説明

液晶表示装置のバックライト駆動方法及びその装置並びに液晶表示装置

【課題】隣接する発光ブロックからの光漏れの排除等を図る。
【解決手段】入力映像信号の階調及び最大階調が発光ブロック毎に映像信号検出部22からLED輝度変換部34に入力される。LED輝度変換部34は、出力平均階調の演算と変換された輝度対応の点灯制御信号の出力とを行う。点灯制御信号に応答するLEDドライバ1,2 36はLED BL138,38を発光させる。センサ40,40の出力からセンサ出力検出部42が平均階調を演算する。光漏れ演算部42は、LED輝度変換部34からの出力平均階調と光漏れ率とに基づいて光漏れを考慮に入れた平均階調を算出する。映像信号−センサ出力比較部46は、上記の出力平均階調と平均階調とに基づいて当該発光ブロックの階調補正信号を出力する。LED輝度変換部34は、階調補正信号に応答して出力平均階調を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置のバックライト駆動方法及びその装置並びに液晶表示装置に関し、詳しくはバックライトを複数の発光領域に分割して液晶パネルを照明する場合の自己以外の発光領域から自己の発光領域への光漏れの影響を軽減するのに有効な液晶表示装置のバックライト駆動方法及びその装置並びに光漏れの影響を軽減した液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ等の画像表示装置では、陰極線管(CRT(Cathode Ray Tube))が用いられて来ている。その後の技術開発により、近年では各種形式の表示装置が用いられるに至っている。
これらの表示装置の中には、液晶表示装置があるが、この液晶表示装置は、その液晶パネル自体は非発光のものであるため、液晶パネルの背面に光源としてバックライトを配設し、画像信号に基づいて液晶パネルの透過率を制御して液晶パネルの表示面に画像を表示する形式のものである。
【0003】
液晶表示装置で用いられるバックライトは、常時、点灯して用いられるものであることから、液晶パネルの表示面に黒を表示したい表示領域がある場合に、その周囲の表示領域からの光漏れにより、直接発光を制御するCRT等で黒い表示領域を表示する場合に比してその表示領域がより明るくなってしまう不都合がある。
この不都合を改善する1つの手段として、画像信号によってバックライトの輝度を制御してコントラストを向上させる方法(ダイナミックコントラスト制御)がある(非特許文献1、2)。
【0004】
その例は、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示される液晶表示装置は、液晶パネルの背面からバックライトで照明しつつ入力画像信号の画像を液晶パネルの表示面に表示させる際に、入力された画像信号の色毎の画像信号とバックライトの発光を感知する光センサからの出力信号とに基づいて液晶パネルに印加される色毎の表示データとバックライトの色毎の発光量とを同時に制御するようにして構成されるものである。
そして、これらの制御を行うコントローラにおいて、入力画像信号によって液晶パネルに表示しようとする画像の階調及びバックライトの輝度の変換も行うようにしている。
したがって、この液晶表示装置は、液晶パネルに表示しようとする画素信号によってバックライトの輝度を変更するダイナミックコントラスト制御を行っている。このダイナミックコントラスト制御において、バックライトにR、G、BのLEDを使用しているから、色度域が広がり、画面メモリのメリハリ(色合い)が増す。
【0005】
また、特許文献2には、液晶表示装置のバックライトを複数の発光領域に分割し、発光領域毎に光センサを設けて構成されてなり、それらの光センサは、バックライトの発光をカラーフィルタを通過した光毎に測定し、その測定結果に基づいて、バックライトを構成するLEDの発光強度を発光領域、かつ、発光色毎に制御することが開示されている。
【特許文献1】特開2005−258404号公報
【特許文献2】特開2007−052105号公報
【非特許文献1】SID 04DIGEST p1548
【非特許文献2】SID 05DIGEST p1380
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1は、ダイナミックコントラスト制御は、液晶パネル全体について行っている。そのため、画像信号の表示を液晶パネルに行おうとする場合に、バックライトのLEDの中に輝度の高いものと輝度の低いものとを混在させようとしたとき、輝度を下げたいLED対応の領域内へ輝度の高いLEDの光が漏れて来てしまい、輝度を下げたいLED対応の発光領域の輝度を完全に下げることはできないという技術的課題がある。
【0007】
このため、光漏れのない構造のバックライトにすることが望ましいが、光漏れを低減させる手段として、特許文献2に開示される発光領域の単なる分割では、或る任意の発光領域への隣接する発光領域からの光漏れを完全に無くすことは難しい。
また、LEDは温度変化等により、発光強度が変化するため、ダイナミックコントラスト制御時の色合いの変化を避けることが困難である。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、分割された発光領域のうちの自己の発光領域以外の発光領域から自己の発光領域への光漏れの影響を排除する液晶表示装置のバックライト駆動方法及びその装置並びに光漏れの影響を排除した液晶表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、液晶パネルに映像信号を表示するに際して、互いに独立して発光できる複数の発光ブロックに分割されているバックライトの上記発光ブロックの各々によって上記液晶パネルの対応する表示領域を照明する液晶表示装置のバックライト駆動方法に係り、上記発光ブロック毎に、当該発光ブロックと隣接する上記発光ブロックを発光させたとき、隣接する上記発光ブロックから当該発光ブロックに対応する上記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率を記憶手段に記憶し、上記映像信号から上記発光ブロック毎の点灯制御信号の生成に用いる信号成分を検出し、検出された上記信号成分の各々に基づいて生成される上記点灯制御信号によって上記バックライトの対応する上記発光ブロックを発光させ、上記発光ブロック毎に受光される光の強度を測定し、上記記憶手段から隣接する上記発光ブロックの上記光漏れ率を読み出し、当該発光ブロックに対応する、検出された上記信号成分、測定された上記光の強度及び読み出された上記光漏れ率に基づいて当該発光ブロックの発光を補正すると共に、上記信号成分は、上記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうち、上記各発光ブロックに対応する階調について、所定数の上記フレーム間平均した平均値であることを特徴としている。
【0010】
この発明の第2の構成は、映像信号を表示する液晶パネルと、互いに独立して発光できる複数の発光ブロックに分割され、上記発光ブロックの各々によって上記液晶パネルの対応する表示領域を照明するバックライトとを有する液晶表示装置のバックライト駆動装置に係り、上記発光ブロック毎に、当該発光ブロックと隣接する上記発光ブロックを発光させたとき、隣接する上記発光ブロックから当該発光ブロックに対応する上記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率を読み出し可能に記憶する記憶手段と、上記映像信号から上記発光ブロック毎の点灯制御信号の生成に用いる信号成分を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された上記信号成分の各々に基づいて生成される上記点灯制御信号によって上記バックライトの対応する上記発光ブロックを発光させる発光制御手段と、上記発光ブロック毎に受光される光の強度を測定する測定手段と、上記記憶手段から隣接する上記発光ブロックの上記光漏れ率を読み出す読み出し手段と、上記当該発光ブロックに対応する、上記検出手段によって検出された上記信号成分、上記測定手段によって測定された上記光の強度及び上記読み出し手段によって読み出された上記光漏れ率に基づいて上記当該発光ブロックの発光を補正する補正手段とを備えてなると共に、上記信号成分は、上記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうち、上記各発光ブロックに対応する階調について、所定数の上記フレーム間平均した平均値であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
この発明の構成によれば、分割されたバックライトの発光ブロック毎の点灯制御信号の生成に用いる信号成分を検出し、検出された信号成分に基づいて生成された点灯制御信号によって当該信号成分対応の発光ブロックを発光させたときの光の強度を発光ブロック毎に測定し、発光ブロック毎に当該発光ブロックに隣接している発光ブロックから上記当該発光ブロックに対応する表示領域の背面内へ漏れ込む光漏れ率を得て、当該発光ブロックに対応する信号成分、光の強度及び光漏れ率に基づいて上記当該発光ブロックの発光を補正しているから、隣接している発光ブロックから漏れ込む光の漏れ込み分の影響を除去することができ、光漏れによるコントラスト及び画面のメリハリが低下してしまうのを抑制することができる。
この光の漏れ込み分の影響排除という効果は、バックライトを構成するLEDの発光強度が変化した場合にも有効に作用するから、LEDの発光強度に変化があったとしても、コントラスト及び画面のメリハリを高度に保持させるのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施例1である液晶表示装置の電気的構成を示す図である。
【図2】同液晶表示装置のバックライトを4行5列に分割した場合の図である。
【図3】同液晶表示装置のバックライトを2分割した場合の図である。
【図4】同液晶表示装置のRLEDの発光階調及びセンサ階調のタイムチャートである。
【図5】同液晶表示装置の液晶の応答及びLEDバックライトの点滅のタイムチャートである。
【図6】この発明の実施例2である液晶表示装置の電気的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明は、バックライトを複数の発光ブロックに分割すること、映像信号から発光ブロック毎の点灯制御信号の生成に用いる信号成分を検出すること、検出された信号成分に基づいて生成された点灯制御信号によって当該信号成分対応の発光ブロックを発光させたときの光の強度を測定すること、発光ブロック毎に当該発光ブロックに隣接している発光ブロックから上記当該発光ブロックに対応する表示領域の背面内へ漏れ込む光漏れ率を得ること及び当該発光ブロックに対応する信号成分、光の強度及び光漏れ率に基づいて上記当該発光ブロックの発光を補正することを含んで構成される。
【実施例1】
【0014】
図1は、この発明の実施例1である液晶表示装置のバックライト駆動装置の電気的構成を示す図、図2は、同液晶表示装置のバックライトを4行5列に分割した場合の図、図3は、同液晶表示装置のバックライトを2分割した場合の図、図4は、同液晶表示装置のR
LEDの発光階調及びセンサ階調のタイムチャート、また、図5は、同液晶表示装置の液晶の応答及びLEDバックライトの点滅のタイムチャートである。
この実施例の液晶表示装置10は、液晶表示装置のバックライトを複数の発光ブロック(分割領域ともいう)に分割して発光ブロック毎に液晶パネルの対応する表示領域を照明する場合に任意の発光ブロックに隣接する発光ブロックから当該任意の発光ブロックの照明域内への光漏れの影響を排除させる装置に係り、図1に示すように、液晶パネル12の各画素に画素信号を順次印加して行く画素駆動装置14と、画素駆動装置14の一部を含み、液晶パネル12の背面から液晶パネル12を照明するバックライトを制御するバックライト駆動装置16とから構成されている。
【0015】
画素駆動装置14は、映像信号検出部22と、フレームメモリ24と、映像信号変換部26と、タイミングコントローラ28と、H−ドライバ30と、V−ドライバ32とから概略構成されている。
その映像信号検出部22が上述した画素駆動装置14の一部であり、これは、入力映像信号からその上述した分割領域(発光ブロック)に対応する信号成分の最大階調を検出して映像信号変換部26に出力すると共にその映像信号をフレームメモリ24に送出する機能部である。フレームメモリ24は、入力される映像信号を記憶する。
【0016】
そして、映像信号検出部22で検出される最大階調データとフレームメモリ24からの映像信号とに基づいて映像信号変換部26が映像信号の階調を変換し、その映像信号を線順次駆動方式で、H−ドライバ30へ順次に供給して行くタイミングと同期して、外部からタイミング信号の供給を受けるタイミングドライバ28が、画素信号が上述のようにして順次に供給されるH−ドライバ28に対して、上述の線順次方式で上記画素信号を対応する信号線に順次に印加して行く水平方向のタイミング信号を供給する一方、V−ドライバ32に線順次方式で走査線に順次に走査信号を印加させて行くタイミング信号を供給して液晶パネルの画面上に映像信号対応の画像を表示するようにして画素駆動装置14の全体は構成されている。
【0017】
そして、この表示に生じさせるのに必要な照明光を液晶パネル12の背面から液晶パネル12に照射させる制御を行うバックライト駆動装置16は、次のように構成されている。
バックライト駆動装置16は、上述した映像信号検出部22で検出される階調データを受け取るLED輝度変換部34と、LEDドライバ(1、2)36と、バックライト38[LEDバックライト(LED BL1)38,LEDバックライト(LED BL2)38]と、センサ(R,B,G)1 40,センサ(R,B,G)2 402と、センサ出力検出部42と、光漏れ演算部44と、映像信号−センサ出力比較部46とから構成される。バックライト38の分割数は、静止画が主なモニタや動画を主とするTVなどの目的や画面の大きさに応じて適宜な数に選択される。
【0018】
LED輝度変換部34は、検出された階調(信号成分)に基づいてLEDを発光させる輝度の変換をし(後述する)、それに基づいて生成された点灯制御信号をLEDドライバ36に出力するほか、各分割領域(発光ブロック)のR,G,BのLEDが任意のmフレーム(m=1,2,3,…)の間のフレーム毎に、いずれの階調で発光させられたかを記憶し、その平均値を算出してその出力平均階調を映像信号−センサ出力比較部46に出力する処理部である。なお、LED輝度変換部34におけるLEDを発光させる輝度の変換には、後述する階調補正データ分の補正も含まれる。
LEDドライバ36は、LED輝度変換部34からの輝度データで発光を生じさせる点灯制御信号をLEDバックライト38,38に供給する。センサ(R,B,G)1
40,センサ(R,B,G)2 402は、LEDバックライト38,38のR,G,Bの階調を検出して検出値をセンサ出力検出部42に出力するセンサである。
【0019】
センサ出力検出部42は、センサ(R,B,G)1 40,センサ(R,B,G)2 402からmフレームの間のフレーム毎に受光される光成分の階調の平均値を演算して各別に光漏れ演算部42に転送する処理部である。
光漏れ演算部42は、隣接している分割領域(発光ブロック)から該分割領域と隣り合う着目分割領域に対応する表示領域の背面内への光の漏れ込み分(光漏れ分)を考慮した場合の階調演算を行ってその演算結果(光漏れを考慮した平均階調)を映像信号−センサ出力比較部46に出力する処理部である。階調演算は、{(バックライト38の着目分割領域(任意の分割領域)についてのセンサの平均階調)−(当該着目分割領域に隣接する各分割領域の平均階調)×(光漏れ演算部42に記憶されている隣接する分割領域からの光漏れ率α)}なる演算である。光漏れ率は、例えば、予め用意されて光漏れ演算部42の記憶部に出力平均階調(後述する)に基づいて読み出し可能に記憶される。
【0020】
光漏れ率は、予め測定した値である。光漏れ率の測定は、任意の測定手段を用いて良く、その測定手段にこの発明は限定されない。例えば、試行品を用いて上記任意の発光ブロックを消灯した状態において周りの発光ブロックから当該任意の発光ブロックに対応する表示領域の背面内(上記任意の発光ブロックの照明域内)への光漏れ率を測定してその光漏れ率を光漏れ演算部42に予め記憶し、液晶表示装置10の稼動に際して、その光漏れ率を用いる。
映像信号−センサ出力比較部46は、LED輝度変換部34からの平均階調と演算結果とを比較し、階調補正データをLED輝度変換部34に出力する処理部である。
【0021】
次に、図1乃至図5を参照して、この実施例におけるバックライトの駆動を説明する。
この実施例における液晶パネル12への映像信号の供給態様は、従来と同様である。すなわち、入力される映像信号も、また、液晶パネル12を駆動するH−ドライバ30及びV−ドライバ32のタイミング信号も、図示しない供給部から供給される。
【0022】
映像信号が映像信号検出部22に入力されると、映像信号検出部22は、映像信号をフレームメモリ24に記憶させると共に、LEDバックライトが分割されている各発光ブロック(分割領域)のR、G、Bの映像について各々の最大階調データを検出する。
バックライトが、図3に示すように、2分割されている場合には、映像信号検出部22は、1〜n/2ラインのR、G、Bの映像信号の最大階調と、(n/2+1)〜nラインの映像信号の最大階調とを検出する。
次いで、映像信号検出部22から最大階調データとフレームメモリ24からの映像信号を受け取る映像信号変換部26が、液晶パネルに線順次駆動方式で印加される映像信号の階調(画素信号)を変更(変換)する。また、映像信号検出部22から最大階調データを受け取るLED輝度変換部34も、映像信号に割り当てられている最大階調(パネル最大階調)と検出される最大階調(映像信号の入力最大階調)に応じたLEDの輝度を変更(変換)する。
例えば、入力映像信号が6ビット(64階調)である、すなわち、液晶パネルの最大階調(パネル最大階調)が64階調とされる場合に、検出される最大階調(入力最大階調)が32階調であるとき、映像信号変換部26は、入力映像信号の32階調を64階調(入力映像信号32階調×パネル最大階調64階調/入力最大階調32階調)に変換し、入力映像信号の10階調を20階調(入力映像信号10階調×パネル最大階調64階調/入力最大階調32階調)に変換する。
【0023】
階調変更された映像信号は、順次に、H−ドライバ30へ供給される。そのタイミング(水平方向のタイミング)と同期して、外部から供給されるタイミング信号に応答するタイミングドライバ28は、上述の水平方向のタイミングで順次に供給される画素信号を受け取るH−ドライバ28に対して、上述の線順次方式で上記画素信号を対応するデータ線に順次に印加して行く水平方向のタイミング信号を供給する一方、V−ドライバ32に線順次方式で液晶パネル12のゲート線に順次に走査信号を印加させて行くタイミング信号を供給して液晶パネルの画面上に映像信号対応の画像の表示を生じさせる(映像信号が書き込まれる)。
【0024】
この映像信号の書き込みを生じさせるための照明光が、バックライト駆動装置16の制御の下に、液晶パネル12の背面から液晶パネル12に対して照射される。これを以下に説明する。
上述の映像信号の階調変換と共に、LED輝度変換部34において輝度変換が行われる。その変換は、検出された最大階調(入力最大階調)が32階調であるときには、映像信号のいずれの階調に対する輝度変換率も、50%(入力最大階調32階調/パネル最大階調64階調)となる仕方で行う。
LED輝度変換部34は、上述した輝度変換を行うほか、バックライトの各分割領域のR、G、BのLEDがmフレームの間のフレーム毎にいずれの階調で発光させたかを記憶し、その平均値(出力平均階調)を算出する。その出力平均値は、光漏れ演算部44及び映像信号−センサ出力比較部46へ転送される。
【0025】
この輝度変換された輝度で発光を生じさせる点灯制御信号が、LED輝度変換部34からLEDドライバ36に送られる。LEDドライバ36は、バックライト38,38をフレーム毎に駆動して液晶パネル12をその背面から照明する。
駆動されて発光するバックライト38,38から出射されるR、G、Bのそれぞれの光は、フレーム毎にセンサ(R、G、B)1 40,センサ(R、G、B)1 40によって検出され、検出されたセンサ出力についてのmフレーム間の平均階調がセンサ出力検出部42で算出される。
こうして算出されたmフレーム間のセンサの平均階調は、センサ出力検出部42から光漏れ演算部44へ転送される。
【0026】
光漏れ演算部44での階調演算は、(バックライト38の着目分割領域(着目発光ブロック)についてのセンサの平均階調)から(当該着目分割領域に隣接する各分割領域の平均階調)×(予め測定され、光漏れ演算部42に記憶されている隣接する分割領域から上記着目分割領域に対応する表示領域の背面内への光漏れ率α)なる演算を行い、この階調演算データを映像信号−センサ出力比較部46に出力する。
映像信号−センサ出力比較部46は、LED輝度変換部34で算出された着目分割領域の出力平均階調データと光漏れ演算部44で算出された階調演算データとを比較し、その比較結果に応じた階調補正信号(階調補正データ)をLED輝度変換部34へ転送する。
LED輝度変換部34は、階調補正信号に相当する階調分だけ着目分割領域の出力平均階調を補正し、すなわち、LED輝度変換部34の出力平均階調を光漏れ演算部44の平均階調に一致させ、その補正後の点灯駆動信号で着目発光ブロックを駆動する。
【0027】
次に、LED輝度変換部34から、LEDドライバ36、バックライト38,38、光センサ40,40、センサ出力検出部42、光漏れ演算部44、そして映像信号−センサ出力比較部46に至るバックライト駆動装置16の動作を具体な例を用いて説明する。
【0028】
例えば、図4に示すように、LED輝度変換部34が、映像信号検出部22で検出される階調を映像信号に割り当てられている最大階調(パネル最大階調)と検出された最大階調(入力最大階調)とに基づいた輝度に変換し、得られた輝度で発光を生じさせる点灯制御信号をLEDドライバ1,2 36に供給してLEDバックライト(LED BL1)38,LEDバックライト(LED BL2)38を駆動する場合における1フレーム目でのLEDバックライト38内のR LEDの出力階調(点灯制御に用いられる階調)が32階調で(図4のLED:32階調)、2フレーム目でのLEDバックライト38内のR LEDの出力階調が62階調で(図4のLED:62階調)、3フレーム目でのLEDバックライト38内のR LEDの出力階調が17階調(図4のLED:17階調)であるとすると、LEDバックライト38内のR LEDの出力平均階調は、37階調となる(図4のLED BL1:37階調)。
そして、LEDバックライト(LED BL2)38についても、各フレーム対応、すなわち、1フレーム目、2フレーム、そして3フレーム対応に、それぞれのR LEDの出力階調が与えられてLEDバックライト38内のR LEDの出力平均階調が40階調として算出されたとする(図4のLED BL2:40階調)。
【0029】
そして、上述したような出力階調でLEDバックライト(LED BL1)38内のR LEDが発光されたときに、その画像の1フレーム目でセンサ(R)1 40から得られる出力階調が34階調で(図4のセンサ平均:34階調)、2フレーム目でセンサ(R)1 40から得られる出力階調が64階調で(図4のセンサ平均:64階調)、3フレーム目でセンサ(R)1 40から得られる出力階調が19階調である(図4のセンサ平均:19階調)とすると、これらのセンサの出力階調を受け取るセンサ出力検出部42は、3フレーム間のセンサの平均階調として39階調を出力する(図4のセンサ平均:39階調)。
これと同様に、LEDバックライト2 38についても、LEDバックライト(LED BL2)38内のR LEDが発光されると、3フレーム間のセンサの平均階調がセンサ出力検出部42から各別に出力される。こうして得られるLEDバックライト2 38内のR LEDについての3フレーム間のセンサの平均階調も、センサ出力検出部42から出力されるが、この例では不要なので、具体的な階調値は省略する。
【0030】
LED輝度変換部34からLEDバックライト38内のR LEDの出力平均階調(上記例では、40階調)と、センサ出力検出部42からmフレーム間のセンサの平均階調(上記例では、3フレーム間のセンサの平均階調としての39階調)とを受け取る光漏れ演算部44は、階調演算に用いられる光漏れ率αをLED輝度変換部34の記憶部から出力平均階調に基づいて読み出し、上述した階調演算を行って光漏れを考慮に入れた平均階調を算出する。すなわち、{(センサ出力検出部42から出力された3フレームの間のセンサ(R1)1 40の平均階調、例えば、39階調)−(LEDバックライト38の内のR LEDの出力平均階調、例えば、40階調)×(LEDバックライト38内のR LEDからLEDバックライト38に対応する表示領域の背面内への光漏れ率α、例えば、10%)}を行い、LEDバックライト38内のR LEDにおける光漏れを考慮した平均階調、この例では35階調を算出する。
【0031】
この算出された平均階調は、映像信号−センサ出力比較部46へ転送され、この映像信号−センサ出力比較部46には、既に、LED輝度変換部34からLEDバックライト38内のR LEDの出力平均階調、例えば、37階調が届いているので、LEDバックライト38内のR LEDにおける光漏れを考慮した平均階調、この例では35階調とLEDバックライト38内のR LEDの出力平均階調、例えば、37階調との比較を行い、この例では、LEDバックライト38内のR LEDの出力平均階調を2階調だけ輝度を低下させる階調補正データをLED輝度変換部34へ送出する。
そのLED輝度変換部34は、階調補正データ分だけ補正し、すなわち、すなわち、LED輝度変換部34の出力平均階調を光漏れ演算部44で算出された光漏れを考慮に入れた平均階調に一致させ、この階調補正後の点灯制御信号をLEDドライバ1,2 36へ供給し、図5に示すタイミングでLEDバックライト38内のR LEDをその点灯制御信号対応の輝度で発光させる。
【0032】
なお、上記具体的説明は、説明を簡潔にするため、R、G、BのうちのRについてのみの説明としたが、G、Bについても同様の光漏れに対する階調補正処理が平行して行われる。
【0033】
このように、この実施例の構成によれば、複数に分割されるバックライトのうちの任意の発光ブロックに対応する表示領域の背面内へ隣接する他の発光ブロックから漏れ込む光の漏れ込み分の影響は排除されるから、光漏れによるコントラスト及び画面のメリハリが低下してしまうのを抑制することができる。
この光の漏れ込み分の影響排除という効果は、バックライトを構成するLEDの発光強度が変化した場合にも有効に作用するから、LEDの発光強度に変化があったとしても、コントラスト及び画面のメリハリを高度に保持させるのに有効である。
【実施例2】
【0034】
図6は、この発明の実施例2である液晶表示装置の電気的構成を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、LEDバックライトの出力平均階調と光漏れを考慮にいれた平均階調との比較をテーブルの検索で行うようにした点である。
すなわち、この実施例の液晶表示装置10Aは、図6に示すように、実施例1における映像信号−センサ出力比較部46をルックアップテーブル46Aで構成したことに特徴部分がある。ルックアップテーブル46Aには、予め測定されたLEDバックライトの出力平均階調と光漏れを考慮にいれた平均階調と階調補正データとの関係が登録されている。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
【0035】
次に、図6を参照して、この実施例の動作について説明する。
この実施例の動作も、次の点を除いて、実施例1と同様である。相違点は、実施例1で行う階調補正の処理をバックライトの出力平均階調と光漏れを考慮に入れた平均階調との比較演算からルックアップテーブル46Aのテーブル検索形式にした点である。
これを説明すると、LED輝度変換部34で算出された出力平均階調と、光漏れ演算部44で算出された光漏れを考慮に入れた平均階調とがルックアップテーブル46Aに入力される。ルックアップテーブル46Aにおいて、上記2つの平均階調による検索が行われて階調補正データが出力される。
この階調補正データは、LED輝度変換部34へ転送される。LED輝度変換部34で、映像信号から検出され変換されて算出されている平均階調が階調補正データ分だけの補正が行われて、すなわち、光漏れ演算部44の平均階調とLED輝度変換部34の出力平均階調との一致処理が行われてその補正後の出力平均階調に対応する輝度で発光を生じさせる点灯制御信号が、LEDドライバ1,2 36へ供給される。
LEDバックライト38は、LEDドライバ1,2 36によって図5に示すタイミングで点灯制御信号対応の輝度で発光させられ、階調補正される。
【0036】
このように、この実施例の構成によれば、複数に分割されるバックライトのうちの任意の発光ブロックに対応する表示領域の背面内へ隣接する他の発光ブロックから漏れ込む光漏れ込み分の影響は排除されるから、実施例1と同等の効果が得られる。
【0037】
以上、この発明の実施例を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、LED輝度変換部34からLEDドライバ1,2 36へのバックライト駆動系を映像信号検出部22で検出される階調に応じた輝度の変換なしにLEDドライバへ点灯制御信号を供給する構成であってもよい。この場合にも、駆動されるバックライトの平均階調を算定し、その階調補正に供する構成するのがよい。
【0038】
光漏れ率の測定をその取得手段の他の一態様として構成してもよい。入力映像信号を光漏れ率測定用の映像信号に代えて映像信号検出部22に入力し、その映像信号の階調に応じた輝度での発光を生じさせる点灯制御信号をLED輝度変換部34からLEDドライバ1,2 36に供給する。LEDドライバ1,2 36から信号によって発光させられたバックライト38の発光をセンサ40,40で検出してセンサ出力検出部42を介して光漏れ演算部へ転送する。この場合の光漏れ演算部は、センサ出力検出部42から入力される各平均階調に基づいて任意の発光ブロックへの隣接する発光ブロックからの光漏れの割合(光漏れ率)を算出する演算部をさらに含んで構成され、その光漏れ率は、光漏れ演算部の記憶領域に記憶されて階調補正データの算出に用いられる。
また、光漏れ率を測定すると同様にして、上述した光の漏れ込み分を予め測定して記憶して階調補正に供することも可能である。
【0039】
光漏れ率測定用の映像信号は、各種の態様で構成し得る。例えば、それ専用の信号として構成されてもよいし、通常の映像信号の中に埋め込められて構成されてもよい。
また、光漏れ率は、バックライト、液晶パネル及びバックライトから液晶パネルへの光導波路の光学的構造関係から理論的に導くようにして取得手段の他の一態様を構成し、そこから導かれた値を上記実施例等で用いてもよい。
LED輝度変換部34、センサ出力検出部42、光漏れ演算部44及び映像信号−出力比較部46は、各種の形式で構成し得る。LED輝度変換部34からの任意の発光ブロックの出力平均階調と、任意の発光ブロックに隣接する発光ブロックの出力平均階調及び光漏れ演算部44での演算に用いられる光漏れ率に基づく光の漏れ込み分乃至は上述の代替測定法によって得られる光の漏れ込み分と、センサ出力検出部42から出力される任意の発光ブロックについての平均階調とに基づいて所期の階調補正分を導出するようにしてもよい。この構成において、例えば、光の漏れ込み分の記憶を上述の出力平均階調で検索可能にし、この光の漏れ込み分を上述したところと同様にして着目発光ブロック(分割領域)の発光の補正に用いるようにすることは、上記記載から容易に為し得る技術的範囲にある。
【産業上の利用可能性】
【0040】
ここに開示している液晶表示装置のバックライト駆動方法及びその装置並びに液晶表示装置は、各種の表示装置、例えば、情報処理装置、携帯端末装置、ビデオカメラの表示装置等やテレビ等として利用し得る。
【符号の説明】
【0041】
10、10A 液晶表示装置
22 映像信号検出部(検出手段)
26 映像信号変換部(パネル駆動手段)
34 LED輝度変換部(発光制御手段の一部)
36 LEDドライバ(1、2)(発光制御手段の残部)
38 バックライト
38,38 発光ブロック
40 センサ(R,B,G)1(測定手段の一部)
402 センサ(R,B,G)2(測定手段の一部)
42 センサ出力検出部(測定手段の残部)
44 光漏れ演算部(読み出し手段、算定手段の残部)
46 映像信号−センサ出力比較部(補正手段の一部)
46A LUT(補正手段の残部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルに映像信号を表示するに際して、互いに独立して発光できる複数の発光ブロックに分割されているバックライトの前記発光ブロックの各々によって前記液晶パネルの対応する表示領域を照明する液晶表示装置のバックライト駆動方法であって、
前記発光ブロック毎に、当該発光ブロックと隣接する前記発光ブロックを発光させたとき、隣接する前記発光ブロックから当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率を記憶手段に記憶し、
前記映像信号から前記発光ブロック毎の点灯制御信号の生成に用いる信号成分を検出し、
検出された前記信号成分の各々に基づいて生成される前記点灯制御信号によって前記バックライトの対応する前記発光ブロックを発光させ、
前記発光ブロック毎に受光される光の強度を測定し、
前記記憶手段から隣接する前記発光ブロックの前記光漏れ率を読み出し、
当該発光ブロックに対応する、検出された前記信号成分、測定された前記光の強度及び読み出された前記光漏れ率に基づいて当該発光ブロックの発光を補正すると共に、
前記信号成分は、前記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうち、前記各発光ブロックに対応する階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値であることを特徴とする液晶表示装置のバックライト駆動方法。
【請求項2】
前記信号成分は、前記各発光ブロックに対応する最大階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のバックライト駆動方法。
【請求項3】
前記光の強度は、前記点灯制御信号によって前記発光ブロックが発光されたとき前記当該発光ブロックについて測定される前記光の階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のバックライト駆動方法。
【請求項4】
前記当該発光ブロックの発光の補正は、前記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうちの前記発光ブロックに対応する前記階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値と、前記点灯制御信号によって前記発光ブロックが発光されたとき前記当該発光ブロックについて測定される前記光の階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値と、前記点灯制御信号によって隣接している前記発光ブロックが発光されたときに隣接している前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む前記光の発生に用いられる階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値との一部又は全部に基づいて行われることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のバックライト駆動方法。
【請求項5】
前記当該発光ブロックの発光の補正は、前記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうちの前記発光ブロックに対応する前記階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値と、式(1)から算出される演算値との比較演算に基づいて行われることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のバックライト駆動方法。
Lc=Lo−L2s×α ……(1)
但し、式(1)のLcは光漏れを考慮に入れた階調の演算値、Loは、前記点灯制御信号によって前記発光ブロックが発光されたとき前記当該発光ブロックについて測定される前記光の階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、L2sは前記点灯制御信号によって隣接している前記発光ブロックが発光されたときに隣接している前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む前記光の発生に用いられる階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、αは隣接する前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率である。
【請求項6】
前記当該発光ブロックの発光の補正は、前記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうちの前記発光ブロックに対応する前記階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値と、式(2)から算出される演算値と、前記平均値と前記演算値とから決定される階調補正データとの対応表を前記平均値及び前記演算値で検索して出力される前記階調補正データとに基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のバックライト駆動方法。
Lc=Lo−L2s×α ……(2)
但し、式(2)のLcは光漏れを考慮に入れた階調の演算値、Loは、前記点灯制御信号によって前記発光ブロックが発光されたとき前記当該発光ブロックについて測定される前記光の階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、L2sは前記点灯制御信号によって隣接している前記発光ブロックが発光されたときに隣接している前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む前記光の発生に用いられる階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、αは隣接する前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率である。
【請求項7】
前記点灯制御信号は、前記発光ブロックに対応する前記階調を所定の輝度変換した値に基づいて生成されることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか一に記載の液晶表示装置のバックライト駆動方法。
【請求項8】
映像信号を表示する液晶パネルと、互いに独立して発光できる複数の発光ブロックに分割され、前記発光ブロックの各々によって前記液晶パネルの対応する表示領域を照明するバックライトとを有する液晶表示装置のバックライト駆動装置であって、
前記発光ブロック毎に、当該発光ブロックと隣接する前記発光ブロックを発光させたとき、隣接する前記発光ブロックから当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率を読み出し可能に記憶する記憶手段と、
前記映像信号から前記発光ブロック毎の点灯制御信号の生成に用いる信号成分を検出する検出手段と、
該検出手段によって検出された前記信号成分の各々に基づいて生成される前記点灯制御信号によって前記バックライトの対応する前記発光ブロックを発光させる発光制御手段と、
前記発光ブロック毎に受光される光の強度を測定する測定手段と、
前記記憶手段から隣接する前記発光ブロックの前記光漏れ率を読み出す読み出し手段と、
前記当該発光ブロックに対応する、前記検出手段によって検出された前記信号成分、前記測定手段によって測定された前記光の強度及び前記読み出し手段によって読み出された前記光漏れ率に基づいて前記当該発光ブロックの発光を補正する補正手段とを備えてなると共に、
前記信号成分は、前記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうち、前記各発光ブロックに対応する階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値であることを特徴とする液晶表示装置のバックライト駆動装置。
【請求項9】
前記信号成分は、前記各発光ブロックに対応する最大階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値であることを特徴とする請求項8記載の液晶表示装置のバックライト駆動装置。
【請求項10】
前記測定手段は、前記点灯制御信号によって前記発光ブロックが発光されたときに前記当該発光ブロックについて測定される前記光の階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値を出力する手段であることを特徴とする請求項8記載の液晶表示装置のバックライト駆動装置。
【請求項11】
前記補正手段は、前記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうちの前記発光ブロックに対応する前記階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値を出力する検出手段と、隣接している前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率を記憶する記憶手段を含み、式(3)の演算を行う第1の演算手段と、検出手段の前記平均値と前記第1の演算手段から算出される演算値との比較演算を行う第2の演算手段とで構成されることを特徴とする請求項8記載の液晶表示装置のバックライト駆動装置。
Lc=Lo−L2s×α ……(3)
但し、式(3)のLcは光漏れを考慮に入れた階調の演算値、Loは、前記点灯制御信号によって前記発光ブロックが発光されたとき前記当該発光ブロックについて測定される前記光の階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、L2sは前記点灯制御信号によって隣接している前記発光ブロックが発光されたときに隣接している前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む前記光の発生に用いられる階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、αは隣接する前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率である。
【請求項12】
前記補正手段は、前記映像信号のフレーム毎に検出される階調のうちの前記発光ブロックに対応する前記階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値と、式(4)から算出される演算値と、前記平均値と前記演算値とから決定される階調補正データとの対応表と、前記平均値及び前記演算値に基づいて前記対応表を検索する検索手段とで構成されることを特徴とする請求項8記載の液晶表示装置のバックライト駆動装置。
Lc=Lo−L2s×α ……(4)
但し、式(4)のLcは光漏れを考慮に入れた階調の演算値、Loは、前記点灯制御信号によって前記発光ブロックが発光されたとき前記当該発光ブロックについて測定される前記光の階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、L2sは前記点灯制御信号によって隣接している前記発光ブロックが発光されたときに隣接している前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む前記光の発生に用いられる階調について、所定数の前記フレーム間平均した平均値、αは隣接する前記発光ブロックから前記当該発光ブロックに対応する前記表示領域の背面内へ漏れ込む光の光漏れ率である。
【請求項13】
前記点灯制御信号は、前記発光ブロックに対応する前記階調を所定の輝度変換した値に基づいて生成されることを特徴とする請求項8乃至12のうちのいずれか一に記載の液晶表示装置のバックライト駆動装置。
【請求項14】
液晶パネルと、該液晶パネルを照明するバックライトと、該バックライトの発光を制御するバックライト駆動装置とを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト駆動装置は、請求項8乃至13のいずれか一に記載のバックライト駆動装置で構成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項15】
液晶パネルと、
該液晶パネルを照明するバックライトと、
映像信号の階調に基づいて階調変換された前記映像信号を前記液晶パネルに印加するパネル駆動手段と、
前記バックライトの発光を制御する装置であって請求項8乃至13のいずれか一に記載のバックライト駆動装置とを備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−15864(P2013−15864A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−219918(P2012−219918)
【出願日】平成24年10月1日(2012.10.1)
【分割の表示】特願2007−180344(P2007−180344)の分割
【原出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(303018827)NLTテクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】