説明

液晶装置の製造装置および液晶装置の製造方法

【課題】液晶パネルと偏光板との光学的位置合わせにおいて基準偏光子を用いる場合と用
いない場合とに容易に対応できる液晶装置の製造装置および製造方法を提供すること。
【解決手段】液晶装置の製造装置100は、液晶パネル50を保持する保持部110と、
偏光板45を保持する保持部114と、光学的異方性を有する第1の部分112aと光学
的異方性を有していない第2の部分112bとを備えた光学素子112と、液晶パネル5
0と光学素子112とを対向する面内で回転させる回転機構116,118と、光源12
0と、光源120から照射され光学素子112と液晶パネル50と偏光板45とを透過し
た光126の強度を測定する測定部129とを備え、回転機構118は、透過する光12
6の光路に対して液晶パネル50に対向する面内で第1の部分112aが配置される位置
と第2の部分112bが配置される位置とに光学素子112を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置の製造装置および液晶装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶装置は、対向配置された一対の基板の間に液晶層が挟持された液晶パネルと、液晶
パネルの両外側に配置された一対の偏光板とを備えている。液晶装置は、偏光光を利用し
て表示を行うため、液晶層における液晶分子の配向方向と、一対の偏光板の光学軸とが所
定の位置関係となるように設定されている。したがって、液晶パネルに偏光板を貼り付け
る工程において、液晶パネルと偏光板との所定の配置位置にずれが生じると、所望の光学
特性(コントラスト等)が得られず表示品質の低下を招くこととなる。
【0003】
そこで、液晶パネルの一方の基板に設けられたアライメントマークを基準にして、偏光
板の外形との位置合わせを行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しか
しながら、上記特許文献1に記載された方法では、アライメントマークと偏光板の外形と
で位置合わせを行うため、偏光板の外形と光学軸とのずれがある場合、液晶パネルに対し
て偏光板の光学軸を正確に位置合わせすることが難しいという課題があった。
【0004】
これに対して、液晶パネルおよび一対の偏光板に対応した複数の異なる基準偏光子を用
いて、液晶パネルの配向方向と一対の偏光板の光学軸との位置合わせを光学的に行う方法
が提案されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−221461号公報
【特許文献2】特開平8−201801号公報
【特許文献3】特開2003−107452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2および特許文献3に記載された方法では、液晶パネルや
各偏光板に対応した基準偏光子を基準にして、液晶配向方向や各偏光板の光学軸をそれぞ
れに個別に位置合わせして貼り付けを行う。このため、上記特許文献2に記載された方法
では、不要な基準偏光子を装置外へ移動させなければならないという課題があり、上記特
許文献3に記載された方法では、液晶パネルと偏光板とで異なる装置を必要とするという
課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る液晶装置の製造装置は、互いに対向して配置された一対の
基板と前記一対の基板の間に挟持された液晶層とを備えた液晶パネルと、前記液晶パネル
の両外側に配置された一対の光学フィルムと、を備えた液晶装置の製造装置であって、前
記液晶パネルを保持する第1の保持部と、前記第1の保持部の一方の側に配置されており
、前記一対の光学フィルムのうちの一方の光学フィルムを前記液晶パネルに対向させて保
持する第2の保持部と、前記第1の保持部の他方の側に前記液晶パネルに対向して配置さ
れており、光学的異方性を有する第1の部分と光学的異方性を有していない第2の部分と
を備えた光学素子と、前記第1の保持部と前記第2の保持部と前記光学素子とのうちの少
なくとも2つに設けられており、前記液晶パネルと前記一方の光学フィルムと前記光学素
子とのうちの少なくとも2つを対向する面内で回転させる回転機構と、前記光学素子の前
記第1の保持部とは反対側または前記第2の保持部の前記第1の保持部とは反対側に配置
された光源と、前記光源との間に前記光学素子と前記第1の保持部と前記第2の保持部と
を挟んで前記光源に対向配置されており、前記光源から照射され前記光学素子と前記液晶
パネルと前記一方の光学フィルムとを透過した光の強度を測定する測定部と、前記光学素
子を透過する前記光の光路に対して、前記液晶パネルに対向する面内で前記光学素子を相
対的に移動させる移動機構と、を備え、前記移動機構は、前記第1の部分が前記光路上に
配置される位置と、前記第2の部分が前記光路上に配置される位置と、に前記光学素子を
移動可能であることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、光学素子のうち光学的異方性を有する第1の部分を基準偏光子とし
て光路上に配置し、一方の光学フィルムを液晶パネルに光学的に位置合わせして精度良く
貼り付けできる。また、他方の光学フィルムを液晶パネルに貼り付ける際は、精度良く貼
り付けされた一方の光学フィルムを基準にして、液晶パネルに光学的に位置合わせして精
度良く貼り付けできる。このとき、基準偏光子となる光学素子が不要となるが、光学的異
方性を有していない第2の部分が光路上に配置される位置に光学素子を移動させればよい
ので、光学素子を製造装置外へ移動させる必要はない。光学素子の移動は、簡素な移動機
構により小さな移動スペースで行えるので、液晶装置の製造装置は複雑な構成や過剰なス
ペースを必要としない。また、基準偏光子として光学素子を用いる場合と用いない場合と
の双方に、同一の製造装置を用いることができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る液晶装置の製造装置であって、前記光学素子の前記第1
の部分と前記第2の部分とは、前記光学素子を透過する前記光の光束の断面よりも広い領
域を有していてもよい。
【0011】
この構成によれば、光学素子の第1の部分と第2の部分とは光学素子を透過する光の光
束の断面よりも広い領域を有している。これにより、第1の部分または第2の部分を光路
上に配置するときに、光束が第1の部分と第2の部分との双方に跨らないように光学素子
を位置させることができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る液晶装置の製造装置であって、前記移動機構は、前記光
学素子を直線方向に沿って移動させてもよい。
【0013】
この構成によれば、光学素子を第1の部分と第2の部分との間の直線距離だけ移動させ
ればよいので、移動機構を簡素な構造にでき、かつ移動スペースを小さくできる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係る液晶装置の製造装置であって、前記移動機構は、前記光
学素子を回転させることにより移動させてもよい。
【0015】
この構成によれば、光学素子を第1の部分と第2の部分との間の角度だけ回転移動させ
ればよいので、移動機構を簡素な構造にでき、かつ移動スペースを小さくできる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る液晶装置の製造装置であって、前記光学素子に前記回転
機構が設けられており、前記光学素子に設けられた前記回転機構を前記移動機構として用
いてもよい。
【0017】
この構成によれば、移動機構を別途設けることが不要となるとともに、光学素子の移動
スペースが不要となる。これにより、液晶装置の製造装置の構成をより簡素にすることが
できる。
【0018】
[適用例6]上記適用例に係る液晶装置の製造装置であって、前記光学素子の前記第1
の部分は、前記光学素子を少なくとも0度〜180度までの角度で回転させたときに、前
記光学素子を透過する前記光の前記光束が位置する範囲よりも広い領域を有していてもよ
い。
【0019】
この構成によれば、光学的異方性を有する第1の部分を光路上に配置した状態で、第1
の部分の光学軸を少なくとも180度の範囲で回転させることができる。これにより、液
晶パネルの配向方向と光学フィルムの光学軸との位置合わせの際に基準とする光学素子の
光学軸を、液晶装置の光学設計条件から求められる位置に適宜配置することができる。
【0020】
[適用例7]本適用例に係る液晶装置の製造方法は、互いに対向して配置された一対の
基板と前記一対の基板の間に挟持された液晶層とを備えた液晶パネルと、光学的異方性を
有する第1の部分と光学的異方性を有していない第2の部分とを備えた光学素子と、を用
意する工程と、前記液晶パネルの前記一対の基板のうちの一方の基板の外側に前記光学素
子を対向配置するとともに、前記一対の基板のうちの他方の基板の外側に第1の光学フィ
ルムを対向配置した状態で、前記光学素子の前記第1の部分と前記液晶パネルと前記第1
の光学フィルムとを透過するように光を照射し、前記光学素子と前記液晶パネルと前記第
1の光学フィルムとのうちの少なくとも2つを対向する面内で回転させて、前記光学素子
の前記第1の部分と前記液晶パネルと前記第1の光学フィルムとを透過した光の強度を測
定する第1の工程と、前記光の強度の測定結果に基づいて前記光学素子に対する前記液晶
パネルと前記第1の光学フィルムとの対向する面内における相対的な位置関係を決定し、
前記第1の光学フィルムを前記液晶パネルに貼り付ける第2の工程と、前記光学素子を透
過する前記光の光路上に前記第2の部分が位置するように前記光学素子を前記液晶パネル
に対向する面内で移動させた後、前記液晶パネルの前記第1の光学フィルムが貼り付けら
れた側とは反対側に第2の光学フィルムを対向配置した状態で、前記液晶パネルと前記第
2の光学フィルムとのうちの少なくとも1つを対向する面内で回転させて、前記光学素子
の前記第2の部分と前記第1の光学フィルムと前記液晶パネルと前記第2の光学フィルム
とを透過した光の強度を測定する第3の工程と、前記光の強度の測定結果に基づいて前記
液晶パネルに対する前記第2の光学フィルムの対向する面内での相対的な位置関係を決定
し、前記第2の光学フィルムを前記液晶パネルの前記反対側に貼り付ける第4の工程と、
を含むことを特徴とする。
【0021】
この方法によれば、第1の工程および第2の工程において、光学素子のうち光学的異方
性を有する第1の部分を基準偏光子として光路上に配置し、第1の光学フィルムを液晶パ
ネルに光学的に位置合わせして精度良く貼り付けできる。また、第3の工程および第4の
工程においては、精度良く貼り付けされた一方の光学フィルムを基準にして、第2の光学
フィルムを液晶パネルに光学的に位置合わせして精度良く貼り付けできる。このとき、基
準偏光子となる光学素子が不要となるが、光学的異方性を有していない第2の部分が光路
上に配置される位置に光学素子を移動させればよいので、光学素子を取り外したり製造装
置外へ移動させたりする必要がない。また、第1の光学フィルムおよび第2の光学フィル
ムの貼り付けを同一の製造装置で行うことができる。
【0022】
[適用例8]上記適用例に係る液晶装置の製造方法であって、前記光学素子の前記第1
の部分と前記第2の部分とは、前記光学素子を透過する前記光の光束の断面よりも広い領
域を有していてもよい。
【0023】
この方法によれば、光学素子の第1の部分と第2の部分とは光学素子を透過する光の光
束の断面よりも広い領域を有している。これにより、第1の部分または第2の部分を光路
上に配置するときに、光束が第1の部分と第2の部分との双方に跨らないように光学素子
を位置させることができる。
【0024】
[適用例9]上記適用例に係る液晶装置の製造方法であって、前記第3の工程では、前
記光学素子を直線方向に沿って移動させてもよい。
【0025】
この方法によれば、光学素子を第1の部分と第2の部分との間の直線距離だけ移動させ
ればよいので、移動機構を簡素な構造にでき、かつ移動スペースを小さくできる。
【0026】
[適用例10]上記適用例に係る液晶装置の製造方法であって、前記第3の工程では、
前記光学素子を回転させることにより移動させてもよい。
【0027】
この方法によれば、光学素子を第1の部分と第2の部分との間の角度だけ回転移動させ
ればよいので、移動機構を簡素な構造にでき、かつ移動スペースを小さくできる。また、
光学素子に設けられた回転機構を移動機構として用いれば、移動機構を別途設けることが
不要となるとともに、光学素子の移動スペースが不要となる。
【0028】
[適用例11]上記適用例に係る液晶装置の製造方法であって、前記光学素子の前記第
1の部分は、前記光学素子を少なくとも0度〜180度までの角度で回転させたときに、
前記光学素子を透過する前記光の前記光束が位置する範囲よりも広い領域を有していても
よい。
【0029】
この方法によれば、光学的異方性を有する第1の部分を光路上に配置した状態で、第1
の部分の光学軸を少なくとも180度の範囲で回転させることができる。これにより、液
晶パネルの配向方向と光学フィルムの光学軸との位置合わせの際に基準とする光学素子の
光学軸を、液晶装置の光学設計条件から求められる位置に適宜配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、参照する各図面におい
て、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の層厚や寸法の比率、角度等は適宜異なら
せてあり、誇張されている場合もある。
【0031】
<液晶装置>
まず、本実施の形態に係る液晶装置の製造装置および液晶装置の製造方法を用いて製造
される液晶装置の一例について図を参照して説明する。図1は、液晶装置の一例の概略構
成を示す図である。詳しくは、図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)中の
A−A’線に沿った断面図である。図2は、液晶装置の一例の画素の構成を説明する図で
ある。詳しくは、図2(a)は観察側(対向基板側)から見たときの画素の構成を示す平
面図であり、図2(b)は観察側から見たときの液晶パネルの配向方向を示す図である。
図3は、図2(a)中のB−B’線に沿った断面図である。図4は液晶装置の一例の光学
設計条件を示す図である。なお、図2(a)では対向基板の図示を省略している。
【0032】
液晶装置の一例としての液晶装置1は、例えば、スイッチング素子としてTFT(Thin
Film Transistor:薄膜トランジスター)素子を備えたアクティブマトリクス型の液晶装
置であるとともに、FFS(Fringe-Field Switching)方式の透過型の液晶装置である。
【0033】
図1(a)および(b)に示すように、液晶装置1は、液晶パネル50を備えている。
液晶パネル50は、互いに対向して配置された一対の基板としての素子基板10と対向基
板30と、素子基板10と対向基板30との間に挟持された液晶層40とを備えている。
素子基板10と対向基板30とは、枠状のシール剤41を介して対向して貼り合わされて
いる。液晶層40は、素子基板10と対向基板30とシール剤41とによって囲まれた空
間に封入されている。
【0034】
液晶装置1は、液晶パネル50の両外側に配置された一対の光学フィルム、すなわち第
1の光学フィルムとしての偏光板45と、第2の光学フィルムとしての偏光板44とを備
えている。偏光板45は、対向基板30の液晶層40とは反対側の面に配置されている。
偏光板44は、素子基板10の液晶層40とは反対側の面に配置されている。また、図示
しないが、偏光板44の側には、偏光板44に対向して、例えば白色LED(発光ダイオ
ード)からなるバックライト等の照明装置が配置されている。
【0035】
素子基板10は、対向基板30より大きく、一部が対向基板30に対して張り出した状
態で貼り合わされている。この張り出した部位には、液晶層40を駆動するためのドライ
バIC42が実装されている。液晶装置1は、液晶層40が封入された表示領域2におい
て表示を行う。
【0036】
図2(a)に示すように、表示領域2には、走査線12と信号線14とが交差するよう
に形成され、走査線12と信号線14との交差に対応して画素4が設けられている。画素
4は、互いに隣り合う画素4同士の間に間隔が空くようにマトリクス状に配置されている
。画素4は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの表示に寄与し、R、G、Bの各
表示に寄与する3つの画素4から1つの画素群が構成されている。液晶装置1では、各画
素群において3つの画素4のそれぞれの輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行う
ことができる。
【0037】
画素4には、画素電極16と、画素電極16との間で横電界を発生させるための共通電
極18と、画素電極16を制御するためのTFT素子20とが設けられている。
【0038】
画素電極16は、矩形状に形成されており、複数のスリット状の開口部16aを有して
いる。スリット状の開口部16aは、例えば信号線14の延在方向に沿う方向に、互いに
平行に形成されている。画素電極16は、絶縁層24(図3参照)を貫通するコンタクト
ホール24aを介して、TFT素子20のドレイン電極20dに電気的に接続されている
。画素電極16は、透光性を有する導電材料からなり、例えばITO(Indium Tin Oxide
)からなる。
【0039】
共通電極18は、矩形状に形成されており、画素電極16に平面的に重なるように設け
られている。共通電極18は、一辺部において共通配線17に重なっており、この部分で
共通配線17に電気的に接続されている。共通電極18は、透光性を有する導電材料から
なり、例えばITOからなる。
【0040】
TFT素子20は、ゲート電極20gと半導体層20aとソース電極20sとドレイン
電極20dとを備えている。ゲート電極20gは、走査線12の一部である。半導体層2
0aは、ゲート電極20gに平面的に重なる位置に形成されている。ソース電極20sは
、信号線14から分岐した部分であり、その一部が半導体層20aの一部(ソース側)を
覆うように形成されている。ドレイン電極20dは、一部が半導体層20aの一部(ドレ
イン側)を覆うように形成されている。
【0041】
図3に示すように、素子基板10は、基板11を基体として構成されており、基板11
上に、TFT素子20と、共通配線17と、共通電極18と、ゲート絶縁層22と、絶縁
層24と、画素電極16と、配向膜28とを備えている。基板11は、透光性を有する材
料からなり、例えば、ガラス、石英、樹脂等からなる。
【0042】
基板11の液晶層40側には、ゲート電極20gと、共通配線17と、共通電極18と
が形成されている。ゲート絶縁層22は、基板11とゲート電極20gと共通配線17と
共通電極18とを覆うように形成されている。ゲート絶縁層22上には、半導体層20a
とソース電極20sとドレイン電極20dとが形成されている。
【0043】
絶縁層24は、ゲート絶縁層22と、半導体層20aと、ソース電極20sと、ドレイ
ン電極20dとを覆うように形成されている。画素電極16は、絶縁層24上に形成され
ている。画素電極16と共通電極18とはゲート絶縁層22と絶縁層24とを介して対向
しており、画素電極16と共通電極18との間に挟まれたゲート絶縁層22と絶縁層24
とを誘電体膜とする保持容量が形成されている。
【0044】
素子基板10では、画素電極16と共通電極18との間に電圧が印加されると、スリッ
ト状の開口部16aおよびその周辺に横電界が発生する。この横電界によって、液晶層4
0の液晶分子の配向が制御される。なお、画素電極16と共通電極18との配置はこの形
態に限定されない。共通電極18が画素電極16よりも液晶層40側に配置されていても
よい。このような構成の場合は、共通電極18がスリット状の開口部を有することとなる

【0045】
素子基板10の液晶層40に接する側には配向膜28が形成されている。配向膜28は
、例えばポリイミド樹脂からなる。配向膜28の表面には、例えば、信号線14の延在方
向に対して時計回りの方向に5度の角度をなす方向を配向方向28a(図2(b)参照)
として、ラビング処理等の配向処理が施されている。
【0046】
次に、対向基板30は、液晶装置1の観察側に位置している。対向基板30は、基板3
1を基体として構成されており、基板31上に、遮光層32と、カラーフィルター層34
と、オーバーコート層35と、配向膜36とを備えている。
【0047】
基板31は、透光性を有する材料からなり、例えば、ガラス、石英、樹脂等からなる。
遮光層32とカラーフィルター層34とは、基板31上に形成されている。遮光層32は
、基板31上の隣り合う画素4同士の間の領域に配置されている。カラーフィルター層3
4は、画素4の領域に対応して配置されている。カラーフィルター層34は、例えばアク
リル樹脂等からなり、R、G、Bの各色に対応する色材を含有している。オーバーコート
層35は、遮光層32とカラーフィルター層34とを覆うように形成されている。
【0048】
対向基板30の液晶層40に接する側には配向膜36が形成されている。配向膜36は
、例えばポリイミド樹脂からなる。配向膜36の表面には、例えば、観察側から見て信号
線14の延在方向に対して時計回りの方向に5度の角度をなす方向を配向方向36a(図
2(b)参照)として、配向膜28のラビングの向きとは180度異なる向きに、ラビン
グ処理等の配向処理が施されている。
【0049】
液晶層40は、素子基板10と対向基板30との間に配置されている。液晶層40の液
晶分子は、画素電極16と共通電極18との間に電界が発生していない状態(オフ状態)
では、配向膜28と配向膜36とに施された配向処理によって規制される方向、すなわち
配向方向28a,36aに沿って配向する。また、液晶層40の液晶分子は、画素電極1
6と共通電極18との間に電界が発生している状態(オン状態)では、開口部16aの延
在方向と直交する方向に発生する電界に沿って配向する。このように、液晶層40では、
オフ状態とオン状態とで液晶分子をツイストさせることにより、配向状態を制御している

【0050】
次に、図4を参照して、液晶装置1の光学設計条件について説明する。偏光板44,4
5は、光学軸としての透過軸および吸収軸を有している。図4(a)に、偏光板44の透
過軸44tと偏光板45の透過軸45tとを示す。透過軸44tと透過軸45tとは、互
いに直交するように配置されている。なお、液晶装置1は、液晶層40の液晶分子の長軸
方向の光(異常光)を利用して表示するモードの液晶装置である。
【0051】
図4(b)に示すように、画素電極16のスリット状の開口部16aは、信号線14の
延在方向に沿って延在している。オン状態において画素電極16と共通電極18との間に
発生する電界の方向は、信号線14の延在方向と直交する方向、すなわち走査線12の延
在方向に沿った方向である。
【0052】
素子基板10側の配向膜28には、例えば、信号線14の延在方向に対して時計回り方
向に5度の角度をなす方向を配向方向28aとしてラビング処理が施されている。対向基
板30側の配向膜36には、信号線14の延在方向に対して時計回り方向に5度の角度を
なす方向を配向方向36aとして、配向膜28のラビングの向きとは180度異なる向き
にラビング処理が施されている。したがって、配向膜28,36のラビング方向、すなわ
ち液晶層40オフ状態における配向方向28a,36aは、開口部16aの延在方向に対
して時計回り方向に5度の角度をなす方向となる。
【0053】
偏光板44の透過軸44tは配向方向28a,36aと平行であり、偏光板45の透過
軸45tは配向方向28a,36aと直交している。透過軸44t,45tと配向方向2
8a,36aとがこのような所定の位置に配置された場合、液晶装置1は、オフ状態にお
いて照明装置から入射した光が遮断されて暗表示となる。したがって、液晶装置1はノー
マリーブラックモードである。
【0054】
ところで、配向膜28,36の配向方向28a,36aに対する偏光板44,45の透
過軸44t,45tの相対的な位置関係にずれが生じると、オフ状態において入射した光
が少量ではあるが透過してしまい、表示のコントラスト低下を招くこととなる。このため
、配向膜28,36の配向方向28a,36aと偏光板44,45の透過軸44t,45
tとを光学設計上の所定の位置に合わせることが求められる。横電界によって液晶分子の
配向を制御するFFS方式の液晶装置1では、より高精度に位置合わせを行うことが表示
品質を確保する上で重要である。
【0055】
なお、液晶装置1において、画素電極16の開口部16aの延在方向、配向膜28,3
6の配向方向28a,36a、透過軸44t,45tの角度等の光学設計条件は、上記の
形態に限定されるものではない。
【0056】
(第1の実施形態)
<液晶装置の製造装置>
次に、第1の実施形態に係る液晶装置の製造装置について図を参照して説明する。図5
および図6は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造装置の概略構成を示す図であるとと
もに、第1の実施形態に係る偏光板の貼り付け方法を説明する図である。図7は、第1の
実施形態に係る光学素子の構成を説明する図であり、詳しくは、光学素子を図5中の液晶
パネル側から見た平面図である。
【0057】
本実施形態に係る液晶装置の製造装置100は、図5に示すように、第1の保持部とし
ての保持部110と、第2の保持部としての保持部114と、光学素子112と、回転機
構116,118と、光源120と、測定部129とを備えている。
【0058】
保持部110は、液晶パネル50を保持する。保持部114は、液晶パネル50の一方
の側に配置されており、偏光板45(または偏光板44(図6参照))を液晶パネル50
に対向するように保持する。光学素子112は、保持部110の他方の側に液晶パネル5
0に対向するように配置されている。
【0059】
保持部110と保持部114とは、例えば、吸着孔を有しており、液晶パネル50、偏
光板45(または偏光板44)を吸着固定することにより保持する。保持部110と保持
部114とは、液晶パネル50と偏光板45とを互いに平行に保持するように構成されて
いる。
【0060】
保持部110と保持部114とは、少なくとも一部が透光性を有する部材で構成されて
いる。これにより、光源120から照射される光124は、保持部110と保持部114
とを透過する。保持部110と保持部114とは、光124の光路上に光124を透過さ
せる貫通孔等を有していてもよい。
【0061】
光学素子112は、保持部110(液晶パネル50)と保持部114(偏光板45)と
に平行に配置されている。光学素子112は、第1の部分112aと第2の部分112b
とを備えている。第1の部分112aは、光学的異方性を有している。第1の部分112
aは、光学軸としての透過軸112t(図7(a)参照)および吸収軸(図示しない)を
有しており、通常の偏光板よりも高い偏光度を有している。第1の部分112aは、配向
方向28a,36aと偏光板45の透過軸45t(または偏光板44の透過軸44t)と
の位置合わせを行う際の基準偏光子としての役割を果たす。
【0062】
第2の部分112bは、光学的異方性を有していない。つまり、第2の部分112bは
、光学的に等方である。なお、図5、図6、および図7において、光学素子112におけ
る第1の部分112aと第2の部分112bとをわかりやすく示すため、第1の部分11
2aに斜線を施して表示している。光学素子112の構成については、後で詳述する。
【0063】
回転機構116は、保持部110に設けられており、液晶パネル50の表面の法線方向
を回転軸(図示しない)として、保持部110に保持された液晶パネル50を回転させる
。回転機構118は、光学素子112に設けられており、光学素子112の表面の法線方
向に沿った回転軸118cを回転中心として、光学素子112を回転させる。
【0064】
回転機構116と回転機構118とは、例えば、ステップモーター等を内蔵しており、
0.1度程度の角度単位で回転する。回転機構116,118により液晶パネル50と光
学素子112とを個別に回転させることで、光学素子112の第1の部分112aと液晶
パネル50と偏光板45との対向する面内での相対的な位置関係を調整することができる

【0065】
また、回転機構118は、光学素子112を回転させることにより、光学素子112を
透過する光124の光路に対して、液晶パネル50に対向する面内で、光学素子112を
相対的に移動させる役割も果たす。つまり、回転機構118の回転方向に沿って、図5に
示すような第1の部分112aが光124の光路上に配置される位置と、図6に示すよう
な第2の部分112bが光124の光路上に配置される位置とに、光学素子112を移動
可能である。なお、図5および図6において、光学素子112を透過する光124の光束
125を破線で示している。光束125の径は、例えば1mm程度である。
【0066】
偏光板44,45のうちの一方の偏光板を液晶パネル50に貼り付けた後、他方の偏光
板を液晶パネル50に貼り付ける際は、光学素子112は不要となるので光路から退避さ
せる必要がある。本実施形態では、回転機構118により光学素子112を回転方向に移
動させて光学的異方性を有していない第2の部分112bが光路上に配置される位置にす
ればよいので、容易に光学素子112(第1の部分112a)を光路上から退避させるこ
とができる。
【0067】
したがって、光学素子112を取り外したり、光学素子112を液晶装置の製造装置1
00外へ移動させたりする必要はない。また、光学素子112を移動させる移動機構を別
途設けることが不要であるとともに、光学素子112を液晶装置の製造装置100内の他
の場所に移動させるスペースも不要である。
【0068】
光源120は、光学素子112を臨む側に配置されている。光源120は、例えば、半
導体レーザー励起固体(Diode Pumped Solid State:DPSS)Nd:YAGレーザー光
源であり、532nmを中心波長とし±1nm程度の振幅を有する第2高調波(Second H
armonic Generation:SHG)の直線偏光のレーザー光を射出する。
【0069】
光源120から射出される光は、平行光であることが好ましい。本実施形態では、光源
120がレーザー光源であるので、略平行な光が射出される。なお、光源120として、
メタルハライド光源を用いてもよい。その場合は、メタルハライド光源から射出される光
を、コリメートレンズ等により略平行化して照射することが好ましい。
【0070】
光源120と光学素子112との間には、1/4波長板122が配置されている。1/
4波長板122は、その遅相軸が光源120の偏光軸に対して45度の角度をなすように
配置されている。光源120から射出される直線偏光は、1/4波長板122を通すこと
で円偏光に変換され光124として照射される。なお、光源120から射出されるレーザ
ー光が直線偏光でない場合は、1/4波長板122は配置されていなくてもよい。
【0071】
測定部129は、光源120との間に光学素子112と保持部110(液晶パネル50
)と保持部114(偏光板45)とを挟んで、光源120に対向配置されている。測定部
129は、例えば、Si(シリコン)からなるフォトダイオードを受光素子として含んで
いる。測定部129は、光学素子112の第1の部分112aと液晶パネル50と偏光板
45とを透過した光126を受光し、光126の強度を電気信号に変換して測定する。測
定部129は、フォトダイオードの代わりに輝度計等を含み、光126の輝度を測定する
構成であってもよい。
【0072】
なお、光源120は、光源120から照射される光124が液晶パネル50の法線方向
から入射するように、保持部110(液晶パネル50)に対して相対的に配置されている
ことが望ましい。これは、液晶装置1のコントラストが、通常輝度計を用いて液晶装置1
の正面の法線方向から測定されるからである。光源120と測定部129との位置関係は
、図面上において上下逆であってもよい。
【0073】
液晶装置の製造装置100では、上述の通り、容易に光学素子112(第1の部分11
2a)を光路上から退避できるので、基準偏光子として光学素子112を用いる場合およ
び用いない場合の双方に、同一の液晶装置の製造装置100を用いることができる。また
、光学素子112を移動させる移動機構や移動させるためのスペースが不要であるので、
光源120と測定部129との間の光路長を短くすることが可能となる。これにより、液
晶装置の製造装置100の光学系等の設計における自由度が向上する。
【0074】
次に、光学素子112の構成について説明する。図7(a)に示すように、光学素子1
12の平面形状は、例えば円形である。上述の通り、光学素子112は、光学的異方性を
有する第1の部分112aと、光学的異方性を有していない第2の部分112bとを備え
ている。第2の部分112bの平面形状は、例えば扇形である。第1の部分112aは、
光学素子112の円形から第2の部分112bの扇形を除いた形状である。
【0075】
図7(a)において、第1の部分112aの透過軸112tの方向を矢印で示す。また
、回転軸118cを回転中心として光学素子112を90度毎に1回転させたときの、光
学素子112と透過する光124との4つの位置関係において、光学素子112に対する
光124の光束125の相対的な位置125a,125b,125c,125dを破線で
示す。位置125aは、第1の部分112aの円弧の中央と回転軸118cとを結ぶ直線
上に光束125の中心が重なる場合の位置を示している。位置125aから光学素子11
2を90度回転させたときの位置が位置125bであり、位置125aから位置125b
とは逆方向に光学素子112を90度回転させたときの位置が位置125dである。また
、位置125aから光学素子112を180度回転させたときの位置が位置125cであ
る。
【0076】
第1の部分112aと第2の部分112bとは、ともに光124の光束125の断面よ
りも広い領域を有している。これにより、光学素子112を回転させて光124が透過す
る光路上に第1の部分112aまたは第2の部分112bを位置させたときに、光束12
5が第1の部分112aと第2の部分112bとの双方に跨らないように、光学素子11
2を位置させることができる。例えば、位置125aでは光束125は第1の部分112
aの領域内に位置するが、位置125cでは光束125は第2の部分112bの領域内に
位置する。
【0077】
また、光束125は、位置125a、位置125b、位置125d、およびこれらの位
置間においても、第1の部分112aの領域内に位置する。つまり、第1の部分112a
は、光学素子112を少なくとも0度〜180度までの角度で回転させたときに、光束1
25が位置する範囲よりも広い領域を有している。これにより、第1の部分112aを光
124の光路上に配置した状態で、第1の部分112aの透過軸112tを少なくとも1
80度の範囲で回転させることができる。これにより、液晶パネル50の配向方向28a
,36aと偏光板45の透過軸45t(または偏光板44の透過軸44t)との位置合わ
せの際に基準とする第1の部分112aの透過軸112tを、液晶装置1の光学設計条件
から求められる位置に適宜配置することができる。
【0078】
光学素子112は、例えば、ガラスやプラスチック等の透光性を有する部材からなる基
材と、その基材の表面の第1の部分112aの領域に配置された偏光板とを備えている。
つまり、光学素子112のうち、基材の表面に偏光板を備えている部分が第1の部分11
2aであり、基材の表面に偏光板を備えていない部分が第2の部分112bである。光学
素子112は、基材と、基材の表面の第1の部分112aの領域に配置された光学的異方
性を有する層とで構成されていてもよい。また、基材の表面の第2の部分112bの領域
に、光学的に等方なフィルムや層が配置されていてもよい。
【0079】
なお、光学素子112は、図7(b)に示すように三日月形状の第2の部分112bを
有していてもよい。このように第1の部分112aと第2の部分112bとが1本の直線
で区切られるような形状であると、基材の表面の第1の部分112aの領域に偏光板が配
置され、第2の部分112bの領域に光学的に等方なフィルムが配置された構成の光学素
子112を容易に形成できる。
【0080】
<液晶装置の製造方法>
次に、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法について図を参照して説明する。図8
は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法を説明するフローチャートである。
【0081】
図8において、工程P11および工程P12は素子基板10を製造する工程であり、工
程P21および工程P22は対向基板30を製造する工程である。工程P11および工程
P12と、工程P21および工程P22とはそれぞれ独立に行われる。工程P31および
工程P32は、素子基板10と対向基板30とを組み合わせて液晶パネル50を用意する
工程である。工程P33は、一対の偏光板44,45を液晶パネル50に貼り付ける工程
である。なお、これらの工程のうち詳述しない工程においては、公知の技術を適用するこ
とができる。
【0082】
まず、素子基板10を製造する工程と対向基板30を製造する工程とを説明する。工程
P11では、基板11上にTFT素子20、共通配線17、共通電極18、ゲート絶縁層
22、絶縁層24、画素電極16等を形成する。
【0083】
続いて、工程P12では、これらの素子、電極等が形成された素子基板10の表面に配
向膜28を形成し、配向膜28の表面に図4(b)に示す配向方向28aに沿って配向処
理を施す。
【0084】
次に、工程P21では、基板31上に遮光層32、カラーフィルター層34、オーバー
コート層35等を形成する。続いて、工程P22では、対向基板30の表面に配向膜36
を形成し、配向膜36の表面に図4(b)に示す配向方向36aに沿って配向処理を施す

【0085】
次に、工程P31では、素子基板10と対向基板30との貼り合わせを行う。貼り合わ
せは、素子基板10または対向基板30にシール剤41を塗布し、アライメントをした後
、素子基板10と対向基板30とを接触させ、圧着して行われる。続いて、工程P32で
は、シール剤41の開口部(注入口)から素子基板10と対向基板30との間に液晶を注
入し、注入口を封止する。以上により、液晶パネル50が用意される。
【0086】
次に、図5および図6を参照して、工程P33における偏光板の貼り付け方法を詳しく
説明する。工程P33は、偏光板45を配置する第1の工程と、偏光板45を液晶パネル
50に貼り付ける第2の工程と、偏光板44を配置する第3の工程と、偏光板44を液晶
パネル50に貼り付ける第4の工程とを含んでいる。これらの工程において、液晶装置の
製造装置100を用いて液晶パネル50に対する偏光板44,45の配置位置を決定する

【0087】
第1の工程では、図5に示すように、素子基板10側が保持部110に接するように、
液晶パネル50を保持部110により保持する。また、偏光板45を液晶パネル50に対
向するように保持部114により保持する。光学素子112は、光源120側に液晶パネ
ル50に対向するように配置されている。
【0088】
続いて、光学素子112を臨む側に配置された光源120から射出され1/4波長板1
22を通して円偏光に変換された光124を、光学素子112と液晶パネル50と偏光板
45とに順次入射させる。光124は、液晶パネル50の法線方向から入射させることが
好ましい。このとき、回転機構118により光学素子112を適宜回転させて、第1の部
分112aが光124の光路上に配置される位置となるように調整する。
【0089】
続いて、光学素子112と液晶パネル50と偏光板45とを対向させた状態を維持しな
がら、回転機構116,118により光学素子112と液晶パネル50とを対向する面内
で回転させる。そして、光学素子112の第1の部分112aと液晶パネル50と偏光板
45とを透過した光126を測定部129で受光し光126の強度を測定する。
【0090】
次に、第2の工程では、光126の強度の測定結果に基づいて光126の強度が最小と
なるように、光学素子112(第1の部分112a)を基準にして液晶パネル50と偏光
板45との対向する面内における相対的な位置関係を調整する。ここでは、光学素子11
2または液晶パネル50のうち、先に一方を回転させて光124の強度が最小となる位置
で一旦固定し、次に他方を回転させて光126の強度がさらに小さくなる位置を探すよう
にしてもよい。
【0091】
このとき、光学素子112の透過軸112t(図7(a)参照)に配向膜28の配向方
向28a(図4(b)参照)が平行になり、かつ、配向膜36の配向方向36a(図4(
b)参照)に対して偏光板45の透過軸45t(図4(b)参照)が直交する所定の位置
において、光126の強度が最小となる。つまり、光126の強度が最小となる位置が、
コントラストが最大となる位置である。
【0092】
光126の強度が最小となったところで、液晶パネル50と偏光板45との相対的な位
置関係を決定し、偏光板45を液晶パネル50の対向基板30に貼り付ける。このとき、
液晶パネル50と偏光板45との相対的な位置関係を保った状態で、一方が他方に接する
ように、保持部110または保持部114を移動させて貼り付ける。保持部110と保持
部114との双方を移動させてもよい。
【0093】
このように、光学素子112を基準にして、液晶パネル50に対して偏光板45を光学
的に位置合わせして偏光板45を液晶パネル50に貼り付けるので、液晶パネル50と偏
光板45とを外形基準で貼り付ける場合に比べて、精度良く位置合わせして貼り付けを行
うことができる。偏光板45の製造プロセスにおいて偏光板45の外形と透過軸45tと
の間にずれが生じた場合でも、本実施形態の偏光板の貼り付け方法によれば、透過軸45
tを精度良く所定の位置に配置できる。
【0094】
次の第3の工程では、液晶パネル50に既に偏光板45が貼り付けられているので、光
学素子112は不要である。そこで、図6に示すように、回転機構118により光学素子
112を回転させて、第2の部分112bが光124の光路上に配置される位置となるよ
うに、液晶パネル50に対向する面内で図に矢印で示す回転方向に移動させる。これによ
り、光学素子112を取り外したり、光学素子112を液晶装置の製造装置100外へ移
動させたりすることなく、容易に光学素子112(第1の部分112a)を光路上から退
避させることができる。
【0095】
そして、対向基板30側(偏光板45)が保持部110に接するように液晶パネル50
を保持部110により保持し、保持部114により偏光板44を液晶パネル50に対向す
るように保持する。
【0096】
続いて、光源120から射出され1/4波長板122を通した光124を、光学素子1
12と偏光板45が貼り付けられた液晶パネル50と偏光板44とに順次入射させる。そ
して、液晶パネル50と偏光板44とを対向させた状態を維持しながら、回転機構116
により液晶パネル50を偏光板44に対向する面内で回転させる。そして、光学素子11
2の第2の部分112bと偏光板45と液晶パネル50と偏光板44とを透過した光12
6を測定部129で受光し光126の強度を測定する。
【0097】
次に、第4の工程では、光126の強度の測定結果に基づいて光126の強度が最小と
なるように、液晶パネル50と偏光板44との対向する面内における相対的な位置関係を
調整する。このとき、配向膜28の配向方向28a(図4(b)参照)に偏光板44の透
過軸44t(図4(b)参照)が平行になる所定の位置において、光126の強度が最小
となる。なお、光学素子112の第2の部分112bは光学的に等方であるので、液晶パ
ネル50および偏光板44との対向する面内における相対的な位置関係が変化しても、光
126の強度に影響しない。
【0098】
光126の強度が最小となったところで、液晶パネル50と偏光板44との相対的な位
置関係を決定し、偏光板44を液晶パネル50の素子基板10に貼り付ける。このように
、偏光板45が光学的に位置合わせして貼り付けられた液晶パネル50に、偏光板44を
光学的に位置合わせして貼り付けるので、精度良く位置合わせして貼り付けを行うことが
できる。以上により液晶装置1が完成する。
【0099】
ところで、液晶パネル50において、配向膜28の配向方向28aと配向膜36の配向
方向36aとが平行からずれている場合がある。このようなズレは、例えば、工程P12
の素子基板10の配向処理におけるラビング方向のズレ、あるいは工程P22の対向基板
30の配向処理におけるラビング方向のズレや、工程P31の素子基板10と対向基板3
0との貼り合わせにおける相対的な位置ズレ等により生じる。
【0100】
このように配向膜28の配向方向28aと配向膜36の配向方向36aとが平行からず
れている場合、液晶層40内の液晶分子は、配向膜28の配向方向28aと配向膜36の
配向方向36aとの間のズレに応じてツイストする。このような場合、工程P33の偏光
板45貼付工程では、光学素子112の透過軸112tと配向膜28の配向方向28aと
の位置関係、および偏光板45の透過軸45tと配向膜36の配向方向36aとの位置関
係は、図4(b)に示す所定の位置からずれることとなる。
【0101】
そのため、上記工程P33の偏光板45貼付工程では、光学素子112の透過軸112
tと配向膜28の配向方向28aとは平行からずれ、偏光板45の透過軸45tと配向膜
36の配向方向36aとは直交からずれるが、それぞれのズレが配向方向28aと配向方
向36aとのズレに対応した位置関係に配置されたときに、光126の強度が最小となる
。偏光板44貼付工程についても同様である。したがって、本実施形態に係る液晶装置の
製造方法によれば、配向膜28,36の配向方向28a,36aが平行からずれている場
合でも、液晶パネル50と偏光板44,45とを精度良く位置合わせして貼り付けを行う
ことができる。
【0102】
上記第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0103】
(1)光学素子112を基準にして、液晶パネル50に対して偏光板45を光学的に位
置合わせして偏光板45を液晶パネル50に貼り付け、偏光板45が光学的に位置合わせ
して貼り付けられた液晶パネル50に、偏光板44を光学的に位置合わせして貼り付ける
ので、液晶パネル50と偏光板44,45とを外形基準で貼り付ける場合に比べて、精度
良く位置合わせして貼り付けを行うことができる。したがって、本実施形態に係る液晶装
置の製造方法によれば、偏光板44,45の製造プロセスにおいて偏光板44,45の外
形と透過軸44t,45tとの間にずれが生じた場合でも、透過軸44t,45tを精度
良く所定の位置に配置できる。
【0104】
(2)光学素子112が光学的異方性を有する第1の部分112aと光学的異方性を有
していない第2の部分112bとを備えており、回転機構118により光学素子112を
回転方向に移動可能である。このため、光学素子112が必要な場合は第1の部分112
aが光路上に配置される位置に光学素子112を移動させ、光学素子112が不要な場合
は第2の部分112bが光路上に配置される位置に光学素子112を移動させることがで
きる。これにより、容易に光学素子112(第1の部分112a)を光路上から退避でき
るので、基準偏光子として光学素子112を用いる場合および用いない場合の双方に同一
の液晶装置の製造装置100を用いることができる。また、光学素子112を移動させる
移動機構を別途設けることが不要であるとともに、光学素子112の移動に必要なスペー
スも不要である。この結果、液晶装置の製造装置100の光学系等の設計における自由度
が向上する。
【0105】
(3)光学的異方性を有する第1の部分112aを光路上に配置した状態で、透過軸1
12tを少なくとも180度の範囲で回転させることができる。これにより、液晶パネル
50の配向方向28a,36aと偏光板45の透過軸45t(または偏光板44の透過軸
44t)との位置合わせの際に基準とする第1の部分112aの透過軸112tを、液晶
装置1の光学設計条件から求められる位置に適宜配置することができる。
【0106】
なお、本実施形態の液晶装置の製造装置100では、光学素子112に回転機構118
が設けられていたが、液晶装置の製造装置100が光学素子112を保持する保持部を備
え、その保持部に回転機構118が設けられていてもよい。
【0107】
また、本実施形態の液晶装置の製造方法では、偏光板45の貼り付けを先に行いその後
に偏光板44の貼り付けを行ったが、偏光板44の貼り付けを先に行いその後に偏光板4
5の貼り付けを行ってもよい。
【0108】
(第2の実施形態)
<液晶装置の製造装置>
次に、第2の実施形態に係る液晶装置の製造装置について図を参照して説明する。図9
および図10は、第2の実施形態に係る液晶装置の製造装置の概略構成を示す図であると
ともに、第2の実施形態に係る偏光板の貼り付け方法を説明する図である。図11は、第
2の実施形態に係る光学素子の構成を説明する図であり、詳しくは、光学素子を図9中の
液晶パネル側から見た平面図である。
【0109】
第2の実施形態に係る液晶装置の製造装置は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造装
置に対して、光学素子の構成が異なっているが、その他の構成はほぼ同じである。第1の
実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0110】
図9に示すように、第2の実施形態に係る液晶装置の製造装置200は、保持部110
,114と、回転機構116,117と、光学素子113と、移動機構119と、光源1
20と、測定部129とを備えている。
【0111】
回転機構117は、保持部114に設けられており、偏光板45の表面の法線方向を回
転軸(図示しない)として、保持部114に保持された偏光板45を回転させる。回転機
構117は、例えば、ステップモーター等を内蔵しており、0.1度程度の角度単位で回
転する。回転機構116,117により液晶パネル50と偏光板45とを個別に回転させ
ることで、光学素子113の第1の部分113aと液晶パネル50と偏光板45との対向
する面内での相対的な位置関係を調整することができる。
【0112】
光学素子113は、光学的異方性を有する第1の部分113aと、光学的異方性を有し
ていない第2の部分113bとを備えている。光学素子113の平面形状は、例えば矩形
であり、第1の部分113aおよび第2の部分113bの平面形状も矩形である。第1の
部分113aと第2の部分113bとは、例えば光学素子113の長辺に交差する直線に
より区分されている。
【0113】
移動機構119は、光学素子113を保持するとともに、液晶パネル50に対向する面
内で光学素子113を直線方向に沿って移動させる。移動機構119は、例えば、エアシ
リンダーや油圧シリンダーを含んでおり、光学素子113を所定のストロークで移動させ
る。移動機構119により光学素子113が移動する方向は、光学素子113における第
1の部分113aと第2の部分113bとを区分する直線と交差する方向である。
【0114】
移動機構119は、図9に示すような第1の部分113aが光124の光路上に配置さ
れる位置と、図10に示すような第2の部分113bが光124の光路上に配置される位
置とに、光学素子113を移動可能である。これにより、基準偏光子として光学素子11
3を用いる場合と用いない場合とで、容易に光学素子113(第1の部分113a)を光
路上から退避させることができる。したがって、光学素子113を液晶装置の製造装置2
00外へ移動させる場合に比べて、移動機構119を簡素な構造にでき、かつ移動に必要
なスペースを小さくできる。
【0115】
図11(a)において、第1の部分113aの透過軸113tの方向を矢印で示す。ま
た、位置125aは第1の部分113aが光124の光路上に配置されたときの光束12
5の位置を示しており、位置125bは第2の部分113bが光124の光路上に配置さ
れたときの光束125の位置を示している。位置125aにおける光束125の中心と位
置125bにおける光束125の中心との間の距離が、移動機構119のストロークに相
当する。第1の部分113aと第2の部分113bとは、ともに光124の光束125の
断面よりも広い領域を有している。
【0116】
なお、光学素子113の平面形状は、矩形に限定されない。光学素子113の平面形状
は、図11(b)に示すような菱形(ダイヤモンド形)や、図11(c)に示すような楕
円形等であってもよい。
【0117】
本実施形態では、光学素子113が、少なくとも移動機構119のストロークに相当す
る間隔を隔てた位置に、ともに光124の光束125の断面よりも広い領域を有する第1
の部分113aと第2の部分113bとを備えていればよい。したがって、光学素子11
3を第1の実施形態における光学素子112よりも小さくできる。また、光学素子113
を回転させないので、光学素子113を回転させる回転機構は不要となる。一方、保持部
114に偏光板45を回転させる回転機構117が設けられることとなる。
【0118】
<液晶装置の製造方法>
次に、第2の実施形態に係る液晶装置の製造方法について図9および図10を参照して
説明する。第2の実施形態では、液晶装置の製造装置200を用いて液晶パネル50に対
する偏光板44,45の配置位置を決定する。
【0119】
第2の実施形態に係る液晶装置の製造方法は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方
法に対して、光学素子を直線方向に沿って移動させる点と偏光板を回転させる点が異なっ
ているが、その他は同じである。第1の実施形態と共通する構成要素については同一の符
号を付し、重複する説明を省略する。
【0120】
図9に示すように、第1の工程では、液晶パネル50を保持部110により保持し、偏
光板45を保持部114により保持するとともに、光学素子113を、光学素子113の
第1の部分113aが光124の光路上に配置されるように、移動機構119により保持
する。そして、光124を、光学素子113と液晶パネル50と偏光板45とに順次入射
させる。
【0121】
続いて、光学素子113と液晶パネル50と偏光板45とを対向させた状態を維持しな
がら、回転機構116,117により液晶パネル50と偏光板45とを対向する面内で回
転させる。そして、第2の工程では、光学素子113の第1の部分113aと液晶パネル
50と偏光板45とを透過した光126の強度が最小となったところで、偏光板45を液
晶パネル50の対向基板30に貼り付ける。
【0122】
次の第3の工程では、図10に示すように、移動機構119により、第2の部分113
bが光124の光路上に配置される位置となるように、液晶パネル50に対向する面内で
矢印で示す直線方向に沿って移動させる。これにより、光学素子113を取り外したり光
学素子113を液晶装置の製造装置200外へ移動させたりする場合に比べて、容易に光
学素子113(第1の部分113a)を光路上から退避させることができる。
【0123】
次に、液晶パネル50を保持部110により保持し偏光板44を保持部114により保
持して、光124を光学素子113と液晶パネル50と偏光板44とに順次入射させる。
続いて、液晶パネル50と偏光板44とを対向させた状態を維持しながら、回転機構11
6,117により液晶パネル50と偏光板44とを対向する面内で回転させる。
【0124】
次に、第4の工程では、光学素子113の第2の部分113bと偏光板45と液晶パネ
ル50と偏光板44とを透過した光126の強度が最小となったところで、偏光板44を
液晶パネル50の素子基板10に貼り付ける。以上により液晶装置1が完成する。本実施
形態においても、液晶パネル50と偏光板44,45とを外形基準で貼り付ける場合に比
べて、精度良く位置合わせして貼り付けを行うことができる。
【0125】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨
から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下の
ようなものが考えられる。
【0126】
(変形例1)
上記実施形態の液晶装置の製造装置100,200では、光学素子112,113が第
1の部分112a,113aに偏光板を備えていたが、この形態に限定されない。光学素
子112,113は、第1の部分112a,113aにワイヤグリッド等の偏光分離機能
を有する光学素子を備えていてもよい。このような構成の光学素子であっても、上記実施
形態と同様の効果が得られる。
【0127】
(変形例2)
上記実施形態の液晶装置の製造装置100,200では、光学素子112,113が第
1の部分112a,113aと第2の部分112b,113bとを備えていたが、この形
態に限定されない。光学素子112,113は、第1の部分112a,113aと第2の
部分112b,113bとの他に、第3の部分を備えていてもよい。第3の部分は、例え
ば、遮光性を有する部分であり、光路上に第3の部分が配置されるように光学素子112
,113の位置を移動させることで、光源120から照射される光124を遮断するよう
にしてもよい。
【0128】
(変形例3)
上記実施形態では、液晶装置1は液晶層40の液晶分子の長軸方向の光(異常光)を利
用して表示するモードの液晶装置であって、偏光板44の透過軸44tが液晶パネル50
の配向方向28a,36aに平行であり、偏光板45の透過軸45tが配向方向28a,
36aと直交していたが、この形態に限定されない。液晶装置1は液晶分子の長軸方向と
直交する方向の光(常光)を利用して表示するモードの液晶装置であって、透過軸44t
が配向方向28a,36aと直交しており、透過軸45tが配向方向28a,36aに平
行であってもよい。液晶装置1がこのような構成であっても、上記実施形態の液晶装置の
製造装置および製造方法を適用でき、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0129】
(変形例4)
上記実施形態では、液晶装置1は一対の光学フィルムとして偏光板44,45を備えた
構成であったが、光学フィルムの構成はこの形態に限定されない。光学フィルムは、偏光
板の他に液晶パネルや偏光板の光学補償を行うことにより、液晶装置の表示における視野
角の拡大、背景色の着色の補償等を図るための位相差板等の光学補償フィルムを備えてい
てもよい。このような構成の光学フィルムであっても、上記実施形態の液晶装置の製造装
置および液晶装置の製造方法を適用して、光学フィルムの貼り付けを行うことができる。
【0130】
(変形例5)
上記の実施形態では、液晶装置1がFFS方式の透過型の液晶装置であったが、この形
態に限定されない。液晶装置1は、FFS方式と同様に横電界により液晶分子の配向制御
を行うIPS(In-Plane Switching)方式の液晶装置であってもよい。また、液晶装置1
は、半透過反射型の液晶装置であってもよい。液晶装置1がこれらの方式の液晶装置であ
っても、上記実施形態の液晶装置の製造装置および液晶装置の製造方法を適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】液晶装置の一例の概略構成を示す図。
【図2】液晶装置の一例の画素の構成を説明する図。
【図3】図2(a)中のB−B’線に沿った断面図。
【図4】液晶装置の一例の光学設計条件を示す図。
【図5】第1の実施形態に係る液晶装置の製造装置の概略構成を示す図であるとともに、第1の実施形態に係る偏光板の貼り付け方法を説明する図。
【図6】第1の実施形態に係る液晶装置の製造装置の概略構成を示す図であるとともに、第1の実施形態に係る偏光板の貼り付け方法を説明する図。
【図7】第1の実施形態に係る光学素子の構成を説明する図。
【図8】第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法を説明するフローチャート。
【図9】第2の実施形態に係る液晶装置の製造装置の概略構成を示す図であるとともに、第2の実施形態に係る偏光板の貼り付け方法を説明する図。
【図10】第2の実施形態に係る液晶装置の製造装置の概略構成を示す図であるとともに、第2の実施形態に係る偏光板の貼り付け方法を説明する図。
【図11】第2の実施形態に係る光学素子の構成を説明する図。
【符号の説明】
【0132】
1…液晶装置、2…表示領域、4…画素、10…素子基板、11…基板、12…走査線
、14…信号線、16…画素電極、16a…開口部、17…共通配線、18…共通電極、
20…TFT素子、20a…半導体層、20d…ドレイン電極、20g…ゲート電極、2
0s…ソース電極、22…ゲート絶縁層、24…絶縁層、24a…コンタクトホール、2
8,36…配向膜、28a,36a…配向方向、30…対向基板、31…基板、32…遮
光層、34…カラーフィルター層、35…オーバーコート層、40…液晶層、41…シー
ル剤、42…ドライバIC、44,45…偏光板、44t,45t…透過軸、50…液晶
パネル、100,200…液晶装置の製造装置、110,114…保持部、112,11
3…光学素子、112a,113a…第1の部分、112b,113b…第2の部分、1
12t,113t…透過軸、116,117,118…回転機構、118c…回転軸、1
19…移動機構、120…光源、122…1/4波長板、124,126…光、125…
光束、129…測定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置された一対の基板と前記一対の基板の間に挟持された液晶層とを備
えた液晶パネルと、前記液晶パネルの両外側に配置された一対の光学フィルムと、を備え
た液晶装置の製造装置であって、
前記液晶パネルを保持する第1の保持部と、
前記第1の保持部の一方の側に配置されており、前記一対の光学フィルムのうちの一方
の光学フィルムを前記液晶パネルに対向させて保持する第2の保持部と、
前記第1の保持部の他方の側に前記液晶パネルに対向して配置されており、光学的異方
性を有する第1の部分と光学的異方性を有していない第2の部分とを備えた光学素子と、
前記第1の保持部と前記第2の保持部と前記光学素子とのうちの少なくとも2つに設け
られており、前記液晶パネルと前記一方の光学フィルムと前記光学素子とのうちの少なく
とも2つを対向する面内で回転させる回転機構と、
前記光学素子の前記第1の保持部とは反対側または前記第2の保持部の前記第1の保持
部とは反対側に配置された光源と、
前記光源との間に前記光学素子と前記第1の保持部と前記第2の保持部とを挟んで前記
光源に対向配置されており、前記光源から照射され前記光学素子と前記液晶パネルと前記
一方の光学フィルムとを透過した光の強度を測定する測定部と、
前記光学素子を透過する前記光の光路に対して、前記液晶パネルに対向する面内で前記
光学素子を相対的に移動させる移動機構と、を備え、
前記移動機構は、前記第1の部分が前記光路上に配置される位置と、前記第2の部分が
前記光路上に配置される位置と、に前記光学素子を移動可能であることを特徴とする液晶
装置の製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶装置の製造装置であって、
前記光学素子の前記第1の部分と前記第2の部分とは、前記光学素子を透過する前記光
の光束の断面よりも広い領域を有していることを特徴とする液晶装置の製造装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液晶装置の製造装置であって、
前記移動機構は、前記光学素子を直線方向に沿って移動させることを特徴とする液晶装
置の製造装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の液晶装置の製造装置であって、
前記移動機構は、前記光学素子を回転させることにより移動させることを特徴とする液
晶装置の製造装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液晶装置の製造装置であって、
前記光学素子に前記回転機構が設けられており、
前記光学素子に設けられた前記回転機構を前記移動機構として用いることを特徴とする
液晶装置の製造装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記光学素子の前記第1の部分は、前記光学素子を少なくとも0度〜180度までの角
度で回転させたときに、前記光学素子を透過する前記光の前記光束が位置する範囲よりも
広い領域を有していることを特徴とする液晶装置の製造装置。
【請求項7】
互いに対向して配置された一対の基板と前記一対の基板の間に挟持された液晶層とを備
えた液晶パネルと、光学的異方性を有する第1の部分と光学的異方性を有していない第2
の部分とを備えた光学素子と、を用意する工程と、
前記液晶パネルの前記一対の基板のうちの一方の基板の外側に前記光学素子を対向配置
するとともに、前記一対の基板のうちの他方の基板の外側に第1の光学フィルムを対向配
置した状態で、前記光学素子の前記第1の部分と前記液晶パネルと前記第1の光学フィル
ムとを透過するように光を照射し、前記光学素子と前記液晶パネルと前記第1の光学フィ
ルムとのうちの少なくとも2つを対向する面内で回転させて、前記光学素子の前記第1の
部分と前記液晶パネルと前記第1の光学フィルムとを透過した光の強度を測定する第1の
工程と、
前記光の強度の測定結果に基づいて前記光学素子に対する前記液晶パネルと前記第1の
光学フィルムとの対向する面内における相対的な位置関係を決定し、前記第1の光学フィ
ルムを前記液晶パネルに貼り付ける第2の工程と、
前記光学素子を透過する前記光の光路上に前記第2の部分が位置するように前記光学素
子を前記液晶パネルに対向する面内で移動させた後、前記液晶パネルの前記第1の光学フ
ィルムが貼り付けられた側とは反対側に第2の光学フィルムを対向配置した状態で、前記
液晶パネルと前記第2の光学フィルムとのうちの少なくとも1つを対向する面内で回転さ
せて、前記光学素子の前記第2の部分と前記第1の光学フィルムと前記液晶パネルと前記
第2の光学フィルムとを透過した光の強度を測定する第3の工程と、
前記光の強度の測定結果に基づいて前記液晶パネルに対する前記第2の光学フィルムの
対向する面内での相対的な位置関係を決定し、前記第2の光学フィルムを前記液晶パネル
の前記反対側に貼り付ける第4の工程と、
を含むことを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記光学素子の前記第1の部分と前記第2の部分とは、前記光学素子を透過する前記光
の光束の断面よりも広い領域を有していることを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記第3の工程では、前記光学素子を直線方向に沿って移動させることを特徴とする液
晶装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7または8に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記第3の工程では、前記光学素子を回転させることにより移動させることを特徴とす
る液晶装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の液晶装置の製造方法であって、
前記光学素子の前記第1の部分は、前記光学素子を少なくとも0度〜180度までの角
度で回転させたときに、前記光学素子を透過する前記光の前記光束が位置する範囲よりも
広い領域を有していることを特徴とする液晶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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