説明

液晶表示装置

【課題】現在の市販品のLEDドライバICを使用し、発光ダイオードに目的の電流を流す技術を提供する。
【解決手段】表示パネルと、発光ダイオード列を有するバックライトと、前記発光ダイオード列を駆動するLEDドライバICとを有し、前記発光ダイオード列は、複数の発光ダイオードで構成され、前記LEDドライバICは、前記発光ダイオード列を流れ、前記LEDドライバICに入力される電流が、所定の定電流となるように、前記発光ダイオード列に印加する電圧を制御する表示装置であって、前記LEDドライバICに入力される基準電流を増幅して前記発光ダイオード列に流す電流増幅部を有し、前記発光ダイオード列には、前記LEDドライバICに入力される電流と、前記電流増幅部により増幅された電流が流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に、バックライトの光源を構成する白色発光ダイオードの駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブ素子として薄膜トランジスタ(TFT)を使用するTFT(Thin Film Transistor)方式の液晶表示装置は、パーソナルコンピュータ等の表示装置として広く使用されている。これらの液晶表示装置は、液晶表示パネルと、液晶表示パネルを照射するバックライトと、液晶表示パネルを駆動する駆動回路と、表示制御回路を備えている。
近年、液晶表示装置では、バックライトの光源として白色発光ダイオードが使用するLEDバックライトが採用されている。このLEDバックライトを採用する液晶表示装置では、LEDバックライトを駆動するLED駆動回路を有し、LED駆動回路は、直列に接続された複数の白色ダイオードを電流駆動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−175382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDバックライトを採用する液晶表示装置において、低コスト化を図る上で、光源として使用される白色発光ダイオードの個数を低減することが有効であるが、白色発光ダイオードの個数が少ない場合には、LEDバックライトの輝度が低下するので、白色発光ダイオードに流す電流を増やし輝度低下を補う必要がある。
一方、LED駆動回路は、LEDドライバICを有するが、現在の市販品のLEDドライバICでは、白色発光ダイオードに目的の電流を流すことができない。
そのため、現在の市販品のLEDドライバICを使用し、コストを低減するために、白色発光ダイオードの個数を減らした場合に、輝度低下を補うために、白色発光ダイオードに流す電流を増やすことができないという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、現在の市販品のLEDドライバICを使用し、発光ダイオードに目的の電流を流すことが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)表示パネルと、発光ダイオード列を有するバックライトと、前記発光ダイオード列を駆動するLEDドライバICとを有し、前記発光ダイオード列は、複数の発光ダイオードで構成され、前記LEDドライバICは、前記発光ダイオード列を流れ、前記LEDドライバICに入力される電流が、所定の定電流となるように、前記発光ダイオード列に印加する電圧を制御する表示装置であって、前記LEDドライバICに入力される基準電流を増幅して前記発光ダイオード列に流す電流増幅部を有し、前記発光ダイオード列には、前記LEDドライバICに入力される電流と、前記電流増幅部により増幅された電流が流れる。
【0006】
(2)(1)において、前記LEDドライバICは、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、第3トランジスタと第4トランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、前記発光ダイオード列の他端は、前記第4のトランジスタに接続され、前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記LEDドライバICに入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4トランジスタに流れ、前記第1トランジスタを流れる電流は、前記LEDドライバICに入力され、前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、前記第4トランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、前記LEDドライバICは、前記第1トランジスタを介して前記LEDドライバICに人力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記LEDドライバICに入力される電流とが、一定の電流となるように、前記発光ダイオード列に印加する電圧を制御する。
【0007】
(3)(1)において、コイルと、前記コイルに流れる電流をオン・オフするスイッチングトランジスタとを有し、前記LEDドライバICは、定電流制御部と、スイッチング部とを有し、前記スイッチング部は、前記スイッチングトランジスタをオン・オフし、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、第3トランジスタと第4トランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、前記発光ダイオード列の他端は、前記第4のトランジスタに接続され、前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記定電流制御部に入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4トランジスタに流れ、前記第1トランジスタを流れる電流は、前記定電流制御部に入力され、前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、前記第4トランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、前記スイッチング部は、前記定電流制御部の制御の下に、前記スイッチングトランジスタをオン/オフし、前記発光ダイオード列の一端に入力される電圧を制御し、前記定電流制御部は、前記第1トランジスタを介して前記定電流制御部に人力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記定電流制御部に入力される電流とが、一定の電流となるように、前記スイッチ部を制御する。
【0008】
(4)(1)において、前記LEDドライバICは、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、kを1以上の整数とするとき、前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、第3トランジスタと、並列に接続される第4ないし第(4+k)のトランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、前記発光ダイオード列の他端は、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに接続され、前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記LEDドライバICに入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに流れ、前記第1トランジスタを流れる電流は、前記LEDドライバICに入力され、前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、前記LEDドライバICは、前記第1トランジスタを介して前記LEDドライバICに人力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記LEDドライバICに入力される電流とが、一定の電流となるように、前記発光ダイオード列に印加する電圧を制御する。
【0009】
(5)(1)において、コイルと、前記コイルに流れる電流をオン・オフするスイッチングトランジスタとを有し、前記LEDドライバICは、定電流制御部と、スイッチング部とを有し、前記スイッチング部は、前記スイッチングトランジスタをオン・オフし、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、kを1以上の整数とするとき、前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、第3トランジスタと、並列に接続される第4ないし第(4+k)のトランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、前記発光ダイオード列の他端は、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに接続され、前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記定電流制御部に入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに流れ、前記第1トランジスタを流れる電流は、前記定電流制御部に入力され、前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、前記スイッチング部は、前記定電流制御部の制御の下に、前記スイッチングトランジスタをオン/オフし、前記出力端子から出力される電圧を制御し、前記定電流制御部は、前記第1トランジスタを介して前記定電流制御部に人力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記定電流制御部に入力される電流とが、一定の電流となるように、前記スイッチ部を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、現在の市販品のLEDドライバICを使用し、発光ダイオードに目的の電流を流すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】発明の実施例1のLED駆動回路の回路構成を示す回路図である。
【図3】発明の実施例2のLED駆動回路の回路構成を示す回路図である。
【図4】従来のLED駆動回路の回路構成を示す回路図である。
【図5】従来のLED駆動回路において、発光ダイオードに大電流を流す場合の回路構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施例は、本発明の特許請求の範囲の解釈を限定するためのものではない。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施例の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、直下型バックライト(BL)とを有する。液晶表示パネルは、第1基板(SUB1)と第2基板(SUB2)とを有し、第1基板(SUB1)には、薄膜トランジスタ、画素電極などが形成され、第2基板(SUB2)には、遮光膜、カラーフィルタなどが形成される。なお、対向電極は、IPS方式などの横電界方式の液晶表示パネルであれば、第1基板(SUB1)に形成され、VA方式などの縦電界方式の液晶表示パネルであれば、第2基板(SUB2)に形成される。
液晶表示パネルは、第1基板(SUB1)と第2基板(SUB2)とをシール材を介して貼り合わせ、第1基板(SUB1)と第2基板(SUB2)との間に液晶を注入・封止して構成される。また、第1基板(SUB1)と第2基板(SUB2)の外側にはそれぞれ偏光板(図示せず)が設けられる。なお、本発明は、液晶表示パネルの構造とは直には関係がないので、液晶表示パネルの構造については省略する。
【0013】
第1基板(SUB1)の一方の長辺側の周辺には、映像線駆動回路(DRD)が配置され、第1基板(SUB1)の一方の短辺側の周辺には、走査線駆動回路(DRG)が配置される。
映像線駆動回路(DRD)と走査線駆動回路(DRG)とは、表示制御回路(タイミングコントローラ)30により、制御・駆動される。
なお、図1では、映像線駆動回路(DRD)と走査線駆動回路(DRG)とは、それぞれ2個の半導体チップで構成される場合について説明したが、映像線駆動回路(DRD)と走査線駆動回路(DRG)とは、1個の半導体チップで構成してもよい。
バックライト(BL)は光源として白色発光ダイオード(図示せず)を有し、この白色発光ダイオードは、LED駆動回路50で駆動される。また、LED駆動回路50には、表示制御回路30から制御信号が入力される。
電源回路40は、映像線駆動回路(DRD)と走査線駆動回路(DRG)に対して、各画素を駆動するための電圧を供給するとともに、LED駆動回路50に対して、入力電圧(Vin)を供給する。
【0014】
図4は、従来のLED駆動回路の回路構成を示す回路図である。初めに、図4を用いて従来のLED駆動回路の問題点について説明する。
図4において、LED−ICは、半導体集積回路で構成されるLEDドライバ、BLはバックライトであり、LEDドライバ(LED−IC)は、スイッチング部(SWU)と、定電流制御部(CIU)とを有する。また、バックライト(BL)は、複数の発光ダイオード群(GLED)を有する。ここで、発光ダイオード群(GLED)は、複数の白色発光ダイオードで構成される。尚、発光ダイオード群(GLED)は、発光ダイオード列や発光ダイオードアレイと呼ぶこともある。
さらに、図4において、スイッチングトランジスタを構成するMOSトランジスタ(T9)、コイル(L)、ダイオード(D)、コンデンサ(C)、および、スイッチング部(SWU)が昇圧回路部を構成する。スイッチング部(SWU)は、定電流制御部(CIU)の制御の下に、MOSトランジスタ(T9)をオン・オフし、所望の電圧を生成する。
図4に示す従来のLED駆動回路では、定電流制御部(CIU)が、各チャネル(図4では、6個のチャネル)毎に短絡、断線を判定するとともに、抵抗(Ro)に流れる電流(Io)に比例した一定の電流(図4では、20mAの電流)が、各チャネルに流れるように、スイッチング部(SWU)を制御する。これにより、各チャネルに接続された発光ダイオード群(GLED)を、所望の定電流で駆動することができる。例えば、図4では、LEDドライバ(LED−IC)の4個のチャネルに接続された発光ダイオード群(GLED)を、それぞれ20mAの定電流で駆動することができる。
【0015】
但し、図4に示すLEDドライバ(LED−IC)では、各チャネルに流すことのできる電流の最大定電流は50mAである。
そのため、50mA以上の電流で、発光ダイオード群(GLED)を駆動するためには、LEDドライバ(LED−IC)を複数個使用する必要がある。例えば、図5に示すように、各発光ダイオード群(GLED)を、120mAの電流で駆動するためには、1個の発光ダイオード群(GLED)に対して、LEDドライバ(LED−IC)の3個のチャネルを使用し、各チャネル毎に40mAの電流を流して、全体で120mAの電流を、1個の発光ダイオード群(GLED)に流すようにする必要がある。
したがって、4個の発光ダイオード群(GLED)を、それぞれ120mAの電流で駆動する場合には、2個のLEDドライバ(LED−IC)を使用し、4個の発光ダイオード群(GLED)を2系統で駆動する必要がある。このため、高価なLEDドライバIC(図4、図5のLEDドライバ(LED−IC))が2個必要となり、材料費が上がるという問題点があった。
このように、LEDバックライトの光源となる白色発光ダイオードの駆動に、市販のLEDドライバICを使用する場合において、コストを低減するために白色発光ダイオード数を減らしても、図5に示すように、高価な市販のLEDドライバICが2個以上必要となるので、コストを低減することができないという問題点があった。
【0016】
本発明では、バックライトの光源となる白色発光ダイオードの駆動に、市販のLEDドライバICを使用する場合に、LEDドライバICの各チャネルを流れる電流を外部で増幅して、発光ダイオード群(GLED)を駆動する電流を生成することを特徴とする。
図2は、本発明の実施例1のLED駆動回路の回路構成を示す回路図である。
本実施例のLED駆動回路において、昇圧回路部は、従来と同じ回路構成であり、また、バックライト(BL)の発光ダイオード群(GLED)の配列も従来と同じ直列構成となっている。
本実施例のLDE駆動回路は、電流増幅回路(IAMP)を有する点で、図4、図5に示す従来のLED駆動回路と異なっている。
本実施例において、LEDドライバ(LED−IC)の複数のチャネルにそれぞれ発光ダイオード群(GLED)を接続し、それぞれ発光ダイオード群(GLED)に電流を流すと共に、電流増幅回路(IAMP)に電流を流し、また、電流増幅回路(IAMP)は、LEDドライバ(LED−IC)に流れる電流を増幅し、発光ダイオード群(GLED)に電流を流すことを特徴とする。
【0017】
図2に示すように、電流増幅回路(IAMP)は、pnp型バイポーラトランジスタ(以下、単に、トランジスタという;T1,T2)と、npn型トランジスタ(T3〜T7)と、抵抗(R1〜R7)とで構成される。
ここで、pnp型トランジスタ(T1,T2)と、抵抗(R1,R2)とが、第1カレントミラー回路を構成し、npn型トランジスタ(T3〜T8)と、抵抗(R3〜R7)とが、多連出力型の第2カレントミラー回路を構成する。
図2において、第1カレントミラー回路のpnp型トランジスタ(T1)を流れる電流は、LEDドライバ(LED−IC)の複数のチャネルの中の1つのチャネル(ch6)に流れる。
また、4個の発光ダイオード群(GLED)の各々は、npn型トランジスタ(T4〜T7)のコレクタに接続され、4個の発光ダイオード群(GLED)の各々を流れる電流の一部は、LEDドライバ(LED−IC)の複数のチャネルの中のチャネル(ch1〜ch4)に流れる。
【0018】
一般に、カレントミラー回路では、カレントミラー回路を構成するトランジスタ対のエミッタ抵抗の抵抗比、あるいは、トランジスタ対のエミッタ面積の面積比を変えることにより、カレントミラー回路を構成するトランジスタ対に流れる電流比を変化させることができる。
したがって、抵抗(R1)と抵抗(R2)の抵抗比と、抵抗(R3)と抵抗(R4〜R7)の抵抗比を適宜変化させ、即ち、第1カレントミラー回路のミラー比(m)と、第2カレントミラー回路のミラー比(n)とを所定の値適に設定することにより、npn型トランジスタ(T4〜T7)を流れる電流の電流値を、pnp型トランジスタ(T1)を流れる電流の電流値の(m×n)倍(換言すれば、電流増幅回路(IAMP)の増幅度)に設定することができる。
今、図2に示すように、LEDドライバ(LED−IC)の各チャネルに流れる電流の電流値を、5mAとし、前述の(m×n)を23に設定すると、npn型トランジスタ(T4〜T7)を流れる電流の電流値を115mAとすることができるので、4個の発光ダイオード群(GLED)の各々には、LEDドライバ(LED−IC)の各チャネルに流れる5mAの電流と、npn型トランジスタ(T4〜T7)に流れる115mAの電流を加算した、120mAの電流を流すことが可能となる。
このため、LEDドライバ(LED−IC)は、1つで済み、本実施例のLED駆動回路は、図5に示す従来のLED駆動回路より安価に構成することが可能となる。
【0019】
[実施例2]
図3は、本発明の実施例2のLED駆動回路の回路構成を示す回路図である。
本実施例のLED駆動回路は、4個の発光ダイオード群(GLED)の各々に流す電流として、更なる大電流が必要な場合の実施例であり、npnトランジスタ(T4〜T7)に並列に、npnトランジスタ(T14〜T17)を接続し、前述の実施例1と比して、4個の発光ダイオード群(GLED)の各々から、電流増幅回路(IAMP)に2倍の電流を流せるようにした実施例である。
本実施例では、LEDドライバ(LED−IC)の各チャネルに、5mAの電流が流れ、前npnトランジスタ(T4〜T7)の各々に、115mAの電流が流れ、npnトランジスタ(T14〜T17)の各々に、115mAの電流が流れるので、4個の発光ダイオード群(GLED)には、235mAの電流が流れることになる。
また、本実施例では、発光ダイオード群(GLED)に流れる電流が増加するため、図3のAの領域内の部品(即ち、昇圧回路部(CUB)の、MOSトランジスタ(T9)、コイル(L)、ダイオード(D)、およびコンデンサ(C)の各部品)は、大電流が流せるものを使用する。
なお、本実施例において、npnトランジスタ(T4〜T7)に並列に、接続するnpnトランジスタの個数は、1個に限定されるものではなく、2個以上接続するようにしてもよい。
また、前述の説明では、本発明を、液晶表示装置に適用した実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明は、バックライトを備える表示装置全てに適用可能であることは言うまでもない。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0020】
30 表示制御回路(タイミングコントローラ)
40 電源回路
50 LED駆動回路
T1〜T8,T14〜T17 バイポーラトランジスタ
T9 MOSトランジスタ
R1〜R7,R14〜R17 抵抗
BL 直下型バックライト
SUB1 第1基板
SUB2 第2基板
DRD 映像線駆動回路
DRG 走査線駆動回路
LED−IC LEDドライバ
SWU スイッチング部
CIU 定電流制御部
GLED 発光ダイオード群
L コイル
D ダイオード
C コンデンサ
R 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
発光ダイオード列を有するバックライトと、
前記発光ダイオード列を駆動するLEDドライバICとを有し、
前記発光ダイオード列は、複数の発光ダイオードで構成され、
前記LEDドライバICは、前記発光ダイオード列を流れ、前記LEDドライバICに入力される電流が、所定の定電流となるように、前記発光ダイオード列に印加する電圧を制御する表示装置であって、
前記LEDドライバICに入力される基準電流を増幅して前記発光ダイオード列に流す電流増幅部を有し、
前記発光ダイオード列には、前記LEDドライバICに入力される電流と、前記電流増幅部により増幅された電流が流れることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記LEDドライバICは、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、
前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、
第3トランジスタと第4トランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、
前記発光ダイオード列の他端は、前記第4のトランジスタに接続され、
前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記LEDドライバICに入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4トランジスタに流れ、
前記第1トランジスタを流れる電流は、前記LEDドライバICに入力され、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、
前記第4トランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、
前記LEDドライバICは、前記第1トランジスタを介して前記LEDドライバICに入力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記LEDドライバICに入力される電流とが、一定の電流となるように、前記発光ダイオード列に印加する電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
コイルと、
前記コイルに流れる電流をオン・オフするスイッチングトランジスタとを有し、
前記LEDドライバICは、定電流制御部と、スイッチング部とを有し、
前記スイッチング部は、前記スイッチングトランジスタをオン・オフし、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、
前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、
第3トランジスタと第4トランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、
前記発光ダイオード列の他端は、前記第4のトランジスタに接続され、
前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記定電流制御部に入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4トランジスタに流れ、
前記第1トランジスタを流れる電流は、前記定電流制御部に入力され、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、
前記第4トランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、
前記スイッチング部は、前記定電流制御部の制御の下に、前記スイッチングトランジスタをオン/オフし、前記発光ダイオード列の一端に入力される電圧を制御し、
前記定電流制御部は、前記第1トランジスタを介して前記定電流制御部に人力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記定電流制御部に入力される電流とが、一定の電流となるように、前記スイッチ部を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1カレントミラー回路のミラー比をm、第2カレントミラー回路のミラー比をn、前記第1トランジスタを流れる電流をIo、前記第4トランジスタに流れる電流をIとするとき、I=m×n×Ioを満足することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記LEDドライバICは、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、
kを1以上の整数とするとき、前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、
第3トランジスタと、並列に接続される第4ないし第(4+k)のトランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、
前記発光ダイオード列の他端は、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに接続され、
前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記LEDドライバICに入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに流れ、
前記第1トランジスタを流れる電流は、前記LEDドライバICに入力され、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、
前記第4ないし第(4+n)のトランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、
前記LEDドライバICは、前記第1トランジスタを介して前記LEDドライバICに人力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記LEDドライバICに入力される電流とが、一定の電流となるように、前記発光ダイオード列に印加する電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
コイルと、
前記コイルに流れる電流をオン・オフするスイッチングトランジスタとを有し、
前記LEDドライバICは、定電流制御部と、スイッチング部とを有し、
前記スイッチング部は、前記スイッチングトランジスタをオン・オフし、入力電圧を昇圧して前記発光ダイオード列の一端に入力し、
kを1以上の整数とするとき、前記電流増幅部は、第1トランジスタと第2トランジスタとを有する第1カレントミラー回路と、
第3トランジスタと、並列に接続される第4ないし第(4+k)のトランジスタとを有する第2カレントミラー回路とを有し、
前記発光ダイオード列の他端は、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに接続され、
前記発光ダイオード列に流れる電流の一部は、前記定電流制御部に入力され、前記発光ダイオード列に流れる電流の残りは、前記第4ないし第(4+k)のトランジスタに流れ、
前記第1トランジスタを流れる電流は、前記定電流制御部に入力され、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタに流れる電流に対応した電流を前記第3トランジスタに流し、
前記第4ないし第(4+n)のトランジスタには、前記第3トランジスタに流れる電流に対応した電流が流れ、
前記スイッチング部は、前記定電流制御部の制御の下に、前記スイッチングトランジスタをオン/オフし、前記出力端子から出力される電圧を制御し、
前記定電流制御部は、前記第1トランジスタを介して前記定電流制御部に人力される電流と、前記発光ダイオード列を介して前記定電流制御部に入力される電流とが、一定の電流となるように、前記スイッチ部を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1カレントミラー回路のミラー比をm、第2カレントミラー回路のミラー比をn、前記第1トランジスタを流れる電流をIo、前記第4トランジスタに流れる電流をIとするとき、I=m×n×k×Ioを満足することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−186350(P2012−186350A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49065(P2011−49065)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】