説明

液晶表示ユニット

【課題】反射シートの経時変化に左右されずにバックライトの明るさを正確にモニターする。
【解決手段】反射シート孔(7a),シャーシ孔(8a)およびベース孔(13a)を通して、導光板(5)の背面に出る光を光センサ(11)で直接的に計測する。反射シート孔(7a)の大きさとベース孔(13a)の大きさを、反射シート(7)を透過した光は光センサ(11)へ通さないような関係にする。
【効果】反射シート(7)は経時変化により光透過率が徐々に低下するが、その反射シート(7)の経時変化に左右されずにバックライト(6)の明るさを正確にモニターすることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示ユニットに関し、さらに詳しくは、反射シートの経時変化に左右されずにバックライトの明るさを正確にモニターすることが出来る液晶表示ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルと、液晶パネルの背面に設けられた導光板と、導光板の側方に設けられたバックライトと、導光板の背面に設けられた反射シートと、液晶パネルの前面を除いて液晶パネル,導光板,バックライトおよび反射シートを囲む金属製シャーシとを備えた液晶表示ユニットにおいて、反射シートの背面から漏れる光がシャーシの背面へ出るようにシャーシに孔を開け、反射シートの背面から漏れる光を光センサが受光するようにシャーシの背面に光センサを取り付けた液晶表示ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−222129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の技術においては、反射シートの背面から漏れる光を光センサで受光してバックライトの明るさを計測している。ところが、液晶表示ユニットで使用されている反射シートは、経時変化により光透過率が徐々に低下する場合がある。
しかし、経時変化により反射シートの光透過率が変動すると、バックライトの明るさを正確にモニターすることが出来ない問題点がある。
そこで、本発明の目的は、反射シートの経時変化に左右されずにバックライトの明るさを正確にモニターすることが出来る液晶表示ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、本発明は、液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に設けられた導光板と、前記導光板の側方に設けられたバックライトと、前記導光板の背面に設けられた反射シートと、前記液晶パネルの前面を除いて前記液晶パネル,導光板,バックライトおよび反射シートを囲む金属製シャーシとを備えた液晶表示ユニットにおいて、前記導光板の背面に出る光が前記シャーシの背面へ直接出るように前記反射シートおよび前記シャーシに孔を開け、前記導光板から前記シャーシの背面へ直接出る光を光不透過材料製ベースに穿設した孔を通して光センサが受光するように前記シャーシの背面に前記ベースを介して前記光センサを取り付け、前記反射シートに開けた孔の大きさと前記ベースに穿設した孔の大きさの関係を、前記導光板から前記シャーシの背面へ直接出る光は前記光センサへ通すが前記反射シートを透過した光は前記光センサへ通さないような関係としたことを特徴とする液晶表示ユニットを提供する。
上記第1の観点による液晶表示ユニットでは、反射シートの孔,シャーシの孔およびベースの孔を通して、導光板の背面に出る光を光センサで直接的に計測する。さらに、反射シートの孔の大きさとベースの孔の大きさを、反射シートを透過した光は光センサへ通さないような関係にする。これにより、反射シートの経時変化に左右されずにバックライトの明るさを正確にモニターすることが出来る。なお、液晶表示ユニットで使用されている導光板については、経時変化は無視できる程度であった。
【0005】
第2の観点では、本発明は、液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に設けられたバックライトと、前記バックライトの背面に設けられた反射シートと、前記液晶パネルの前面を除いて前記液晶パネル,バックライトおよび反射シートを囲む金属製シャーシとを備えた液晶表示ユニットにおいて、前記バックライトの背面に出る光が前記シャーシの背面へ直接出るように前記反射シートおよび前記シャーシに孔を開け、前記バックライトから前記シャーシの背面へ直接出る光を光不透過材料製ベースに穿設した孔を通して光センサが受光するように前記シャーシの背面に前記ベースを介して前記光センサを取り付け、前記反射シートに開けた孔の大きさと前記ベースに穿設した孔の大きさの関係を、前記バックライトから前記シャーシの背面へ直接出る光は前記光センサへ通すが前記反射シートを透過した光は前記光センサへ通さないような関係としたことを特徴とする液晶表示ユニットを提供する。
上記第2の観点による液晶表示ユニットでは、反射シートの孔,シャーシの孔およびベースの孔を通して、バックライトの背面に出る光を光センサで直接的に計測する。さらに、反射シートの孔の大きさとベースの孔の大きさを、反射シートを透過した光は光センサへ通さないような関係にする。これにより、反射シートの経時変化に左右されずにバックライトの明るさを正確にモニターすることが出来る。
【発明の効果】
【0006】
本発明の液晶表示ユニットによれば、反射シートの経時変化に左右されずにバックライトの明るさを正確にモニターすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0008】
図1は、実施例1に係る液晶表示ユニット1を示す要部断面図である。
この液晶表示ユニット1は、液晶パネル2と、液晶パネル2の背面に設けられた拡散シート3と、拡散シート3の背面に設けられた集光シート4と、集光シート4の背面に設けられた導光板5と、導光板5の側方に設けられたバックライト6と、導光板5の背面に設けられた反射シート7と、液晶パネル2の前面を除いて液晶パネル2,拡散シート3,集光シート4,導光板5,バックライト6および反射シート7を囲む金属製シャーシ8と、シャーシ8の背面に取り付けられた輝度検出ユニット10とを具備している。
【0009】
輝度検出ユニット10は、光センサ11と、光センサ11を搭載した回路基板12と、絶縁を保ってシャーシ8に回路基板12を保持するベース13とからなっている。
【0010】
光センサ11の前方に当たる反射シート7の部分には、反射シート孔7aが穿設されている。反射シート孔7aは、直径3mmの円孔とする。直径が5mm以下の円孔なら、反射シート孔7aの存在が輝度ムラとして視認されることはない。
【0011】
光センサ11の前方に当たるシャーシ8の部分には、シャーシ孔8aが穿設されている。シャーシ孔8aは、直径30mm以下の円孔で、反射シート孔7aと同心とする。なお、反射シート7とシャーシ8の間に1mm程度のクリアランスがあるため、同心といっても1mm程度の心ずれは生じうる。
【0012】
光センサ11の前方に当たるベース13の部分には、ベース孔13aが穿設されている。ベース孔13aは、直径1.5mm以下の円孔で、反射シート孔7aと同心とする。なお、
【0013】
図2は、反射シート孔7aの大きさとベース孔13aの大きさの関係を示す説明図である。
反射シート孔7aの直径をDrとし、ベース孔13aの直径をDbとし、ベース孔13aの長さをLbとし、反射シート7の前面からベース13の前面までの距離をLrとするとき、次式の関係を満たせば、反射シート7を透過した光は光センサ11に入射しない。
Dr≧{1+2(Lr/Lb)}Db
例えば、Lr=0.3mm、Lb=2mm、Db=1.5mmなら右辺は1.725mmとなるので、Dr=3mmなら上式を満たし、反射シート7を透過した光は光センサ11に入射しない。なお、Dr=3mmとすると、1mm程度の心ずれがあっても大丈夫である。
【0014】
実施例1の液晶表示ユニット1によれば、反射シート7の経時変化に左右されずにバックライト6の明るさを正確にモニターすることが出来る。
【実施例2】
【0015】
図3は、実施例2に係る液晶表示ユニット1を示す要部断面図である。
この液晶表示ユニット1は、液晶パネル2と、液晶パネル2の背面に設けられた拡散シート3と、拡散シート3の背面に設けられた集光シート4と、集光シート4の背面に設けられた多数のバックライト6と、バックライト6の背面に設けられた反射シート7と、液晶パネル2の前面を除いて液晶パネル2,拡散シート3,集光シート4,バックライト6および反射シート7を囲む金属製シャーシ8と、シャーシ8の背面に取り付けられた輝度検出ユニット10とを具備している。
【0016】
輝度検出ユニット10は、光センサ11と、光センサ11を搭載した回路基板12と、絶縁を保ってシャーシ8に回路基板12を保持するベース13とからなっている。
【0017】
光センサ11の前方に当たる反射シート7の部分には、反射シート孔7aが穿設されている。反射シート孔7aは、直径3mmの円孔とする。直径が5mm以下の円孔なら、反射シート孔7aの存在が輝度ムラとして視認されることはない。
【0018】
光センサ11の前方に当たるシャーシ8の部分には、シャーシ孔8aが穿設されている。シャーシ孔8aは、直径30mm以下の円孔で、反射シート孔7aと同心とする。なお、反射シート7とシャーシ8の間に1mm程度のクリアランスがあるため、同心といっても1mm程度の心ずれは生じうる。
【0019】
光センサ11の前方に当たるベース13の部分には、ベース孔13aが穿設されている。ベース孔13aは、直径1.5mm以下の円孔で、反射シート孔7aと同心とする。なお、
【0020】
図4は、反射シート孔7aの大きさとベース孔13aの大きさの関係を示す説明図である。
反射シート孔7aの直径をDrとし、ベース孔13aの直径をDbとし、ベース孔13aの長さをLbとし、反射シート7の前面からベース13の前面までの距離をLrとするとき、次式の関係を満たせば、反射シート7を透過した光は光センサ11に入射しない。
Dr≧{1+2(Lr/Lb)}Db
例えば、Lr=0.3mm、Lb=2mm、Db=1.5mmなら右辺は1.725mmとなるので、Dr=3mmなら上式を満たし、反射シート7を透過した光は光センサ11に入射しない。なお、Dr=3mmとすると、1mm程度の心ずれがあっても大丈夫である。
【0021】
実施例2の液晶表示ユニット1によれば、反射シート7の経時変化に左右されずにバックライト6の明るさを正確にモニターすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の液晶表示ユニットは、医用画像表示装置のモニタなどに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1に係る液晶表示ユニットを示す断面図である。
【図2】実施例1に係る反射シートの孔とベースの孔の大きさの関係を示す説明図である。
【図3】実施例2に係る液晶表示ユニットを示す断面図である。
【図4】実施例2に係る反射シートの孔とベースの孔の大きさの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 液晶表示ユニット
2 液晶パネル
5 導光板
6 バックライト
7 反射シート
7a 反射シート孔
8 シャーシ
8a シャーシ孔
10 輝度検出ユニット
11 光センサ
13 ベース
13a ベース孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に設けられた導光板と、前記導光板の側方に設けられたバックライトと、前記導光板の背面に設けられた反射シートと、前記液晶パネルの前面を除いて前記液晶パネル,導光板,バックライトおよび反射シートを囲む金属製シャーシとを備えた液晶表示ユニットにおいて、前記導光板の背面に出る光が前記シャーシの背面へ直接出るように前記反射シートおよび前記シャーシに孔を開け、前記導光板から前記シャーシの背面へ直接出る光を光不透過材料製ベースに穿設した孔を通して光センサが受光するように前記シャーシの背面に前記ベースを介して前記光センサを取り付け、前記反射シートに開けた孔の大きさと前記ベースに穿設した孔の大きさの関係を、前記導光板から前記シャーシの背面へ直接出る光は前記光センサへ通すが前記反射シートを透過した光は前記光センサへ通さないような関係としたことを特徴とする液晶表示ユニット。
【請求項2】
液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に設けられたバックライトと、前記バックライトの背面に設けられた反射シートと、前記液晶パネルの前面を除いて前記液晶パネル,バックライトおよび反射シートを囲む金属製シャーシとを備えた液晶表示ユニットにおいて、前記バックライトの背面に出る光が前記シャーシの背面へ直接出るように前記反射シートおよび前記シャーシに孔を開け、前記バックライトから前記シャーシの背面へ直接出る光を光不透過材料製ベースに穿設した孔を通して光センサが受光するように前記シャーシの背面に前記ベースを介して前記光センサを取り付け、前記反射シートに開けた孔の大きさと前記ベースに穿設した孔の大きさの関係を、前記バックライトから前記シャーシの背面へ直接出る光は前記光センサへ通すが前記反射シートを透過した光は前記光センサへ通さないような関係としたことを特徴とする液晶表示ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−14901(P2009−14901A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175009(P2007−175009)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【Fターム(参考)】