説明

液晶表示装置およびそれを備える液晶テレビジョン装置ならびに液晶表示装置の駆動方法

【課題】バックライト光源を間欠点灯タイミングを切り替えても映像のちらつきが発生しにくい液晶表示装置を実現する。
【解決手段】切替え前の点灯タイミング((1))のパターンの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間(Y1)と、切替え後の点灯タイミング((2))のパターンの時間軸をN分の1に圧縮した第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間(Y2)とを合せたM個(MはN以上の整数)のフレーム期間からなる切替え期間(Y)を、切替え前の点灯タイミング((1))による最終フレーム期間(X)と、切替え後の点灯タイミング((2))による開始フレーム期間(Y)との間に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトを間欠点灯させる液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LEDは電光掲示板や信号機などの表示用光源として幅広く使用されており、特に白色LEDは携帯電話機やデジタル・カメラのバックライト光源などのディスプレイ用光源として幅広く普及している。バックライト光源としてLEDを使用する場合、ディスプレイの明るさを一定の輝度に調整する必要がある。このためLEDを単純に発光させるのではなくLEDドライバICを用いてLEDの駆動電流を制御することが必要不可欠となる。
【0003】
LEDの輝度調整方法は、前述のようなLED駆動電流値を変えて調整する方法が一般的であるが、より精細な輝度調整方法としてパルス幅変調(PWM)による方法がある。ここでは、電流値による輝度調整とパルス幅変調による輝度調整方法とについて説明する。
(LED駆動電流値による輝度調整)
LED駆動電流値による調整は、LEDの輝度調整方法としては最も簡単な方法である。ほとんどのLEDの仕様書には、輝度−順電流特性が掲載されているため、輝度と順電流との関係を確認することができる。ただし、LEDは駆動電流値を変えることで色度も変化する。よって、この方法は、輝度を制御することができるが発光色も変わる問題があることに注意する必要がある。
(パルス幅変調による輝度調整)
この問題を解決する手段として上記のパルス幅変調によるLEDの輝度調整方法を採用することができる。この場合のパルス幅変調は、LEDの駆動電流値を変えずに電流印加時間を変えることでLEDの輝度を調整する。すなわち、ON時間を制御してLEDの実効的な電流値を制御する。
【0004】
図8にパルス幅変調の説明図を示す。パルス幅変調では、LEDに駆動電流ILEDを流している状態と流していない状態とを周期Tpで交互に繰り返すことによって輝度を調整する。周期Tpが長い場合には人の目に点灯/消灯が繰り返されて見えるが、周期Tpを短くする(周波数を高くする)ことで人の目にはちらつきが分からなくなるので、このような短い周期Tpにおいて駆動電流ILEDを流している時間(ON時間)tonと駆動電流ILEDを流していない時間(OFF時間)toffとを変化させれば、明るさが変わって見える。時間tonをパルス幅Wpといい、周期Tpにおけるパルス幅Wpの割合、つまりONしている期間の比率をデューティ(Duty)比という。周期Tpに対するパルス幅(ON時間)Wpの割合が60%であればデューティ比は60%である。このデューティ比を変えることでLEDの輝度調整を行うことができ、デューティ比が大きいほどLEDは明るくなる。
【0005】
LEDの輝度調整手法として、電流値調整とパルス幅変調とを組み合わせた方法もある。アプリケーションに応じてこれの方法を使い分けることが重要となる。
【0006】
これまで説明した輝度調整方法では、電源電圧が変動すると(例えばバッテリー等の電池駆動の場合)輝度も変化してしまう。さらに、電源電圧がLEDの順電圧V以下になると発光しなくなる。よって、実際のアプリケーションで使用する場合、LEDドライバICを用いた定電流駆動回路が一般的である。多くのLEDドライバICは昇圧機能を持っており、LED駆動に必要な電圧を供給する。また、定電流駆動回路により電源電圧に依存することなくLED駆動に必要な一定の電流を供給することができるため、安心してLEDを点灯させることができる。順電圧Vのばらつきの影響を受けることもなくなる。
【0007】
一般的に、バックライト光源の制御系は、バックライト光源のLEDを駆動するLEDドライバ、および、LEDドライバを介してバックライト光源全体を制御するバックライト光源制御部から構成される。
【0008】
図9に、バックライト光源制御部の一例であるバックライト光源制御部200の構成を示す。バックライト光源制御部200は、メイン制御部I/F200a、1フレーム時間制御部200b、遅延時間制御部200c、PWM制御部200d、および、LEDドライバI/F200eを備えている。
【0009】
バックライト光源は、図10に示すように、垂直同期信号VSYNCに同期して、1フレーム周期Tの間で点灯/非点灯の制御が行われる。しかし、この点灯/非点灯の点灯タイミングのパターン(以下、単に点灯タイミングと称する)は、常に一定のタイミングであるわけではなく、例えば、ユーザによるテレビジョン装置の2Dモード(二次元映像モード)と3Dモード(三次元映像モード)との切り替え操作などによって、バックライト光源の点灯タイミングが変化する場合がある。
【0010】
そこで、バックライト光源制御部200では、メイン制御部I/F200aの指示によって、1フレーム時間制御部200bによる1フレーム時間(1フレーム期間の長さ)Tの制御、遅延時間制御部200cによる垂直同期信号VSYNCのタイミングから駆動電流ILEDを流すまでの遅延時間tdの制御、および、PWM制御部200dによる駆動電流ILEDを流す点灯時間teの制御がそれぞれ行われる。決定された、1フレーム時間T、遅延時間td、および点灯時間teがLEDドライバI/F200eを介してLEDドライバに指示されることにより、バックライト光源の点灯タイミングが制御される。
【0011】
以下に、一例として、2Dモード時および3Dモード時におけるバックライト光源の点灯タイミングについて説明する。
【0012】
図11に2Dモード時のLEDバックライト光源の点灯タイミング例を示す。この例の場合の液晶表示装置においては、直下型のバックライト光源が、パネル領域を縦方向に4等分したものに対応するLED領域L1〜L4に分割され、各LED領域が順次走査されて点灯および消灯することが可能なように構成されている。例えば、ホールド型表示をインパルス型表示に近付けて残像効果を低減させるために、入力映像データの平均輝度レベルに応じて、各LED領域において、図10で説明した遅延時間tdおよび点灯時間teの長さが制御される(例えば特許文献1参照)。
【0013】
図11では、一例として、LED領域L1〜L4のそれぞれについて、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準に更新される映像に同期して1フレーム期間の後半に表示を行うように、各LED領域を点灯させる場合が示されている。
【0014】
なお、図11の点灯タイミング例は本明細書において便宜上示すものであり、2Dモード時の間欠点灯パターンはこれに限定されるわけではない。実際に2Dモード時の最適な残像感を低減するタイミングはシステムによって異なる。
【0015】
次に、図12に3Dモード時のLEDバックライト光源の点灯タイミング例を示す。LED領域L1〜L4が順次走査されて点灯および消灯することについては図11の場合と同様である。この場合の3Dモードはフレームシーケンシャル方式によって駆動され、1フレーム期間の前半フレームに左眼用の映像(L)を表示するとともに後半フレームに右眼用の映像(R)を表示するといったように、倍の速度で各フレームに2回ずつ映像を表示する。当該3Dモード時には、バックライト光源は液晶に書き込まれる映像に同期して、後半フレームに点灯するように駆動される。
【0016】
なお、図12の点灯タイミング例についても、本明細書において便宜上示すものであり、3Dモード時の間欠点灯パターンはこれに限定されるわけではない。実際に3Dモード時の最適なL/R映像クロストーク低減を図るタイミングはシステムによって異なる。
【0017】
上記例に示すように、バックライト光源の点灯タイミングは、2Dモードや3Dモードなどの動作モードや目的によって点灯/消灯のタイミングが異なっているのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】日本国実用新案公報「特開2004−062134号公報(2004年2月26日公開)」
【特許文献2】日本国公開特許公報「特開2004−233932号公報(2004年8月19日公開)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記従来の液晶表示装置においては、例えば2Dモード時と3Dモード時とでそれぞれのLEDの点灯タイミングが異なるといったように、液晶表示装置の動作モードを切り替えた場合のLEDの最適な点灯タイミングが切り替え前後で変わる。
【0020】
図13および図14を参照して、LEDの点灯タイミングの変更が発生した場合の問題について説明する。ここで説明する液晶表示装置では、図13および図14に(1)で示す2Dモード時の点灯タイミングと、図13および図14に(2)で示す3Dモード時の点灯タイミングとの切り替えが可能であるとする。
【0021】
点灯タイミング(1)は、1フレーム期間を1垂直期間Tとして、垂直同期信号VSYNCを基準に、遅延時間がT/2、点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。
【0022】
点灯タイミング(2)は、1フレーム期間を1垂直期間Tとして、垂直同期信号VSYNCを基準に、遅延時間が3T/4、点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。
【0023】
なお、2Dモード時、3Dモード時の点灯タイミングが上記の点灯タイミング(1)、(2)に限定されるわけではないことは前述の通りである。
【0024】
ここで、従来の液晶表示装置において、図13に点灯タイミング(1)から点灯タイミング(2)への切り替えが行われた場合についての点灯タイミング(3)を示す。
【0025】
ユーザの操作などによって、点灯タイミング(1)から点灯タイミング(2)への切り替えが行われたとすると、点灯タイミング(1)で点灯していたサイクルから点灯タイミング(2)で点灯するサイクルへの切り替えが、連続したフレームで行われる。これにより、変化Aで示すように、点灯タイミング(1)による最後の点灯から点灯タイミング(2)による最初の点灯までの消灯時間が、点灯タイミング(1)および(2)のそれぞれにおける周期的な消灯時間よりも長くなる。従って、点灯タイミング(1)から点灯タイミング(2)への切り替えが起きる際に、この切り替えが人間の目にLED点灯のちらつきとして認識されることになる。
【0026】
また、図14では、図13とは逆に、点灯タイミング(2)から点灯タイミング(1)への切り替えが行われた場合についての点灯タイミング(3)を示す。点灯タイミング(2)から点灯タイミング(1)の切り替えが起きると、点灯タイミング(1)から点灯タイミング(2)への切り替えの場合とは異なり、変化Bで示すように、点灯タイミング(1)による最後の点灯から点灯タイミング(2)による最初の点灯までの消灯時間が、点灯タイミング(1)および(2)のそれぞれにおける周期的な消灯時間よりも短くなる。従って、点灯タイミング(1)から点灯タイミング(2)への切り替えが起きる際に、この切り替えが人間の目にLED点灯のちらつきとして認識されることになる。
【0027】
このように、バックライト光源を間欠点灯させる従来の液晶表示装置においては、バックライト光源の点灯/消灯のタイミング変更時に、パルス幅変調により制御されるデューティ比の時間軸上における規則性が一瞬崩れるために、映像がちらついて見えてしまうという問題があった。TVの表示品位の観点からは、このようなちらつきを低減することが望ましい。
【0028】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、バックライト光源の間欠点灯タイミングを切り替えても映像のちらつきが発生しにくい液晶表示装置およびそれを備える液晶テレビジョン装置ならびに液晶表示装置の駆動方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、
バックライト光源と上記バックライト光源の点灯タイミングを制御するバックライト光源制御部とを備え、上記バックライト光源制御部が上記バックライト光源を1フレーム期間内で間欠点灯させるように上記点灯タイミングの制御を行う液晶表示装置であって、
上記バックライト光源制御部は、
表示する映像信号の上記点灯タイミングのパターンが切り替わることを上記バックライト光源制御部の外部から指示されると、切替え前の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1に圧縮した第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間とを合せたM個(MはN以上の整数)のフレーム期間からなる切替え期間を、切替え前の上記点灯タイミングによる最終フレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングによる開始フレーム期間との間に設けることを特徴としている。
【0030】
上記の発明によれば、切替え期間には、第1の圧縮点灯タイミングあるいは第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動されるフレーム期間という点灯タイミングの切替え前後の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え前と同じデューティ比での点灯制御が行われることとなる。従って、異なる点灯タイミングどうしが切替え前後で接続されたとしても、各点灯タイミングの独自の遅延時間および点灯時間に従った点灯パターンどうしの間に切替え期間による滑らかな点灯パターンの遷移期間が挿入されるので、点灯パターンの急峻な切替えが知覚されることを緩和することができる。
【0031】
以上により、バックライト光源の間欠点灯タイミングを切り替えても映像のちらつきが発生しにくい液晶表示装置を実現することができるという効果を奏する。
【0032】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、
上記切替え期間の最初のk個(kは1以上N未満の整数)のフレーム期間は上記第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動され、上記切替え期間の残りのN−k個のフレーム期間は上記第2の圧縮点灯タイミングで駆動されることを特徴としている。
【0033】
上記の発明によれば、切替え前の点灯タイミングから切替え後の点灯タイミングへ非常に滑らかに移行することが可能になるという効果を奏する。
【0034】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、
N=2であることを特徴としている。
【0035】
上記の発明によれば、切替え期間には、切替え前後の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングとなるので、本発明の点灯タイミングの切替えを汎用の駆動周波数の液晶表示装置に用に適用することができるという効果を奏する。
【0036】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、
上記バックライト光源は直下型のバックライトであることを特徴としている。
【0037】
上記の発明によれば、バックライト光源の点灯領域をパネルの縦方向に複数に分割することができるので、ホールド型表示をインパルス型表示に近付けて残像効果を低減させるのに有利であるという効果を奏する。
【0038】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、
上記バックライト光源はサイド照射型のバックライトであることを特徴としている。
【0039】
上記の発明によれば、バックライト光源をエッジサイドに配置するだけでよいので、構成が簡単になるという効果を奏する。
【0040】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、
上記点灯タイミングの切替えは、2次元映像モードによる上記点灯タイミングと3次元映像モードによる上記点灯タイミングとの間の切替えであることを特徴としている。
【0041】
上記の発明によれば、点灯タイミングのパターンが切り替わる典型的な映像表示において、切替え時のちらつきを有効に抑制することができるという効果を奏する。
【0042】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、
上記点灯タイミングの切替えは、3次元映像モードによる上記点灯タイミングどうしの切替えであることを特徴としている。
【0043】
上記の発明によれば、点灯タイミングのパターンが切り替わる典型的な映像表示において、切替え時のちらつきを有効に抑制することができるという効果を奏する。
【0044】
本発明の液晶テレビジョン装置は、上記課題を解決するために、
上記液晶表示装置を備え、上記液晶表示装置によって映像表示を行うことを特徴としている。
【0045】
上記の発明によれば、バックライト光源の間欠点灯タイミングを切り替えても映像のちらつきが発生しにくい液晶テレビジョン装置を実現することができるという効果を奏する。
【0046】
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、上記課題を解決するために、
バックライト光源を備える液晶表示装置の上記バックライト光源の点灯タイミングを1フレーム期間内で間欠点灯させるように制御する液晶表示装置の駆動方法であって、
表示する映像信号の上記点灯タイミングのパターンを切り替えるときに、切替え前の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1に圧縮した第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間とを合せたM個(MはN以上の整数)のフレーム期間からなる切替え期間を、切替え前の上記点灯タイミングによる最終フレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングによる開始フレーム期間との間に設けることを特徴としている。
【0047】
上記の発明によれば、切替え期間には、第1の圧縮点灯タイミングあるいは第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動されるフレーム期間という点灯タイミングの切替え前後の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え前と同じデューティ比での点灯制御が行われることとなる。従って、異なる点灯タイミングどうしが切替え前後で接続されたとしても、各点灯タイミングの独自の遅延時間および点灯時間に従った点灯パターンどうしの間に切替え期間による滑らかな点灯パターンの遷移期間が挿入されるので、点灯パターンの急峻な切替えが知覚されることを緩和することができる。
【0048】
以上により、バックライト光源の間欠点灯タイミングを切り替えても映像のちらつきが発生しにくい液晶表示装置の駆動方法を実現することができるという効果を奏する。
【0049】
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、上記課題を解決するために、
上記切替え期間の最初のk個(kは1以上N未満の整数)のフレーム期間を上記第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動し、上記切替え期間の残りのN−k個のフレーム期間を上記第2の圧縮点灯タイミングで駆動することを特徴としている。
【0050】
上記の発明によれば、切替え前の点灯タイミングから切替え後の点灯タイミングへ非常に滑らかに移行することが可能になるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0051】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、
バックライト光源と上記バックライト光源の点灯タイミングを制御するバックライト光源制御部とを備え、上記バックライト光源制御部が上記バックライト光源を1フレーム期間内で間欠点灯させるように上記点灯タイミングの制御を行う液晶表示装置であって、
上記バックライト光源制御部は、
表示する映像信号の上記点灯タイミングのパターンが切り替わることを上記バックライト光源制御部の外部から指示されると、切替え前の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1に圧縮した第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間とを合せたM個(MはN以上の整数)のフレーム期間からなる切替え期間を、切替え前の上記点灯タイミングによる最終フレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングによる開始フレーム期間との間に設ける。
【0052】
以上により、バックライト光源を間欠点灯タイミングを切り替えても映像のちらつきが発生しにくい液晶表示装置を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、第1の実施例に係る液晶表示装置の第1の点灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、第1の実施例に係る液晶表示装置の第2の点灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、第2の実施例に係る液晶表示装置の点灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施形態を示すものであり、第3の実施例に係る液晶表示装置の点灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、第4の実施例に係る液晶表示装置の点灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施形態を示すものであり、液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の液晶表示装置が備えるバックライト光源制御部の構成を示すブロック図である。
【図8】従来技術を示すものであり、パルス幅変調を説明する信号の波形図である。
【図9】従来技術を示すものであり、液晶表示装置が備えるバックライト光源制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】図9のバックライト光源制御部による点灯タイミングの制御の仕方を説明する信号の波形図である。
【図11】図9のバックライト光源制御部により制御される第1の点灯タイミングを説明するタイミングチャートである。
【図12】図9のバックライト光源制御部により制御される第2の点灯タイミングを説明するタイミングチャートである。
【図13】図9のバックライト光源制御部により制御される第1のパターンの点灯タイミングの切替えを説明するタイミングチャートである。
【図14】図9のバックライト光源制御部により制御される第2のパターンの点灯タイミングの切替えを説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の実施形態について図1ないし図7を用いて説明すれば、以下の通りである。
(液晶表示装置のシステム構成)
図1に、本実施形態における液晶表示装置10のシステム構成の要部を示す。
【0055】
液晶表示装置10は、メイン制御部1、バックライト光源制御部2、LEDドライバ3、バックライト光源4、液晶パネル制御部5、および、液晶パネル6を備えている。
【0056】
メイン制御部1は、CPU(演算手段)やEEPROM(不揮発性メモリ)などを備え、各種の制御プログラムを実行することにより、当該液晶表示装置10を統括的に制御するものである。
【0057】
LEDドライバ3は、バックライト光源制御部2からの制御指令(例えばデューティ比)に従って、バックライト光源4の各LEDに対する供給電力を調節することにより、該バックライト光源4の各LEDの発光の有無やその強度を調整する。
【0058】
以下、LEDドライバ3において、バックライト光源4を発光させるために発生する信号をLED駆動信号という。前記LED駆動信号は、例えば、バックライト光源4への電力供給の有無を切り替えるFETやトランジスタに入力される信号である。LEDドライバ3では、LED駆動信号の点滅制御の一例であるパルス幅変調(PWM)制御を行うことにより、バックライト光源4の各LEDに供給される電力が調整される。係るPWM制御では、予め定められた制御周波数でLED駆動信号のON/OFFが切り替えられ、バックライト光源4が点滅する。
【0059】
ここで、液晶表示装置10では、LED駆動信号がバックライト光源制御部2にも入力されるように構成されている。これにより、バックライト光源制御部2では、LED駆動信号のON/OFF、即ちバックライト光源4の発光/消灯のタイミングを検知することが可能である。
【0060】
バックライト光源制御部2は、LEDドライバ3に制御指令を与えることにより、バックライト光源4の各LEDの発光の有無やその強度を制御するものである。ここでは特に、前記PWM制御などによって、バックライト光源を1フレーム期間内で間欠点灯させるように制御を行う。なお、バックライト光源制御部2は、例えばFPGAやASIC等により具現化されている。
【0061】
また、バックライト光源4としては、直下型蛍光灯ランプの他に、直下型またはサイド照射型(エッジライト型)のLED光源・EL光源などを用いることができる。特にLED(発光ダイオード)は応答速度が数十ns〜数百nsであり、蛍光灯ランプのミリ秒オーダーに比べて応答性が良好なため、よりスイッチングに適した点灯/消灯状態を実現することが可能である。直下型では、背景技術で述べたように、バックライト光源4の点灯領域(LED領域)をパネルの縦方向に複数に分割することができるので、ホールド型表示をインパルス型表示に近付けて残像効果を低減させるのに有利である。サイド照射型では、バックライト光源をエッジサイドに配置するだけでよいので、構成が簡単になる。
【0062】
液晶パネル制御部5は、メイン制御部1から映像データを受け取り、内部で発生するタイミング信号を基にして液晶パネル6の表示駆動を制御する。
【0063】
次に、図2に、上記バックライト光源制御部2の詳細ブロック図を示す。
【0064】
バックライト光源制御部2は、メイン制御部I/F2a、点灯タイミング変更検出部2b、1フレーム時間制御部2c、遅延時間制御部2d、PWM制御部2e、および、LEDドライバI/F2fを備えている。
【0065】
メイン制御部I/F2aは、メイン制御部1aから送信されるバックライト光源4の点灯指示信号の解釈を行い、バックライト光源4の点灯制御における1フレーム期間、遅延時間、および、点灯時間(デューティ比)の抽出を行うブロックである。
【0066】
点灯タイミング変更検出部2bは、バックライト光源制御部2の外部にあるメイン制御部1aから送信される点灯制御信号に変更がないか、どうかの検出を行うブロックである。当該点灯制御信号には、表示する映像信号の点灯タイミングのパターン(以下、単に「点灯タイミング」と称する)を切り替えるか否かの指示が含まれている。
【0067】
1フレーム時間制御部2cは、バックライト光源4の点灯に対する1フレーム時間(1フレーム期間の長さ)の制御を行うブロックである。
【0068】
遅延時間制御部2dは、垂直同期信号VSYNCのタイミングから点灯が開始されるタイミングまでの遅延時間の制御を行うブロックである。
【0069】
PWM制御部2eは、1フレーム期間での点灯時間(デューティ比)の制御を行うブロックである。
【0070】
LEDドライバI/F2fは、1フレーム時間制御部2c、遅延時間制御部2d、およびPWM制御部eで決定された点灯タイミング情報を基に、使用するLEDドライバに応じて、点灯制御を行うためのブロックである。
【0071】
点灯タイミング変更検出部2bでは、メイン制御部I/F2aで抽出される1フレーム期間、遅延時間、および点灯時間(デューティ比)のモニタを行い、連続したフレーム間でモニタ値に変更が発生しているか否かの検出結果を、1フレーム時間制御部2c、遅延時間制御部2d、およびPWM制御部2eに通知する。
【0072】
1フレーム時間制御部2c、遅延時間制御部2d、およびPWM制御部2eの各ブロックは、点灯タイミング変更検出部2bから点灯タイミングの変更を検出したという通知を受けると、後述するように、次のフレームにおいてN倍速駆動(Nは2以上の整数)によりバックライト光源4の点灯制御を行う。
【0073】
次に、本実施形態におけるバックライト光源4の点灯タイミングの切り替えについて、以下に実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0074】
図1および図2に、本実施例における、LEDの点灯タイミングの切替えが発生した場合のLEDの点灯タイミングを示す。ここで説明する液晶表示装置10では、図1および図2に示すように、2Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(1)とする)と3Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(2)とする)との切り替えが可能であるとする。
【0075】
点灯タイミング(1)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP1までの遅延時間がT/2、点灯パルスP1のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(1)を、通常周波数(例えば日本では60Hz、欧州では50Hz)で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間Tが1フレーム期間に等しい。
【0076】
点灯タイミング(2)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP2までの遅延時間が3T/4、点灯パルスP2のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(1)を、通常周波数で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間Tが1フレーム期間に等しい。
【0077】
点灯タイミング(1)と点灯タイミング(2)とで、通常周波数駆動による1フレーム期間は互いに等しい。
【0078】
本実施例では、点灯タイミング(1)および点灯タイミング(2)を上記のタイミングに規定するが、2Dモード時および3Dモード時の点灯タイミングは上記の点灯タイミングに限定されるわけではない。
【0079】
図1に、通常周波数駆動による点灯タイミング(1)から通常周波数駆動による点灯タイミング(2)への切り替えが行われる場合の点灯パターンである点灯タイミング(3)を示す。
【0080】
本実施例の液晶表示装置10では、メイン制御部1からバックライト光源制御部2に点灯タイミングの切替えが指示され、バックライト光源制御部2において点灯タイミング変更検出部2bが当該点灯タイミングの切替えが指示されたことを検出すると、切替え前の通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の最終フレーム期間(ここでは最終垂直期間X)と、切替え後の通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の開始フレーム期間(ここでは開始垂直期間Z)との間に、切替え前後の点灯パターンの1フレーム期間の長さに等しい切替え期間Yが設けられる。当該切替え期間Yにおいては、倍速駆動(例えば日本では120Hz、欧州では100Hz)によってバックライト光源4の点灯制御を行う。当該切替え期間Yは、長さがT/2ずつの2つのフレーム期間(切替えフレーム期間)に分けて駆動される。最初のT/2期間である第1のフレーム期間Y1では、点灯タイミング(1)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。2番目のT/2期間である第2のフレーム期間Y2では、点灯タイミング(2)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。
【0081】
点灯タイミングの切替えを具体的に説明すると、点灯タイミングの切替え前は、通常周波数駆動の点灯タイミング(1)によって、遅延時間T/2、点灯時間T/4(デューティ比25%)で点灯制御が行われる。
【0082】
点灯タイミング変更検出部2bによって点灯タイミングの切替え指示が検出されると、倍速駆動の切替え期間Yに移行する。切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1では、点灯タイミング(1)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP3までの遅延時間は点灯タイミング(1)の遅延時間T/2の2分の1の遅延時間T/4、点灯パルスP3の点灯時間は点灯タイミング(1)の点灯時間T/4の2分の1の点灯時間T/8となる。
【0083】
切替え期間Yの第2のフレーム期間Y2では、点灯タイミング(2)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP4までの遅延時間は点灯タイミング(2)の遅延時間3T/4の2分の1の遅延時間3T/8、点灯パルスP4の点灯時間は点灯タイミング(2)の点灯時間T/4の2分の1の点灯時間T/8となる。
【0084】
切替え期間Yが終了すると、通常周波数駆動の点灯タイミング(2)によって、遅延時間3T/4、点灯時間T/4(デューティ比25%)で点灯制御が行われる。
【0085】
上記点灯パルスP3の第1のフレーム期間Y1におけるデューティ比は25%であり、点灯タイミング(1)における点灯パルスP1のデューティ比に等しい。また、上記点灯パルスP4の第2のフレーム期間Y2におけるデューティ比は25%であり、点灯タイミング(2)における点灯パルスP2のデューティ比に等しい。
【0086】
従って、切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1という点灯タイミングの切替え前の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え前と同じデューティ比での点灯制御が行われるとともに、切替え期間Yの第2のフレーム期間Y2という点灯タイミングの切替え後の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え後と同じデューティ比での点灯制御が行われることとなる。従って、異なる点灯タイミングどうしが切替え前後で接続されたとしても、各点灯タイミングの独自の遅延時間および点灯時間に従った点灯パターンどうしの間に切替え期間Yによる滑らかな点灯パターンの遷移期間が挿入されるので、点灯パターンの急峻な切替えが知覚されることを緩和することができる。
【0087】
次に、図2に、通常周波数駆動による点灯タイミング(2)から通常周波数駆動による点灯タイミング(1)への切り替えが行われる場合の点灯パターンである点灯タイミング(3)を示す。
【0088】
図2の場合も図1の場合と同様に、切替え前の点灯タイミング(2)の最終フレーム(ここでは最終垂直期間X)と、切替え後の点灯タイミング(1)の開始フレーム(ここでは開始垂直期間Z)との間に、切替え前後の点灯パターンの1フレーム期間の長さに等しい切替え期間Yが設けられる。当該切替え期間Yにおいては、倍速駆動によってバックライト光源4の点灯制御を行う。当該切替え期間Yは、長さがT/2ずつの2つのフレーム期間(切替えフレーム期間)に分けて駆動される。当該切替え期間Yの最初の期間T/2にあたる第1のフレーム期間Y1では点灯タイミング(2)を基にした点灯タイミングで点灯制御を行い、当該切替え期間Yの2番目の期間T/2にあたる第2のフレーム期間Y2では点灯タイミング(1)を基にした点灯タイミングで点灯制御を行う。
【0089】
点灯タイミングの切替えを具体的に説明すると、点灯タイミングの切替え前は、通常周波数駆動の点灯タイミング(2)によって、遅延時間3T/4、点灯時間T/4(デューティ比25%)で点灯制御が行われる。
【0090】
点灯タイミング変更検出部2bによって点灯タイミングの切替え指示が検出されると、倍速駆動の切替え期間Yに移行する。切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1では、点灯タイミング(2)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP4までの遅延時間は点灯タイミング(2)の遅延時間3T/4の2分の1の遅延時間3T/8、点灯パルスP4の点灯時間は点灯タイミング(2)の点灯時間T/4の2分の1の点灯時間T/8となる。
【0091】
切替え期間Yの第2のフレーム期間Y2では、点灯タイミング(1)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP3までの遅延時間は点灯タイミング(1)の遅延時間T/2の2分の1の遅延時間T/4、点灯パルスP3の点灯時間は点灯タイミング(1)の点灯時間T/4の2分の1の点灯時間T/8となる。
【0092】
切替え期間Yが終了すると、通常周波数駆動の点灯タイミング(1)によって、遅延時間T/2、点灯時間T/4(デューティ比25%)で点灯制御が行われる。
【0093】
上記点灯パルスP4の第1のフレーム期間Y1におけるデューティ比は25%であり、点灯タイミング(2)における点灯パルスP2のデューティ比に等しい。また、上記点灯パルスP3の第2のフレーム期間Y2におけるデューティ比は25%であり、点灯タイミング(1)における点灯パルスP1のデューティ比に等しい。
【0094】
従って、切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1という点灯タイミングの切替え前の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え前と同じデューティ比での点灯制御が行われるとともに、切替え期間Yの第2のフレーム期間Y2という点灯タイミングの切替え後の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え後と同じデューティ比での点灯制御が行われることとなる。従って、異なる点灯タイミングどうしが切替え前後で接続されたとしても、各点灯タイミングの独自の遅延時間および点灯時間に従った点灯パターンどうしの間に切替え期間Yによる滑らかな点灯パターンの遷移期間が挿入されるので、点灯パターンの急峻な切替えが知覚されることを緩和することができる。
【0095】
なお、切替え期間Yは、一般に、切替え前の点灯タイミングの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した点灯タイミング(第1の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間と、切替え後の点灯タイミングの時間軸をN分の1に圧縮した点灯タイミング(第2の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間とのM個(MはN以上の整数)の切替えフレーム期間で構成することができる。そのときに、第1の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間と第2の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間とがそれぞれ1つ以上含まれるようにする。本実施例ではN=M=2である。
【0096】
また、切替え期間Yの最初のk個(kは1以上N未満の整数)の切替えフレーム期間は第1の圧縮点灯タイミングとし、切替え期間Yの残りのN−k個の切替えフレーム期間は第2の圧縮点灯タイミングとするのが好ましい。この場合には、切替え前の点灯タイミングから切替え後の点灯タイミングへ非常に滑らかに移行することが可能になる。
【実施例2】
【0097】
図3に、本実施例における、LEDの点灯タイミングの切替えが発生した場合のLEDの点灯タイミングを示す。ここで説明する液晶表示装置10では、図3に示すように、2Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(1)とする)と3Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(2)とする)との切り替えが可能であるとする。
【0098】
点灯タイミング(1)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP1までの遅延時間がT/2、点灯パルスP1のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(1)を、通常周波数(例えば日本では60Hz、欧州では50Hz)で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間が1フレーム期間に等しい。
【0099】
点灯タイミング(2)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP2までの遅延時間が3T/4、点灯パルスP2のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(2)を、通常周波数で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間が1フレーム期間に等しい。
【0100】
点灯タイミング(1)と点灯タイミング(2)とで、通常周波数駆動による1フレーム期間は互いに等しい。
【0101】
本実施例では、点灯タイミング(1)および点灯タイミング(2)を上記のタイミングに規定するが、2Dモード時および3Dモード時の点灯タイミングは上記の点灯タイミングに限定されるわけではない。
【0102】
図3では、倍速駆動(例えば日本では120Hz、欧州では100Hz)による点灯タイミング(2)から倍速駆動による点灯タイミング(1)への切り替えが行われる場合の点灯パターンである点灯タイミング(3)が示されている。
【0103】
切替え前の倍速駆動による点灯タイミング(2)の最終フレーム(ここでは最終垂直期間Xの後半フレーム期間)と、切替え後の倍速駆動による点灯タイミング(1)の開始フレーム(ここでは開始垂直期間Zの前半フレーム期間)との間に、倍速駆動における1フレーム期間の長さの2倍に等しい切替え期間Yが設けられる。当該切替え期間Yにおいては、4倍速駆動(例えば日本では240Hz、欧州では200Hz)によってバックライト光源4の点灯制御が行われる。当該切替え期間Yは、長さがT/4ずつの4つのフレーム期間(切替えフレーム期間)に分けて駆動される。最初のT/4期間である第1のフレーム期間Y1と、2番目のT/4期間である第2のフレーム期間Y2とでは、点灯タイミング(2)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。3番目のT/4期間である第3のフレーム期間Y3と、4番目のT/4期間である第4のフレーム期間Y4とでは、点灯タイミング(1)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。
【0104】
点灯タイミングの切替えを具体的に説明すると、点灯タイミングの切替え前は、倍速駆動の点灯タイミング(2)によって点灯制御が行われる。倍速駆動の点灯タイミング(2)では、1垂直期間T/2において、垂直同期信号VSYNCのタイミングを2分周したタイミングを基準として、点灯期間を決定する点灯パルスP5までの遅延時間が3T/8、点灯パルスP5の点灯時間がT/8(デューティ比25%)となる。これは、通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングである。
【0105】
点灯タイミング変更検出部2bによって点灯タイミングの切替え指示が検出されると、4倍速駆動の切替え期間Yに移行する。切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1および第2のフレーム期間Y2では、通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の時間軸を4分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP7までの遅延時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の遅延時間3T/4の4分の1の遅延時間3T/8、点灯パルスP7の点灯時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の点灯時間T/4の4分の1の点灯時間T/16となる。
【0106】
切替え期間Yの第3のフレーム期間Y3および第4のフレーム期間Y4では、通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の時間軸を4分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP8までの遅延時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の遅延時間T/2の4分の1の遅延時間T/8、点灯パルスP8の点灯時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の点灯時間T/4の4分の1の点灯時間T/16となる。
【0107】
切替え期間Yが終了すると、倍速駆動の点灯タイミング(1)によって点灯制御が行われる。倍速駆動の点灯タイミング(1)では、1垂直期間T/2において、垂直同期信号VSYNCのタイミングを2分周したタイミングを基準として、点灯期間を決定する点灯パルスP6までの遅延時間が3T/8、点灯パルスP6の点灯時間がT/8(デューティ比25%)となる。これは、通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングである。
【0108】
上記点灯パルスP7の第1のフレーム期間Y1および第2のフレーム期間Y2におけるデューティ比は25%であり、倍速駆動による点灯タイミング(2)における点灯パルスP5のデューティ比に等しい。また、上記点灯パルスP8の第3のフレーム期間Y3および第4のフレーム期間Y4におけるデューティ比は25%であり、倍速駆動による点灯タイミング(1)における点灯パルスP6のデューティ比に等しい。
【0109】
従って、切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1および第2のフレーム期間Y2という点灯タイミングの切替え前の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え前と同じデューティ比での点灯制御が行われるとともに、切替え期間Yの第3のフレーム期間Y3および第4のフレーム期間Y4という点灯タイミングの切替え後の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え後と同じデューティ比での点灯制御が行われることとなる。
【0110】
従って、異なる点灯タイミングどうしが切替え前後で接続されたとしても、各点灯タイミングの独自の遅延時間および点灯時間に従った点灯パターンどうしの間に切替え期間Yによる滑らかな点灯パターンの遷移期間が挿入されるので、点灯パターンの急峻な切替えが知覚されることを緩和することができる。
【0111】
本実施例では、切替え前後に倍速駆動を行っているため、点灯タイミング(1)から点灯タイミング(2)へ直接切り替えてももともとちらつきは知覚されにくいが、点灯タイミング(3)を導入することにより、さらにちらつきが知覚されにくくなる。
【0112】
なお、切替え期間Yは、一般に、切替え前の点灯タイミングの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した点灯タイミング(第1の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間と、切替え後の点灯タイミングの時間軸をN分の1に圧縮した点灯タイミング(第2の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間とのM個(MはN以上の整数)の切替えフレーム期間で構成することができる。そのときに、第1の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間と第2の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間とがそれぞれ1つ以上含まれるようにする。本実施例ではN=2、M=4である。
【0113】
また、切替え期間Yの最初のk個(kは1以上N未満の整数)の切替えフレーム期間は第1の圧縮点灯タイミングとし、切替え期間Yの残りのN−k個の切替えフレーム期間は第2の圧縮点灯タイミングとするのが好ましい。この場合には、切替え前の点灯タイミングから切替え後の点灯タイミングへ非常に滑らかに移行することが可能になる。
【実施例3】
【0114】
図4に、本実施例における、LEDの点灯タイミングの切替えが発生した場合のLEDの点灯タイミングを示す。ここで説明する液晶表示装置10では、図4に示すように、2Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(1)とする)と3Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(2)とする)との切り替えが可能であるとする。
【0115】
点灯タイミング(1)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP1までの遅延時間がT/2、点灯パルスP1のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(1)を、通常周波数(例えば日本では60Hz、欧州では50Hz)で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間Tが1フレーム期間に等しい。
【0116】
点灯タイミング(2)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP2までの遅延時間が3T/4、点灯パルスP2のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(2)を、通常周波数で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間Tが1フレーム期間に等しい。
【0117】
点灯タイミング(1)と点灯タイミング(2)とで、通常周波数駆動による1フレームは互いに等しい。
【0118】
本実施例では、点灯タイミング(1)および点灯タイミング(2)を上記のタイミングに規定するが、2Dモード時および3Dモード時の点灯タイミングは上記の点灯タイミングに限定されるわけではない。
【0119】
図4では、通常周波数駆動による点灯タイミング(2)から通常周波数駆動による点灯タイミング(1)への切り替えが行われる場合の点灯パターンである点灯タイミング(3)が示されている。
【0120】
切替え前の通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の最終フレーム(ここでは最終垂直期間X)と、切替え後の通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の開始フレーム(ここでは開始垂直期間Z)との間に、通常周波数駆動における1フレーム期間の長さに等しい切替え期間Yが設けられる。当該切替え期間Yにおいては、4倍速駆動(例えば日本では240Hz、欧州では200Hz)によってバックライト光源4の点灯制御を行う。当該切替え期間Yは、長さがT/4ずつの4つのフレーム期間(切替えフレーム期間)に分けて駆動される。最初のT/4期間である第1のフレーム期間Y1と、2番目のT/4期間である第2のフレーム期間Y2とでは、点灯タイミング(2)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。3番目のT/4期間である第3のフレーム期間Y3と、4番目のT/4期間である第4のフレーム期間Y4とでは、点灯タイミング(1)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。
【0121】
点灯タイミングの切替えを具体的に説明すると、点灯タイミングの切替え前は、通常周波数駆動の点灯タイミング(2)によって点灯制御が行われる。
【0122】
点灯タイミング変更検出部2bによって点灯タイミングの切替え指示が検出されると、4倍速駆動の切替え期間Yに移行する。切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1および第2のフレーム期間Y2では、通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の時間軸を4分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP7までの遅延時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の遅延時間3T/4の4分の1の遅延時間3T/8、点灯パルスP7の点灯時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の点灯時間T/4の4分の1の点灯時間T/16となる。
【0123】
切替え期間Yの第3のフレーム期間Y3および第4のフレーム期間Y4では、通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の時間軸を4分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP8までの遅延時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の遅延時間T/2の4分の1の遅延時間T/8、点灯パルスP8の点灯時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の点灯時間T/4の4分の1の点灯時間T/16となる。
【0124】
切替え期間Yが終了すると、通常周波数駆動の点灯タイミング(1)によって点灯制御が行われる。
【0125】
上記点灯パルスP7の第1のフレーム期間Y1および第2のフレーム期間Y2におけるデューティ比は25%であり、倍速駆動による点灯タイミング(2)における点灯パルスP5のデューティ比に等しい。また、上記点灯パルスP8の第3のフレーム期間Y3および第4のフレーム期間Y4におけるデューティ比は25%であり、倍速駆動による点灯タイミング(1)における点灯パルスP6のデューティ比に等しい。
【0126】
従って、切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1および第2のフレーム期間Y2という点灯タイミングの切替え前の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え前と同じデューティ比での点灯制御が行われるとともに、切替え期間Yの第3のフレーム期間Y3および第4のフレーム期間Y4という点灯タイミングの切替え後の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え後と同じデューティ比での点灯制御が行われることとなる。従って、異なる点灯タイミングどうしが切替え前後で接続されたとしても、各点灯タイミングの独自の遅延時間および点灯時間に従った点灯パターンどうしの間に切替え期間Yによる滑らかな点灯パターンの遷移期間が挿入されるので、点灯パターンの急峻な切替えが知覚されることを緩和することができる。
【0127】
なお、切替え期間Yは、一般に、切替え前の点灯タイミングの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した点灯タイミング(第1の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間と、切替え後の点灯タイミングの時間軸をN分の1に圧縮した点灯タイミング(第2の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間とのM個(MはN以上の整数)の切替えフレーム期間で構成することができる。そのときに、第1の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間と第2の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間とがそれぞれ1つ以上含まれるようにする。本実施例ではN=M=4である。
【0128】
また、切替え期間Yの最初のk個(kは1以上N未満の整数)の切替えフレーム期間は第1の圧縮点灯タイミングとし、切替え期間Yの残りのN−k個の切替えフレーム期間は第2の圧縮点灯タイミングとするのが好ましい。この場合には、切替え前の点灯タイミングから切替え後の点灯タイミングへ非常に滑らかに移行することが可能になる。
【実施例4】
【0129】
図5に、本実施例における、LEDの点灯タイミングの切替えが発生した場合のLEDの点灯タイミングを示す。ここで説明する液晶表示装置10では、図5に示すように、第1の3Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(1)とする)と第2の3Dモード時の点灯タイミング(以下、点灯タイミング(2)とする)との切り替えが可能であるとする。
【0130】
点灯タイミング(1)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP9までの遅延時間が0、点灯パルスP9のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(1)を、通常周波数(例えば日本では60Hz、欧州では50Hz)で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間Tが1フレーム期間に等しい。
【0131】
点灯タイミング(2)は、表示の1垂直期間をTとすると、垂直同期信号VSYNCのタイミングを基準にして、点灯期間を決定する点灯パルスP10までの遅延時間が3T/4、点灯パルスP10のパルス幅である点灯時間がT/4(デューティ比25%)のタイミングで点灯するモードである。ここでは、図示された点灯タイミング(2)を、通常周波数で駆動した場合の点灯タイミングであり、1垂直期間Tが1フレーム期間に等しい。
【0132】
点灯タイミング(1)と点灯タイミング(2)とで、通常周波数駆動による1フレーム期間は互いに等しい。
【0133】
本実施例では、点灯タイミング(1)および点灯タイミング(2)を上記のタイミングに規定するが、3Dモード時の点灯タイミングは上記の点灯タイミングに限定されるわけではない。
【0134】
図5では、比較例として点灯タイミング(3)が示されている。点灯タイミング(3)では、通常周波数駆動による点灯タイミング(1)から通常周波数駆動による点灯タイミング(2)への切り替えが、間に着替えフレームが挿入されずに行われる。これにより、切替え前の通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の最終フレームにおける消灯期間と、切替え後の通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の開始フレームにおける消灯期間との和の期間t1が、通常周波数駆動の1フレーム期間(1垂直期間T)よりも長くなる。このように、点灯タイミング(3)では、切替え時に点灯/消灯の変化する間隔を特に大きくするような点灯パターンが現れるために、人の目にちらつきが特に認識されやすい。
【0135】
一方、図5に本実施例の点灯タイミングとして示した点灯タイミング(4)では、切替え前の通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の最終フレーム(ここでは最終垂直期間X)と、切替え後の通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の開始フレーム(ここでは開始垂直期間Z)との間に、通常周波数駆動における1フレーム期間の長さに等しい切替え期間Yが設けられる。当該切替え期間Yにおいては、倍速駆動(例えば日本では120Hz、欧州では100Hz)によってバックライト光源4の点灯制御を行う。当該切替え期間Yは、長さがT/2ずつの2つのフレーム期間(切替えフレーム期間)に分けて駆動される。最初のT/2期間である第1のフレーム期間Y1では、点灯タイミング(1)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。2番目のT/2期間である第2のフレーム期間Y2では、点灯タイミング(2)を基にした点灯タイミングで点灯制御が行われる。
【0136】
点灯タイミングの切替えを具体的に説明すると、点灯タイミングの切替え前は、通常周波数駆動の点灯タイミング(1)によって点灯制御が行われる。
【0137】
点灯タイミング変更検出部2bによって点灯タイミングの切替え指示が検出されると、倍速駆動の切替え期間Yに移行する。切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1では、通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP11までの遅延時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の遅延時間0の2分の1の遅延時間0、点灯パルスP9の点灯時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(1)の点灯時間T/4の2分の1の点灯時間T/8となる。
【0138】
切替え期間Yの第2のフレーム期間Y2では、通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の時間軸を2分の1に圧縮した点灯タイミングで点灯制御が行われる。このとき、点灯期間を決定する点灯パルスP12までの遅延時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の遅延時間3T/4の2分の1の遅延時間3T/8、点灯パルスP12の点灯時間は通常周波数駆動による点灯タイミング(2)の点灯時間T/4の2分の1の点灯時間T/8となる。
【0139】
切替え期間Yが終了すると、通常周波数駆動の点灯タイミング(2)によって点灯制御が行われる。
【0140】
上記点灯パルスP11の第1のフレーム期間Y1におけるデューティ比は25%であり、通常周波数駆動による点灯タイミング(1)における点灯パルスP9のデューティ比に等しい。また、上記点灯パルスP12の第2のフレーム期間Y2におけるデューティ比は25%であり、通常周波数駆動による点灯タイミング(2)における点灯パルスP10のデューティ比に等しい。
【0141】
従って、切替え期間Yの第1のフレーム期間Y1という点灯タイミングの切替え前の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え前と同じデューティ比での点灯制御が行われるとともに、切替え期間Yの第2のフレーム期間Y2という点灯タイミングの切替え後の1フレーム期間よりも短い期間に、切替え後と同じデューティ比での点灯制御が行われることとなる。図5の場合には、切替え期間Yにおける点灯パルスP11と点灯パルスP12との間の消灯期間t3は、切替え前後の1フレーム期間よりも短く、切替え前の最終フレームにおける消灯期間t2および切替え後の開始フレームにおける消灯期間t4に長さが近いので、点灯パターン(3)の場合のようなちらつきは知覚されない。
【0142】
従って、異なる点灯タイミングどうしが切替え前後で接続されたとしても、各点灯タイミングの独自の遅延時間および点灯時間に従った点灯パターンどうしの間に切替え期間Yによる滑らかな点灯パターンの遷移期間が挿入されるので、点灯パターンの急峻な切替えが知覚されることを緩和することができる。
【0143】
なお、切替え期間Yは、一般に、切替え前の点灯タイミングの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した点灯タイミング(第1の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間と、切替え後の点灯タイミングの時間軸をN分の1に圧縮した点灯タイミング(第2の圧縮点灯タイミング)の切替えフレーム期間とのM個(MはN以上の整数)の切替えフレーム期間で構成することができる。そのときに、第1の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間と第2の圧縮点灯タイミングの切替えフレーム期間とがそれぞれ1つ以上含まれるようにする。本実施例ではN=M=2である。
【0144】
また、切替え期間Yの最初のk個(kは1以上N未満の整数)の切替えフレーム期間は第1の圧縮点灯タイミングとし、切替え期間Yの残りのN−k個の切替えフレーム期間は第2の圧縮点灯タイミングとするのが好ましい。この場合には、切替え前の点灯タイミングから切替え後の点灯タイミングへ非常に滑らかに移行することが可能になる。
【0145】
以上、各実施例について説明した。
【0146】
本発明の液晶表示装置は、点灯/消灯のタイミングの切替えが発生する時に、切替え前後のN倍速でバックライト光源の点灯制御を行う切替え期間Yを設け、切替え期間Yにおいては、切替え前の点灯タイミングおよび切替え後の点灯タイミングを基に点灯周期を1/N倍に時間軸圧縮してバックライト光源の点灯制御を行う。
【0147】
これにより、本発明に係る液晶表示装置では、2Dモード→3Dモード、3Dモード→2Dモード、3Dモード→3Dモード等の点灯タイミングが異なるようなモード切替え時のちらつきを低減することができるので、表示品位が向上した液晶表示装置を実現することができる。このようなモード切替えにおいて本実施形態の切替えを行えば、点灯タイミングのパターンが切り替わる典型的な映像表示において、切替え時のちらつきを有効に抑制することができる。
【0148】
本発明の実施形態では、2Dモード→3Dモード、3Dモード→2Dモード時の点灯タイミングの切替えに対して、本発明の制御を適用した場合についてのみ説明しているが、本発明は、2Dモード→3Dモード、3Dモード→2Dモード時の点灯タイミングの切換え時に限定されるわけではなく、その他ユーザの操作などによって、バックライト光源の点灯タイミングが切り替わる場合のすべてに対して適用することができる。
【0149】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態を技術常識に基づいて適宜変更したものやそれらを組み合わせて得られるものも本発明の実施形態に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、一般の液晶表示装置、とりわけ動画表示を行う液晶テレビジョン装置に用いられる液晶表示装置に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0151】
2 バックライト光源制御部
4 バックライト光源
10 液晶表示装置
Y 切替え期間
Y1 第1のフレーム期間((切替え期間の)フレーム期間)
Y2 第2のフレーム期間((切替え期間の)フレーム期間)
Y3 第3のフレーム期間((切替え期間の)フレーム期間)
Y4 第4のフレーム期間((切替え期間の)フレーム期間)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライト光源と上記バックライト光源の点灯タイミングを制御するバックライト光源制御部とを備え、上記バックライト光源制御部が上記バックライト光源を1フレーム期間内で間欠点灯させるように上記点灯タイミングの制御を行う液晶表示装置であって、
上記バックライト光源制御部は、
表示する映像信号の上記点灯タイミングのパターンが切り替わることを上記バックライト光源制御部の外部から指示されると、切替え前の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1に圧縮した第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間とを合せたM個(MはN以上の整数)のフレーム期間からなる切替え期間を、切替え前の上記点灯タイミングによる最終フレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングによる開始フレーム期間との間に設けることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
上記切替え期間の最初のk個(kは1以上N未満の整数)のフレーム期間は上記第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動され、上記切替え期間の残りのN−k個のフレーム期間は上記第2の圧縮点灯タイミングで駆動されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
N=2であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
上記バックライト光源は直下型のバックライトであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
上記バックライト光源はサイド照射型のバックライトであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
上記点灯タイミングの切替えは、2次元映像モードによる上記点灯タイミングと3次元映像モードによる上記点灯タイミングとの間の切替えであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
上記点灯タイミングの切替えは、3次元映像モードによる上記点灯タイミングどうしの切替えであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の液晶表示装置を備え、上記液晶表示装置によって映像表示を行うことを特徴とする液晶テレビジョン装置。
【請求項9】
バックライト光源を備える液晶表示装置の上記バックライト光源の点灯タイミングを1フレーム期間内で間欠点灯させるように制御する液晶表示装置の駆動方法であって、
表示する映像信号の上記点灯タイミングのパターンを切り替えるときに、切替え前の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1(Nは2以上の整数)に圧縮した第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングのパターンの時間軸をN分の1に圧縮した第2の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動される1つ以上のフレーム期間とを合せたM個(MはN以上の整数)のフレーム期間からなる切替え期間を、切替え前の上記点灯タイミングによる最終フレーム期間と、切替え後の上記点灯タイミングによる開始フレーム期間との間に設けることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項10】
上記切替え期間の最初のk個(kは1以上N未満の整数)のフレーム期間を上記第1の圧縮点灯タイミングのパターンで駆動し、上記切替え期間の残りのN−k個のフレーム期間を上記第2の圧縮点灯タイミングで駆動することを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置の駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−145778(P2012−145778A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4168(P2011−4168)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】