液晶表示装置
【課題】織布または不織布の繊維状物質の向きと偏光板の透過軸の方向との関係に関わらず、光漏れの無い、良好なコントラストを持つ液晶表示装置を提供する。
【解決手段】繊維状物質112,115の織布または不織布を芯材とする透明樹脂113,116からなる複合樹脂の基板111,114と液晶層131の間に偏光板121,123を配置する。繊維状物質112,115には、織布又は不織布を用いる。
【解決手段】繊維状物質112,115の織布または不織布を芯材とする透明樹脂113,116からなる複合樹脂の基板111,114と液晶層131の間に偏光板121,123を配置する。繊維状物質112,115には、織布又は不織布を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に複合樹脂を基板として用いて高品質の画像表示を実現する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄くて割れにくく、曲げられる液晶ディスプレイを実現させるために、基板の素材をガラスからプラスチック類に置き換える検討が進められている。その中でも、熱膨張係数を抑えることを目的に織布状のガラス繊維の周囲をプラスチックで成形した複合樹脂基板が有望視されている。この場合、光学異方性の小さいプラスチックを用いても、ガラス繊維とプラスチックの熱膨張係数の差から基板成形時の残留応力が局所的に掛かる。これが微視的な光学異方性を生じさせ、偏光制御を動作原理とする液晶ディスプレイの表示品質を低下させる原因となる。
【0003】
特許文献1は、繊維状物質としてのガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂部材を液晶表示装置の基板として用いる際に、偏光板とガラス繊維の方向、ラビングの方向とガラス繊維の方向を規定することを開示する。すなわち、特許文献1では、織布の縦糸または横糸にあたるガラス繊維のいずれかの方向と偏光板の透過軸の方向を略平行もしくは略直交としている。また、織布の縦糸または横糸にあたるガラス繊維のいずれかの方向と液晶分子を配向させるためのラビングの方向を略平行もしくは略直交としている。
【0004】
一般に、ガラス繊維等の繊維状物質(代表的には、ガラス繊維)を芯材にした複合樹脂では、成形の際の残留応力のためにガラス繊維の向きに沿って局所的な光学異方性が生じやすく、液晶表示装置の基板として用いると光漏れの原因となる。特許文献1では、ガラス繊維の方向と、偏光板の向きやラビングの方向を規定することで光漏れを抑えることができるとしている。
【特許文献1】特開2004−280071号公報
【特許文献2】WO2003/064530号公報
【特許文献3】WO2003/064535号公報
【特許文献4】特開2006−264196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶表示装置においては、一般に、液晶層の両面に配置する偏光板の透過軸の方向を、観察者から見てプラス45°、マイナス45°(偏光板同士は直交状態)となるように配置する。これは視野角によるコントラスト比の変化を観察者から見て左右方向に均等化させるためである。しかし、ガラス繊維を織り込んで長い織布を作るには、織機の機構上、織布の長手方向が縦糸にあたるガラス繊維の向きとなる。したがって、一般にガラス繊維の向きは織布の外形長手方向に対して略平行(縦糸)または略直交(横糸)となる。
【0006】
偏光板の透過軸を観察者から見て45°に傾けるため、ガラス繊維を織布の芯材にした複合樹脂も、縦糸または横糸にあたるガラス繊維が45°に傾いた状態で基板として切り出す必要がある。このため、材料の利用効率が非常に悪いという問題があった(図11で後述)。
【0007】
また、特許文献1では縦糸、横糸にあたるガラス繊維が規則的に交錯している織布の代わりに、方向が必ずしも規則的ではないガラス繊維の不織布を芯材とした複合樹脂も用いることが出来るとしている。しかし、偏光板の透過軸に対して非平行もしくは非垂直なガラス繊維が含まれているために、その方向の光学異方性による光漏れを防ぐことができず、コントラスト低下の原因となる。
【0008】
上記したように、薄くて割れにくく、曲げられる液晶表示装置を実現させるために、基板の素材をガラスから樹脂に置き換える検討が進められている。その中でも、熱膨張係数を抑えることを目的に織布状のガラス繊維の周囲を透明樹脂で成形した複合樹脂基板が有望視されている。ただし、この場合、どんなに光学異方性の小さい透明樹脂を用いても、ガラス繊維と樹脂の熱膨張係数の差から基板成形時の残留応力が局所的に掛かり、これが微視的な光学異方性を生じさせ、偏光制御を動作原理とする液晶表示装置の表示品質を低下させる原因となっていた。このことを、従来のガラス基板を用いた液晶表示装置の構成との比較で説明する。
【0009】
図7は、従来のガラス基板を用いた液晶表示装置の概略構成と光の状態の説明図である。ガラス基板711、712の間に液晶層131が封入され、ガラス基板711、712の液晶層131と面する側の反対側に、それぞれ偏光板121、123が配置されている。観察者から見て、偏光板121の透過軸122と偏光板123の透過軸124はそれぞれ約45度に傾けられ、透過軸122と透過軸124は互いに直交するように設定されている。透過軸122と透過軸124が観察者から見て45度に傾けられている理由は主に視野角によるコントラスト比の変化を観察者の左右方向に均等化させるためである。
【0010】
ランダムな偏光を持つ光741が偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光742となる。ガラスは等方性物質なので、ガラス基板711に入射した光742は偏光状態を保ったまま光743として液晶層131に入射する。ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光743はやはり偏光状態をほぼ保ったまま光744としてガラス基板712に入射する。等方性物質のガラス基板712に入射した光744は偏光状態を保ったまま光745として偏光板123に入射する。偏光板123の透過軸124の方向と光745の偏光方向は略直交状態であるので、偏光板123に入射した光745はほとんど透過できず、光746の強度は偏光板121と偏光板123の消光比程度となる。これにより人間の目では見えないレベルとなる。このような手段により液晶表示装置の暗表示が行われる。
【0011】
図8は、図7のガラス基板711と712を複合樹脂基板111と114に置き換えた従来における構成例である。図8において既出の番号は同作用を持つ。複合樹脂基板111と114はそれぞれガラス繊維112、115と透明樹脂113、116を少なくとも含んでいる。ランダムな偏光を持つ光841が偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光842となる。複合樹脂基板111は非等方性物質なので、複合樹脂基板111に入射した光842は元の直線偏光と一般に楕円偏光を含んだ光843として液晶層131に入射する。
【0012】
ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光843はその偏光状態をほぼ保ったまま光844として複合樹脂基板114に入射する。非等方性物質の複合樹脂基板114に入射した光844は元の直線偏光と楕円偏光を含んだ光845として偏光板123に入射する。偏光板123の透過軸124と略直交する偏光成分は透過できないが、光845が含む楕円偏光には透過軸124と平行な成分を含むために、暗表示にもかかわらず透過軸124と平行な成分が光846として出射する。このため、暗表示と明表示の比であるコントラストの低下が生じてしまう。
【0013】
図9は、複合樹脂基板111、114を部分的に拡大した説明図である。図9により、複合樹脂基板111、114に入射する直線偏光がどのようにして元の直線偏光と一般に楕円偏光を含んだ状態に変わるかを図9と図10を用いて説明する。ガラス繊維411と412はそれぞれ複数のガラス繊維が集まった束であり、ガラス繊維411と412はそれぞれ織布の縦糸と横糸を成している。図4では縦糸をX方向、横糸をY方向としている。また、ガラス繊維411と412の隙間には透明樹脂413を含浸させてある。なお、図9に示す複合樹脂基板の構成ならびに作製方法は特許文献2,3,4に記してある。
【0014】
図9において、透明樹脂413に光学異方性の小さい材料を使用しても、複合樹脂基板を成型する際に透明樹脂413とガラス繊維411、412の熱膨張係数の差によって透明樹脂413はガラス繊維411や412と接する界面で引張り応力を受ける。このため、ガラス繊維411と412に沿って光学異方性が発生する。そのため、図9中のA、B、C、Dの各点で光が受ける作用が異なる。
【0015】
図10は、複合樹脂基板にX軸と45°の角度を成す直線偏光が入射した場合の図9中のA、B、C、Dの各点を透過する光の偏光状態の一例を説明する図である。図9中のA点においてはガラス繊維411、412による応力の影響が小さいので光学異方性の発現はほとんど無く、図10(a)に示すように、透過した光511は元の直線偏光とほぼ同じ状態を保っている。
【0016】
図9中のB点では、透明樹脂413がガラス繊維411との熱膨張係数の差によって生じた成型時の残留応力のために、光学異方性が生じている。このため透過した直線偏光は位相差によって図10(b)に示すように一般に光512は楕円偏光となる。なお、図10(b)では一例として光512を左回りの楕円偏光で示してあるが、透明樹脂413の材料選択によって異なる。
【0017】
図9中のC点では、透明樹脂413がガラス繊維412との熱膨張係数の差によって生じた成型時の残留応力のために、やはり光学異方性が生じている。このため入射した直線偏光は位相差によって図10(c)に示すように光513は楕円偏光となる。このとき、透明樹脂413がガラス繊維411と412で応力を受ける方向が異なるために、図9中のB点とC点では直線偏光が受ける位相差の影響が異なる。そのため、一般には光513は光512とは逆回りの楕円偏光となる。
【0018】
図9中のD点は、ガラス繊維411と412が交差している点であり、透明樹脂413はガラス繊維411と412の両方による残留応力の影響を受けている。このため、図9中のD点に入射した直線偏光は光512と光513を合成したような影響を受ける。すなわち、左回りと右回りの楕円偏光が互いに打ち消しあって元の直線円光に比較的近い偏光状態を持つ光514となる。ただし、完全に打ち消しあう場合は少なく、光514はわずかながらでも楕円偏光になっているのが一般的である。
【0019】
このように複合樹脂基板111、114に入射する直線偏光は、基板を透過する場所によりガラス繊維411、412と透明樹脂413によって生じる光学異方性によって直線偏光ならびに楕円偏光を含んだ光となる。そのため図8の従来構成例で説明したように、暗表示状態でも一部の光が透過する光漏れ現象が生じるためにコントラストが低下する。
【0020】
上記の問題点を回避するために、特許文献1に記載されたように、ガラス繊維の方向と偏光板の透過軸の方向を略平行または略直交状態にする。これにより、光漏れ現象を抑えることが出来るとしている。ただし、この場合でも次のような問題が生じる。
【0021】
液晶層を介して配置する2枚の偏光板の透過軸は観察者から見て各々45度に傾けられ、2枚の偏光板の透過軸同士は互いに直交するように配置される。これは左右の視野角におけるコントラスト比の変化を均等化させるためである。このために、ガラス繊維の方向も観察者から見て45度となるようにする必要がある。
【0022】
図11は、従来例におけるガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から基板を切り出す際の様子を説明する図である。生産の観点から織布は長く作った方が効率は良い。図11において、X軸方向を織布の長手方向に取ると、X軸方向がガラス繊維の縦糸の方向に、Y軸方向がガラス繊維の横糸の方向となる。このようなガラス繊維の織布を芯材とする複合樹脂材611からガラス繊維が斜め45°となるように複合樹脂基板921を切り出すと、元の複合樹脂材611に利用できない部分が多くなり、材料の利用効率が非常に悪い。
【0023】
また、特許文献1によれば、縦糸や横糸にあたるガラス繊維が規則的に交錯している織布の代わりに、方向が必ずしも規則的ではないガラス繊維の不織布を芯材とした複合樹脂も用いる事が出来るとしているが、偏光板の透過軸に対して非平行もしくは非垂直なガラス繊維が含まれているために、その方向の光学異方性による光漏れを防ぐことができず、コントラスト低下の原因となっていた。
【0024】
本発明の目的は、織布または不織布の繊維状物質の向きと偏光板の透過軸の方向との関係に関わらず、光漏れの無い、良好なコントラストを持つ液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するため、本発明は、繊維状物質の織布または不織布を芯材とする複合樹脂基板と液晶層の間に偏光板を配置する。より具体的に、本発明は、基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有し、前記基板を光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂で構成し、前記偏光板を前記液晶層と前記基板との間に配置することを特徴とする。前記繊維状物質には、織布又は不織布を用いる。
【発明の効果】
【0026】
従来技術では、液晶層を複合樹脂基板で挟み、さらにその外側に偏光板を配置している。特許文献1に開示の構造では、偏光板によって直線偏光となった光が複合樹脂を透過する際、基板の微小な光学異方性のために偏光の状態が乱されることがあり、光漏れやコントラスト低下の原因となっていた。
【0027】
上記光学異方性の影響を最小限とするため、従来は複合樹脂基板の芯材である繊維状物質の向きと偏光板の透過軸の向きを規定する必要があった(特許文献1)。しかし、複合樹脂基板と液晶層の間に偏光板を配置することで、複合樹脂基板が持つ光学異方性の影響を受けることが無くなる。すなわち、複合樹脂基板を透過した光は液晶層に入射する直前に偏光板によって直線偏光となるので、複合樹脂の光学異方性の影響を受けることが無い。
【0028】
また、明表示部分において液晶層を通過した光は、もう一方の偏光板の透過軸と平行な成分の光が直線偏光となり、もう一方の複合樹脂基板に入射する。このとき、基板の光学異方性によって直線偏光だった光の偏光成分が乱されることもあるが、観察者である人間の目は光強度のみ感じることができる(すなわち偏光状態には依存しない)ので問題ない。このことは透過型のみならず、反射型や半透過型の液晶表示装置にも適用できる。
【0029】
本発明では、ガラス繊維の方向と、偏光板の透過軸の方向を規定する必要が無いので、従来のようにガラス繊維の織布を芯材にした複合樹脂から、縦糸または横糸にあたるガラス繊維が45°に傾いた状態で基板として切り出す必要がない。これにより材料の利用効率を高めることができ,製品コストを抑えることが出来る。さらに、複合樹脂の芯材に、ガラス繊維の織布の代わりに低コストの不織布を用いても光漏れが無いので、コントラストの良い低コストの製品を提供できる。なお、本発明は、液晶表示装置に限らず、他の同様な光学機器にも同様に適用できる
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の最良の実施形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、本発明による液晶表示装置の実施例1を説明する概略構成と光の状態を表した図である。また、図2は、ガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から本発明の基板を切り出す際の様子を説明する図である。第1偏光板121と第2偏光板123の間に液晶層131が封入され、第1偏光板121、第2偏光板123の液晶層131と面する側の反対側に、それぞれ第1の基板111、第2の基板114が配置されている。両基板は、共に複合樹脂基板である。観察者から見て、第1偏光板121の透過軸122と第2偏光板123の透過軸124は、紙面の水平方向である横方向(又は垂直方向である縦方向)からそれぞれ約45度だけ反対方向に傾けられ、透過軸122と透過軸124は互いに直交するように設定されている。また、第1の基板111、第2の基板114はそれぞれガラス繊維112、115と透明樹脂113、116から構成される。
【0032】
この構成において、紙面の下側からランダムな偏光を持つ光141が第1の基板111に入射すると、第1の基板111のガラス繊維112と透明樹脂113の界面における光学異方性により直線偏光や楕円偏光を含んだ光142が出射する。しかし、光142が第1偏光板121に入射すると、その透過軸122と略平行な直線偏光143となって液晶層131に入射する。
【0033】
ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光143は偏光状態をほぼ保ったまま光144として第2偏光板123に入射する。第2偏光板123の透過軸124の方向と光144の偏光方向は略直交状態であるので、第2偏光板123に入射した光144はほとんど透過できず、光145の強度は第1偏光板121と第2偏光板123の消光比程度となる。これにより光146は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0034】
図1で説明した本発明による液晶表示装置の実施例1の構成おいて、第1偏光板121、第2偏光板123の透過軸122と124の方向と、第1の基板111、第2の基板114に含まれるガラス繊維112、115の方向を規定する必要が無く、透過軸122あるいは透過軸124とガラス繊維112および115の方向は自由に設定できる。したがって、ガラス繊維112、115の方向を観察者から見て水平方向あるいは垂直方向にすることができる。これにより、図2に示すように、X軸方向がガラス繊維の縦糸の方向、Y軸方向がガラス繊維の横糸の方向を持つガラス繊維の織布を芯材とする複合樹脂材611から複合樹脂基板621を切り出す際に、X軸とY軸の方向に辺を持つ長方形として切り出すことが可能なために材料の利用効率が高めることができ、液晶表示装置の製造コストを下げることができる。
【実施例2】
【0035】
図3は、本発明による液晶表示装置の実施例2の概略構成と光の状態を説明する図である。図3において、基板114は光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなり、液晶層131は基板114と反射板221の間に配置されている。液晶層131と基板114の間で、液晶層131側に配置される4分の1波長板211と、基板114側に配置される偏光板123を有する。
【0036】
すなわち、実施例2では、4分の1波長板211と反射板221の間に液晶層131が封入され、偏光板123は4分の1波長板211が液晶層131と面する側の反対側に配置されている。また、複合樹脂基板114は偏光板123が4分の1波長板211と面する側の反対側に配置されている。
【0037】
図3の右側に入射光を、左側に出射光(反射光)を示す。ランダムな偏光を持つ光241が基板114に入射すると、ガラス繊維115と透明樹脂116の界面における光学異方性により直線偏光や楕円偏光を含んだ光242となる。しかし、光242が偏光板123に入射すると、透過軸124と略平行な直線偏光243となって4分の1波長板211に入射する。4分の1波長板211によって直線偏光だった光243は円偏光である光244に変わり、液晶層131に入射する。ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光244は円偏光をほぼ保ったまま光245として反射板221において反射する。
【0038】
反射した光246は再び液晶層131に入射し、やはり偏光状態をほぼ保ったまま光247として4分の1波長板211に入射する。ここで円偏光だった光247は直線偏光である光248に変換される。ただし、光248の直線偏光と光243の直線偏光は略直交状態となる。偏光板123の透過軸124の方向と光248の偏光方向は略直交状態であるので、偏光板123に入射した光248はほとんど透過できず、光249の強度は消光比程度となる。これにより光250は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0039】
図3で説明した本発明の実施例2の液晶表示装置の構成おいて、偏光板123の透過軸124の方向と複合樹脂基板114に含まれるガラス繊維115の方向を規定する必要が無く、透過軸124とガラス繊維115の方向は自由に設定できる。したがって、ガラス繊維115の方向を観察者から見て水平方向あるいは垂直方向にする事ができる。これにより材料の利用効率が高めることができ、液晶表示装置の製造コストを下げることができる。
【実施例3】
【0040】
図4は、本発明による液晶表示装置の実施例3の概略構成と光の状態を説明する図である。図4において、基板は光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる第1の基板111および第2の基板114とからなる。液晶層131は、第1の基板111と第2の基板114の間に配置されている。偏光板は、第1の基板111と液晶層131の間に配置される第1偏光板121および前記第2の基板114と液晶層131の間に配置される第2偏光板123とで構成さる。液晶層131と第1偏光板121の間に第1位相補償板1001が配置され、液晶層131と第2偏光板123の間に第2位相補償板1002が配置される。
【0041】
位相補償板を用いるのは、液晶表示装置の液晶層や偏光板で発生する位相差を補償して視野角を広げることを目的とする。本実施例では、図4に示すように液晶層131と第1偏光板121、第2偏光板123の間に第1位相補償板1001、第2位相補償板1002を配置する。第1位相補償板1001と第2位相補償板1002は必ずしも両方使う必要は無く、目的に応じて片側のみ配置して良い。
【実施例4】
【0042】
図5は、本発明による液晶表示装置の実施例4の概略構成と光の状態を説明する図である。図5において、この液晶表示装置では、透明ガラス基板1111を有する。基板114は光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる。そして、基板114と透明ガラス基板1111の間に液晶層131を配置し、透明ガラス基板1111の液晶層131とは反対側である背面に第1偏光板121を配置し、基板114と液晶層131との間に第2偏光板123を配置する。
【0043】
この構成において、ランダムな偏光を持つ光1141が第1偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光1142となる。透明ガラス基板1111は等方性物質なので、透明ガラス基板1111に入射した光1142は偏光状態を保ったまま光1143として液晶層131に入射する。ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光1143はやはり偏光状態をほぼ保ったまま光1144として偏光板123に入射する。
【0044】
第2偏光板123の透過軸124の方向と光1144の偏光方向は略直交状態であるので、第2偏光板123に入射した光1144はほとんど透過できず、光1145の強度は第1偏光板121と第2偏光板123の消光比程度となる。これにより光1146は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0045】
液晶層131の電界制御素子に移動度の大きい多結晶シリコンなどを用いる場合、一般に最高プロセス温度が300〜450℃と高いために、ガラス基板の代わりに複合樹脂基板を用いるのは困難である。一方、カラーフィルターは比較的低い温度で作製できるので、安価で割れにくい複合樹脂基板を用いることができる。この場合、図5に示した実施例の構成のように、複合樹脂からなる基板114と液晶層131の間に第2偏光板123を配置することで、良好な表示品質を持つ液晶表示装置を提供することができる。
【実施例5】
【0046】
図6は、本発明による液晶表示装置の実施例5の概略構成と光の状態を説明する図である。図6において、第1基板111と第2基板114は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる。液晶層131は第1の基板111と第2の基板114の間に配置されている。偏光板は、第1の基板111と液晶層131の間に配置される第1偏光板121および第2の基板114と液晶層131の間に配置される第2偏光板123とで構成される。そして、液晶層131と第1偏光板121の間に透明ガラス板1211を配置してある。
【0047】
この構成において、ランダムな偏光を持つ光1241が複合樹脂基板111に入射すると、ガラス繊維112と透明樹脂113の界面における光学異方性により直線偏光や楕円偏光を含んだ光1242となる。光1242が第1偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光1243となる。ガラス基板1211は等方性物質なので、ガラス基板1211に入射した光1243は偏光状態を保ったまま光1244として液晶層131に入射する。
【0048】
ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光1244はやはり偏光状態をほぼ保ったまま光1245として偏光板123に入射する。偏光板123の透過軸124の方向と光1245の偏光方向は略直交状態であるので、偏光板123に入射した光1245はほとんど透過できず、光1246の強度は偏光板121と偏光板123の消光比程度となる。これにより光1247は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0049】
液晶層の電界制御素子に移動度の大きい多結晶シリコンなどを用いる場合、一般に最高プロセス温度が300〜450℃と高いためにガラス基板を用いざるを得ないが、厚いガラス基板は曲げることができない。その場合、一旦、ガラス基板上に電界制御素子を作製した後に、例えばガラス基板を裏面からエッチングを行なって薄くすれば曲げられるようになる。しかし、曲げる際に薄くしたガラス基板が割れやすいため、複合樹脂基板などを裏面から補強すれば割れにくくなる。この場合、図6に示した実施例の構成のように、ガラス基板1211と第1の基板111の間に偏光板121を配置することで、良好な表示品質を持つ液晶表示装置を提供することができる。
【0050】
また、図6に示した本発明の実施例5において、ガラス基板1211を薄くする際にガラス成分を完全に取り払い、例えばガラス基板上1211上に配設した電界制御素子の層のみとしても良い。即ち、電界制御素子を複合樹脂基板に転写させても良い。この場合、ガラス基板上1211上にあらかじめエッチング停止層を設け、その上に電界制御素子を作製した後に裏面のガラス成分をエッチングによって取り除くことで実現できる。
【0051】
上記の各実施例における基板を構成する複合樹脂板の芯材であるガラス繊維112、115の縦糸と横糸の織り方は、平織、斜文織、朱子織のいずれであっても良い。また、縦糸と横糸が必ずしも略直交状態である必要も無い。また、基板の芯材であるガラス繊維112、115は製造コストが安価な不織布を用いることも可能である。なお、言うまでもなく、ガラス繊維に限らず、これを同様の特性を有する材料を用いることができる。
【0052】
また、図1等に示した透過型および図3に示した反射型を組み合わせた半透過型にも本発明を適用することができる。液晶素子のタイプとしては、TN型、STN型、VA型(マルチドメインタイプを含む)、IPS型、OCB型、ECB型などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による液晶表示装置の実施例1を説明する概略構成と光の状態を表した図である。
【図2】ガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から本発明の基板を切り出す際の様子を説明する図である。
【図3】本発明による液晶表示装置の実施例2の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図4】本発明による液晶表示装置の実施例3の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図5】本発明による液晶表示装置の実施例4の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図6】本発明による液晶表示装置の実施例5の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図7】従来のガラス基板を用いた液晶表示装置の概略構成と光の状態の説明図である。
【図8】図7のガラス基板を複合樹脂基板に置き換えた従来の液晶表示素子の構成例を説明する図である。
【図9】複合樹脂基板を部分的に拡大した説明図である。
【図10】複合樹脂基板にX軸と45°の角度を成す直線偏光が入射した場合の図9中のA、B、C、Dの各点を透過する光の偏光状態の一例を説明する図である。
【図11】従来例におけるガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から基板を切り出す際の様子を説明する図である。
【符号の説明】
【0054】
121・・・第1偏光板、123・・・第2偏光板、131・・・液晶層、111・・・第1の基板、114・・・第2の基板、122・・・第1偏光板の透過軸、124・・・第2偏光板の透過軸、112,115・・・繊維状物質(ガラス繊維)、113,116・・・透明樹脂。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に複合樹脂を基板として用いて高品質の画像表示を実現する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄くて割れにくく、曲げられる液晶ディスプレイを実現させるために、基板の素材をガラスからプラスチック類に置き換える検討が進められている。その中でも、熱膨張係数を抑えることを目的に織布状のガラス繊維の周囲をプラスチックで成形した複合樹脂基板が有望視されている。この場合、光学異方性の小さいプラスチックを用いても、ガラス繊維とプラスチックの熱膨張係数の差から基板成形時の残留応力が局所的に掛かる。これが微視的な光学異方性を生じさせ、偏光制御を動作原理とする液晶ディスプレイの表示品質を低下させる原因となる。
【0003】
特許文献1は、繊維状物質としてのガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂部材を液晶表示装置の基板として用いる際に、偏光板とガラス繊維の方向、ラビングの方向とガラス繊維の方向を規定することを開示する。すなわち、特許文献1では、織布の縦糸または横糸にあたるガラス繊維のいずれかの方向と偏光板の透過軸の方向を略平行もしくは略直交としている。また、織布の縦糸または横糸にあたるガラス繊維のいずれかの方向と液晶分子を配向させるためのラビングの方向を略平行もしくは略直交としている。
【0004】
一般に、ガラス繊維等の繊維状物質(代表的には、ガラス繊維)を芯材にした複合樹脂では、成形の際の残留応力のためにガラス繊維の向きに沿って局所的な光学異方性が生じやすく、液晶表示装置の基板として用いると光漏れの原因となる。特許文献1では、ガラス繊維の方向と、偏光板の向きやラビングの方向を規定することで光漏れを抑えることができるとしている。
【特許文献1】特開2004−280071号公報
【特許文献2】WO2003/064530号公報
【特許文献3】WO2003/064535号公報
【特許文献4】特開2006−264196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶表示装置においては、一般に、液晶層の両面に配置する偏光板の透過軸の方向を、観察者から見てプラス45°、マイナス45°(偏光板同士は直交状態)となるように配置する。これは視野角によるコントラスト比の変化を観察者から見て左右方向に均等化させるためである。しかし、ガラス繊維を織り込んで長い織布を作るには、織機の機構上、織布の長手方向が縦糸にあたるガラス繊維の向きとなる。したがって、一般にガラス繊維の向きは織布の外形長手方向に対して略平行(縦糸)または略直交(横糸)となる。
【0006】
偏光板の透過軸を観察者から見て45°に傾けるため、ガラス繊維を織布の芯材にした複合樹脂も、縦糸または横糸にあたるガラス繊維が45°に傾いた状態で基板として切り出す必要がある。このため、材料の利用効率が非常に悪いという問題があった(図11で後述)。
【0007】
また、特許文献1では縦糸、横糸にあたるガラス繊維が規則的に交錯している織布の代わりに、方向が必ずしも規則的ではないガラス繊維の不織布を芯材とした複合樹脂も用いることが出来るとしている。しかし、偏光板の透過軸に対して非平行もしくは非垂直なガラス繊維が含まれているために、その方向の光学異方性による光漏れを防ぐことができず、コントラスト低下の原因となる。
【0008】
上記したように、薄くて割れにくく、曲げられる液晶表示装置を実現させるために、基板の素材をガラスから樹脂に置き換える検討が進められている。その中でも、熱膨張係数を抑えることを目的に織布状のガラス繊維の周囲を透明樹脂で成形した複合樹脂基板が有望視されている。ただし、この場合、どんなに光学異方性の小さい透明樹脂を用いても、ガラス繊維と樹脂の熱膨張係数の差から基板成形時の残留応力が局所的に掛かり、これが微視的な光学異方性を生じさせ、偏光制御を動作原理とする液晶表示装置の表示品質を低下させる原因となっていた。このことを、従来のガラス基板を用いた液晶表示装置の構成との比較で説明する。
【0009】
図7は、従来のガラス基板を用いた液晶表示装置の概略構成と光の状態の説明図である。ガラス基板711、712の間に液晶層131が封入され、ガラス基板711、712の液晶層131と面する側の反対側に、それぞれ偏光板121、123が配置されている。観察者から見て、偏光板121の透過軸122と偏光板123の透過軸124はそれぞれ約45度に傾けられ、透過軸122と透過軸124は互いに直交するように設定されている。透過軸122と透過軸124が観察者から見て45度に傾けられている理由は主に視野角によるコントラスト比の変化を観察者の左右方向に均等化させるためである。
【0010】
ランダムな偏光を持つ光741が偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光742となる。ガラスは等方性物質なので、ガラス基板711に入射した光742は偏光状態を保ったまま光743として液晶層131に入射する。ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光743はやはり偏光状態をほぼ保ったまま光744としてガラス基板712に入射する。等方性物質のガラス基板712に入射した光744は偏光状態を保ったまま光745として偏光板123に入射する。偏光板123の透過軸124の方向と光745の偏光方向は略直交状態であるので、偏光板123に入射した光745はほとんど透過できず、光746の強度は偏光板121と偏光板123の消光比程度となる。これにより人間の目では見えないレベルとなる。このような手段により液晶表示装置の暗表示が行われる。
【0011】
図8は、図7のガラス基板711と712を複合樹脂基板111と114に置き換えた従来における構成例である。図8において既出の番号は同作用を持つ。複合樹脂基板111と114はそれぞれガラス繊維112、115と透明樹脂113、116を少なくとも含んでいる。ランダムな偏光を持つ光841が偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光842となる。複合樹脂基板111は非等方性物質なので、複合樹脂基板111に入射した光842は元の直線偏光と一般に楕円偏光を含んだ光843として液晶層131に入射する。
【0012】
ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光843はその偏光状態をほぼ保ったまま光844として複合樹脂基板114に入射する。非等方性物質の複合樹脂基板114に入射した光844は元の直線偏光と楕円偏光を含んだ光845として偏光板123に入射する。偏光板123の透過軸124と略直交する偏光成分は透過できないが、光845が含む楕円偏光には透過軸124と平行な成分を含むために、暗表示にもかかわらず透過軸124と平行な成分が光846として出射する。このため、暗表示と明表示の比であるコントラストの低下が生じてしまう。
【0013】
図9は、複合樹脂基板111、114を部分的に拡大した説明図である。図9により、複合樹脂基板111、114に入射する直線偏光がどのようにして元の直線偏光と一般に楕円偏光を含んだ状態に変わるかを図9と図10を用いて説明する。ガラス繊維411と412はそれぞれ複数のガラス繊維が集まった束であり、ガラス繊維411と412はそれぞれ織布の縦糸と横糸を成している。図4では縦糸をX方向、横糸をY方向としている。また、ガラス繊維411と412の隙間には透明樹脂413を含浸させてある。なお、図9に示す複合樹脂基板の構成ならびに作製方法は特許文献2,3,4に記してある。
【0014】
図9において、透明樹脂413に光学異方性の小さい材料を使用しても、複合樹脂基板を成型する際に透明樹脂413とガラス繊維411、412の熱膨張係数の差によって透明樹脂413はガラス繊維411や412と接する界面で引張り応力を受ける。このため、ガラス繊維411と412に沿って光学異方性が発生する。そのため、図9中のA、B、C、Dの各点で光が受ける作用が異なる。
【0015】
図10は、複合樹脂基板にX軸と45°の角度を成す直線偏光が入射した場合の図9中のA、B、C、Dの各点を透過する光の偏光状態の一例を説明する図である。図9中のA点においてはガラス繊維411、412による応力の影響が小さいので光学異方性の発現はほとんど無く、図10(a)に示すように、透過した光511は元の直線偏光とほぼ同じ状態を保っている。
【0016】
図9中のB点では、透明樹脂413がガラス繊維411との熱膨張係数の差によって生じた成型時の残留応力のために、光学異方性が生じている。このため透過した直線偏光は位相差によって図10(b)に示すように一般に光512は楕円偏光となる。なお、図10(b)では一例として光512を左回りの楕円偏光で示してあるが、透明樹脂413の材料選択によって異なる。
【0017】
図9中のC点では、透明樹脂413がガラス繊維412との熱膨張係数の差によって生じた成型時の残留応力のために、やはり光学異方性が生じている。このため入射した直線偏光は位相差によって図10(c)に示すように光513は楕円偏光となる。このとき、透明樹脂413がガラス繊維411と412で応力を受ける方向が異なるために、図9中のB点とC点では直線偏光が受ける位相差の影響が異なる。そのため、一般には光513は光512とは逆回りの楕円偏光となる。
【0018】
図9中のD点は、ガラス繊維411と412が交差している点であり、透明樹脂413はガラス繊維411と412の両方による残留応力の影響を受けている。このため、図9中のD点に入射した直線偏光は光512と光513を合成したような影響を受ける。すなわち、左回りと右回りの楕円偏光が互いに打ち消しあって元の直線円光に比較的近い偏光状態を持つ光514となる。ただし、完全に打ち消しあう場合は少なく、光514はわずかながらでも楕円偏光になっているのが一般的である。
【0019】
このように複合樹脂基板111、114に入射する直線偏光は、基板を透過する場所によりガラス繊維411、412と透明樹脂413によって生じる光学異方性によって直線偏光ならびに楕円偏光を含んだ光となる。そのため図8の従来構成例で説明したように、暗表示状態でも一部の光が透過する光漏れ現象が生じるためにコントラストが低下する。
【0020】
上記の問題点を回避するために、特許文献1に記載されたように、ガラス繊維の方向と偏光板の透過軸の方向を略平行または略直交状態にする。これにより、光漏れ現象を抑えることが出来るとしている。ただし、この場合でも次のような問題が生じる。
【0021】
液晶層を介して配置する2枚の偏光板の透過軸は観察者から見て各々45度に傾けられ、2枚の偏光板の透過軸同士は互いに直交するように配置される。これは左右の視野角におけるコントラスト比の変化を均等化させるためである。このために、ガラス繊維の方向も観察者から見て45度となるようにする必要がある。
【0022】
図11は、従来例におけるガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から基板を切り出す際の様子を説明する図である。生産の観点から織布は長く作った方が効率は良い。図11において、X軸方向を織布の長手方向に取ると、X軸方向がガラス繊維の縦糸の方向に、Y軸方向がガラス繊維の横糸の方向となる。このようなガラス繊維の織布を芯材とする複合樹脂材611からガラス繊維が斜め45°となるように複合樹脂基板921を切り出すと、元の複合樹脂材611に利用できない部分が多くなり、材料の利用効率が非常に悪い。
【0023】
また、特許文献1によれば、縦糸や横糸にあたるガラス繊維が規則的に交錯している織布の代わりに、方向が必ずしも規則的ではないガラス繊維の不織布を芯材とした複合樹脂も用いる事が出来るとしているが、偏光板の透過軸に対して非平行もしくは非垂直なガラス繊維が含まれているために、その方向の光学異方性による光漏れを防ぐことができず、コントラスト低下の原因となっていた。
【0024】
本発明の目的は、織布または不織布の繊維状物質の向きと偏光板の透過軸の方向との関係に関わらず、光漏れの無い、良好なコントラストを持つ液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するため、本発明は、繊維状物質の織布または不織布を芯材とする複合樹脂基板と液晶層の間に偏光板を配置する。より具体的に、本発明は、基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有し、前記基板を光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂で構成し、前記偏光板を前記液晶層と前記基板との間に配置することを特徴とする。前記繊維状物質には、織布又は不織布を用いる。
【発明の効果】
【0026】
従来技術では、液晶層を複合樹脂基板で挟み、さらにその外側に偏光板を配置している。特許文献1に開示の構造では、偏光板によって直線偏光となった光が複合樹脂を透過する際、基板の微小な光学異方性のために偏光の状態が乱されることがあり、光漏れやコントラスト低下の原因となっていた。
【0027】
上記光学異方性の影響を最小限とするため、従来は複合樹脂基板の芯材である繊維状物質の向きと偏光板の透過軸の向きを規定する必要があった(特許文献1)。しかし、複合樹脂基板と液晶層の間に偏光板を配置することで、複合樹脂基板が持つ光学異方性の影響を受けることが無くなる。すなわち、複合樹脂基板を透過した光は液晶層に入射する直前に偏光板によって直線偏光となるので、複合樹脂の光学異方性の影響を受けることが無い。
【0028】
また、明表示部分において液晶層を通過した光は、もう一方の偏光板の透過軸と平行な成分の光が直線偏光となり、もう一方の複合樹脂基板に入射する。このとき、基板の光学異方性によって直線偏光だった光の偏光成分が乱されることもあるが、観察者である人間の目は光強度のみ感じることができる(すなわち偏光状態には依存しない)ので問題ない。このことは透過型のみならず、反射型や半透過型の液晶表示装置にも適用できる。
【0029】
本発明では、ガラス繊維の方向と、偏光板の透過軸の方向を規定する必要が無いので、従来のようにガラス繊維の織布を芯材にした複合樹脂から、縦糸または横糸にあたるガラス繊維が45°に傾いた状態で基板として切り出す必要がない。これにより材料の利用効率を高めることができ,製品コストを抑えることが出来る。さらに、複合樹脂の芯材に、ガラス繊維の織布の代わりに低コストの不織布を用いても光漏れが無いので、コントラストの良い低コストの製品を提供できる。なお、本発明は、液晶表示装置に限らず、他の同様な光学機器にも同様に適用できる
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の最良の実施形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、本発明による液晶表示装置の実施例1を説明する概略構成と光の状態を表した図である。また、図2は、ガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から本発明の基板を切り出す際の様子を説明する図である。第1偏光板121と第2偏光板123の間に液晶層131が封入され、第1偏光板121、第2偏光板123の液晶層131と面する側の反対側に、それぞれ第1の基板111、第2の基板114が配置されている。両基板は、共に複合樹脂基板である。観察者から見て、第1偏光板121の透過軸122と第2偏光板123の透過軸124は、紙面の水平方向である横方向(又は垂直方向である縦方向)からそれぞれ約45度だけ反対方向に傾けられ、透過軸122と透過軸124は互いに直交するように設定されている。また、第1の基板111、第2の基板114はそれぞれガラス繊維112、115と透明樹脂113、116から構成される。
【0032】
この構成において、紙面の下側からランダムな偏光を持つ光141が第1の基板111に入射すると、第1の基板111のガラス繊維112と透明樹脂113の界面における光学異方性により直線偏光や楕円偏光を含んだ光142が出射する。しかし、光142が第1偏光板121に入射すると、その透過軸122と略平行な直線偏光143となって液晶層131に入射する。
【0033】
ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光143は偏光状態をほぼ保ったまま光144として第2偏光板123に入射する。第2偏光板123の透過軸124の方向と光144の偏光方向は略直交状態であるので、第2偏光板123に入射した光144はほとんど透過できず、光145の強度は第1偏光板121と第2偏光板123の消光比程度となる。これにより光146は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0034】
図1で説明した本発明による液晶表示装置の実施例1の構成おいて、第1偏光板121、第2偏光板123の透過軸122と124の方向と、第1の基板111、第2の基板114に含まれるガラス繊維112、115の方向を規定する必要が無く、透過軸122あるいは透過軸124とガラス繊維112および115の方向は自由に設定できる。したがって、ガラス繊維112、115の方向を観察者から見て水平方向あるいは垂直方向にすることができる。これにより、図2に示すように、X軸方向がガラス繊維の縦糸の方向、Y軸方向がガラス繊維の横糸の方向を持つガラス繊維の織布を芯材とする複合樹脂材611から複合樹脂基板621を切り出す際に、X軸とY軸の方向に辺を持つ長方形として切り出すことが可能なために材料の利用効率が高めることができ、液晶表示装置の製造コストを下げることができる。
【実施例2】
【0035】
図3は、本発明による液晶表示装置の実施例2の概略構成と光の状態を説明する図である。図3において、基板114は光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなり、液晶層131は基板114と反射板221の間に配置されている。液晶層131と基板114の間で、液晶層131側に配置される4分の1波長板211と、基板114側に配置される偏光板123を有する。
【0036】
すなわち、実施例2では、4分の1波長板211と反射板221の間に液晶層131が封入され、偏光板123は4分の1波長板211が液晶層131と面する側の反対側に配置されている。また、複合樹脂基板114は偏光板123が4分の1波長板211と面する側の反対側に配置されている。
【0037】
図3の右側に入射光を、左側に出射光(反射光)を示す。ランダムな偏光を持つ光241が基板114に入射すると、ガラス繊維115と透明樹脂116の界面における光学異方性により直線偏光や楕円偏光を含んだ光242となる。しかし、光242が偏光板123に入射すると、透過軸124と略平行な直線偏光243となって4分の1波長板211に入射する。4分の1波長板211によって直線偏光だった光243は円偏光である光244に変わり、液晶層131に入射する。ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光244は円偏光をほぼ保ったまま光245として反射板221において反射する。
【0038】
反射した光246は再び液晶層131に入射し、やはり偏光状態をほぼ保ったまま光247として4分の1波長板211に入射する。ここで円偏光だった光247は直線偏光である光248に変換される。ただし、光248の直線偏光と光243の直線偏光は略直交状態となる。偏光板123の透過軸124の方向と光248の偏光方向は略直交状態であるので、偏光板123に入射した光248はほとんど透過できず、光249の強度は消光比程度となる。これにより光250は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0039】
図3で説明した本発明の実施例2の液晶表示装置の構成おいて、偏光板123の透過軸124の方向と複合樹脂基板114に含まれるガラス繊維115の方向を規定する必要が無く、透過軸124とガラス繊維115の方向は自由に設定できる。したがって、ガラス繊維115の方向を観察者から見て水平方向あるいは垂直方向にする事ができる。これにより材料の利用効率が高めることができ、液晶表示装置の製造コストを下げることができる。
【実施例3】
【0040】
図4は、本発明による液晶表示装置の実施例3の概略構成と光の状態を説明する図である。図4において、基板は光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる第1の基板111および第2の基板114とからなる。液晶層131は、第1の基板111と第2の基板114の間に配置されている。偏光板は、第1の基板111と液晶層131の間に配置される第1偏光板121および前記第2の基板114と液晶層131の間に配置される第2偏光板123とで構成さる。液晶層131と第1偏光板121の間に第1位相補償板1001が配置され、液晶層131と第2偏光板123の間に第2位相補償板1002が配置される。
【0041】
位相補償板を用いるのは、液晶表示装置の液晶層や偏光板で発生する位相差を補償して視野角を広げることを目的とする。本実施例では、図4に示すように液晶層131と第1偏光板121、第2偏光板123の間に第1位相補償板1001、第2位相補償板1002を配置する。第1位相補償板1001と第2位相補償板1002は必ずしも両方使う必要は無く、目的に応じて片側のみ配置して良い。
【実施例4】
【0042】
図5は、本発明による液晶表示装置の実施例4の概略構成と光の状態を説明する図である。図5において、この液晶表示装置では、透明ガラス基板1111を有する。基板114は光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる。そして、基板114と透明ガラス基板1111の間に液晶層131を配置し、透明ガラス基板1111の液晶層131とは反対側である背面に第1偏光板121を配置し、基板114と液晶層131との間に第2偏光板123を配置する。
【0043】
この構成において、ランダムな偏光を持つ光1141が第1偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光1142となる。透明ガラス基板1111は等方性物質なので、透明ガラス基板1111に入射した光1142は偏光状態を保ったまま光1143として液晶層131に入射する。ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光1143はやはり偏光状態をほぼ保ったまま光1144として偏光板123に入射する。
【0044】
第2偏光板123の透過軸124の方向と光1144の偏光方向は略直交状態であるので、第2偏光板123に入射した光1144はほとんど透過できず、光1145の強度は第1偏光板121と第2偏光板123の消光比程度となる。これにより光1146は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0045】
液晶層131の電界制御素子に移動度の大きい多結晶シリコンなどを用いる場合、一般に最高プロセス温度が300〜450℃と高いために、ガラス基板の代わりに複合樹脂基板を用いるのは困難である。一方、カラーフィルターは比較的低い温度で作製できるので、安価で割れにくい複合樹脂基板を用いることができる。この場合、図5に示した実施例の構成のように、複合樹脂からなる基板114と液晶層131の間に第2偏光板123を配置することで、良好な表示品質を持つ液晶表示装置を提供することができる。
【実施例5】
【0046】
図6は、本発明による液晶表示装置の実施例5の概略構成と光の状態を説明する図である。図6において、第1基板111と第2基板114は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる。液晶層131は第1の基板111と第2の基板114の間に配置されている。偏光板は、第1の基板111と液晶層131の間に配置される第1偏光板121および第2の基板114と液晶層131の間に配置される第2偏光板123とで構成される。そして、液晶層131と第1偏光板121の間に透明ガラス板1211を配置してある。
【0047】
この構成において、ランダムな偏光を持つ光1241が複合樹脂基板111に入射すると、ガラス繊維112と透明樹脂113の界面における光学異方性により直線偏光や楕円偏光を含んだ光1242となる。光1242が第1偏光板121に入射すると、透過軸122に略平行な直線偏光となった光1243となる。ガラス基板1211は等方性物質なので、ガラス基板1211に入射した光1243は偏光状態を保ったまま光1244として液晶層131に入射する。
【0048】
ここで、図示しない電極によって液晶層131には暗表示を行なうための電界状態となっている場合、液晶層131に入射した光1244はやはり偏光状態をほぼ保ったまま光1245として偏光板123に入射する。偏光板123の透過軸124の方向と光1245の偏光方向は略直交状態であるので、偏光板123に入射した光1245はほとんど透過できず、光1246の強度は偏光板121と偏光板123の消光比程度となる。これにより光1247は人間の目では見えないレベルとなり、暗表示が行なわれる。
【0049】
液晶層の電界制御素子に移動度の大きい多結晶シリコンなどを用いる場合、一般に最高プロセス温度が300〜450℃と高いためにガラス基板を用いざるを得ないが、厚いガラス基板は曲げることができない。その場合、一旦、ガラス基板上に電界制御素子を作製した後に、例えばガラス基板を裏面からエッチングを行なって薄くすれば曲げられるようになる。しかし、曲げる際に薄くしたガラス基板が割れやすいため、複合樹脂基板などを裏面から補強すれば割れにくくなる。この場合、図6に示した実施例の構成のように、ガラス基板1211と第1の基板111の間に偏光板121を配置することで、良好な表示品質を持つ液晶表示装置を提供することができる。
【0050】
また、図6に示した本発明の実施例5において、ガラス基板1211を薄くする際にガラス成分を完全に取り払い、例えばガラス基板上1211上に配設した電界制御素子の層のみとしても良い。即ち、電界制御素子を複合樹脂基板に転写させても良い。この場合、ガラス基板上1211上にあらかじめエッチング停止層を設け、その上に電界制御素子を作製した後に裏面のガラス成分をエッチングによって取り除くことで実現できる。
【0051】
上記の各実施例における基板を構成する複合樹脂板の芯材であるガラス繊維112、115の縦糸と横糸の織り方は、平織、斜文織、朱子織のいずれであっても良い。また、縦糸と横糸が必ずしも略直交状態である必要も無い。また、基板の芯材であるガラス繊維112、115は製造コストが安価な不織布を用いることも可能である。なお、言うまでもなく、ガラス繊維に限らず、これを同様の特性を有する材料を用いることができる。
【0052】
また、図1等に示した透過型および図3に示した反射型を組み合わせた半透過型にも本発明を適用することができる。液晶素子のタイプとしては、TN型、STN型、VA型(マルチドメインタイプを含む)、IPS型、OCB型、ECB型などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による液晶表示装置の実施例1を説明する概略構成と光の状態を表した図である。
【図2】ガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から本発明の基板を切り出す際の様子を説明する図である。
【図3】本発明による液晶表示装置の実施例2の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図4】本発明による液晶表示装置の実施例3の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図5】本発明による液晶表示装置の実施例4の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図6】本発明による液晶表示装置の実施例5の概略構成と光の状態を説明する図である。
【図7】従来のガラス基板を用いた液晶表示装置の概略構成と光の状態の説明図である。
【図8】図7のガラス基板を複合樹脂基板に置き換えた従来の液晶表示素子の構成例を説明する図である。
【図9】複合樹脂基板を部分的に拡大した説明図である。
【図10】複合樹脂基板にX軸と45°の角度を成す直線偏光が入射した場合の図9中のA、B、C、Dの各点を透過する光の偏光状態の一例を説明する図である。
【図11】従来例におけるガラス繊維の織布を芯材とした複合樹脂材から基板を切り出す際の様子を説明する図である。
【符号の説明】
【0054】
121・・・第1偏光板、123・・・第2偏光板、131・・・液晶層、111・・・第1の基板、114・・・第2の基板、122・・・第1偏光板の透過軸、124・・・第2偏光板の透過軸、112,115・・・繊維状物質(ガラス繊維)、113,116・・・透明樹脂。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなり、前記偏光板は前記液晶層と前記基板との間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記繊維状物質は、織布を成していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記繊維状物質は、不織布を成していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性の繊維状物質を含む透光性樹脂からなる第1の基板および第2の基板とからなり、
前記液晶層は、前記第1の基板と第2の基板の間に配置されており、
前記偏光板は、前記第1の基板と前記液晶層の間に配置される第1偏光板および前記第2の基板と前記液晶層の間に配置される第2偏光板とで構成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
基板と、液晶層と、偏光板と、反射板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなり、
前記液晶層は、前記基板と前記反射板の間に配置されており、
前記液晶層と前記基板の間で、前記液晶層側に配置される4分の1波長板と、前記基板側に配置される偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる第1の基板および第2の基板とからなり、
前記液晶層は、前記第1の基板と第2の基板の間に配置されており、
前記偏光板は、前記第1の基板と前記液晶層の間に配置される第1偏光板および前記第2の基板と前記液晶層の間に配置される第2偏光板とで構成され、
前記液晶層と前記第1偏光板の間に配置される第1位相補償板と、前記液晶層と前記第2偏光板の間に配置される第2位相補償板とを有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
前記基板の少なくとも一つには、前記液晶層を駆動させる電界制御素子が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
第1の基板と第2の基板と液晶層と第1の偏光板と第2の偏光板とを少なくとも有する液晶表示装置であった、
前記第1の基板はガラス基板であり、
前記第2の基板は光透過性の繊維状物質を含む透光性樹脂基板であり、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記液晶層が配置され、
前記第1の偏光板は、前記第1の基板の前記液晶層とは反対側に配置され、
前記第2の偏光板は、前記第2の基板と前記液晶層との間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1の偏光板の前記第1の基板とは反対側の面には、光透過性の繊維状物質を含む透光性樹脂基板からなる第3の基板が配置されることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1の基板には、前記液晶層を駆動させる電界制御素子が形成されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記繊維状物質は、織布を成していることを特徴とする請求項4から請求項10の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記繊維状物質は、不織布を成していることを特徴とする請求項4から制御10の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項1】
基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなり、前記偏光板は前記液晶層と前記基板との間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記繊維状物質は、織布を成していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記繊維状物質は、不織布を成していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性の繊維状物質を含む透光性樹脂からなる第1の基板および第2の基板とからなり、
前記液晶層は、前記第1の基板と第2の基板の間に配置されており、
前記偏光板は、前記第1の基板と前記液晶層の間に配置される第1偏光板および前記第2の基板と前記液晶層の間に配置される第2偏光板とで構成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
基板と、液晶層と、偏光板と、反射板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなり、
前記液晶層は、前記基板と前記反射板の間に配置されており、
前記液晶層と前記基板の間で、前記液晶層側に配置される4分の1波長板と、前記基板側に配置される偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
基板と、液晶層、および偏光板を少なくとも有する液晶表示装置であって、
前記基板は、光透過性繊維状物質を含む透光性樹脂からなる第1の基板および第2の基板とからなり、
前記液晶層は、前記第1の基板と第2の基板の間に配置されており、
前記偏光板は、前記第1の基板と前記液晶層の間に配置される第1偏光板および前記第2の基板と前記液晶層の間に配置される第2偏光板とで構成され、
前記液晶層と前記第1偏光板の間に配置される第1位相補償板と、前記液晶層と前記第2偏光板の間に配置される第2位相補償板とを有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
前記基板の少なくとも一つには、前記液晶層を駆動させる電界制御素子が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
第1の基板と第2の基板と液晶層と第1の偏光板と第2の偏光板とを少なくとも有する液晶表示装置であった、
前記第1の基板はガラス基板であり、
前記第2の基板は光透過性の繊維状物質を含む透光性樹脂基板であり、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に前記液晶層が配置され、
前記第1の偏光板は、前記第1の基板の前記液晶層とは反対側に配置され、
前記第2の偏光板は、前記第2の基板と前記液晶層との間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1の偏光板の前記第1の基板とは反対側の面には、光透過性の繊維状物質を含む透光性樹脂基板からなる第3の基板が配置されることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1の基板には、前記液晶層を駆動させる電界制御素子が形成されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記繊維状物質は、織布を成していることを特徴とする請求項4から請求項10の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記繊維状物質は、不織布を成していることを特徴とする請求項4から制御10の何れかに記載の液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−115865(P2009−115865A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285654(P2007−285654)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】
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