液晶表示装置及びその制御方法
【課題】光源やサブピクセルの色数を増やすことなく、3原色表示よりも表示色域を広くする。
【解決手段】緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは黄色の波長域において重なり、緑色の光源の発光スペクトルと青色のサブピクセルの透過スペクトルとはシアン色の波長域において重なる。1フレームの表示期間を、青色及び赤色の光源を点灯させることにより青色のサブピクセルから青色の透過光、赤色のサブピクセルから赤色の透過光を得る第1のサブフレーム期間と、緑色の光源を点灯させることにより緑色のサブピクセルから緑色の透過光を得るとともに、青色のサブピクセルからシアン色の透過光を得るか又は赤色のサブピクセルから黄色の透過光を得るかの少なくともいずれかとする第2のサブフレーム期間と、に分割して光源の制御を行う。
【解決手段】緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは黄色の波長域において重なり、緑色の光源の発光スペクトルと青色のサブピクセルの透過スペクトルとはシアン色の波長域において重なる。1フレームの表示期間を、青色及び赤色の光源を点灯させることにより青色のサブピクセルから青色の透過光、赤色のサブピクセルから赤色の透過光を得る第1のサブフレーム期間と、緑色の光源を点灯させることにより緑色のサブピクセルから緑色の透過光を得るとともに、青色のサブピクセルからシアン色の透過光を得るか又は赤色のサブピクセルから黄色の透過光を得るかの少なくともいずれかとする第2のサブフレーム期間と、に分割して光源の制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に液晶表示装置の色再現範囲は、バックライト光源の分光波長特性とカラーフィルタの分光波長透過特性の積によって決定される。ピクセルを構成する、赤色、緑色及び青色の3原色のサブピクセルで色再現する場合、色再現できる色域領域は各サブピクセルで表示できる表示色の色度点の頂点を結んだ、三角形の内側の領域に限定される。
【0003】
表示可能な色域領域を拡張する方法の1つとして、分光波長特性が異なる2種類以上の光源を用い、時分割発光を行う方法がある。各光源と分光波長透過特性の異なる複数のサブピクセルとの組み合わせによって表示可能な表示色に合わせ、入力画像情報をカラーマトリックス変換し、時分割発光制御に同期して液晶パネルを駆動制御する。さらに、隣接色のサブピクセルからの光漏れを防ぐために、そのサブピクセルを遮光し、黒表示とする。これにより、色純度を高めた多原色表示を実現する技術(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−118133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図3(f)における分光波長特性において、赤色301、緑色303、青色305に、赤色と緑色との中間色にあたる黄色302、及び緑色と青色との中間色にあたるシアン色304を加えた5原色表示を実現することを考える。そのためには、特許文献1に記載の技術では、少なくとも赤色301、緑色303及び青色305に分光波長のピークを持つ光源と、黄色302及びシアン色304の分光波長ピークを持つ光源を設ける必要があるという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、3色の光源に他の色の光源を追加したり、3色のサブピクセルに他の色のサブピクセルを追加したりすることなく、3原色表示よりも表示可能な色域を広くすることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御手段と、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御手段と、
を備える液晶表示装置であって、
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第
1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置である。
【0008】
本発明は、第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
を備える液晶表示装置の制御方法であって、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御ステップと、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御ステップと、
を有し、
前記光源制御ステップでは、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3色の光源に他の色の光源を追加したり、3色のサブピクセルに他の色のサブピクセルを追加したりすることなく、3原色表示よりも表示可能な色域を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の液晶表示処理部の構成を示すブロック図
【図2】実施例1の光源部及び液晶部の構成を示す構造図
【図3】実施例1の光源、透過光、及びサブピクセルの波長特性
【図4】実施例1の色再現できる色域領域を示す色度図
【図5】実施例1の光源及びサブピクセルの動作の説明図
【図6】実施例1の液晶表示処理部の動作を示すフローチャート
【図7】実施例2の光源、透過光、及びサブピクセルの波長特性
【図8】実施例2の色再現できる色域領域図、光源及びサブピクセルの動作説明図
【図9】実施例3の透過光の波長特性及び色再現できる色域領域を示す色度図
【図10】実施例3の光源及びサブピクセルの動作の説明図
【図11】実施例4の光源、透過光、及びサブピクセルの波長特性
【図12】実施例4の色再現できる色域領域を示す色度図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例に係るバックライトに多原色光源を用いた液晶表示装置について説明する。第1の実施例は、動作原理の概念をわかりやすく説明するため、各光源が理想的な分光波長特性をもち、各サブピクセルが理想的な分光波長透過特性をもつことを前提にした実施例である。
【0012】
図1は、第1の実施例を実現する液晶表示装置内部の液晶表示処理部100の構成を示
したブロック図である。液晶表示処理部100は、映像データ変換部101、カラーマトリックス変換部102、サブフレーム分割部103、光源制御信号生成部104、液晶制御信号生成部105、同期制御部106、光源制御部107、液晶制御部108、光源部109及び液晶部110を有する。
【0013】
映像データ変換部101は、外部より入力される入力映像信号を、液晶部110の表示解像度に合わせたピクセル単位のデジタル映像信号に変換し、カラーマトリックス変換部102に出力する。スケーリング処理やI/P変換処理が必要な場合は、映像データ変換部101がこれらの処理を担う。カラーマトリックス変換部102は、デジタル映像信号に対し、予め設定される5原色カラー変換テーブルを用いてカラーマトリックス変換を行い、5原色映像信号を生成する。生成された5原色映像信号は、サブフレーム分割部103に出力される。
【0014】
第1の実施例では、1つのフレーム画像を2つのサブフレームによる時分割で表示する
。そのため、サブフレーム分割部103では、5原色映像信号を2つのサブフレームで構成する映像信号に分割し、サブフレーム映像信号を生成する。また、サブフレーム分割部103は、同期制御部106に対し、サブフレームシンク信号を出力する。
【0015】
光源制御信号生成部104は、サブフレーム映像信号から光源部109を発光制御するための光源制御信号を生成する。液晶制御信号生成部105は、サブフレーム映像信号から液晶部110を駆動制御するための液晶制御信号を生成する。同期制御部106は、サブフレーム分割部103からのサブフレームシンク信号をもとに、光源制御部107と液晶制御部108の同期を取るための同期制御信号を生成する。そして、光源制御部107及び液晶制御部108に出力する。
【0016】
光源制御部107は、光源制御信号をもとに光源部109の各色の光源の点灯及び消灯を独立に制御する。なお、光源部109の発光制御は、同期制御信号に従い、液晶部110の制御タイミングと同期させる。光源部109は、光源制御部107の発光制御に従い、指定光源を点灯する。液晶制御部108は、液晶制御信号をもとに各サブピクセルが指定の透過率となるよう、液晶部110を駆動制御する。なお、液晶部110の駆動制御は、同期制御信号に従い、光源部109の制御タイミングと同期させる。液晶部110は、入力する画像データに応じた液晶制御部の駆動制御に従い、各サブピクセルの液晶配向角が変化し、これにより各サブピクセルの透過率が変化する。
なお、液晶表示処理部100の内部処理のより詳しい説明は、後述するフローチャートを用いて説明する。
【0017】
図2は、光源部(バックライトモジュール)109と液晶部(液晶パネルモジュール)110を組み合わせた、液晶モジュールの構造を示した図である。図2は、説明をわかりやすくするため、簡略化した構造図である。実際の詳細構造は、光源強度、光源の拡散板等による拡散特性、光源放射角等を考慮の上、液晶部110と光源部109との空間距離や、光源数、光源レイアウト等が決定されるものである。
【0018】
光源部109は、バックライト面211に赤色光源213(第3の光源)、第1の緑色光源214、第2の緑色光源215及び青色光源216(第1の光源)を配置した、RGGBバックライトの構成をとる。バックライト面211は光源からの光を拡散、反射させる役割を担う。なお、第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215を1組として緑色光源群212(第2の光源)と表記する。第1の実施例では、第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215の分光波長特性は同一であるものとする。
【0019】
液晶部110は、透過型の液晶パネルであり、第1の光拡散板201、第1の偏光板2
02、カラーフィルタ207、液晶208、第2の偏光板209及び第2の光拡散板210とで構成する。赤色サブピクセル204(第3のサブピクセル)、緑色サブピクセル205(第2のサブピクセル)、青色サブピクセル206(第1のサブピクセル)を1組として構成されるピクセル203(画素)の集合である。第1の光拡散板201は視野角を補う目的の光拡散板であり、第2の光拡散板210は光源部109からの光を拡散し、液晶部110に入射する光の輝度ムラ、色ムラを抑制する目的の拡散板である。
【0020】
第1の実施例における、各光源の分光波長特性(発光スペクトル)を図3(a)に示す。赤色光源213は、赤色波長帯域に波長ピークを持つ分光波長帯域が狭い光源である。同様に青色光源216は、青色波長帯域に波長ピークを持つ分光波長帯域が狭い光源である。カラーフィルタ207による帯域制限をかけなくとも、十分な赤色(第3の色)、青色(第1の色)の表示色を得ることができる光源である。これに対し、緑色光源群212は、シアン色(第4の色)、緑色(第2の色)、黄色(第5の色)を含む分光波長特性を持つ、広演色光源を構成する。
【0021】
続いて、各サブピクセルの分光波長透過特性(透過スペクトル)を図3(b)に示す。緑色サブピクセル205は、緑色の波長帯域の光のみを透過する。これに対し、赤色サブピクセル204は、黄色から赤色の波長帯域の光を透過する。同様に青色サブピクセル206は、青色からシアン色の波長帯域の光を透過する。つまり、緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは黄色の波長域において重なる。また、緑色の光源の発光スペクトル青色のサブピクセルの透過スペクトルとはシアン色の波長域において重なる。
このように、緑色光源群212及び青色サブピクセル206は、緑色光源群212の発光スペクトルが緑色と青色との中間色であるシアン色を含み、且つ、青色サブピクセル206がシアン色の光を更に透過する、という第1の条件を満たす。また、緑色光源群212及び赤色サブピクセル204は、緑色光源群212の発光スペクトルが緑色と赤色との中間色である黄色を含み、且つ、赤色サブピクセル204が黄色の光を更に透過する、という第2の条件を満たす。
【0022】
次に、光源部109の各光源の発光制御と液晶部110の各サブピクセルの透過制御を組み合わせることにより、赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305の5原色を抽出する方法について説明する。
【0023】
1フレームを2つのサブフレームにより分割して時分割表示を行う際の、光源部109の各光源の点灯関係、及び液晶部110の各サブピクセルの透過制御関係を図5に示す。
【0024】
図5(a)において、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213及び青色光源216を点灯し、緑色光源群212を消灯する。そして、サブピクセルは赤色サブピクセル204と青色サブピクセル206の透過制御を行い、緑色サブピクセル205は遮光する(透過率を最小値に制御する)。これにより、赤色301と青色305の光を透過させる。この関係を図3(c)に示す。赤色光源213の分光波長特性に対し、赤色サブピクセル204の分光波長透過特性は十分に帯域が広いため、赤色光源213の光がほぼそのまま赤色サブピクセル204を透過して、赤色301の透過光を得ることになる。青色光源216と青色サブピクセル206の関係も同様に、青色光源216の光がほぼそのまま青色サブピクセル206を透過して、青色305の透過光が得られる。
【0025】
第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212のみを点灯し、赤色光源213及び青色光源216を消灯する。そして、サブピクセルは全色のサブピクセルの透過制御を行なう。これにより、黄色302、緑色303及びシアン色304の光を透過させる。
【0026】
緑色303の表示について、図3(d)をもとに説明する。緑色光源群212は広演色光源であり分光波長帯域が広いが、緑色サブピクセル205の分光波長透過特性が緑色波長帯域にピークを持つ狭い透過特性を持つことから、緑色サブピクセル205で緑色303の透過光が得られる。
【0027】
続いて、黄色302及びシアン色304の表示について、図3(e)をもとに説明する。緑色光源212が点灯中に赤色サブピクセル204を透過させると、緑色光源群212の分光波長帯域と赤色サブピクセル204の分光波長透過特性とが重なる帯域の波長光が、赤色サブピクセル204から透過する。これによって、赤色サブピクセル204で黄色302の透過光が得られる。同様に、緑色光源212が点灯中に青色サブピクセル206を透過させると、緑色光源群212の分光波長帯域と青色サブピクセル206の分光波長透過特性とが重なる帯域の波長光が、青色サブピクセル206から透過する。これによって、青色サブピクセル206でシアン色304の透過光が得られる。
【0028】
1フレームの表示期間を第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間の複数に分割して時分割表示することによって図3(f)で示す分光波長特性を持つ赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305による5原色表示が可能となる。また、各々の色の発光輝度を制御することにより、図4の五角形401(R-Y-G-C-B)で示す色域領域の色再現が可能となる。なお参考までに、図4の三角形402(R-
G-B)で示す色域領域は、赤色301、緑色303及び青色305の3原色表示で色再
現できる色域領域を示す。比較結果より、5原色表示にすることで、再現できる色域領域が拡張されることが確認できる。
【0029】
次に、図6のフローチャートを用いて、液晶表示処理部100での内部処理についてより詳しく説明する。
【0030】
ステップS601では、映像データ変換部101が、外部より入力される入力映像信号を、液晶部110の表示解像度に合わせたピクセル単位のデジタル映像信号に変換し、カラーマトリックス変換部102に出力する。そして、ステップS602に進む。なお、ここでのデジタル映像信号フォーマットとしてはYUVフォーマットを想定するが、各種入力映像の色域を狭めることを抑制しつつ正確にカラーマトリックス変換部102に伝送できる映像信号フォーマットであればこれに限定されるものではない。
【0031】
ステップS602では、カラーマトリックス変換部102が映像データ変換部101から入力されるデジタル映像信号をもとに、各ピクセル色を、サブピクセル表示できる5原色成分に分けるカラーマトリックス変換を行う。変換後の映像信号は5原色映像信号として、サブフレーム分割部103に出力される。そして、ステップS603に進む。なお、カラーマトリックス変換には、予め映像表示装置のサブピクセルにて表示可能な5原色に対応し、最適化されたカラー変換テーブルを用いる。これにより、3軸表現されたデジタル映像信号を、5原色成分に置き換えた5原色映像信号に変換する。
【0032】
ステップS603では、サブフレーム分割部103がカラーマトリックス変換部102から入力されるフレーム毎の5原色映像信号(1フレームの画像データ)を、2つのサブフレームの画像データに分割する。第1のサブフレーム期間で表示する赤色301及び青色305の画素データからなる第1のサブフレーム画像データと、第2のサブフレーム期間で表示する黄色302、緑色303及びシアン色304の画素データからなる第2のサブフレーム画像データとに分割する。この信号をサブフレーム映像信号として生成し、光源制御信号生成部104及び液晶制御信号生成部105に出力する。また、サブフレーム映像信号をもとにサブフレームシンク信号を生成し、同期制御部106に出力する。そしてステップS604及びステップS606に進む。
なお、フローチャート上に記載がないが、同期制御部106は、サブフレーム分割部103からのサブフレームシンク信号をもとに、光源部109の光源点灯と液晶部110の駆動の同期を取るための同期制御信号を生成する。生成された同期制御信号は、光源制御部107及び液晶制御部108に出力される。
【0033】
ステップS604では、光源制御信号生成部104がサブフレーム分割部103から入力されるサブフレーム画像データをもとに、光源部109の発光制御を行うための、光源制御信号を生成する。光源制御信号は、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213及び青色光源216を点灯し、第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212を点灯するための制御信号である。生成された光源制御信号は、光源制御部107に出力される。そして、ステップS605に進む。
【0034】
ステップS605では、光源制御部107が光源制御信号生成部104から入力される光源制御信号をもとに、各サブフレーム期間において点灯させる光源を決定する。そして、同期制御部106からの同期制御信号に従い、液晶部110の制御タイミングと同期させて、光源部109を発光制御する。この制御に従い、光源部109の指定の光源(光源制御信号による指定の光源)が点灯することになる。そして、ステップS601に戻り、本フローチャートの処理を繰り返すことになる。
ステップS606では、液晶制御信号生成部105がサブフレーム分割部103から入力されるサブフレーム映像信号をもとに、各サブピクセルの透過率を指定の透過率とする液晶配向角を実現するための液晶制御信号を生成する。生成された液晶制御信号は、液晶制御部108に出力される。
【0035】
第1のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの赤色の画素データに応じて制御する。また、緑色のサブピクセルの透過率を遮光(最小値)に制御する。また、青色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの青色の画素データに応じて制御する。
【0036】
第2のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの黄色の画素データに応じて制御する。また、緑色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの緑色の画素データに応じて制御する。また、青色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データのシアン色の画素データに応じて制御する。そして、ステップS607に進む。
【0037】
ステップS607では、液晶制御部108が液晶制御信号生成部105から入力される液晶制御信号をもとに、液晶部110の各サブピクセルの液晶配向角を制御する。そして、同期制御部106からの同期制御信号に従い、光源部109の制御タイミングと同期させて、液晶部110を駆動制御する。これにより、液晶部110のサブピクセルの透過率が変化する。そして、ステップS601に戻り、本フローチャートの処理を1フレーム毎に繰り返すことになる。
【0038】
これらの構成及び制御により、1フレームの表示期間を2つのサブフレーム期間に分割し、1フレームの画像データを2つのサブフレーム画像データに分割し、時分割表示する。各サブフレーム期間において点灯する光源を切り替える。一方のサブフレーム期間において、発光波長にシアン及び黄色を含む光源を点灯させ、透過波長にシアンを含む液晶部110のサブピクセル及び透過波長に黄色を含む液晶部110のサブピクセルを透過制御する。これによって、透過光が赤色301と緑色303の中間色である黄色302となるサブピクセル、及び、緑色303と青色305の中間色であるシアン色304となるサブピクセル、を実現できる。従って、赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305による5原色表示が可能になる。つまり、赤色、緑色、青色の光源に他
の色の光源を追加したり、赤色、緑色、青色のサブピクセルに他の色のサブピクセルを追加したりすることなく、3原色表示と比較して表示可能な色域領域を拡張することができる。
なお、上述した条件を満足する光源及びサブピクセルの組み合わせにより、少なくとも1色の中間色を得ることによって、光源の色数より多い原色数での表示を行う構成を含む液晶表示装置及びその制御方法は本発明の範囲に含まれる。つまり、黄色302及びシアン色304のどちらか一方のみを得る構成であってもよい。例えば、青色を第1の色、青色光源を第1の光源、青色サブピクセルを第1のサブピクセル、緑色を第2の色、緑色光源を第2の光源、緑色サブピクセルを第2のサブピクセル、シアン色を第4の色、赤色を第3の色、赤色光源を第3の光源、赤色サブピクセルを第3のサブピクセルとする。図5(b)に示すように、第1のサブフレーム期間では、青色光源を点灯することにより、青色サブピクセルの透過光として青色の光を得るとともに、赤色光源を点灯することにより、赤色サブピクセルの透過光として赤色の光を得る。第2のサブフレーム期間では、緑色光源を点灯することにより、青色サブピクセルの透過光としてシアン色の光、緑色サブピクセルの透過光として緑色の光を得る。赤色サブピクセルは遮光(透過率最小)とする。これにより、赤色、緑色、及び青色の3色の光源及びサブピクセルにより、赤色、緑色、青色、及びシアン色の4原色表示が可能になる。同様に、第2のサブフレーム期間において赤色サブピクセルを透過制御し青色サブピクセルを遮光することにより、赤色、緑色、青色、及び黄色の4原色表示が可能になる。このような構成の青色、緑色及び赤色の光源及びサブピクセルを含み、1フレームの表示期間を少なくとも第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の発光制御を行う液晶表示装置は本発明に含まれる。なお、このような4原色表示を行う構成の場合、上記第1の条件又は第2の条件のいずれか一方が成立していれば十分である。すなわち、赤色、緑色、青色、及びシアン色の4原色表示は、第1の条件のみが成立していれば十分である。また、赤色、緑色、青色、及び黄色の4原色表示は、第2の条件のみが成立していれば十分である。第1の条件及び第2の条件が共に成立する場合、上述した赤色、緑色、青色、シアン色、及び黄色の5原色表示を必ずしも行う必要はなく、上記の2通りの4原色表示のいずれかを行っても良い。
また、本実施例では、1フレームの表示期間を第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間とに分割して時分割表示する場合を例示した。しかし、1フレームの表示期間を第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間と第3のサブフレーム期間とに分割して時分割表示してもよい。例えば、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213を点灯し、緑色光源群212及び青色光源216を消灯する。そして、サブピクセルは赤色サブピクセル204の透過制御を行い、緑色サブピクセル205と青色サブピクセル206は遮光する(透過率を最小値に制御する)。これにより、赤色301の光を透過させる。第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212のみを点灯し、赤色光源213及び青色光源216を消灯する。そして、サブピクセルは全色のサブピクセルの透過制御を行なう。これにより、黄色302、緑色303及びシアン色304の光を透過させる。第3のサブフレーム期間では、青色光源216を点灯し、緑色光源群212及び赤色光源213を消灯する。そして、サブピクセルは青色サブピクセル206の透過制御を行い、緑色サブピクセル205と赤色サブピクセル204は遮光する(透過率を最小値に制御する)。これにより、青色305の光を透過させる。この場合も、赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305による5原色表示が可能となる。なお、第2のサブフレーム期間において、黄色302及びシアン色304のどちらか一方のみを得る構成であってもよい。
【0039】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例との違いは、緑色光源群212として広演色光源を用いる代わりに、第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215に異なる分光波長のピークを持つ光源を組み合わせている点が異なる。液晶表示処理
部100の構成及び内部処理、ならびに液晶モジュールの構造のうち第1の実施例と同等のものについては説明を省略する。
【0040】
第2の実施例における、各光源の分光波長特性を図7(a)に示す。第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215は、異なる分光波長のピークをもつ帯域の狭い光源であり、この2つを合成した緑色光源群の分光波長特性は破線212のようになる。第1の緑色光源214は、シアン色に近い第1の緑色にピークを持つ発光素子により構成される。第2の緑色光源215は、黄色に近い第2の緑色にピークを持つ発光素子により構成される。
【0041】
続いて、各サブピクセルの分光波長透過特性を図7(b)に示す。第1の実施例でのサブピクセルの分光波長透過特性図3(b)に対し、緑色光源群212から緑色703のサブピクセル透過光を得るため、緑色サブピクセル205の分光波長透過帯域を広げ最適化している。これに合わせ、赤色サブピクセル204及び青色サブピクセル206の分光波長減衰特性を変え、赤色サブピクセル204の減衰開始波長を実施例1より長波長寄りとし、青色サブピクセル206の減衰開始波長を実施例1より短波長寄りとしている。緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは黄色の波長域において重なり、緑色の光源の発光スペクトルと青色のサブピクセルの透過スペクトルとはシアン色の波長域において重なる点は実施例1と同様である。つまり、本実施例の各色の光源及びサブピクセルは、上述した第1の条件及び第2の条件を満たす。なお、カラーフィルタの役割は第1の実施例と同様である。
【0042】
第1の実施例と同様に、1フレームを2つのサブフレーム期間に分割し、1フレーム画像データを2つのサブフレーム画像データに分割することにより、1フレームの画像を時分割表示する。そして、光源部109の各光源の発光制御と液晶部110の各サブピクセルの透過制御を組み合わせることにより、赤色701、黄色702、緑色703、シアン色704及び青色705の5原色をサブピクセル透過光を得る。
【0043】
第1のサブフレーム期間では、赤色光源213(第4の光源)及び青色光源216(第1の光源)を点灯し、緑色光源群212(第2及び第3の光源)を消灯する。そして、サブピクセルは赤色サブピクセル204(第3のサブピクセル)と青色サブピクセル206(第1のサブピクセル)の透過制御を行い、緑色サブピクセル205(第2のサブピクセル)は遮光する。これにより、赤色701(第4の色)と青色705(第1の色)のサブピクセル透過光を得る。この関係を図7(c)に示す。
【0044】
第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212(第2及び第3の光源)を点灯し、赤色光源213(第4の光源)及び青色光源216(第1の光源)を消灯する。そして、サブピクセルは全色のサブピクセル(第1〜第3のサブピクセル)の透過制御を行なう。これにより、黄色702(第7の色)、緑色703(第5の色)及びシアン色704(第6の色)のサブピクセル透過光を得る。図7(d)で示す通り、緑色703のサブピクセル透過光は、緑色光源群212と緑色サブピクセル205との組み合わせで得る。また、図7(e)で示す通り黄色702のサブピクセル透過光は、緑色光源群212と赤色サブピクセル204との組み合わせで得る。同様にシアン色704のサブピクセル透過光は、緑色光源群212と青色サブピクセル206との組み合わせで得る。
【0045】
この結果、第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを用いた時分割表示によって、図7(f)で示す分光波長特性を持つ赤色701、黄色702、緑色703、シアン色704及び青色705による5原色表示が可能となる。また、各々の色の発光輝度を制御することにより、図8(a)の五角形801(R-Y-G-C-B)で示す色域領域の色再現が可能となる。図8(a)の三角形802(R-G-B)で示す3原色表示で色再現できる色
域領域と比較すると、5原色表示にすることで、表現できる色域領域が拡張されることが確認できる。
また、1フレームを2つのサブフレームにより分割して時分割表示を行う際の、光源部109の各光源の点灯関係、及び液晶部110の各サブピクセルの透過制御関係を図8(b)に示す。なお、図8(b)に示すように、第2のサブフレーム期間で、赤色サブピクセルは遮光(透過率最小)としてもよい。これにより、赤色、緑色、青色、及びシアン色の4原色表示が可能になる。同様に、第2のサブフレーム期間において赤色サブピクセルを透過制御し青色サブピクセルを遮光することにより、赤色、緑色、青色、及び黄色の4原色表示が可能になる。
【0046】
なお第2の実施例では、緑色光源群の発光スペクトルと赤色サブピクセルや青色サブピクセルの透過スペクトルとの重なりが小さいため、黄色702及びシアン色704の発光強度が、赤色701、緑色703及び青色705に対し小さくなる。この場合、黄色702及びシアン色704の発光輝度の上限を超えない範囲での5原色表示では、表示可能な色域領域を図8の領域801まで拡張することは可能である。しかし、黄色702及びシアン色704の発光輝度の上限を超えてしまう5原色表示においては、表示可能な色域領域を図8の領域801から図8の領域802の範囲内で縮小してしまう。そこで、緑色光源群212の発光輝度を他の色の光源の発光輝度より高め、緑色サブピクセル205の透過率を緑色光源群212の発光輝度に応じて小さくすることで緑色703を減光調節し、黄色702及びシアン色704の発光輝度を高めるようにしても良い。
【0047】
これらの構成及び制御により、緑色光源群212に対し、広演色光源の代わりに異なる分光波長のピークを持つ2つの光源の組み合わせ1組とし置き換えた場合でも、実施例1と同様の効果を奏する。すなわち、赤色、緑色、青色の光源やサブピクセルに加えて他の色の光源やサブピクセルを設けることなく、3原色表示と比較して表示可能な色域領域を拡張することができる。
【0048】
(実施例3)
以下、本発明の第3の実施例について図9及び図10を用いて説明する。第3の実施例では、第1及び第2の実施例と同様に、第2のサブフレーム期間において、第1の黄色902及び第1のシアン色904のサブピクセル透過光を得る。そして、さらに第1のサブフレーム期間において、第2のシアン色906のサブピクセル透過光を得ることを特徴としている。
【0049】
液晶表示処理部100及び液晶モジュールの構造は第1の実施例に準ずるものとし、説明を省略する。液晶表示処理部100の内部処理について差異の部分について後述し説明する。
図10(a)をもとに説明すると、第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212が赤色サブピクセル204を透過することで第1の黄色902を表示し、緑色光源群212が青色サブピクセル206を透過することで第1のシアン色904を表示している。そのため、赤色サブピクセル204及び青色サブピクセル206の透過率を各々制御することによって、第1の黄色902及び第1のシアン色904の発光輝度を個別に調整することができる。これは、緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは第1の黄色の波長域において重なり、緑色の光源の発光スペクトルと青色のサブピクセルの透過スペクトルとは第1のシアン色の波長域において重なることによる。
【0050】
一方、赤色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは第2の黄色の波長域において重なり、青色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは第2のシアン色の波長域において重なる場合を想定する。この場合、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213が緑色サブピクセル205を透過することで第
2の黄色(第7の色)を表示し、青色光源216が緑色サブピクセル205を透過することで第2のシアン色906(第6の色)を表示することになる。つまり、共に緑色サブピクセル205を用いて、第2の黄色及び第2のシアン色906を混色表示することになる。そのため、緑色サブピクセル205の透過率を制御する場合、第2の黄色及び第2のシアン色906の発光輝度を独立して調整することはできない。
【0051】
そこで、第3の実施例では、緑色サブピクセル205の分光波長透過特性に、赤色光源213の分光波長帯域の光を遮断する分光波長透過特性をもたせる。つまり、赤色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは重ならないようにして、緑色サブピクセル205より赤色光源213の光が漏れるのを抑制する。これにより、図10(b)で示すように第1のサブフレーム期間において、緑色サブピクセル205を用いて第2のシアン色906のみ抽出する。これにより、第1のサブフレーム期間に緑色サブピクセル205を用いて第2のシアン色906の光を透過させ、緑色サブピクセルの透過率を制御することによって、第2のシアン色906の発光輝度を調整することができる。
【0052】
第2の実施例の光源部109及び液晶部110の構成のまま、第2のシアン色906を表示する場合を説明する。図9(a)で示す通り、青色光源216が点灯中に緑色サブピクセル205を透過させると、青色光源216の分光波長特性と緑色サブピクセル205の分光波長透過特性とが重なる帯域の波長光が、緑色サブピクセル205から透過する。これによって、緑色サブピクセル205で第2のシアン色906の透過光が得られる。
【0053】
この結果、第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを用いた時分割表示によって、図9(b)で示す分光波長特性をもつ赤色901、第1の黄色902、緑色903、第1のシアン色904、第2のシアン色906及び青色905による6原色表示が可能となる。また、各々の色の発光輝度を制御することにより、図9(c)の6角形911(R-Y-G-C2-C1-B)で示す色域領域の色再現が可能となる。第2の実施例の場合での、図
9(c)の領域912で示す5原色表示で色再現できる色域領域と比較すると、6原色表示にすることで、再現できる色域領域がさらに拡張されることが確認できる。
【0054】
なお、6原色表示が可能になることで、カラーマトリックス変換部102では、デジタル映像信号に対し、予め設定される6原色カラー変換テーブルを用いてカラーマトリックス変換を行い、5原色映像信号に代わり6原色映像信号を生成することになる。以降のブロックではこの6原色映像信号をもとにサブフレーム映像信号生成以降の処理を行なう。つまり、入力する1フレームの画像データを、赤色、青色、及び第2のシアン色の画素データからなる第1のサブフレーム画像データと、緑色、黄色、及び第1のシアン色の画素データからなる第2のサブフレーム画像データと、に分割する。
【0055】
第1のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの赤色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの第2のシアン色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの青色の画素データに応じて制御する。
【0056】
第2のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの黄色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの緑色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの第1のシアン色の画素データに応じて制御する。こうして、時分割表示による6原色表示を実現する。
【0057】
これらの構成及び制御により、第1及び第2の実施例に対してさらに、赤色及び青色の2つの光源が点灯するサブフレーム期間において、いずれか一方の光源(ここでは赤色光
源)の発光波長帯域を遮断する透過波長特性の緑色サブピクセルを透過制御する。これにより、第1のサブフレームを用いて緑色903と青色905の中間色である第2のシアン色906を抽出することができる。これによって、赤色901、黄色902、緑色903、第1のシアン色904、第2のシアン色906及び青色905による6原色表示することができる。
【0058】
なお、第1のサブフレームを用いて第2のシアン色906を抽出することを説明したが、逆に緑色サブピクセル205の透過特性を青色光源216の発光波長帯域を遮断する透過波長特性とすることで、第2の黄色を抽出することも可能である。つまり、青色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは重ならず、赤色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは第2の黄色の波長域において重なるようにする。入力する1フレームの画像データを、赤色、青色、及び第2の黄色の画素データからなる第1のサブフレーム画像データと、緑色、第1の黄色、及びシアン色の画素データからなる第2のサブフレーム画像データと、に分割する。
【0059】
第1のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの赤色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの第2の黄色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの青色の画素データに応じて制御する。
【0060】
第2のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの第1の黄色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの緑色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データのシアン色の画素データに応じて制御する。これにより、赤色、青色、緑色、シアン色、第1の黄色、第2の黄色による6原色表示が可能になる。
【0061】
(実施例4)
以下、本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施例の構成は、緑色光源群212に広演色光源や異なる分光波長のピークをもつ光源を用いず、緑色波長帯域にピークを持つ分光波長帯域が狭い光源を用いた場合である。液晶表示処理部100の構成及び内部処理、ならびに液晶モジュールの構造は第1の実施例に準じるものとし、説明を省略する。また、6原色表示する場合については、第3の実施例に準じるものとし、説明を省略する。
【0062】
第4の実施例における赤色光源213、緑色光源群212及び青色光源216の分光波長特性を図11(a)に示す。また、赤色サブピクセル204、緑色サブピクセル205及び青色サブピクセル206の分光波長透過特性を図11(b)に示す。この特性の違いを組み合わせ、第1及び第3の実施例同様に制御することによって、第1のサブフレーム期間において、図11(c)及び図11(d)で示すように、赤色1101、青色1105及び第2のシアン色1106が得られる。また、第2のサブフレーム期間において、図11(e)及び(f)で示すように、黄色1102、緑色1103及第1のシアン色1104が得られる。
【0063】
第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを用いた時分割表示によって、図11(g)で示す分光波長特性を持つ赤色1101、黄色1102、緑色1103、第1のシアン色1104、第2のシアン色1106及び青色1105による6原色表示が可能となる。この場合の色再現できる色域領域は、図12の六角形1201(R-Y-G-C1-C2-B
)で示す領域となる。なお、赤色1101、黄色1102、緑色1103、第1のシアン色1104及び青色1105による5原色表示によって色再現できる色域領域が、図12
の五角形1202(R-Y-G-C1-B)で示す領域となる。また、赤色1101、緑色1103及び青色1105による3原色表示によって色再現できる色域領域が、図12の三角形1203(R-G-B)で示す領域となる。
【0064】
よって、緑色光源群212が緑色波長帯域にピークを持つ分光波長帯域が狭い光源である場合でも、時分割表示により、サブフレーム毎に点灯する光源を切り替えることで、新たな光源やサブピクセルを設けることなく5原色表示や6原色表示が可能になる。これにより、3原色表示と比較して表示可能な色域領域を拡張することができる。
【符号の説明】
【0065】
109:光源部、110:液晶部、103:サブフレーム分割部、107:光源制御部、108:液晶制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に液晶表示装置の色再現範囲は、バックライト光源の分光波長特性とカラーフィルタの分光波長透過特性の積によって決定される。ピクセルを構成する、赤色、緑色及び青色の3原色のサブピクセルで色再現する場合、色再現できる色域領域は各サブピクセルで表示できる表示色の色度点の頂点を結んだ、三角形の内側の領域に限定される。
【0003】
表示可能な色域領域を拡張する方法の1つとして、分光波長特性が異なる2種類以上の光源を用い、時分割発光を行う方法がある。各光源と分光波長透過特性の異なる複数のサブピクセルとの組み合わせによって表示可能な表示色に合わせ、入力画像情報をカラーマトリックス変換し、時分割発光制御に同期して液晶パネルを駆動制御する。さらに、隣接色のサブピクセルからの光漏れを防ぐために、そのサブピクセルを遮光し、黒表示とする。これにより、色純度を高めた多原色表示を実現する技術(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−118133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図3(f)における分光波長特性において、赤色301、緑色303、青色305に、赤色と緑色との中間色にあたる黄色302、及び緑色と青色との中間色にあたるシアン色304を加えた5原色表示を実現することを考える。そのためには、特許文献1に記載の技術では、少なくとも赤色301、緑色303及び青色305に分光波長のピークを持つ光源と、黄色302及びシアン色304の分光波長ピークを持つ光源を設ける必要があるという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、3色の光源に他の色の光源を追加したり、3色のサブピクセルに他の色のサブピクセルを追加したりすることなく、3原色表示よりも表示可能な色域を広くすることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御手段と、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御手段と、
を備える液晶表示装置であって、
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第
1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置である。
【0008】
本発明は、第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
を備える液晶表示装置の制御方法であって、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御ステップと、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御ステップと、
を有し、
前記光源制御ステップでは、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3色の光源に他の色の光源を追加したり、3色のサブピクセルに他の色のサブピクセルを追加したりすることなく、3原色表示よりも表示可能な色域を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の液晶表示処理部の構成を示すブロック図
【図2】実施例1の光源部及び液晶部の構成を示す構造図
【図3】実施例1の光源、透過光、及びサブピクセルの波長特性
【図4】実施例1の色再現できる色域領域を示す色度図
【図5】実施例1の光源及びサブピクセルの動作の説明図
【図6】実施例1の液晶表示処理部の動作を示すフローチャート
【図7】実施例2の光源、透過光、及びサブピクセルの波長特性
【図8】実施例2の色再現できる色域領域図、光源及びサブピクセルの動作説明図
【図9】実施例3の透過光の波長特性及び色再現できる色域領域を示す色度図
【図10】実施例3の光源及びサブピクセルの動作の説明図
【図11】実施例4の光源、透過光、及びサブピクセルの波長特性
【図12】実施例4の色再現できる色域領域を示す色度図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例に係るバックライトに多原色光源を用いた液晶表示装置について説明する。第1の実施例は、動作原理の概念をわかりやすく説明するため、各光源が理想的な分光波長特性をもち、各サブピクセルが理想的な分光波長透過特性をもつことを前提にした実施例である。
【0012】
図1は、第1の実施例を実現する液晶表示装置内部の液晶表示処理部100の構成を示
したブロック図である。液晶表示処理部100は、映像データ変換部101、カラーマトリックス変換部102、サブフレーム分割部103、光源制御信号生成部104、液晶制御信号生成部105、同期制御部106、光源制御部107、液晶制御部108、光源部109及び液晶部110を有する。
【0013】
映像データ変換部101は、外部より入力される入力映像信号を、液晶部110の表示解像度に合わせたピクセル単位のデジタル映像信号に変換し、カラーマトリックス変換部102に出力する。スケーリング処理やI/P変換処理が必要な場合は、映像データ変換部101がこれらの処理を担う。カラーマトリックス変換部102は、デジタル映像信号に対し、予め設定される5原色カラー変換テーブルを用いてカラーマトリックス変換を行い、5原色映像信号を生成する。生成された5原色映像信号は、サブフレーム分割部103に出力される。
【0014】
第1の実施例では、1つのフレーム画像を2つのサブフレームによる時分割で表示する
。そのため、サブフレーム分割部103では、5原色映像信号を2つのサブフレームで構成する映像信号に分割し、サブフレーム映像信号を生成する。また、サブフレーム分割部103は、同期制御部106に対し、サブフレームシンク信号を出力する。
【0015】
光源制御信号生成部104は、サブフレーム映像信号から光源部109を発光制御するための光源制御信号を生成する。液晶制御信号生成部105は、サブフレーム映像信号から液晶部110を駆動制御するための液晶制御信号を生成する。同期制御部106は、サブフレーム分割部103からのサブフレームシンク信号をもとに、光源制御部107と液晶制御部108の同期を取るための同期制御信号を生成する。そして、光源制御部107及び液晶制御部108に出力する。
【0016】
光源制御部107は、光源制御信号をもとに光源部109の各色の光源の点灯及び消灯を独立に制御する。なお、光源部109の発光制御は、同期制御信号に従い、液晶部110の制御タイミングと同期させる。光源部109は、光源制御部107の発光制御に従い、指定光源を点灯する。液晶制御部108は、液晶制御信号をもとに各サブピクセルが指定の透過率となるよう、液晶部110を駆動制御する。なお、液晶部110の駆動制御は、同期制御信号に従い、光源部109の制御タイミングと同期させる。液晶部110は、入力する画像データに応じた液晶制御部の駆動制御に従い、各サブピクセルの液晶配向角が変化し、これにより各サブピクセルの透過率が変化する。
なお、液晶表示処理部100の内部処理のより詳しい説明は、後述するフローチャートを用いて説明する。
【0017】
図2は、光源部(バックライトモジュール)109と液晶部(液晶パネルモジュール)110を組み合わせた、液晶モジュールの構造を示した図である。図2は、説明をわかりやすくするため、簡略化した構造図である。実際の詳細構造は、光源強度、光源の拡散板等による拡散特性、光源放射角等を考慮の上、液晶部110と光源部109との空間距離や、光源数、光源レイアウト等が決定されるものである。
【0018】
光源部109は、バックライト面211に赤色光源213(第3の光源)、第1の緑色光源214、第2の緑色光源215及び青色光源216(第1の光源)を配置した、RGGBバックライトの構成をとる。バックライト面211は光源からの光を拡散、反射させる役割を担う。なお、第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215を1組として緑色光源群212(第2の光源)と表記する。第1の実施例では、第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215の分光波長特性は同一であるものとする。
【0019】
液晶部110は、透過型の液晶パネルであり、第1の光拡散板201、第1の偏光板2
02、カラーフィルタ207、液晶208、第2の偏光板209及び第2の光拡散板210とで構成する。赤色サブピクセル204(第3のサブピクセル)、緑色サブピクセル205(第2のサブピクセル)、青色サブピクセル206(第1のサブピクセル)を1組として構成されるピクセル203(画素)の集合である。第1の光拡散板201は視野角を補う目的の光拡散板であり、第2の光拡散板210は光源部109からの光を拡散し、液晶部110に入射する光の輝度ムラ、色ムラを抑制する目的の拡散板である。
【0020】
第1の実施例における、各光源の分光波長特性(発光スペクトル)を図3(a)に示す。赤色光源213は、赤色波長帯域に波長ピークを持つ分光波長帯域が狭い光源である。同様に青色光源216は、青色波長帯域に波長ピークを持つ分光波長帯域が狭い光源である。カラーフィルタ207による帯域制限をかけなくとも、十分な赤色(第3の色)、青色(第1の色)の表示色を得ることができる光源である。これに対し、緑色光源群212は、シアン色(第4の色)、緑色(第2の色)、黄色(第5の色)を含む分光波長特性を持つ、広演色光源を構成する。
【0021】
続いて、各サブピクセルの分光波長透過特性(透過スペクトル)を図3(b)に示す。緑色サブピクセル205は、緑色の波長帯域の光のみを透過する。これに対し、赤色サブピクセル204は、黄色から赤色の波長帯域の光を透過する。同様に青色サブピクセル206は、青色からシアン色の波長帯域の光を透過する。つまり、緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは黄色の波長域において重なる。また、緑色の光源の発光スペクトル青色のサブピクセルの透過スペクトルとはシアン色の波長域において重なる。
このように、緑色光源群212及び青色サブピクセル206は、緑色光源群212の発光スペクトルが緑色と青色との中間色であるシアン色を含み、且つ、青色サブピクセル206がシアン色の光を更に透過する、という第1の条件を満たす。また、緑色光源群212及び赤色サブピクセル204は、緑色光源群212の発光スペクトルが緑色と赤色との中間色である黄色を含み、且つ、赤色サブピクセル204が黄色の光を更に透過する、という第2の条件を満たす。
【0022】
次に、光源部109の各光源の発光制御と液晶部110の各サブピクセルの透過制御を組み合わせることにより、赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305の5原色を抽出する方法について説明する。
【0023】
1フレームを2つのサブフレームにより分割して時分割表示を行う際の、光源部109の各光源の点灯関係、及び液晶部110の各サブピクセルの透過制御関係を図5に示す。
【0024】
図5(a)において、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213及び青色光源216を点灯し、緑色光源群212を消灯する。そして、サブピクセルは赤色サブピクセル204と青色サブピクセル206の透過制御を行い、緑色サブピクセル205は遮光する(透過率を最小値に制御する)。これにより、赤色301と青色305の光を透過させる。この関係を図3(c)に示す。赤色光源213の分光波長特性に対し、赤色サブピクセル204の分光波長透過特性は十分に帯域が広いため、赤色光源213の光がほぼそのまま赤色サブピクセル204を透過して、赤色301の透過光を得ることになる。青色光源216と青色サブピクセル206の関係も同様に、青色光源216の光がほぼそのまま青色サブピクセル206を透過して、青色305の透過光が得られる。
【0025】
第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212のみを点灯し、赤色光源213及び青色光源216を消灯する。そして、サブピクセルは全色のサブピクセルの透過制御を行なう。これにより、黄色302、緑色303及びシアン色304の光を透過させる。
【0026】
緑色303の表示について、図3(d)をもとに説明する。緑色光源群212は広演色光源であり分光波長帯域が広いが、緑色サブピクセル205の分光波長透過特性が緑色波長帯域にピークを持つ狭い透過特性を持つことから、緑色サブピクセル205で緑色303の透過光が得られる。
【0027】
続いて、黄色302及びシアン色304の表示について、図3(e)をもとに説明する。緑色光源212が点灯中に赤色サブピクセル204を透過させると、緑色光源群212の分光波長帯域と赤色サブピクセル204の分光波長透過特性とが重なる帯域の波長光が、赤色サブピクセル204から透過する。これによって、赤色サブピクセル204で黄色302の透過光が得られる。同様に、緑色光源212が点灯中に青色サブピクセル206を透過させると、緑色光源群212の分光波長帯域と青色サブピクセル206の分光波長透過特性とが重なる帯域の波長光が、青色サブピクセル206から透過する。これによって、青色サブピクセル206でシアン色304の透過光が得られる。
【0028】
1フレームの表示期間を第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間の複数に分割して時分割表示することによって図3(f)で示す分光波長特性を持つ赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305による5原色表示が可能となる。また、各々の色の発光輝度を制御することにより、図4の五角形401(R-Y-G-C-B)で示す色域領域の色再現が可能となる。なお参考までに、図4の三角形402(R-
G-B)で示す色域領域は、赤色301、緑色303及び青色305の3原色表示で色再
現できる色域領域を示す。比較結果より、5原色表示にすることで、再現できる色域領域が拡張されることが確認できる。
【0029】
次に、図6のフローチャートを用いて、液晶表示処理部100での内部処理についてより詳しく説明する。
【0030】
ステップS601では、映像データ変換部101が、外部より入力される入力映像信号を、液晶部110の表示解像度に合わせたピクセル単位のデジタル映像信号に変換し、カラーマトリックス変換部102に出力する。そして、ステップS602に進む。なお、ここでのデジタル映像信号フォーマットとしてはYUVフォーマットを想定するが、各種入力映像の色域を狭めることを抑制しつつ正確にカラーマトリックス変換部102に伝送できる映像信号フォーマットであればこれに限定されるものではない。
【0031】
ステップS602では、カラーマトリックス変換部102が映像データ変換部101から入力されるデジタル映像信号をもとに、各ピクセル色を、サブピクセル表示できる5原色成分に分けるカラーマトリックス変換を行う。変換後の映像信号は5原色映像信号として、サブフレーム分割部103に出力される。そして、ステップS603に進む。なお、カラーマトリックス変換には、予め映像表示装置のサブピクセルにて表示可能な5原色に対応し、最適化されたカラー変換テーブルを用いる。これにより、3軸表現されたデジタル映像信号を、5原色成分に置き換えた5原色映像信号に変換する。
【0032】
ステップS603では、サブフレーム分割部103がカラーマトリックス変換部102から入力されるフレーム毎の5原色映像信号(1フレームの画像データ)を、2つのサブフレームの画像データに分割する。第1のサブフレーム期間で表示する赤色301及び青色305の画素データからなる第1のサブフレーム画像データと、第2のサブフレーム期間で表示する黄色302、緑色303及びシアン色304の画素データからなる第2のサブフレーム画像データとに分割する。この信号をサブフレーム映像信号として生成し、光源制御信号生成部104及び液晶制御信号生成部105に出力する。また、サブフレーム映像信号をもとにサブフレームシンク信号を生成し、同期制御部106に出力する。そしてステップS604及びステップS606に進む。
なお、フローチャート上に記載がないが、同期制御部106は、サブフレーム分割部103からのサブフレームシンク信号をもとに、光源部109の光源点灯と液晶部110の駆動の同期を取るための同期制御信号を生成する。生成された同期制御信号は、光源制御部107及び液晶制御部108に出力される。
【0033】
ステップS604では、光源制御信号生成部104がサブフレーム分割部103から入力されるサブフレーム画像データをもとに、光源部109の発光制御を行うための、光源制御信号を生成する。光源制御信号は、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213及び青色光源216を点灯し、第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212を点灯するための制御信号である。生成された光源制御信号は、光源制御部107に出力される。そして、ステップS605に進む。
【0034】
ステップS605では、光源制御部107が光源制御信号生成部104から入力される光源制御信号をもとに、各サブフレーム期間において点灯させる光源を決定する。そして、同期制御部106からの同期制御信号に従い、液晶部110の制御タイミングと同期させて、光源部109を発光制御する。この制御に従い、光源部109の指定の光源(光源制御信号による指定の光源)が点灯することになる。そして、ステップS601に戻り、本フローチャートの処理を繰り返すことになる。
ステップS606では、液晶制御信号生成部105がサブフレーム分割部103から入力されるサブフレーム映像信号をもとに、各サブピクセルの透過率を指定の透過率とする液晶配向角を実現するための液晶制御信号を生成する。生成された液晶制御信号は、液晶制御部108に出力される。
【0035】
第1のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの赤色の画素データに応じて制御する。また、緑色のサブピクセルの透過率を遮光(最小値)に制御する。また、青色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの青色の画素データに応じて制御する。
【0036】
第2のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの黄色の画素データに応じて制御する。また、緑色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの緑色の画素データに応じて制御する。また、青色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データのシアン色の画素データに応じて制御する。そして、ステップS607に進む。
【0037】
ステップS607では、液晶制御部108が液晶制御信号生成部105から入力される液晶制御信号をもとに、液晶部110の各サブピクセルの液晶配向角を制御する。そして、同期制御部106からの同期制御信号に従い、光源部109の制御タイミングと同期させて、液晶部110を駆動制御する。これにより、液晶部110のサブピクセルの透過率が変化する。そして、ステップS601に戻り、本フローチャートの処理を1フレーム毎に繰り返すことになる。
【0038】
これらの構成及び制御により、1フレームの表示期間を2つのサブフレーム期間に分割し、1フレームの画像データを2つのサブフレーム画像データに分割し、時分割表示する。各サブフレーム期間において点灯する光源を切り替える。一方のサブフレーム期間において、発光波長にシアン及び黄色を含む光源を点灯させ、透過波長にシアンを含む液晶部110のサブピクセル及び透過波長に黄色を含む液晶部110のサブピクセルを透過制御する。これによって、透過光が赤色301と緑色303の中間色である黄色302となるサブピクセル、及び、緑色303と青色305の中間色であるシアン色304となるサブピクセル、を実現できる。従って、赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305による5原色表示が可能になる。つまり、赤色、緑色、青色の光源に他
の色の光源を追加したり、赤色、緑色、青色のサブピクセルに他の色のサブピクセルを追加したりすることなく、3原色表示と比較して表示可能な色域領域を拡張することができる。
なお、上述した条件を満足する光源及びサブピクセルの組み合わせにより、少なくとも1色の中間色を得ることによって、光源の色数より多い原色数での表示を行う構成を含む液晶表示装置及びその制御方法は本発明の範囲に含まれる。つまり、黄色302及びシアン色304のどちらか一方のみを得る構成であってもよい。例えば、青色を第1の色、青色光源を第1の光源、青色サブピクセルを第1のサブピクセル、緑色を第2の色、緑色光源を第2の光源、緑色サブピクセルを第2のサブピクセル、シアン色を第4の色、赤色を第3の色、赤色光源を第3の光源、赤色サブピクセルを第3のサブピクセルとする。図5(b)に示すように、第1のサブフレーム期間では、青色光源を点灯することにより、青色サブピクセルの透過光として青色の光を得るとともに、赤色光源を点灯することにより、赤色サブピクセルの透過光として赤色の光を得る。第2のサブフレーム期間では、緑色光源を点灯することにより、青色サブピクセルの透過光としてシアン色の光、緑色サブピクセルの透過光として緑色の光を得る。赤色サブピクセルは遮光(透過率最小)とする。これにより、赤色、緑色、及び青色の3色の光源及びサブピクセルにより、赤色、緑色、青色、及びシアン色の4原色表示が可能になる。同様に、第2のサブフレーム期間において赤色サブピクセルを透過制御し青色サブピクセルを遮光することにより、赤色、緑色、青色、及び黄色の4原色表示が可能になる。このような構成の青色、緑色及び赤色の光源及びサブピクセルを含み、1フレームの表示期間を少なくとも第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の発光制御を行う液晶表示装置は本発明に含まれる。なお、このような4原色表示を行う構成の場合、上記第1の条件又は第2の条件のいずれか一方が成立していれば十分である。すなわち、赤色、緑色、青色、及びシアン色の4原色表示は、第1の条件のみが成立していれば十分である。また、赤色、緑色、青色、及び黄色の4原色表示は、第2の条件のみが成立していれば十分である。第1の条件及び第2の条件が共に成立する場合、上述した赤色、緑色、青色、シアン色、及び黄色の5原色表示を必ずしも行う必要はなく、上記の2通りの4原色表示のいずれかを行っても良い。
また、本実施例では、1フレームの表示期間を第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間とに分割して時分割表示する場合を例示した。しかし、1フレームの表示期間を第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間と第3のサブフレーム期間とに分割して時分割表示してもよい。例えば、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213を点灯し、緑色光源群212及び青色光源216を消灯する。そして、サブピクセルは赤色サブピクセル204の透過制御を行い、緑色サブピクセル205と青色サブピクセル206は遮光する(透過率を最小値に制御する)。これにより、赤色301の光を透過させる。第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212のみを点灯し、赤色光源213及び青色光源216を消灯する。そして、サブピクセルは全色のサブピクセルの透過制御を行なう。これにより、黄色302、緑色303及びシアン色304の光を透過させる。第3のサブフレーム期間では、青色光源216を点灯し、緑色光源群212及び赤色光源213を消灯する。そして、サブピクセルは青色サブピクセル206の透過制御を行い、緑色サブピクセル205と赤色サブピクセル204は遮光する(透過率を最小値に制御する)。これにより、青色305の光を透過させる。この場合も、赤色301、黄色302、緑色303、シアン色304及び青色305による5原色表示が可能となる。なお、第2のサブフレーム期間において、黄色302及びシアン色304のどちらか一方のみを得る構成であってもよい。
【0039】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例との違いは、緑色光源群212として広演色光源を用いる代わりに、第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215に異なる分光波長のピークを持つ光源を組み合わせている点が異なる。液晶表示処理
部100の構成及び内部処理、ならびに液晶モジュールの構造のうち第1の実施例と同等のものについては説明を省略する。
【0040】
第2の実施例における、各光源の分光波長特性を図7(a)に示す。第1の緑色光源214及び第2の緑色光源215は、異なる分光波長のピークをもつ帯域の狭い光源であり、この2つを合成した緑色光源群の分光波長特性は破線212のようになる。第1の緑色光源214は、シアン色に近い第1の緑色にピークを持つ発光素子により構成される。第2の緑色光源215は、黄色に近い第2の緑色にピークを持つ発光素子により構成される。
【0041】
続いて、各サブピクセルの分光波長透過特性を図7(b)に示す。第1の実施例でのサブピクセルの分光波長透過特性図3(b)に対し、緑色光源群212から緑色703のサブピクセル透過光を得るため、緑色サブピクセル205の分光波長透過帯域を広げ最適化している。これに合わせ、赤色サブピクセル204及び青色サブピクセル206の分光波長減衰特性を変え、赤色サブピクセル204の減衰開始波長を実施例1より長波長寄りとし、青色サブピクセル206の減衰開始波長を実施例1より短波長寄りとしている。緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは黄色の波長域において重なり、緑色の光源の発光スペクトルと青色のサブピクセルの透過スペクトルとはシアン色の波長域において重なる点は実施例1と同様である。つまり、本実施例の各色の光源及びサブピクセルは、上述した第1の条件及び第2の条件を満たす。なお、カラーフィルタの役割は第1の実施例と同様である。
【0042】
第1の実施例と同様に、1フレームを2つのサブフレーム期間に分割し、1フレーム画像データを2つのサブフレーム画像データに分割することにより、1フレームの画像を時分割表示する。そして、光源部109の各光源の発光制御と液晶部110の各サブピクセルの透過制御を組み合わせることにより、赤色701、黄色702、緑色703、シアン色704及び青色705の5原色をサブピクセル透過光を得る。
【0043】
第1のサブフレーム期間では、赤色光源213(第4の光源)及び青色光源216(第1の光源)を点灯し、緑色光源群212(第2及び第3の光源)を消灯する。そして、サブピクセルは赤色サブピクセル204(第3のサブピクセル)と青色サブピクセル206(第1のサブピクセル)の透過制御を行い、緑色サブピクセル205(第2のサブピクセル)は遮光する。これにより、赤色701(第4の色)と青色705(第1の色)のサブピクセル透過光を得る。この関係を図7(c)に示す。
【0044】
第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212(第2及び第3の光源)を点灯し、赤色光源213(第4の光源)及び青色光源216(第1の光源)を消灯する。そして、サブピクセルは全色のサブピクセル(第1〜第3のサブピクセル)の透過制御を行なう。これにより、黄色702(第7の色)、緑色703(第5の色)及びシアン色704(第6の色)のサブピクセル透過光を得る。図7(d)で示す通り、緑色703のサブピクセル透過光は、緑色光源群212と緑色サブピクセル205との組み合わせで得る。また、図7(e)で示す通り黄色702のサブピクセル透過光は、緑色光源群212と赤色サブピクセル204との組み合わせで得る。同様にシアン色704のサブピクセル透過光は、緑色光源群212と青色サブピクセル206との組み合わせで得る。
【0045】
この結果、第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを用いた時分割表示によって、図7(f)で示す分光波長特性を持つ赤色701、黄色702、緑色703、シアン色704及び青色705による5原色表示が可能となる。また、各々の色の発光輝度を制御することにより、図8(a)の五角形801(R-Y-G-C-B)で示す色域領域の色再現が可能となる。図8(a)の三角形802(R-G-B)で示す3原色表示で色再現できる色
域領域と比較すると、5原色表示にすることで、表現できる色域領域が拡張されることが確認できる。
また、1フレームを2つのサブフレームにより分割して時分割表示を行う際の、光源部109の各光源の点灯関係、及び液晶部110の各サブピクセルの透過制御関係を図8(b)に示す。なお、図8(b)に示すように、第2のサブフレーム期間で、赤色サブピクセルは遮光(透過率最小)としてもよい。これにより、赤色、緑色、青色、及びシアン色の4原色表示が可能になる。同様に、第2のサブフレーム期間において赤色サブピクセルを透過制御し青色サブピクセルを遮光することにより、赤色、緑色、青色、及び黄色の4原色表示が可能になる。
【0046】
なお第2の実施例では、緑色光源群の発光スペクトルと赤色サブピクセルや青色サブピクセルの透過スペクトルとの重なりが小さいため、黄色702及びシアン色704の発光強度が、赤色701、緑色703及び青色705に対し小さくなる。この場合、黄色702及びシアン色704の発光輝度の上限を超えない範囲での5原色表示では、表示可能な色域領域を図8の領域801まで拡張することは可能である。しかし、黄色702及びシアン色704の発光輝度の上限を超えてしまう5原色表示においては、表示可能な色域領域を図8の領域801から図8の領域802の範囲内で縮小してしまう。そこで、緑色光源群212の発光輝度を他の色の光源の発光輝度より高め、緑色サブピクセル205の透過率を緑色光源群212の発光輝度に応じて小さくすることで緑色703を減光調節し、黄色702及びシアン色704の発光輝度を高めるようにしても良い。
【0047】
これらの構成及び制御により、緑色光源群212に対し、広演色光源の代わりに異なる分光波長のピークを持つ2つの光源の組み合わせ1組とし置き換えた場合でも、実施例1と同様の効果を奏する。すなわち、赤色、緑色、青色の光源やサブピクセルに加えて他の色の光源やサブピクセルを設けることなく、3原色表示と比較して表示可能な色域領域を拡張することができる。
【0048】
(実施例3)
以下、本発明の第3の実施例について図9及び図10を用いて説明する。第3の実施例では、第1及び第2の実施例と同様に、第2のサブフレーム期間において、第1の黄色902及び第1のシアン色904のサブピクセル透過光を得る。そして、さらに第1のサブフレーム期間において、第2のシアン色906のサブピクセル透過光を得ることを特徴としている。
【0049】
液晶表示処理部100及び液晶モジュールの構造は第1の実施例に準ずるものとし、説明を省略する。液晶表示処理部100の内部処理について差異の部分について後述し説明する。
図10(a)をもとに説明すると、第2のサブフレーム期間では、緑色光源群212が赤色サブピクセル204を透過することで第1の黄色902を表示し、緑色光源群212が青色サブピクセル206を透過することで第1のシアン色904を表示している。そのため、赤色サブピクセル204及び青色サブピクセル206の透過率を各々制御することによって、第1の黄色902及び第1のシアン色904の発光輝度を個別に調整することができる。これは、緑色の光源の発光スペクトルと赤色のサブピクセルの透過スペクトルとは第1の黄色の波長域において重なり、緑色の光源の発光スペクトルと青色のサブピクセルの透過スペクトルとは第1のシアン色の波長域において重なることによる。
【0050】
一方、赤色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは第2の黄色の波長域において重なり、青色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは第2のシアン色の波長域において重なる場合を想定する。この場合、第1のサブフレーム期間では、赤色光源213が緑色サブピクセル205を透過することで第
2の黄色(第7の色)を表示し、青色光源216が緑色サブピクセル205を透過することで第2のシアン色906(第6の色)を表示することになる。つまり、共に緑色サブピクセル205を用いて、第2の黄色及び第2のシアン色906を混色表示することになる。そのため、緑色サブピクセル205の透過率を制御する場合、第2の黄色及び第2のシアン色906の発光輝度を独立して調整することはできない。
【0051】
そこで、第3の実施例では、緑色サブピクセル205の分光波長透過特性に、赤色光源213の分光波長帯域の光を遮断する分光波長透過特性をもたせる。つまり、赤色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは重ならないようにして、緑色サブピクセル205より赤色光源213の光が漏れるのを抑制する。これにより、図10(b)で示すように第1のサブフレーム期間において、緑色サブピクセル205を用いて第2のシアン色906のみ抽出する。これにより、第1のサブフレーム期間に緑色サブピクセル205を用いて第2のシアン色906の光を透過させ、緑色サブピクセルの透過率を制御することによって、第2のシアン色906の発光輝度を調整することができる。
【0052】
第2の実施例の光源部109及び液晶部110の構成のまま、第2のシアン色906を表示する場合を説明する。図9(a)で示す通り、青色光源216が点灯中に緑色サブピクセル205を透過させると、青色光源216の分光波長特性と緑色サブピクセル205の分光波長透過特性とが重なる帯域の波長光が、緑色サブピクセル205から透過する。これによって、緑色サブピクセル205で第2のシアン色906の透過光が得られる。
【0053】
この結果、第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを用いた時分割表示によって、図9(b)で示す分光波長特性をもつ赤色901、第1の黄色902、緑色903、第1のシアン色904、第2のシアン色906及び青色905による6原色表示が可能となる。また、各々の色の発光輝度を制御することにより、図9(c)の6角形911(R-Y-G-C2-C1-B)で示す色域領域の色再現が可能となる。第2の実施例の場合での、図
9(c)の領域912で示す5原色表示で色再現できる色域領域と比較すると、6原色表示にすることで、再現できる色域領域がさらに拡張されることが確認できる。
【0054】
なお、6原色表示が可能になることで、カラーマトリックス変換部102では、デジタル映像信号に対し、予め設定される6原色カラー変換テーブルを用いてカラーマトリックス変換を行い、5原色映像信号に代わり6原色映像信号を生成することになる。以降のブロックではこの6原色映像信号をもとにサブフレーム映像信号生成以降の処理を行なう。つまり、入力する1フレームの画像データを、赤色、青色、及び第2のシアン色の画素データからなる第1のサブフレーム画像データと、緑色、黄色、及び第1のシアン色の画素データからなる第2のサブフレーム画像データと、に分割する。
【0055】
第1のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの赤色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの第2のシアン色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの青色の画素データに応じて制御する。
【0056】
第2のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの黄色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの緑色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの第1のシアン色の画素データに応じて制御する。こうして、時分割表示による6原色表示を実現する。
【0057】
これらの構成及び制御により、第1及び第2の実施例に対してさらに、赤色及び青色の2つの光源が点灯するサブフレーム期間において、いずれか一方の光源(ここでは赤色光
源)の発光波長帯域を遮断する透過波長特性の緑色サブピクセルを透過制御する。これにより、第1のサブフレームを用いて緑色903と青色905の中間色である第2のシアン色906を抽出することができる。これによって、赤色901、黄色902、緑色903、第1のシアン色904、第2のシアン色906及び青色905による6原色表示することができる。
【0058】
なお、第1のサブフレームを用いて第2のシアン色906を抽出することを説明したが、逆に緑色サブピクセル205の透過特性を青色光源216の発光波長帯域を遮断する透過波長特性とすることで、第2の黄色を抽出することも可能である。つまり、青色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは重ならず、赤色の光源の発光スペクトルと緑色のサブピクセルの透過スペクトルとは第2の黄色の波長域において重なるようにする。入力する1フレームの画像データを、赤色、青色、及び第2の黄色の画素データからなる第1のサブフレーム画像データと、緑色、第1の黄色、及びシアン色の画素データからなる第2のサブフレーム画像データと、に分割する。
【0059】
第1のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの赤色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの第2の黄色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第1のサブフレーム画像データの青色の画素データに応じて制御する。
【0060】
第2のサブフレーム期間において、赤色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの第1の黄色の画素データに応じて制御する。緑色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データの緑色の画素データに応じて制御する。青色のサブピクセルの透過率を第2のサブフレーム画像データのシアン色の画素データに応じて制御する。これにより、赤色、青色、緑色、シアン色、第1の黄色、第2の黄色による6原色表示が可能になる。
【0061】
(実施例4)
以下、本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施例の構成は、緑色光源群212に広演色光源や異なる分光波長のピークをもつ光源を用いず、緑色波長帯域にピークを持つ分光波長帯域が狭い光源を用いた場合である。液晶表示処理部100の構成及び内部処理、ならびに液晶モジュールの構造は第1の実施例に準じるものとし、説明を省略する。また、6原色表示する場合については、第3の実施例に準じるものとし、説明を省略する。
【0062】
第4の実施例における赤色光源213、緑色光源群212及び青色光源216の分光波長特性を図11(a)に示す。また、赤色サブピクセル204、緑色サブピクセル205及び青色サブピクセル206の分光波長透過特性を図11(b)に示す。この特性の違いを組み合わせ、第1及び第3の実施例同様に制御することによって、第1のサブフレーム期間において、図11(c)及び図11(d)で示すように、赤色1101、青色1105及び第2のシアン色1106が得られる。また、第2のサブフレーム期間において、図11(e)及び(f)で示すように、黄色1102、緑色1103及第1のシアン色1104が得られる。
【0063】
第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを用いた時分割表示によって、図11(g)で示す分光波長特性を持つ赤色1101、黄色1102、緑色1103、第1のシアン色1104、第2のシアン色1106及び青色1105による6原色表示が可能となる。この場合の色再現できる色域領域は、図12の六角形1201(R-Y-G-C1-C2-B
)で示す領域となる。なお、赤色1101、黄色1102、緑色1103、第1のシアン色1104及び青色1105による5原色表示によって色再現できる色域領域が、図12
の五角形1202(R-Y-G-C1-B)で示す領域となる。また、赤色1101、緑色1103及び青色1105による3原色表示によって色再現できる色域領域が、図12の三角形1203(R-G-B)で示す領域となる。
【0064】
よって、緑色光源群212が緑色波長帯域にピークを持つ分光波長帯域が狭い光源である場合でも、時分割表示により、サブフレーム毎に点灯する光源を切り替えることで、新たな光源やサブピクセルを設けることなく5原色表示や6原色表示が可能になる。これにより、3原色表示と比較して表示可能な色域領域を拡張することができる。
【符号の説明】
【0065】
109:光源部、110:液晶部、103:サブフレーム分割部、107:光源制御部、108:液晶制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御手段と、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御手段と、
を備える液晶表示装置であって、
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置。
【請求項2】
第2の光源、第1のサブピクセル、及び第3のサブピクセルは、
第2の光源の発光スペクトルは第2の色と第1の色との中間色である第4の色を更に含み、且つ、第1のサブピクセルは第4の色の光を更に透過する第1の条件、又は、
第2の光源の発光スペクトルは第2の色と第3の色との中間色である第5の色を更に含み、且つ、第3のサブピクセルは第5の色の光を更に透過する第2の条件、の少なくともいずれかの条件を満たし、
前記サブフレーム期間は、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、前記第1の条件を満たす場合に第1のサブピクセルから第4の色の光を透過させ、前記第2の条件を満たす場合に第3のサブピクセルから第5の色の光を透過させ、前記第1の条件及び前記第2の条件を共に満たす場合に第1のサブピクセルから第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとされることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、
第1の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させるとともに第3のサブピクセルから第3の色の光を透過させる、第1のサブフレーム期間と、
第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとする第2のサブフレーム期間と、
を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記液晶制御手段は、
第1のサブフレーム期間において、画像データの第1の色のデータに応じて第1のサブピクセルの透過率を制御するとともに、画像データの第3の色のデータに応じて第3のサブピクセルの透過率を制御し、
第2のサブフレーム期間において、画像データの第2の色のデータに応じて第2のサブピクセルの透過率を制御するとともに、第1のサブピクセルから第4の色の光を透過させ
る場合には画像データの第4の色のデータに応じて第1のサブピクセルの透過率を制御し、第3のサブピクセルから第5の色の光を透過させる場合には画像データの第5の色のデータに応じて第3のサブピクセルの透過率を制御する請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶制御手段は、第1のサブフレーム期間において、第2のサブピクセルの透過率を最小値に制御する請求項3又は4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1の光源の発光スペクトルは第1の色と第2の色の中間色である第6の色を含み、
前記第2のサブピクセルは第6の色の光を更に透過するとともに第3の光源の発光スペクトルに含まれる色の光を透過せず、
前記光源制御手段は、
第1のサブフレーム期間において、第1の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させ、第2のサブピクセルから第6の色の光を透過させ、第3のサブピクセルから第3の色の光を透過させる
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第3の光源の発光スペクトルは第3の色と第2の色の中間色である第7の色を含み、
前記第2のサブピクセルは第7の色の光を更に透過するとともに第1の光源の発光スペクトルに含まれる色の光を透過せず、
前記光源制御手段は、
第1のサブフレーム期間において、第1の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させ、第2のサブピクセルから第7の色の光を透過させ、第3のサブピクセルから第3の色の光を透過させる
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
第1の色は青色、第2の色は緑色、第3の色は赤色、第4の色はシアン色、第5の色は黄色である請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、第3の色で発光する第3の光源、及び第4の色で発光する第4の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第4の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
前記第1の光源、第2の光源、第3の光源、及び第4の光源の発光を独立に制御する光源制御手段と、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御手段と、
を備える液晶表示装置であって、
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、第2及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第3の色と第4の色との中間色である第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置。
【請求項10】
第2の光源、第3の光源、第1のサブピクセル、及び第3のサブピクセルは、
第2の光源の発光スペクトルは第1の色と第2の色との中間色である第6の色を更に含み、且つ、第1のサブピクセルは第6の色の光を更に透過する第1の条件、又は、
第3の光源の発光スペクトルは第3の色と第4の色との中間色である第7の色を更に含み、且つ、第3のサブピクセルは第7の色の光を更に透過する第2の条件、の少なくともいずれかの条件を満たし、
前記サブフレーム期間は、第2の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、前記第1の条件を満たす場合に第1のサブピクセルから第6の色の光を透過させ、前記第2の条件を満たす場合に第3のサブピクセルから第7の色の光を透過させ、前記第1の条件及び前記第2の条件を共に満たす場合に第1のサブピクセルから第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとされることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、
第1の光源及び第4の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させるとともに第3のサブピクセルから第4の色を透過させる、第1のサブフレーム期間と、
第2の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第3の色と第4の色との中間色である第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとする第2のサブフレーム期間と、
を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
を備える液晶表示装置の制御方法であって、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御ステップと、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御ステップと、
を有し、
前記光源制御ステップでは、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御が行われる液晶表示装置の制御方法。
【請求項13】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、第3の色で発光する第3の光源、及び第4の色で発光する第4の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第4の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
を備える液晶表示装置の制御方法であって、
前記第1の光源、第2の光源、第3の光源、及び第4の光源の発光を独立に制御する光源制御ステップと、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画
像データに応じて制御する液晶制御ステップと、
を有し、
前記光源制御ステップでは、1フレームの表示期間を、第2及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第3の色と第4の色との中間色である第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御が行われる液晶表示装置の制御方法。
【請求項1】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御手段と、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御手段と、
を備える液晶表示装置であって、
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置。
【請求項2】
第2の光源、第1のサブピクセル、及び第3のサブピクセルは、
第2の光源の発光スペクトルは第2の色と第1の色との中間色である第4の色を更に含み、且つ、第1のサブピクセルは第4の色の光を更に透過する第1の条件、又は、
第2の光源の発光スペクトルは第2の色と第3の色との中間色である第5の色を更に含み、且つ、第3のサブピクセルは第5の色の光を更に透過する第2の条件、の少なくともいずれかの条件を満たし、
前記サブフレーム期間は、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、前記第1の条件を満たす場合に第1のサブピクセルから第4の色の光を透過させ、前記第2の条件を満たす場合に第3のサブピクセルから第5の色の光を透過させ、前記第1の条件及び前記第2の条件を共に満たす場合に第1のサブピクセルから第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとされることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、
第1の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させるとともに第3のサブピクセルから第3の色の光を透過させる、第1のサブフレーム期間と、
第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとする第2のサブフレーム期間と、
を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記液晶制御手段は、
第1のサブフレーム期間において、画像データの第1の色のデータに応じて第1のサブピクセルの透過率を制御するとともに、画像データの第3の色のデータに応じて第3のサブピクセルの透過率を制御し、
第2のサブフレーム期間において、画像データの第2の色のデータに応じて第2のサブピクセルの透過率を制御するとともに、第1のサブピクセルから第4の色の光を透過させ
る場合には画像データの第4の色のデータに応じて第1のサブピクセルの透過率を制御し、第3のサブピクセルから第5の色の光を透過させる場合には画像データの第5の色のデータに応じて第3のサブピクセルの透過率を制御する請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶制御手段は、第1のサブフレーム期間において、第2のサブピクセルの透過率を最小値に制御する請求項3又は4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1の光源の発光スペクトルは第1の色と第2の色の中間色である第6の色を含み、
前記第2のサブピクセルは第6の色の光を更に透過するとともに第3の光源の発光スペクトルに含まれる色の光を透過せず、
前記光源制御手段は、
第1のサブフレーム期間において、第1の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させ、第2のサブピクセルから第6の色の光を透過させ、第3のサブピクセルから第3の色の光を透過させる
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第3の光源の発光スペクトルは第3の色と第2の色の中間色である第7の色を含み、
前記第2のサブピクセルは第7の色の光を更に透過するとともに第1の光源の発光スペクトルに含まれる色の光を透過せず、
前記光源制御手段は、
第1のサブフレーム期間において、第1の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させ、第2のサブピクセルから第7の色の光を透過させ、第3のサブピクセルから第3の色の光を透過させる
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
第1の色は青色、第2の色は緑色、第3の色は赤色、第4の色はシアン色、第5の色は黄色である請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、第3の色で発光する第3の光源、及び第4の色で発光する第4の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第4の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
前記第1の光源、第2の光源、第3の光源、及び第4の光源の発光を独立に制御する光源制御手段と、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御手段と、
を備える液晶表示装置であって、
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、第2及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第3の色と第4の色との中間色である第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行う液晶表示装置。
【請求項10】
第2の光源、第3の光源、第1のサブピクセル、及び第3のサブピクセルは、
第2の光源の発光スペクトルは第1の色と第2の色との中間色である第6の色を更に含み、且つ、第1のサブピクセルは第6の色の光を更に透過する第1の条件、又は、
第3の光源の発光スペクトルは第3の色と第4の色との中間色である第7の色を更に含み、且つ、第3のサブピクセルは第7の色の光を更に透過する第2の条件、の少なくともいずれかの条件を満たし、
前記サブフレーム期間は、第2の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、前記第1の条件を満たす場合に第1のサブピクセルから第6の色の光を透過させ、前記第2の条件を満たす場合に第3のサブピクセルから第7の色の光を透過させ、前記第1の条件及び前記第2の条件を共に満たす場合に第1のサブピクセルから第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとされることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記光源制御手段は、1フレームの表示期間を、
第1の光源及び第4の光源を点灯させることにより、第1のサブピクセルから第1の色の光を透過させるとともに第3のサブピクセルから第4の色を透過させる、第1のサブフレーム期間と、
第2の光源及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第3の色と第4の色との中間色である第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとする第2のサブフレーム期間と、
を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、及び第3の色で発光する第3の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第3の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
を備える液晶表示装置の制御方法であって、
前記第1の光源、第2の光源、及び第3の光源の発光を独立に制御する光源制御ステップと、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画像データに応じて制御する液晶制御ステップと、
を有し、
前記光源制御ステップでは、1フレームの表示期間を、第2の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第2の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第4の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御が行われる液晶表示装置の制御方法。
【請求項13】
第1の色で発光する第1の光源、第2の色で発光する第2の光源、第3の色で発光する第3の光源、及び第4の色で発光する第4の光源を含むバックライトと、
第1の色の光を透過する第1のサブピクセル、第2の色と第3の色との中間色である第5の色の光を透過する第2のサブピクセル、及び第4の色の光を透過する第3のサブピクセルを含む画素の集合である液晶パネルと、
を備える液晶表示装置の制御方法であって、
前記第1の光源、第2の光源、第3の光源、及び第4の光源の発光を独立に制御する光源制御ステップと、
前記第1のサブピクセル、第2のサブピクセル、及び第3のサブピクセルの透過率を画
像データに応じて制御する液晶制御ステップと、
を有し、
前記光源制御ステップでは、1フレームの表示期間を、第2及び第3の光源を点灯させることにより、第2のサブピクセルから第5の色の光を透過させるとともに、第1のサブピクセルから第1の色と第2の色との中間色である第6の色の光を透過させるか又は第3のサブピクセルから第3の色と第4の色との中間色である第7の色の光を透過させるかの少なくともいずれかとするサブフレーム期間を含む複数のサブフレーム期間に分割して光源の制御が行われる液晶表示装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−247771(P2012−247771A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−38661(P2012−38661)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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