液晶表示装置及び液晶表示装置の作製方法
【課題】より安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を提供する。また、歩留まり良く液晶表示装置を作製する方法を提供する。
【解決手段】ブルー相を示す液晶材料に光硬化樹脂を添加し、第1の基板100及び第2の基板101間に配置された液晶層110に対して、一方向に光照射手段を走査しながら選択的に光硬化樹脂を重合し、高分子安定化処理を行う。よって、液晶層内において、光照射処理が行われた領域(第1の領域ともいう)と、光照射処理を行われてない領域(第2の領域ともいう)が生じる。第1の領域においては光硬化樹脂の重合が進んでいるため、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【解決手段】ブルー相を示す液晶材料に光硬化樹脂を添加し、第1の基板100及び第2の基板101間に配置された液晶層110に対して、一方向に光照射手段を走査しながら選択的に光硬化樹脂を重合し、高分子安定化処理を行う。よって、液晶層内において、光照射処理が行われた領域(第1の領域ともいう)と、光照射処理を行われてない領域(第2の領域ともいう)が生じる。第1の領域においては光硬化樹脂の重合が進んでいるため、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液晶表示装置及び液晶表示装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型、軽量化を図った表示装置(所謂フラットパネルディスプレイ)には液晶素子を有する液晶表示装置、自発光素子を有する発光装置、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などが競合し、開発されている。
【0003】
液晶表示装置においては、液晶分子の応答速度の高速化が求められている。液晶の表示モードは種々あるが、中でも高速応答可能な液晶モードとしてFLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、ブルー相を示す液晶を用いるモードがあげられる。
【0004】
特にブルー相を示す液晶を使用するモードは配向膜が不要であり、かつ広視野角化が得られるので、実用化に向けてより研究が行われている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1は、ブルー相の出現する温度範囲を広げるために、液晶に高分子安定化処理を行う報告である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第05/090520号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高分子安定化処理は、液晶材料に光硬化樹脂を添加し、光によって光硬化樹脂を重合し液晶層を安定化させる処理である。しかし、大型化が進む基板面内で均一に光硬化樹脂を重合するのは困難である。高分子の重合が不均一であると、液晶層において配向状態も不均一となり、安定したブルー相を形成できなくなってしまう。
【0007】
従って、より安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置、及びその作製方法を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ブルー相を示す液晶材料に光硬化樹脂を添加し、第1の基板及び第2の基板間に配置された液晶層に対して、一方向に光照射手段を走査しながら選択的に光硬化樹脂を重合し、高分子安定化処理を行う。よって、液晶層内において、光照射処理が行われた領域(第1の領域ともいう)と、光照射処理を行われてない領域(第2の領域ともいう)が生じる。第1の領域においては光硬化樹脂の重合が進んでいるため、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【0009】
本明細書では、液晶層において、光照射処理を行い含まれる光硬化樹脂の重合度を高めた領域を高重合領域、一方光照射処理を行わない領域を、該光硬化樹脂の重合度を高めた領域より含まれる光硬化樹脂の重合度が低いことから、低重合領域という。また、液晶層に用いる液晶材料及び光硬化樹脂の混合物を液晶混合物(液晶組成物)ともいう。
【0010】
第1の基板と第2の基板はシール材によって固着(接着)され、シール材に囲まれた領域に液晶層は配置される。シール材近傍の液晶混合物と、シール材から離れた中央部の液晶混合物(表示領域の液晶混合物ともいう)では、光照射による光硬化樹脂の重合度が異なる。従って、このような液晶層全域(シール材近傍の領域及び表示領域)に光照射処理を行うとシール材近傍の領域と表示領域において光硬化樹脂の重合状態が異なるため、液晶混合物の配向にも差が生じてしまう。よって、表示領域ではブルー相を示すが、シール材近傍領域ではブルー相を示さないといった液晶層内が不均一な配向状態となり、表示不良を招く。
【0011】
光照射処理によるシール材近傍領域と表示領域との極端な配向の差を軽減するために、シール材近傍付近は光照射処理を行わず、あえて低重合領域とする。シール材近傍付近は低重合領域であるために、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減することができ、より液晶層内の広い領域において安定なブルー相を形成することができる。
【0012】
高分子安定化処理は光照射処理により光硬化樹脂を重合反応させて行う。選択的に光照射処理を行う方法として、液晶層全域に一括で光照射処理を行わずに、液晶層の一部分を光照射処理できる光照射手段を用いて、一方向に光照射手段を走査しながら光照射処理を行う。この場合、液晶層と光を相対的に走査できればよいので、光照射手段の方を走査してもよいし、液晶層の形成される基板の方を走査してもよい。
【0013】
一度に光照射できる光照射領域は線状(長方形)が好ましく、その線状の光照射領域と平行な基板の一辺より長いとスループットが向上するので好ましい。例えば、光照射領域が長方形の基板の一辺より長い線状となるような線状の光を液晶層に照射し、その線状の光照射領域と垂直な方向に走査する。一括に行う光照射と異なり、光の走査領域を制御することで、液晶層に光を照射しない領域である低重合領域を形成することができる。
【0014】
上記線状の光照射領域は、複数の光源を線状に配列させて形成してもよいし、光源より照射された光を光学系で加工して形成してもよい。
【0015】
また、液晶層において照射する光照射領域の形状は、線状の他、矩形、円形、楕円形などを用いてもよい。また、光はランプ光源からのランプ光、レーザ光源からのレーザ光などを用いることができる。光硬化樹脂の重合反応が生じる波長の光及びエネルギーを適宜選択すればよい。
【0016】
また、液晶層を加熱しながら高分子安定化処理である光照射処理を行ってもよい。光照射処理と同様に加熱処理も高重合領域のみに選択的に行ってもよい。
【0017】
また、液晶層の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせ、一定方向に重合を進めるために、液晶層の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0018】
光照射手段を走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0019】
従って、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0020】
液晶層には、ブルー相を示す液晶材料を用いる。ブルー相を示す液晶材料は、応答速度が1msec以下と短く高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
【0021】
ブルー相を示す液晶材料として液晶及びカイラル剤を含む。カイラル剤は、液晶を螺旋構造に配向させ、ブルー相を発現させるために用いる。例えば、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶材料を液晶層に用いればよい。
【0022】
液晶は、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶等を用いる。
【0023】
カイラル剤は、液晶に対する相溶性が良く、かつ捩れ力の強い材料を用いる。また、R体、S体のどちらか片方の材料が良く、R体とS体の割合が50:50のラセミ体は使用しない。
【0024】
上記液晶材料は、条件により、コレステリック相、コレステリックブルー相、スメクチック相、スメクチックブルー相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0025】
ブルー相であるコレステリックブルー相及びスメクチックブルー相は、螺旋ピッチが500nm以下とピッチの比較的短いコレステリック相またはスメクチック相を有する液晶材料にみられる。液晶材料の配向は二重ねじれ構造を有する。可視光の波長以下の秩序を有しているため、透明であり、電圧印加によって配向秩序が変化して光学的変調作用が生じる。ブルー相は光学的に等方であるため視野角依存性がなく、配向膜を形成しなくとも良いため、表示画像の質の向上及びコスト削減が可能である。
【0026】
また、ブルー相は狭い温度範囲でしか発現が難しく、温度範囲を広く改善するために液晶材料に、光硬化樹脂及び光重合開始剤を添加し、高分子安定化処理を行う。高分子安定化処理は、液晶、カイラル剤、光硬化樹脂、及び光重合開始剤を含む液晶材料に、光硬化樹脂、及び光重合開始剤が反応する波長の光を照射して行う。この高分子安定化処理は、等方相を示す液晶材料に光照射して行っても良いし、温度制御してブルー相を発現した液晶材料に光照射して行ってもよい。
【0027】
例えば、液晶層の温度を制御し、ブルー相を発現した状態で液晶層に光を照射することにより高分子安定化処理を行う。但し、これに限定されず、ブルー相と等方相間の相転移温度から+10℃以内、好ましくは+5℃以内の等方相を発現した状態で液晶層に光を照射することにより高分子安定化処理を行ってもよい。ブルー相と等方相間の相転移温度とは、昇温時にブルー相から等方相に転移する温度又は降温時に等方相からブルー相に相転移する温度をいう。高分子安定化処理の一例としては、液晶層を等方相まで加熱した後、徐々に降温させてブルー相にまで相転移させ、ブルー相が発現する温度を保持した状態で光を照射することができる。他にも、液晶層を徐々に加熱して等方相に相転移させた後、ブルー相と等方相間の相転移温度から+10℃以内、好ましくは+5℃以内状態(等方相を発現した状態)で光を照射することができる。また、液晶材料に含まれる光硬化樹脂として、紫外線硬化樹脂(UV硬化樹脂)を用いる場合、液晶層に紫外線を照射すればよい。なお、ブルー相を発現させなくとも、ブルー相と等方相間の相転移温度から+10℃以内、好ましくは+5℃以内状態(等方相を発現した状態)で光を照射して高分子安定化処理を行えば、応答速度が1msec以下と短く高速応答が可能である。
【0028】
本明細書で開示する発明の構成の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、液晶層は第1の領域及び第2の領域を含み、第1の領域は第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【0029】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、液晶層は第1の領域及びシール材と接する第2の領域を含み、第1の領域は第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【0030】
上記構成において、高分子安定化処理を行った高重合領域(第1の領域)を表示領域となる画素領域に、低重合領域(第2の領域)を表示に寄与しない駆動回路領域とすると好ましい。
【0031】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、液晶層において第1の領域は、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高く、光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行う。
【0032】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、液晶層を加熱しながら液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、液晶層において第1の領域は、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高く、光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行う。
【0033】
光照射処理は液晶層表面に対して斜めに照射してもよい。斜めに照射することによって照射領域に与えるエネルギーに差を有するようにできる。また、異なるエネルギーを与える複数の光を用い、複数の光のうち液晶層に与えるエネルギーが小さい光から先に液晶層に照射してもよい。また、光照射処理は、照射手段を複数設けて、液晶層の片面のみでなく、両面(第1の基板側からも第2の基板側からも)から液晶層に照射してもよい。
【0034】
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
【0035】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【発明の効果】
【0036】
安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】液晶表示装置を説明する図。
【図2】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図3】液晶表示装置を説明する図。
【図4】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図5】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図6】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図7】液晶表示装置を説明する図。
【図8】液晶表示モジュールを説明する図。
【図9】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図。
【図10】遊技機の例を示す外観図。
【図11】携帯型のコンピュータ及び携帯電話機の一例を示す外観図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下の説明に限定されず、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0039】
(実施の形態1)
液晶表示装置を、図1及び図2を用いて説明する。
【0040】
図1(A)は液晶表示装置の平面図であり、図1(B)は、図1(A)における線Y−Zの断面図である。
【0041】
第1の基板100と第2の基板101は、シール材103(103a、103b)で固着(接着)され、第1の基板100と第2の基板101の間には液晶層110が配置されている。液晶層110は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を用いた液晶層である。液晶層110において、高重合領域108は高分子安定化処理をとして光硬化樹脂の光照射処理を行った領域(第1の領域)であり、低重合領域109は光照射処理を行わなかった領域(第2の領域)である。
【0042】
図2(A1)(A2)乃至(C1)(C2)に図1の液晶表示装置の作製方法を示す。図2(A2)乃至(C2)は液晶表示装置の平面図であり、図2(A1)乃至(C1)は、図2(A2)乃至(C2)における線Y−Zの断面図である。
【0043】
第1の基板100と第2の基板101とがシール材103(103a、103b)で固着され、第1の基板100と第2の基板101との間に液晶層110が配置されている(図2(A1)(A2)参照。)。シール材103は液晶層110を囲むように形成されている。液晶層110はまだ全域において光硬化樹脂の光照射処理前の低重合領域102である。
【0044】
液晶層110の低重合領域102に高分子安定化処理を行い、光硬化樹脂を選択的に重合させる。高分子安定化処理として照射領域が線状に加工された光照射処理を行う。線状に加工された光104を矢印105の方向に走査しながら液晶層110に照射する。液晶層110において、光104により照射された領域は、光硬化樹脂が重合し、重合度の高い高重合領域106となる。光照射処理は液晶層110において選択的に行われるため、光照射処理の行われていない領域は、低重合領域のままであり、低重合領域107となる(図2(B1)(B2)参照。)。なお、この場合、液晶層110と光104を相対的に走査できればよいので、光104の照射手段の方を走査してもよいし、液晶層110の形成される第1の基板100の方を走査してもよい。
【0045】
線状に加工された光104を、表示領域を含む領域に走査しながら、シール材103手前まで照射し高重合領域108とし、シール材103と接する領域を低重合領域109とする。以上の工程で、高重合領域108及び低重合領域109を有する液晶層110を形成する(図2(C1)(C2)参照。)。
【0046】
光104を走査することによって照射するので、照射領域の制御が容易にできる。シール材103bに接する領域を低重合領域109とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域108において安定なブルー相を形成することができる。
【0047】
液晶層110において、高重合領域108に表示領域(画素領域)を形成し、低重合領域109に表示に寄与しない駆動回路領域や、筐体による遮蔽領域とすればよい。
【0048】
また、液晶層110の高重合領域108は、重合反応により強度も高まるため、低重合領域109より強度が高い。よって、液晶表示装置において露出する表示部として、高重合領域108を用いることは信頼性の面でも有効である。また、重合反応により強度を有するため第1の基板100及び第2の基板101に可撓性基板を用いて、可撓性の液晶表示装置とすることもできる。
【0049】
上記線状の光照射領域は、複数の光源を線状に配列させて形成してもよいし、光源より照射された光を光学系で加工して形成してもよい。
【0050】
また、液晶層において照射する光照射領域の形状は、線状の他、矩形、円形、楕円形などを用いてもよい。また、光はランプ光源からのランプ光、レーザ光源からのレーザ光などを用いることができる。光硬化樹脂の重合反応が生じる波長の光及びエネルギーを適宜選択すればよい。例えば、光硬化樹脂として紫外線(光)硬化樹脂(UV硬化樹脂)を用いる場合、高分子安定化処理として紫外線(光)を照射すればよい。
【0051】
また、液晶層110の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせ、一定方向に重合を進めるために、液晶層110の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0052】
光照射処理手段及び液晶層を相対的に走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0053】
液晶層110を形成する方法として、ディスペンサ法(滴下法)や、第1の基板100と第2の基板101とを貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶を注入する注入法を用いることができる。
【0054】
液晶層110には、ブルー相を示す液晶材料を用いる。ブルー相を示す液晶材料は、応答速度が1msec以下と短く高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
【0055】
ブルー相を示す液晶材料として液晶及びカイラル剤を含む。カイラル剤は、液晶を螺旋構造に配向させ、ブルー相を発現させるために用いる。例えば、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶材料を液晶層に用いればよい。
【0056】
液晶は、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶等を用いる。
【0057】
カイラル剤は、液晶に対する相溶性が良く、かつ捩れ力の強い材料を用いる。また、R体、S体のどちらか片方の材料が良く、R体とS体の割合が50:50のラセミ体は使用しない。
【0058】
上記液晶材料は、条件により、コレステリック相、コレステリックブルー相、スメクチック相、スメクチックブルー相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0059】
ブルー相であるコレステリックブルー相及びスメクチックブルー相は、螺旋ピッチが500nm以下とピッチの比較的短いコレステリック相またはスメクチック相を有する液晶材料にみられる。液晶材料の配向は二重ねじれ構造を有する。可視光の波長以下の秩序を有しているため、透明であり、電圧印加によって配向秩序が変化して光学的変調作用が生じる。ブルー相は光学的に等方であるため視野角依存性がなく、配向膜を形成しなくとも良いため、表示画像の質の向上及びコスト削減が可能である。
【0060】
ブルー相は狭い温度範囲でしか発現が難しく、温度範囲を広く改善するために液晶材料に、光硬化樹脂及び光重合開始剤を添加し、高分子安定化処理を行う。高分子安定化処理は、液晶、カイラル剤、光硬化樹脂、及び光重合開始剤を含む液晶材料に、光硬化樹脂、及び光重合開始剤が反応する波長の光を照射して行う。この高分子安定化処理は、等方相を示す液晶材料に光照射して行っても良いし、温度制御してブルー相を発現した液晶材料に光照射して行ってもよい。
【0061】
よって、液晶層110への光照射処理を、液晶層110を加熱手段により加熱しながら行ってもよい。加熱手段としては、ヒータなどの熱源を有するステージに基板を配置して行えばよい。光照射処理と同様に加熱処理も高重合領域108のみに選択的に行ってもよい。
【0062】
光硬化樹脂は、アクリレート、メタクリレートなどの単官能モノマーでもよく、ジアクリレート、トリアクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレートなどの多官能モノマーでもよく、これらを混合させたものでもよい。また、液晶性のものでも非液晶性のものでもよく、両者を混合させてもよい。光硬化樹脂は、用いる光重合開始剤の反応する波長の光で重合する樹脂を選択すれば良く、代表的には紫外線硬化樹脂を用いることができる。
【0063】
光重合開始剤は、光照射によってラジカルを発生させるラジカル重合開始剤でもよく、酸を発生させる酸発生剤でもよく、塩基を発生させる塩基発生剤でもよい。
【0064】
具体的には、液晶材料として、JC−1041XX(チッソ株式会社製)と4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルの混合物を用いることができ、カイラル剤としては、ZLI−4572(メルク株式会社製)を用いることができ、光硬化樹脂は、2−エチルヘキシルアクリレート、RM257(メルク株式会社製)、トリメチロールプロパントリアクリレートを用いることができ、光重合開始剤としては2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンを用いることができる。
【0065】
また、図1及び図2では図示しないが、偏光板、位相差板、反射防止膜などの光学フィルムなどは適宜設ける。例えば、偏光板及び位相差板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
【0066】
本明細書において、液晶表示装置は光源の光を透過することによって表示を行う透過型の液晶表示装置(又は半透過型の液晶表示装置)の場合、少なくとも画素領域において光を透過させる必要がある。よって光が透過する画素領域に存在する第1の基板、第2の基板、他絶縁膜、導電膜などの薄膜はすべて可視光の波長領域の光に対して透光性とする。
【0067】
液晶層に電圧を印加する電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などという)においては透光性が好ましいが、電極層のパターンによっては金属膜などの非透光性材料を用いてもよい。
【0068】
電極層は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化珪素(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、またはタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
【0069】
また、電極層として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0070】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0071】
第1の基板100、第2の基板101にはバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、並びにプラスチック基板などの可撓性基板を用いることができる。
【0072】
シール材103としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いるのが好ましい。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂などを用いることができる。また、光(代表的には紫外線)重合開始剤、熱硬化剤、フィラー、カップリング剤を含んでもよい。
【0073】
以上のように、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0074】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1において、マスクを組み合わせて用いる液晶表示装置の作製方法の例を図3及び図4に示す。従って、他は実施の形態1と同様に行うことができ、実施の形態1と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0075】
図3(A)は液晶表示装置の平面図であり、図3(B)は、図3(A)における線Y−Zの断面図である。
【0076】
第1の基板100と第2の基板101は、シール材103(103a、103b)で固着(接着)され、第1の基板100と第2の基板101の間には液晶層110が配置されている。液晶層110は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を用いた液晶層である。液晶層110において、高重合領域108は高分子安定化処理として光硬化樹脂に光照射処理を行った領域(第1の領域)であり、低重合領域109(109a、109b)は光照射処理を行わなかった領域(第2の領域)である。
【0077】
本実施の形態の液晶層110は、液晶層110の周囲を囲むシール材103と接する領域に低重合領域109を形成し、液晶層110中央に高重合領域108を形成する例である。
【0078】
図4(A1)(A2)乃至(C1)(C2)に図3の液晶表示装置の作製方法を示す。図4(A2)乃至(C2)は液晶表示装置の平面図であり、図4(A1)乃至(C1)は、図4(A2)乃至(C2)における線Y−Zの断面図である。
【0079】
第1の基板100と第2の基板101とがシール材103(103a、103b)で固着され、第1の基板100と第2の基板101との間に液晶層110が配置されている(図4(A1)(A2)参照。)。シール材103は液晶層110を囲むように形成されている。液晶層110はまだ全域において光硬化樹脂の光照射処理前の低重合領域102である。
【0080】
液晶層110の低重合領域102に高分子安定化処理を行い、光硬化樹脂を選択的に重合させる。高分子安定化処理として照射領域が線状に加工された光照射処理を行う。本実施の形態では、光照射時にマスク111を用いる。光104を走査し、かつマスク111を用いることで、より複雑な形状に処理領域の制御を行うことができる。
【0081】
マスク111は、遮光性の材料を用い、光104を反射もしくは吸収し、液晶層へ光104が照射されるのを遮断する。本実施の形態では、遮光性のマスク111を用いる例を示すが、第2の基板101と液晶層110との間に遮光層を形成してもよい。この遮光層は薄膜トランジスタを形成する場合、光照射により薄膜トランジスタの特性変動が生じるのを防止する機能もある。
【0082】
線状に加工された光104を矢印105の方向に走査しながら液晶層110に照射する。液晶層110において、光104により照射された領域は、高重合領域106となる。光照射処理は液晶層110において選択的に行われるため、光照射処理の行われていない領域は、低重合領域のままであり、低重合領域107となる。
【0083】
線状に加工された光104を、マスク111を用いて液晶層110に走査しながら照射し高重合領域108及び、シール材103と接する低重合領域109を形成する。以上の工程で、高重合領域108及び高重合領域108を囲み、シール材103と接する低重合領域109を有する液晶層110を形成する(図4(C1)(C2)参照。)。
【0084】
光104を走査し、かつマスク111を用いて照射するので、複雑な照射領域の制御が容易にできる。シール材103に接する領域を低重合領域109とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域108において安定なブルー相を形成することができる。
【0085】
また、液晶層110の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせ、一定方向に重合を進めるために、液晶層110の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0086】
光照射処理手段及び液晶層を相対的に走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0087】
以上のように、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0088】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1又は実施の形態2において、大型の基板に複数の液晶表示装置を作製する例(所謂多面取り)、を図5に示す。従って、他は実施の形態1又は実施の形態2と同様に行うことができ、実施の形態1又は実施の形態2と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0089】
大型の基板を用いて複数の液晶表示装置を作製する場合、その分断工程は、高分子安定化処理の前か、偏光板を設ける前に行うことができる。分断工程による液晶層への影響(分断工程時にかかる力などによる配向乱れなど)を考慮すると、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後、高分子安定化処理の前が好ましい。
【0090】
図5(A)は液晶表示装置の平面図であり、図5(B)は、図5(A)における線V1−X1の断面図、図5(C)は、図5(A)における線V2−X2の断面図である。
【0091】
図5(A)において、固着(接着)された第1の基板200と第2の基板201との間には、4つの液晶層210a、210b、210c、210dが挟持され、それぞれシール材203a、203b、203c、203dで周囲を囲まれて配置されている。液晶層210a、210b、210c、210dは、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を用いた液晶層である。
【0092】
図5はマスク211を用い、かつ光204を走査して複数の液晶層210a、210b、210c、210dに選択的に高分子安定化処理を行い、高重合領域206a、206b、206c、206dと低重合領域207a(207a1、207a2)、207b(207b1、207b2)、207c(207c1、207c2)、207d(図示しないが液晶層210cと同様に高重合領域206dとシール材203dとの間に形成されている)を形成する工程である。
【0093】
図5(B)は、光204の走査方向である矢印205と平行な面における断面である。液晶層210a、210cにおいて、マスク211(211a、211b、211c)に遮光されず、光204に照射された領域は重合反応が進み、高重合領域206a、206cが形成されている。一方、マスク211(211a、211b、211c)に覆われ、光204が遮光される、又は光204が走査されていない領域は、光照射処理されず、低重合領域207c1、207c2、207a1、207a2が形成されている。液晶層210cにおいて、高重合領域206cとシール材203c(203c1、203c2)との間に低重合領域207c(207c1、207c2)が形成され、同様に液晶層210aにおいて、高重合領域206aとシール材203a(203a1、203a2)との間に低重合領域207a(207a1、207a2)が形成されている。
【0094】
図5(C)は、光204の走査方向である矢印205と垂直な面における断面図である。液晶層210a、210bにおいて、マスク211(211d、211e、211f)に遮光されず、光204に照射された領域は重合反応が進み、高重合領域206a、206bが形成されている。一方、マスク211(211d、211e、211f)に覆われ、光204が遮光される領域は、光照射処理されず、低重合領域207a1、207a2、207b1、207b2が形成されている。液晶層210aにおいて、高重合領域206aとシール材203a(203a1、203a2)との間に低重合領域207a(207a1、207a2)が形成され、同様に液晶層210bにおいて、高重合領域206bとシール材203b(203b1、203b2)との間に低重合領域207b(207b1,207b2)が形成されている。
【0095】
このように、基板の辺方向に長く形成した線状の光204とマスク211を組み合わせることで、一度に複数の液晶層を高分子安定化処理できるため、生産性を向上させることができる。また、大型基板であっても光照射手段と基板を相対的に走査して光照射処理を行うので、大型な露光装置などを用いないでよい。
【0096】
本実施の形態では、図5(C)に示すように液晶層210a、210bにおいて低重合領域207a2、207b1をマスク211d、211fを用いて形成する例を示すが、光204の照射領域が低重合領域207a2、207b1まで及ばないように形状を制御して、低重合領域207a2、207b1を形成してもよい。
【0097】
大型基板の場合、基板がたわんで反ってしまう場合がある。この場合基板を縦置きとして走査すれば均一な光照射処理を行うことができる。
【0098】
光を走査し、かつマスクを用いて照射するので、複雑な照射領域の制御が容易にできる。シール材に接する領域を低重合領域とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域において安定なブルー相を形成することができる。
【0099】
また、液晶層の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせまた、一定方向に重合を進めるために、液晶層の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0100】
光照射処理手段及び液晶層を相対的に走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0101】
以上のように、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0102】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至3において適用することのできる光照射方法の他の例を図6に示す。従って、他は実施の形態1乃至3と同様に行うことができ、実施の形態1乃至3と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0103】
図6(A)乃至(C)に液晶層に選択的に光照射処理を行う例を示す。
【0104】
図6(A)で示すように、光照射処理は、照射手段を複数設けて、液晶層の片面のみでなく、両面(第1の基板側からも第2の基板側から)から液晶層に照射してもよい。液晶層110は、第2の基板101側から照射される光104aと、第1の基板100側から照射される光104bによって光照射処理される。図6(A)は光104a及び光104bは液晶層110において同領域を照射する例を示すが、異なる領域を照射してもよく、それぞれマスクを用いてもよい。
【0105】
また、異なるエネルギーを与える複数の光を用い、複数の光のうち液晶層に与えるエネルギーが小さい光から先に液晶層に照射してもよい。図6(B)において、光104cと光104dとは与えるエネルギーが異なる光であり、光104dの方が光104cよりもエネルギーが小さい。光104dによって照射された領域112に対して光104cを照射し、高重合領域106を形成する。重合させる光硬化樹脂を複数種用いる場合、このように照射する光のエネルギーやタイミングを制御すると重合の速度も制御することができ、より均一に安定化処理を行うことが可能となる。
【0106】
光照射処理は液晶層表面に対して斜めに照射してもよい。図6(C)において、液晶層110に照射される光104eは、液晶層110表面に対して斜めに入射しているため、照射領域に与えるエネルギーに差を有している。よって図6(B)と同様に光硬化樹脂の重合の速度を制御することができる。
【0107】
以上のように、光照射条件(照射のタイミング、光のエネルギー、照射時間)などを制御することで、より均一に液晶層に高分子安定化を行うことができる。
【0108】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0109】
従って、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0110】
(実施の形態5)
本明細書に開示する発明は、パッシブマトリクス型の液晶表示装置でもアクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用することができる。
【0111】
薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。また、薄膜トランジスタを駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
【0112】
液晶表示装置は表示素子として液晶素子(液晶表示素子ともいう)を含む。
【0113】
また、液晶表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、該液晶表示装置を作製する過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素子基板は、電流を表示素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、具体的には、表示素子の画素電極のみが形成された状態であっても良いし、画素電極となる導電膜を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であっても良いし、あらゆる形態があてはまる。
【0114】
なお、本明細書中における液晶表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て液晶表示装置に含むものとする。
【0115】
液晶表示装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図7を用いて説明する。図7(A1)(A2)は、第1の基板4001上に形成された薄膜トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、パネルの上面図であり、図7(B)は、図7(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0116】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶層4007と共に封止されている。
【0117】
また、図7(A1)は第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。なお、図7(A2)は信号線駆動回路の一部を第1の基板4001上に設けられた薄膜トランジスタで形成する例であり、第1の基板4001上に信号線駆動回路4003bが形成され、かつ別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003aが実装されている。
【0118】
液晶層4007において、画素部4002は高分子安定化処理として光照射処理を行った光硬化樹脂の高重合領域4008であり、走査線駆動回路4004、信号線駆動回路4003bは低重合領域4009である。シール材4005に接する表示に寄与しない駆動回路上に形成される領域を低重合領域4009とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域4008において安定なブルー相を形成することができる。
【0119】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図7(A1)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図7(A2)は、TAB方法により信号線駆動回路4003aを実装する例である。
【0120】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、薄膜トランジスタを複数有しており、図7(B)では、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011とを例示している。薄膜トランジスタ4010、4011上には絶縁層4020、層間膜4021が設けられている。
【0121】
薄膜トランジスタ4010、4011は、特に限定されず様々な薄膜トランジスタを適用することができる。本実施の形態では、薄膜トランジスタ4010、4011はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0122】
また、第1の基板4001上に画素電極層4030が設けられ、画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。液晶素子4013は、画素電極層4030、共通電極層4031、及び液晶層4007を含む。なお、第1の基板4001、第2の基板4006の外側にはそれぞれ偏光板4032、4033が設けられている。共通電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、画素電極層4030と共通電極層4031とは液晶層4007を介して積層する構成となっている。
【0123】
ブルー相を示す液晶層を有する液晶表示装置において、基板に概略平行(すなわち水平な方向)な電界を生じさせて、基板と平行な面内で液晶分子を動かして、階調を制御する方式を用いることができる。このような方式として、本実施の形態では、図7に示すようなIPSモードで用いる電極構成を適用する例である。
【0124】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性を有するガラス、プラスチックなどを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
【0125】
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、液晶層4007の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。なお、液晶層4007を用いる液晶表示装置は、液晶層4007の膜厚(セルギャップ)を4μm以上20μm程度とすることが好ましい。
【0126】
なお図7は透過型液晶表示装置の例であるが、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0127】
また、図7の液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設ける例を示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。偏光板の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、ブラックマトリクスとして機能する遮光層を設けてもよい。
【0128】
層間膜4021は、有彩色の透光性樹脂層であり、カラーフィルタ層として機能する。また、層間膜4021の一部を遮光層としてもよい。図7においては、薄膜トランジスタ4010、4011上方を覆うように遮光層4034が第2の基板4006側に設けられている。遮光層4034は、高分子安定化処理である光照射処理において、低重合領域4009のマスクとして機能する他、さらに液晶表示装置のコントラスト向上や薄膜トランジスタの安定化の効果を高めることができる。
【0129】
薄膜トランジスタの保護膜として機能する絶縁層4020で覆う構成としてもよいが、特に限定されない。
【0130】
なお、保護膜は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜が好ましい。保護膜は、スパッタ法を用いて、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は積層で形成すればよい。
【0131】
また、保護膜を形成した後に、半導体層のアニール(300℃〜400℃)を行ってもよい。
【0132】
また、平坦化絶縁膜として透光性の絶縁層をさらに形成する場合、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層を形成してもよい。
【0133】
積層する絶縁層の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。絶縁層を材料液を用いて形成する場合、ベークする工程で同時に、半導体層のアニール(200℃〜400℃)を行ってもよい。絶縁層の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく液晶表示装置を作製することが可能となる。
【0134】
画素電極層4030、共通電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0135】
また、画素電極層4030、共通電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
【0136】
また、画素電極層4030、共通電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。
【0137】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0138】
また、薄膜トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、ゲート線またはソース線に対して、駆動回路保護用の保護回路を同一基板上に設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0139】
図7では、接続端子電極4015が、画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010、4011のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0140】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0141】
また図7においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0142】
図8は、本明細書に開示する液晶表示装置として液晶表示モジュールを構成する一例を示している。
【0143】
図8は液晶表示モジュールの一例であり、素子基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間にTFT等を含む素子層2603、液晶層を含む表示素子2604、カラーフィルタとして機能する着色層2605、偏光板2606が設けられ表示領域に形成している有彩色の透光性樹脂層である着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。素子基板2600と対向基板2601の外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609により素子基板2600の配線回路部2608と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また、光源として、白色のダイオードを用いてもよい。また偏光板と、液晶層との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
【0144】
以上の工程により、液晶表示装置として信頼性の高い液晶表示パネルを作製することができる。
【0145】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0146】
(実施の形態6)
本明細書で開示する液晶表示装置が有する薄膜トランジスタの半導体層に用いられる半導体材料は特に限定されない。薄膜トランジスタの半導体層に用いることのできる材料の例を説明する。
【0147】
半導体素子が有する半導体層を形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法で作製される非晶質(アモルファス、以下「AS」ともいう。)半導体、該非晶質半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或いは微結晶(セミアモルファス若しくはマイクロクリスタルとも呼ばれる。以下「SAS」ともいう。)半導体などを用いることができる。半導体層はスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により成膜することができる。
【0148】
微結晶半導体膜は、ギブスの自由エネルギーを考慮すれば非晶質と単結晶の中間的な準安定状態に属するものである。すなわち、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する。柱状または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体膜が得られる。
【0149】
この微結晶半導体膜は、周波数が数十MHz〜数百MHzの高周波プラズマCVD法、または周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD装置により形成することができる。代表的には、SiH4、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などの水素化珪素を水素で希釈して形成することができる。また、水素化珪素及び水素に加え、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈して微結晶半導体膜を形成することができる。これらのときの水素化珪素に対して水素の流量比を5倍以上200倍以下、好ましくは50倍以上150倍以下、更に好ましくは100倍とする。
【0150】
アモルファス半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン、結晶性半導体としては代表的にはポリシリコンなどがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを用いて、非晶質シリコンを結晶化させたポリシリコンなどを含んでいる。もちろん、前述したように、微結晶半導体又は半導体層の一部に結晶相を含む半導体を用いることもできる。
【0151】
また、半導体の材料としてはシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの単体のほかGaAs、InP、SiC、ZnSe、GaN、SiGeなどのような化合物半導体も用いることができる。
【0152】
半導体層に、結晶性半導体膜を用いる場合、その結晶性半導体膜の作製方法は、種々の方法(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等)を用いれば良い。また、SASである微結晶半導体をレーザ照射して結晶化し、結晶性を高めることもできる。結晶化を助長する元素を導入しない場合は、非晶質珪素膜にレーザ光を照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非晶質珪素膜の含有水素濃度を1×1020atoms/cm3以下にまで放出させる。これは水素を多く含んだ非晶質珪素膜にレーザ光を照射すると非晶質珪素膜が破壊されてしまうからである。
【0153】
非晶質半導体層への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質半導体膜の表面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタ法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体膜の表面の濡れ性を改善し、非晶質半導体膜の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を成膜することが望ましい。
【0154】
また、非晶質半導体膜を結晶化し、結晶性半導体膜を形成する結晶化工程で、非晶質半導体膜に結晶化を促進する元素(触媒元素、金属元素とも示す)を添加し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)により結晶化を行ってもよい。結晶化を助長(促進)する元素としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)及び金(Au)から選ばれた一種又は複数種類を用いることができる。
【0155】
結晶化を助長する元素を結晶性半導体膜から除去、又は軽減するため、結晶性半導体膜に接して、不純物元素を含む半導体膜を形成し、ゲッタリングシンクとして機能させる。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素、p型を付与する不純物元素や希ガス元素などを用いることができ、例えばリン(P)、窒素(N)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ボロン(B)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)から選ばれた一種または複数種を用いることができる。結晶化を促進する元素を含む結晶性半導体膜に、希ガス元素を含む半導体膜を形成し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)を行う。結晶性半導体膜中に含まれる結晶化を促進する元素は、希ガス元素を含む半導体膜中に移動し、結晶性半導体膜中の結晶化を促進する元素は除去、又は軽減される。その後、ゲッタリングシンクとなった希ガス元素を含む半導体膜を除去する。
【0156】
非晶質半導体膜の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。
【0157】
また、結晶性半導体膜を、直接基板にプラズマ法により形成しても良い。また、プラズマ法を用いて、結晶性半導体膜を選択的に基板に形成してもよい。
【0158】
また半導体層に、酸化物半導体を用いてもよい。例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)なども用いることができる。ZnOを半導体層に用いる場合、ゲート絶縁層をY2O3、Al2O3、TiO2、それらの積層などを用い、ゲート電極層、ソース電極層、ドレイン電極層としては、ITO、Au、Tiなどを用いることができる。また、ZnOにInやGaなどを添加することもできる。
【0159】
酸化物半導体としてInMO3(ZnO)m(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。なお、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNi又はGaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、又は該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。例えば、酸化物半導体層としてIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜を用いることができる。
【0160】
酸化物半導体層(InMO3(ZnO)m(m>0)膜)としてIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜のかわりに、Mを他の金属元素とするInMO3(ZnO)m(m>0)膜を用いてもよい。
【0161】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0162】
(実施の形態7)
本明細書に開示する液晶表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0163】
図9(A)は、テレビジョン装置9600の一例を示している。テレビジョン装置9600は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0164】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0165】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0166】
図9(B)は、デジタルフォトフレーム9700の一例を示している。例えば、デジタルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0167】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0168】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0169】
図10(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成されており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図10(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部9886、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書に開示する液晶表示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図10(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図10(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0170】
図10(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900の一例を示している。スロットマシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書に開示する液晶表示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0171】
図11(A)は携帯型のコンピュータの一例を示す斜視図である。
【0172】
図11(A)の携帯型のコンピュータは、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態として表示部9303を有する上部筐体9301と、キーボード9304を有する下部筐体9302とを重ねた状態とすることができ、持ち運ぶことが便利であるとともに、使用者がキーボード入力する場合には、ヒンジユニットを開状態として、表示部9303を見て入力操作を行うことができる。
【0173】
また、下部筐体9302はキーボード9304の他に入力操作を行うポインティングデバイス9306を有する。また、表示部9303をタッチ入力パネルとすれば、表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。また、下部筐体9302はCPUやハードディスク等の演算機能部を有している。また、下部筐体9302は他の機器、例えばUSBの通信規格に準拠した通信ケーブルが差し込まれる外部接続ポート9305を有している。
【0174】
上部筐体9301には更に上部筐体9301内部にスライドさせて収納可能な表示部9307を有しており、広い表示画面を実現することができる。また、収納可能な表示部9307の画面の向きを使用者は調節できる。また、収納可能な表示部9307をタッチ入力パネルとすれば、収納可能な表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。
【0175】
表示部9303または収納可能な表示部9307は、液晶表示パネルなどの映像表示装置を用いる。
【0176】
また、図11(A)の携帯型のコンピュータは、受信機などを備えた構成として、テレビ放送を受信して映像を表示部または表示部に表示することができる。また、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態としたまま、表示部9307をスライドさせて画面全面を露出させ、画面角度を調節して使用者がテレビ放送を見ることもできる。この場合には、ヒンジユニットを開状態として表示部9303を表示させず、さらにテレビ放送を表示するだけの回路の起動のみを行うため、最小限の消費電力とすることができ、バッテリー容量の限られている携帯型のコンピュータにおいて有用である。
【0177】
また、図11(B)は、腕時計のように使用者の腕に装着可能な形態を有している携帯電話の一例を示す斜視図である。
【0178】
この携帯電話は、少なくとも電話機能を有する通信装置及びバッテリーを有する本体、本体を腕に装着するためのバンド部、腕に対するバンド部の固定状態を調節する調節部9205、表示部9201、スピーカ9207、及びマイク9208から構成されている。
【0179】
また、本体は、操作スイッチ9203を有し、電源入力スイッチや、表示切り替えスイッチや、撮像開始指示スイッチの他、例えばスイッチを押すとインタネット用のプログラムが起動されるなど、操作スイッチによって各ファンクションを対応づけることができる。
【0180】
この携帯電話の入力操作は、表示部9201に指や入力ペンなどで触れること、又は操作スイッチ9203の操作、またはマイク9208への音声入力により行われる。なお、図11(B)では、表示部9201に表示された表示ボタン9202を図示しており、指などで触れることにより入力を行うことができる。
【0181】
また、本体は、撮影レンズを通して結像される被写体像を電子画像信号に変換する撮像手段を有するカメラ部9206を有する。なお、特にカメラ部は設けなくともよい。
【0182】
また、図11(B)に示す携帯電話は、テレビ放送の受信機などを備えた構成として、テレビ放送を受信して映像を表示部9201に表示することができ、さらにメモリーなどの記憶装置などを備えた構成として、テレビ放送をメモリーに録画できる。また、図11(B)に示す携帯電話は、GPSなどの位置情報を収集できる機能を有していてもよい。
【0183】
表示部9201は、液晶表示パネルなどの映像表示装置を用いる。図11(B)に示す携帯電話は、小型、且つ、軽量であるため、バッテリー容量の限られており、表示部9201に用いる表示装置は低消費電力で駆動できるパネルを用いることが好ましい。
【0184】
なお、図11(B)では”腕”に装着するタイプの電子機器を図示したが、特に限定されず、携行できる形状を有しているものであればよい。
【技術分野】
【0001】
液晶表示装置及び液晶表示装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型、軽量化を図った表示装置(所謂フラットパネルディスプレイ)には液晶素子を有する液晶表示装置、自発光素子を有する発光装置、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などが競合し、開発されている。
【0003】
液晶表示装置においては、液晶分子の応答速度の高速化が求められている。液晶の表示モードは種々あるが、中でも高速応答可能な液晶モードとしてFLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、ブルー相を示す液晶を用いるモードがあげられる。
【0004】
特にブルー相を示す液晶を使用するモードは配向膜が不要であり、かつ広視野角化が得られるので、実用化に向けてより研究が行われている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1は、ブルー相の出現する温度範囲を広げるために、液晶に高分子安定化処理を行う報告である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第05/090520号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高分子安定化処理は、液晶材料に光硬化樹脂を添加し、光によって光硬化樹脂を重合し液晶層を安定化させる処理である。しかし、大型化が進む基板面内で均一に光硬化樹脂を重合するのは困難である。高分子の重合が不均一であると、液晶層において配向状態も不均一となり、安定したブルー相を形成できなくなってしまう。
【0007】
従って、より安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置、及びその作製方法を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ブルー相を示す液晶材料に光硬化樹脂を添加し、第1の基板及び第2の基板間に配置された液晶層に対して、一方向に光照射手段を走査しながら選択的に光硬化樹脂を重合し、高分子安定化処理を行う。よって、液晶層内において、光照射処理が行われた領域(第1の領域ともいう)と、光照射処理を行われてない領域(第2の領域ともいう)が生じる。第1の領域においては光硬化樹脂の重合が進んでいるため、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【0009】
本明細書では、液晶層において、光照射処理を行い含まれる光硬化樹脂の重合度を高めた領域を高重合領域、一方光照射処理を行わない領域を、該光硬化樹脂の重合度を高めた領域より含まれる光硬化樹脂の重合度が低いことから、低重合領域という。また、液晶層に用いる液晶材料及び光硬化樹脂の混合物を液晶混合物(液晶組成物)ともいう。
【0010】
第1の基板と第2の基板はシール材によって固着(接着)され、シール材に囲まれた領域に液晶層は配置される。シール材近傍の液晶混合物と、シール材から離れた中央部の液晶混合物(表示領域の液晶混合物ともいう)では、光照射による光硬化樹脂の重合度が異なる。従って、このような液晶層全域(シール材近傍の領域及び表示領域)に光照射処理を行うとシール材近傍の領域と表示領域において光硬化樹脂の重合状態が異なるため、液晶混合物の配向にも差が生じてしまう。よって、表示領域ではブルー相を示すが、シール材近傍領域ではブルー相を示さないといった液晶層内が不均一な配向状態となり、表示不良を招く。
【0011】
光照射処理によるシール材近傍領域と表示領域との極端な配向の差を軽減するために、シール材近傍付近は光照射処理を行わず、あえて低重合領域とする。シール材近傍付近は低重合領域であるために、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減することができ、より液晶層内の広い領域において安定なブルー相を形成することができる。
【0012】
高分子安定化処理は光照射処理により光硬化樹脂を重合反応させて行う。選択的に光照射処理を行う方法として、液晶層全域に一括で光照射処理を行わずに、液晶層の一部分を光照射処理できる光照射手段を用いて、一方向に光照射手段を走査しながら光照射処理を行う。この場合、液晶層と光を相対的に走査できればよいので、光照射手段の方を走査してもよいし、液晶層の形成される基板の方を走査してもよい。
【0013】
一度に光照射できる光照射領域は線状(長方形)が好ましく、その線状の光照射領域と平行な基板の一辺より長いとスループットが向上するので好ましい。例えば、光照射領域が長方形の基板の一辺より長い線状となるような線状の光を液晶層に照射し、その線状の光照射領域と垂直な方向に走査する。一括に行う光照射と異なり、光の走査領域を制御することで、液晶層に光を照射しない領域である低重合領域を形成することができる。
【0014】
上記線状の光照射領域は、複数の光源を線状に配列させて形成してもよいし、光源より照射された光を光学系で加工して形成してもよい。
【0015】
また、液晶層において照射する光照射領域の形状は、線状の他、矩形、円形、楕円形などを用いてもよい。また、光はランプ光源からのランプ光、レーザ光源からのレーザ光などを用いることができる。光硬化樹脂の重合反応が生じる波長の光及びエネルギーを適宜選択すればよい。
【0016】
また、液晶層を加熱しながら高分子安定化処理である光照射処理を行ってもよい。光照射処理と同様に加熱処理も高重合領域のみに選択的に行ってもよい。
【0017】
また、液晶層の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせ、一定方向に重合を進めるために、液晶層の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0018】
光照射手段を走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0019】
従って、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0020】
液晶層には、ブルー相を示す液晶材料を用いる。ブルー相を示す液晶材料は、応答速度が1msec以下と短く高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
【0021】
ブルー相を示す液晶材料として液晶及びカイラル剤を含む。カイラル剤は、液晶を螺旋構造に配向させ、ブルー相を発現させるために用いる。例えば、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶材料を液晶層に用いればよい。
【0022】
液晶は、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶等を用いる。
【0023】
カイラル剤は、液晶に対する相溶性が良く、かつ捩れ力の強い材料を用いる。また、R体、S体のどちらか片方の材料が良く、R体とS体の割合が50:50のラセミ体は使用しない。
【0024】
上記液晶材料は、条件により、コレステリック相、コレステリックブルー相、スメクチック相、スメクチックブルー相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0025】
ブルー相であるコレステリックブルー相及びスメクチックブルー相は、螺旋ピッチが500nm以下とピッチの比較的短いコレステリック相またはスメクチック相を有する液晶材料にみられる。液晶材料の配向は二重ねじれ構造を有する。可視光の波長以下の秩序を有しているため、透明であり、電圧印加によって配向秩序が変化して光学的変調作用が生じる。ブルー相は光学的に等方であるため視野角依存性がなく、配向膜を形成しなくとも良いため、表示画像の質の向上及びコスト削減が可能である。
【0026】
また、ブルー相は狭い温度範囲でしか発現が難しく、温度範囲を広く改善するために液晶材料に、光硬化樹脂及び光重合開始剤を添加し、高分子安定化処理を行う。高分子安定化処理は、液晶、カイラル剤、光硬化樹脂、及び光重合開始剤を含む液晶材料に、光硬化樹脂、及び光重合開始剤が反応する波長の光を照射して行う。この高分子安定化処理は、等方相を示す液晶材料に光照射して行っても良いし、温度制御してブルー相を発現した液晶材料に光照射して行ってもよい。
【0027】
例えば、液晶層の温度を制御し、ブルー相を発現した状態で液晶層に光を照射することにより高分子安定化処理を行う。但し、これに限定されず、ブルー相と等方相間の相転移温度から+10℃以内、好ましくは+5℃以内の等方相を発現した状態で液晶層に光を照射することにより高分子安定化処理を行ってもよい。ブルー相と等方相間の相転移温度とは、昇温時にブルー相から等方相に転移する温度又は降温時に等方相からブルー相に相転移する温度をいう。高分子安定化処理の一例としては、液晶層を等方相まで加熱した後、徐々に降温させてブルー相にまで相転移させ、ブルー相が発現する温度を保持した状態で光を照射することができる。他にも、液晶層を徐々に加熱して等方相に相転移させた後、ブルー相と等方相間の相転移温度から+10℃以内、好ましくは+5℃以内状態(等方相を発現した状態)で光を照射することができる。また、液晶材料に含まれる光硬化樹脂として、紫外線硬化樹脂(UV硬化樹脂)を用いる場合、液晶層に紫外線を照射すればよい。なお、ブルー相を発現させなくとも、ブルー相と等方相間の相転移温度から+10℃以内、好ましくは+5℃以内状態(等方相を発現した状態)で光を照射して高分子安定化処理を行えば、応答速度が1msec以下と短く高速応答が可能である。
【0028】
本明細書で開示する発明の構成の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、液晶層は第1の領域及び第2の領域を含み、第1の領域は第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【0029】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、液晶層は第1の領域及びシール材と接する第2の領域を含み、第1の領域は第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高い。
【0030】
上記構成において、高分子安定化処理を行った高重合領域(第1の領域)を表示領域となる画素領域に、低重合領域(第2の領域)を表示に寄与しない駆動回路領域とすると好ましい。
【0031】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、液晶層において第1の領域は、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高く、光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行う。
【0032】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、液晶層を加熱しながら液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、液晶層において第1の領域は、第2の領域より光硬化樹脂の重合度が高く、光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行う。
【0033】
光照射処理は液晶層表面に対して斜めに照射してもよい。斜めに照射することによって照射領域に与えるエネルギーに差を有するようにできる。また、異なるエネルギーを与える複数の光を用い、複数の光のうち液晶層に与えるエネルギーが小さい光から先に液晶層に照射してもよい。また、光照射処理は、照射手段を複数設けて、液晶層の片面のみでなく、両面(第1の基板側からも第2の基板側からも)から液晶層に照射してもよい。
【0034】
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
【0035】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【発明の効果】
【0036】
安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】液晶表示装置を説明する図。
【図2】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図3】液晶表示装置を説明する図。
【図4】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図5】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図6】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
【図7】液晶表示装置を説明する図。
【図8】液晶表示モジュールを説明する図。
【図9】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図。
【図10】遊技機の例を示す外観図。
【図11】携帯型のコンピュータ及び携帯電話機の一例を示す外観図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下の説明に限定されず、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0039】
(実施の形態1)
液晶表示装置を、図1及び図2を用いて説明する。
【0040】
図1(A)は液晶表示装置の平面図であり、図1(B)は、図1(A)における線Y−Zの断面図である。
【0041】
第1の基板100と第2の基板101は、シール材103(103a、103b)で固着(接着)され、第1の基板100と第2の基板101の間には液晶層110が配置されている。液晶層110は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を用いた液晶層である。液晶層110において、高重合領域108は高分子安定化処理をとして光硬化樹脂の光照射処理を行った領域(第1の領域)であり、低重合領域109は光照射処理を行わなかった領域(第2の領域)である。
【0042】
図2(A1)(A2)乃至(C1)(C2)に図1の液晶表示装置の作製方法を示す。図2(A2)乃至(C2)は液晶表示装置の平面図であり、図2(A1)乃至(C1)は、図2(A2)乃至(C2)における線Y−Zの断面図である。
【0043】
第1の基板100と第2の基板101とがシール材103(103a、103b)で固着され、第1の基板100と第2の基板101との間に液晶層110が配置されている(図2(A1)(A2)参照。)。シール材103は液晶層110を囲むように形成されている。液晶層110はまだ全域において光硬化樹脂の光照射処理前の低重合領域102である。
【0044】
液晶層110の低重合領域102に高分子安定化処理を行い、光硬化樹脂を選択的に重合させる。高分子安定化処理として照射領域が線状に加工された光照射処理を行う。線状に加工された光104を矢印105の方向に走査しながら液晶層110に照射する。液晶層110において、光104により照射された領域は、光硬化樹脂が重合し、重合度の高い高重合領域106となる。光照射処理は液晶層110において選択的に行われるため、光照射処理の行われていない領域は、低重合領域のままであり、低重合領域107となる(図2(B1)(B2)参照。)。なお、この場合、液晶層110と光104を相対的に走査できればよいので、光104の照射手段の方を走査してもよいし、液晶層110の形成される第1の基板100の方を走査してもよい。
【0045】
線状に加工された光104を、表示領域を含む領域に走査しながら、シール材103手前まで照射し高重合領域108とし、シール材103と接する領域を低重合領域109とする。以上の工程で、高重合領域108及び低重合領域109を有する液晶層110を形成する(図2(C1)(C2)参照。)。
【0046】
光104を走査することによって照射するので、照射領域の制御が容易にできる。シール材103bに接する領域を低重合領域109とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域108において安定なブルー相を形成することができる。
【0047】
液晶層110において、高重合領域108に表示領域(画素領域)を形成し、低重合領域109に表示に寄与しない駆動回路領域や、筐体による遮蔽領域とすればよい。
【0048】
また、液晶層110の高重合領域108は、重合反応により強度も高まるため、低重合領域109より強度が高い。よって、液晶表示装置において露出する表示部として、高重合領域108を用いることは信頼性の面でも有効である。また、重合反応により強度を有するため第1の基板100及び第2の基板101に可撓性基板を用いて、可撓性の液晶表示装置とすることもできる。
【0049】
上記線状の光照射領域は、複数の光源を線状に配列させて形成してもよいし、光源より照射された光を光学系で加工して形成してもよい。
【0050】
また、液晶層において照射する光照射領域の形状は、線状の他、矩形、円形、楕円形などを用いてもよい。また、光はランプ光源からのランプ光、レーザ光源からのレーザ光などを用いることができる。光硬化樹脂の重合反応が生じる波長の光及びエネルギーを適宜選択すればよい。例えば、光硬化樹脂として紫外線(光)硬化樹脂(UV硬化樹脂)を用いる場合、高分子安定化処理として紫外線(光)を照射すればよい。
【0051】
また、液晶層110の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせ、一定方向に重合を進めるために、液晶層110の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0052】
光照射処理手段及び液晶層を相対的に走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0053】
液晶層110を形成する方法として、ディスペンサ法(滴下法)や、第1の基板100と第2の基板101とを貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶を注入する注入法を用いることができる。
【0054】
液晶層110には、ブルー相を示す液晶材料を用いる。ブルー相を示す液晶材料は、応答速度が1msec以下と短く高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
【0055】
ブルー相を示す液晶材料として液晶及びカイラル剤を含む。カイラル剤は、液晶を螺旋構造に配向させ、ブルー相を発現させるために用いる。例えば、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶材料を液晶層に用いればよい。
【0056】
液晶は、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶等を用いる。
【0057】
カイラル剤は、液晶に対する相溶性が良く、かつ捩れ力の強い材料を用いる。また、R体、S体のどちらか片方の材料が良く、R体とS体の割合が50:50のラセミ体は使用しない。
【0058】
上記液晶材料は、条件により、コレステリック相、コレステリックブルー相、スメクチック相、スメクチックブルー相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0059】
ブルー相であるコレステリックブルー相及びスメクチックブルー相は、螺旋ピッチが500nm以下とピッチの比較的短いコレステリック相またはスメクチック相を有する液晶材料にみられる。液晶材料の配向は二重ねじれ構造を有する。可視光の波長以下の秩序を有しているため、透明であり、電圧印加によって配向秩序が変化して光学的変調作用が生じる。ブルー相は光学的に等方であるため視野角依存性がなく、配向膜を形成しなくとも良いため、表示画像の質の向上及びコスト削減が可能である。
【0060】
ブルー相は狭い温度範囲でしか発現が難しく、温度範囲を広く改善するために液晶材料に、光硬化樹脂及び光重合開始剤を添加し、高分子安定化処理を行う。高分子安定化処理は、液晶、カイラル剤、光硬化樹脂、及び光重合開始剤を含む液晶材料に、光硬化樹脂、及び光重合開始剤が反応する波長の光を照射して行う。この高分子安定化処理は、等方相を示す液晶材料に光照射して行っても良いし、温度制御してブルー相を発現した液晶材料に光照射して行ってもよい。
【0061】
よって、液晶層110への光照射処理を、液晶層110を加熱手段により加熱しながら行ってもよい。加熱手段としては、ヒータなどの熱源を有するステージに基板を配置して行えばよい。光照射処理と同様に加熱処理も高重合領域108のみに選択的に行ってもよい。
【0062】
光硬化樹脂は、アクリレート、メタクリレートなどの単官能モノマーでもよく、ジアクリレート、トリアクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレートなどの多官能モノマーでもよく、これらを混合させたものでもよい。また、液晶性のものでも非液晶性のものでもよく、両者を混合させてもよい。光硬化樹脂は、用いる光重合開始剤の反応する波長の光で重合する樹脂を選択すれば良く、代表的には紫外線硬化樹脂を用いることができる。
【0063】
光重合開始剤は、光照射によってラジカルを発生させるラジカル重合開始剤でもよく、酸を発生させる酸発生剤でもよく、塩基を発生させる塩基発生剤でもよい。
【0064】
具体的には、液晶材料として、JC−1041XX(チッソ株式会社製)と4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルの混合物を用いることができ、カイラル剤としては、ZLI−4572(メルク株式会社製)を用いることができ、光硬化樹脂は、2−エチルヘキシルアクリレート、RM257(メルク株式会社製)、トリメチロールプロパントリアクリレートを用いることができ、光重合開始剤としては2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンを用いることができる。
【0065】
また、図1及び図2では図示しないが、偏光板、位相差板、反射防止膜などの光学フィルムなどは適宜設ける。例えば、偏光板及び位相差板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
【0066】
本明細書において、液晶表示装置は光源の光を透過することによって表示を行う透過型の液晶表示装置(又は半透過型の液晶表示装置)の場合、少なくとも画素領域において光を透過させる必要がある。よって光が透過する画素領域に存在する第1の基板、第2の基板、他絶縁膜、導電膜などの薄膜はすべて可視光の波長領域の光に対して透光性とする。
【0067】
液晶層に電圧を印加する電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などという)においては透光性が好ましいが、電極層のパターンによっては金属膜などの非透光性材料を用いてもよい。
【0068】
電極層は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化珪素(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、またはタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
【0069】
また、電極層として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0070】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0071】
第1の基板100、第2の基板101にはバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、並びにプラスチック基板などの可撓性基板を用いることができる。
【0072】
シール材103としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いるのが好ましい。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂などを用いることができる。また、光(代表的には紫外線)重合開始剤、熱硬化剤、フィラー、カップリング剤を含んでもよい。
【0073】
以上のように、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0074】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1において、マスクを組み合わせて用いる液晶表示装置の作製方法の例を図3及び図4に示す。従って、他は実施の形態1と同様に行うことができ、実施の形態1と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0075】
図3(A)は液晶表示装置の平面図であり、図3(B)は、図3(A)における線Y−Zの断面図である。
【0076】
第1の基板100と第2の基板101は、シール材103(103a、103b)で固着(接着)され、第1の基板100と第2の基板101の間には液晶層110が配置されている。液晶層110は、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を用いた液晶層である。液晶層110において、高重合領域108は高分子安定化処理として光硬化樹脂に光照射処理を行った領域(第1の領域)であり、低重合領域109(109a、109b)は光照射処理を行わなかった領域(第2の領域)である。
【0077】
本実施の形態の液晶層110は、液晶層110の周囲を囲むシール材103と接する領域に低重合領域109を形成し、液晶層110中央に高重合領域108を形成する例である。
【0078】
図4(A1)(A2)乃至(C1)(C2)に図3の液晶表示装置の作製方法を示す。図4(A2)乃至(C2)は液晶表示装置の平面図であり、図4(A1)乃至(C1)は、図4(A2)乃至(C2)における線Y−Zの断面図である。
【0079】
第1の基板100と第2の基板101とがシール材103(103a、103b)で固着され、第1の基板100と第2の基板101との間に液晶層110が配置されている(図4(A1)(A2)参照。)。シール材103は液晶層110を囲むように形成されている。液晶層110はまだ全域において光硬化樹脂の光照射処理前の低重合領域102である。
【0080】
液晶層110の低重合領域102に高分子安定化処理を行い、光硬化樹脂を選択的に重合させる。高分子安定化処理として照射領域が線状に加工された光照射処理を行う。本実施の形態では、光照射時にマスク111を用いる。光104を走査し、かつマスク111を用いることで、より複雑な形状に処理領域の制御を行うことができる。
【0081】
マスク111は、遮光性の材料を用い、光104を反射もしくは吸収し、液晶層へ光104が照射されるのを遮断する。本実施の形態では、遮光性のマスク111を用いる例を示すが、第2の基板101と液晶層110との間に遮光層を形成してもよい。この遮光層は薄膜トランジスタを形成する場合、光照射により薄膜トランジスタの特性変動が生じるのを防止する機能もある。
【0082】
線状に加工された光104を矢印105の方向に走査しながら液晶層110に照射する。液晶層110において、光104により照射された領域は、高重合領域106となる。光照射処理は液晶層110において選択的に行われるため、光照射処理の行われていない領域は、低重合領域のままであり、低重合領域107となる。
【0083】
線状に加工された光104を、マスク111を用いて液晶層110に走査しながら照射し高重合領域108及び、シール材103と接する低重合領域109を形成する。以上の工程で、高重合領域108及び高重合領域108を囲み、シール材103と接する低重合領域109を有する液晶層110を形成する(図4(C1)(C2)参照。)。
【0084】
光104を走査し、かつマスク111を用いて照射するので、複雑な照射領域の制御が容易にできる。シール材103に接する領域を低重合領域109とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域108において安定なブルー相を形成することができる。
【0085】
また、液晶層110の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせ、一定方向に重合を進めるために、液晶層110の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0086】
光照射処理手段及び液晶層を相対的に走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0087】
以上のように、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0088】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1又は実施の形態2において、大型の基板に複数の液晶表示装置を作製する例(所謂多面取り)、を図5に示す。従って、他は実施の形態1又は実施の形態2と同様に行うことができ、実施の形態1又は実施の形態2と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0089】
大型の基板を用いて複数の液晶表示装置を作製する場合、その分断工程は、高分子安定化処理の前か、偏光板を設ける前に行うことができる。分断工程による液晶層への影響(分断工程時にかかる力などによる配向乱れなど)を考慮すると、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後、高分子安定化処理の前が好ましい。
【0090】
図5(A)は液晶表示装置の平面図であり、図5(B)は、図5(A)における線V1−X1の断面図、図5(C)は、図5(A)における線V2−X2の断面図である。
【0091】
図5(A)において、固着(接着)された第1の基板200と第2の基板201との間には、4つの液晶層210a、210b、210c、210dが挟持され、それぞれシール材203a、203b、203c、203dで周囲を囲まれて配置されている。液晶層210a、210b、210c、210dは、光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を用いた液晶層である。
【0092】
図5はマスク211を用い、かつ光204を走査して複数の液晶層210a、210b、210c、210dに選択的に高分子安定化処理を行い、高重合領域206a、206b、206c、206dと低重合領域207a(207a1、207a2)、207b(207b1、207b2)、207c(207c1、207c2)、207d(図示しないが液晶層210cと同様に高重合領域206dとシール材203dとの間に形成されている)を形成する工程である。
【0093】
図5(B)は、光204の走査方向である矢印205と平行な面における断面である。液晶層210a、210cにおいて、マスク211(211a、211b、211c)に遮光されず、光204に照射された領域は重合反応が進み、高重合領域206a、206cが形成されている。一方、マスク211(211a、211b、211c)に覆われ、光204が遮光される、又は光204が走査されていない領域は、光照射処理されず、低重合領域207c1、207c2、207a1、207a2が形成されている。液晶層210cにおいて、高重合領域206cとシール材203c(203c1、203c2)との間に低重合領域207c(207c1、207c2)が形成され、同様に液晶層210aにおいて、高重合領域206aとシール材203a(203a1、203a2)との間に低重合領域207a(207a1、207a2)が形成されている。
【0094】
図5(C)は、光204の走査方向である矢印205と垂直な面における断面図である。液晶層210a、210bにおいて、マスク211(211d、211e、211f)に遮光されず、光204に照射された領域は重合反応が進み、高重合領域206a、206bが形成されている。一方、マスク211(211d、211e、211f)に覆われ、光204が遮光される領域は、光照射処理されず、低重合領域207a1、207a2、207b1、207b2が形成されている。液晶層210aにおいて、高重合領域206aとシール材203a(203a1、203a2)との間に低重合領域207a(207a1、207a2)が形成され、同様に液晶層210bにおいて、高重合領域206bとシール材203b(203b1、203b2)との間に低重合領域207b(207b1,207b2)が形成されている。
【0095】
このように、基板の辺方向に長く形成した線状の光204とマスク211を組み合わせることで、一度に複数の液晶層を高分子安定化処理できるため、生産性を向上させることができる。また、大型基板であっても光照射手段と基板を相対的に走査して光照射処理を行うので、大型な露光装置などを用いないでよい。
【0096】
本実施の形態では、図5(C)に示すように液晶層210a、210bにおいて低重合領域207a2、207b1をマスク211d、211fを用いて形成する例を示すが、光204の照射領域が低重合領域207a2、207b1まで及ばないように形状を制御して、低重合領域207a2、207b1を形成してもよい。
【0097】
大型基板の場合、基板がたわんで反ってしまう場合がある。この場合基板を縦置きとして走査すれば均一な光照射処理を行うことができる。
【0098】
光を走査し、かつマスクを用いて照射するので、複雑な照射領域の制御が容易にできる。シール材に接する領域を低重合領域とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域において安定なブルー相を形成することができる。
【0099】
また、液晶層の複数の領域において、各領域の光照射処理に時間差をもたせまた、一定方向に重合を進めるために、液晶層の急激な状態変化によるクラックなどの形状不良も軽減することができる。
【0100】
光照射処理手段及び液晶層を相対的に走査させながら光照射処理を行うため、大型基板の処理にも対応でき、均一で安定なブルー相を形成できる。
【0101】
以上のように、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0102】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至3において適用することのできる光照射方法の他の例を図6に示す。従って、他は実施の形態1乃至3と同様に行うことができ、実施の形態1乃至3と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0103】
図6(A)乃至(C)に液晶層に選択的に光照射処理を行う例を示す。
【0104】
図6(A)で示すように、光照射処理は、照射手段を複数設けて、液晶層の片面のみでなく、両面(第1の基板側からも第2の基板側から)から液晶層に照射してもよい。液晶層110は、第2の基板101側から照射される光104aと、第1の基板100側から照射される光104bによって光照射処理される。図6(A)は光104a及び光104bは液晶層110において同領域を照射する例を示すが、異なる領域を照射してもよく、それぞれマスクを用いてもよい。
【0105】
また、異なるエネルギーを与える複数の光を用い、複数の光のうち液晶層に与えるエネルギーが小さい光から先に液晶層に照射してもよい。図6(B)において、光104cと光104dとは与えるエネルギーが異なる光であり、光104dの方が光104cよりもエネルギーが小さい。光104dによって照射された領域112に対して光104cを照射し、高重合領域106を形成する。重合させる光硬化樹脂を複数種用いる場合、このように照射する光のエネルギーやタイミングを制御すると重合の速度も制御することができ、より均一に安定化処理を行うことが可能となる。
【0106】
光照射処理は液晶層表面に対して斜めに照射してもよい。図6(C)において、液晶層110に照射される光104eは、液晶層110表面に対して斜めに入射しているため、照射領域に与えるエネルギーに差を有している。よって図6(B)と同様に光硬化樹脂の重合の速度を制御することができる。
【0107】
以上のように、光照射条件(照射のタイミング、光のエネルギー、照射時間)などを制御することで、より均一に液晶層に高分子安定化を行うことができる。
【0108】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0109】
従って、安定したブルー相を示す液晶層を有する信頼性の高い液晶表示装置を作製することができる。また、作製時の歩留まりも向上する。
【0110】
(実施の形態5)
本明細書に開示する発明は、パッシブマトリクス型の液晶表示装置でもアクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用することができる。
【0111】
薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。また、薄膜トランジスタを駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
【0112】
液晶表示装置は表示素子として液晶素子(液晶表示素子ともいう)を含む。
【0113】
また、液晶表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、該液晶表示装置を作製する過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素子基板は、電流を表示素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、具体的には、表示素子の画素電極のみが形成された状態であっても良いし、画素電極となる導電膜を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であっても良いし、あらゆる形態があてはまる。
【0114】
なお、本明細書中における液晶表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て液晶表示装置に含むものとする。
【0115】
液晶表示装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図7を用いて説明する。図7(A1)(A2)は、第1の基板4001上に形成された薄膜トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、パネルの上面図であり、図7(B)は、図7(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0116】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶層4007と共に封止されている。
【0117】
また、図7(A1)は第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。なお、図7(A2)は信号線駆動回路の一部を第1の基板4001上に設けられた薄膜トランジスタで形成する例であり、第1の基板4001上に信号線駆動回路4003bが形成され、かつ別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003aが実装されている。
【0118】
液晶層4007において、画素部4002は高分子安定化処理として光照射処理を行った光硬化樹脂の高重合領域4008であり、走査線駆動回路4004、信号線駆動回路4003bは低重合領域4009である。シール材4005に接する表示に寄与しない駆動回路上に形成される領域を低重合領域4009とするので、シール材近傍における光硬化樹脂の重合度の極端な変化を軽減でき、高重合領域4008において安定なブルー相を形成することができる。
【0119】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図7(A1)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図7(A2)は、TAB方法により信号線駆動回路4003aを実装する例である。
【0120】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、薄膜トランジスタを複数有しており、図7(B)では、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011とを例示している。薄膜トランジスタ4010、4011上には絶縁層4020、層間膜4021が設けられている。
【0121】
薄膜トランジスタ4010、4011は、特に限定されず様々な薄膜トランジスタを適用することができる。本実施の形態では、薄膜トランジスタ4010、4011はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0122】
また、第1の基板4001上に画素電極層4030が設けられ、画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。液晶素子4013は、画素電極層4030、共通電極層4031、及び液晶層4007を含む。なお、第1の基板4001、第2の基板4006の外側にはそれぞれ偏光板4032、4033が設けられている。共通電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、画素電極層4030と共通電極層4031とは液晶層4007を介して積層する構成となっている。
【0123】
ブルー相を示す液晶層を有する液晶表示装置において、基板に概略平行(すなわち水平な方向)な電界を生じさせて、基板と平行な面内で液晶分子を動かして、階調を制御する方式を用いることができる。このような方式として、本実施の形態では、図7に示すようなIPSモードで用いる電極構成を適用する例である。
【0124】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性を有するガラス、プラスチックなどを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
【0125】
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、液晶層4007の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。なお、液晶層4007を用いる液晶表示装置は、液晶層4007の膜厚(セルギャップ)を4μm以上20μm程度とすることが好ましい。
【0126】
なお図7は透過型液晶表示装置の例であるが、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0127】
また、図7の液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設ける例を示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。偏光板の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、ブラックマトリクスとして機能する遮光層を設けてもよい。
【0128】
層間膜4021は、有彩色の透光性樹脂層であり、カラーフィルタ層として機能する。また、層間膜4021の一部を遮光層としてもよい。図7においては、薄膜トランジスタ4010、4011上方を覆うように遮光層4034が第2の基板4006側に設けられている。遮光層4034は、高分子安定化処理である光照射処理において、低重合領域4009のマスクとして機能する他、さらに液晶表示装置のコントラスト向上や薄膜トランジスタの安定化の効果を高めることができる。
【0129】
薄膜トランジスタの保護膜として機能する絶縁層4020で覆う構成としてもよいが、特に限定されない。
【0130】
なお、保護膜は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜が好ましい。保護膜は、スパッタ法を用いて、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は積層で形成すればよい。
【0131】
また、保護膜を形成した後に、半導体層のアニール(300℃〜400℃)を行ってもよい。
【0132】
また、平坦化絶縁膜として透光性の絶縁層をさらに形成する場合、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層を形成してもよい。
【0133】
積層する絶縁層の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。絶縁層を材料液を用いて形成する場合、ベークする工程で同時に、半導体層のアニール(200℃〜400℃)を行ってもよい。絶縁層の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく液晶表示装置を作製することが可能となる。
【0134】
画素電極層4030、共通電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0135】
また、画素電極層4030、共通電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
【0136】
また、画素電極層4030、共通電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。
【0137】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0138】
また、薄膜トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、ゲート線またはソース線に対して、駆動回路保護用の保護回路を同一基板上に設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0139】
図7では、接続端子電極4015が、画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010、4011のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0140】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0141】
また図7においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0142】
図8は、本明細書に開示する液晶表示装置として液晶表示モジュールを構成する一例を示している。
【0143】
図8は液晶表示モジュールの一例であり、素子基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間にTFT等を含む素子層2603、液晶層を含む表示素子2604、カラーフィルタとして機能する着色層2605、偏光板2606が設けられ表示領域に形成している有彩色の透光性樹脂層である着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。素子基板2600と対向基板2601の外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609により素子基板2600の配線回路部2608と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また、光源として、白色のダイオードを用いてもよい。また偏光板と、液晶層との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
【0144】
以上の工程により、液晶表示装置として信頼性の高い液晶表示パネルを作製することができる。
【0145】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0146】
(実施の形態6)
本明細書で開示する液晶表示装置が有する薄膜トランジスタの半導体層に用いられる半導体材料は特に限定されない。薄膜トランジスタの半導体層に用いることのできる材料の例を説明する。
【0147】
半導体素子が有する半導体層を形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法で作製される非晶質(アモルファス、以下「AS」ともいう。)半導体、該非晶質半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或いは微結晶(セミアモルファス若しくはマイクロクリスタルとも呼ばれる。以下「SAS」ともいう。)半導体などを用いることができる。半導体層はスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により成膜することができる。
【0148】
微結晶半導体膜は、ギブスの自由エネルギーを考慮すれば非晶質と単結晶の中間的な準安定状態に属するものである。すなわち、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する。柱状または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体膜が得られる。
【0149】
この微結晶半導体膜は、周波数が数十MHz〜数百MHzの高周波プラズマCVD法、または周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD装置により形成することができる。代表的には、SiH4、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などの水素化珪素を水素で希釈して形成することができる。また、水素化珪素及び水素に加え、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈して微結晶半導体膜を形成することができる。これらのときの水素化珪素に対して水素の流量比を5倍以上200倍以下、好ましくは50倍以上150倍以下、更に好ましくは100倍とする。
【0150】
アモルファス半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン、結晶性半導体としては代表的にはポリシリコンなどがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを用いて、非晶質シリコンを結晶化させたポリシリコンなどを含んでいる。もちろん、前述したように、微結晶半導体又は半導体層の一部に結晶相を含む半導体を用いることもできる。
【0151】
また、半導体の材料としてはシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの単体のほかGaAs、InP、SiC、ZnSe、GaN、SiGeなどのような化合物半導体も用いることができる。
【0152】
半導体層に、結晶性半導体膜を用いる場合、その結晶性半導体膜の作製方法は、種々の方法(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等)を用いれば良い。また、SASである微結晶半導体をレーザ照射して結晶化し、結晶性を高めることもできる。結晶化を助長する元素を導入しない場合は、非晶質珪素膜にレーザ光を照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非晶質珪素膜の含有水素濃度を1×1020atoms/cm3以下にまで放出させる。これは水素を多く含んだ非晶質珪素膜にレーザ光を照射すると非晶質珪素膜が破壊されてしまうからである。
【0153】
非晶質半導体層への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質半導体膜の表面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタ法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体膜の表面の濡れ性を改善し、非晶質半導体膜の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を成膜することが望ましい。
【0154】
また、非晶質半導体膜を結晶化し、結晶性半導体膜を形成する結晶化工程で、非晶質半導体膜に結晶化を促進する元素(触媒元素、金属元素とも示す)を添加し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)により結晶化を行ってもよい。結晶化を助長(促進)する元素としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)及び金(Au)から選ばれた一種又は複数種類を用いることができる。
【0155】
結晶化を助長する元素を結晶性半導体膜から除去、又は軽減するため、結晶性半導体膜に接して、不純物元素を含む半導体膜を形成し、ゲッタリングシンクとして機能させる。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素、p型を付与する不純物元素や希ガス元素などを用いることができ、例えばリン(P)、窒素(N)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ボロン(B)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)から選ばれた一種または複数種を用いることができる。結晶化を促進する元素を含む結晶性半導体膜に、希ガス元素を含む半導体膜を形成し、熱処理(550℃〜750℃で3分〜24時間)を行う。結晶性半導体膜中に含まれる結晶化を促進する元素は、希ガス元素を含む半導体膜中に移動し、結晶性半導体膜中の結晶化を促進する元素は除去、又は軽減される。その後、ゲッタリングシンクとなった希ガス元素を含む半導体膜を除去する。
【0156】
非晶質半導体膜の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。
【0157】
また、結晶性半導体膜を、直接基板にプラズマ法により形成しても良い。また、プラズマ法を用いて、結晶性半導体膜を選択的に基板に形成してもよい。
【0158】
また半導体層に、酸化物半導体を用いてもよい。例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)なども用いることができる。ZnOを半導体層に用いる場合、ゲート絶縁層をY2O3、Al2O3、TiO2、それらの積層などを用い、ゲート電極層、ソース電極層、ドレイン電極層としては、ITO、Au、Tiなどを用いることができる。また、ZnOにInやGaなどを添加することもできる。
【0159】
酸化物半導体としてInMO3(ZnO)m(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。なお、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNi又はGaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、又は該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。例えば、酸化物半導体層としてIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜を用いることができる。
【0160】
酸化物半導体層(InMO3(ZnO)m(m>0)膜)としてIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜のかわりに、Mを他の金属元素とするInMO3(ZnO)m(m>0)膜を用いてもよい。
【0161】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0162】
(実施の形態7)
本明細書に開示する液晶表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0163】
図9(A)は、テレビジョン装置9600の一例を示している。テレビジョン装置9600は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0164】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0165】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0166】
図9(B)は、デジタルフォトフレーム9700の一例を示している。例えば、デジタルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0167】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0168】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0169】
図10(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成されており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図10(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部9886、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書に開示する液晶表示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図10(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図10(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0170】
図10(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900の一例を示している。スロットマシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書に開示する液晶表示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0171】
図11(A)は携帯型のコンピュータの一例を示す斜視図である。
【0172】
図11(A)の携帯型のコンピュータは、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態として表示部9303を有する上部筐体9301と、キーボード9304を有する下部筐体9302とを重ねた状態とすることができ、持ち運ぶことが便利であるとともに、使用者がキーボード入力する場合には、ヒンジユニットを開状態として、表示部9303を見て入力操作を行うことができる。
【0173】
また、下部筐体9302はキーボード9304の他に入力操作を行うポインティングデバイス9306を有する。また、表示部9303をタッチ入力パネルとすれば、表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。また、下部筐体9302はCPUやハードディスク等の演算機能部を有している。また、下部筐体9302は他の機器、例えばUSBの通信規格に準拠した通信ケーブルが差し込まれる外部接続ポート9305を有している。
【0174】
上部筐体9301には更に上部筐体9301内部にスライドさせて収納可能な表示部9307を有しており、広い表示画面を実現することができる。また、収納可能な表示部9307の画面の向きを使用者は調節できる。また、収納可能な表示部9307をタッチ入力パネルとすれば、収納可能な表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。
【0175】
表示部9303または収納可能な表示部9307は、液晶表示パネルなどの映像表示装置を用いる。
【0176】
また、図11(A)の携帯型のコンピュータは、受信機などを備えた構成として、テレビ放送を受信して映像を表示部または表示部に表示することができる。また、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態としたまま、表示部9307をスライドさせて画面全面を露出させ、画面角度を調節して使用者がテレビ放送を見ることもできる。この場合には、ヒンジユニットを開状態として表示部9303を表示させず、さらにテレビ放送を表示するだけの回路の起動のみを行うため、最小限の消費電力とすることができ、バッテリー容量の限られている携帯型のコンピュータにおいて有用である。
【0177】
また、図11(B)は、腕時計のように使用者の腕に装着可能な形態を有している携帯電話の一例を示す斜視図である。
【0178】
この携帯電話は、少なくとも電話機能を有する通信装置及びバッテリーを有する本体、本体を腕に装着するためのバンド部、腕に対するバンド部の固定状態を調節する調節部9205、表示部9201、スピーカ9207、及びマイク9208から構成されている。
【0179】
また、本体は、操作スイッチ9203を有し、電源入力スイッチや、表示切り替えスイッチや、撮像開始指示スイッチの他、例えばスイッチを押すとインタネット用のプログラムが起動されるなど、操作スイッチによって各ファンクションを対応づけることができる。
【0180】
この携帯電話の入力操作は、表示部9201に指や入力ペンなどで触れること、又は操作スイッチ9203の操作、またはマイク9208への音声入力により行われる。なお、図11(B)では、表示部9201に表示された表示ボタン9202を図示しており、指などで触れることにより入力を行うことができる。
【0181】
また、本体は、撮影レンズを通して結像される被写体像を電子画像信号に変換する撮像手段を有するカメラ部9206を有する。なお、特にカメラ部は設けなくともよい。
【0182】
また、図11(B)に示す携帯電話は、テレビ放送の受信機などを備えた構成として、テレビ放送を受信して映像を表示部9201に表示することができ、さらにメモリーなどの記憶装置などを備えた構成として、テレビ放送をメモリーに録画できる。また、図11(B)に示す携帯電話は、GPSなどの位置情報を収集できる機能を有していてもよい。
【0183】
表示部9201は、液晶表示パネルなどの映像表示装置を用いる。図11(B)に示す携帯電話は、小型、且つ、軽量であるため、バッテリー容量の限られており、表示部9201に用いる表示装置は低消費電力で駆動できるパネルを用いることが好ましい。
【0184】
なお、図11(B)では”腕”に装着するタイプの電子機器を図示したが、特に限定されず、携行できる形状を有しているものであればよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、
前記液晶層は第1の領域及び第2の領域を含み、
前記第1の領域は前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高いことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、
前記液晶層は第1の領域及び前記シール材と接する第2の領域を含み、
前記第1の領域は前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高いことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記第1の領域は画素領域であり、前記第2の領域は駆動回路領域であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記液晶層は、カイラル剤を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、前記液晶層は、光重合開始剤を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、
前記液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、
前記液晶層において前記第1の領域は、前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高く、
前記光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行うことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項7】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、
前記液晶層を加熱しながら前記液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、
前記液晶層において前記第1の領域は、前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高く、
前記光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行うことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7において、前記光照射処理時に前記第2の領域は一部マスクで覆うことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記光照射処理は前記液晶層表面に対して斜めに照射することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記光照射処理は、異なるエネルギーを与える複数の光を用い、前記複数の光のうち液晶層に与えるエネルギーが小さい光から先に液晶層に照射することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項11】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記光照射処理は、前記第1の基板側からも前記第2の基板側からも液晶層に光照射することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項12】
請求項6乃至11のいずれか一項において、前記光照射処理に用いる光は液晶層の照射領域において線状に加工することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項1】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、
前記液晶層は第1の領域及び第2の領域を含み、
前記第1の領域は前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高いことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって固着される第1の基板及び第2の基板と、
前記液晶層は第1の領域及び前記シール材と接する第2の領域を含み、
前記第1の領域は前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高いことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記第1の領域は画素領域であり、前記第2の領域は駆動回路領域であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記液晶層は、カイラル剤を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、前記液晶層は、光重合開始剤を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、
前記液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、
前記液晶層において前記第1の領域は、前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高く、
前記光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行うことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項7】
光硬化樹脂及びブルー相を示す液晶材料を含む液晶層を挟持してシール材によって第1の基板及び第2の基板を固着し、
前記液晶層を加熱しながら前記液晶層に選択的に光照射処理を行い第1の領域及び第2の領域を形成し、
前記液晶層において前記第1の領域は、前記第2の領域より前記光硬化樹脂の重合度が高く、
前記光照射処理は液晶層に対して一定の方向で光を走査しながら行うことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7において、前記光照射処理時に前記第2の領域は一部マスクで覆うことを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記光照射処理は前記液晶層表面に対して斜めに照射することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記光照射処理は、異なるエネルギーを与える複数の光を用い、前記複数の光のうち液晶層に与えるエネルギーが小さい光から先に液晶層に照射することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項11】
請求項6乃至8のいずれか一項において、前記光照射処理は、前記第1の基板側からも前記第2の基板側からも液晶層に光照射することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【請求項12】
請求項6乃至11のいずれか一項において、前記光照射処理に用いる光は液晶層の照射領域において線状に加工することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−250306(P2010−250306A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69384(P2010−69384)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】
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