液晶装置及び電子機器
【課題】変形応力が液晶装置に加わった後に残存する表示ムラを低減する。
【解決手段】液晶装置10は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサ15とを有し、前記収容部10Pの中央領域10Cと周縁領域10Dとの間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部15aの断面積若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成された中間領域10S、10Tが設けられる。
【解決手段】液晶装置10は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサ15とを有し、前記収容部10Pの中央領域10Cと周縁領域10Dとの間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部15aの断面積若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成された中間領域10S、10Tが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶装置及び電子機器に係り、特に、液晶を収容する収容部の厚みを規定するための柱状スペーサを備えた液晶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図11及び図12に示すように、液晶装置10は第1の基板11と第2の基板12とがシール材14により貼り合わされ、これらの基板間にシール材14によって囲まれた収容部10Pが設けられ、この収容部10Pの内部に液晶13が配置される。通常、この液晶装置10には液晶13に独立して電界が与えられる領域である画素Gを構成するための画素構造が設けられ、この画素構造によって複数の画素Gが独立して光学的に制御可能に構成される。複数の画素Gの間には遮光膜19により画素間領域Hが形成されるが、この画素間領域Hは複数の画素Gの配列態様に応じて複数の画素Gの間を所定の方向に伸びるように構成される。典型的な画素間領域Hの構造としては縦横に配列された画素Gの間に格子状に構成されたものが知られている。
【0003】
第1の基板11の第2の基板12と対向する面には配向膜16が形成される。この配向膜16は液晶13に所定の初期配向状態(例えば、電界が印加されていないときの配向状態)を与えるための配向機能を備えている。なお、第1の基板11と第2の基板12のそれぞれの外面(他方の基板と対向する面とは反対側の面)上には偏光板17,18が配置される場合もある。
【0004】
一方、第1の基板11と第2の基板12との間隔(基板間ギャップ若しくはセルギャップ)を保持するために、第2の基板12の第1の基板11と対向する面上に柱状スペーサ15が形成される場合がある。この柱状スペーサ15は、光学的な影響を低減するために多くの場合上記画素間領域H内に形成される。この柱状スペーサ15の構造や分布密度は第1の基板11と第2の基板12の基板間ギャップに影響を与えるので、液晶13の厚みのばらつき等に起因する輝度ムラや色ムラなどといった表示ムラを防止するために柱状スペーサ15の構造や分布に関して多くの提案がなされている。
【0005】
例えば、以下の特許文献1及び2には、柱状スペーサの面積密度をパネル構造の周縁から中央に向かうに従って大きく構成することにより、外力に起因する基板間ギャップの変化による表示ムラ、気泡の発生等の不具合を防止することのできる構造が開示されている。また、以下の特許文献3及び4には、高さの異なる柱状スペーサを組み合わせることで、基板間ギャップの精度向上や耐圧の確保を可能とした構造が開示されている。
【特許文献1】国際公開パンフレットWO2005/038518A1
【特許文献2】特開2005−241880号公報
【特許文献3】特開2000−338503号公報
【特許文献4】特開2004−233989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の柱状スペーサを備えた液晶装置においては、柱状スペーサの面積密度を場所に応じて変えたり高さの異なる柱状スペーサを併用したりすることで、基板間ギャップの変化を抑制し、表示品位を確保するようにしている。しかしながら、発明者が種々実験を行い検討した結果、上記従来の柱状スペーサの改良技術では、外力等の変形応力が液晶装置に加わった後に残存する表示ムラを十分に改善することができないことが判明した。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、変形応力が液晶装置に加わった後に残存する表示ムラを低減することのできる新規の構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる実情に鑑み、本願発明者がさらに検討したところによると、図11及び図12に示すように、柱状スペーサ15を備えた液晶装置10の場合には、表示パネルの表面が押圧されたり表示パネルが屈曲されたりするなど外力(変形応力)が与えられると、基板11,12の変形に伴って柱状スペーサ15の突出方向が変化し、柱状スペーサ15の先端部15aの第1の基板11に対する当接位置がずれることで、柱状スペーサ15の先端部15aが画素間領域Hに隣接する画素Gの構造に損傷を与えて液晶13の配向状態が乱れ、これによって表示ムラが発生することが判明した。特に、第1の基板11の表面に配向膜16が形成されている場合には、変形応力による基板の撓みによって柱状スペーサ15の先端部15aが配向膜16の表面に損傷を与えるので、配向膜16の表面の損傷によって液晶の配向に乱れが生じ、表示ムラが顕著になる。
【0009】
例えば、図11及び図12に示すように、第2の基板12を指などで押圧した場合には、押圧部の直下にある柱状スペーサ15は単に圧縮されるだけであるが、当該押圧部の周囲にある柱状スペーサ15は第2の基板12の撓みによりその突出方向が変化する。また、状況によっては第2の基板12のみが撓むのではなく、多くの場合には図示のように第1の基板11も第2の基板12の撓みに応じて撓むので、この第1の基板11の撓みによって柱状スペーサ15の先端部15aの第1の基板11に対する当接位置のずれが生じやすくなる。
【0010】
このような柱状スペーサ15に起因する画素構造の損傷による表示ムラの発生は、原理的にみて上記従来の柱状スペーサの面積密度の変化や高さの異なる柱状スペーサの組み合わせでは全く改善できないことが予想された。そこで、本願発明者は、鋭意検討した結果、押圧力が液晶装置10に加わると特定の領域に表示ムラが発生しやすくなることを見出した。
【0011】
図10には、上記の液晶装置10の第2基板12の中央領域10cを押圧した後に生じた表示ムラ(色ムラ)の程度の分布を示す。この液晶装置10では、シール材14が矩形枠状に形成されることで、その内側に矩形状の収容部10Pが構成されている。そして、この収容部10P内には上記画素Gが配列されてなる表示領域10Aが形成される。図10は、この表示領域10Aの表示ムラの程度を五段階で五種類の記号により示したものである。
【0012】
図10に示すように、収容部10Pのうち、中央領域10cと周縁領域10dの間に表示ムラが大きい中間領域10s、10tが形成される。中間領域10s、10tは、上記矩形状の収容部10Pの二本の対角線Lt1とLt2(図示二点鎖線で示す。)の交点近傍を上記中心領域10cとし、シール材14の近傍内側を上記周縁領域10dとしたとき、中心領域10cの周囲において周縁領域10dとの間に上記対角線Lt1とLt2によって区画される四つの三角形状の平面範囲ごとにそれぞれ設けられる。図示例の場合、中間領域10s、10tは、中央領域10cに向けて幅が小さくなる形状、より具体的には、上記平面範囲の形状と同じ姿勢の、すなわち、一つの頂点が中心領域10cを向き、他の二つの頂点がそれぞれ収容部10Pの角部に向いた、略三角形状を備えている。
【0013】
図示例の場合、収容部10Pは図示左右方向に長く、図示上下方向に短い矩形状に構成されているので、上記対角線Lt1、Lt2で区画される平面範囲のうち図示上下方向にそれぞれ配置される平面範囲の形状と、図示左右方向にそれぞれ配置される平面範囲の形状とが異なるものとなっている。そして、この平面範囲の形状の相違に伴って、異なる形状の平面範囲にそれぞれ形成された上記中間領域10sと10tも相互に異なる平面形状を有するものとなっている。すなわち、相対的に見て、中間領域10sは広くかつ表示ムラが大きく、中間領域10tは狭くかつ表示ムラが小さくなっている。
【0014】
上記のように中間領域10sと10tの平面範囲や表示ムラの程度が異なる理由は以下のように考えられる。すなわち、図10の左右方向に沿った断面では、図11に示すように、収容部10Pの中央から基板11,12を拘束しているシール材14の形成位置までの距離が相対的に長いことから、中間領域10sでの柱状スペーサ15の傾斜角度が小さくなり、したがって、柱状スペーサ15の先端部15aによる配向膜16の損傷範囲も狭くなるため、表示ムラの出現範囲が狭く、表示ムラの程度も小さくなっているものと考えられる。一方、図10の上下方向に沿った断面では、図12に示すように、収容部10Pの中央から基板11,12を拘束しているシール材14の形成位置までの距離が相対的に短いことから、中間領域10tでの柱状スペーサ15の傾斜角度が大きくなり、したがって、柱状スペーサ15の先端部15aによる配向膜16の損傷範囲も広くなるため、表示ムラの出現範囲が広く、表示ムラの程度も大きくなっているものと考えられる。そして、本発明の液晶装置は以上のような知見に基づいてなされたものである。
【0015】
すなわち、第1発明の液晶装置は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、を有し、前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この第1発明によれば、外部からの押圧力や折り曲げ力等により二枚の基板のうち少なくとも片方の基板がシール材によって画成された収容部の中央領域を中心に撓むと、この中央領域と周縁領域との間の中間位置で二枚の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた柱状スペーサの先端部が他方の基板に対して収容部の中央から周縁に向けて位置ずれを起こす。しかしながら、本発明では、収容部の中央領域と周縁領域の間の中間位置に設けられた中間領域に配置された複数の柱状スペーサの先端部の断面積若しくはその平均値が、中央領域と周縁領域に配置された柱状スペーサの先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成されるので、柱状スペーサの先端部による他方の基板の液晶側の表面に対する損傷範囲を低減させることができる。すなわち、中間領域における柱状スペーサの先端部の断面積が小さいことにより、画素内における上記表面に対する損傷範囲も小さくすることができる。したがって、表示ムラの発生領域を狭くすることができるとともに表示ムラの程度も小さくすることができる。また、収容部の中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の断面積を小さくする必要がないので、パネル剛性を確保することができる。すなわち、表示ムラの発生しやすい中間領域において柱状スペーサの先端部の断面積を低減して表示ムラを低減するとともに、表示ムラの発生しにくい中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の断面積を確保することで支持剛性を確保できるから、表示ムラの低減とパネル剛性の確保を両立することができる。
【0017】
この場合に、前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記断面積を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の断面積より小さい第2の前記断面積を備えていることが好ましい。上記のように本発明では中央領域と周縁領域の上記断面積若しくはその平均値よりも中間領域の上記断面積若しくはその平均値が小さくなっていればよいが、特に、中央領域及び周縁領域の第1の断面積より中間領域の第2の断面積が全ての柱状スペーサについて小さくなっていることにより、上述の作用効果をさらに高めることができる。ここで、上記の第1の断面積及び第2の断面積はそれぞれ後述する実施形態のように全て同一である必要はない。
【0018】
また、第2発明の液晶装置は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、を有し、前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この第2発明によれば、外部からの押圧力や折り曲げ力等により二枚の基板のうち少なくとも片方の基板がシール材によって画成された収容部の中央領域を中心に撓むと、この中央領域と周縁領域との間の中間位置で二枚の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた柱状スペーサの先端部が他方の基板に対して収容部の中央から周縁に向けて位置ずれを起こす。しかしながら、本発明では、収容部の中央領域と周縁領域の間の中間位置に設けられた中間領域に配置された複数の柱状スペーサの先端部の収容部の中央から周縁に向かう方向(つまり、上記の柱状スペーサの先端部の位置ずれ方向)の幅若しくはその平均値が、中央領域と周縁領域に配置された柱状スペーサの先端部の収容部の中央から周縁に向かう方向の幅より小さく構成されるので、柱状スペーサの先端部による他方の基板の液晶側の表面に対する損傷範囲を低減させることができる。すなわち、中間領域における柱状スペーサの先端部の上記方向の幅が小さいことにより、柱状スペーサの先端部が同方向に位置ずれを起こしても、画素内の上記表面に対する損傷範囲を小さくすることができる。したがって、表示ムラの発生領域を狭くすることができるとともに表示ムラの程度も小さくすることができる。また、表示ムラの発生しやすい中間領域において柱状スペーサの先端部の上記幅を低減して表示ムラを低減するとともに、表示ムラの発生しにくい中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の上記幅を確保することで支持剛性を確保できるから、表示ムラの低減とパネル剛性の確保を両立することができる。
【0020】
この場合に、前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記幅を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の幅より小さい第2の前記幅を備えていることが好ましい。上記のように本発明では中央領域と周縁領域の上記幅若しくはその平均値よりも中間領域の上記幅若しくはその平均値が小さくなっていればよいが、特に、中央領域及び周縁領域の第1の幅より中間領域の第2の幅が全ての柱状スペーサについて小さくなっていることにより、上述の作用効果をさらに高めることができる。ここで、上記の第1の幅及び第2の幅はそれぞれ後述する実施形態のように全て同一である必要はない。
【0021】
本発明の一の態様においては、前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられている。これによれば、柱状スペーサが画素間領域に設けられていることにより、柱状スペーサによる光学的影響を低減できるために全般的に表示品位の向上を図ることができるとともに、柱状スペーサの先端部の位置ずれ量が小さい領域では、中間領域における当該先端部の断面積や上記幅が小さいことにより当該先端部が画素内に入り込まない場合も生じうるので、他方の基板の液晶側の表面に対する損傷領域を狭くし、表示ムラの発生領域を狭くすることができ、また、表示ムラが生じた領域にあっても、その表示ムラの程度を軽減することができる。
【0022】
さらに、第3発明の液晶装置は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、を有し、前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられ、前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値が、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値より大きく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする。なお、上記距離は、二枚の基板が撓んでいないとき、すなわち、柱状スペーサの先端部が位置ずれを起こしていないときに計測した値とする。
【0023】
この第3発明によれば、外部からの押圧力や折り曲げ力等により二枚の基板のうち少なくとも片方の基板がシール材によって画成された収容部の中央領域を中心に撓むと、この中央領域と周縁領域との間の中間位置で二枚の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた柱状スペーサの先端部が他方の基板に対して収容部の中央から周縁に向けて位置ずれを起こす。しかしながら、本発明では、収容部の中央から周縁に向かう向き(つまり、上記の柱状スペーサの先端部の位置ずれの向き)に測った、中間領域に配置された柱状スペーサの先端部の外縁から画素間領域と画素の境界位置までの距離の平均値が、中央領域と周縁領域に配置された柱状スペーサの先端部の上記と同じ向きに測った上記距離の平均値より大きく構成されるので、柱状スペーサの先端部による他方の基板の液晶側の表面に対する損傷範囲を低減させることができる。すなわち、中間領域における柱状スペーサの先端部の上記方向の距離が大きいことにより、柱状スペーサの先端部が同方向に位置ずれを起こしても、画素内の上記表面に対する損傷範囲を小さくすることができる。したがって、表示ムラの発生領域を狭くすることができるとともに表示ムラの程度も小さくすることができる。また、表示ムラの発生しやすい中間領域において柱状スペーサの先端部の上記距離を増大させて表示ムラを低減するとともに、表示ムラの発生しにくい中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の上記距離を低減することで支持剛性を確保できるから、表示ムラの低減とパネル剛性の確保を両立することができる。
【0024】
上記各発明において、前記中間領域は、前記収容部内の周囲の領域に囲まれた島状に形成されている場合がある。押圧力や折り曲げ力が加わる場合には、表示ムラはこれらの力が加わった場所の周囲に島状に形成されるので、本発明の中間領域もまた島状に構成することで、パネル剛性を確保しつつ、表示ムラの低減を図ることができる。たとえば、後述する実施形態では表示ムラの分布と対応して矩形状の収容部内に四つの中間領域が島状に構成される。また、たとえば、円形の収容部が設けられたとするならば、表示ムラは中央と周縁の間にリング状に形成されるものと思われるので、やはりリング状の島状に形成されることが好ましい。いずれにしても、中央領域と周縁領域の間に中間領域が島状に構成されることが望ましい。
【0025】
上記各発明の他の態様においては、前記画素間領域は前記複数の画素の間を互いに交差する二方向にそれぞれ伸びるように設けられ、前記柱状スペーサは、前記画素間領域の前記二方向に伸びる部分の交差部に設けられている。これによれば、二方向に伸びる画素間領域の交差部に柱状スペーサが設けられていることにより、柱状スペーサの位置ずれ方向が当該二方向のいずれかであれば他方の基板の液晶側の表面に損傷を与えることがなくなり表示ムラも生じないので、表示ムラの生ずる領域を狭くすることができる。
【0026】
本発明の別の態様においては、前記収容部が矩形状に構成され、前記収容部には、前記矩形状の二本の対角線によって分割された四つの平面範囲ごとに前記中間領域が設けられる。これによれば、矩形状の収容部が構成される場合、二本の対角線に沿った領域には表示ムラが生じにくくなり、対角線の中間位置には表示ムラが生じやすいので、中間領域を二本の対角線で区画された四つの平面範囲ごとに設けることで、表示ムラを低減しつつ、上記対角線に沿った領域において柱状スペーサによる支持面積を確保することで、柱状スペーサによるパネル構造の支持剛性をより高いレベルで確保できる。
【0027】
この場合に、前記平面範囲内に形成される前記中間領域は、前記平面範囲の三角形状に対応して前記中央領域に向けて幅が小さくなる形状に形成されていることが好ましい。これによれば、四つの上記平面範囲は三角形状に構成されるが、各平面領域内において表示ムラの程度は各平面範囲の形状に対応して分布するので、各平面範囲の平面形状に合わせて上記中間領域を設けることで、効率的に表示ムラを低減でき、しかも支持剛性の低下を抑制できる。
【0028】
本発明の異なる態様においては、前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度は、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度より大きい。これによれば、中間領域に配置された柱状スペーサについては先端部の断面積が小さいか、或いは、先端部の収容部の中央から周縁に向かう方向の幅が小さい場合があるので、一般的には中間領域における柱状スペーサによる支持剛性は低下するが、上記のように柱状スペーサの形成密度、すなわち、単位面積当たりの柱状スペーサの数を大きくすることにより、当該支持剛性の低下を抑制することができる。
【0029】
本発明のさらに別の態様においては、前記他方の基板の前記液晶側の表面は配向膜で構成される。この配向膜を有する場合には、柱状スペーサの先端部が配向膜に損傷を与えることで液晶の配向が大きく乱れる虞があるが、本発明では画素内の配向膜の損傷を低減できるため、特に効果的である。
【0030】
上記各発明において柱状スペーサの先端部の断面形状は特に限定されないが、一つの態様としては、前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は円形であり、前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径より小さい場合がある。上記断面形状が円形であることにより、いずれの方向への位置ずれにおいても等方的な効果が得られる。
【0031】
また、上記各発明の他の態様としては、前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は扁平形状であり、前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状の長手方向が前記収容部の中央から周縁へ向かう方向と実質的に直交する方向である場合がある。この場合には、上記の扁平形状とすることにより、上記各発明において、中間領域における柱状スペーサの先端部の断面積の低減量を抑制しつつ、或いは、当該断面積を低減しなくても、表示ムラの低減を図ることが可能になるので、表示ムラの低減とパネル剛性の確保とをより高いレベルで両立できる。
【0032】
なお、上記の第3発明の態様としては、上記断面形状の上記断面積や上記幅を変更するか否かに拘わらず、先端部15aを画素間領域H内において収容部の中心側へ並行移動させ、これによって上記距離を大きくする構成も考えられる。このようにすることでも、先端部15aの周縁側への位置ずれに起因する表示ムラを低減することができる。
【0033】
本発明の異なる態様においては、前記他方の基板は前記画素毎に設けられたスイッチング素子を含み、前記一方の基板は前記画素に対応してフィルタ層を備えるカラーフィルタを有する。この態様では、スイッチング素子を含む他方の基板には柱状スペーサを設けず、カラーフィルタを有する一方の基板に柱状スペーサを設けることにより、両基板の製造工程のバランスを図ることができる。特に、柱状スペーサをフォトリソグラフィ技術を用いて形成する場合には、構造が簡易で下地面の平坦性に優れた一方の基板に柱状スペーサを形成することが製造上有利である。
【0034】
本発明においては、前記他方の基板において前記複数の画素を構成する画素構造は、前記他方の基板の前記液晶側の表面に沿った横電界を形成可能に構成されることが好ましい。この横電界モードの画素構造は他方の基板の一方の基板と対向する面に沿った電界により液晶を配向させるものであり、この場合には画素の透過率を高めることが困難であるために、表示の明るさを確保するには画素の開口率を高める必要があるが、当該開口率を高めるためには画素間領域を狭小化する必要がある。このように画素間領域を狭小化すると、柱状スペーサの先端部がずれることによる他方の基板の一方の基板と対向する面の損傷に起因する表示ムラの発生も顕著となるため、上記本発明は特に効果的である。
【0035】
上記の横電界モードのより具体的な構成としては、前記他方の基板は前記画素毎に電界を付与するための第1の電極と第2の電極を含み、前記一方の基板は前記画素に対応してフィルタ層を備えるカラーフィルタを有する。この態様では、他方の基板に第1の電極と第2の電極を設けることで、他方の基板の液晶側の表面に沿った横電界を形成することができる。
【0036】
次に、本発明の電子機器は、上記のいずれかに記載の液晶装置と、該液晶装置を制御する制御手段とを具備する。このような電子機器としては、例えば、携帯電話機、電子時計、表示モニタ、テレビジョン受像機などが挙げられる。特に、携帯電話機等といった携帯型電子機器においては、ポケットやスーツケースなどに当該携帯型電子機器を収納する場合に、液晶装置に対して折り曲げ力が加わる虞が高いので、上記表示ムラを低減するための手段を有する本発明の構成はきわめて有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態の第1の基板の表面構造を示す平面図、図2は本実施形態の拡大部分断面図(図1のII−II線に沿った断面図)、図3は本実施形態の第2の基板の表面構造を示す平面図である。なお、これらの図示以外の構造は基本的に図11及び図12に示す構成と同様であるので、対応する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0038】
本実施形態の液晶装置10は、いわゆる横電界モードの液晶装置であり、より具体的にはFFS(Fring Field Switching)モードと呼ばれるタイプの液晶装置である。ただし、本発明の液晶装置はこの種の液晶装置に限定されるものではない。
【0039】
しかしながら、特に、FFSやIPS(In Plane Switching)などといった横電界モードの液晶装置では、縦電界モードの液晶装置、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モードなどといった液晶装置に比べると、画素の透過率を高めることが難しいため、表示の明るさを確保するためには開口率を高める必要があり、開口率を高めると画素間領域Hの幅が狭くなるために、上述した柱状スペーサによる画素構造の損傷による光学的不具合が大きくなりやすい。したがって、本発明は、特にFFSやIPSなどといった横電界モードの液晶装置に用いることが効果的であるので、本実施形態では横電界モードの液晶装置の一例としてFFSモードの構成について以下に説明する。
【0040】
本実施形態の液晶装置10は、図2に示すように、第1の基板11の第2の基板12と対向する面に第1の画素構造110が形成され、第2の基板12の第1の基板11と対向する面に第2の画素構造120が形成される。そして、第1の画素構造110と第2の画素構造120により、上記の各画素Gが画成されるとともに各画素Gにおいてそれぞれ独立した電界が液晶13に付与可能とされる。これらの複数の画素Gは平面上において縦横にマトリクス状に配列されている。
【0041】
図1及び図2に示すように、第1の画素構造110は、第1の基板11上に下地絶縁層111を介して形成されたゲート線112及びコモン線113と、このコモン線113に導電接続された共通電極114と、ゲート線112に対しゲート絶縁膜112aを介して上方に対向配置されるシリコン等の半導体層115と、上記ゲート線112及びコモン線113とは交差する方向に伸びるデータ線116と、データ線116に導電接続され、半導体層115に導電接続されたソース電極116aと、当該ソース電極116aに対し半導体層115のチャネル領域(ゲート線112の一部のゲート電極となる部分と対向する活性領域)を挟んで半導体層115に導電接続されるドレイン電極116bと、このドレイン電極116bに導電接続されるとともに、上記共通電極114と絶縁層119を介して平面的に重ねて配置され、共通電極114と平面的に重なる範囲に開口部117aを備えた画素電極117とを有する。なお、この第1の画素構造110には上述の配向膜16も含まれる。
【0042】
上記ゲート線112のゲート電極部分、ゲート絶縁膜112a、半導体層115、ソース電極116及びドレイン電極116bは画素G毎に設けられるスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)を構成し、このゲート線112の電位によってオンオフ制御される当該TFTを介してデータ線116の電位が画素電極117に供給される。そして、上記の第1の電極である共通電極114と、上記第2の電極である画素電極117との間に電位差が与えられると、画素電極117の開口部117aを通して第1の画素構造110の表面に沿った横電界が形成され、これが液晶13に付与される。
【0043】
一方、図2及び図3に示すように、第2の画素構造120には、第2の基板12上にCrやCr合金等よりなる遮光膜121が形成され、この遮光膜121の非形成領域が画素Gを画成するとともに、遮光膜121の形成領域が画素間領域Hを構成する。また、その上にはカラーフィルタ122が形成される。このカラーフィルタ122は、画素G毎に対応する色を備えたフィルタ層が配列されたものである。図1及び図3には、赤色のフィルタ層を備えた画素Gr、緑色のフィルタ層を備えた画素Gg、青色のフィルタ層を備えた画素Gbが順番に配列されている様子を示してある。これらのフィルタ層の配列パターンとしては、本実施形態の場合にはストライプ配列、斜めモザイク配列などが例示される。各色のフィルタ層の境界は上記遮光膜121の設けられた画素間領域Hに配置される。なお、この第2の画素構造120にも配向膜123が含まれる。
【0044】
本実施形態の場合には上述のように複数の画素Gが縦横にマトリクス状に配列されているので、画素G間に設けられる画素間領域Hには、図3に示すように、平面方向のうち第1の方向F1に直線状に延在する第1の画素間領域部H1が画素G間において平行に複数形成されるとともに、上記第1の方向F1と交差する(図示例では直交する)第2の方向F2に直線状に延在する第2の画素間領域部H2が画素G間において平行に複数形成される。ここで、第1の画素間領域部H1は主としてゲート線112及びコモン線113の形成領域を遮光する部分であり、第2の画素間領域部H2は主としてデータ線116の形成領域を遮光する部分である。そして、第1の画素間領域部H1と第2の画素間領域部H2は画素Gの配列周期ごとに交差し、画素間領域Hは、両画素間領域部H1とH2が交差してなる交点状の複数の交差部を有するものとされ、全体として格子状に構成される。
【0045】
本実施形態では、第2の基板12の第1の基板11と対向する面上に柱状スペーサ15が形成される。柱状スペーサ15は絶縁材料で構成され、好ましくはフォトレジストを露光してパターニングするフォトリソグラフィ技術によって形成される。第2の基板12に設けられた柱状スペーサ15の先端部15aは、第1の基板11の第2の基板12と対向する面に当接して基板間ギャップを保つように第1の基板11を支持する。
【0046】
ここで、図1及び図3において示す円形は本実施形態の柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の一例を示す。ただし、当該断面形状は、円に限らず、三角形、四角形などの多角形状であってもよく、楕円などのような所定方向に延長された形状(後述する扁平形状など)であってもよい。
【0047】
柱状スペーサ15は上記画素間領域H内の、第1の画素間領域H1と第2の画素間領域H2が交差する交差部に配置される。図示例の場合には、柱状スペーサ15は、第1の画素間領域H1の軸線L1と第2の画素間領域H2の軸線L2の交点が断面形状の中心(一般的には重心、以下同様。)Cxと重なるように配置される。ここで、軸線L1はその両側にある第1の画素間領域H1(第2の画素間領域H2との間の交差部も含む)の面積が等しくなる直線であり、軸線L2はその両側にある第2の画素間領域H2(第1の画素間領域H1との間の交差部を含む)の面積が等しくなる直線である。
【0048】
ただし、柱状スペーサ15は、図示例のように軸線L1とL2の交点に断面形状の中心Cxが厳密に一致する必要はなく、第1の画素間領域H1と第2の画素間領域H2の交差部内に配置されていればよい。また、本発明においては、上記柱状スペーサ15が上記交差部内に配置されず、たとえば、交差部以外の第1の画素間領域H1又は第2の画素間領域H2内に配置されていてもよく、さらには、上記柱状スペーサ15が画素間領域H内に配置されていない場合でも、本実施形態(第1の発明)は後述する一定の効果を得ることができる。
【0049】
図4は、本実施形態における、柱状スペーサ15の先端部15aの断面積(第1の基板11及び第2の基板12の対向面に沿った断面形状、すなわち横断面形状)と収容部10P内の平面上の位置との関係を模式的に示す概略分布図、図5(a)は中央領域10C及び周縁領域10Dにおける柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状を示す拡大部分断面図、図5(b)は中間領域10S、10Tにおける柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状を示す拡大部分断面図である。ここで、図4はあくまでも先端部15aの断面積の大きさの収容部10P内の平面分布を模式的に示すものであり、図示中に円で示す断面形状は実際の収容部10P内における絶対的な断面積の値及び断面形状を反映するものではなく、実際の断面積及び断面形状を簡略化し、かつ、強調して描いてある。
【0050】
図4に示すように、本実施形態では、シール材14が矩形枠状の閉じた形状に配置され、このシール材14によって第1の基板11と第2の基板12が貼り合わされている。シール材14の内側には両基板11と12の間に矩形状の収容部10Pが構成され、この収容部10P内に上記液晶13が封入される。収容部10P内には上記画素が配列されてなる矩形状の表示領域10Aが設けられている。収容部10P内には第1の基板11と第2の基板12の間隔、すなわち、液晶13の厚みを所定値(通常、3〜10μm程度の範囲内の値)に規定するためのセルギャップを設定するために、複数の柱状スペーサ15が分散して形成される。
【0051】
本実施形態において、複数の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値は、収容部10P内の中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tにおいて小さく形成される。上記中央領域10Cは、矩形状の収容部10Pの対向する角部同士を結ぶ二本の対角線Lt1とLt2の交点である中心点Oxを含みその近傍を包含する領域であり、上記周縁領域10Dは、シール材14の内縁で構成される矩形状の各辺に沿ってその内側に設けられる矩形枠状の領域である。また、中間領域10S、10Tは、上記中央領域10Cと周縁領域10Dとの間の中間位置において複数の前記柱状スペーサ15が配置される領域である。
【0052】
なお、図4(後述する図6、図8も同様)においては、表示領域10A内にのみ柱状スペーサ15が配置されるように描いてあるが、実際には表示領域10Aの周囲とシール材14の間にも柱状スペーサ15が配置されていることが好ましい。また、本実施形態の中央領域10C及び周縁領域10Dは表示領域10Aの範囲とは直接関係がないが、中間領域10S、10Tは通常は表示領域10A内に構成される。
【0053】
図4に模式的に示す態様では、中央領域10C及び周縁領域10Dでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面積が同じ値の第1の断面積とされ、中間領域10S、10Tでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面積が同じ値の第2の断面積とされる。そして、第1の断面積よりも第2の断面積は小さく設定される。また、単に断面積だけでなく、図示例では中央領域10C及び周縁領域10Dでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状が同一であり、中間領域10S、10Tでも全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状が同一である。なお、上記中間領域10S、10Tは常に中央領域10Cと周縁領域10Dの間の中間位置に配置されるが、図示例の場合には、中間領域10S、10T以外の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部15aが全て上記第1の断面積を備えた同一の断面形状とされている。
【0054】
本実施形態では、また、図5に示すように、複数の柱状スペーサ15の先端部15aの収容部10Pの中心(上記中心点Ox)から周縁に向かう方向の幅Wo若しくはその平均値は、収容部10P内の中央領域10C及び周縁領域10Dに対して中間領域10S、10Tにおいて小さく形成される。特に、図示例では中央領域10C及び周縁領域10Dでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの上記幅Woが同一の第1の幅であり、中間領域10S、10Tでも全ての柱状スペーサ15の先端部15aの上記幅Woが同一の第2の幅となっている。さらに、中間領域10S、10T以外の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部15aの上記幅Woが全て上記第1の幅を備えている。
【0055】
なお、上記のように、図示例では上記中間領域10S及び10Tの内部に配置された複数の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Wo並びに断面形状は全て同一であり、上記中央領域10C及び周縁領域10Dの内部に配置された複数の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Wo並びに断面形状は全て同一である。ただし、本実施形態において、上記各領域内の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Wo並びに断面形状が全て同一である必要はなく、各領域において断面積又は上記幅Woが相互に異なる柱状スペーサ15が存在しても良い。この場合には、上記断面積又は上記幅Woの平均値で比較したときに、中間領域10S及び10Tが中央領域10C及び周縁領域10Dより小さくなっていればよい。
【0056】
また、本実施形態では柱状スペーサ15の少なくとも先端部15aが上記の断面形状となっていればよく、第1の基板11の第2の基板と対向する面と接触する可能性のない先端部以外の部分(基端部)の断面形状は任意である。したがって、柱状スペーサ15としては、高さ方向の全範囲において上記の断面形状の構成を有するものであってもよく、先端部のみが上記の断面形状の構成を有するものであってもよい。後者の場合には、例えば、柱状スペーサ15の基部側の断面形状から先端部15aの上記の断面形状の構成に向けて高さ方向に徐々に変化した形状を有するものであってもよく、或いは、柱状スペーサ15の基端部の断面形状と先端部15aの上記断面形状の構成とが或る高さ位置において段差状に不連続に変化するものでもよい。
【0057】
以上説明した本実施形態によれば、上記中間領域10S、10Tにおいて柱状スペーサ15の先端部15aは上記中央領域10C及び周縁領域10Dよりも断面積若しくはその平均値が小さいので、基板11、12が撓むことで当該先端部15aが位置ずれを起こしても、図5に示すように、収容部10Pの中央から周縁に向かう向きFxに測った、画素間領域H内の柱状スペーサ15の外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxを大きく設定することが可能になるため、位置ずれ量が少ない場合には画素間領域Hからはみ出しにくくなるから画素G内の表面に影響を与えにくくなり、位置ずれ量が多い場合でも先端部15aの断面積が小さいことで画素G内の配向膜16等の表面に損傷を与える範囲が低減される。
【0058】
また、見方を変えると、基板11、12が撓むことで当該先端部15aは収容部10Pの中央から周縁に向かう方向に位置ずれを起こすが、本実施形態によれば、上記中間領域10S、10Tにおいて柱状スペーサ15の先端部15aは上記中央領域10C及び周縁領域10Dよりも収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の幅Wo若しくはその平均値が小さいので、収容部10Pの中央から周縁に向かう向きFxに測った、画素間領域H内の柱状スペーサ15の外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxを大きく設定することが可能になるため、位置ずれ量が少ない場合には画素間領域Hからはみ出しにくくなるから画素G内の表面に影響を与えにくくなり、位置ずれ量が多い場合でも先端部15aの位置ずれ方向の幅が小さいことで画素G内への侵入範囲が低減されるため配向膜16等の表面に損傷を与える範囲も低減される。したがって、いずれの観点から見ても、基板の撓みに起因する柱状スペーサ15の先端部15aの位置ずれによる表示ムラの発生を抑制することが可能になる。
【0059】
以上のように上記断面積又は幅Woの低減により、図5に示す上記距離Lxを大きく設定することが可能になるが、本実施形態の構成を変更し、上記断面積や幅Woとは別に、すなわち、上記断面積や幅Woの大小関係の有無に拘らず、上記距離Lxの平均値を中間領域10S、10Tにおいて中央領域10C及び周縁領域10Dのそれよりも大きくすることでも、上記と同様の効果を得ることができる。なお、上記距離Lxとは、二枚の基板が撓んでいないとき、すなわち、柱状スペーサの先端部が位置ずれを起こしていないときに計測した値である。また、上記向きFxは、収容部10Pの中心点Ox(上記対角線Lt1とLt2の交差点)と柱状スペーサ15の先端部15aの中心点(重心点)とを結ぶ線に沿った方向を有し、中心点Oxとは反対側、すなわち周縁の側に向けた向きである。したがって、上記距離Lxは常に先端部15aの周縁側に存在する画素間領域Hの幅となる。
【0060】
なお、上記距離Lxは上記向きFxと画素間領域Hの延在する第1の方向F1、第2の方向F2との関係により変化し、上記向きFxは柱状スペーサ15の形成場所によって変わるので、各領域10C、10D、10S、10Tの内部においても種々変化するが、上記距離Lxの平均値が中央領域10Cや周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tで大きくなっていればよい。また、上記向きFxが第1の方向F1又は第2の方向F2に近く、上記距離Lxが規定できない場合(画素間領域Hと画素Gの境界位置が存在しない場合)には上記平均値の計算から除外される。
【0061】
また、本実施形態では上記のように中間領域10S、10Tにおいて柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Woが小さいので、当該部分の柱状スペーサ15によるセルギャップに対する支持剛性が低下するが、中間領域以外の他の領域、特に中央領域10C及び周縁領域10Dでは上記断面積及び幅Woが大きいので、これらの領域での支持剛性を確保することができるため、パネル全体の剛性の低下を抑制できる。すなわち、表示ムラの低減とパネル剛性の確保とを両立できる。さらに、これと同様に、中央領域10C及び周縁領域10Dでは上記距離Lxが小さくてよいので、結果的に柱状スペーサ15の先端部15aの断面積や上記幅Woを大きくすることができ、これによってパネル全体の剛性を確保することができる。
【0062】
図示例の場合には、中間領域10S、10Tにおいて他の領域に対して柱状スペーサ15の先端部15aの中心Cxの位置を変えずに、断面積を小さくすることで上記幅Woを小さくするとともに上記距離Lxを大きくしているが、たとえば、図5(a)に点線で示す先端部15a′のように、断面形状を変えずに中心Cxを中心点Oxの側に並行移動させることで、上記距離Lxを大きくするようにしてもよい。また、このような柱状スペーサ15の位置の変更を、本実施形態で行った断面積や上記幅Woの低減と併用することも可能である。なお、このような位置の変更は、以下に示す他の実施形態においても同様に実施することが可能である。
【0063】
中間領域10S、10Tは一般に収容部10P内において周囲を囲まれた島状に構成される。これは、収容部10Pにおいて中央領域10Cと周縁領域10Dでは、柱状スペーサ15の先端部15aの位置ずれが少なく、したがって、断面積、上記幅Wo、上記距離Lxを変更する必要がなく、また、これらの領域では支持剛性を確保する必要があるからである。本実施形態では収容部10Pが矩形状であるので以下に説明するように特殊な状況となるが、一般的にはこのような島状の構成とされる。たとえば、収容部10Pが円形である場合を想定すると、中間領域は中央領域と周縁領域に挟まれたリング状の領域となる。
【0064】
本実施形態では、矩形状の収容部10Pの二本の対角線Lt1とLt2によって分割される四つの三角形状の平面範囲内にそれぞれ一つずつ上記中間領域10S、10Tが設けられる。これによって、二本の対角線Lt1,Lt2に沿った領域では上記断面積及び幅Woを大きくすることができるため、当該対角線Lt1、Lt2に沿った領域の支持剛性を確保できるため、パネル全体の剛性の低下をさらに効率的に抑制できる。
【0065】
さらに、本実施形態では、上記三角形状の四つの平面範囲のそれぞれに当該平面範囲の三角形状に対応させて、中央領域10Cに向けて幅が小さくなる形状(三角形状、台形状、その他の多角形状、或いは、これらの多角形状の角部を丸めた形状など)の中間領域10S、10Tが設けられているので、各平面範囲において支持剛性の低下を抑制しつつ効率的に表示ムラを低減できる。すなわち、図10に示すように、各平面範囲には中央領域10cに向けて幅が小さくなる形状の表示ムラが生じやすいので、中間領域10S、10Tの平面形状を上記平面範囲の形状に対応した形状とすることで、表示ムラの生じやすい領域を効率的にカバーできる。
【0066】
本実施形態では、液晶装置10の表示領域10Aの中央を指やペン先などで押圧した場合にはもちろんのこと、液晶装置10を搭載した電子機器をポケット(特にズボンの臀部に設けられたポケット)に入れたときやスーツケースなどの狭い空間に収容したときなど、液晶装置10の表示領域10Aに折り曲げ力が加えられた場合でも、第1の基板11及び第2の基板12に撓みが生ずるので、この撓みによって柱状スペーサ15の先端部15aに収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の位置ずれが発生する。そして、これらの場合には、以上のように構成されていることにより、パネル剛性をある程度確保しつつ、表示ムラの低減を図ることができる。
【0067】
以上説明した本実施形態において、中央領域10Cと周縁領域10Dの間の中間位置に中間領域10S、10Tが設けられる態様としては、例えば、上記断面積又は上記幅Woが収容部10P内の中央から中間位置へ向けて徐々に低下し、中間位置から周縁へ向けて徐々に増大する態様、或いは、上記距離Lxが収容部10P内の中央から中間位置へ向けて徐々に増大し、中間位置から周縁へ向けて徐々に減少する態様も含まれる。また、本実施形態の図示例のように、中央領域10Cの周囲の一部の方位にのみ中間領域10S、10Tが設けられる場合に限らず、中央領域10Cの周囲の全方位に亘り一体の中間領域(例えば、リング状、枠状の領域)が設けられていてもよい。
【0068】
なお、本実施形態においては上述のように柱状スペーサ15が画素間領域H内に設けられているが、柱状スペーサ15が画素間領域H内に設けられず、画素G内に設けられている場合であっても、中間領域10S、10T内においては柱状スペーサ15の先端部15aの断面積が小さいことにより、表示ムラの低減を図ることができる。すなわち、この場合には、上記先端部15aが位置ずれを起こした時の移動範囲が画素G内の基板表面の損傷範囲と一致することになるが、中間領域10S、10Tでは先端部15aの断面積が小さいことにより、上記損傷範囲そのものの面積を小さくすることができるので、表示ムラを完全になくすことはできないものの、表示ムラの程度を改善することが可能である。
【0069】
[第2実施形態]
次に、図6及び図7を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において第1実施形態と対応する部分には同一符号を付し、図示しない部分及び説明しない事項は第1実施形態と同様に構成できる。図6は第2実施形態の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部の断面形状の分布を模式的に示す概略平面図、図7(a)は中央領域10C及び周縁領域10D内の拡大部分平面図、図7(b)は中間領域10S、10T内の拡大部分平面図である。
【0070】
図6に模式的に示す柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の分布も、上述の第1実施形態の断面形状の分布と同様の基本構成を有し、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値が小さく、また、収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の幅Woが小さい。さらには、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が、収容部10Pの中心から周縁に向かう向きFxに測った、柱状スペーサ15の先端部15aの外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxの平均値が大きい。
【0071】
しかしながら、前述のように、中間領域10S、10Tでは柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値が小さいことで支持剛性が低下するので、本実施形態ではこの支持剛性の低下を補償するために、中間領域10S、10Tにおける柱状スペーサ15の形成密度を中央領域10C及び周縁領域10Dよりも高くしている。
【0072】
図7は図6に模式的に示す柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の分布の一つの具体例を示すものである。中央領域10C及び周縁領域10Dでは、図7(a)に示すように、画素間領域Hにおいて、第1の画素間領域部H1と第2の画素間領域部H2が交差する交差部のうち、第1の画素間領域部H1の延在方向(図示左右方向)と、第2の画素間領域部H2の延在方向(図示上下方向)のいずれの方向についても一つ置きに柱状スペーサ15が配置される。一方、中間領域10S、10Tでは、図7(b)に示すように、第1の画素間領域部H1と第2の画素間領域部H2が交差する交差部の全てに柱状スペーサ15が配置される。これによって、中間領域10S、10Tでは中央領域10C及び周縁領域10Dに比べて柱状スペーサ15の形成密度(単位面積当たりの柱状スペーサの数)が2倍となっている。
【0073】
特に、図示例では、中央領域10C及び周縁領域10Dでは柱状スペーサ15の先端部15aの上記形成密度が一様であり、中間領域10S、10Tでも全ての柱状スペーサ15の先端部15aの上記形成密度が一様である。さらに、中間領域10S、10T以外の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部15aの上記形成密度が全て中間領域の形成密度より小さく、かつ、一様となっている。
【0074】
上記のように構成することにより、本実施形態では中間領域10S、10Tの支持剛性の低下を抑制することができ、したがって、パネル全体の剛性の低下を防止でき、また、上記支持剛性の低下に起因する表示ムラの発生も防止できる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、図8及び図9を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、本実施形態においても第1実施形態と対応する部分には同一符号を付し、図示しない部分及び説明しない事項は第1実施形態と同様に構成できる。図8は第3実施形態の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部の断面形状の分布を模式的に示す概略平面図、図9(a)は中間領域10S、10T内の一例の拡大部分平面図、図9(b)は中間領域10S、10T内の他の例の拡大部分平面図である。
【0076】
図8に模式的に示す柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の分布も、上述の第1実施形態の断面形状の分布と同様の基本構成を有し、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値が小さく、また、収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の幅Woが小さい。さらには、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が、収容部10Pの中心から周縁に向かう向きFxに測った、柱状スペーサ15の先端部15aの外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxの平均値が大きい。
【0077】
本実施形態では、図9(a)又は(b)に示すように、柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状が扁平形状とされ、この扁平形状の長手方向が収容部10Pの中央から周縁に向かう向き(方向)Fxと実質的に直交した方向とされる。上記向きFxは、上記と同様に、収容部10Pの中心点Ox(上記対角線Lt1とLt2の交差点)と柱状スペーサ15の先端部15aの中心点(重心点)とを結ぶ線に沿った方向を有する。
【0078】
上記のように構成すると、柱状スペーサ15の先端部15aの断面積をある程度確保しつつ、上記向きFxに沿った柱状スペーサ15の先端部15aの幅Woを小さくすることができ、また、上記向きFxに沿った上記距離Lxも大きくすることができるので、上記と同様に表示ムラを低減できる。
【0079】
なお、図9(a)は、第1実施形態と同様に中間領域10S、10T内の柱状スペーサ15の形成密度を中央領域10C及び周縁領域10Dと同様とした場合について示し、図9(b)は、第2実施形態と同様に中間領域10S、10T内の柱状スペーサ15の形成密度を中央領域10C及び周縁領域10Dより大きくした場合について示してある。また、図9(a)は、中間領域10S、10T内の柱状スペーサ15の上記幅Woを短軸とし、これと直交する方向の幅を長軸とし、当該長軸を中央領域10C及び周縁領域10Dの幅と同様とした場合について示し、図9(b)は、上記直交する方向の幅(長軸)についても中央領域10C及び周縁領域10Dの幅より小さくした場合について示してある。
【0080】
なお、上記の各実施形態では、いずれも複数の画素Gが画素間領域Hを挟んで縦横に格子状に配列されたマトリクス状(格子状)の配列パターンを有するものとして説明したが、例えば、複数の画素Gが横方向に一列に並ぶ配列が、横方向の1画素周期より小さいずれを有して縦方向に並ぶ、例えばデルタ状の配列パターンを有するものであっても構わない。
【0081】
[電子機器]
最後に、図13及び図14を参照して上記各種の電気光学装置を搭載した電子機器の実施形態について説明する。図13は本発明に係る電子機器の一例の外観を示す概略斜視図である。図示例の電子機器200は携帯電話機であり、本体201と、この本体201に接続された表示部202とを備えている。本体201には操作ボタン等を配設した操作面が設けられる。一方、表示部202の内部には上記の液晶装置10を用いた液晶表示体100が格納され、液晶装置10の表示領域10Aに形成される画像が表示部202の表示画面202aにて視認できるように構成されている。
【0082】
図14は電子機器200における液晶表示体100に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。電子機器200は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294と、後述するバックライト102への電力供給を行う光源制御回路295とを含む表示制御回路290を有する。
【0083】
また、液晶表示体100には、上述の第1実施形態又は第2実施形態で説明した構成を有する液晶装置10と、この液晶装置10を駆動する駆動回路109と、液晶装置10を照明し、表示を視認可能とするためのバックライト102とが設けられている。この駆動回路109は、液晶装置10に直接実装されている上記のICチップで構成されてもよく、液晶装置10の基板表面上に形成された電子部品や回路パターン、或いは、液晶装置10に導電接続された回路基板に実装されたICチップ若しくは回路パターンなどによっても構成することができる。
【0084】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0085】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路109へ供給する。駆動回路109は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0086】
光源制御回路295は、電源回路293から供給される電圧に基づいてバックライト102の光源に電力を供給し、所定の制御信号に基づいて光源の点灯の有無及びその輝度等を制御するようになっている。
【0087】
また、本発明に係る電子機器としては、図13に示す携帯電話機の他に、液晶テレビ、携帯電話機、電子時計、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末機などが挙げられる。ただし、上記携帯電話機のような携帯型電子機器においては、持ち運び等に際して液晶装置10に上述の状況において押圧力や折り曲げ力が加わりやすいので、本発明の構成は極めて有効である。
【0088】
尚、本発明の液晶装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では第2の基板12に柱状スペーサ15を形成し、この柱状スペーサ15の先端部15aで第1の基板11を支持するように構成しているが、例えば、上記柱状スペーサ15の代わりに、或いは、上記の柱状スペーサ15とともに、第1の基板11に別の柱状スペーサを形成し、その先端部で第2の基板12を支持するように構成してもよい。この場合、この第1の基板11に形成された別の柱状スペーサについても、上記の柱状スペーサ15と同様に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態の第1の基板11の構造を示す平面図。
【図2】第1実施形態の画素構造を示す縦断面図。
【図3】第1実施形態の第2の基板12の構造を示す平面図。
【図4】第1実施形態の柱状スペーサの断面形状の分布を模式的に示す概略平面図。
【図5】第1実施形態の中央領域及び周縁領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を示す拡大部分平面図(a)及び当該柱状スペーサの中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を説明するための説明図(b)。
【図6】第2実施形態の柱状スペーサの断面形状の分布を模式的に示す概略平面図。
【図7】第2実施形態の中央領域及び周縁領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を示す拡大部分平面図(a)及び当該柱状スペーサの中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を説明するための説明図(b)。
【図8】第3実施形態の柱状スペーサの断面形状の分布を模式的に示す概略平面図。
【図9】第3実施形態の中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状の一例を示す拡大部分平面図(a)及び中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状の他の例を示す拡大部分平面図(b)。
【図10】従来の液晶装置の収容部の中央を押圧した後の表示ムラの分布を示す平面図。
【図11】図10の液晶装置の押圧時の長手方向に沿った断面形状を示す概略縦断面図。
【図12】図10の液晶装置の押圧時の長手方向と直交する方向に沿った断面形状を示す概略縦断面図。
【図13】液晶装置を搭載した電子機器の概略斜視図。
【図14】電子機器の表示制御系を示す概略構成ブロック図。
【符号の説明】
【0090】
10…液晶装置、10P…収容部、10C…中央領域、10D…周縁領域、10S、10T…中間領域、10A…表示領域、11…第1の基板、12…第2の基板、13…液晶、14…シール材、15…柱状スペーサ、15a…先端部、16…配向膜、17、18…偏光板、G(Gr、Gg、Gb)…画素、H…画素間領域、H1…第1の画素間領域部、H2…第2の画素間領域部、Lt1、Lt2…対角線、Ox…中心点、Fx…向き、Wo…幅、Lx…距離
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶装置及び電子機器に係り、特に、液晶を収容する収容部の厚みを規定するための柱状スペーサを備えた液晶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図11及び図12に示すように、液晶装置10は第1の基板11と第2の基板12とがシール材14により貼り合わされ、これらの基板間にシール材14によって囲まれた収容部10Pが設けられ、この収容部10Pの内部に液晶13が配置される。通常、この液晶装置10には液晶13に独立して電界が与えられる領域である画素Gを構成するための画素構造が設けられ、この画素構造によって複数の画素Gが独立して光学的に制御可能に構成される。複数の画素Gの間には遮光膜19により画素間領域Hが形成されるが、この画素間領域Hは複数の画素Gの配列態様に応じて複数の画素Gの間を所定の方向に伸びるように構成される。典型的な画素間領域Hの構造としては縦横に配列された画素Gの間に格子状に構成されたものが知られている。
【0003】
第1の基板11の第2の基板12と対向する面には配向膜16が形成される。この配向膜16は液晶13に所定の初期配向状態(例えば、電界が印加されていないときの配向状態)を与えるための配向機能を備えている。なお、第1の基板11と第2の基板12のそれぞれの外面(他方の基板と対向する面とは反対側の面)上には偏光板17,18が配置される場合もある。
【0004】
一方、第1の基板11と第2の基板12との間隔(基板間ギャップ若しくはセルギャップ)を保持するために、第2の基板12の第1の基板11と対向する面上に柱状スペーサ15が形成される場合がある。この柱状スペーサ15は、光学的な影響を低減するために多くの場合上記画素間領域H内に形成される。この柱状スペーサ15の構造や分布密度は第1の基板11と第2の基板12の基板間ギャップに影響を与えるので、液晶13の厚みのばらつき等に起因する輝度ムラや色ムラなどといった表示ムラを防止するために柱状スペーサ15の構造や分布に関して多くの提案がなされている。
【0005】
例えば、以下の特許文献1及び2には、柱状スペーサの面積密度をパネル構造の周縁から中央に向かうに従って大きく構成することにより、外力に起因する基板間ギャップの変化による表示ムラ、気泡の発生等の不具合を防止することのできる構造が開示されている。また、以下の特許文献3及び4には、高さの異なる柱状スペーサを組み合わせることで、基板間ギャップの精度向上や耐圧の確保を可能とした構造が開示されている。
【特許文献1】国際公開パンフレットWO2005/038518A1
【特許文献2】特開2005−241880号公報
【特許文献3】特開2000−338503号公報
【特許文献4】特開2004−233989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の柱状スペーサを備えた液晶装置においては、柱状スペーサの面積密度を場所に応じて変えたり高さの異なる柱状スペーサを併用したりすることで、基板間ギャップの変化を抑制し、表示品位を確保するようにしている。しかしながら、発明者が種々実験を行い検討した結果、上記従来の柱状スペーサの改良技術では、外力等の変形応力が液晶装置に加わった後に残存する表示ムラを十分に改善することができないことが判明した。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、変形応力が液晶装置に加わった後に残存する表示ムラを低減することのできる新規の構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる実情に鑑み、本願発明者がさらに検討したところによると、図11及び図12に示すように、柱状スペーサ15を備えた液晶装置10の場合には、表示パネルの表面が押圧されたり表示パネルが屈曲されたりするなど外力(変形応力)が与えられると、基板11,12の変形に伴って柱状スペーサ15の突出方向が変化し、柱状スペーサ15の先端部15aの第1の基板11に対する当接位置がずれることで、柱状スペーサ15の先端部15aが画素間領域Hに隣接する画素Gの構造に損傷を与えて液晶13の配向状態が乱れ、これによって表示ムラが発生することが判明した。特に、第1の基板11の表面に配向膜16が形成されている場合には、変形応力による基板の撓みによって柱状スペーサ15の先端部15aが配向膜16の表面に損傷を与えるので、配向膜16の表面の損傷によって液晶の配向に乱れが生じ、表示ムラが顕著になる。
【0009】
例えば、図11及び図12に示すように、第2の基板12を指などで押圧した場合には、押圧部の直下にある柱状スペーサ15は単に圧縮されるだけであるが、当該押圧部の周囲にある柱状スペーサ15は第2の基板12の撓みによりその突出方向が変化する。また、状況によっては第2の基板12のみが撓むのではなく、多くの場合には図示のように第1の基板11も第2の基板12の撓みに応じて撓むので、この第1の基板11の撓みによって柱状スペーサ15の先端部15aの第1の基板11に対する当接位置のずれが生じやすくなる。
【0010】
このような柱状スペーサ15に起因する画素構造の損傷による表示ムラの発生は、原理的にみて上記従来の柱状スペーサの面積密度の変化や高さの異なる柱状スペーサの組み合わせでは全く改善できないことが予想された。そこで、本願発明者は、鋭意検討した結果、押圧力が液晶装置10に加わると特定の領域に表示ムラが発生しやすくなることを見出した。
【0011】
図10には、上記の液晶装置10の第2基板12の中央領域10cを押圧した後に生じた表示ムラ(色ムラ)の程度の分布を示す。この液晶装置10では、シール材14が矩形枠状に形成されることで、その内側に矩形状の収容部10Pが構成されている。そして、この収容部10P内には上記画素Gが配列されてなる表示領域10Aが形成される。図10は、この表示領域10Aの表示ムラの程度を五段階で五種類の記号により示したものである。
【0012】
図10に示すように、収容部10Pのうち、中央領域10cと周縁領域10dの間に表示ムラが大きい中間領域10s、10tが形成される。中間領域10s、10tは、上記矩形状の収容部10Pの二本の対角線Lt1とLt2(図示二点鎖線で示す。)の交点近傍を上記中心領域10cとし、シール材14の近傍内側を上記周縁領域10dとしたとき、中心領域10cの周囲において周縁領域10dとの間に上記対角線Lt1とLt2によって区画される四つの三角形状の平面範囲ごとにそれぞれ設けられる。図示例の場合、中間領域10s、10tは、中央領域10cに向けて幅が小さくなる形状、より具体的には、上記平面範囲の形状と同じ姿勢の、すなわち、一つの頂点が中心領域10cを向き、他の二つの頂点がそれぞれ収容部10Pの角部に向いた、略三角形状を備えている。
【0013】
図示例の場合、収容部10Pは図示左右方向に長く、図示上下方向に短い矩形状に構成されているので、上記対角線Lt1、Lt2で区画される平面範囲のうち図示上下方向にそれぞれ配置される平面範囲の形状と、図示左右方向にそれぞれ配置される平面範囲の形状とが異なるものとなっている。そして、この平面範囲の形状の相違に伴って、異なる形状の平面範囲にそれぞれ形成された上記中間領域10sと10tも相互に異なる平面形状を有するものとなっている。すなわち、相対的に見て、中間領域10sは広くかつ表示ムラが大きく、中間領域10tは狭くかつ表示ムラが小さくなっている。
【0014】
上記のように中間領域10sと10tの平面範囲や表示ムラの程度が異なる理由は以下のように考えられる。すなわち、図10の左右方向に沿った断面では、図11に示すように、収容部10Pの中央から基板11,12を拘束しているシール材14の形成位置までの距離が相対的に長いことから、中間領域10sでの柱状スペーサ15の傾斜角度が小さくなり、したがって、柱状スペーサ15の先端部15aによる配向膜16の損傷範囲も狭くなるため、表示ムラの出現範囲が狭く、表示ムラの程度も小さくなっているものと考えられる。一方、図10の上下方向に沿った断面では、図12に示すように、収容部10Pの中央から基板11,12を拘束しているシール材14の形成位置までの距離が相対的に短いことから、中間領域10tでの柱状スペーサ15の傾斜角度が大きくなり、したがって、柱状スペーサ15の先端部15aによる配向膜16の損傷範囲も広くなるため、表示ムラの出現範囲が広く、表示ムラの程度も大きくなっているものと考えられる。そして、本発明の液晶装置は以上のような知見に基づいてなされたものである。
【0015】
すなわち、第1発明の液晶装置は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、を有し、前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この第1発明によれば、外部からの押圧力や折り曲げ力等により二枚の基板のうち少なくとも片方の基板がシール材によって画成された収容部の中央領域を中心に撓むと、この中央領域と周縁領域との間の中間位置で二枚の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた柱状スペーサの先端部が他方の基板に対して収容部の中央から周縁に向けて位置ずれを起こす。しかしながら、本発明では、収容部の中央領域と周縁領域の間の中間位置に設けられた中間領域に配置された複数の柱状スペーサの先端部の断面積若しくはその平均値が、中央領域と周縁領域に配置された柱状スペーサの先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成されるので、柱状スペーサの先端部による他方の基板の液晶側の表面に対する損傷範囲を低減させることができる。すなわち、中間領域における柱状スペーサの先端部の断面積が小さいことにより、画素内における上記表面に対する損傷範囲も小さくすることができる。したがって、表示ムラの発生領域を狭くすることができるとともに表示ムラの程度も小さくすることができる。また、収容部の中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の断面積を小さくする必要がないので、パネル剛性を確保することができる。すなわち、表示ムラの発生しやすい中間領域において柱状スペーサの先端部の断面積を低減して表示ムラを低減するとともに、表示ムラの発生しにくい中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の断面積を確保することで支持剛性を確保できるから、表示ムラの低減とパネル剛性の確保を両立することができる。
【0017】
この場合に、前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記断面積を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の断面積より小さい第2の前記断面積を備えていることが好ましい。上記のように本発明では中央領域と周縁領域の上記断面積若しくはその平均値よりも中間領域の上記断面積若しくはその平均値が小さくなっていればよいが、特に、中央領域及び周縁領域の第1の断面積より中間領域の第2の断面積が全ての柱状スペーサについて小さくなっていることにより、上述の作用効果をさらに高めることができる。ここで、上記の第1の断面積及び第2の断面積はそれぞれ後述する実施形態のように全て同一である必要はない。
【0018】
また、第2発明の液晶装置は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、を有し、前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この第2発明によれば、外部からの押圧力や折り曲げ力等により二枚の基板のうち少なくとも片方の基板がシール材によって画成された収容部の中央領域を中心に撓むと、この中央領域と周縁領域との間の中間位置で二枚の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた柱状スペーサの先端部が他方の基板に対して収容部の中央から周縁に向けて位置ずれを起こす。しかしながら、本発明では、収容部の中央領域と周縁領域の間の中間位置に設けられた中間領域に配置された複数の柱状スペーサの先端部の収容部の中央から周縁に向かう方向(つまり、上記の柱状スペーサの先端部の位置ずれ方向)の幅若しくはその平均値が、中央領域と周縁領域に配置された柱状スペーサの先端部の収容部の中央から周縁に向かう方向の幅より小さく構成されるので、柱状スペーサの先端部による他方の基板の液晶側の表面に対する損傷範囲を低減させることができる。すなわち、中間領域における柱状スペーサの先端部の上記方向の幅が小さいことにより、柱状スペーサの先端部が同方向に位置ずれを起こしても、画素内の上記表面に対する損傷範囲を小さくすることができる。したがって、表示ムラの発生領域を狭くすることができるとともに表示ムラの程度も小さくすることができる。また、表示ムラの発生しやすい中間領域において柱状スペーサの先端部の上記幅を低減して表示ムラを低減するとともに、表示ムラの発生しにくい中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の上記幅を確保することで支持剛性を確保できるから、表示ムラの低減とパネル剛性の確保を両立することができる。
【0020】
この場合に、前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記幅を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の幅より小さい第2の前記幅を備えていることが好ましい。上記のように本発明では中央領域と周縁領域の上記幅若しくはその平均値よりも中間領域の上記幅若しくはその平均値が小さくなっていればよいが、特に、中央領域及び周縁領域の第1の幅より中間領域の第2の幅が全ての柱状スペーサについて小さくなっていることにより、上述の作用効果をさらに高めることができる。ここで、上記の第1の幅及び第2の幅はそれぞれ後述する実施形態のように全て同一である必要はない。
【0021】
本発明の一の態様においては、前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられている。これによれば、柱状スペーサが画素間領域に設けられていることにより、柱状スペーサによる光学的影響を低減できるために全般的に表示品位の向上を図ることができるとともに、柱状スペーサの先端部の位置ずれ量が小さい領域では、中間領域における当該先端部の断面積や上記幅が小さいことにより当該先端部が画素内に入り込まない場合も生じうるので、他方の基板の液晶側の表面に対する損傷領域を狭くし、表示ムラの発生領域を狭くすることができ、また、表示ムラが生じた領域にあっても、その表示ムラの程度を軽減することができる。
【0022】
さらに、第3発明の液晶装置は、互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、を有し、前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられ、前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値が、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値より大きく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする。なお、上記距離は、二枚の基板が撓んでいないとき、すなわち、柱状スペーサの先端部が位置ずれを起こしていないときに計測した値とする。
【0023】
この第3発明によれば、外部からの押圧力や折り曲げ力等により二枚の基板のうち少なくとも片方の基板がシール材によって画成された収容部の中央領域を中心に撓むと、この中央領域と周縁領域との間の中間位置で二枚の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた柱状スペーサの先端部が他方の基板に対して収容部の中央から周縁に向けて位置ずれを起こす。しかしながら、本発明では、収容部の中央から周縁に向かう向き(つまり、上記の柱状スペーサの先端部の位置ずれの向き)に測った、中間領域に配置された柱状スペーサの先端部の外縁から画素間領域と画素の境界位置までの距離の平均値が、中央領域と周縁領域に配置された柱状スペーサの先端部の上記と同じ向きに測った上記距離の平均値より大きく構成されるので、柱状スペーサの先端部による他方の基板の液晶側の表面に対する損傷範囲を低減させることができる。すなわち、中間領域における柱状スペーサの先端部の上記方向の距離が大きいことにより、柱状スペーサの先端部が同方向に位置ずれを起こしても、画素内の上記表面に対する損傷範囲を小さくすることができる。したがって、表示ムラの発生領域を狭くすることができるとともに表示ムラの程度も小さくすることができる。また、表示ムラの発生しやすい中間領域において柱状スペーサの先端部の上記距離を増大させて表示ムラを低減するとともに、表示ムラの発生しにくい中央領域及び周縁領域では柱状スペーサの先端部の上記距離を低減することで支持剛性を確保できるから、表示ムラの低減とパネル剛性の確保を両立することができる。
【0024】
上記各発明において、前記中間領域は、前記収容部内の周囲の領域に囲まれた島状に形成されている場合がある。押圧力や折り曲げ力が加わる場合には、表示ムラはこれらの力が加わった場所の周囲に島状に形成されるので、本発明の中間領域もまた島状に構成することで、パネル剛性を確保しつつ、表示ムラの低減を図ることができる。たとえば、後述する実施形態では表示ムラの分布と対応して矩形状の収容部内に四つの中間領域が島状に構成される。また、たとえば、円形の収容部が設けられたとするならば、表示ムラは中央と周縁の間にリング状に形成されるものと思われるので、やはりリング状の島状に形成されることが好ましい。いずれにしても、中央領域と周縁領域の間に中間領域が島状に構成されることが望ましい。
【0025】
上記各発明の他の態様においては、前記画素間領域は前記複数の画素の間を互いに交差する二方向にそれぞれ伸びるように設けられ、前記柱状スペーサは、前記画素間領域の前記二方向に伸びる部分の交差部に設けられている。これによれば、二方向に伸びる画素間領域の交差部に柱状スペーサが設けられていることにより、柱状スペーサの位置ずれ方向が当該二方向のいずれかであれば他方の基板の液晶側の表面に損傷を与えることがなくなり表示ムラも生じないので、表示ムラの生ずる領域を狭くすることができる。
【0026】
本発明の別の態様においては、前記収容部が矩形状に構成され、前記収容部には、前記矩形状の二本の対角線によって分割された四つの平面範囲ごとに前記中間領域が設けられる。これによれば、矩形状の収容部が構成される場合、二本の対角線に沿った領域には表示ムラが生じにくくなり、対角線の中間位置には表示ムラが生じやすいので、中間領域を二本の対角線で区画された四つの平面範囲ごとに設けることで、表示ムラを低減しつつ、上記対角線に沿った領域において柱状スペーサによる支持面積を確保することで、柱状スペーサによるパネル構造の支持剛性をより高いレベルで確保できる。
【0027】
この場合に、前記平面範囲内に形成される前記中間領域は、前記平面範囲の三角形状に対応して前記中央領域に向けて幅が小さくなる形状に形成されていることが好ましい。これによれば、四つの上記平面範囲は三角形状に構成されるが、各平面領域内において表示ムラの程度は各平面範囲の形状に対応して分布するので、各平面範囲の平面形状に合わせて上記中間領域を設けることで、効率的に表示ムラを低減でき、しかも支持剛性の低下を抑制できる。
【0028】
本発明の異なる態様においては、前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度は、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度より大きい。これによれば、中間領域に配置された柱状スペーサについては先端部の断面積が小さいか、或いは、先端部の収容部の中央から周縁に向かう方向の幅が小さい場合があるので、一般的には中間領域における柱状スペーサによる支持剛性は低下するが、上記のように柱状スペーサの形成密度、すなわち、単位面積当たりの柱状スペーサの数を大きくすることにより、当該支持剛性の低下を抑制することができる。
【0029】
本発明のさらに別の態様においては、前記他方の基板の前記液晶側の表面は配向膜で構成される。この配向膜を有する場合には、柱状スペーサの先端部が配向膜に損傷を与えることで液晶の配向が大きく乱れる虞があるが、本発明では画素内の配向膜の損傷を低減できるため、特に効果的である。
【0030】
上記各発明において柱状スペーサの先端部の断面形状は特に限定されないが、一つの態様としては、前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は円形であり、前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径より小さい場合がある。上記断面形状が円形であることにより、いずれの方向への位置ずれにおいても等方的な効果が得られる。
【0031】
また、上記各発明の他の態様としては、前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は扁平形状であり、前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状の長手方向が前記収容部の中央から周縁へ向かう方向と実質的に直交する方向である場合がある。この場合には、上記の扁平形状とすることにより、上記各発明において、中間領域における柱状スペーサの先端部の断面積の低減量を抑制しつつ、或いは、当該断面積を低減しなくても、表示ムラの低減を図ることが可能になるので、表示ムラの低減とパネル剛性の確保とをより高いレベルで両立できる。
【0032】
なお、上記の第3発明の態様としては、上記断面形状の上記断面積や上記幅を変更するか否かに拘わらず、先端部15aを画素間領域H内において収容部の中心側へ並行移動させ、これによって上記距離を大きくする構成も考えられる。このようにすることでも、先端部15aの周縁側への位置ずれに起因する表示ムラを低減することができる。
【0033】
本発明の異なる態様においては、前記他方の基板は前記画素毎に設けられたスイッチング素子を含み、前記一方の基板は前記画素に対応してフィルタ層を備えるカラーフィルタを有する。この態様では、スイッチング素子を含む他方の基板には柱状スペーサを設けず、カラーフィルタを有する一方の基板に柱状スペーサを設けることにより、両基板の製造工程のバランスを図ることができる。特に、柱状スペーサをフォトリソグラフィ技術を用いて形成する場合には、構造が簡易で下地面の平坦性に優れた一方の基板に柱状スペーサを形成することが製造上有利である。
【0034】
本発明においては、前記他方の基板において前記複数の画素を構成する画素構造は、前記他方の基板の前記液晶側の表面に沿った横電界を形成可能に構成されることが好ましい。この横電界モードの画素構造は他方の基板の一方の基板と対向する面に沿った電界により液晶を配向させるものであり、この場合には画素の透過率を高めることが困難であるために、表示の明るさを確保するには画素の開口率を高める必要があるが、当該開口率を高めるためには画素間領域を狭小化する必要がある。このように画素間領域を狭小化すると、柱状スペーサの先端部がずれることによる他方の基板の一方の基板と対向する面の損傷に起因する表示ムラの発生も顕著となるため、上記本発明は特に効果的である。
【0035】
上記の横電界モードのより具体的な構成としては、前記他方の基板は前記画素毎に電界を付与するための第1の電極と第2の電極を含み、前記一方の基板は前記画素に対応してフィルタ層を備えるカラーフィルタを有する。この態様では、他方の基板に第1の電極と第2の電極を設けることで、他方の基板の液晶側の表面に沿った横電界を形成することができる。
【0036】
次に、本発明の電子機器は、上記のいずれかに記載の液晶装置と、該液晶装置を制御する制御手段とを具備する。このような電子機器としては、例えば、携帯電話機、電子時計、表示モニタ、テレビジョン受像機などが挙げられる。特に、携帯電話機等といった携帯型電子機器においては、ポケットやスーツケースなどに当該携帯型電子機器を収納する場合に、液晶装置に対して折り曲げ力が加わる虞が高いので、上記表示ムラを低減するための手段を有する本発明の構成はきわめて有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態の第1の基板の表面構造を示す平面図、図2は本実施形態の拡大部分断面図(図1のII−II線に沿った断面図)、図3は本実施形態の第2の基板の表面構造を示す平面図である。なお、これらの図示以外の構造は基本的に図11及び図12に示す構成と同様であるので、対応する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0038】
本実施形態の液晶装置10は、いわゆる横電界モードの液晶装置であり、より具体的にはFFS(Fring Field Switching)モードと呼ばれるタイプの液晶装置である。ただし、本発明の液晶装置はこの種の液晶装置に限定されるものではない。
【0039】
しかしながら、特に、FFSやIPS(In Plane Switching)などといった横電界モードの液晶装置では、縦電界モードの液晶装置、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モードなどといった液晶装置に比べると、画素の透過率を高めることが難しいため、表示の明るさを確保するためには開口率を高める必要があり、開口率を高めると画素間領域Hの幅が狭くなるために、上述した柱状スペーサによる画素構造の損傷による光学的不具合が大きくなりやすい。したがって、本発明は、特にFFSやIPSなどといった横電界モードの液晶装置に用いることが効果的であるので、本実施形態では横電界モードの液晶装置の一例としてFFSモードの構成について以下に説明する。
【0040】
本実施形態の液晶装置10は、図2に示すように、第1の基板11の第2の基板12と対向する面に第1の画素構造110が形成され、第2の基板12の第1の基板11と対向する面に第2の画素構造120が形成される。そして、第1の画素構造110と第2の画素構造120により、上記の各画素Gが画成されるとともに各画素Gにおいてそれぞれ独立した電界が液晶13に付与可能とされる。これらの複数の画素Gは平面上において縦横にマトリクス状に配列されている。
【0041】
図1及び図2に示すように、第1の画素構造110は、第1の基板11上に下地絶縁層111を介して形成されたゲート線112及びコモン線113と、このコモン線113に導電接続された共通電極114と、ゲート線112に対しゲート絶縁膜112aを介して上方に対向配置されるシリコン等の半導体層115と、上記ゲート線112及びコモン線113とは交差する方向に伸びるデータ線116と、データ線116に導電接続され、半導体層115に導電接続されたソース電極116aと、当該ソース電極116aに対し半導体層115のチャネル領域(ゲート線112の一部のゲート電極となる部分と対向する活性領域)を挟んで半導体層115に導電接続されるドレイン電極116bと、このドレイン電極116bに導電接続されるとともに、上記共通電極114と絶縁層119を介して平面的に重ねて配置され、共通電極114と平面的に重なる範囲に開口部117aを備えた画素電極117とを有する。なお、この第1の画素構造110には上述の配向膜16も含まれる。
【0042】
上記ゲート線112のゲート電極部分、ゲート絶縁膜112a、半導体層115、ソース電極116及びドレイン電極116bは画素G毎に設けられるスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)を構成し、このゲート線112の電位によってオンオフ制御される当該TFTを介してデータ線116の電位が画素電極117に供給される。そして、上記の第1の電極である共通電極114と、上記第2の電極である画素電極117との間に電位差が与えられると、画素電極117の開口部117aを通して第1の画素構造110の表面に沿った横電界が形成され、これが液晶13に付与される。
【0043】
一方、図2及び図3に示すように、第2の画素構造120には、第2の基板12上にCrやCr合金等よりなる遮光膜121が形成され、この遮光膜121の非形成領域が画素Gを画成するとともに、遮光膜121の形成領域が画素間領域Hを構成する。また、その上にはカラーフィルタ122が形成される。このカラーフィルタ122は、画素G毎に対応する色を備えたフィルタ層が配列されたものである。図1及び図3には、赤色のフィルタ層を備えた画素Gr、緑色のフィルタ層を備えた画素Gg、青色のフィルタ層を備えた画素Gbが順番に配列されている様子を示してある。これらのフィルタ層の配列パターンとしては、本実施形態の場合にはストライプ配列、斜めモザイク配列などが例示される。各色のフィルタ層の境界は上記遮光膜121の設けられた画素間領域Hに配置される。なお、この第2の画素構造120にも配向膜123が含まれる。
【0044】
本実施形態の場合には上述のように複数の画素Gが縦横にマトリクス状に配列されているので、画素G間に設けられる画素間領域Hには、図3に示すように、平面方向のうち第1の方向F1に直線状に延在する第1の画素間領域部H1が画素G間において平行に複数形成されるとともに、上記第1の方向F1と交差する(図示例では直交する)第2の方向F2に直線状に延在する第2の画素間領域部H2が画素G間において平行に複数形成される。ここで、第1の画素間領域部H1は主としてゲート線112及びコモン線113の形成領域を遮光する部分であり、第2の画素間領域部H2は主としてデータ線116の形成領域を遮光する部分である。そして、第1の画素間領域部H1と第2の画素間領域部H2は画素Gの配列周期ごとに交差し、画素間領域Hは、両画素間領域部H1とH2が交差してなる交点状の複数の交差部を有するものとされ、全体として格子状に構成される。
【0045】
本実施形態では、第2の基板12の第1の基板11と対向する面上に柱状スペーサ15が形成される。柱状スペーサ15は絶縁材料で構成され、好ましくはフォトレジストを露光してパターニングするフォトリソグラフィ技術によって形成される。第2の基板12に設けられた柱状スペーサ15の先端部15aは、第1の基板11の第2の基板12と対向する面に当接して基板間ギャップを保つように第1の基板11を支持する。
【0046】
ここで、図1及び図3において示す円形は本実施形態の柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の一例を示す。ただし、当該断面形状は、円に限らず、三角形、四角形などの多角形状であってもよく、楕円などのような所定方向に延長された形状(後述する扁平形状など)であってもよい。
【0047】
柱状スペーサ15は上記画素間領域H内の、第1の画素間領域H1と第2の画素間領域H2が交差する交差部に配置される。図示例の場合には、柱状スペーサ15は、第1の画素間領域H1の軸線L1と第2の画素間領域H2の軸線L2の交点が断面形状の中心(一般的には重心、以下同様。)Cxと重なるように配置される。ここで、軸線L1はその両側にある第1の画素間領域H1(第2の画素間領域H2との間の交差部も含む)の面積が等しくなる直線であり、軸線L2はその両側にある第2の画素間領域H2(第1の画素間領域H1との間の交差部を含む)の面積が等しくなる直線である。
【0048】
ただし、柱状スペーサ15は、図示例のように軸線L1とL2の交点に断面形状の中心Cxが厳密に一致する必要はなく、第1の画素間領域H1と第2の画素間領域H2の交差部内に配置されていればよい。また、本発明においては、上記柱状スペーサ15が上記交差部内に配置されず、たとえば、交差部以外の第1の画素間領域H1又は第2の画素間領域H2内に配置されていてもよく、さらには、上記柱状スペーサ15が画素間領域H内に配置されていない場合でも、本実施形態(第1の発明)は後述する一定の効果を得ることができる。
【0049】
図4は、本実施形態における、柱状スペーサ15の先端部15aの断面積(第1の基板11及び第2の基板12の対向面に沿った断面形状、すなわち横断面形状)と収容部10P内の平面上の位置との関係を模式的に示す概略分布図、図5(a)は中央領域10C及び周縁領域10Dにおける柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状を示す拡大部分断面図、図5(b)は中間領域10S、10Tにおける柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状を示す拡大部分断面図である。ここで、図4はあくまでも先端部15aの断面積の大きさの収容部10P内の平面分布を模式的に示すものであり、図示中に円で示す断面形状は実際の収容部10P内における絶対的な断面積の値及び断面形状を反映するものではなく、実際の断面積及び断面形状を簡略化し、かつ、強調して描いてある。
【0050】
図4に示すように、本実施形態では、シール材14が矩形枠状の閉じた形状に配置され、このシール材14によって第1の基板11と第2の基板12が貼り合わされている。シール材14の内側には両基板11と12の間に矩形状の収容部10Pが構成され、この収容部10P内に上記液晶13が封入される。収容部10P内には上記画素が配列されてなる矩形状の表示領域10Aが設けられている。収容部10P内には第1の基板11と第2の基板12の間隔、すなわち、液晶13の厚みを所定値(通常、3〜10μm程度の範囲内の値)に規定するためのセルギャップを設定するために、複数の柱状スペーサ15が分散して形成される。
【0051】
本実施形態において、複数の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値は、収容部10P内の中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tにおいて小さく形成される。上記中央領域10Cは、矩形状の収容部10Pの対向する角部同士を結ぶ二本の対角線Lt1とLt2の交点である中心点Oxを含みその近傍を包含する領域であり、上記周縁領域10Dは、シール材14の内縁で構成される矩形状の各辺に沿ってその内側に設けられる矩形枠状の領域である。また、中間領域10S、10Tは、上記中央領域10Cと周縁領域10Dとの間の中間位置において複数の前記柱状スペーサ15が配置される領域である。
【0052】
なお、図4(後述する図6、図8も同様)においては、表示領域10A内にのみ柱状スペーサ15が配置されるように描いてあるが、実際には表示領域10Aの周囲とシール材14の間にも柱状スペーサ15が配置されていることが好ましい。また、本実施形態の中央領域10C及び周縁領域10Dは表示領域10Aの範囲とは直接関係がないが、中間領域10S、10Tは通常は表示領域10A内に構成される。
【0053】
図4に模式的に示す態様では、中央領域10C及び周縁領域10Dでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面積が同じ値の第1の断面積とされ、中間領域10S、10Tでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面積が同じ値の第2の断面積とされる。そして、第1の断面積よりも第2の断面積は小さく設定される。また、単に断面積だけでなく、図示例では中央領域10C及び周縁領域10Dでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状が同一であり、中間領域10S、10Tでも全ての柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状が同一である。なお、上記中間領域10S、10Tは常に中央領域10Cと周縁領域10Dの間の中間位置に配置されるが、図示例の場合には、中間領域10S、10T以外の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部15aが全て上記第1の断面積を備えた同一の断面形状とされている。
【0054】
本実施形態では、また、図5に示すように、複数の柱状スペーサ15の先端部15aの収容部10Pの中心(上記中心点Ox)から周縁に向かう方向の幅Wo若しくはその平均値は、収容部10P内の中央領域10C及び周縁領域10Dに対して中間領域10S、10Tにおいて小さく形成される。特に、図示例では中央領域10C及び周縁領域10Dでは全ての柱状スペーサ15の先端部15aの上記幅Woが同一の第1の幅であり、中間領域10S、10Tでも全ての柱状スペーサ15の先端部15aの上記幅Woが同一の第2の幅となっている。さらに、中間領域10S、10T以外の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部15aの上記幅Woが全て上記第1の幅を備えている。
【0055】
なお、上記のように、図示例では上記中間領域10S及び10Tの内部に配置された複数の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Wo並びに断面形状は全て同一であり、上記中央領域10C及び周縁領域10Dの内部に配置された複数の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Wo並びに断面形状は全て同一である。ただし、本実施形態において、上記各領域内の柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Wo並びに断面形状が全て同一である必要はなく、各領域において断面積又は上記幅Woが相互に異なる柱状スペーサ15が存在しても良い。この場合には、上記断面積又は上記幅Woの平均値で比較したときに、中間領域10S及び10Tが中央領域10C及び周縁領域10Dより小さくなっていればよい。
【0056】
また、本実施形態では柱状スペーサ15の少なくとも先端部15aが上記の断面形状となっていればよく、第1の基板11の第2の基板と対向する面と接触する可能性のない先端部以外の部分(基端部)の断面形状は任意である。したがって、柱状スペーサ15としては、高さ方向の全範囲において上記の断面形状の構成を有するものであってもよく、先端部のみが上記の断面形状の構成を有するものであってもよい。後者の場合には、例えば、柱状スペーサ15の基部側の断面形状から先端部15aの上記の断面形状の構成に向けて高さ方向に徐々に変化した形状を有するものであってもよく、或いは、柱状スペーサ15の基端部の断面形状と先端部15aの上記断面形状の構成とが或る高さ位置において段差状に不連続に変化するものでもよい。
【0057】
以上説明した本実施形態によれば、上記中間領域10S、10Tにおいて柱状スペーサ15の先端部15aは上記中央領域10C及び周縁領域10Dよりも断面積若しくはその平均値が小さいので、基板11、12が撓むことで当該先端部15aが位置ずれを起こしても、図5に示すように、収容部10Pの中央から周縁に向かう向きFxに測った、画素間領域H内の柱状スペーサ15の外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxを大きく設定することが可能になるため、位置ずれ量が少ない場合には画素間領域Hからはみ出しにくくなるから画素G内の表面に影響を与えにくくなり、位置ずれ量が多い場合でも先端部15aの断面積が小さいことで画素G内の配向膜16等の表面に損傷を与える範囲が低減される。
【0058】
また、見方を変えると、基板11、12が撓むことで当該先端部15aは収容部10Pの中央から周縁に向かう方向に位置ずれを起こすが、本実施形態によれば、上記中間領域10S、10Tにおいて柱状スペーサ15の先端部15aは上記中央領域10C及び周縁領域10Dよりも収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の幅Wo若しくはその平均値が小さいので、収容部10Pの中央から周縁に向かう向きFxに測った、画素間領域H内の柱状スペーサ15の外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxを大きく設定することが可能になるため、位置ずれ量が少ない場合には画素間領域Hからはみ出しにくくなるから画素G内の表面に影響を与えにくくなり、位置ずれ量が多い場合でも先端部15aの位置ずれ方向の幅が小さいことで画素G内への侵入範囲が低減されるため配向膜16等の表面に損傷を与える範囲も低減される。したがって、いずれの観点から見ても、基板の撓みに起因する柱状スペーサ15の先端部15aの位置ずれによる表示ムラの発生を抑制することが可能になる。
【0059】
以上のように上記断面積又は幅Woの低減により、図5に示す上記距離Lxを大きく設定することが可能になるが、本実施形態の構成を変更し、上記断面積や幅Woとは別に、すなわち、上記断面積や幅Woの大小関係の有無に拘らず、上記距離Lxの平均値を中間領域10S、10Tにおいて中央領域10C及び周縁領域10Dのそれよりも大きくすることでも、上記と同様の効果を得ることができる。なお、上記距離Lxとは、二枚の基板が撓んでいないとき、すなわち、柱状スペーサの先端部が位置ずれを起こしていないときに計測した値である。また、上記向きFxは、収容部10Pの中心点Ox(上記対角線Lt1とLt2の交差点)と柱状スペーサ15の先端部15aの中心点(重心点)とを結ぶ線に沿った方向を有し、中心点Oxとは反対側、すなわち周縁の側に向けた向きである。したがって、上記距離Lxは常に先端部15aの周縁側に存在する画素間領域Hの幅となる。
【0060】
なお、上記距離Lxは上記向きFxと画素間領域Hの延在する第1の方向F1、第2の方向F2との関係により変化し、上記向きFxは柱状スペーサ15の形成場所によって変わるので、各領域10C、10D、10S、10Tの内部においても種々変化するが、上記距離Lxの平均値が中央領域10Cや周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tで大きくなっていればよい。また、上記向きFxが第1の方向F1又は第2の方向F2に近く、上記距離Lxが規定できない場合(画素間領域Hと画素Gの境界位置が存在しない場合)には上記平均値の計算から除外される。
【0061】
また、本実施形態では上記のように中間領域10S、10Tにおいて柱状スペーサ15の先端部15aの断面積及び上記幅Woが小さいので、当該部分の柱状スペーサ15によるセルギャップに対する支持剛性が低下するが、中間領域以外の他の領域、特に中央領域10C及び周縁領域10Dでは上記断面積及び幅Woが大きいので、これらの領域での支持剛性を確保することができるため、パネル全体の剛性の低下を抑制できる。すなわち、表示ムラの低減とパネル剛性の確保とを両立できる。さらに、これと同様に、中央領域10C及び周縁領域10Dでは上記距離Lxが小さくてよいので、結果的に柱状スペーサ15の先端部15aの断面積や上記幅Woを大きくすることができ、これによってパネル全体の剛性を確保することができる。
【0062】
図示例の場合には、中間領域10S、10Tにおいて他の領域に対して柱状スペーサ15の先端部15aの中心Cxの位置を変えずに、断面積を小さくすることで上記幅Woを小さくするとともに上記距離Lxを大きくしているが、たとえば、図5(a)に点線で示す先端部15a′のように、断面形状を変えずに中心Cxを中心点Oxの側に並行移動させることで、上記距離Lxを大きくするようにしてもよい。また、このような柱状スペーサ15の位置の変更を、本実施形態で行った断面積や上記幅Woの低減と併用することも可能である。なお、このような位置の変更は、以下に示す他の実施形態においても同様に実施することが可能である。
【0063】
中間領域10S、10Tは一般に収容部10P内において周囲を囲まれた島状に構成される。これは、収容部10Pにおいて中央領域10Cと周縁領域10Dでは、柱状スペーサ15の先端部15aの位置ずれが少なく、したがって、断面積、上記幅Wo、上記距離Lxを変更する必要がなく、また、これらの領域では支持剛性を確保する必要があるからである。本実施形態では収容部10Pが矩形状であるので以下に説明するように特殊な状況となるが、一般的にはこのような島状の構成とされる。たとえば、収容部10Pが円形である場合を想定すると、中間領域は中央領域と周縁領域に挟まれたリング状の領域となる。
【0064】
本実施形態では、矩形状の収容部10Pの二本の対角線Lt1とLt2によって分割される四つの三角形状の平面範囲内にそれぞれ一つずつ上記中間領域10S、10Tが設けられる。これによって、二本の対角線Lt1,Lt2に沿った領域では上記断面積及び幅Woを大きくすることができるため、当該対角線Lt1、Lt2に沿った領域の支持剛性を確保できるため、パネル全体の剛性の低下をさらに効率的に抑制できる。
【0065】
さらに、本実施形態では、上記三角形状の四つの平面範囲のそれぞれに当該平面範囲の三角形状に対応させて、中央領域10Cに向けて幅が小さくなる形状(三角形状、台形状、その他の多角形状、或いは、これらの多角形状の角部を丸めた形状など)の中間領域10S、10Tが設けられているので、各平面範囲において支持剛性の低下を抑制しつつ効率的に表示ムラを低減できる。すなわち、図10に示すように、各平面範囲には中央領域10cに向けて幅が小さくなる形状の表示ムラが生じやすいので、中間領域10S、10Tの平面形状を上記平面範囲の形状に対応した形状とすることで、表示ムラの生じやすい領域を効率的にカバーできる。
【0066】
本実施形態では、液晶装置10の表示領域10Aの中央を指やペン先などで押圧した場合にはもちろんのこと、液晶装置10を搭載した電子機器をポケット(特にズボンの臀部に設けられたポケット)に入れたときやスーツケースなどの狭い空間に収容したときなど、液晶装置10の表示領域10Aに折り曲げ力が加えられた場合でも、第1の基板11及び第2の基板12に撓みが生ずるので、この撓みによって柱状スペーサ15の先端部15aに収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の位置ずれが発生する。そして、これらの場合には、以上のように構成されていることにより、パネル剛性をある程度確保しつつ、表示ムラの低減を図ることができる。
【0067】
以上説明した本実施形態において、中央領域10Cと周縁領域10Dの間の中間位置に中間領域10S、10Tが設けられる態様としては、例えば、上記断面積又は上記幅Woが収容部10P内の中央から中間位置へ向けて徐々に低下し、中間位置から周縁へ向けて徐々に増大する態様、或いは、上記距離Lxが収容部10P内の中央から中間位置へ向けて徐々に増大し、中間位置から周縁へ向けて徐々に減少する態様も含まれる。また、本実施形態の図示例のように、中央領域10Cの周囲の一部の方位にのみ中間領域10S、10Tが設けられる場合に限らず、中央領域10Cの周囲の全方位に亘り一体の中間領域(例えば、リング状、枠状の領域)が設けられていてもよい。
【0068】
なお、本実施形態においては上述のように柱状スペーサ15が画素間領域H内に設けられているが、柱状スペーサ15が画素間領域H内に設けられず、画素G内に設けられている場合であっても、中間領域10S、10T内においては柱状スペーサ15の先端部15aの断面積が小さいことにより、表示ムラの低減を図ることができる。すなわち、この場合には、上記先端部15aが位置ずれを起こした時の移動範囲が画素G内の基板表面の損傷範囲と一致することになるが、中間領域10S、10Tでは先端部15aの断面積が小さいことにより、上記損傷範囲そのものの面積を小さくすることができるので、表示ムラを完全になくすことはできないものの、表示ムラの程度を改善することが可能である。
【0069】
[第2実施形態]
次に、図6及び図7を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において第1実施形態と対応する部分には同一符号を付し、図示しない部分及び説明しない事項は第1実施形態と同様に構成できる。図6は第2実施形態の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部の断面形状の分布を模式的に示す概略平面図、図7(a)は中央領域10C及び周縁領域10D内の拡大部分平面図、図7(b)は中間領域10S、10T内の拡大部分平面図である。
【0070】
図6に模式的に示す柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の分布も、上述の第1実施形態の断面形状の分布と同様の基本構成を有し、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値が小さく、また、収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の幅Woが小さい。さらには、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が、収容部10Pの中心から周縁に向かう向きFxに測った、柱状スペーサ15の先端部15aの外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxの平均値が大きい。
【0071】
しかしながら、前述のように、中間領域10S、10Tでは柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値が小さいことで支持剛性が低下するので、本実施形態ではこの支持剛性の低下を補償するために、中間領域10S、10Tにおける柱状スペーサ15の形成密度を中央領域10C及び周縁領域10Dよりも高くしている。
【0072】
図7は図6に模式的に示す柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の分布の一つの具体例を示すものである。中央領域10C及び周縁領域10Dでは、図7(a)に示すように、画素間領域Hにおいて、第1の画素間領域部H1と第2の画素間領域部H2が交差する交差部のうち、第1の画素間領域部H1の延在方向(図示左右方向)と、第2の画素間領域部H2の延在方向(図示上下方向)のいずれの方向についても一つ置きに柱状スペーサ15が配置される。一方、中間領域10S、10Tでは、図7(b)に示すように、第1の画素間領域部H1と第2の画素間領域部H2が交差する交差部の全てに柱状スペーサ15が配置される。これによって、中間領域10S、10Tでは中央領域10C及び周縁領域10Dに比べて柱状スペーサ15の形成密度(単位面積当たりの柱状スペーサの数)が2倍となっている。
【0073】
特に、図示例では、中央領域10C及び周縁領域10Dでは柱状スペーサ15の先端部15aの上記形成密度が一様であり、中間領域10S、10Tでも全ての柱状スペーサ15の先端部15aの上記形成密度が一様である。さらに、中間領域10S、10T以外の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部15aの上記形成密度が全て中間領域の形成密度より小さく、かつ、一様となっている。
【0074】
上記のように構成することにより、本実施形態では中間領域10S、10Tの支持剛性の低下を抑制することができ、したがって、パネル全体の剛性の低下を防止でき、また、上記支持剛性の低下に起因する表示ムラの発生も防止できる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、図8及び図9を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、本実施形態においても第1実施形態と対応する部分には同一符号を付し、図示しない部分及び説明しない事項は第1実施形態と同様に構成できる。図8は第3実施形態の収容部10P内の柱状スペーサ15の先端部の断面形状の分布を模式的に示す概略平面図、図9(a)は中間領域10S、10T内の一例の拡大部分平面図、図9(b)は中間領域10S、10T内の他の例の拡大部分平面図である。
【0076】
図8に模式的に示す柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状の分布も、上述の第1実施形態の断面形状の分布と同様の基本構成を有し、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が柱状スペーサ15の先端部15aの断面積若しくはその平均値が小さく、また、収容部10Pの中央から周縁に向かう方向の幅Woが小さい。さらには、中央領域10C及び周縁領域10Dよりも中間領域10S、10Tの方が、収容部10Pの中心から周縁に向かう向きFxに測った、柱状スペーサ15の先端部15aの外縁から画素間領域Hと画素Gの境界位置までの距離Lxの平均値が大きい。
【0077】
本実施形態では、図9(a)又は(b)に示すように、柱状スペーサ15の先端部15aの断面形状が扁平形状とされ、この扁平形状の長手方向が収容部10Pの中央から周縁に向かう向き(方向)Fxと実質的に直交した方向とされる。上記向きFxは、上記と同様に、収容部10Pの中心点Ox(上記対角線Lt1とLt2の交差点)と柱状スペーサ15の先端部15aの中心点(重心点)とを結ぶ線に沿った方向を有する。
【0078】
上記のように構成すると、柱状スペーサ15の先端部15aの断面積をある程度確保しつつ、上記向きFxに沿った柱状スペーサ15の先端部15aの幅Woを小さくすることができ、また、上記向きFxに沿った上記距離Lxも大きくすることができるので、上記と同様に表示ムラを低減できる。
【0079】
なお、図9(a)は、第1実施形態と同様に中間領域10S、10T内の柱状スペーサ15の形成密度を中央領域10C及び周縁領域10Dと同様とした場合について示し、図9(b)は、第2実施形態と同様に中間領域10S、10T内の柱状スペーサ15の形成密度を中央領域10C及び周縁領域10Dより大きくした場合について示してある。また、図9(a)は、中間領域10S、10T内の柱状スペーサ15の上記幅Woを短軸とし、これと直交する方向の幅を長軸とし、当該長軸を中央領域10C及び周縁領域10Dの幅と同様とした場合について示し、図9(b)は、上記直交する方向の幅(長軸)についても中央領域10C及び周縁領域10Dの幅より小さくした場合について示してある。
【0080】
なお、上記の各実施形態では、いずれも複数の画素Gが画素間領域Hを挟んで縦横に格子状に配列されたマトリクス状(格子状)の配列パターンを有するものとして説明したが、例えば、複数の画素Gが横方向に一列に並ぶ配列が、横方向の1画素周期より小さいずれを有して縦方向に並ぶ、例えばデルタ状の配列パターンを有するものであっても構わない。
【0081】
[電子機器]
最後に、図13及び図14を参照して上記各種の電気光学装置を搭載した電子機器の実施形態について説明する。図13は本発明に係る電子機器の一例の外観を示す概略斜視図である。図示例の電子機器200は携帯電話機であり、本体201と、この本体201に接続された表示部202とを備えている。本体201には操作ボタン等を配設した操作面が設けられる。一方、表示部202の内部には上記の液晶装置10を用いた液晶表示体100が格納され、液晶装置10の表示領域10Aに形成される画像が表示部202の表示画面202aにて視認できるように構成されている。
【0082】
図14は電子機器200における液晶表示体100に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。電子機器200は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294と、後述するバックライト102への電力供給を行う光源制御回路295とを含む表示制御回路290を有する。
【0083】
また、液晶表示体100には、上述の第1実施形態又は第2実施形態で説明した構成を有する液晶装置10と、この液晶装置10を駆動する駆動回路109と、液晶装置10を照明し、表示を視認可能とするためのバックライト102とが設けられている。この駆動回路109は、液晶装置10に直接実装されている上記のICチップで構成されてもよく、液晶装置10の基板表面上に形成された電子部品や回路パターン、或いは、液晶装置10に導電接続された回路基板に実装されたICチップ若しくは回路パターンなどによっても構成することができる。
【0084】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0085】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路109へ供給する。駆動回路109は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0086】
光源制御回路295は、電源回路293から供給される電圧に基づいてバックライト102の光源に電力を供給し、所定の制御信号に基づいて光源の点灯の有無及びその輝度等を制御するようになっている。
【0087】
また、本発明に係る電子機器としては、図13に示す携帯電話機の他に、液晶テレビ、携帯電話機、電子時計、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末機などが挙げられる。ただし、上記携帯電話機のような携帯型電子機器においては、持ち運び等に際して液晶装置10に上述の状況において押圧力や折り曲げ力が加わりやすいので、本発明の構成は極めて有効である。
【0088】
尚、本発明の液晶装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では第2の基板12に柱状スペーサ15を形成し、この柱状スペーサ15の先端部15aで第1の基板11を支持するように構成しているが、例えば、上記柱状スペーサ15の代わりに、或いは、上記の柱状スペーサ15とともに、第1の基板11に別の柱状スペーサを形成し、その先端部で第2の基板12を支持するように構成してもよい。この場合、この第1の基板11に形成された別の柱状スペーサについても、上記の柱状スペーサ15と同様に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態の第1の基板11の構造を示す平面図。
【図2】第1実施形態の画素構造を示す縦断面図。
【図3】第1実施形態の第2の基板12の構造を示す平面図。
【図4】第1実施形態の柱状スペーサの断面形状の分布を模式的に示す概略平面図。
【図5】第1実施形態の中央領域及び周縁領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を示す拡大部分平面図(a)及び当該柱状スペーサの中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を説明するための説明図(b)。
【図6】第2実施形態の柱状スペーサの断面形状の分布を模式的に示す概略平面図。
【図7】第2実施形態の中央領域及び周縁領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を示す拡大部分平面図(a)及び当該柱状スペーサの中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状を説明するための説明図(b)。
【図8】第3実施形態の柱状スペーサの断面形状の分布を模式的に示す概略平面図。
【図9】第3実施形態の中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状の一例を示す拡大部分平面図(a)及び中間領域に配置された柱状スペーサの配置及び断面形状の他の例を示す拡大部分平面図(b)。
【図10】従来の液晶装置の収容部の中央を押圧した後の表示ムラの分布を示す平面図。
【図11】図10の液晶装置の押圧時の長手方向に沿った断面形状を示す概略縦断面図。
【図12】図10の液晶装置の押圧時の長手方向と直交する方向に沿った断面形状を示す概略縦断面図。
【図13】液晶装置を搭載した電子機器の概略斜視図。
【図14】電子機器の表示制御系を示す概略構成ブロック図。
【符号の説明】
【0090】
10…液晶装置、10P…収容部、10C…中央領域、10D…周縁領域、10S、10T…中間領域、10A…表示領域、11…第1の基板、12…第2の基板、13…液晶、14…シール材、15…柱状スペーサ、15a…先端部、16…配向膜、17、18…偏光板、G(Gr、Gg、Gb)…画素、H…画素間領域、H1…第1の画素間領域部、H2…第2の画素間領域部、Lt1、Lt2…対角線、Ox…中心点、Fx…向き、Wo…幅、Lx…距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、
前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、
前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、
を有し、
前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記断面積を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の断面積より小さい第2の前記断面積を備えていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、
前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、
前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、
を有し、
前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記幅を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の幅より小さい第2の前記幅を備えていることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置。
【請求項5】
前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項6】
互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、
前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、
前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、
を有し、
前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられ、
前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値が、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値より大きく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項7】
前記中間領域は、前記収容部内の周囲の領域に囲まれた島状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項8】
前記画素間領域は前記複数の画素の間を互いに交差する二方向にそれぞれ伸びるように設けられ、
前記柱状スペーサは、前記画素間領域の前記二方向に伸びる部分の交差部に設けられていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項9】
前記収容部が矩形状に構成され、
前記収容部には、前記矩形状の二本の対角線によって分割された四つの平面範囲ごとに前記中間領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項10】
前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度は、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度より大きいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項11】
前記他方の基板の前記液晶側の表面は配向膜で構成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項12】
前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は円形であり、
前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径より小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項13】
前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は扁平形状であり、
前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状の長手方向が前記収容部の中央から周縁へ向かう方向と実質的に直交する方向であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項14】
前記他方の基板において前記複数の画素を構成する画素構造は、前記他方の基板の前記液晶側の表面に沿った横電界を形成可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の液晶装置と、該液晶装置を制御する制御手段とを具備することを特徴とする液晶装置。
【請求項1】
互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、
前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、
前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、
を有し、
前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面積若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記断面積を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の断面積より小さい第2の前記断面積を備えていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、
前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、
前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、
を有し、
前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう方向の幅若しくはその平均値より小さく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
前記中央領域と前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサは第1の前記幅を備え、前記中間領域に配置された前記複数の柱状スペーサは前記第1の幅より小さい第2の前記幅を備えていることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置。
【請求項5】
前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項6】
互いに対向し、閉じた平面形状を備えたシール材によって貼り合わされた二枚の基板と、
前記二枚の基板及び前記シール材によって画成された収容部内に配置された液晶と、
前記二枚の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に形成され、先端部が他方の前記基板を支持する、前記収容部内に分散配置された複数の柱状スペーサと、
を有し、
前記収容部には前記液晶に対し独立して電界を印加可能に構成された複数の画素が画素間領域を介して配列され、前記柱状スペーサが前記画素間領域に設けられ、
前記収容部の中央領域と周縁領域との間の中間位置に、複数の前記柱状スペーサが配置され、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値が、前記先端部の前記収容部の中央から周縁に向かう向きに測った、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの外縁から前記画素間領域と前記画素の境界位置までの距離の平均値より大きく構成された中間領域が設けられていることを特徴とする液晶装置。
【請求項7】
前記中間領域は、前記収容部内の周囲の領域に囲まれた島状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項8】
前記画素間領域は前記複数の画素の間を互いに交差する二方向にそれぞれ伸びるように設けられ、
前記柱状スペーサは、前記画素間領域の前記二方向に伸びる部分の交差部に設けられていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項9】
前記収容部が矩形状に構成され、
前記収容部には、前記矩形状の二本の対角線によって分割された四つの平面範囲ごとに前記中間領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項10】
前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度は、前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの形成密度より大きいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項11】
前記他方の基板の前記液晶側の表面は配向膜で構成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項12】
前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は円形であり、
前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径が前記中央領域及び前記周縁領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面の直径より小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項13】
前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状は扁平形状であり、
前記中間領域に配置された前記柱状スペーサの前記先端部の断面形状の長手方向が前記収容部の中央から周縁へ向かう方向と実質的に直交する方向であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項14】
前記他方の基板において前記複数の画素を構成する画素構造は、前記他方の基板の前記液晶側の表面に沿った横電界を形成可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の液晶装置と、該液晶装置を制御する制御手段とを具備することを特徴とする液晶装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−134067(P2010−134067A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308247(P2008−308247)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
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