説明

液晶表示装置

【課題】セル厚均一性の向上と上下基板間の導通不良の低減及び液晶材料の注入不良の低減を両立する。
【解決手段】液晶表示装置は、第1基板、第2基板、第1電極、第2電極、液晶層17、シール材3、このシール材に囲まれた領域内に設けられた複数の第1柱状スペーサー24及び複数の第2柱状スペーサー23、シール材3に混入された複数の球状スペーサー並びに複数の導電性粒子を備える。シール材に囲まれた領域は、第1電極と第2電極が配置された有効表示領域1、当該有効表示領域を囲む非表示領域2、及び当該非表示領域2とシール材3に挟まれた外周領域を含み、有効表示領域には複数の第1柱状スペーサー24が配置され、非表示領域には複数の第2柱状スペーサー23が配置され、外周領域には複数の第1柱状スペーサー24と複数の第2柱状スペーサー23のいずれも配置されていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂等で形成される柱状スペーサーを用いてセル厚を制御する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下基板間に配置された液晶層内の液晶分子が電圧無印加時において各基板に対してほぼ垂直に配向する垂直配向型の液晶表示装置(液晶表示素子)は、正面観察時における液晶層のリタデーションがゼロまたはほぼゼロであるため、上下基板を挟んで配置される各偏光板をクロスニコル配置とした場合には偏光板自体による消光性能が発揮されることにより非常に良好な黒表示特性を実現することができる。さらに、液晶層と上下の各偏光板間の少なくとも一方に視角補償板を配置することにより、電圧無印加時における視角特性が良好なノーマリーブラック型の液晶表示装置が得られる。
【0003】
また、液晶層と基板の界面において液晶分子を水平配向に制御し、かつ液層分子の方位角方向における配向方向を上下基板間で180°〜240°程度回転させた超ねじれネマティック(STN)型液晶表示装置は、所定構造の補償セルを組み合わせることにより光学的な補償を実現することが可能であり、これをクロスニコル配置した偏光板間に配置することにより良好な暗表示が得られる。ここでいう補償セルとは、被補償セルとの関係で、互いに液晶分子の方位角方向における回転方向が逆であり、かつ液晶層の中央における液晶分子の配向方向が互いに略直交するようにして配置されるものである。なお、この補償セルは、同様な光学特性を有する液晶性高分子フィルムなどの光学板で代替することもできる。
【0004】
上記に例示したような液晶表示装置では、一般に、上下基板の間隔(セル厚)を維持するために上下基板間にスペーサーを分散して配置する。スペーサーとしては、例えば有機材料等からなる球状スペーサーが広く用いられている。この球状スペーサーは、液晶表示装置の製造過程において、例えば特開2001−21899号公報(特許文献1)に開示されるような乾式散布法を用いて上下基板間に均等かつランダムに散布される。しかし、球状スペーサーをランダムに散布していることから表示領域(表示画素)内にも球状スペーサーが配置されるため、電圧無印加時あるいは電圧印加時において液晶層の配向不良を誘発し、これに伴う表示品位の低下を招く場合がある。
【0005】
これに対して、上下基板間の意図した場所に、感光性樹脂等からなる柱状スペーサーを設けることによりセル厚を維持する構造の液晶表示装置が提案されている。このような液晶表示装置では、配向不良が発現しないような位置を選んで柱状スペーサーを配置することができるため、表示品位の向上を図ることが可能となる。このような柱状スペーサーは、例えば、矩形状の画素がマトリクス状に配置されたドットマトリクス型の液晶表示装置に用いられる場合であれば、画素間を遮光するブラックマトリクスの下に配置し、画素内には配置しないようにした構造が広く知られている。また、上記した垂直配向型やSTN型の液晶表示装置をノーマリーブラック型に構成し、マルチプレックス駆動により動作させモノクロ表示を実現する場合には、上記したようなブラックマトリクスを設けないため、柱状スペーサーとしては黒色顔料粒子やカーボン粒子を含有する感光性樹脂を用いることが有効である。ただし、感光性樹脂の場合には光透過度や粒子の分散均一性を維持するためには膜厚をあまり厚くできないことから、セル厚を3μm超とすることは困難であるため、それ以上のセル厚を望む場合には黒色顔料粒子等を含有しない透明な感光性樹脂を用いて柱状スペーサーが形成される。
【0006】
ところで、上記したマルチプレックス駆動により動作させる液晶表示装置においては、規則的に配列された複数の画素部からなるドットマトリクス表示部と任意の文字や図案を表示するセグメント表示部が混在したものが存在する。この場合、特にセグメント表示部においては1つの文字や図案の大きさが任意であることから、従来のように表示領域外に柱状スペーサーを配置することだけではセル厚を均一にすることが困難である。このようなセル厚の不均一は液晶表示装置の表示品位の低下を招く。例えば、垂直配向型の液晶表示装置においては、セル厚均一性が十分でないと表示部に対する法線から斜めの深い角度にて観察したときに電圧無印加領域(非表示部、暗表示部並びに有効表示領域外)の色調にムラが観察され、表示品位が不十分となる。特に、液晶層のリタデーションが大きく、液晶材料のΔnが大きい場合に顕著である。また、ノーマリーブラック型に構成したSTN型の液晶表示装置においては、セル厚均一性が十分でないと正面観察時において電圧無印加領域の色調にムラが観察され、表示品位が不十分となる。したがって、液晶表示装置のセル厚の均一性を確保するためには、上下基板間に柱状スペーサーをより多く設けたいという要望が生じる。特にセグメント表示部を有する液晶表示装置においてはこの要望が強くなる。
【0007】
しかしながら、上下基板間に配置する柱状スペーサーの数を多くすると、球状スペーサーを用いる場合に比べて、液晶表示装置の製造時における液晶材料の注入工程においてその注入速度の大幅な低下や液晶材料が全体に行き渡らない注入不良を招く。注入速度については、例えば柱状スペーサーを帯状に形成した場合であれば、この柱状スペーサーの延在方向と液晶材料の流動方向が略直交する場合に注入速度が著しく遅くなり、条件によっては全体の半分程度までしか液晶材料が行き渡らない場合がある。また、注入不良については、液晶材料の注入口付近では発生しないが、注入口から離れた位置にあるシール材付近において気泡が発生する場合がある。この現象は液晶材料の注入工程において、液晶セル内排気時間を長くとることや液晶セルを加熱することにより多少は改善されるが、完全には解消できないことがわかった。
【0008】
他方、上下基板の一方側のみに外部回路と接続するための端子部を有し、対向する基板には端子部が存在しない構成とした液晶表示装置においては、上下基板間の導通を図るために上下基板間に導電体を設ける必要がある。このため、例えば液晶層を封止するために設けられるシール材の中に導電性粒子を混入しておき、かつ上下基板を導通させるための配線部をこのシール材と重なるように設けておくという手法がとられる。この場合、導電性粒子の粒径や密度を適切に設定することによりシール材が異方導電機能を呈するので、多数の配線部を相互に短絡させることなく良好に導通させることができる。
【0009】
しかしながら、このような形態の液晶表示装置を作製してみると、特にシール材の付近においてセル厚が設定値よりも大きくなるというセル厚不良が多発することが分かった。このようなセル厚不良の発生した箇所では導電性粒子による導通も不十分となり、表示部の一部または全部が不点灯状態になるという不具合を生じさせる。このような不都合は上記のようなマルチプレックス駆動で動作させる液晶表示装置で特に顕著となる。すなわち、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、上下基板の一方は全画素に共通のいわゆるベタ電極となるので、上下基板間の導通箇所は少なくとも1ヶ所あればよいため上記のような導通不具合を生じにくい。これに対して、マルチプレックス駆動の液晶表示装置においては、一方の基板から他方の基板へ導通させる配線部の数が非常に多いことから、シール材の大部分において導電性粒子を介した導通を図る必要がある。しかしこの場合、元々シール材に混入されている球状スペーサーが上記した柱状スペーサーと重なってしまう確率が大きくなり、結果としてセル厚不良の多発を招くと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−21899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明に係る具体的態様は、セル厚均一性の向上と上下基板間の導通不良の低減を両立することが可能な液晶表示装置を提供することを目的の1つとする。
また、本発明に係る具体的態様は、セル厚均一性の向上と液晶材料の注入不良の低減を両立することが可能な液晶表示装置を提供することを他の目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る一態様の液晶表示装置は、(a)対向配置された第1基板及び第2基板と、(b)前記第1基板の一面側に設けられた第1電極と、(c)前記第2基板の一面側に設けられた第2電極と、(d)前記第1基板と前記第2基板の間に設けられた液晶層と、(e)前記液晶層を囲んで前記第1基板と前記第2基板の相互間に設けられたシール材と、(f)前記第1基板と前記第2基板の間であって前記シール材に囲まれた領域内に設けられており、平面視において相互に異なる形状の複数の第1柱状スペーサー及び複数の第2柱状スペーサーと、(g)前記シール材に混入された複数の球状スペーサー及び複数の導電性粒子を備え、(h)前記シール材に囲まれた領域は、前記第1電極と前記第2電極が配置された有効表示領域、当該有効表示領域を囲む非表示領域、及び当該非表示領域と前記シール材に挟まれた外周領域を含み、(i)前記有効表示領域には前記複数の第1柱状スペーサーが配置され、前記非表示領域には前記複数の第2柱状スペーサーが配置され、前記外周領域には前記複数の第1柱状スペーサーと前記複数の第2柱状スペーサーのいずれも配置されていない、ことを特徴とする液晶表示装置である。
【0013】
上記の液晶表示装置によれば、シール材に近い外周領域には柱状スペーサーをおかないことにより、柱状スペーサーとシール材内の球状スペーサーの干渉によるセル厚不均一並びに導通不良を低減することが可能となる。さらに、シール材内の球状スペーサーによるセル厚保持機能が相対的に低下する有効表示領域においてはセル厚を保持するに十分な柱状スペーサーを自在に配置できるので、セル厚均一性を向上することができる。
上記の液晶表示装置においては、液晶材料の注入不良が生じやすいシール材近傍には柱状スペーサーを置かず、かつその周囲の非表示領域では柱状スペーサーを分散配置することが好ましい。これにより、液晶材料の流動がスムーズになり、注入不良を低減することができる。
【0014】
上記の液晶表示装置においては、前記有効表示領域における前記複数の第1柱状スペーサーの平面視での単位面積当たりのスペーサー専有面積と前記非表示領域における前記複数の第2柱状スペーサーの平面視でのスペーサー専有面積のそれぞれが2%以上4%以下であることがより好ましい。
【0015】
それにより、セル厚均一性をさらに高めることができる。
【0016】
上記の液晶表示装置において、前記非表示領域におけるスペーサー専有面積は、前記有効表示領域におけるスペーサー専有面積と等しい又はこれよりも小さいことも好ましい。
【0017】
非表示領域におけるスペーサー専有面積の相対的な割合を少なくすることで、液晶材料の流動性をより高め、注入不良を低減することができる。
【0018】
上記の液晶表示装置において、例えば前記シール材は、平面視において略矩形状に設けられ、かつ開口部を有する第1辺とこれに向かい合う第2辺を有する。このとき、前記複数の第2柱状スペーサーの各々は、平面視において、前記第1辺及び前記第2辺の延在方向と略直交する方向に延びた略矩形状の輪郭を有することが好ましい。また、前記複数の第2柱状スペーサーの各々は、平面視において、前記シール材の前記第1辺及び前記第2辺の延在方向に対して斜交する線からなる輪郭を有することも好ましい。さらに前記複数の第2柱状スペーサーの各々は、平面視において、少なくとも前記シール材の前記第1辺に近い側が曲線からなる輪郭を有することもまた好ましい。
【0019】
各第2柱状スペーサーを何れかの形状とすることにより、液晶材料の流動性をより高め、注入不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態の液晶表示装置を模式的に示す正面図である。
【図2】液晶表示装置の断面構造の一例を示す部分断面図である。
【図3】シール材に混入された導電性粒子および球状スペーサーと、有効表示領域および非表示領域に配置された柱状スペーサーの相対的なサイズの相違について説明するための概略図である。
【図4】セル厚のスペーサー配置面積依存性を示す図である。
【図5】図4に示す各プロットの(1)式におけるパラメータa,b,c,dを示す図である。
【図6】有効表示領域内に配置される柱状スペーサーの形状の一例を示す概略平面図である。
【図7】非表示領域内に配置される柱状スペーサーの形状の一例を示す概略平面図である。
【図8】非表示領域内に配置される柱状スペーサーの形状の一例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、一実施形態の液晶表示装置を模式的に示す正面図(平面図)である。図1に示す本実施形態の液晶表示装置は、上下基板間に配置された液晶層内の液晶分子が電圧無印加時において各基板に対してほぼ垂直に配向する垂直配向型の液晶表示装置であり、上下基板を挟んで配置される各偏光板をクロスニコル配置としたノーマリーブラックモードを採用している。本実施形態の液晶表示装置は、任意の画像表示を行うための有効表示領域1と、この有効表示領域1を環状に取り囲む非表示領域2と、上下基板の間の液晶層を封止するために上下基板の周縁に沿って環状に設けられたシール材3と、外部から駆動信号を供給するための端子部4と、上記のシール材3と非表示領域2との間に環状に設けられた外周領域(シール際領域)5を備えている。端子部4は、上下基板のいずれか一方の端部に設けられている。シール材3は、平面視において略矩形状であり、4つの辺3a、3b、3c、3dを含み、辺3aに設けられた開口部6が液晶材料の注入口として用いられる。開口部6は図示しない封止材によって封止されている。
【0023】
図2は、図1に示す液晶表示装置の断面構造の一例を示す部分断面図である。図2に示す部分断面図は上述した図1に示すII−II線に対応する断面構造を示したものである。図2に示す構成例の液晶表示装置は、対向配置された上側基板(第1基板)11および下側基板(第2基板)12と、両基板の間に配置された液晶層17を基本構成として備える。
【0024】
上側基板11は、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。下側基板12は、上側基板11と同様に、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。図示のように、上側基板11と下側基板12は、上側電極13aと下側電極14aが対向するようにして、所定の間隙(例えば4μm程度)を設けて貼り合わされている。上側基板11と下側基板12の間隙は、両基板間の有効表示領域1および非表示領域2に配置された柱状スペーサー23、24およびシール材3に混入された球状スペーサーによって保持される。
【0025】
上側電極13aは、上側基板11の一面側に設けられている。同様に、下側電極14aは、下側基板12の一面側に設けられている。上側電極13aおよび下側電極14aは、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。これらの上側電極13a、下側電極14aを介して外部の駆動回路(図示省略)から液晶層17に駆動信号が供給される。上側電極13aと下側電極14aは、例えば、互いが重なった領域が所望の文字や図案を形作るように形成されている(セグメント表示型の場合)。また、上側電極13aは、紙面の左右方向に対応する第1方向に延在するストライプ形状に形成され、下側電極14aは、上記の第1方向と直交する第2方向に延在するストライプ形状に形成されていてもよい。この場合には、上側電極13aと下側電極14aとが互いに交差した領域のそれぞれが画素部を形作り、全体としては規則的に配列された複数の画素部からなるドットマトリクス表示部が構成される。このように上側電極13aと下側電極14aが交差し表示部となっている領域をすべて囲い込む領域を有効表示領域としている。図1においてはすべての表示部を矩形で囲む部分が有効表示領域となっている。
【0026】
接続配線部13bは、上側基板11の一面側の周縁部、より詳細にはシール材3と重畳する位置に設けられている。同様に、接続配線部14bは、下側基板12の一面側の周縁部、より詳細にはシール材3と重畳する位置に設けられている。接続配線部13b、14bは、上側基板11の上側電極13aと端子部4とを電気的に接続するために設けられている。詳細には、シール材3には導電性粒子が混入されており、この導電性粒子を介して接続配線部13bと接続配線部14bが導通する。接続配線部13bは、上側基板11の一面側に設けられた引き回し配線(図示省略)を介して上側電極13aと接続されており、接続配線部14bは、下側基板12の一面側に設けられた引き回し配線(図示省略)を介して端子部4と接続されている。
【0027】
配向膜15は、上側基板11の一面側に、上側電極13aを覆うようにして設けられている。同様に、配向膜16は、下側基板12の一面側に、下側電極14aを覆うようにして設けられている。これらの配向膜15、16は、液晶層17の配向状態を規制するものである。例えば、本実施形態では配向膜15、16として垂直配向膜を用いる。各配向膜15、16にはラビング処理等の一軸配向処理が施されており、かつその配向処理の方向が互い違い(アンチパラレル)となるように配置されている。
【0028】
液晶層17は、上側基板11と下側基板12の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負の液晶材料を用いて液晶層17が構成される。液晶層17に図示された太線は、液晶層17における液晶分子の配向方向を模式的に示したものである。本実施形態の液晶層17は、電圧無印加時における液晶分子の配向方向が上側基板11および下側基板12の各基板面に対してわずかなプレティルト角を有して略垂直に配向する垂直配向モードに設定されている。
【0029】
柱状スペーサー23、24の各々は、上側基板11と下側基板12のいずれか一方(例えば、上側基板11)に固着して設けられており、上側基板11と下側基板12の間隙を保つ機能を果たす。図示のように、柱状スペーサー23は有効表示領域1内に複数配置され、柱状スペーサー24は非表示領域2内に複数配置されている。柱状スペーサー23、24ともに外周領域5には配置されていない。柱状スペーサー23は、例えば一方向に延在するストライプ形状に形成されている。他方、柱状スペーサー24は、例えば矩形状、ひし形状、円形状、楕円形状等に形成されており、非表示領域2内において規則的に配列されている(分散配置されている)。
【0030】
上側偏光板19は、上側基板11の外側に配置されている。同様に、下側偏光板21は、下側基板12の外側に配置されている。上側偏光板19と下側偏光板21は、各々の吸収軸が互いに略直交するように配置されている。また、上側偏光板19と下側偏光板21の各吸収軸は、配向処理の方向に対応して定義される液晶層17の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向に対して略45°の角度をなす位置に設定される。なお、各偏光板と各基板との間には適宜Cプレート等の光学補償板が配置されてもよい。例えば本実施形態では、上側基板11と上側偏光板19の間、下側基板12と下側偏光板22の間のそれぞれに光学補償板20、22が配置されている。
【0031】
図3は、シール材に混入された導電性粒子および球状スペーサーと、有効表示領域1および非表示領域2に配置された柱状スペーサー23、24の相対的なサイズの相違について説明するための概略図である。図3(A)に示すように、柱状スペーサー23(または24)はその高さがd1であり、具体的には例えば4.5μm程度である。これに対し図3(B)に示すように、シール材3に含まれる複数の導電性粒子25はそれぞれの高さ(粒径)が上記のd1と同じかそれより大きい。また図3(C)に示すように、シール材3に含まれる複数の球状スペーサー26はそれぞれの高さ(粒径)が上記のd1よりも小さい。導電性粒子25と球状スペーサー26は、共にシール材3に混入されている。導電性粒子25が混入されていることにより、シール材3は、その厚み方向にのみ選択的に導電性を示す(異方導電性)。
【0032】
次に、図2に示した断面構造を有する液晶表示装置の製造方法の一例を説明する。
【0033】
まず、上側電極13a等を有する上側基板11、下側電極14a等を有する下側基板12をそれぞれ作製した。具体的には、片面が研磨処理され、その表面にSiOアンダーコートが施された後、ITO(インジウム錫酸化物)からなる透明電極が成膜された一対のガラス基板を用意する。これらのガラス基板の透明電極に対してフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程を行うことにより所望の形状にパターニングする。なお、本実施例では省略しているが、必要に応じて、パターニングされた透明電極の一部表面上にSiOなどによる絶縁層を形成してもよい。
【0034】
次に、上側基板11(もしくは下側基板12)の一面上に、感光性樹脂を用いて柱状スペーサー23、24を形成する。例えば、透明ネガ型感光性樹脂材料を上側基板11の一面上に滴下し、この上側基板11をスピンナーにて30秒間ほど回転させることにより、透明ネガ型感光性樹脂材料を基板全面に塗布する。その後、これをホットプレート上で100℃、120秒間の条件で仮焼成する。なお、樹脂膜の膜厚はスピンナーの回転数を変えることにより略0.5μm〜5μm程度まで制御できる。仮焼成した樹脂膜に対して、所望の柱状スペーサー23、24に対応する遮光パターンを有するフォトマスクを介して、高圧水銀ランプを光源とする密着露光機にて紫外線を照射する。この露光は、フォトマスクと樹脂塗布面とを略密着させた状態で行う。その後、濃度1%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に上側基板11を浸漬することにより樹脂膜の現像を行い、ついで純水にてリンスする。基板乾燥後、クリーンオーブン内にて220℃、30分間の条件で本焼成することにより、上側基板11の一面上に各柱状スペーサー23、24が完成する。
【0035】
次に、上側基板11および下側基板12をそれぞれ弱アルカリ溶液および純水にてブラシ洗浄後、基板乾燥し、低圧水銀ランプまたは酸素キャリアを用いた大気圧プラズマ等によるドライ洗浄を行う。次に、各基板にフレキソ印刷法にて所望パターンの配向膜を塗布し、クリーンオーブン内にて90℃で約5分間の条件で仮焼成し、さらに160℃〜280℃で30〜60分間の条件で本焼成する。その後、配向膜に対して配向処理の1つであるラビング処理を行う。液晶層の動作モード等により、ラビング処理は上側基板11と下側基板12のいずれか一方、または双方に対して行われる。一方のみにラビング処理を行う場合には、柱状スペーサー23、24が存在しない下側基板12の配向膜に対して行うことが好ましい。
【0036】
次いで、一方の基板(例えば上側基板11)に、例えばスクリーン印刷法によってシール材3を形成する。シール材3は、液晶表示装置の外形よりわずかに小さい枠状に形成される。このシール材3には球状スペーサー26と導電性粒子25が混入されている。これらの粒径については上記した通りである(図3参照)。シール材3を形成した後、上側基板11と下側基板12を貼り合わせて熱圧着することによりシール材を固着させる。熱圧着の条件は、例えば120℃で1時間とする。
【0037】
次いで、真空注入法等の方法によって、上側基板11と下側基板12の間隙に液晶材料(誘電率異方性Δε<0のもの)を注入し、当該注入に用いた注入口(開口部6)を紫外線硬化樹脂等によって封止した後に、焼成する(例えば120℃、60分間)。これにより液晶層17が形成される。
【0038】
その後、上側基板11および下側基板12を貼り合わせて得られたセルを中性洗剤等で浸漬洗浄し、さらに純水でリンスし、乾燥させる。そして、上側基板11の外側に上側偏光板19および光学補償板20を貼り合わせ、かつ下側基板12の外側に下側偏光板21および光学補償板22を貼り合わせる。上側偏光板19と下側偏光板21のそれぞれは、例えば、液晶層17の略中央における液晶分子の配向方向に対して略45°の角度を有し、かつ互いの吸収軸が直交配置とされる。光学補償板20、22としては、負の一軸光学異方性または負の二軸光学異方性を有する視角補償板が用いられる。最後に、端子部4にフレキシブル基板またはリードフレームを適宜に取り付けることにより液晶表示装置が完成する。
【0039】
次に、上側基板11と下側基板12の相互間距離(すなわちセル厚)と柱状スペーサー23、24の配置面積との関係(面積依存性)について説明する。
【0040】
本実施形態の液晶表示装置では、上側基板11と下側基板12の間隙を保つために両基板間に柱状スペーサー23、24が設けられる。このとき、各柱状スペーサー23、24の配置方法によりセル厚の大きさやその均一性が影響を受けると考えられる。そこで本願発明者らは、各柱状スペーサー23、24の高さd1を略4.5μmの設定値として液晶表示装置を作製した場合における、基板面全体面積に対するスペーサー配置面積の割合を変化させた場合のセル厚を評価した。なお、セル厚については基板面内の複数のポイントで測定し、その平均値、及びばらつきを評価した。
【0041】
各柱状スペーサー23、24を形成するためのフォトマスクは矩形状の開口部が周期的に配置されたパターンを有しており、周期間隔や矩形状開口部の上下左右アスペクト比を変化させることにより配置面積を変化させた。液晶表示装置のサイズは、上側基板11と下側基板12の重なり合う領域が60mm×42mmであり、シール枠内は約58mm×40mmである。配向膜としては垂直配向膜を用い、プレティルト角が略89.9°のアンチパラレル配向になるよう各基板に対してラビング処理を行った。液晶層17を構成する液晶材料としてはΔnが略0.22でΔεが負の値のものを用いた。シール枠内の面内の複数の個所を周期的間隔で測定スポットとし、法線を基準にして極角±30°観察時のリタデーション測定によりセル厚を算出した。
【0042】
図4は、セル厚のスペーサー配置面積依存性を示す図である。図4において、1つの面積比条件におけるセル厚ばらつきより分散σを算出し、その平均セル厚dと3σの半分を加算、減算したプロットの3種類が示されている。セル厚は面積比0.01以下(1%以下)では急激に変化しており、略0.03(3%)程度まで緩やかな変化が続き、それ以上ではさらに緩やかな変化が続き、やがてある値へ漸近する傾向がみられる。各プロットは以下の(1)式によって近似することが可能であり、3種類のプロットに対する近似曲線を図中に示した。
セル厚=d+alog(面積比)+blog(面積比)+clog(面積比) …(1)
【0043】
図5に、各プロットの(1)式におけるパラメータa,b,c,dを示す。ここで、dは面積比が増大した際に漸近する目安になる数値である。本検討においては、柱状スペーサー23、24の単体を触針式段差計で測定した場合は略4.5μm±0.1μmであったが、近似式からはこれよりも低い略4.29μm±0.06μm程度であることが分かった。分散σの大きさは面積比が低い、すなわちセル厚が薄い領域ではかなり大きく、面積比0.02程度で3σは0.6以下、面積比0.03程度で3σは0.3以下程度になる傾向が観察された。したがって良好なセル厚均一性が得られるのは面積比0.02(2%)以上より好ましくは0.03(3%)以上の領域であると考えられる。
【0044】
次に、上記した評価結果に基づく各柱状スペーサー23、24の好適な配置方法について説明する。
【0045】
上側基板11と下側基板12の重なる領域のうち、有効表示領域1には、柱状スペーサー23が配置される。図6は、有効表示領域1内に配置される柱状スペーサー23の形状の一例を示す概略平面図である。図6に示すように、各柱状スペーサー23は、図示のY方向(液晶表示装置の上下方向)に沿って延在するストライプ形状に形成される。このとき、例えば各柱状スペーサー23の幅を0.01mm、相互間隔を0.25mmと設定すると、単位面積当たりのスペーサー専有面積は略0.032(3.2%)となり、上記した柱状スペーサー23の高さよりわずかに低いセル厚がシール枠内で均一に実現できる。有効表示領域1に図6のようなストライプ形状のスペーサーを利用することで、スペーサーの配置間隔を大きくしても設定したセル厚を実現できる。また、ドットマトリクス表示のように上下基板にストライプ形状の電極が設けられている場合、電極間の領域とは重ならない位置にストライプ形状のスペーサーを配置することで、上下電極が交差する画素部に配置されるスペーサーを極力小さくすることができるため好ましい。また、単位面積当たりの周囲面積が、例えば球状のスペーサーを分散配置した場合よりも小さくなるため、電圧印加時の液晶配向均一性への影響も少なくなる。ただし、完全なストライプ形状には限らず液晶注入方向に対し長手方向が向いている間欠帯でも同様のことは言える。
【0046】
上側基板11と下側基板12の重なる領域のうち、有効表示領域1を環状に囲む非表示領域2には、有効表示領域1とは異なる配置パターンの柱状スペーサー24が配置される。図7は、非表示領域2内に配置される柱状スペーサー24の形状の一例を示す概略平面図である。各柱状スペーサー24は、例えば図7(A)に示すように各々が平面視において略正方形状に形成される。これらの柱状スペーサー24は、互いに離間して分散配置され、例えば図7(A)に示すようにX方向、Y方向のそれぞれに沿って等間隔で配置される。例えば、図7(A)に示す各柱状スペーサー24の一辺が0.03mmであり、これらがX方向およびY方向(液晶表示装置の上下方向、左右方向に対応)に対してその重心を0.18mm間隔で配置された場合を考える。この場合、単位面積当たりのスペーサー面積は略3.1%となり、上記に例示した有効表示領域1におけるスペーサー専有面積(3.2%)に比べわずかに低いがほぼ同等である。
【0047】
上記図4のグラフにて示したように、スペーサー専有面積が3%以上であればセル厚はほぼ一定な値が得られる範囲であることからセル厚均一性を著しく損なうことはない。図5に示したセル厚平均のスペーサーの専有面積依存性によれば、飽和するセル厚を4.25μmとしたときにそれより略5%(すなわち略0.2μm)低いセル厚が実現でき、セル厚均一性が損なわれないスペーサー専有面積は、面積比が2%〜4%の範囲内であるといえる。したがって、有効表示領域1および非表示領域2のそれぞれにおけるスペーサー専有面積はこの範囲内にあることが好ましく、かつ非表示領域2のスペーサー専有面積は有効表示領域1のスペーサー専有面積と等しいか少ない方が好ましい。
【0048】
上側基板11と下側基板12の重なる領域のうち、非表示領域2を環状に囲む外周領域5には、スペーサー(柱状スペーサー、球状スペーサー等)が配置されていない。この外周領域5は、例えば、シール材3の内側エッジから0.5mm〜10mm程度の範囲に設定される。上記したようにシール材3には、柱状スペーサー23の高さd1よりも小さい粒径の球状スペーサー26と、柱状スペーサー23の高さd1と等しいかこれより大きい粒径の導電性粒子25がいずれも0.5〜4wt%程度分散されている。この場合、仮にシール材3の下に柱状スペーサーが存在すると、この柱状スペーサーとシール材中の球状スペーサー26とが重なる領域が発生し、設計値よりもセル厚が大きくなる場合がある。このように柱状スペーサーとシール材中の球状スペーサー26が重なる領域やその近傍領域では、シール材中の導電性粒子25と各接続配線部13b、14bとの接触が不十分になり、導通不良を発生させる。したがって、少なくともシール材3の直下に柱状スペーサーを配置しなければこのような不具合は発生しない。さらに、製造時のバラツキ等を考慮し、シール材3の内側エッジからある程度の範囲にスペーサーが存在しない外周領域5を設けることにより上記の不具合をより確実に防ぐことができる。
【0049】
ここで、液晶表示装置の製造過程において、液晶材料の注入時に注入口である開口部6の存在する一辺以外の三辺におけるシール材3の近傍で気泡が発生しやすいという不都合がある。この不都合は、シール材3の近傍では液晶材料の注入時に液晶材料の流れが妨げられることに起因すると考えられる。しかし、上記のように非表示領域2では各柱状スペーサー24を分散配置し、外周領域5ではスペーサーを配置しないことによりこの不都合を回避できる。
【0050】
本実施形態の液晶表示装置では、電極面近傍に遮光膜を設けていないことから、シール材3と上側基板11、下側基板12の各々の間の一部に配向膜を形成することでシール材近傍の光り抜けを抑制する構造を取っているためシール材近傍では液晶材料が流動しにくい。また、本実施形態の液晶表示装置では、基板面内に配置された柱状スペーサーの高さよりもシール材に混入された球状スペーサーの粒径のほうが小さいので、上側基板11と下側基板12の距離、つまりセル厚の大きさが基板面内よりもシール材3の近傍において小さくなっていると考えられ、このことも液晶材料の注入速度を低下させる要因となっている。
【0051】
そこで、液晶材料の注入速度を改善するためにシール材3の近辺である外周領域5にはスペーサーを配置しない構造を採用した。このスペーサーが配置されない外周領域5の幅はシール材3の内側エッジから0.5mm以上10mm以下に設定することが好ましい。なぜなら、10mm以内であればシール材3の近辺におけるセル厚均一性を保持できることが確認できたからである。
【0052】
また、非表示領域2については、出来るだけスペーサーの配置数を減少させる工夫が必要である。その理由は、液晶材料の注入時の流動性を阻害する要素を出来るだけ排除するためである。したがって、セル厚が維持できるのであれば有効表示領域1に比べスペーサー専有面積を減らすことは有効である。これについて、柱状スペーサー24の各々のスペーサー面積を大きくすることが有効であるが、注入方向と直交する柱状スペーサー24の側面を多くすることは好ましくない。ここで、液晶材料は概ね、シール材3の辺3aに設けられた開口部6から、辺3aと向かい合う辺3bに向かって流動する。このため、例えば図7(B)に示すように、平面視において、液晶材料の流動方向、すなわちシール材の辺3aおよび辺3bの延在方向と直交する方向(X方向)に対して斜交する(平行でも直交でもない)線からなるひし形状の輪郭を有する柱状スペーサー24や、図7(C)に示すように液晶材料の流動方向に対して直交しない曲面を少なくともシール材3の辺3aに近い側に設けてなる形状(本例では円状)の輪郭を有する柱状スペーサー24を非表示領域2に分散配置することが有効であると考えられる。また、図8(A)に示すように液晶材料の流動方向、すなわちシール材の辺3aおよび辺3bの延在方向と直交する方向(X方向)と略直交する方向(Y方向)に延びた矩形状の輪郭を有する柱状スペーサー24を非表示領域に分散配置することも有効である。これにより、各柱状スペーサー24の短辺方向における配置間隔を拡大することが可能となり、液晶材料の流動性をより向上させることができる。さらに、図8(B)に示すように、柱状スペーサー24の隅を面取りして曲線状とすることも好ましい。なお、曲線状とされるのは液晶材料の供給源(図中では右側)に近い側の面のみでもよい。
【0053】
以上のような本実施形態によれば、シール材に近い外周領域には柱状スペーサーを置かず、かつ非表示領域では柱状スペーサーを分散配置していることにより、柱状スペーサーとシール材内の球状スペーサーの干渉によるセル厚不均一並びに導通不良を低減することが可能となる。また、液晶材料の注入不良が生じやすいシール材近傍には柱状スペーサーを置かず、かつその周囲の非表示領域では柱状スペーサーを分散配置したことにより、液晶材料の流動がスムーズになり、注入不良を低減することができる。さらに、シール材内の球状スペーサーによるセル厚保持機能が相対的に低下する有効表示領域においてはセル厚を保持するに十分な柱状スペーサーを自在に配置できるので、セル厚均一性を向上することができる。さらに、柱状スペーサー24を分散配置することは単位面積当たりのスペーサーの周囲面積を大きくするが、非表示領域2においては液晶層に電圧印加されることはないため配向不良を起こすことはない。
【0054】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上述した実施形態では垂直配向型の液晶表示装置を例示していたが、液晶層の動作モードはこれに限定されない。具体的には、例えば液晶層内において液晶分子の配向方向が上側基板と下側基板の間で方位角方向に180°〜240°程度のねじれを有するSTN(Super Twisted Nematic)型の液晶表示装置に対しても本発明を適用可能である。この場合には、光学補償板として正の一軸光学異方性または正の二軸光学異方性を示す位相差板を用いるか、基板界面における液晶分子の配向方向と基板に近接する側の遅相軸方向を略直交に配置したねじれ配向高分子液晶フィルム等を用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
1:有効表示領域
2:非表示領域
3:シール材
3a、3b、3c、3d:辺
4:端子部
5:外縁領域
6:開口部
11:上側基板
12:下側基板
13:上側電極
14:下側電極
15、16:配向膜
17:液晶層
19:上側偏光板
20、22:光学補償板(視角補償板)
21:下側偏光板
23、24:柱状スペーサー
25:導電性粒子
26:球状スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された第1基板及び第2基板と、
前記第1基板の一面側に設けられた第1電極と、
前記第2基板の一面側に設けられた第2電極と、
前記第1基板と前記第2基板の間に設けられた液晶層と、
前記液晶層を囲んで前記第1基板と前記第2基板の相互間に設けられたシール材と、
前記第1基板と前記第2基板の間であって前記シール材に囲まれた領域内に設けられており、平面視において相互に異なる形状の複数の第1柱状スペーサー及び複数の第2柱状スペーサーと、
前記シール材に混入された複数の球状スペーサー及び複数の導電性粒子、
を備え、
前記シール材に囲まれた領域は、前記第1電極と前記第2電極が配置された有効表示領域、当該有効表示領域を囲む非表示領域、及び当該非表示領域と前記シール材に挟まれた外周領域を含み、
前記有効表示領域には前記複数の第1柱状スペーサーが配置され、前記非表示領域には前記複数の第2柱状スペーサーが配置され、前記外周領域には前記複数の第1柱状スペーサーと前記複数の第2柱状スペーサーのいずれも配置されていない、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記非表示領域におけるスペーサー専有面積は、前記有効表示領域におけるスペーサー専有面積と等しい又はこれよりも小さい、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記有効表示領域における前記複数の第1柱状スペーサーの平面視での単位面積当たりのスペーサー専有面積と前記非表示領域における前記複数の第2柱状スペーサーの平面視でのスペーサー専有面積のそれぞれが2%以上4%以下である、請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記シール材は、平面視において略矩形状に設けられ、かつ開口部を有する第1辺とこれに向かい合う第2辺を有しており、
前記複数の第2柱状スペーサーの各々は、平面視において、前記第1辺及び前記第2辺の延在方向と略直交する方向に延びた略矩形状の輪郭を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記シール材は、平面視において略矩形状に設けられ、かつ開口部を有する第1辺とこれに向かい合う第2辺を有しており、
前記複数の第2柱状スペーサーの各々は、平面視において、前記シール材の前記第1辺及び前記第2辺の延在方向に対して斜交する線からなる輪郭を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記シール材は、平面視において略矩形状に設けられ、かつ開口部を有する第1辺とこれに向かい合う第2辺を有しており、
前記複数の第2柱状スペーサーの各々は、平面視において、少なくとも前記シール材の前記第1辺に近い側が曲線からなる輪郭を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記シール材は、平面視において略矩形状に設けられ、かつ開口部を有する第1辺とこれに向かい合う第2辺を有しており、
前記複数の第1柱状スペーサーの各々は、前記第1辺及び前記第2辺の延在方向に長手方向が伸びた輪郭を有し、
前記複数の第2柱状スペーサーは、平面視において点在して配置されている、請求項1に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37170(P2013−37170A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172804(P2011−172804)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】