説明

液晶表示装置

【課題】広視野角かつ高コントラストな液晶表示装置を提供する。
【解決手段】互いに対向する第一基板及び第二基板と、上記第一基板及び第二基板間に挟持された液晶層とを備える液晶表示装置であって、上記液晶層は、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶を含有し、上記第一基板は、可変電位が印加される第一電極と、第一基板面内かつ画素領域内において第一電極と対峙する第二電極と、液晶層側の表面に形成された第一垂直配向膜とを有し、上記第二基板は、液晶層側の表面に形成された第二垂直配向膜を有し、上記液晶表示装置は、少なくとも第一電極及び第二電極によって液晶層に電界を発生させる液晶表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。より詳しくは、広視野角を有するTV又はモニタ、ME(Medical Engineering)用レントゲンモニタ、デジタルカメラ用ディスプレイ等に好適な液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶層を介して互いに対向する一対の基板(通常、アクティブマトリクス基板及び対向基板)を有する液晶表示パネルを備える表示装置であり、近年、用途の拡大とともに、高性能化が進んでいる。液晶表示装置の重要な性能の1つとしては、視野角が挙げられ、広視野角を実現するために種々の技術及び表示モードが開発されている。現在、広視野角特性を有する表示モード(液晶モード)としては、いわゆるMVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード及びIPS(In Plane Switching)モードが主流となっている。以下に、MVAモード及びIPSモードのメリット及びデメリットについてそれぞれ説明する。
【0003】
MVAモードのメリットは、黒表示での光漏れを抑制できることである。すなわち、MVAモードによれば高コントラストを実現できる。これは、MAVモードは、液晶分子(液晶長軸)が基板主面に対して立っている複屈折を行わない状態で黒表示を行っているためである。より詳細には、MVAモードは、下記(1)〜(3)の特徴を有する。
(1)ラビング等の配向処理により液晶分子を特定方向に配向する必要が無いため、液晶分子の初期状態における配向方向と偏光板の透過軸の方向とのずれに起因する光漏れが発生しない。
(2)液晶分子の熱振動に起因するゆらぎが入射光の振動面に対して影響を与えにくい。
(3)ネガティブCプレートと組み合わせて用いることによって、斜め視野と基板主面(表示面)に対する垂直方向との間において液晶層に起因して発生する位相差を補償することができる。
【0004】
一方、MVAモードのデメリットは、特に低諧調において斜め視野での白浮き(γずれ)が顕著に発生することである。これは、MVAモードは、諧調表示をする際に、基板主面に対する垂直方向の電界(垂直電界)によって液晶分子を寝かす方向に回転させ、このとき液晶分子が基板主面に対する垂線方向に同一のチルト角で回転するためである。より詳細には、MVAモードは、下記(1)及び(2)の特徴を更に有する。
(1)寝る方向に回転している液晶分子が液晶層の垂線方向において連なっているため、その回転している液晶分子による入射光の複屈折は、垂直方向で積分されることになる。したがって、斜め視野における液晶層の位相差は、垂直方向における液晶層の位相差よりも大きくなる。
(2)基板主面に対して垂直に立っている液晶分子を横に寝かすことによって階調を得るため、視線方向から見て、液晶分子はダイナミックに動くことになる。したがって、垂線方向と基板主面に対する斜め方向とにおける液晶分子の見え方は大きく異なり、その結果、大きな複屈折による位相差が発生する。
【0005】
IPSモードのメリットは、特に低諧調で、斜め視野での白浮き(γずれ)の発生を抑制できることである。これは、IPSモードは、諧調表示をする際に、基板主面に対する水平方向の電界(水平電界)により液晶分子を水平方向に連なって水平方向に回転させるためである。より詳細には、IPSモードは、下記(1)及び(2)の特徴を有する。
(1)水平方向に回転している液晶は、下部基板(背面側の基板)付近にのみに限定されるため、垂直方向から見たときに回転している液晶は、MVAモードに比べて、比較的に少ない。したがって、斜め方向から見たときに垂直方向において積分された液晶層の位相差と、垂線方向から見たときに垂直方向において積分された液晶層の位相差との差異が最小限に抑えられる。
(2)基板主面に対して寝ている液晶分子を水平方向に回転させることによって階調を得るため、液晶分子の視差が視線方向によって大きく変化することがない。すなわち、垂線方向と斜め方向とにおける液晶分子の見え方はほぼ同じであるため、位相差を最小限に抑えることができる。
【0006】
一方、IPSモードのデメリットは、黒表示において光漏れが発生するのを抑制することが困難なことである。すなわち、IPSモードは、MVAモードと比較して、コントラストの点では不利である。これは、IPSモードは、液晶長軸が基板主面に対して平行な状態であり、複屈折を発生させないモードで黒表示を行っているためである。つまり、液晶分子の長軸方向と偏光板の透過軸の方向とにずれが発生した場合、複屈折が発生し、光漏れが発生してしまう。ずれの要因としては、下記(1)〜(3)が挙げられる。
(1)水平方向に液晶分子を配向させるためのラビングの方向と偏光板の透過軸の方向とがずれる。これは、偏光板の貼り合わせ精度に依存する。
(2)ラビングは、機械的に行われるため、配向力にぶれが発生し、液晶分子の配向方向がゆらぐ。
(3)水平配向であるため、液晶分子の熱振動に起因するゆらぎが入射光の振動面に対して影響を与えやすい。
【0007】
以上説明したように、MVAモードは、高コントラストに対して有利であり、IPSモードは、斜め視野における白浮き(γずれ)の抑制に対して有利であるが、どちらのモードについても、高コントラストと、斜め視野における白浮き(γずれ)の抑制とを両立することは困難であった。
【0008】
このような状況の中、製造及びその後の制御が容易で、かつ、液晶分子を駆動するための電界の影響が対向側基板内部にまで及ぶことを防止した新規な液晶表示装置として、互いに対向して設けられた第1及び第2の基板と、上記第1及び第2の基板間に挟持された液晶分子からなる液晶層とを備え、液晶分子のディレクタを主として基板に平行な面内で変化させることにより、表示動作を行う液晶表示装置において、上記第1の基板側に設けられかつ第1の所定電位を与えられる第1の共通電極と、上記第1の共通電極上に設けられた絶縁膜と、当該絶縁膜上に設けられた画素電極と、上記第2の基板側に設けられかつ第2の所定電位を与えられる第2の共通電極とを更に備えており、上記液晶分子は、負の誘電率異方性を有し、上記画素電極は、複数の開口部を有し、上記第1の共通電極は、上記基板に垂直な方向での断面において、上記画素電極の非開口部から開口部に亘る特定の領域であって、上記非開口部とその一部が重なる特定の領域に形成される特定部分を少なくとも有している液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−356786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、IPSモードの液晶表示装置について、水平方向における液晶分子の配向力を向上させることが目的であり、コントラストを改善する効果は小さかった。
【0010】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、広視野角かつ高コントラストな液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、広視野角かつ高コントラストな液晶表示装置について種々検討したところ、液晶分子の制御方法に着目した。そして、液晶表示装置が配向膜として垂直配向膜を有し、同一基板に設けられ互いに対峙する第一電極と第二電極とにより液晶層に電界(水平成分を含む)を発生させることにより、黒表示時における光漏れの発生を抑制しつつ、階調表示時における白浮きの発生を抑制できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0012】
すなわち、本発明は、互いに対向する第一基板及び第二基板と、上記第一基板及び第二基板間に挟持された液晶層とを備える液晶表示装置であって、上記液晶層は、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶を含有し、上記第一基板は、可変電位が印加される第一電極と、第一基板面内かつ画素領域内において第一電極と対峙する第二電極と、液晶層側の表面に形成された第一垂直配向膜とを有し、上記第二基板は、液晶層側の表面に形成された第二垂直配向膜を有し、上記液晶表示装置は、少なくとも第一電極及び第二電極によって液晶層に電界を発生させる液晶表示装置である。
【0013】
これにより、液晶層に電界が発生していない状態(オフ状態)において、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶は、第一基板及び第二基板主面に対して略垂直方向に配向(垂直配向)することとなる。したがって、MVAモードと同様に、黒表示時における光漏れの発生を抑制することができる。すなわち、高コントラストを実現することができる。他方、同一基板(第一基板)内に設けられた第一電極及び第二電極間に電圧が印加された状態(オン状態)においては、IPSモードと同様に、第一基板及び第二基板主面に対して略水平方向に電界が発生することとなる。すなわち、水平成分を多分に有する水平電界が発生する。そして、水平電界が発生すると、第一基板側に位置する正の誘電率異方性を有するネマチック液晶も第一基板及び第二基板主面に対して略水平方向に配向(水平配向)する。その結果、液晶層に複屈折が発生するため、オン状態において階調表示が可能となる。一方、第二基板側に位置する正の誘電率異方性を有するネマチック液晶は、第二垂直配向膜の配向規制力により垂直配向を保ったままとなる。したがって、本発明の液晶表示装置は、斜め視野における白浮きの原因となる第一基板及び第二基板主面に対して斜め方向に配向した液晶分子の発生を抑制しつつ、階調表示を行うことができるので、斜め視野において白浮きが発生するのを抑制することができる。更に、垂直配向した液晶分子と、水平配向した液晶分子とは、斜め視野から見た場合、互いの位相差を補完することができる。したがって、本発明の液晶表示装置は、斜め視野における白浮きの発生をIPSモード以上に抑制することも可能となる。このように、本発明の液晶表示装置は、広視野角と高コントラストとを両立することができる。なお、本発明の液晶表示装置は、少なくとも第一電極及び第二電極によって発生する電界と、第一垂直配向膜及び第二垂直配向膜の配向規制力とによってネマチック液晶の配向を制御することができる。
【0014】
なお、オン状態において水平配向する第一基板側の液晶分子の量(厚み)は、水平電界の強さに依存して変化する。このように、本発明の液晶表示装置は、水平配向する第一基板側の液晶分子の量(厚み)を第一電極及び第二電極間に印加される電圧の強さによって変化させることによって、階調表示を行う。
【0015】
本発明の液晶表示装置の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
本発明の液晶表示装置における好ましい形態について以下に詳しく説明する。
【0016】
上記第一電極及び第二電極は、実質的に一定の間隔を有して対峙することが好ましい。なお、実質的に一定な間隔とは、厳密に一定な間隔である必要はなく、間隔が一定となるように第一電極及び第二電極が設計及び形成された場合に達成しうる程度に一定の間隔であればよく、もちろん製造プロセス上発生しうる誤差を含んでもよい。
【0017】
斜め視野における白浮きの発生をより抑制する観点からは、上記第二基板は、液晶層側に第三電極を有し、上記液晶表示装置は、第一電極、第二電極及び第三電極によって液晶層に電界を発生させることが好ましい。これにより、オン状態においても、第二基板側に位置する正の誘電率異方性を有するネマチック液晶をより垂直方向に配向した状態に保つことができる。すなわち、第一基板及び第二基板主面に対して斜め方向に配向する液晶を減少することができる。なお、本発明の液晶表示装置は、第一電極、第二電極及び第三電極によって発生する電界と、第一垂直配向膜及び第二垂直配向膜の配向規制力とによってネマチック液晶の配向を制御することができる。
【0018】
表示領域の全域にわたって、斜め視野における白浮きの発生を更に抑制する観点からは、上記第一基板は、スイッチング素子と、上記スイッチング素子を介して第一電極に接続(電気的に接続)され得るソースバスラインとを有し、上記第三電極は、ソースバスラインが延伸する方向の画素列に長手方向が沿うようにストライプ状に形成されるとともに、可変電位が印加されることが好ましい。これにより、ソースバスラインから画像信号が供給されている各画素においてそれぞれ、第三電極の電位を所望の電位に設定することができる。
【0019】
斜め視野における白浮きの発生を特に抑制する観点からは、上記液晶表示装置は、第一電極及び第二電極間の電圧が第二電極及び第三電極間の電圧よりも大きく、かつ第二電極及び第三電極間の電圧が第一電極及び第二電極間の電圧に比例するように、第一電極、第二電極及び第三電極に電位を印加することが好ましい。
【0020】
また、斜め視野における白浮きの発生をより抑制する観点からは、上記第一電極及び第二電極は、同一面上に並設されてもよい。これにより、第一電極及び第二電極により発生する電界の斜め成分(第一基板及び第二基板主面に対する斜め方向の成分)を減少することができる。
【0021】
斜め視野におけるコントラストを向上する観点からは、上記液晶表示装置は、第一基板よりも前方に(観察面側に)ネガティブCプレートを更に備えることが好ましい。これにより、黒表示時の斜め視野において、垂直配向している液晶に起因して発生する位相差を補償し、黒表示時の斜め視野における光漏れの発生を抑制することができる。
【0022】
斜め視野における白浮きの発生をより抑制する観点からは、上記第一電極及び第二電極の少なくとも一方は、不透明な導電性材料を用いて形成されることが好ましく、上記第一電極及び第二電極は、不透明な導電性材料を用いて形成されることがより好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の液晶表示装置によれば、広視野角特性と高コントラストとを両立することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に実施形態を掲げ、本発明を図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0025】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の液晶表示パネルの構成を示す平面模式図である。図2は、実施形態1の液晶表示パネルの構成を示す断面模式図であり、図1中のX−Y線における断面を示す。
【0026】
実施形態1の液晶表示パネル100は、アクティブマトリクス基板10と、アクティブマトリクス基板10に対向する対向基板50と、これらの間に設けられた液晶層30とを備える。また、液晶表示パネル100は、アクティブマトリクス基板10及び対向基板50の外側に設けられた一対の偏光板41a、41bと、アクティブマトリクス基板10と偏光板41aとの間に設けられたネガティブCプレート42とを備える。
【0027】
液晶層30は、正の誘電異方性を有するネマチック液晶材料を含む。偏光板41aの透過軸と偏光板41bの透過軸とは、液晶表示パネル100を平面視したときに、直交するように配置される。すなわち、偏光板41aと偏光板41bとは、クロスニコルに配置されている。また、偏光板41aの透過軸と偏光板41bの透過軸とはそれぞれ、パネルの上下又は左右方向に沿って配置される。ネガティブCプレート42は、光軸がフィルム面に対して略垂直方向にある負の1軸異方性を有する位相差補償フィルム、すなわちnx=ny>nzの1軸異方性の位相差補償フィルムである。
【0028】
対向基板50は、透明の絶縁基板(例えば、ガラス基板)11bと、ブラックマトリクス(BM)層(図示せず)と、複数の色層(カラーフィルタ)52と、第三電極である対向電極53と、これらの構成を覆う第二垂直配向膜54とを有する。
【0029】
一方、アクティブマトリクス基板10は、透明の絶縁基板(例えば、ガラス基板)11aと、複数のゲートバスライン12と、複数のCsバスライン(容量保持配線)13と、絶縁膜14と、複数のソースバスライン16と、層間絶縁膜19と、第一電極であるドレイン電極20と、第二電極(第二のドレイン電極)であるCs電極21と、これらの構成を覆って液晶層30側の表面に設けられた第一垂直配向膜25とを有する。また、アクティブマトリクス基板10は、各画素に対応してスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)26を有する。TFT26は、ゲートバスライン12、絶縁膜14、半導体層15、ソース電極17及びドレイン配線18を含んで構成される。
【0030】
複数のゲートバスライン12は、パネル左右方向に互いに平行に延設されており、複数のソースバスライン16は、ゲートバスライン12に直交する方向、すなわちパネル上下方向に互いに平行に延設されている。Csバスライン13は、ゲートバスライン12に平行に、すなわちパネル左右方向に延設されている。すなわち、ゲートバスライン12及びCsバスライン13は、互いに交互、かつ平行に配置される。本実施形態において、各画素領域は、概略、これらゲートバスライン12及びソースバスライン16で囲まれた領域として規定されている。すなわち、各画素領域は、マトリクス状に配置される。また、Csバスライン13は、画素領域の中心付近を通るように配置されている。なお、ゲートバスライン12及びソースバスライン16はそれぞれ、従来のモードのものと同様に、ゲートバスライン信号(走査信号)及びソースバスライン信号(画像信号)を伝播するものである。
【0031】
このような画素領域の各々には、第一電極であるドレイン電極20が設けられている。液晶表示パネル100を平面視したときのドレイン電極20の形状は、櫛状である。より具体的には、ドレイン電極20は、画素領域を規定する一方のソースバスライン(図1中、左側のソースバスライン16)近傍であり、かつその一方のソースバスライン16と平行に配された幹部22aと、幹部22aに接続され、かつ画素領域を規定する他方のソースバスライン(図1中、右側のソースバスライン16)の方に延伸された複数の枝部23aとを有する。枝部23aは、液晶表示パネル100を平面視したときに、ゲートバスライン12方向における画素領域の中心付近で折れ曲がったV字形状又は逆V字形状を有し、また、ソースバスライン16及びゲートバスライン12に対して略45°斜めの方向に形成される。
【0032】
また、画素領域の各々には、第二電極であるCs電極21が設けられている。Cs電極21は、ドレイン電極20と同様に、平面視櫛状であり、より具体的には、Cs電極21は、画素領域を規定する他方のソースバスライン(図1中、右側のソースバスライン16)近傍であり、かつその他方のソースバスライン16と平行に配された幹部22bと、幹部22bに接続され、かつ画素領域を規定する一方のソースバスライン(図1中、左側のソースバスライン16)の方に延伸された複数の枝部23bと、幹部22bの中心部分に接続され、かつ画素領域の中央に位置する中心枝部24とを有する。枝部23bは、液晶表示パネル100を平面視したときに、ゲートバスライン12方向における画素領域の中心付近で折れ曲がったV字形状又は逆V字形状を有し、また、ソースバスライン16及びゲートバスライン12に対して略45°斜めの方向に形成される。液晶表示パネル100を平面視したときの中心枝部24の形状は、略菱形である。
【0033】
このように、ドレイン電極20の枝部23aとCs電極21の枝部23bとは、互いに相補的な平面形状を有するとともに、ある間隔を有して互い違いに配置されている。すわなち、ドレイン電極20の枝部23aと、Cs電極21の枝部23b及び中心枝部24とは、同一の平面内において互いに平行に対峙して配置されている。
【0034】
なお、画素の光透過率を向上する観点からは、ドレイン電極20及びCs電極21は、櫛形状を有さない、すなわち、それぞれ幹部22a及び幹部22bのみを有し、画素領域の対向する二辺に対峙して配置されてもよいが、液晶分子の応答速度を向上する観点からは、上述のように、ドレイン電極20及びCs電極21を櫛形状とし、互い違いに配置することが好ましい。
【0035】
また、枝部23a及び枝部23bは、V字形状又は逆V字形状を有さない、すなわち、それぞれパネル左右方向に直線状に形成されてもよいが、液晶分子の倒れる方向を4方向に分割し、より広い視野角を実現する観点からは、上述のように、ドレイン電極20は、V字形状又は逆V字形状の枝部23aを有するとともに、Cs電極21も、V字形状又は逆V字形状の枝部23bを有し、枝部23a及び枝部23bは、ソースバスライン16及びゲートバスライン12(パネル上下左右方向)に対して略45°斜めの方向(斜めに交わる4つの方向)に形成されることが好ましい。
【0036】
ドレイン電極20は、ドレイン配線18上方の層間絶縁膜19に設けられたコンタクトホール27bを介してドレイン配線18に接触及び接続される。すなわち、ドレイン電極20は、ドレイン配線18を介してTFT26に接続される。
【0037】
また、ソースバスライン16は、ソース電極17を介してTFT26に接続される。これにより、TFT26がオン状態になると、ソースバスライン16に供給される画像信号がドレイン電極20に書き込まれることになる。なお、ソースバスライン16とソース電極17とは、同一工程及び同一材料により一体的に形成されている。
【0038】
他方、Cs電極21は、中心枝部24がCsバスライン13上方の層間絶縁膜19及び絶縁膜14に設けられたコンタクトホール27aを介してCsバスライン13に接触及び接続されることによって、Csバスライン13に接続される。これにより、Cs電極21には、Csバスライン13の電位が印加されることになる。
【0039】
次に、液晶表示パネル100の断面構造について詳細に説明する。
【0040】
液晶表示パネル100は、概略、アクティブマトリクス基板10と対向基板50とで、液晶分子を含有する液晶層30を挟持した構造を備える。
【0041】
アクティブマトリクス基板10は、主材料として、絶縁基板11aの一方の(液晶層30側の)主面上に、ゲートバスライン12及びCsバスライン13を備える。
【0042】
また、これらゲートバスライン12及びCsバスライン13の全面を覆うようにして、絶縁膜14が設けられている。更に、絶縁膜14上であって、ゲートバスライン12に相当する領域には、アモルファスシリコン等からなる半導体層15が形成されている。そして、半導体層15を介して互いに接続されるドレイン配線18及びソース電極17(ソースバスライン16を含む)が形成されている。半導体層15は、TFT26におけるチャネル領域として作用するものであり、このことから理解されるように、絶縁膜14は、ゲートバスライン12上方において、ゲート絶縁膜として機能する。また、ゲートバスライン12は、ゲート電極としても機能する。
【0043】
なお、本実施形態において、TFT26は、後述するようにドレイン配線18及びソース電極17を分離する際に、半導体層15をも多少エッチングするような製法で製造されたチャネルエッチタイプであり、かつ、ゲート電極としても機能するゲートバスライン12がドレイン配線18及びソース電極17よりも下方に設けられる逆スタガタイプである。
【0044】
また、上述のように、ソース電極17は、ソースバスライン16と一体に形成されており、ドレイン配線18は、ドレイン電極20に接続されている。このような構成を備えるTFT26は、ゲートバスライン12に所定の電圧が供給されると、オンし、ソースバスライン16を伝播する画像信号(電圧)をドレイン電極20に書き込むこととなる。
【0045】
アクティブマトリクス基板10における他の構成要素について説明を続けると、ドレイン配線18及びソース電極17の上層には層間絶縁膜19が形成されており、層間絶縁膜19上にはドレイン電極20及びCs電極21が形成され、更にこれらの上層には第一垂直配向膜25が塗布形成されている。第一垂直配向膜25は、第一垂直配向膜25近傍の液晶分子を第一垂直配向膜25表面に対して略垂直に配向する。
【0046】
一方、対向基板50は、絶縁基板11bの一方の(液晶層30側の)主面上に、BM層(図示せず)及び色層52を備える。BM層は、Cr等の不透明な金属、炭素を含有するアクリル等の不透明な有機膜等から形成され、画素領域の周囲、すなわち、ゲートバスライン12、ソースバスライン16及びTFT26に対応する領域に形成されている。一方、色層52は、カラー表示を行うために用いられるものであり、主として、画素領域に形成されている。
【0047】
また、BM層及び色層52上には、複数の対向電極53が設けられている。複数の対向電極53は、図から明らかなように、パネル上下方向において隣接する画素間で共有されるように、各画素列に対応して配置されている。このように、各対向電極53は、液晶表示パネル100を平面視したときに、ストライプ状に配置される。
【0048】
また、対向電極53上には、第二垂直配向膜54が塗布形成されている。第二垂直配向膜54も、第一垂直配向膜25と同様に垂直配向膜であり、第二垂直配向膜54近傍の液晶分子を第二垂直配向膜54表面に対して略垂直に配向する。
【0049】
なお、第一垂直配向膜25及び第二垂直配向膜54は、液晶分子を膜表面に対して厳密に垂直に配向する必要はないが、プレチルト角(電界が発生していない状態(オフ状態)における液晶分子の長軸と膜表面とのなす角)が85°以上であることが好ましく、88°以上であることがより好ましい。
【0050】
次に、本実施形態の液晶表示装置の構成について説明する。図3は、実施形態1の液晶表示装置の構成を示す模式図であり、(a)は、平面図を示し、(b)は、側面図を示す。図4は、実施形態1のアクティブマトリクス基板側の構成を示す平面模式図である。
【0051】
実施形態1の液晶表示装置200は、図3に示すように、上述の液晶表示パネル100の他、一般的な液晶表示装置と同様に、液晶表示パネル100のアクティブマトリクス基板10の張出部上に搭載された複数のVd1出力用ドライバチップ61及びゲートドライバチップ62と、アクティブマトリクス基板10の張出部に接続されたFPC(Flexible Printed Circuit)基板103とを備える。
【0052】
各Vd1出力用ドライバチップ61はそれぞれ、図4に示すように、複数の接続配線64aを介して、パネル上下方向に並設された複数のソースバスライン16に接続され、各ソースバスライン16に画像信号を供給する。各ゲートドライバチップ62はそれぞれ、複数の接続配線64bを介して、パネル左右方向に並設された複数のゲートバスライン12に接続され、各ゲートバスライン12に走査信号を供給する。また、各Vd1出力用ドライバチップ61及び各ゲートドライバチップ62は、接続配線(図示せず)を介してコントロール回路、電源回路等の制御回路が形成されたFPC基板63とも接続される。更に、パネル左右方向に並設された各Csバスライン13は、複数の接続配線64dによりパネルの左右の額縁領域(非表示領域)において並列接続されるととも、この接続配線64dを介してFPC基板63(FPC基板63に設けられた電源等)に接続される。このように、各Csバスライン13には、Csバスライン信号がFPC基板63から直接入力される。
【0053】
そして、液晶表示装置200は、液晶表示パネル100の対向基板50の張出部上に搭載されたVc出力用ドライバチップ65を備える。各Vc出力用ドライバチップ65はそれぞれ、複数の接続配線64cを介して対向電極53に接続される。これにより、各対向電極53に任意の電位を供給することができる。
【0054】
なお、液晶表示装置200は、液晶表示パネル100に光を供給するバックライトユニット、液晶表示パネル100、バックライトユニット等の電子機器を保持する筐体等の通常の液晶表示装置が備える部材を更に有する。
【0055】
ここで、各ドライバチップの動作について説明する。図5は、実施形態1の液晶表示装置におけるタイミングチャート(電圧波形)であり、(a)は、ゲートバスライン信号(走査信号)Vgを示し、(b)は、ソースバスライン信号(画像信号)Vd1を示し、(c)は、Csバスライン信号Vd2を示し、(d)は、対向電極に供給される信号Vcを示す。なお、図5(a)〜(d)は、同じ時間軸(横軸)上にある。また、各図5(a)〜(d)において、縦軸は電位を示す。
【0056】
図5(a)に示すよう、パネル上下方向に並設された各ゲートバスライン12には、ゲートドライバチップ62からゲートバスライン信号Vgが順次供給される(線順次駆動)。このように、図5(a)は、隣接する複数(例えば、3つ)のゲートバスライン12にゲートバスライン信号Vgが順次供給されている状態を示す。また、図5(b)に示すよう、Vd1出力用ドライバチップ61から各ソースバスライン16、すなわちドレイン電極20には、階調により振幅が可変の電位であるソースバスライン信号Vd1が供給される。なお、本実施形態の液晶表示装置は、交流駆動であり、ソースバスライン信号Vd1は、1フレーム毎に極性が反転している。更に、図5(c)に示すよう、各Csバスライン13、すなわち、Cs電極には、所定の電位、例えば0Vに設定されたCsバスライン信号Vd2が供給される。そして、図5(d)に示すよう、Vc出力用ドライバチップ65から各対向電極53には、階調により振幅が可変の電位であり、かつ極性が1フレーム毎に反転する信号Vcが供給される。なお、信号Vcの極性は、ソースバスライン信号Vdと同じ極性方向に設定される。
【0057】
図6は、実施形態1の液晶表示装置におけるタイミングチャート(電圧波形)であり、ソースバスライン信号(画像信号)Vd1と、Csバスライン信号Vd2と、対向電極に供給される信号Vcとを重ね合わせた図である。なお、図6においてVd1、Vd2及びVcの立ち上がり及び立下りは、見やすくするためにずらして図示しているが、実際には、各信号は同時に上下(変化)する。また図6において横軸は時間軸を示し、縦軸は電位を示す。
【0058】
液晶表示装置200において、信号Vcの極性はソースバスライン信号Vd及び信号Vcの振幅は可変であることから、図6に示すように、電圧|Vd1−Vc|や電圧|Vc−Vd2|、電圧|Vd1−Vd2|を1フレーム毎に適宜変更することができる。また、信号Vcの極性はソースバスライン信号Vdと同じ方向であることから、各信号間の関係を後述する(|Vd1|−|Vd2|)/2=|Vc|−|Vd2|を満たすように設定することができる。
【0059】
ここで、本実施形態の液晶表示パネル100の動作についてシミュレーションを行った結果について説明する。図7は、実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、低階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。図8は、実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、高階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【0060】
このシミュレーションにおける各種条件は、以下のとおりである。すなわち、液晶分子の誘電率異方性Δε=2.9及び屈折率異方性Δn=0.1とし、液晶層の厚み(セルギャップ)d1は、4.2μmとした。また、ドレイン電極20の各枝部23aの幅(枝部23aの長手方向(延伸方向)に対して垂直な方向における長さ)La1と、Cs電極21の各枝部23bの幅(枝部23bの長手方向(延伸方向)に対して垂直な方向における長さ)Lb1とは、4.0μmとした。更に、ドレイン電極20の各枝部23aと、Cs電極21の各枝部23bとの間の間隔(枝部23a及び枝部23bの長手方向(延伸方向)に対して垂直な方向における枝部23a及び枝部23b間の長さ)S1も、4.0μmとした。
【0061】
また、図7(低階調時の図)は、ドレイン電極20に対して10Vを、Cs電極21に対して0Vを、対向電極53に対して5Vを印加した状態を示す。すなわち、図7においては、ドレイン電極20の電位Vd1=10V、Cs電極21の電位Vd2=0V、対向電極53の電位Vc=5Vとした。一方、図8(高階調時の図)は、ドレイン電極20に対して20Vを、Cs電極21に対して0Vを、対向電極53に対して10Vを印加した状態を示す。すなわち、図8においては、ドレイン電極20の電位Vd1=20V、Cs電極21の電位Vd2=0V、対向電極53の電位Vc=10Vとした。
【0062】
シミュレーションの結果、低階調時においては、図7に示すように、ドレイン電極20及びCs電極21間で発生した水平電界により、アクティブマトリクス基板10付近の液晶分子のみが寝る方向(水平方向)に回転(配向)した(図7中、一点差線で囲まれた領域参照)。また、高階調時においても、図8に示すように、ドレイン電極20及びCs電極21間で発生した水平電界により、アクティブマトリクス基板10側の液晶分子が水平方向に回転した(図8中、一点差線で囲まれた領域参照)。他方、高階調時においては、図8中の白抜き矢印で示すように、水平方向に回転する液晶分子の層は、アクティブマトリクス基板10から対向基板50側に広がっていた。このように、液晶表示パネル100は、対向基板50に設けられた対向電極53と、アクティブマトリクス基板10に設けられたドレイン電極20及びCs電極21とによる放物線電界(水平電界と垂直電界との合成ベクトル)によって液晶層を制御することができる。また、液晶表示パネル100は、水平電界により水平方向近くまで配向(回転)した液晶分子(水平配向した液晶分子)と、水平電界の影響をほとんど受けずに垂直方向に配向したまま液晶分子(垂直配向したままの液晶分子)とブレンドの割合で、各諧調の位相差を発生させることができる。すなわち、液晶表示パネル100は、アクティブマトリクス基板10側の水平配向した液晶分子の層の厚みと、対向基板50側の垂直配向したままである液晶分子の層の厚みと変化させることによって階調表示を行うことができる。そして、液晶表示パネル100においては、低階調から高階調になるにしたがって、水平配向した液晶分子の層の厚みが大きくなるとともに、垂直配向したままである液晶分子の層の厚みが小さくなる。
【0063】
このような水平方向近くまで充分寝た水平配向に近い液晶分子においては、IPSモードと同様に、形状的に斜め視野での位相差がほとんど発生しない。したがって、液晶表示パネル100は、斜め視野における白浮きの発生を、IPSモードと同程度まで抑制することができる。
【0064】
また、液晶表示パネル100において、偏光板41a、41bは、クロスニコルに配置されるとともに、対向電極53、ドレイン電極20及びCs電極21間に電位差が発生していないとき(すなわち、液晶層30に電界が発生していないとき)は、液晶分子が第一垂直配向膜25及び第二垂直配向膜54により垂直配向している。したがって、液晶表示パネル100は、MVAモードと同様に、光漏れの少ない黒表示が可能である(ノーマリーブラック)。すなわち、液晶表示パネル100は、斜め視野における白浮きの発生を抑制しつつ、高コントラストを実現することができる。
【0065】
このように、液晶表示パネル100は、斜め視野からの位相差の発生が大きい、垂直方向及び水平方向の中間に位置にする配向(斜め配向)をできる限り発生させず、斜め視野からの位相差が発生しにくい垂直配向と水平配向との2つの液晶分子の構成比を変化させることによって、諧調を作り出すことができる。
【0066】
なお、液晶表示パネル100においては、図7及び8に示すように、アクティブマトリクス基板10及び対向基板10の主面に対して斜め方向に発生する電界(斜め電界)も存在し、この斜め電界に起因して斜め方向に配向(斜め配向)した液晶分子も存在する。しかしながら、この斜め配向した液晶分子の全体に占める割合は、図11を用いて後述するMVAモードに比べて非常に少なく、図12を用いて後述するIPSモードと同程度である。したがって、液晶表示パネル100は、上述のように、斜め視野における白浮きの発生を、IPSモードと同程度、又はそれ以上抑制することができる。
【0067】
また、幅La1、幅Lb1、間隔S1及びセルギャッ1プdがほぼ等しい場合は、上述した液晶表示パネル100の液晶配向を成立させるためには、垂直電界(Y軸方向、すなわち基板に対して垂直な方向の電界)よりも水平電界(X軸方向、すなわち基板に対して水平な方向の電界)が大きくすることが好ましい。そして、いくらか水準を振ってシミュレーションを行った結果、垂直電界及び水平電界の関係は、(垂直電界の大きさ):(水平電界の大きさ)=1:2であるときに斜め電界の発生を比較的抑制できることを見いだした。すなわち、幅La1、幅Lb1、間隔S1及びセルギャップd1がほぼ等しい場合、斜め視野における白浮きの発生を充分に抑制するためには、ドレイン電極20の電位Vd1、Cs電極21の電位Vd2及び対向電極53の電位Vcは、(|Vd1|−|Vd2|)/2=|Vc|−|Vd2|の関係を満たすように、各電極が制御されることが好ましいことがわかった。
【0068】
なお、液晶表示パネル100は、MVAモードと同様に、黒表示(オフ)時の斜め視野において位相差が発生することが懸念されるが、液晶表示パネル100は、ネガティブCプレート42を備えることから、この黒表示時の斜め視野における位相差を効果的に補償することができる。
【0069】
また、垂直配向の液晶分子と水平配向の液晶分子とは、斜め視野から見た場合、互いに位相差における補完関係にある。すなわち、垂直配向の液晶分子と水平配向の液晶分子とは、視野による位相差の変化を自己補償する関係にある。したがって、液晶表示パネル100は、従来のネガティブCプレートを備えたMVAモードやIPSモードに比べて更に良好な視野角特性を得ることが可能である。
【0070】
次に、このような構成を備える本実施形態による液晶表示装置の製造方法について説明する。
【0071】
まず、アクティブマトリクス基板10の製造方法について説明する。ガラス等の透明な絶縁基板11a上に、Cr等の金属の単層、又は、Cr等の金属及び/若しくはITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜の多層膜からなるゲートバスライン12及びCsバスライン13をスパッタリングとフォトレジスト工程とにより形成する。なお、ゲートバスライン12及びCsバスライン13の抵抗をより低くする観点からは、ゲートバスライン12及びCsバスライン13の材料としては、ITO等の透明導電膜よりもCr等の金属の方が好ましい。
【0072】
次に、ゲートバスライン12及びCsバスライン13の上層に、窒化シリコン、酸化シリコン等のシリコン絶縁膜の単層膜又は多層膜からなる絶縁膜14をCVD(Chemical Vapor Deposite)とフォトレジスト工程とにより形成する。絶縁膜14は、絶縁基板11aの略全面に形成される。
【0073】
次に、絶縁膜14のゲートバスライン12の上方にあたる領域に、アモルファスシリコン(a−Si層及びna−Si層)からなる島状の半導体層15をCVDとフォトレジスト工程に形成する。
【0074】
次に、Cr等の金属の単層、又は、Cr等の金属及び/若しくはITO等の透明導電膜の多層膜からなるドレイン配線18、ソース電極17及びソースバスライン16をスパッタリングとフォトレジスト工程とにより形成する。これにより、ソース電極17及びソースバスライン16が一体的に形成される。また、このフォトレジスト工程においてドレイン配線18とソース電極17とを分離する際に、半導体層15のチャネル領域まで併せて多少エッチングする。これにより、上述のように、チャネルエッチタイプのTFT26が形成されることとなる。
【0075】
なお、これに対して、ドレイン配線18等の電極材をスパッタする前に、半導体層15の所定領域にプロテクト層を形成し、ドレイン配線18とソース電極17との分離の際に、チャネル領域がエッチングされないようにすれば、チャネルプロテクトタイプのTFTを形成することができる。
【0076】
ここまでで説明された工程により、ゲートバスライン12、ソースバスライン16及びCsバスライン13と、ゲートバスライン12及びソースバスライン16の交点付近に位置するTFT26とが形成される。
【0077】
次に、窒化シリコンからなる層間絶縁膜19をCVDとフォトレジスト工程とにより形成する。このとき、ドレイン配線18上方の層間絶縁膜19と、Csバスライン13上方の層間絶縁膜19及び絶縁膜14とを除去し、これにより、Csバスライン13上方に位置するコンタクトホール27aと、ドレイン配線18上方に位置するコンタクトホール27bとが形成される。
【0078】
その後、Cr等の金属の単層、又は、Cr等の金属及び/若しくはITO等の透明導電膜の多層膜からなるドレイン電極20及びCs電極21をスパッタリングとフォトレジスト工程とにより形成する。このとき、ドレイン電極20の幹部22aは、コンタクトホール27bを介してドレイン配線18と接触することによって、ドレイン電極20は、ドレイン配線18に接続される。また、Cs電極21の幹部22bは、コンタクトホール27aを介してCsバスライン13と接触することによって、Cs電極21は、Csバスライン13に接続される。
【0079】
また、このとき、ドレイン電極20及びCs電極21は、同一面上に形成されることとなる。このように、ドレイン電極20及びCs電極21を同一層に配置することによって、ドレイン電極20及びCs電極21によって発生する電界の斜め成分を減少させることができ、その結果、斜め視野における白浮きの発生をより抑制することができる。なお、ドレイン電極20及びCs電極21は、異なる層として形成されてもよいが、この場合、ドレイン電極20及びCs電極21によって発生する電界の斜め成分が増加し、斜め視野における白浮きの抑制効果が低減してしまう。
【0080】
また、図7及び8に示すように、ドレイン電極20及びCs電極21上方における液晶分子は、電場を印加した状態でもほとんど配向せず、すなわち垂直配向のままである。したがって、ドレイン電極20及びCs電極21上方の領域は、画素の光透過率にあまり寄与しないことから、ドレイン電極20及びCs電極21は、透明な導電性物質から形成される必要は特になく、不透明な導電性物質であってもよい。電極境界付近の液晶分子の配向は、スリット部(ドレイン電極20及びCs電極21間の隙間)の液晶分子の配向に比べて、より立った状態となっている。すなわち、電極境界付近の液晶長軸は、スリット部の液晶長軸と比べて、絶縁基板11aの主面に対してより垂直に近い状態となっている。したがって、不透明な導電性物質を用いてドレイン電極20又はCs電極21(より好ましくは、ドレイン電極20及びCs電極21)を形成することよって、この電極境界付近の液晶分子の配向を遮光することができ、その結果、斜め視野での白浮きをより改善することができる。なお、不透明な導電性材料としては、例えば、Cr等の金属が挙げられる。
【0081】
本実施形態において、ドレイン電極20の各枝部23aの幅La1は適宜設定することができるが、2.5μm以上であることが好ましい。枝部23aの幅La1は、画素の光透過率を増加させる観点からは、狭ければ狭いほどよい。しかしながら、枝部23aの幅La1が2.5μm未満であると、枝部23aの一方の端部上方に位置する液晶分子と枝部23aの他方の端部上方に位置する液晶分子との間における配向(配向境界)の分離が安定せず、枝部23aの両端部上方において配向ぶれが発生し、その結果、応答速度が遅くなる場合がある。一方、Cs電極21の各枝部23bの幅Lb1も、枝部23aと同様に2.5μm以上であることが好ましい。
【0082】
なお、ドレイン電極20の各枝部23aの幅La1と、Cs電極21の各枝部23bの幅Lb1とは、必ずしも同じ幅である必要はないが、ドレイン電極20とCs電極21を同一層で形成する場合を考慮し、製造プロセス(エッチングの均一性)の観点からは、同程度であることが好ましい。
【0083】
また、ドレイン電極20の各枝部23aと、Cs電極21の各枝部23bとの間の間隔S1は適宜設定することができるが、小さすぎると斜め電界が増加し、白浮きの抑制効果が減少し、一方、大きければ画素の光透過率は増加する反面、応答速度が遅くなる。したがって、枝部23a及び枝部23b間の間隔S1は、より具体的には、2.5μm以上、5.0μm以下であることが好ましい。
【0084】
ドレイン電極20の幹部22aの幅(幹部22aの長手方向(延伸方向)に対して垂直な方向における長さ)は適宜設定することができるが、2.5μm以上であることが好ましい。一方、Cs電極21の幹部22bの幅(幹部22bの長手方向(延伸方向)に対して垂直な方向における長さ)も、幹部22aと同様に2.5μm以上であることが好ましい。
【0085】
続いて、対向基板50の製造方法について説明すると、まず、ガラス等の透明な絶縁基板11b上に、従来公知の方法により、不透明な金属(例えばCr)、有機膜(例えば炭素を含有するアクリル樹脂)等からなる遮光膜と、有機膜(例えば顔料を含有するアクリル樹脂)等からなる色層52とを形成する。
【0086】
そして、遮光膜及び色層52の上層に、ITO等の透明導電膜からなるストライプ状の複数の対向電極53をスパッタリングとフォトレジスト工程とにより形成する。
【0087】
このようにして製造されたアクティブマトリクス基板10及び対向基板50の対向面上に、ポリイミド等の有機膜からなる第一垂直配向膜25及び第二垂直配向膜54を形成する。なお、第一垂直配向膜25及び第二垂直配向膜54の材料としては、従来のMVAモードに使用される垂直配向膜材料を用いることができる。
【0088】
次に、アクティブマトリクス基板10及び対向基板50の一方の上に、アクティブマトリクス基板10及び対向基板50の間隔を一定に保つためのスペーサを散布するとともに、アクティブマトリクス基板10及び対向基板50を封止するためのシール材を塗布した後、アクティブマトリクス基板10及び対向基板50を第一垂直配向膜25及び第二垂直配向膜54が対向するように貼り合わせる。本実施形態において、画素の開口部(光を透過する領域)における液晶層30の厚み(セルギャップ)d1は、2〜5μm程度とする。
【0089】
そして、シール材の開口部である注入口からアクティブマトリクス基板10及び対向基板50の隙間に液晶材料を充填し、注入口封止することによって、液晶層30を形成する。液晶材料としては、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶を用いる。また、液晶材料としては、屈折率異方性Δn=0.06〜0.2程度、誘電率異方性Δε=2.5〜8程度、ネマチック−アイソトロピック相転移温度Tni=70〜120℃を示すものが好適である。
【0090】
次に、アクティブマトリクス基板10の外側の主面にネガティブCプレート42を貼り付けた後、アクティブマトリクス基板10及び対向基板50の外側の主面に偏光板41a、41bを貼り付ける。このとき、偏光板41aと、偏光板41bとは、液晶表示パネル100を平面視したときに、これらの透過軸がゲートバスライン12及びソースバスライン16のいずれかと平行となるように配置される。
【0091】
このようにして、本実施形態の液晶表示パネル100を作製ことができる。続いて、液晶表示パネル100に、Vd1出力用ドライバチップ61、ゲートドライバチップ62及びVc出力用ドライバチップ65をCOG(Cip On Glass)方式により実装する。
【0092】
最後に、FPC基板63を液晶表示パネル100に接続するととも、液晶表示パネル100とバックライトユニットとを筐体内に格納することによって、液晶表示装置200を作製することができる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態の液晶表示装置200によれば、垂直配向で得られる高コントラストを維持しつつ、斜め視野における白浮きを改善することよって、広視野角、かつ高コントラストを実現することができる。
【0094】
なお、本実施形態の液晶表示装置200において、対向電極53は、MVAモードの対向電極(共通電極)と同様に、表示領域の全面を覆うように形成されてもよい。これにより、製造工程の簡略化が可能となる。しかしながら、各画素に対応してきめ細かな電位設定を可能にし、より優れた表示品位を実現する観点からは、上述のように、対向電極53は、各画素列に対応して形成されることが好ましい。
【0095】
また、本実施形態の液晶表示装置200において、対向電極53は、設けられなくてもよい。これにより、製造工程の更なる簡略化が可能となる。
【0096】
ここで、対向電極がない液晶表示パネルの動作についてシミュレーションを行った結果について説明する。図9は、対向電極がない実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、低階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。図10は、対向電極がない実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、高階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。図9(低階調時の図)は、ドレイン電極20に対して10Vを、Cs電極21に対して0Vを印加した状態を示す。すなわち、図9においては、ドレイン電極20の電位Vd1=10V、Cs電極21の電位Vd2=0Vとした。一方、図10(高階調時の図)は、ドレイン電極20に対して20Vを、Cs電極21に対して0Vを印加した状態を示す。すなわち、図10においては、ドレイン電極20の電位Vd1=20V、Cs電極21の電位Vd2=0Vとした。なお、本シミュレーションは、対向電極を配置しなかったこと以外は、図7及び8に示したシミュレーションと同様の条件によって行った。
【0097】
シミュレーションの結果、図9及び10に示すように、本実施形態の液晶表示パネル100は、対向電極が設けられなくとも、アクティブマトリクス基板10付近の液晶分子を水平配向させることができるとともに、水平配向した液晶分子の層の厚みを変化させることによって階調表示が可能であることがわかる。しかしながら、対向電極53を設けなかった場合、アクティブマトリクス基板10側の水平配向した液晶分子の配向の影響により、対向基板50側の液晶分子が斜め方向に若干配向してしまう(図9及び10中の一点差線で囲まれた領域参照)。したがって、対向基板50に対向電極53を設けない形態は、白浮きの抑制効果に関して若干不利な形態であることが分かった。一方、対向電極53を設け、対向電極53に印加される電位Vcを適宜調節することによって、液晶表示パネル100は、アクティブマトリクス基板10側の液晶分子が斜め方向に配向するのを抑制できることがわかった。
【0098】
(比較形態1)
MVAモードの液晶表示パネルの動作についてシミュレーションを行った結果について説明する。図11は、比較形態であるMVAモードの液晶表示パネルを示す断面図であり、低階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【0099】
このシミュレーションにおける各種条件は、以下のとおりである。すなわち、液晶分子の誘電率異方性Δε=2.9及び屈折率異方性Δn=0.1とし、液晶層130の厚み(セルギャップ)d2は、3.2μmとした。また、アクティブマトリクス基板110に設けられたドレイン電極120の幅L2は、44.0μmとし、隣接するドレイン電極120間の間隔(ドレイン電極120のスリットの幅)S2は、4.0μmとした。一方、対向基板150の全面には、対向電極(共通電極)153を設けた。また、ドレイン電極120及び対向電極153間の電圧は、2Vに設定した。
【0100】
この結果、MVAモードの液晶表示パネルにおいては、低階調時においても、液晶層の厚み方向の全域に亘って斜め方向に配向した液晶分子が存在する。したがって、斜め視野において白浮きが顕著に発生する。
【0101】
(比較形態2)
IPSモードの液晶表示パネルの動作についてシミュレーションを行った結果について説明する。図12は、比較形態であるIPSモードの液晶表示パネルを示す断面図であり、高階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【0102】
このシミュレーションにおける各種条件は、以下のとおりである。すなわち、液晶分子の誘電率異方性Δε=4.3及び屈折率異方性Δn=0.1とし、液晶層230の厚み(セルギャップ)d3は、4.2μmとした。また、アクティブマトリクス基板210に設けられたドレイン電極220の幅La2と、アクティブマトリクス基板210に設けられたCs電極(共通電極)221の幅Lb2とは、4.0μmとした。更に、ドレイン電極220及びCs電極221間の間隔S3も、4.0μmとした。また、ドレイン電極220及びCs電極221間の電圧は、7Vに設定した。
【0103】
この結果、IPSモードの液晶表示パネルにおいては、高階調時においても、斜め方向に配向する液晶分子が少ないことから、斜め視野における白浮きの発生を抑制することができる。ただし、IPSモードの液晶表示パネルは、黒表示に光漏れが発生しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施形態1の液晶表示パネルの構成を示す平面模式図である。
【図2】実施形態1の液晶表示パネルの構成を示す断面模式図であり、図1中のX−Y線における断面を示す。
【図3】図3は、実施形態1の液晶表示装置の構成を示す模式図であり、(a)は、平面図を示し、(b)は、側面図を示す。
【図4】実施形態1のアクティブマトリクス基板側の構成を示す平面模式図である。
【図5】実施形態1の液晶表示装置におけるタイミングチャートであり、(a)は、ゲートバスライン信号(走査信号)Vgを示し、(b)は、ソースバスライン信号(画像信号)Vd1を示し、(c)は、Csバスライン信号Vd2を示し、(d)は、対向電極に供給される信号Vcを示す。
【図6】実施形態1の液晶表示装置におけるタイミングチャート(電圧波形)であり、ソースバスライン信号(画像信号)Vd1と、Csバスライン信号Vd2と、対向電極に供給される信号Vcとを重ね合わせた図である。
【図7】実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、低階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【図8】実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、高階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【図9】対向電極がない実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、低階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【図10】対向電極がない実施形態1の液晶表示パネルを示す断面図であり、高階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【図11】比較形態であるMVAモードの液晶表示パネルを示す断面図であり、低階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【図12】比較形態であるIPSモードの液晶表示パネルを示す断面図であり、高階調時における液晶層に発生する電界の等電位線と液晶分子の配向方向とをシミュレーションにより求めた結果を示す。
【符号の説明】
【0105】
10、110、210:アクティブマトリクス基板
11:絶縁基板
12:ゲートバスライン
13:Csバスライン(容量保持配線)
14:絶縁膜
15:半導体層
16:ソースバスライン
17:ソース電極
18:ドレイン配線
19:層間絶縁膜
20、120、220:ドレイン電極
21、221:Cs電極
22a、22b:幹部
23a、23b:枝部
24:中心枝部
25:第一垂直配向膜
26:薄膜トランジスタ(TFT)
27a、27b:コンタクトホール
30、130、230:液晶層
41a、41b:偏光板
42:ネガティブCプレート
50、150、250:対向基板
51:絶縁基板
52:色層(カラーフィルタ)
53:対向電極
54:第二垂直配向膜
61:Vd1出力用ドライバチップ
62:ゲートドライバチップ
63:FPC基板
64a、64b、64c、64d:接続配線
65:Vc出力用ドライバチップ
100:液晶表示パネル
121:Cs電極(共通電極)
153:対向電極(共通電極)
200:液晶表示装置
La1、Lb1:枝部の幅
L2:ドレイン電極の幅
La3:ドレイン電極の幅
Lb3:Cs電極(共通電極)の幅
S1:ドレイン電極の各枝部と、Cs電極の各枝部との間の間隔
S2:隣接するドレイン電極間の間隔
S3:ドレイン電極及びCs電極間の間隔
d1、d2、d3:液晶層の厚み(セルギャップ)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第一基板及び第二基板と、該第一基板及び第二基板間に挟持された液晶層とを備える液晶表示装置であって、
該液晶層は、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶を含有し、
該第一基板は、可変電位が印加される第一電極と、第一基板面内かつ画素領域内において第一電極と対峙する第二電極と、液晶層側の表面に形成された第一垂直配向膜とを有し、
該第二基板は、液晶層側の表面に形成された第二垂直配向膜を有し、
該液晶表示装置は、少なくとも第一電極及び第二電極によって液晶層に電界を発生させることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第二基板は、液晶層側に第三電極を有し、
前記液晶表示装置は、第一電極、第二電極及び第三電極によって液晶層に電界を発生させることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第一基板は、スイッチング素子と、該スイッチング素子を介して第一電極に接続され得るソースバスラインとを有し、
前記第三電極は、ソースバスラインが延伸する方向の画素列に長手方向が沿うようにストライプ状に形成されるとともに、可変電位が印加されることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記液晶表示装置は、第一電極及び第二電極間の電圧が第二電極及び第三電極間の電圧よりも大きく、かつ第二電極及び第三電極間の電圧が第一電極及び第二電極間の電圧に比例するように、第一電極、第二電極及び第三電極に電位を印加することを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第一電極及び第二電極は、同一面上に並設されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶表示装置は、第一基板よりも前方にネガティブCプレートを更に備えることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第一電極及び第二電極の少なくとも一方は、不透明な導電性材料を用いて形成されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate