の半分に設定することにより
光源110から出射した発散光1000が平行光1001に変換される。凹面鏡111は、光源110、および発散光1000が平面ミラー112と干渉しないよう、基板ステージ115のX方向軸1110に対し、角度θだけ回転させて設置されている。平面鏡112は、基板ステージ115のXY平面に対し45度の面1120(反射した照明光1002が基板6に対して垂直方向から入射するような傾きを持つ面)から、X方向の軸1121の周りに角度α傾いて設置されている。これにより、照明光1002は、マスク71および基板6の垂線に対してX方向の入射角2αでマスク71、基板6に入射する。ここに、αは、例えば、2〜20度、入射角2αは4〜40度の値である。
【0020】
第2の露光装置2においては、平面鏡112をY方向の軸1122の周りに面1120に対して角度α傾けて設置することにより、Y方向の入射角2αでマスク71、基板6に斜め光を照射させることができる。
【0021】
アライメントスコープ1131,1132,1133,1134は、4隅に配置されたマスクマーク721と基板マーク621の相対的位置ずれを画像処理により測定し、位置ずれデータを制御・処理部116に送る。制御処理部116は駆動部1151,1152,1153を制御し、マスク71と基板6の位置ずれが最小となるよう基板ステージ115の移動、回転を行い、光源部の図示しないシャッタを制御し、所定の時間、露光を行う。
【0022】
基板6上には、図示しない光配向膜が塗布されており、斜め光の照射により照射方向に配向する。ここで、基板6上での所望の配向分布を図3により説明する。基板6上には液晶パネルの画素61が配列しており、各画素61の内部は4分割されている。それぞれの領域は、基板6に対する方位の異なる斜め光により、互いに90度異なる配向方向611、612,613,614に配向される。
【0023】
次に、図3の配向分布を実現する露光処理シーケンスを図4により説明する。まず、ステップS901において、回転ローダ5により、基板6の向きを基板ステージ115のX方向に対して0度方向に設置する。次にステップS902で、第1のロボットアーム3により基板6を第1の露光ユニット1に搬入する。ステップS903で、第1の露光ユニット1は、基板6とマスク71のマーク検出を行い、基板ステージ115の位置調整を行う。ステップS904で、マスク71を基板6に近接させた状態で(マスク71と基板6とのギャップを100〜500μm程度に維持した状態)光配向膜に所定の配向を生じさせるのに十分な時間、第1の方向の斜め光を基板6に露光(プロキシミティ露光)して第1の露光工程を実行する。基板6はマスク71に比べて面積が大きいため、1回の露光で基板6の全面を露光することができない。そこで、マスク71で基板6の第1の領域を露光した後、基板ステージ115が移動して基板6の次の露光領域がマスク71の直下に位置するように基板6の位置を制御する。基板6の次の露光領域がマスク71の直下に位置した状態で、第1の露光ユニット1はステップS903に戻って基板6とマスク71のマーク検出を行って基板ステージ115の位置調整を行い、ステップS904で、位置を調整した次の露光領域に対してプロキシミティ露光を行う。この操作を順次繰返すステップアンドリピート方式により、マスク71を用いて基板6の全面を露光することができる。
【0024】
この第1の露光工程での基板6とマスク71の配置を図5に示す。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
【0025】
次に、ステップS905で第1のロボットアーム3により基板6を回転ローダ5に搬出する。ステップS906において、回転ローダ5で基板を180度回転させた後、ステップS907で、第1のロボットアーム3で基板6を露光ユニット1に搬入した後、ステップS908でマーク検出、位置調整を行い、ステップS909で、前記所定の時間露光する。この露光はステップS904で説明した場合と同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第2の露光工程での基板6とマスク71の配置を図6に示す。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性、即ちステップS904で露光して配向膜に付与した配向特性と反対の方向の配向特性が付与される。
【0026】
次に、ステップS910で第1のロボットアーム3により基板6を回転ローダ5に搬出する。ステップS911において回転ローダはで基板6を第2の露光ユニット2に移動し、ステップS912で、第2のロボットアーム4で基板6を第2の露光ユニット2に搬入した後、ステップS913でマーク検出と位置調整を行い、ステップS914で、前記所定の時間露光する。この露光はステップS904で説明した場合と同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第3の露光工程での基板6と第2のマスク72の配置を図7に示す。第2の露光ユニット2では、平面鏡112がY方向の軸1122の周りに角度α傾いて設置されているので、平面鏡112で反射されて基板6に入射する露光光の傾きの方向(方位角)が第1の露光装置2の場合と直交する方向となっている。即ち、図7に示したように、この第3の露光工程でマスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性、即ちステップS904及びステップS909で露光して配向膜に付与した配向特性と直角の方向の配向特性が付与される。
次に、ステップ915で第2のロボットアーム4により基板6を回転ローダ5に搬出する。ステップ916において、回転ローダ5で基板を180度回転させ、第1の露光工程と同じ向きに設置した後、ステップ917で、第2のロボットアーム4で基板6を露光ユニット2に搬入した後、ステップ918でマーク検出と位置調整を行い、ステップ919で、前記所定の時間露光する。この露光はステップS904で説明した場合と同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第4の露光工程での基板6とマスク71の配置を図8に示す。この第4の露光工程において、マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性、即ちステップS914で露光して配向膜に付与した配向特性と反対の方向の配向特性が付与される。
【0027】
以上の第1〜第4の露光工程を経ることにより、図3に示す、1画素内で4方向の配向領域を生成することができる。
【0028】
図1の露光装置100では、第1の露光ユニット1と第2の露光ユニット2を並列に配置した構成で説明したが、図9に示すように、直列に配置する構成100’としても良い。この場合、回転ローダ5が第1の露光ユニット1から第2の露光ユニット2まで基板6を搬送するステップを省略することができる。更に露光ユニット1および2をそれぞれ2台ずつ、合計4台並べることにより、図1又は図9に示した構成のように基板6を露光ユニット1又は2と回転ローダ5との間を往復させる必要がなくなり、基板6を一方向に流しながら配向膜に所望の配向特性を付与することができる。
【実施例2】
【0029】
次に、本発明における第2の実施例の露光装置200を図10により説明する。図2に示した第1の実施例の露光ユニット1に対する変更点として、平面鏡112をX方向の回転軸1121の周りに所定の角度αだけ正負両方向に回転させる平面鏡回転駆動系1171、およびX方向と直交する方向の回転軸1122の周りに所定の角度αだけ正負両方向に回転させる平面鏡回転駆動系1172が追加され、これらを含めて制御処理部216により制御されている。これにより、基板6に入射する照明光1002を、基板6の法線から±2αの入射角でX,Y両方向から照射することができる。
【0030】
次に、第2の実施例の露光装置による露光処理シーケンスを図11により説明する。まず、ステップS931において平面鏡112を第1の角度であるX軸回転角をα、Y軸回転角を0に設定する。この時、照明光1002は−Y方向に2αの角度で基板6に入射する。ステップS932では、マーク検出を行った後、マスク71と基板6のマーク位置が一致するよう基板ステージ115の位置調整を行い、ステップS933で前記所定時間、露光する。この露光も実施例1で説明したのと同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第1の露光位置での基板6とマスク71の配置を図12に示す。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
【0031】
次に、ステップS934において、平面鏡112を第2の角度であるX軸回転角を−α、Y軸回転角を0に設定する。この時、照明光1002はY方向に2αの角度で基板6に入射する。この後、ステップS935で、基板ステージ115を第2の露光位置に移動し、ステップS936でステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。図13に第2の露光位置での基板6とマスク71の配置を示す。点線で示した領域とその内部の矢印はステップS933で露光された領域とその配向方向を示している。基板6は第1の露光領域と対角の方向692に移動し、マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
次に、ステップ937において、平面鏡112を第3の角度であるX軸回転角を0、Y軸回転角をαに設定する。この時、照明光1002は−X方向に2αの角度で基板6に入射する。この後、ステップ938で、基板ステージ115を第3の露光位置に移動し、ステップ939でステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。図14に第3の露光位置での基板6とマスク71の配置を示す。基板6は第2の露光位置に対して方向693に移動している。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
次に、ステップ940において、平面鏡112を第4の角度であるX軸回転角を0、Y軸回転角を−αに設定する。この時、照明光1002はX方向に2αの角度で基板6に入射する。この後、ステップ941で、基板ステージ115を第3の露光位置に移動し、ステップ942でステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。図15に第4の露光位置での基板6とマスク71の配置を示す。基板6は第3の露光位置に対して方向694に移動している。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
【0032】
以上の第1〜第4の露光位置で露光することにより、図3に示す、画素内で4方向の配向領域を生成することができる。第2の実施例では露光間の基板搬送が不要になる分、処理時間が短縮できる長所がある。
【実施例3】
【0033】
次に、上記,第1または第2の実施例による領域別斜め光露光で図3に示したように1画素を4つの領域に分割して4方向の配向特性を付与する方法について説明したが,この1画素を4つの領域に分割してそれぞれの領域に配向特性を付与したガラス基板を組合わせることにより、液晶パネルとして1画素内に4方向の配向特性を付与する方法を図16及び17により説明する。
【0034】
液晶パネルは、配向膜65が形成されたアレイ側基板と同じく配向膜66が形成された対向基板の間に液晶を挟んで製作される。図16の(a)はアレイ側基板65の画素内配向分布、(b)は対向基板66の画素内配向分布、(c)は電圧印加時の液晶の配向分布を示す。(a)のアレイ側基板65上の画素641内と(b)の対向基板66上の画素642内は、それぞれ4領域に分割されており、それぞれの領域は第1または第2の実施例で説明した方法により配向特性が付与されている。画素641内の配向と画素642内の配向は反対方向になっている。
【0035】
図16(C)の点線で囲んだ2段目の領域691における液晶パネルの断面図を図17に示す。図17では、アレイ側のガラス基板651上に電極膜652と配向膜65が形成されており、対向基板であるガラス基板661上にも電極膜662と配向膜66が形成されている。配向膜65,66の左半分の配向方向は、それぞれ方向655,665のように紙面と垂直な面内で反対方向を向いており、配向膜65,66の右半分の配向方向は、それぞれ方向656,666のように紙面内で反対方向を向いている。この状態で電極膜652,662間に交流電圧67を印加すると、液晶82は、左半分では紙面に垂直な面内、右半分では紙面内で配向する。
【0036】
以上示したように,アレイ基板と対向基板において対応箇所の配向膜の配向方向が平行なため,液晶の応答性を向上させることができる。
【0037】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である
ことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
1・・・第1の露光装置 110・・・光源 111・・・凹面鏡 112・・・平面鏡 1131,1132,1133,1134・・・アライメントスコープ 114・・・基板チャック 115・・・基板ステージ 116・・・制御・処理部 1171、1172・・・回転駆動部 2・・・第2の露光装置 3,4・・・ロボットアーム 5・・・回転ローダ 6・・・基板 71,72・・・マスク 81,82・・・液晶。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子の製造方法及びその装置並びにそれを用いて製作された液晶パネルに関し、特に、液晶配向膜に光学的手法により配向特性を付与するのに適した液晶用配向膜露光方法及びその装置並びにそれを用いて製作された液晶パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、大形テレビ、3Dテレビ、パソコンや携帯端末のディスプレイとして、より多くの情報をより高品位に表示するために、高画質化、高精細化が求められている。
【0003】
この液晶表示素子の高画質化、高精細化を実現するには、液晶表示素子を構成する一対
の対抗するガラス基板間に封止する液晶材料の分子の並び(配向)をガラス基板上に形成
された光学的に透明な電極(透明電極)上で均一にさせる必要がある。
【0004】
この液晶材料の分子の並び(配向)を均一にさせるために、従来、ガラス基板に形成さ
れた透明電極上に配向膜を形成し、この配向膜を布でラビングして配向特性を付与する方
法が用いられていた。しかし、この方法では配向膜の一部が剥がれて微細なごみが発生し
、素子不良の原因となったり、ガラス基板の表示領域全面に亘って均一な配向特性を付与
することが難しく、より高精細な表示素子を形成する上で課題となっていた。
【0005】
このラビング方法により配向膜に配向特性を付与する方法に替える手法として、例えば
特許文献1には、トランジスタの形成されたアレイ側基板の光配向膜の画素内をマスク等で2分割し、それぞれに対し0度と180度の2方向から斜め光を照射し、一方、対向基板の光配向膜にはアレイ側と直交する2方向から斜め光を照射することにより、1画素内で4方向の配向を得る方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、光照射に対して可逆的に変化する光配向膜を用い、アレイ側基板に斜め光を全面照射した後、画素内の半分を180度方向から斜め光を照射することにより、画素内で2方向の配向を得る方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許3850002号公報
【特許文献2】特開2007−219191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に記載されている方法では、アレイ側基板と対向基板の配向方向を直交させることにより、基板毎では正逆2方向の配向でありながら、液晶パネルとして画素内4配向を実現している。この結果、90°毎の4方位に輝度が大きくなり視野角が拡大して、特にTV向け用途では有用な性能を付与している。しかしながら、この方法は、今後普及が期待される3Dテレビやホームシアター等の高品位TVに対しては、以下の点で特性改善が必要である。特許文献1、2に記載されている方法では、画素内4方位領域のそれぞれで輝度方位を決める液晶の配向方位が上下基板で90°捻じれているため、電圧印加で液晶を一方向に傾倒させる際に、この液晶捻じれ解消のための分子動作にエネルギーが必要となり、液晶の応答性を低下させる。
【0009】
本発明の目的は、上記した従来の技術上の課題を解決して、液晶の高速応答が可能な光配向膜の処理方法およびその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明では、液晶用配向膜露光装置を、表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1のマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に配向特性を付与する第1の露光ユニットと、基板に第2のマスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に配向特性を付与する第2の露光ユニットと、第1の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させて第2の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させ第1の露光ユニットで露光した基板を第2の露光ユニットへ供給する基板反転移送手段と、第1の露光ユニットと基板反転移送手段との間で基板を搬送する第1の搬送手段と、第2の露光ユニットと基板反転移送手段との間で基板を搬送する第2の搬送手段とを備えて構成し、第1の露光ユニットは、第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第1の配向特性を付与した後に基板反転移送手段で向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第2の配向特性を付与し、第2の露光ユニットは、第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第3の配向特性を付与した後に基板反転移送手段で向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜に第4の配向特性を付与するようにした。
【0011】
また、上記した目的を達成するために、本発明では、液晶用配向膜露光装置を、表面に液晶用配向膜を形成した基板を載置して平面内で移動が可能で、かつ平面に対して垂直な軸の周りに回転可能なステージ手段と、このステージ手段に載置された基板上の第1の領域にマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射し基板上の第1の領域と異なる領域にマスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射する露光光照射手段と、ステージ手段と露光光照射手段とを制御する制御手段とを備えて構成し、制御手段は、露光光照射手段を制御して第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した後にステージ手段を制御して基板の向きを反転させ、露光光照射手段を制御して向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第2の配向特性を付与し、次に露光光照射手段を制御して第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した後にステージ手段を制御して基板の向きを反転させ、露光光照射手段を制御して向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第4の領域に第2の配向特性を付与するようにした。
【0012】
更に、上記した目的を達成するために、本発明では、表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与した基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与し、この液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、この向きを反転させた基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して液晶用配向膜の第4の領域に第4の配向特性を付与する液晶用配向膜露光方法とした。
【0013】
更にまた、上記した目的を達成するために、本発明では、表面に第1の液晶用配向膜が形成された第1の基板と表面に第2の液晶用配向膜が形成された第2の基板の間に液晶を挟んで形成した液晶パネルにおいて、第1の基板の第1の液晶用配向膜は液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割してこの分割した各小領域毎に配向特性が付与されており、第2の基板の第2の液晶用配向膜は液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割してこの分割した各小領域毎に配向特性が付与されているようにした。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明による液晶用配向膜露光システムにより、液晶パネルのアレイ側基板の画素内を、ホトマスクを用いた斜め光4回の露光により4方位4つの領域に分割し、個々の領域の配向方向を異ならしめることができる。この基板と分割配向処理をしていない対向基板を用いて、高視野角液晶表示パネルを製造することができる。アレイ側基板を分割配向せず、対向基板側を分割配向しても差し支えない。また、対向基板として、画素内にアレイ側とは180°逆平行の配向を与える4回の露光により4つの配向領域を形成した基板を用いることもできる。前記180°逆平行の配向をもつ液晶表示パネルでは、アレイ側基板と対向基板に挟まれた液晶は電圧印加時に分子捻れが生じること無く傾倒するので、輝度変調時に高速に応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】液晶用配向膜露光装置全体の構成を示すブロック図である。
【図2】斜め光を照射する液晶用配向膜露光ユニットの斜視図である。
【図3】基板画素内4方向の配向を示す基板の平面図である。
【図4】第1の斜め光を照射する露光装置と第2の斜め光を照射する露光装置を用いた基板処理を示すフロー図である。
【図5】基板0度位置での第1の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図6】基板180度回転位置での第1の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図7】基板180度回転位置での第2の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図8】基板0度位置での第1の露光装置のマスクと配向方向を示す基板とマスクの平面図である。
【図9】液晶用配向膜露光装置の構成の別の実施例を示すブロック図である。
【図10】第2の実施例である4方向の斜め光が照射可能な露光ユニットを示す斜視図である。
【図11】第2の実施例である4方向の斜め光が照射可能な露光装置の動作を示すフロー図である。
【図12】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第1の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図13】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第2の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図14】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第3の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図15】第2の実施例の露光装置におけるマスクに対する基板の第4の位置を示す基板とマスクの平面図である。
【図16】(a)は液晶パネルのアレイ側基板の画素内配向分布を示すアレイ側基板の平面図、(b)は液晶パネルの対向基板の画素内配向分布を示す対向基板の平面図、(c)は液晶の配向分布を示す液晶パネルの平面図である。
【図17】液晶パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1に、本実施例による液晶用配向膜露光装置100全体の構成を示す。方位11の斜め光を照射する第1の露光ユニット1、第1のロボットアーム3、回転ローダ5,基板6、方位21の斜め光を照射する第2の露光ユニット2、第2のロボットアーム4を備えて構成されている。
【0018】
第2の露光ユニット2の構成は、実質的に第1の露光ユニット1と共通しているので、図2を用いて第1の露光ユニットの構成を説明する。光源110は、波長400nm以下の紫外光を発するランプ、またはレーザであり、偏光方向が基板6と平行、または垂直方向の直線偏光となるよう、図示しない偏光素子または波長板が装着されている。光源110を出射した発散光1000は、凹面鏡111を反射し平行光1001となり、平面鏡112で反射した後、照明光1002となってマスク71に入射、マスク開口部710を透過した部分が基板6に照射される。基板6は基板チャック114上に固定され、基板チャック114は基板ステージ115に載置され、駆動部1151,1152,1153により、X方向、Y方向の平行移動および回転移動がなされる。
【0019】
光源110と凹面鏡111の距離は、凹面鏡の曲率半径の半分に設定することにより
光源110から出射した発散光1000が平行光1001に変換される。凹面鏡111は、光源110、および発散光1000が平面ミラー112と干渉しないよう、基板ステージ115のX方向軸1110に対し、角度θだけ回転させて設置されている。平面鏡112は、基板ステージ115のXY平面に対し45度の面1120(反射した照明光1002が基板6に対して垂直方向から入射するような傾きを持つ面)から、X方向の軸1121の周りに角度α傾いて設置されている。これにより、照明光1002は、マスク71および基板6の垂線に対してX方向の入射角2αでマスク71、基板6に入射する。ここに、αは、例えば、2〜20度、入射角2αは4〜40度の値である。
【0020】
第2の露光装置2においては、平面鏡112をY方向の軸1122の周りに面1120に対して角度α傾けて設置することにより、Y方向の入射角2αでマスク71、基板6に斜め光を照射させることができる。
【0021】
アライメントスコープ1131,1132,1133,1134は、4隅に配置されたマスクマーク721と基板マーク621の相対的位置ずれを画像処理により測定し、位置ずれデータを制御・処理部116に送る。制御処理部116は駆動部1151,1152,1153を制御し、マスク71と基板6の位置ずれが最小となるよう基板ステージ115の移動、回転を行い、光源部の図示しないシャッタを制御し、所定の時間、露光を行う。
【0022】
基板6上には、図示しない光配向膜が塗布されており、斜め光の照射により照射方向に配向する。ここで、基板6上での所望の配向分布を図3により説明する。基板6上には液晶パネルの画素61が配列しており、各画素61の内部は4分割されている。それぞれの領域は、基板6に対する方位の異なる斜め光により、互いに90度異なる配向方向611、612,613,614に配向される。
【0023】
次に、図3の配向分布を実現する露光処理シーケンスを図4により説明する。まず、ステップS901において、回転ローダ5により、基板6の向きを基板ステージ115のX方向に対して0度方向に設置する。次にステップS902で、第1のロボットアーム3により基板6を第1の露光ユニット1に搬入する。ステップS903で、第1の露光ユニット1は、基板6とマスク71のマーク検出を行い、基板ステージ115の位置調整を行う。ステップS904で、マスク71を基板6に近接させた状態で(マスク71と基板6とのギャップを100〜500μm程度に維持した状態)光配向膜に所定の配向を生じさせるのに十分な時間、第1の方向の斜め光を基板6に露光(プロキシミティ露光)して第1の露光工程を実行する。基板6はマスク71に比べて面積が大きいため、1回の露光で基板6の全面を露光することができない。そこで、マスク71で基板6の第1の領域を露光した後、基板ステージ115が移動して基板6の次の露光領域がマスク71の直下に位置するように基板6の位置を制御する。基板6の次の露光領域がマスク71の直下に位置した状態で、第1の露光ユニット1はステップS903に戻って基板6とマスク71のマーク検出を行って基板ステージ115の位置調整を行い、ステップS904で、位置を調整した次の露光領域に対してプロキシミティ露光を行う。この操作を順次繰返すステップアンドリピート方式により、マスク71を用いて基板6の全面を露光することができる。
【0024】
この第1の露光工程での基板6とマスク71の配置を図5に示す。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
【0025】
次に、ステップS905で第1のロボットアーム3により基板6を回転ローダ5に搬出する。ステップS906において、回転ローダ5で基板を180度回転させた後、ステップS907で、第1のロボットアーム3で基板6を露光ユニット1に搬入した後、ステップS908でマーク検出、位置調整を行い、ステップS909で、前記所定の時間露光する。この露光はステップS904で説明した場合と同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第2の露光工程での基板6とマスク71の配置を図6に示す。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性、即ちステップS904で露光して配向膜に付与した配向特性と反対の方向の配向特性が付与される。
【0026】
次に、ステップS910で第1のロボットアーム3により基板6を回転ローダ5に搬出する。ステップS911において回転ローダはで基板6を第2の露光ユニット2に移動し、ステップS912で、第2のロボットアーム4で基板6を第2の露光ユニット2に搬入した後、ステップS913でマーク検出と位置調整を行い、ステップS914で、前記所定の時間露光する。この露光はステップS904で説明した場合と同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第3の露光工程での基板6と第2のマスク72の配置を図7に示す。第2の露光ユニット2では、平面鏡112がY方向の軸1122の周りに角度α傾いて設置されているので、平面鏡112で反射されて基板6に入射する露光光の傾きの方向(方位角)が第1の露光装置2の場合と直交する方向となっている。即ち、図7に示したように、この第3の露光工程でマスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性、即ちステップS904及びステップS909で露光して配向膜に付与した配向特性と直角の方向の配向特性が付与される。
次に、ステップ915で第2のロボットアーム4により基板6を回転ローダ5に搬出する。ステップ916において、回転ローダ5で基板を180度回転させ、第1の露光工程と同じ向きに設置した後、ステップ917で、第2のロボットアーム4で基板6を露光ユニット2に搬入した後、ステップ918でマーク検出と位置調整を行い、ステップ919で、前記所定の時間露光する。この露光はステップS904で説明した場合と同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第4の露光工程での基板6とマスク71の配置を図8に示す。この第4の露光工程において、マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性、即ちステップS914で露光して配向膜に付与した配向特性と反対の方向の配向特性が付与される。
【0027】
以上の第1〜第4の露光工程を経ることにより、図3に示す、1画素内で4方向の配向領域を生成することができる。
【0028】
図1の露光装置100では、第1の露光ユニット1と第2の露光ユニット2を並列に配置した構成で説明したが、図9に示すように、直列に配置する構成100’としても良い。この場合、回転ローダ5が第1の露光ユニット1から第2の露光ユニット2まで基板6を搬送するステップを省略することができる。更に露光ユニット1および2をそれぞれ2台ずつ、合計4台並べることにより、図1又は図9に示した構成のように基板6を露光ユニット1又は2と回転ローダ5との間を往復させる必要がなくなり、基板6を一方向に流しながら配向膜に所望の配向特性を付与することができる。
【実施例2】
【0029】
次に、本発明における第2の実施例の露光装置200を図10により説明する。図2に示した第1の実施例の露光ユニット1に対する変更点として、平面鏡112をX方向の回転軸1121の周りに所定の角度αだけ正負両方向に回転させる平面鏡回転駆動系1171、およびX方向と直交する方向の回転軸1122の周りに所定の角度αだけ正負両方向に回転させる平面鏡回転駆動系1172が追加され、これらを含めて制御処理部216により制御されている。これにより、基板6に入射する照明光1002を、基板6の法線から±2αの入射角でX,Y両方向から照射することができる。
【0030】
次に、第2の実施例の露光装置による露光処理シーケンスを図11により説明する。まず、ステップS931において平面鏡112を第1の角度であるX軸回転角をα、Y軸回転角を0に設定する。この時、照明光1002は−Y方向に2αの角度で基板6に入射する。ステップS932では、マーク検出を行った後、マスク71と基板6のマーク位置が一致するよう基板ステージ115の位置調整を行い、ステップS933で前記所定時間、露光する。この露光も実施例1で説明したのと同様に、ステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。この第1の露光位置での基板6とマスク71の配置を図12に示す。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
【0031】
次に、ステップS934において、平面鏡112を第2の角度であるX軸回転角を−α、Y軸回転角を0に設定する。この時、照明光1002はY方向に2αの角度で基板6に入射する。この後、ステップS935で、基板ステージ115を第2の露光位置に移動し、ステップS936でステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。図13に第2の露光位置での基板6とマスク71の配置を示す。点線で示した領域とその内部の矢印はステップS933で露光された領域とその配向方向を示している。基板6は第1の露光領域と対角の方向692に移動し、マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
次に、ステップ937において、平面鏡112を第3の角度であるX軸回転角を0、Y軸回転角をαに設定する。この時、照明光1002は−X方向に2αの角度で基板6に入射する。この後、ステップ938で、基板ステージ115を第3の露光位置に移動し、ステップ939でステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。図14に第3の露光位置での基板6とマスク71の配置を示す。基板6は第2の露光位置に対して方向693に移動している。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
次に、ステップ940において、平面鏡112を第4の角度であるX軸回転角を0、Y軸回転角を−αに設定する。この時、照明光1002はX方向に2αの角度で基板6に入射する。この後、ステップ941で、基板ステージ115を第3の露光位置に移動し、ステップ942でステップアンドリピート方式で基板6の全面をプロキシミティ露光する。図15に第4の露光位置での基板6とマスク71の配置を示す。基板6は第3の露光位置に対して方向694に移動している。マスク71の白抜きをした開口部710を通過した露光光により、基板6上の配向膜の露光領域は矢印で示した方向の配向特性が付与される。
【0032】
以上の第1〜第4の露光位置で露光することにより、図3に示す、画素内で4方向の配向領域を生成することができる。第2の実施例では露光間の基板搬送が不要になる分、処理時間が短縮できる長所がある。
【実施例3】
【0033】
次に、上記,第1または第2の実施例による領域別斜め光露光で図3に示したように1画素を4つの領域に分割して4方向の配向特性を付与する方法について説明したが,この1画素を4つの領域に分割してそれぞれの領域に配向特性を付与したガラス基板を組合わせることにより、液晶パネルとして1画素内に4方向の配向特性を付与する方法を図16及び17により説明する。
【0034】
液晶パネルは、配向膜65が形成されたアレイ側基板と同じく配向膜66が形成された対向基板の間に液晶を挟んで製作される。図16の(a)はアレイ側基板65の画素内配向分布、(b)は対向基板66の画素内配向分布、(c)は電圧印加時の液晶の配向分布を示す。(a)のアレイ側基板65上の画素641内と(b)の対向基板66上の画素642内は、それぞれ4領域に分割されており、それぞれの領域は第1または第2の実施例で説明した方法により配向特性が付与されている。画素641内の配向と画素642内の配向は反対方向になっている。
【0035】
図16(C)の点線で囲んだ2段目の領域691における液晶パネルの断面図を図17に示す。図17では、アレイ側のガラス基板651上に電極膜652と配向膜65が形成されており、対向基板であるガラス基板661上にも電極膜662と配向膜66が形成されている。配向膜65,66の左半分の配向方向は、それぞれ方向655,665のように紙面と垂直な面内で反対方向を向いており、配向膜65,66の右半分の配向方向は、それぞれ方向656,666のように紙面内で反対方向を向いている。この状態で電極膜652,662間に交流電圧67を印加すると、液晶82は、左半分では紙面に垂直な面内、右半分では紙面内で配向する。
【0036】
以上示したように,アレイ基板と対向基板において対応箇所の配向膜の配向方向が平行なため,液晶の応答性を向上させることができる。
【0037】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である
ことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
1・・・第1の露光装置 110・・・光源 111・・・凹面鏡 112・・・平面鏡 1131,1132,1133,1134・・・アライメントスコープ 114・・・基板チャック 115・・・基板ステージ 116・・・制御・処理部 1171、1172・・・回転駆動部 2・・・第2の露光装置 3,4・・・ロボットアーム 5・・・回転ローダ 6・・・基板 71,72・・・マスク 81,82・・・液晶。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1のマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に配向特性を付与する第1の露光ユニットと、
前記基板に第2のマスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に配向特性を付与する第2の露光ユニットと、
前記第1の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させ、前記第2の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させ、前記第1の露光ユニットで露光した基板を前記第2の露光ユニットへ供給する基板反転移送手段と、
前記第1の露光ユニットと前記基板反転移送手段との間で前記基板を搬送する第1の搬送手段と、
前記第2の露光ユニットと前記基板反転移送手段との間で前記基板を搬送する第2の搬送手段と
を備えた露光装置であって、
前記第1の露光ユニットは、前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第1の配向特性を付与した後に前記基板反転移送手段で向きを反転させた基板に前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第2の配向特性を付与し、前記第2の露光ユニットは、前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第3の配向特性を付与した後に前記基板反転移送手段で向きを反転させた基板に前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第4の配向特性を付与することを特徴とする液晶用配向膜露光装置。
【請求項2】
前記第1の露光ユニットの前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の露光ユニットの前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは直交していることを特徴とする請求項1記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項3】
前記第1の露光ユニットの前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の露光ユニットの前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは、それぞれ前記基板の表面の法線方向に対して4度以上40度以下に傾斜した方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項4】
前記第1の露光ユニットと前記第2の露光ユニットとは、それぞれプロキシミティ露光を行い、それぞれ前記基板を前記第1および第2のマスクに対してステップ送りして順次露光するステップアンドリピートにより前記基板の全面を露光することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項5】
表面に液晶用配向膜を形成した基板を載置して平面内で移動が可能で、かつ前記平面に対して垂直な軸の周りに回転可能なステージ手段と、
該ステージ手段に載置された基板上の第1の領域にマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射し前記基板上の前記第1の領域と異なる領域に前記マスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射する露光光照射手段と、
前記ステージ手段と前記露光光照射手段とを制御する制御手段と
を備えた液晶用配向膜を露光して該液晶用配向膜に配向特性を付与する装置であって、
前記制御手段は、前記露光光照射手段を制御して前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した後に前記ステージ手段を制御して前記基板の向きを反転させ、前記露光光照射手段を制御して前記向きを反転させた基板に前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第1の領域に第2の配向特性を付与し、次に前記露光光照射手段を制御して前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した後に前記ステージ手段を制御して前記基板の向きを反転させ、前記露光光照射手段を制御して前記向きを反転させた基板に前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第4の領域に第2の配向特性を付与することを特徴とする液晶用配向膜露光装置。
【請求項6】
前記露光光照射手段が前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の傾斜した方向とは直交していることを特徴とする請求項5記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項7】
前記露光光照射手段が前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の傾斜した方向とは、それぞれ前記基板の表面の法線方向に対して4度以上40度以下に傾斜した方向であることを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項8】
前記露光光照射手段はプロキシミティ露光を行い、前記ステージ手段は前記基板を前記マスクに対してステップ送りして順次露光するステップアンドリピートにより前記基板の全面を露光することを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項9】
表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与し、
該液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、
該向きを反転させた基板に前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与し、
該液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与した基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与し、
該液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、
該向きを反転させた基板に前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第4の領域に第4の配向特性を付与する
ことを特徴とする液晶用配向膜露光方法。
【請求項10】
前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは直交していることを特徴とする請求項9記載の液晶用配向膜露光方法。
【請求項11】
前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは、それぞれ前記基板の表面の法線方向に対して4度以上30度以下に傾斜した方向であることを特徴とする請求項9又は10に記載の液晶用配向膜露光方法。
【請求項12】
前記第1の配向特性を付与する露光と前記第2の配向特性を付与する露光と前記第3の配向特性を付与する露光と前記第4の配向特性を付与する露光とは、それぞれプロキシミティ露光であり、それぞれ前記基板をステップ送りして順次露光するステップアンドリピートにより前記基板の全面を露光することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の液晶用配向膜露光方法。
【請求項13】
表面に第1の液晶用配向膜が形成された第1の基板と表面に第2の液晶用配向膜が形成された第2の基板の間に液晶を挟んで形成した液晶パネルであって、
前記第1の基板の第1の液晶用配向膜は前記液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割して該分割した各小領域毎に配向特性が付与されており、
前記第2の基板の第2の液晶用配向膜は前記液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割して該分割した各小領域毎に配向特性が付与されている
ことを特徴とする液晶パネル。
【請求項14】
前記第1の基板の第1の液晶用配向膜の各小領域及び前記第2の基板の第2の液晶用配向膜の各小領域は、それぞれの領域ごとに傾斜した方向から露光光を照射することにより各小領域毎の配向特性が付与されたものであることを特徴とする請求項13に記載の液晶パネル。
【請求項1】
表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1のマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に配向特性を付与する第1の露光ユニットと、
前記基板に第2のマスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に配向特性を付与する第2の露光ユニットと、
前記第1の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させ、前記第2の露光ユニットで露光した基板の向きを反転させ、前記第1の露光ユニットで露光した基板を前記第2の露光ユニットへ供給する基板反転移送手段と、
前記第1の露光ユニットと前記基板反転移送手段との間で前記基板を搬送する第1の搬送手段と、
前記第2の露光ユニットと前記基板反転移送手段との間で前記基板を搬送する第2の搬送手段と
を備えた露光装置であって、
前記第1の露光ユニットは、前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第1の配向特性を付与した後に前記基板反転移送手段で向きを反転させた基板に前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第2の配向特性を付与し、前記第2の露光ユニットは、前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第3の配向特性を付与した後に前記基板反転移送手段で向きを反転させた基板に前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜に第4の配向特性を付与することを特徴とする液晶用配向膜露光装置。
【請求項2】
前記第1の露光ユニットの前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の露光ユニットの前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは直交していることを特徴とする請求項1記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項3】
前記第1の露光ユニットの前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の露光ユニットの前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは、それぞれ前記基板の表面の法線方向に対して4度以上40度以下に傾斜した方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項4】
前記第1の露光ユニットと前記第2の露光ユニットとは、それぞれプロキシミティ露光を行い、それぞれ前記基板を前記第1および第2のマスクに対してステップ送りして順次露光するステップアンドリピートにより前記基板の全面を露光することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項5】
表面に液晶用配向膜を形成した基板を載置して平面内で移動が可能で、かつ前記平面に対して垂直な軸の周りに回転可能なステージ手段と、
該ステージ手段に載置された基板上の第1の領域にマスクを介して第1の傾斜した方向から露光光を照射し前記基板上の前記第1の領域と異なる領域に前記マスクを介して第2の傾斜した方向から露光光を照射する露光光照射手段と、
前記ステージ手段と前記露光光照射手段とを制御する制御手段と
を備えた液晶用配向膜を露光して該液晶用配向膜に配向特性を付与する装置であって、
前記制御手段は、前記露光光照射手段を制御して前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した後に前記ステージ手段を制御して前記基板の向きを反転させ、前記露光光照射手段を制御して前記向きを反転させた基板に前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第1の領域に第2の配向特性を付与し、次に前記露光光照射手段を制御して前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した後に前記ステージ手段を制御して前記基板の向きを反転させ、前記露光光照射手段を制御して前記向きを反転させた基板に前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第4の領域に第2の配向特性を付与することを特徴とする液晶用配向膜露光装置。
【請求項6】
前記露光光照射手段が前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の傾斜した方向とは直交していることを特徴とする請求項5記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項7】
前記露光光照射手段が前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記第2の傾斜した方向とは、それぞれ前記基板の表面の法線方向に対して4度以上40度以下に傾斜した方向であることを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項8】
前記露光光照射手段はプロキシミティ露光を行い、前記ステージ手段は前記基板を前記マスクに対してステップ送りして順次露光するステップアンドリピートにより前記基板の全面を露光することを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の液晶用配向膜露光装置。
【請求項9】
表面に液晶用配向膜を形成した基板に第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与し、
該液晶用配向膜の第1の領域に第1の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、
該向きを反転させた基板に前記第1の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与し、
該液晶用配向膜の第2の領域に第2の配向特性を付与した基板に第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与し、
該液晶用配向膜の第3の領域に第3の配向特性を付与した基板の向きを反転させ、
該向きを反転させた基板に前記第2の傾斜した方向から露光光を照射して前記液晶用配向膜の第4の領域に第4の配向特性を付与する
ことを特徴とする液晶用配向膜露光方法。
【請求項10】
前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは直交していることを特徴とする請求項9記載の液晶用配向膜露光方法。
【請求項11】
前記露光光を照射する第1の傾斜した方向と前記露光光を照射する第2の傾斜した方向とは、それぞれ前記基板の表面の法線方向に対して4度以上30度以下に傾斜した方向であることを特徴とする請求項9又は10に記載の液晶用配向膜露光方法。
【請求項12】
前記第1の配向特性を付与する露光と前記第2の配向特性を付与する露光と前記第3の配向特性を付与する露光と前記第4の配向特性を付与する露光とは、それぞれプロキシミティ露光であり、それぞれ前記基板をステップ送りして順次露光するステップアンドリピートにより前記基板の全面を露光することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の液晶用配向膜露光方法。
【請求項13】
表面に第1の液晶用配向膜が形成された第1の基板と表面に第2の液晶用配向膜が形成された第2の基板の間に液晶を挟んで形成した液晶パネルであって、
前記第1の基板の第1の液晶用配向膜は前記液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割して該分割した各小領域毎に配向特性が付与されており、
前記第2の基板の第2の液晶用配向膜は前記液晶パネルの1画素に相当する領域を4つの小領域に分割して該分割した各小領域毎に配向特性が付与されている
ことを特徴とする液晶パネル。
【請求項14】
前記第1の基板の第1の液晶用配向膜の各小領域及び前記第2の基板の第2の液晶用配向膜の各小領域は、それぞれの領域ごとに傾斜した方向から露光光を照射することにより各小領域毎の配向特性が付与されたものであることを特徴とする請求項13に記載の液晶パネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−78697(P2012−78697A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225680(P2010−225680)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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