説明

液晶表示モジュール

【課題】近赤外線吸収機能を有し、近赤外線の放出及び輝度等の性能の低下を抑制する液晶表示モジュールの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、一対の偏光板間に液晶セルを挟持してなる液晶表示素子と、この液晶表示素子の裏面側に重設される光学シートと、この光学シートの裏面側に重設される面光源のバックライトとを装備する液晶表示モジュールであって、上記バックライトの表面側に重設される光拡散シートを備えており、この光拡散シートが、透明な基材層とその表面側に積層される光拡散層とを有し、近赤外線吸収剤を含有し、近赤外線透過率が50%以下であることことを特徴とする。上記光拡散シートは、液晶表示素子の裏面(液晶表示素子と反射偏光板の間)に重設するとよい。当該光拡散シートは、基材層等に近赤外線吸収剤を含有してもよく、近赤外線吸収剤を含有する近赤外線吸収層を有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外線吸収機能を有する液晶表示モジュールに関し、詳細には近赤外線吸収機能を有する光拡散シートを備える液晶表示モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示モジュール(LCD)は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かしてフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途は携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、テレビなどの情報用表示デバイスとして年々拡大している。近年、液晶表示モジュールに要求される特性は、用途により様々であるが、明るい(高輝度化)、見やすい(広視野角化)、省エネルギー化、薄型軽量化等が挙げられる。
【0003】
従来の一般的な液晶表示モジュールは、図7に示すように液晶表示素子61、各種の光学シート62及びバックライト63が表面側から裏面側にこの順に重畳された構造を有している。液晶表示素子61は、一対の偏光板64,65間に液晶セル66が挟持された構造を有し、TN、IPS等の様々な表示モードが提案されている。バックライト63は、液晶表示素子61を裏面側から照らして発光させるものであり、エッジライト型(サイドライト型)、直下型など形態が普及している。各種光学シート62は、液晶表示素子61及びバックライト63間に重畳されており、バックライト63の表面から出射された光線を効率良くかつ均一に液晶表示素子61全面に入射させるべく、法線方向側への屈折、拡散等の光学的機能を有する光拡散シート、プリズムシート等を備えている。
【0004】
液晶表示素子61の偏光板64,65は、吸収2色性により原理的に50%の光が吸収されるため、液晶表示モジュールの光の利用効率を低下する大きな理由の一つとなっている。このような偏光板64,65による光の利用効率を低下を改善すべく、液晶表示モジュールにおける裏面側偏光板65の裏面側に反射偏光板(偏光分離器)を重畳する技術や裏面側偏光板65の代わりに反射偏光板を用いる技術が開発されている。この反射偏光板は、裏面側偏光板65の透過軸成分についてはそのまま透過させ、それ以外の偏光成分を下方側へ戻すことで、光線を再利用するものである。
【0005】
また光学シート62は、具体的には光拡散シート、プリズムシート等であり、一般的には合成樹脂製の透明な基材層と、この基材層の表面に積層される光拡散層、プリズム列層等の光学層とを備えている(例えば特開2000−89007号公報、特開2004−4970号公報等参照)。これらの従来の光学シート62は、所定の構造を有する光学層によって法線方向側への屈折、拡散等の光学的機能を奏するよう構成されており、可視光の制御を意図している。
【特許文献1】特開2000−89007号公報
【特許文献2】特開2004−4970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日まで液晶表示モジュールからは近赤外線の放出がないと考えられていたため、上記従来の液晶表示モジュールは、高輝度化、広視野角化、省エネルギー化、薄型軽量化等の向上を意図して設計されており、近赤外線の放出を防止するような機能を有していない。
【0007】
しかし、本発明者は、上記従来の液晶表示モジュールからもバックライト63の光源として使用される冷陰極管等に起因して近赤外線が放出されていることを見出した。このように液晶表示モジュールから放出される近赤外線により、近赤外線を使用するテレビ、エアコン、ビデオ等の家電機器のリモートコントロールシステムに誤作動を引き起こすおそれがある。また人体に悪影響を及ぼすおそれもある。特に今日では、液晶表示装置の大画面化が促進され、バックライト63の出力が増大する傾向にあるため、上述の近赤外線の放出による影響が大きくなると見込まれる。
【0008】
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、近赤外線吸収機能を有し、近赤外線の放出及び輝度等の性能の低下を抑制することができる液晶表示モジュールの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、
一対の偏光板間に液晶セルを挟持してなる液晶表示素子と、
この液晶表示素子の裏面側に重設される光学シートと、
この光学シートの裏面側に重設される面光源のバックライトと
を装備する液晶表示モジュールであって、
上記バックライトの表面側に重設される光拡散シートを備えており、
この光拡散シートが、透明な基材層とその表面側に積層される光拡散層とを有し、近赤外線吸収剤を含有し、近赤外線透過率が50%以下であることことを特徴とする。
【0010】
当該液晶表示モジュールは、バックライトの表面側に光拡散シートを備えており、この光拡散シートが、近赤外線吸収剤を含有し、近赤外線吸収率が50%以下に調整されていることから、バックライトから放出される近赤外線を効果的に吸収し、近赤外線の外部への放出を抑制することができる。そのため、当該液晶表示モジュールは、近赤外線の放出による人体への悪影響や様々な家電リモートコントロール機器の誤作動を防止することができる。また当該液晶表示モジュールは、近赤外線吸収機能を発現する手段として光拡散シートが用いられていることから、画面のギラツキを抑制することができる。
【0011】
上記光拡散シートは、液晶表示素子の裏面に重設するとよい。液晶表示モジュールにおいて、バックライトの表面から出射される光線の強度は一様ではなく、かつ偏光があるため、その表面側に重設される光学シート(光拡散シート、プリズムシート等)による光学的作用(方向性拡散、法線方向側への屈折等)によって、液晶表示素子に入射する光線の光量増大及び均一化を図っている。一方、当該光拡散シートは、近赤外線吸収機能に起因して光線透過率の減少を招来する。そのため、当該手段のように近赤外線吸収機能を発現する光拡散シートを液晶表示素子の裏面に重設することで、バックライトの表面から出射される光線に対して光学シートによる光学的作用を奏した後に光拡散シートによる近赤外線吸収作用を奏するよう構成されるため、光線の利用効率を高め、近赤外線吸収機能を発現することに起因する当該液晶表示モジュールの輝度の低下を抑制することができる。
【0012】
上記液晶表示素子の裏面側に重設される反射偏光板を備え、上記光拡散シートを液晶表示素子と反射偏光板との間に重設するとよい。このように液晶表示素子の裏面側に反射偏光板を重設することで、液晶表示素子の裏面側偏光板の透過軸成分についてはそのまま透過させ、それ以外の偏光成分を下方側へ戻し、光線の利用効率を向上することができる。また当該手段のように近赤外線吸収機能を発現する光拡散シートを液晶表示素子及び反射偏光板間に重設することで、上記手段と同様に、光量の比較的高い段階で光学的制御を行い、その後に近赤外線吸収を行うよう構成される結果、光線の利用効率を高め、近赤外線吸収機能を発現することに起因する当該液晶表示モジュールの輝度の低下を抑制することができる。
【0013】
当該光拡散シートは、基材層の裏面側に積層され、バインダー中にビーズが分散するスティッキング防止層を有するとよい。このように基材層の裏面側にスティッキング防止層を備えることで、液晶表示モジュールにおいて、当該光拡散シートの裏面側に配設されるプリズムシート、導光板等とのスティッキングが防止される。
【0014】
当該光拡散シートは、基材層、光拡散層及び/又はスティッキング防止層に近赤外線吸収剤を含有するとよい。このように近赤外線吸収剤を光拡散シートの基本構成層に混練することで、層数を増やすことなく近赤外線吸収機能が発現され、当該光拡散シートの薄型化及び輝度の低下防止に寄与する。
【0015】
一方、当該光拡散シートは、基材層及び光拡散層に加え、近赤外線吸収剤を含有する近赤外線吸収層を有してもよい。このように近赤外線吸収層を別途設けることで、光拡散シートの光拡散性等の光学的設計が容易になり、かつ近赤外線吸収機能の制御も容易かつ確実になる。
【0016】
当該光拡散シートの可視光透過率としては50%以上、全光線透過率としては50%以上が好ましい。このように可視光透過率及び全光線透過率を上記範囲とすることで、当該光拡散シートが近赤外線吸収機能を有することに起因する液晶表示モジュールの輝度の低下を抑制することができる。
【0017】
上記光拡散シートの基材層のリタデーション値としては50nm以下が好ましい。液晶表示モジュールにおいて、光線の利用効率を向上させるべく、液晶表示素子の裏面側偏光板(又はその裏面側の反射偏光板)の透過方向に入射光線の偏光方向(光線の偏光成分の最大平面方向)が合致するようバックライト、各種光学シート等の偏光特性が設計されている。そのため、このように基材層のリタデーション値を小さくすることで、当該光拡散シートによる透過光線の偏光方向の変換作用を抑制し、偏光板等の透過軸方向への偏光の最適化及び制御性に対して当該光拡散シートが及ぼす影響を抑制することができる。
【0018】
当該光拡散シートの基材層を構成するマトリックス樹脂としてはポリエチレンテレフタレート又はポリカーボネートを用いとよい。かかるポリエチレンテレフタレートは安価でかつ強度、耐熱性等の諸機能に優れるため、基材層をポリエチレンテレフタレートを主ポリマーとして形成することで、当該光拡散シートの低コスト性、強度、耐熱性、熱的寸法安定性等が促進される。またポリカーボネートはリタデーション値の制御が容易であるため、基材層をポリカーボネートを主ポリマーとして形成することで、当該光拡散シートのリタデーション値を上述のような小さい範囲等に容易かつ確実に調整することができる。
【0019】
当該光拡散シートの基材層の平均厚さとしては25μm以上1000μm以下が好ましい。上述のように液晶表示モジュールから放出される近赤外線による悪影響は大画面の液晶表示装置ほど大きいと考えられるが、このように基材層の平均厚さを上記範囲とすることで、当該光拡散シートの強度、撓み防止性等の特性が向上し、液晶表示装置の大画面化に対応することができる。
【0020】
当該光拡散シートの光拡散層の表面粗さ(Ra)としては0.1μm以上0.5μm以下、表面粗さ(Ry)としては1μm以上20μm以下が好ましい。このように光拡散層の表面粗さ(Ra)及び表面粗さ(Ry)を上記範囲とすることで、当該光拡散シートの全光線透過率の低下を抑制しつつ液晶表示モジュールの画面のギラツキを効果的に防止することができる。
【0021】
当該光拡散シートの光拡散層としては、(a)光拡散剤とそのバインダーとを有するもの(ビーズ塗工層等)や、(b)微小な凹凸形状を有するもの(マット層、マイクロレンズアレイ層、プリズムシートのプリズム列層等)とすることができる。かかるビーズ塗工シート、マットシート、マイクロレンズシート、プリズムシートなどの光学シートは通常液晶表示モジュールに使用されているため、当該手段のように一般的に備えられる光学シートとして当該光拡散シートを用いることで、液晶表示モジュールの光学シートの装備枚数の増大を招来することなく、近赤外線の放出が防止され、家電リモートコントロール機器の誤作動を防止することができる。
【0022】
なお、本発明において、「裏面側」とは、当該液晶表示モジュールの表示の観察側と反対側を意味する。「近赤外線透過率」とは波長が900nm以上1100nm以下の光線の透過率を意味し、「可視光透過率」とは波長が400nm以上700nm以下の光線の透過率を意味する。「表面粗さ(Ra)」は算術平均粗さを意味し、「表面粗さ(Ry)」とは最大粗さを意味する。「リタデーション値(Re)」とは、Re=(ny−nx)*dで計算される値である。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明の液晶表示モジュールは、近赤外線吸収機能を有する光拡散シートを重設することで、近赤外線の放出を防止し、近赤外線放出に起因する家電リモートコントロール機器の誤作動等の弊害を防止することができ、さらに輝度等の性能の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る液晶表示モジュールを示す模式的断面図、図2は図1の液晶表示モジュールとは異なる形態に係る液晶表示モジュールを示す模式的断面図、図3〜図6は図1及び図2の液晶表示モジュールに備える光拡散シートとは異なる形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図である。
【0025】
図1の液晶表示モジュールは、直下型であり、液晶表示素子1、光拡散シート2、光学シート3及びバックライト4を備えている。かかる液晶表示素子1、光拡散シート2、光学シート3及びバックライト4(出光面)は、略同一かつ方形の平面形状を有し、表面側から裏面側にこの順に重設されている。
【0026】
液晶表示素子1は、略平行にかつ所定間隔を開けて配設される表面側偏光板5及び裏面側偏光板6と、その間に挟持される液晶セル7とを有している。偏光板5,6は、特に限定されるものではなく、一般的にはヨウ素系偏光子、染料系偏光子、ポリエン系偏光子等の偏光子及びその両側に配置される二枚の透明保護膜から構成される。表面側偏光板5と裏面側偏光板6との透過軸方向は互いに直交するよう構成されており、裏面側偏光板6の透過軸方向は短辺方向と平行(つまり、ランプ12と平行)になるよう構成されている。
【0027】
液晶セル7は、透過する光量を制御する機能を有するものであり、公知の種々のものが採用される。液晶セル7は、一般的には基板、カラーフィルタ、対向電極、液晶層、画素電極、基板等からなる積層構造体である。この画素電極には、ITO等の透明導電膜が用いられている。液晶セル7の表示モードとしては、現在提案されている例えばTN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)等を用いることができる。
【0028】
光拡散シート2は、基材層8と、基材層8の表面に積層される光拡散層9と、基材層8の裏面に積層される近赤外線吸収層10とを備えている。当該光拡散シート2は、近赤外線吸収層10を備えていることから、透過光線のうち近赤外線を効果的に吸収する機能を有している。
【0029】
基材層8は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂から形成されている。かかる基材層8に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。中でも、透明性に優れ、強度、耐熱性、熱的寸法安定性、撓み防止性が高いポリエチレンテレフタレートが好ましく、リタデーション値の制御性に優れるポリカーボネートが好ましい。
【0030】
基材層8の平均厚みとしては、特に限定されないが、25μm以上1000μm以下、特に150μm以上800μm以下、さらに188μm以上500μm以下が好ましい。基材層8の平均厚みが上記範囲未満であると、当該光拡散シート2の強度、撓み防止性等の特性が低下し、液晶表示モジュールの大画面化に対応することができなくなるおそれがある。一方、基材層8の厚みが上記範囲を超えると、当該液晶表示モジュールの輝度が低下してしまうおそれがあり、また液晶表示モジュールの薄型化の要求に反することにもなる。
【0031】
光拡散層9は、表面に微小かつランダムな凹凸形状を有している。この光拡散層9表面の微細凹凸形状により、透過光線を拡散させる機能が奏される。光拡散層9は、基材層8と一体でも別体でもよい。光拡散層9は、上記基材層8と同様の合成樹脂から形成されており、凹凸形状の成形性に優れる紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂、透明性及び強度に優れるポリエチレンテレフタレート及びリタデーション値の制御性に優れるポリカーボネートが特に好ましい。また基材層8としてポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム又はポリカーボネートフィルムを用い、その上に紫外線硬化性樹脂などで光拡散層9を形成することも好ましい。
【0032】
光拡散層9の表面粗さ(Ra)としては、0.1μm以上0.5μm以下が好ましく、0.2μm以上0.4μm以下が特に好ましい。また光拡散層9の表面粗さ(Ry)としては、1μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下が特に好ましい。このように光拡散層9の表面粗さ(Ra)及び表面粗さ(Ry)を上記範囲とすることで、当該光拡散シート2の全光線透過率の低下を抑制しつつ当該液晶表示モジュールの画面のギラツキを効果的に防止することができる。
【0033】
光拡散層9を構成する素材の屈折率の下限としては1.3が好ましく、1.45が特に好ましい。一方、この素材の屈折率の上限としては1.8が好ましく、1.6が特に好ましい。この範囲の中でも、光拡散層9を構成する素材の屈折率としては1.5が最も好ましい。このように光拡散層9を構成する素材の屈折率を上記範囲とすることで、表面の凹凸形状におけるレンズ的屈折作用が効果的に奏され、当該光拡散シート2の拡散機能が高められる。
【0034】
なお、基材層8及び光拡散層9には、上記の合成樹脂の他、例えばフィラー、可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤等が配合されてもよい。
【0035】
近赤外線吸収層10は、マトリックス(バインダー)である合成樹脂と、この合成樹脂中に混合される近赤外線吸収剤とを有している。近赤外線吸収層10に使用される合成樹脂としては、光線を透過させるよう透明、特に無色透明のものであれば特に限定されるものではなく、具体的には上述の活性エネルギー線硬化型樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等を挙げることができる。中でも、成形性が良好な活性エネルギー線硬化型樹脂、透明性が高いアクリル系樹脂、リタデーション値の制御性が良好なポリカーボネート系樹脂が好ましい。
【0036】
近赤外線吸収剤としては、可視光に対して透過率が高く、かつ近赤外光を多く吸収するものが好ましく、具体的には(a)イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、アルミニウム塩系化合物、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物等の有機系近赤外線吸収剤、(b)カーボンブラック、酸化アンチモン又は酸化インジウムをドープした酸化錫、周期表の4、5又は6族に属する金属の酸化物、炭化物又はホウ化物等の無機系近赤外線吸収剤が挙げられ、これらの化合物を適宜組み合わせて使用することができる。中でも、近赤外線吸収性、可視光透過性、耐熱性、耐光性等に優れるイモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物又はアルミニウム塩系化合物が特に好ましい。
【0037】
近赤外線吸収層10をフィルム(シート)成形する場合の近赤外線吸収剤の配合量としては、マトリックスの合成樹脂100質量部(固形分換算)に対し、0.01質量部以上8質量部以下が好ましく、0.03質量部以上1質量部以下が特に好ましい。一方、近赤外線吸収層10を塗工成形する場合の近赤外線吸収剤の配合量としては、マトリックスの合成樹脂100質量部(固形分換算)に対し、1質量部以上40質量部以下が好ましく、2質量部以上15質量部以下が特に好ましい。近赤外線吸収剤の配合量が上記範囲より小さいと十分な近赤外線吸収機能が得られないおそれがあり、逆に近赤外線吸収剤の配合量が上記範囲を超えると可視光の透過率が低下するおそれがある。
【0038】
近赤外線吸収層10の平均厚さとしては、上記近赤外線吸収剤の配合量との関係から可視光透過性及び近赤外線吸収性が好適にバランスするよう適宜決定される。具体的には、フィルム(シート)成形する場合の近赤外線吸収層10の平均厚さとしては、10μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上100μm以下が特に好ましい。一方、塗工成形する場合の近赤外線吸収層10の平均厚さとしては、1μm以上50μm以下が好ましく、3μm以上20μm以下が特に好ましい。
【0039】
なお、近赤外線吸収層10には、上記合成樹脂及び近赤外線吸収剤の他、例えば酸化防止剤、ハロゲン剤、リン酸系などの難燃剤、耐熱老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等を配合することができる。
【0040】
光拡散シート2の製造方法としては、上記構造のものが形成できれば特に限定されるものではなく、種々の方法が採用される。基材層8及び光拡散層9の形成方法としては、基材層8を作成した後に光拡散層9を別に形成する方法と、基材層8と光拡散層9とを一体成形する方法とが可能であり、具体的には、
(a)光拡散層9の表面の反転形状を有するシート型に合成樹脂を積層し、そのシート型を剥がすことで形成する方法、
(b)光拡散層9の表面の反転形状を有する金型に溶融樹脂を注入する射出成型法、
(c)シート化された樹脂を再加熱して前記と同様の金型と金属板との間にはさんでプレスして形状を転写する方法、
(d)光拡散層9の表面の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとのニップに溶融状態の樹脂を通し、上記形状を転写する押出しシート成形法、
(e)基材層8に紫外線硬化型樹脂を塗布し、上記と同様の反転形状を有するシート型、金型又はロール型に押さえ付けて未硬化の紫外線硬化型樹脂に形状を転写し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法、
(f)上記と同様の反転形状を有する金型又はロール型に未硬化の紫外線硬化性樹脂を充填塗布し、基材層8で押さえ付けて均し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法、
(g)紫外線硬化型樹脂の代わりに電子線硬化型樹脂を使用する方法
などがある。
【0041】
次に、近赤外線吸収層10の形成方法としては、具体的には、
(a)上述の合成樹脂及び近赤外線吸収剤を有機溶媒に溶解又は分散させた塗工液を調整し、この塗工液を基材層8の裏面にディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法及びエアーナイフコート法等の塗工方法で塗工し、硬化させる方法、
(b)上述の合成樹脂及び近赤外線吸収剤の混合物を光硬化、射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形、キャスティング等の方法を用いてフィルム状あるいはシート状に成形し、基材層8の裏面に接着する方法、
(c)上述の合成樹脂及び近赤外線吸収剤の混合物をTダイ等を用いたドライラミネーションにより直接基材層8の裏面に積層する方法
等がある。
【0042】
光学シート3は、透過光線に対して法線方向側への屈折、拡散、方向性拡散、集光等の光学的機能を奏するものであり、具体的には光拡散シート、プリズムシート、逆プリズムシート、マイクロレンズシート、マットシート等が該当する。バックライト4の表面から出射される光線の強度は一様ではなくかつ偏光があるが、当該光学シート3による方向性拡散、法線方向側への屈折等の光学的作用によって、液晶表示素子1に入射する光線の光量増大及び均一化が促進される。なお、同種又は異種の複数の光学シート3を重畳して装備してもよい。
【0043】
バックライト4は、直下型の面光源装置であり、液晶表示素子1を裏面側から照らして発光させるものである。バックライト4としては、例えば特開平11−295731号公報等に開示の公知のものが用いられ、具体的にはケーシング11、複数本のランプ12、拡散板13等を主構成要素とする。ケーシング11は、方形のトレイ状(表面側が開口した薄箱状)に形成されており、表面側に光線を出射するよう内面に金属膜等の反射層を備えている。複数本のランプ12は、冷陰極管等の線状光源であり、ケーシング11の内部に平行かつ略等間隔に配設されている。拡散板13は、ランプイメージを緩和するためのものであり、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート等に無機フィラー等を混合した乳白色の樹脂板が一般的に用いられている。かかる構造のバックライト4は、ランプ12から発せられた光線を表面全面から出光するよう構成されている。
【0044】
当該液晶表示モジュールは、上述のように近赤外線吸収機能を有する光拡散シート2を備えていることから、バックライト4から放出される近赤外線を効果的に吸収し、近赤外線の外部への放出を抑制することができる。そのため、当該液晶表示モジュールは、近赤外線の放出による人体への悪影響や様々な家電リモートコントロール機器の誤作動を防止することができる。また当該液晶表示モジュールは、近赤外線吸収機能を発現する光拡散シート2を液晶表示素子1の裏面に重設することから、バックライト4の表面から出射される光線に対して光学シート3による方向性拡散、法線方向側への屈折等の光学的作用を奏した後に近赤外線吸収作用を奏するよう構成され、その結果、光線の利用効率を高め、近赤外線吸収機能を発現することに起因する輝度の低下を抑制することができる。さらに当該液晶表示モジュールは、近赤外線吸収機能を発現する光拡散シート2が光拡散機能を有していることから、画面のギラツキを抑制することができる。
【0045】
光拡散シート2の近赤外線透過率としては、50%以下とされており、30%以下が好ましく、10%以下が特に好ましい。近赤外線透過率を上記範囲とすることで、液晶表示モジュールから放出される近赤外線に起因する家電機器のリモートコントロールシステムの誤作動や人体への悪影響等の不都合を効果的に防止することができる。
【0046】
光拡散シート2における可視光透過率としては50%以上、全光線透過率としては50%以上が好ましい。このように可視光透過率及び全光線透過率を上記範囲とすることで、当該光拡散シート2が近赤外線吸収機能を有することに起因する液晶表示モジュールの輝度の低下を抑制することができる。
【0047】
光拡散シート2の基材層8のリタデーション値としては50nm以下が好ましい。このように基材層8のリタデーション値を比較的小さくすることで、当該光拡散シート2の透過光線に対する偏光方向の変換作用を抑制し、液晶表示モジュールにおける偏光板の透過軸方向への偏光の最適化及び制御性に対して当該光拡散シート2が及ぼす影響を抑制することができ、その結果、光線の利用効率の低下を抑制し、近赤外線吸収機能を有することに起因する液晶表示モジュールの輝度の低下を格段に抑制することができる。
【0048】
図2の液晶表示モジュールは、液晶表示素子1、光拡散シート2、反射偏光板15、光学シート3及びバックライト4を備えている。かかる液晶表示素子1、光拡散シート2、反射偏光板15、光学シート3及びバックライト4(出光面)は、略同一かつ方形の平面形状を有し、表面側から裏面側にこの順に重設されている。当該液晶表示モジュールの液晶表示素子1、光拡散シート2、光学シート3及びバックライト4は、上記図1の液晶表示モジュールと同様である。
【0049】
反射偏光板15は、反射光と透過光とで偏光特性を分離する機能を備えるものであり、平面上に互いに直交する透過軸方向及び反射軸方向を有している。この反射偏光板15としては、例えば住友スリーエム社製の商品名「D−BEF」、日東電工社製の商品名「PCF」等が用いられる。この反射偏光板15は、液晶表示モジュールにおいて透過軸方向が液晶表示素子1の裏面側偏光板6の透過軸方向と平行になるよう配置され、特に直下型液晶表示モジュールにおいては通常短辺方向と平行(つまり、線状のランプと平行)になるよう配置される。そのため、反射偏光板15は、裏面側から入射する光線のうち、透過軸方向(液晶表示素子1の裏面側偏光板6の透過軸方向と平行)に沿った偏光成分を透過し、反射軸方向に沿った偏光成分を裏面側に反射・再帰させてリサイクルするよう構成されている。
【0050】
当該液晶表示モジュールは、上述のように液晶表示素子1の透過軸方向に沿っていない偏光成分を反射・再帰させる反射偏光板15を備えることで、ランプから発せられる光線の利用効率を向上することができる。また当該液晶表示モジュールは、液晶表示素子1の直下に近赤外線吸収機能を有する光拡散シート2を備えていることから、図1の液晶表示モジュールと同様に、輝度の低下及び画面のギラツキを抑制しつつ、近赤外線の外部への放出を防止し、家電リモートコントロール機器の誤作動等の不都合を防止することができる。さらに当該液晶表示モジュールは、光拡散シート2の基材層8のリタデーション値を50nm以下に制御することで、当該光拡散シート2の透過光線に対する偏光方向の変換作用を抑制し、上述のような反射偏光板15による光線利用効率の上昇作用を阻害することを防止することができる。
【0051】
当該液晶表示モジュールは、上記光拡散シート2に替えて、図3〜図6の光拡散シートを使用することができる。これらの光拡散シートについて以下に詳述する。
【0052】
図3の光拡散シート21は、基材層22と、基材層22の表面に積層される光拡散層9とを備えている。当該光拡散層9は、基材層22と別に成形されており、その内容は上記図1の液晶表示モジュールに備える光拡散シート2と同様である。
【0053】
基材層22は、合成樹脂中に近赤外線吸収剤が混練されている。この基材層22の平均厚さ、使用される合成樹脂、リタデーション値等は、上記光拡散シート2の基材層8と同様である。また基材層22における近赤外線吸収剤の具体的内容、配合量等は、上記光拡散シート2の近赤外線吸収層10と同様である。さらに当該光拡散シート21の近赤外線透過率、可視光透過率及び全光線透過率も、上記光拡散シート2と同様である。
【0054】
当該光拡散シート21は、上記光拡散シート2と同様に液晶表示モジュールのバックライト4から放出される近赤外線を効果的に吸収し、近赤外線の外部への放出を抑制することができる。また当該光拡散シート21は、上記光拡散シート2と対比して、近赤外線吸収層を省略することができるため、液晶表示モジュールの輝度及び薄型化を促進することができる。
【0055】
図4の光拡散シート31は、基材層32と、基材層32の表面に積層される光拡散層33とを備えている。この基材層32と光拡散層33とは、一体成形されている。
【0056】
基材層32及び光拡散層33は、合成樹脂中に近赤外線吸収剤が混練されている。この基材層32の平均厚さ、使用される合成樹脂、リタデーション値等は、上記光拡散シート2の基材層8と同様である。光拡散層33の形状、表面粗さ等は、上記光拡散シート2と同様である。また基材層32及び光拡散層33における近赤外線吸収剤の具体的内容、配合量等は、上記光拡散シート2の近赤外線吸収層10と同様である。さらに当該光拡散シート31の近赤外線透過率、可視光透過率及び全光線透過率も、上記光拡散シート2と同様である。
【0057】
当該光拡散シート31は、上記光拡散シート2と同様に液晶表示モジュールのバックライト4から放出される近赤外線を効果的に吸収し、近赤外線の外部への放出を抑制することができる。また当該光拡散シート31は、上記光拡散シート2と対比して、近赤外線吸収層を省略することができるため、液晶表示モジュールの輝度及び薄型化を促進することができる。さらに当該光拡散シート31は、基材層32及び光拡散層33が一体成形であるため、高い製造容易性を有し、低コスト性を促進することができる。
【0058】
図5の光拡散シート41は、基材層8と、基材層8の表面に積層される光拡散層42と、基材層8の裏面に積層される近赤外線吸収層10とを備えている。当該光拡散シート41の基材層8及び近赤外線吸収層10は、上記図1の光拡散シート2と同様である。
【0059】
光拡散層42は、基材層8表面に略均一かつ緻密に敷設される光拡散剤43と、その光拡散剤43を固定するバインダー44とを備えている。かかる光拡散剤43はバインダー44で被覆されている。このように光拡散層42中に含有する光拡散剤43によって、光拡散層42を裏側から表側に透過する光線を均一に拡散させることができる。また光拡散剤43によって光拡散層42の表面に微細な凸部が略均一かつ略緻密に形成されている。このように光拡散シート41表面に形成される微細な凹凸のレンズ的屈折作用により、光線をより良く拡散させることができる。光拡散層42の平均厚みは、特には限定されないが、例えば1μm以上30μm以下程度とされている。
【0060】
光拡散剤43は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーの具体的な材料としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。これらの中でも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
【0061】
光拡散剤43の形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散性に優れる球状のビーズが好ましい。
【0062】
光拡散剤43の平均粒子径の下限としては1μm、特に2μm、さらに5μmが好ましく、光拡散剤43の平均粒子径の上限としては50μm、特に20μm、さらに15μmが好ましい。これは、光拡散剤43の平均粒子径が上記範囲未満であると、光拡散剤43によって形成される光拡散層42表面の凹凸が小さくなり、光拡散シートとして必要な光拡散性を満たさないおそれがあり、逆に、光拡散剤43の平均粒子径が上記範囲を越えると、光拡散シート41の厚さが増大し、かつ、均一な拡散が困難になることからである。
【0063】
光拡散剤43の配合量(バインダー44の形成材料であるポリマー組成物中の基材ポリマー100部に対する固形分換算の配合量)の下限としては10部、特に20部、さらに50部が好ましく、この配合量の上限としては500部、特に300部、さらに200部が好ましい。これは、光拡散剤43の配合量が上記範囲未満であると、光拡散性が不十分となってしまい、一方、光拡散剤43の配合量が上記範囲を越えると光拡散剤43を固定する効果が低下することからである。なお、プリズムシートの表面側に配設される所謂上用光拡散シートの場合、高い光拡散性を必要とされないため、光拡散剤43の配合量としては10部以上40部以下、特に10部以上30部以下が好ましい。
【0064】
バインダー44は、基材ポリマーを含むポリマー組成物を架橋硬化させることで形成される。このバインダー44によって基材層8の表面全面に光拡散剤43が略等密度に配置固定される。なお、このバインダー44を形成するためのポリマー組成物は、その他に例えば、微小無機充填剤、硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよい。
【0065】
上記基材ポリマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、紫外線硬化型樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。特に、上記基材ポリマーとしては、加工性が高く、塗工等の手段で容易に光拡散層42を形成することができるポリオールが好ましい。またバインダー44に用いられる基材ポリマーは、光線の透過性を高める観点から透明が好ましく、無色透明が特に好ましい。
【0066】
当該ポリマー組成物の基材ポリマーとして用いられるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、及び、上記水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオール又はアクリルポリオールを基材ポリマーとするバインダー44は耐候性が高く、光拡散層42の黄変等を抑制することができる。なお、このポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
【0067】
なお、上記ポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
【0068】
上記ポリマー組成物中には微小無機充填剤を含有するとよい。このバインダー44中に微小無機充填剤を含有することで、光拡散層42ひいては光拡散シート41の耐熱性が向上する。この微小無機充填剤を構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。また無機酸化物を構成する金属元素としては、例えば元素周期律表第2族〜第6族から選ばれる元素が好ましく、元素周期律表第3族〜第5族から選ばれる元素がさらに好ましい。特に、Si、Al、Ti及びZrから選択される元素が好ましく、金属元素がSiであるコロイダルシリカが、耐熱性向上効果及び均一分散性の面で微小無機充填剤として最も好ましい。また微小無機充填剤の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
【0069】
微小無機充填剤の平均粒子径の下限としては、5nmが好ましく、10nmが特に好ましい。一方、微小無機充填剤の平均粒子径の上限としては50nmが好ましく、25nmが特に好ましい。これは、微小無機充填剤の平均粒子径が上記範囲未満では、微小無機充填剤の表面エネルギーが高くなり、凝集等が起こりやすくなるためであり、逆に、平均粒子径が上記範囲を超えると、短波長の影響で白濁し、光拡散シート41の透明性を完全に維持することができなくなることからである。
【0070】
微小無機充填剤の基材ポリマー100部に対する配合量(無機物成分のみの配合量)の下限としては固形分換算で5部が好ましく、50部が特に好ましい。一方、微小無機充填剤の上記配合量の上限としては500部が好ましく、200部がより好ましく、100部が特に好ましい。これは、微小無機充填剤の配合量が上記範囲未満であると、光拡散シート41の耐熱性を十分に発現することができなくなってしまうおそれがあり、逆に、配合量が上記範囲を越えると、ポリマー組成物中への配合が困難になり、光拡散層42の光線透過率が低下するおそれがあることからである。
【0071】
微小無機充填剤としては、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマー固定微小無機充填剤を用いることで、バインダー44中での分散性やバインダー44との親和性の向上が図られる。この有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
【0072】
なお、微小無機充填剤は、微粒子内に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、微小無機充填剤のコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
【0073】
上記基材ポリマーとしてはシクロアルキル基を有するポリオールが好ましい。このように、バインダー44を構成する基材ポリマー(ポリオール)中にシクロアルキル基を導入することで、バインダー44の撥水性、耐水性等の疎水性が高くなり、高温高湿条件下での当該光拡散シート41の耐撓み性、寸法安定性等が改善される。また、光拡散層42の硬度、耐候性、肉持感、耐溶剤性等の塗膜基本性能が向上する。さらに、表面に有機ポリマーが固定された微小無機充填剤との親和性及び微小無機充填剤の均一分散性がさらに良好になる。
【0074】
上記シクロアルキル基としては特に限定されず、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。
【0075】
上記シクロアルキル基を有するポリオールは、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体を共重合することで得られる。このシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体とは、シクロアルキル基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。この重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0076】
また、ポリマー組成物中には硬化剤としてイソシアネートを含有するとよい。このようにポリマー組成物中にイソシアネート硬化剤を含有することで、より一層強固な架橋構造となり、光拡散層42の被膜物性がさらに向上する。このイソシアネートとしては上記多官能イソシアネート化合物と同様の物質が用いられる。中でも、被膜の黄変色を防止する脂肪族系イソシアネートが好ましい。
【0077】
さらに、ポリマー組成物中に帯電防止剤を混練するとよい。このように帯電防止剤が混練されたポリマー組成物からバインダー44を形成することで、当該光拡散シート41に帯電防止効果が発現され、ゴミを吸い寄せたり、プリズムシート等との重ね合わせが困難になる等の静電気の帯電により発生する不都合を防止することができる。また、帯電防止剤を表面にコーティングすると表面のベタツキや汚濁が生じてしまうが、このようにポリマー組成物中に混練することでかかる弊害は低減される。この帯電防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系帯電防止剤、第四アンモニウム塩、イミダゾリン化合物等のカチオン系帯電防止剤、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、エタノールアミド類等のノニオン系帯電防止剤、ポリアクリル酸等の高分子系帯電防止剤などが用いられる。中でも、帯電防止効果が比較的大きいカチオン系帯電防止剤が好ましく、少量の添加で帯電防止効果が奏される。
【0078】
また、上記ポリマー組成物中に紫外線吸収剤を含有するとよい。このように紫外線吸収剤を含有するポリマー組成物からバインダー44を形成することで、当該光拡散シート41に紫外線カット機能が付与され、バックライトユニットのランプから発せられる微量の紫外線をカットし、紫外線による液晶層の破壊を防止することができる。
【0079】
この紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収し、効率よく熱エネルギーに変換できるもので、かつ、光に対して安定な化合物であれば特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。中でも、紫外線吸収機能が高く、上記基材ポリマーとの相溶性が良好で、基材ポリマー中に安定して存在するサリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、これらの群より選択される1種又は2種以上のものを用いるとよい。また紫外線吸収剤としては、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマー(例えば、(株)日本触媒の「ユーダブルUV」シリーズなど)も好適に使用される。かかる分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーを用いることで、バインダー44の主ポリマーとの相溶性が高く、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。なお、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーをバインダー44の基材ポリマーとすることも可能である。また、この紫外線吸収基が結合されたポリマーをバインダー44の基材ポリマーとし、さらにこの基材ポリマー中に紫外線吸収剤を含有することも可能であり、紫外線吸収機能をより向上させることができる。
【0080】
バインダー44の基材ポリマーに対する上記紫外線吸収剤の含有量の下限としては0.1質量%、特に1質量%、さらに3質量%が好ましく、紫外線吸収剤の上記含有量の上限としては10質量%、特に8質量%、さらに5質量%が好ましい。これは、基材ポリマーに対して紫外線吸収剤の質量比が上記下限より小さいと、光拡散シート41の紫外線吸収機能を効果的に奏することができないためであり、逆に、紫外線吸収剤の質量比が上記上限を超えると、基材ポリマーに悪影響を及ぼし、バインダー44の強度、耐久性等の低下をもたらすことからである。
【0081】
上記紫外線吸収剤に代え又は紫外線吸収剤と共に、紫外線安定剤(分子鎖に紫外線安定基が結合した基材ポリマーを含む)を使用することも可能である。この紫外線安定剤により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤が好適に用いられる。なお、紫外線吸収剤と紫外線安定剤を併用することで、紫外線による劣化防止及び耐候性が格段に向上する。
【0082】
次に、当該光拡散シート41の製造方法について説明する。当該光拡散シート41の製造方法は、(a)バインダー44を構成するポリマー組成物に光拡散剤43を混合することで光拡散層用塗工液を製造する工程と、(b)この光拡散層用塗工液を基材層8の表面に塗工することで光拡散層42を積層する工程と、(c)近赤外線吸収層10を積層する工程とを有する。この近赤外線吸収層10の積層手段は、上記光拡散シート2と同様である。
【0083】
当該光拡散シート41は、光拡散層42中に含有する光拡散剤43の界面での反射や屈折及び光拡散層42表面に形成される微細凹凸での屈折により、高い光拡散機能を有し、この光拡散機能に起因して法線方向側への屈折機能(方向性拡散機能)を有している。また当該光拡散シート41は、上記光拡散シート2と同様に、近赤外線吸収剤を含有する近赤外線吸収層10によって液晶表示モジュールのバックライト4から放出される近赤外線を効果的に吸収し、液晶表示モジュールから放出される近赤外線に起因する家電機器のリモートコントロールシステムの誤作動や人体への悪影響を防止することができる。さらに当該光拡散シート41は、通常液晶表示モジュールに使用されている一般的な光拡散シートと代替することが可能であり、液晶表示モジュールの光学シートの装備枚数の増大を招来することなく、近赤外線の放出が防止され、ひいては近赤外線吸収機能の発現に起因する液晶表示モジュールの輝度の低下を抑制することができる。
【0084】
図6の光拡散シート51は、基材層8と、基材層8の表側に積層される光拡散層42と、基材層8の裏面に積層される近赤外線吸収層10と、近赤外線吸収層10の裏面に積層されるスティッキング防止層52とを備えている。当該光拡散シート51における基材層8及び近赤外線吸収層10は上記光拡散シート2と同様であり、光拡散層42は上記光拡散シート41と同様である。
【0085】
スティッキング防止層52は、バインダー54と、このバインダー54中に分散するビーズ53とを備えている。このバインダー54も、上記光拡散層42のバインダー44と同様のポリマー組成物を架橋硬化させることで形成される。また、ビーズ53の材料としては光拡散層42の光拡散剤43と同様のものが用いられる。なお、このスティッキング防止層52の厚み(ビーズ53が存在しない部分でのバインダー54部分の厚み)は特には限定されないが、例えば1μm以上10μm以下程度とされている。
【0086】
このビーズ53の配合量は比較的少量とされ、ビーズ53は互いに離間してバインダー54中に分散し、ビーズ53の多くはその下端がバインダー54からごく少量突出している。そのため、この光拡散シート51を他の光学シート等と積層すると、突出したビーズ53の下端が光学シート等の表面に当接し、光拡散シート51の裏面の全面が光学シート等と当接することがない。これにより、光拡散シート51と光学シート等とのスティッキングが防止され、液晶表示モジュールの画面の輝度ムラが抑えられる。
【0087】
次に、光拡散シート51の製造方法を説明する。当該光拡散シート51の製造方法は、(a)バインダー44を構成するポリマー組成物に光拡散剤43を混合することで光拡散層用塗工液を製造する工程と、(b)この光拡散層用塗工液を基材層8の表面に塗工することで光拡散層42を積層する工程と、(c)基材層8の裏面に近赤外線吸収層10を積層する工程と、(d)バインダー54を構成するポリマー組成物にビーズ53を混合することでスティッキング防止層用塗工液を製造する工程と、(e)このスティッキング防止層用塗工液を近赤外線吸収層10の裏面に塗工することでスティッキング防止層52を積層する工程とを有する。この近赤外線吸収層10の積層手段は、上記光拡散シート2と同様である。
【0088】
当該光拡散シート51は、上記光拡散シート41と同様に光拡散層42によって高い光拡散機能(方向性拡散機能)を有している。また当該光拡散シート51は、上記光拡散シート2と同様に、近赤外線吸収剤を含有する近赤外線吸収層10によって液晶表示モジュールのバックライト4から放出される近赤外線を効果的に吸収し、液晶表示モジュールから放出される近赤外線に起因する家電機器のリモートコントロールシステムの誤作動や人体への悪影響を防止することができる。さらに当該光拡散シート51は、裏面側に積層されるスティッキング防止層52によって他の構成部材とのスティッキングが防止され、液晶表示モジュールの画面の輝度ムラが抑えられる。
【0089】
なお、本発明の液晶表示モジュールは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、エッジライト型(サイドライト型ともいう)のバックライトを備える液晶表示モジュールにも適用可能であり、近赤外線の放出を防止することができる。エッジライト型バックライトは、具体的には、一端面(光入射面)側が厚くかつその対向端面側が薄い略楔形の断面形状を有する方形板状の導光板、この導光板の光入射面に沿って配設される線状のランプ、導光板の裏面側に配設される反射シート、ランプの側方(導光板の光入射面側を除く)を囲繞するように配置されるリフレクタ、導光板の光入射面の対向端面に被着された光反射膜、これらの構成要素を収納する上方開口ケーシング等を備えており、ランプから発せられた光線を導光板表面全面から出光するよう構成されている。
【0090】
また本発明の液晶表示モジュールに備える光拡散シートは、例えば紫外線吸収剤層、帯電防止剤層、トップコート層、アンカーコート層等の他の層が積層されてもよい。
【0091】
光拡散シート2又は光拡散シート21において、光拡散層9にも近赤外線吸収剤を含有してもよい。また光拡散シート2又は光拡散シート21において、表面に微小かつランダムな凹凸形状を有する光拡散層9に替えて、表面に複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイを有する光拡散層や、表面に三角柱状のプリズムを多条に有する光拡散層等とすることができる。
【0092】
光拡散シート41又は光拡散シート51において、近赤外線吸収層10を省略し、基材層8に替えて光拡散シート21の基材層22を用いることができる。また光拡散シート41又は光拡散シート51において、近赤外線吸収層10を省略し、光拡散層42のバインダー44、光拡散層42の光拡散剤43、スティッキング防止層52のバインダー54及び/又はスティッキング防止層52のビーズ53中に近赤外線吸収剤を含有することもできる。かかる手段によっても、同様に近赤外線吸収機能が奏される。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明の液晶表示モジュールは、液晶表示装置の構成要素として有用であり、特に大画面の液晶表示装置に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示モジュールを示す模式的断面図
【図2】図1の液晶表示モジュールとは異なる形態に係る液晶表示モジュールを示す模式的断面図
【図3】図1及び図2の液晶表示モジュールに備える光拡散シートとは異なる形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図
【図4】図1、図2及び図3の光拡散シートとは異なる形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図
【図5】図1〜図4の光拡散シートとは異なる形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図
【図6】図1〜図5の光拡散シートとは異なる形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図
【図7】一般的な液晶表示モジュールを示す模式的断面図
【符号の説明】
【0095】
1 液晶表示素子
2 光拡散シート
3 光学シート
4 バックライト
5 表面側偏光板
6 裏面側偏光板
7 液晶セル
8 基材層
9 光拡散層
10 近赤外線吸収層
11 ケーシング
12 ランプ
13 拡散板
15 反射偏光板
21 光拡散シート
22 基材層
31 光拡散シート
32 基材層
33 光拡散層
41 光拡散シート
42 光拡散層
43 光拡散剤
44 バインダー
51 光拡散シート
52 スティッキング防止層
53 ビーズ
54 バインダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の偏光板間に液晶セルを挟持してなる液晶表示素子と、
この液晶表示素子の裏面側に重設される光学シートと、
この光学シートの裏面側に重設される面光源のバックライトと
を装備する液晶表示モジュールであって、
上記バックライトの表面側に重設される光拡散シートを備えており、
この光拡散シートが、透明な基材層とその表面側に積層される光拡散層とを有し、近赤外線吸収剤を含有し、近赤外線透過率が50%以下であることことを特徴とする液晶表示モジュール。
【請求項2】
上記光拡散シートが、液晶表示素子の裏面に重設されている請求項1に記載の液晶表示モジュール。
【請求項3】
上記液晶表示素子の裏面側に重設される反射偏光板を備えており、
上記光拡散シートが液晶表示素子と反射偏光板との間に重設されている請求項1又は請求項2に記載の液晶表示モジュール。
【請求項4】
上記光拡散シートが、基材層の裏面側に積層され、バインダー中にビーズが分散するスティッキング防止層を有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の液晶表示モジュール。
【請求項5】
上記光拡散シートが、基材層、光拡散層及び/又はスティッキング防止層に近赤外線吸収剤を含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項6】
上記光拡散シートが、近赤外線吸収剤を含有する近赤外線吸収層を有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項7】
上記光拡散シートの可視光透過率が50%以上で、全光線透過率が50%以上である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項8】
上記光拡散シートの基材層のリタデーション値が50nm以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項9】
上記光拡散シートの基材層を構成するマトリックス樹脂としてポリエチレンテレフタレート又はポリカーボネートが用いられている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項10】
上記光拡散シートの基材層の平均厚さが25μm以上1000μm以下である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項11】
上記光拡散シートの光拡散層の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上0.5μm以下で、表面粗さ(Ry)が1μm以上20μm以下である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項12】
上記光拡散シートの光拡散層が、光拡散剤とそのバインダーとを有する請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。
【請求項13】
上記光拡散シートの光拡散層が、表面に微小な凹凸形状を有している請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の液晶表示モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−145890(P2008−145890A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335112(P2006−335112)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000165088)恵和株式会社 (63)
【Fターム(参考)】