説明

液晶組成物および液晶表示素子

【課題】液晶相の上限温度が高く、液晶相の下限温度が低く、屈折率異方性が小さくした液晶組成物の提供。
【解決手段】第一成分として、ビシクロヘキサン環骨格を有する化合物の少なくとも一つを含有し、第二成分として、例えば式(2−1)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、第三成分として、例えば式(3−2−1)で表される化合物、さらに第四成分として、特定のシクロヘキサン骨格を有する化合物を組成物全体に対して85重量%以下含有することを特徴とする液晶組成物。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AM−LCDに求められる一般的な特性を満たしながら、かつ、液晶相の上限温度が高く、液晶相の下限温度が低く、屈折率異方性の小さい液晶組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、バックライトを光源とした透過型アクティブマトリックス液晶表示素子(AM−LCD)がフルカラー表示が可能な装置として実用化されている。このバックライトは、かなりの電力を消費するという欠点を有しており、このようなAM−LCDを搭載したデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラは、長時間使用することができないという不都合が生じている。この消費電力の問題を解決するために、反射型のAM−LCDが開発された。反射型のAM−LCDは、S.-T.Wu, C.-S.Wu, C.-L,Kuo 等により SID97 Digest/643 に報告されているように、光が液晶層を2回通過するので、液晶層の厚み(d)と液晶の屈折率異方性(Δn)の積(Δn・d)を小さく設定しなければならない。このため、従来の透過型TNタイプのAM−LCDの液晶に要求されるΔnは0.075〜0.120程度であったが、反射型TNタイプのAM−LCDの液晶にに要求されるΔnは0.07以下である。Δn以外では、反射型のAM−LCDが求める液晶組成物の特性は従来の透過型のAM−LCDと同様に、(1) LCDのコントラストを高く維持するために、高い比抵抗と高い電圧保持率を有すること。
(2) LCDの屋外での使用を可能とするために、ネマチック相を示す温度範囲が広いこと(ネマチック相を示す上限温度が高く、ネマチック相を示す下限温度が低いこと)。
(3) LCDの消費電力を小さくするために、しきい値電圧が低いこと。
(4) LCDの表示速度を速くするために、粘度が小さいこと。
である。AM−LCDに使用可能と考えられる液晶化合物または液晶組成物を開示した文献として、WO96/23851、特開平9−71779、特開平9−110981、DE19629812A1およびWO98/17664を挙げることができる。しかし、これらに開示されている液晶組成物は、本願の比較例で示すように、Δnが大きかったり、Δnが比較的小さくてもネマチック相を示す下限温度が高かったり、電圧保持率が低いという欠点を有しているため、反射型TNタイプのAM−LCDに用いるためには、不十分であった。このように、液晶組成物は、種々の目的に応じて鋭意検討されているものの、常に新たな改良を要求されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開1996−023851パンフレット
【特許文献2】特開平9−71779号公報
【特許文献3】特開平9−110981号公報
【特許文献4】独国特許第19629812号明細書
【特許文献5】国際公開1998−017664パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、AM−LCDに求められる一般的な特性を満たしながら、特に、ネマチック相の上限温度が高く、ネマチック相の下限温度が低く、屈折率異方性の小さな液晶組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく、種々の液晶化合物を用いた液晶組成物を鋭意検討した結果、以下に示す本発明の液晶組成物がフルカラー表示が可能な反射型TNタイプのAM−LCDに使用可能であり、所期の目的を達成できることを見いだした。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
第一成分として、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、第二成分として、一般式(2)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、第三成分として、一般式(3−1)で表される化合物または(3−2)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、さらに第四成分として、一般式(4−1)〜(4−2)で表される化合物群から選ばれた化合物の少なくとも一つを組成物全体に対して85重量%以下含有することを特徴とする液晶組成物である。
【0007】
【化3】

【0008】
【化4】

【0009】
(式中、R、R、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基、または−COO−Rを表し、Zは、単結合または−C−を表し、およびRは、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表し、X、X、XおよびXは、各々独立してHまたはFを表し、XはCl、Fまたは炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、Zは、−COO−、−C−または単結合を表し、ZおよびZは、各々独立して−Cまたは単結合を表す。但し、XおよびXが同時にHの場合、Zは必ず−COO−である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、AM−LCDに求められる一般的な特性を満たしながら、特に、液晶相の上限温度を高くし、液晶相の下限温度を低くし、屈折率異方性を小さくした液晶組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、下記の項などである。
1. 第一成分として、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、第二成分として、一般式(2)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、第三成分として、一般式(3−1)で表される化合物または(3−2)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、さらに第四成分として、一般式(4−1)〜(4−2)で表される化合物群から選ばれた化合物の少なくとも一つを組成物全体に対して85重量%以下含有することを特徴とする液晶組成物。
【0012】
【化1】

【0013】
【化2】

【0014】
(式中、R、R、R、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基、または−COO−Rを表し、Zは、単結合または−C−を表し、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表し、X、X、XおよびXは、各々独立してHまたはFを表し、XはCl、Fまたは炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、Zは、−COO−、−C−または単結合を表し、ZおよびZは、各々独立して−Cまたは単結合を表す。但し、XおよびXが同時にHの場合、Zは必ず−COO−である。)
【0015】
2. ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、ネマチック相の下限温度が−20℃以下であり、かつ、屈折率異方性が0.07以下であることを特徴とする項1に記載の液晶組成物。
【0016】
3. 項1〜2のいずれか1項に記載した液晶組成物を用いた液晶表示素子。
【0017】
本発第四成分として一般式(4−1)〜(4−)で表される化合物群から選ばれた化合物の少なくとも一つを組成物全体に対して85重量%以下含有することを特徴とする液晶組成物である。
【0018】
本発は、ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、ネマチック相の下限温度が−20℃以下であり、屈折率異方性が0.07以下であることを特徴とする液晶組成物である
【0019】
次に、本発明の液晶組成物を構成する化合物の好ましい形態について説明する。一般式(1)で表される化合物の中で、下記の一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0020】
【化5】

【0021】
(式中、RおよびR'は、各々独立して、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基を表す。)
一般式(2)で表される化合物の中で、下記の一般式(2−1)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0022】
【化6】

【0023】
(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基を表す。)
一般式(3−1)で表される化合物の中で、下記の一般式(3−1−1)または(3−1−2)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0024】
【化7】

【0025】
(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基を表す。)
一般式(3−2)で表される化合物の中で、下記の一般式(3−2−1)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0026】
【化8】

【0027】
(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基を表す。)
一般式(4−1)で表される化合物の中で、下記の一般式(4−1−1)〜(4−1−)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0028】
【化9】

【0029】
(式中、は炭素数1〜10の直鎖状アルキル基を表す。)
一般式(4−2)で表される化合物の中で、下記の一般式(4−2−1)〜(4−2−5)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0030】
【化10】

【0031】
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状アルキル基を表す。
【0032】
次に、本発明の液晶組成物を構成する各化合物の液晶組成物における役割について説明する。一般式(1)で表される化合物は、誘電率異方性がほぼゼロであり、比抵抗値が高く、ネマチック相の上限温度が比較的低く、粘度が低く、屈折率異方性がかなり小さいという特徴を有している。このため、一般式(1)で表される化合物は、特に、液晶組成物の電圧保持率を高く維持しながら、粘度を小さくし、屈折率異方性を小さくする目的で使用される。一般式(2)で表される化合物は、誘電率異方性が大きく、比抵抗値が高く、ネマチック相の上限温度が高く、屈折率異方性が比較的小さいという特徴を有している。このため、一般式(2)で表される化合物は、特に、液晶組成物の電圧保持率を高く、かつ、屈折率異方性を小さく維持しながら、ネマチック相の上限温度を高くし、しきい値電圧を小さくする目的で使用される。一般式(3−1)で表される化合物および(3−2)で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物よりも誘電率異方性が大きく、比抵抗値が高い。また、ネマチック相の上限温度が一般式(2)で表される化合物程は高くないが、一般式(1)で表される化合物よりは高く、屈折率異方性が比較的小さいという特徴を有している。このため、一般式(3−1)で表される化合物および(3−2)で表される化合物は、特に、液晶組成物の電圧保持率を高く、かつ、屈折率異方性を小さく維持しながら、しきい値電圧をさらに小さくする目的で使用される。
【0033】
一般式(1)、一般式(2)、および一般式(3−1)または(3−2)で表される化合物を組み合わせることによって、本発明の目的であるAM−LCDに求められる一般的な特性を満たしながら、特に、ネマチック相の上限温度が高く、ネマチック相の下限温度が低く、屈折率異方性を小さくした液晶組成物を達成することが可能となる。例えば、一般式(1)で表される化合物のみからなる組成物、一般式(2)で表される化合物のみからなる組成物、および一般式(3−1)または(3−2)で表される化合物のみからなる組成物は、いずれも本願発明の目的を達成することができない。また、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との組合せのみからなる組成物、一般式(1)で表される化合物と一般式(3−1)または(3−2)で表される化合物との組合せのみからなる組成物、および一般式(2)で表される化合物と一般式(3−1)または(3−2)で表される化合物との組合せのみからなる組成物は、いずれも本願発明の目的とする、特に、ネマチック相の下限温度が低い組成物を得ることがきない。
【0034】
一般式(4−1)で表される化合物は、誘電率異方性がゼロまたは正で、比抵抗値が高く、屈折率異方性が比較的小さく、液晶組成物にこの化合物を添加することにより、低温領域においてスメクチック相の発現を抑制するという特徴を有している。このため、一般式(4−1)で表される化合物は、特に、液晶組成物の電圧保持率を高く、かつ、屈折率異方性を小さく維持しながら、ネマチック相の下限温度を調整するまたはしきい値電圧を調整する目的で使用される。一般式(4−2)で表される化合物は、誘電率異方性が比較的大きく、比抵抗値が高く、ネマチック相の上限温度が比較的高く、屈折率異方性が比較的小さいという特徴を有している。このため、本発明の一般式(4−2)で表される化合物は、特に、液晶組成物の電圧保持率を高く、かつ、屈折率異方性を小さく維持しながら、ネマチック相の上限温度を高くし、しきい値電圧をさらに低くする目的で使用する
【0035】
次に、本発明の液晶組成物を構成する化合物の好ましい成分比並びにその理由について説明する。一般式(1)で表される化合物は、組成物中に多量に存在すると、液晶組成物のネマチック相下限温度を高くすることがある。このため、一般式(1)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して、95重量%以下にすることが好ましく、より好ましくは75重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下である。また、液晶組成物の屈折率異方性を極力小さくするために、一般式(1)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して、5重量%以上にすることが好ましく、より好ましくは10重量%以上である。液晶組成物の屈折率異方性を極力小さくしかつ粘度を小さくするためには、一般式(1)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して20重量%以上にすることがさらに好ましい。
【0036】
一般式(2)で表される化合物は、組成物中に多量に存在すると、液晶組成物のネマチック相下限温度を高くすることがある。このため、一般式(2)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して、25重量%以下にすることが好ましく、より好ましくは20重量%以下である。また、液晶組成物のしきい値電圧を比較的低くし、なおかつ、ネマチック相の上限温度を高くするために、一般式(2)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して、5重量%以上にすることが望ましい。一般式(3−1)で表される化合物および一般式(3−2)で表される化合物は、組成物中に多量に存在すると、液晶組成物のネマチック相下限温度を高くすることがある。このため、一般式(3−1)で表される化合物または(3−2)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して、70重量%以下にすることが好まく、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。また、液晶組成物のしきい値電圧をさらに低くし、組成物のネマチック相の下限温度を低くするためには、一般式(3−1)で表される化合物または(3−2)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して、5重量%以上にすることが望ましい。本発明の液晶組成物において第四成分を用いる場合、一般式(4−1)〜(4−)で表される化合物が液晶組成物中に多量に存在すると、液晶組成物のネマチック相下限温度を高くすることがある。このため、一般式(4−1)〜(4−)で表される化合物の液晶組成物に占める割合を液晶組成物の全重量に対して、85重量%以下にすることが好ましく、より好ましくは65重量%以下であり、液晶組成物の屈折率異方性を小さくし、かつ、ネマチック相下限温度を極力低くするためには55重量%以下がさらに好ましい。
【0037】
次に、本発明を構成する組成物の持つ特性値について詳細に説明する。ネマチック相の上限温度が70℃より低く、ネマチック相の下限温度が−20℃より高い液晶組成物を使用したディスプレイは、使用する環境温度に制限があり、特に、屋外で使用する場合には、表示ができなくなり、ディスプレイとしての機能を果たせなくなる恐れがある。このため、液晶組成物のネマチック相範囲は、上限温度を70℃以上、下限温度を−20℃以下にすることが望ましい。測定温度が25℃、使用波長が589nmの条件で測定した屈折率異方性が0.07より大きい液晶組成物を使用した場合、反射型のAM−LCDでは、白色の表示が若干黄色みを帯びてしまうことがある。このため、液晶組成物の屈折率異方性は、0.07以下にすることが望ましい。
【0038】
本願発明の液晶組成物に使用される化合物はいずれも既知の化合物である。例えば、一般式(1−2)の化合物は、特開昭58−170733にその合成法が記載されている。一般式(2)で表される化合物の一例として、一般式(2−1)の物、一般式(3−1)で表される化合物の一例として、一般式(3−1−1)の物、一般式(3−2)で表される化合物の例として、一般式(3−2−1)の物、一般式(4−1)で表される化合物の例として、一般式(4−1−5)の物および一般式(4−2)で表される化合物の例として、一般式(4−2−2)の物が、特開平2−233626にそれぞれの合成法が記載されているこのように、本願発明の組成物を構成するそれぞれの化合物は、先行文献を参考にすることによって、合成し得るものである。本発明の液晶組成物には、本発明の目的を害さない範囲で、前記の一般式で表される化合物以外の液晶化合物を混合して使用することもできる。本発明の液晶組成物は、それ自体慣用な方法で調製される。一般には、種々の化合物を混合し、高い温度で互いに溶解させる方法をとる。本発明の液晶組成物には、液晶分子のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を調整する目的で、コレステリックノナノエート等のキラルドープ剤を添加して使用してもよい。また、本発明の液晶組成物は、メロシアニン系、スチリル系、アゾ系、アゾメチン系、アゾキシ系、キノフタロン系、アントラキノン系およびテトラジン系の二色性色素を添加してゲストホストモードの液晶組成物としても使用することができるし、ポリマー分散型液晶表示素子、複屈折制御モードおよび動的散乱モードの液晶組成物としても使用することができる。イン・プレイン・スイッチング方式の液晶組成物としても使用することができる。
【実施例】
【0039】
実施例以下に、実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されるもではない。比較例および実施例に示した組成比は全て重量%で表した。比較例および実施例で用いた化合物は、表1に示した定義に基き、記号で表した。液晶組成物の特性は、ネマチック液晶相の上限温度をTNI、ネマチック液晶相の下限温度をTC、粘度をη、屈折率異方性をΔn、しきい値電圧をVth、電圧保持率をVHRで表した。TNIは、偏光顕微鏡を用い、昇温過程において、ネマチック相から等方相液体に変化するときの温度を測定することにより求めた。TCは、10℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、−40℃の各々のフリーザー中に、液晶組成物を30日間放置し、液晶相の変化で判断した。例えば、一つの液晶組成物について、−20℃でネマチック状態をとり、−30℃で結晶化またはスメクチック状態となった場合には、その液晶組成物のTCは、<−20℃と表現した。ηは、20℃で測定した。Δnは、589nmの波長を有する光源ランプを使用し、25℃で測定した。Vthは、セルギャップが(0.4/Δn)μm、ツイスト角が80°のセルを用い、ノーマリーホワイトモードで、周波数が32Hzの矩形波を印加し、セルを通過する光の透過率が90%になったときに印加されている電圧の値を25℃で測定した。VHRは、25℃にて面積法にて求めた。
【0040】
【表1】

【0041】
比較例1
WO96/23851に開示された組成物中で、末端にCN基を有しない化合物のみからなり、Δnが最も小さい組成物として実施例19の物を調製した。
2−HHB(F,F)−F 16%
3−HHB(F,F)−F 12%
5−HHB(F,F)−F 6%
2−HHB−OCF3 16%
3−HHB−OCF3 10%
2−HDB(F,F)−F 10%
3−HDB(F,F)−F 8%
3−HH−4 10%
3−HH−5 8%
7−HB−F 4%
上記組成物の特性は、以下のようであった。
TC < 0℃
TNI = 78.0℃
η = 17.0mPa・s
Δn = 0.066
Vth = 1.22V
VHR = 98.3%
この組成物は、Δnは小さいが、TC点が高いという欠点を有している。
【0042】
比較例2
特開平9−71779に開示された組成物中で、TNIが高く、かつ、Δnが最も小さい組成物として例2の物を調製した。
5−HB−CL 10%
2−HBEB(F,F)−F 2%
3−HBEB(F,F)−F 2%
5−HBEB(F,F)−F 1%
3−HB−O2 6%
3−HH−4 12%
3−HHB−1 7%
3−HHB−F 4%
2−HHB(F)−F 9%
3−HHB(F)−F 9%
5−HHB(F)−F 10%
2−HBB(F)−F 4%
3−HBB(F)−F 5%
5−HBB(F)−F 9%
3−HHEB−F 5%
5−HHEB−F 5%
上記組成物の特性は、以下のようであった。
TC < −40℃
TNI = 96.4℃
η = 18.0mPa・s
Δn = 0.091
Vth = 2.18V
VHR = 98.5%
この組成物は、Δnが大きいという欠点を有している。
【0043】
比較例3
特開平9−110981に開示された組成物中で、Δnが最も小さい組成物として表5の物を調製した。
7−HB(F,F)−F 4.0%
2−HHB(F)−F 15.0%
3−HHB(F)−F 15.0%
5−HHB(F)−F 15.0%
2−H2HB(F)−F 9.2%
3−H2HB(F)−F 4.6%
5−H2HB(F)−F 9.2%
3−HHB−F 4.0%
2−HHB(F,F)−F 4.0%
3−HHB(F,F)−F 5.0%
3−HHEBB−F 4.0%
5−HHEBB−F 3.0%
3−HHB−1 8.0%
上記組成物の特性は、以下のようになった。
TC < −10℃
TNI = 118.3℃
η = 26.4mPa・s
Δn = 0.083
Vth = 2.00V
VHR = 98.2%
この組成物は、Δnが大きいく、TC点が高いという欠点を有している。
【0044】
比較例4
DE19629812A1に開示された組成物中で、本願に類似した組成物としてEx.Hの物を調製した。
7−HB−F 1.5%
2−HHB(F,F)−F 8.0%
3−HHB(F,F)−F 10.0%
5−HHB(F,F)−F 5.0%
2−HHB−OCF3 9.0%
3−HHB−OCF3 6.0%
5−HHB−OCF3 4.0%
2−HB(F)B(F,F)−F 9.0%
3−HB(F)B(F,F)−F 8.5%
5−HB(F)B(F,F)−F 10.0%
3−HH−5 6.0%
2−HHEB(F,F)−F 3.0%
3−HHEB(F,F)−F 18.0%
5−HHEB(F,F)−F 2.0%
上記組成物の特性は、以下のようであった。
TC < −10℃
TNI = 77.0℃
η = 19.0mPa・s
Δn = 0.086
Vth = 1.17V
VHR = 98.1%
この組成物は、Δnが大きいく、TC点が高いという欠点を有している。
【0045】
参考例
第一成分、
3−HH−4 5%
3−HH−EMe 30%
5−HH−EMe 15%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
5−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 6%
3−HDB(F,F)−F 6%
4−HDB(F,F)−F 6%
5−HDB(F,F)−F 5%
2−H2DB(F,F)−F 4%
3−H2DB(F,F)−F 5%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下のとおりであった。
TC < −20℃
TNI = 79.1℃
η = 22.9mPa・s
Δn = 0.061
Vth = 1.64V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0046】
参考例
第一成分、
3−HH−4 11%
3−HH−EMe 29%
5−HH−EMe 10%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
5−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 8%
3−HDB(F,F)−F 8%
4−HDB(F,F)−F 8%
5−HDB(F,F)−F 8%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下のようになった。
TC < −20℃
TNI = 80.1℃
η = 20.3mPa・s
Δn = 0.061
Vth = 1.58V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0047】
参考例
第一成分、
5−HH−O1 5%
3−HH−EMe 30%
5−HH−EMe 15%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
5−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 6%
3−HDB(F,F)−F 6%
4−HDB(F,F)−F 6%
5−HDB(F,F)−F 5%
2−H2DB(F,F)−F 4%
3−H2DB(F,F)−F 5%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −20℃
TNI = 78.2℃
η = 22.1mPa・s
Δn = 0.061
Vth = 1.62V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0048】
参考例
第一成分、
3−HH−4 11%
3−HH−EMe 29%
5−HH−EMe 10%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
5−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 6%
3−HDB(F,F)−F 7%
4−HDB(F,F)−F 7%
5−HDB(F,F)−F 7%
5−DHB(F,F)−F 5%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −20℃
TNI = 78.5℃
η = 21.3mPa・s
Δn = 0.062
Vth = 1.48V
VHR = 98.5%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0049】
実施例5
第一成分、
3−HH−4 8%
3−HH−EMe 12%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 6%
3−HDB(F,F)−F 6%
4−HDB(F,F)−F 6%
第四成分、
5−HEB−F 9%
7−HEB−F 10%
3−H2HB(F,F)−F 10%
3−HH2B(F,F)−F 5%
3−HHB(F,F)−F 5%
その他成分、
3−HHEB−F 5%
5−HHEB−F 4%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −20℃
TNI = 81.7℃
η = 22.2mPa・s
Δn = 0.065
Vth = 1.45V
VHR = 98.5%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0050】
実施例6
第一成分、
3−HH−4 8%
3−HH−EMe 23%
5−HH−EMe 8%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
5−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 5%
3−HDB(F,F)−F 4%
2−H2DB(F,F)−F 6%
3−H2DB(F,F)−F 7%
4−H2DB(F,F)−F 4%
第四成分、
5−HEB−F 5%
7−HEB−F 5%
その他成分、
3−HHEB−F 5%
5−HHEB−F 2%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下のようになった。
TC < −20℃
TNI = 76.0℃
η = 21.9mPa・s
Δn = 0.062
Vth = 1.63V
VHR = 98.3%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0051】
実施例7
第一成分、
3−HH−4 12%
3−HH−EMe 22%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
3−HDB(F,F)−F 6%
4−HDB(F,F)−F 5%
5−HDB(F,F)−F 6%
2−H2DB(F,F)−F 4%
3−H2DB(F,F)−F 5%
第四成分、
7−HB(F)−F 10%
その他成分、
3−HHEB−F 8%
5−HHEB−F 8%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −20℃
TNI = 80.2℃
η = 18.4mPa・s
Δn = 0.063
Vth = 1.63V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0052】
実施例8
第一成分、
3−HH−4 5%
2−HH−EMe 13%
3−HH−EMe 21%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
5−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
3−HDB(F,F)−F 6%
4−HDB(F,F)−F 6%
2−H2DB(F,F)−F 4%
3−H2DB(F,F)−F 4%
第四成分、
3−H2HB(F,F)−F 7%
その他成分、
3−HHEB−F 8%
5−HHEB−F 8%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りでなった。
TC < −20℃
TNI = 89.3℃
η = 23.0mPa・s
Δn = 0.064
Vth = 1.74V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0053】
実施例9
第一成分、
2−HH−EMe 25%
3−HH−EMe 25%
5−HH−EMe 10%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 3%
5−HHEB(F,F)−F 3%
第三成分、
3−HDB(F,F)−F 4%
4−HDB(F,F)−F 3%
5−HDB(F,F)−F 4%
第四成分、
3−HHB(F)−F 3%
その他成分、
3−HHEB−F 5%
5−HHEB−F 5%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −30℃
TNI = 80.1℃
η = 17.3mPa・s
Δn = 0.059
Vth = 2.17V
VHR = 98.3%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0054】
実施例10
第一成分、
3−HH−4 11%
2−HH−EMe 16%
3−HH−EMe 11%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 8%
3−HDB(F,F)−F 6%
4−HDB(F,F)−F 6%
5−HDB(F,F)−F 6%
第四成分、
5−HEB−F 4%
7−HEB−F 3%
その他成分、
3−HHEB−F 8%
5−HHEB−F 7%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −30℃
TNI = 79.8℃
η = 19.4mPa・s
Δn = 0.061
Vth = 1.58V
VHR = 98.5%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0055】
参考例
第一成分、
3−HH−4 11%
2−HH−EMe 15%
3−HH−EMe 14%
5−HH−EMe 8%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
5−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 8%
3−HDB(F,F)−F 8%
4−HDB(F,F)−F 8%
5−HDB(F,F)−F 8%
(その他成分)
3−HHEB−F 2%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −40℃
TNI = 75.3℃
η = 19.0mPa・s
Δn = 0.060
Vth = 1.47V
VHR = 98.7%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0056】
実施例12
第一成分、
3−HH−EMe 25%
5−HH−EMe 10%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 8%
第三成分、
2−HDB(F,F)−F 6%
3−HDB(F,F)−F 3%
4−HDB(F,F)−F 4%
5−HDB(F,F)−F 7%
2−H2DB(F,F)−F 4%
3−H2DB(F,F)−F 6%
4−H2DB(F,F)−F 4%
5−DHB(F,F)−F 10%
第四成分、
5−HEB(F,F)−F 6%
その他成分、
3−HHEB−F 4%
5−HHEB−F 3%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −30℃
TNI = 71.0℃
η = 24.8mPa・s
Δn = 0.062
Vth = 1.22V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0057】
実施例13
第一成分、
3−HH−4 6%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 3%
5−HHEB(F,F)−F 3%
第三成分、
3−HDB(F,F)−F 5%
4−HDB(F,F)−F 5%
5−HDB(F,F)−F 5%
4−DHB(F,F)−F 12%
5−DHB(F,F)−F 20%
第四成分、
7−HB(F,F)−F 4%
3−H2HB(F,F)−F 10%
4−H2HB(F,F)−F 7%
その他成分、
3−HHEB−F 5%
5−HHEB−F 5%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −20℃
TNI = 71.0℃
η = 38.3mPa・s
Δn = 0.065
Vth = 0.90V
VHR = 98.2%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0058】
実施例14
第一成分、
3−HH−4 9%
3−HH−EMe 23%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 5%
第三成分、
4−HDB(F,F)−F 5%
5−HDB(F,F)−F 6%
2−H2DB(F,F)−F 4%
3−H2DB(F,F)−F 5%
5−DHB(F,F)−F 7%
第四成分、
7−HB(F)−F 7%
5−HB−CL 3%
その他成分、
3−HHEB−F 8%
5−HHEB−F 8%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −30℃
TNI = 79.4℃
η = 19.9mPa・s
Δn = 0.064
Vth = 1.50V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0059】
実施例15
第一成分、
3−HH−4 7%
3−HH−EMe 26%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 10%
4−HHEB(F,F)−F 4%
第三成分、
3−HDB(F,F)−F 6%
4−HDB(F,F)−F 6%
5−HDB(F,F)−F 6%
2−H2DB(F,F)−F 4%
3−H2DB(F,F)−F 4%
第四成分、
5−H2B(F)−F 6%
3−HB−O2 5%
3−HHB−F 3%
その他成分、
3−HHEB−F 8%
5−HHEB−F 5%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −20℃
TNI = 85.1℃
η = 19.4mPa・s
Δn = 0.064
Vth = 1.72V
VHR = 98.6%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0060】
参考例
第一成分、
3−HH−EMe 30%
5−HH−EMe 15%
3−HH−O1 20%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 9%
4−HHEB(F,F)−F 3%
5−HHEB(F,F)−F 3%
第三成分、
3−HDB(F,F)−F 4%
5−HDB(F,F)−F 4%
(その他成分)

3−HHEB−F 6%
5−HHEB−F 6%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −20℃
TNI = 79.2℃
η = 17.7mPa・s
Δn = 0.058
Vth = 2.47V
VHR = 98.3%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【0061】
実施例17
第一成分、
3−HH−O1 25%
3−HH−O2 8%
5−HH−O2 10%
7−HH−O1 7%
第二成分、
3−HHEB(F,F)−F 7%
4−HHEB(F,F)−F 3%
5−HHEB(F,F)−F 3%
第三成分、
5−HDB(F,F)−F 5%
第四成分、
2−HHB(F)−F 8%
3−HHB(F)−F 7%
5−HHB(F)−F 7%
その他成分、
3−HHEB−F 5%
5−HHEB−F 5%
からなる組成物を調製した。この組成物の特性は、以下の通りであった。
TC < −30℃
TNI = 72.6℃
η = 16.3mPa・s
Δn = 0.058
Vth = 2.05V
VHR = 98.4%
この組成物は、VHRが高く、TNIが高く、TC点が低く、Δnが小さい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本願発明の液晶組成物は、AM−LCDに求められる一般的な特性を満たしており、特に、液晶相の上限温度が高く、液晶相の下限温度を低く、屈折率異方性が小さいため、ディスプレイ等の電子機器の材料として好ましく利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一成分として、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、第二成分として、一般式(2)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、第三成分として、一般式(3−1)で表される化合物または(3−2)で表される化合物の少なくとも一つを含有し、さらに第四成分として、一般式(4−1)〜(4−2)で表される化合物群から選ばれた化合物の少なくとも一つを組成物全体に対して85重量%以下含有することを特徴とする液晶組成物。
【化1】

【化2】

(式中、R、R、R、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基、または−COO−Rを表し、Zは、単結合または−C−を表し、RおよびRは、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を表し、X、X、XおよびXは、各々独立してHまたはFを表し、XはCl、Fまたは炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、Zは、−COO−、−C−または単結合を表し、ZおよびZは、各々独立して−Cまたは単結合を表す。但し、XおよびXが同時にHの場合、Zは必ず−COO−である。
【請求項2】
ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、ネマチック相の下限温度が−20℃以下であり、かつ、屈折率異方性が0.07以下であることを特徴とする請求項に記載の液晶組成物。
【請求項3】
請求項1〜のいずれか1項に記載した液晶組成物を用いた液晶表示素子。

【公開番号】特開2010−106279(P2010−106279A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282850(P2009−282850)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【分割の表示】特願平10−314523の分割
【原出願日】平成10年11月5日(1998.11.5)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】