液液抽出システムおよび方法
外側チャンバおよび内側チャンバ、または膜によって分離された2つの互いに反対側のフレームを含む液液抽出システム。外側チャンバは、供給溶液および液体抽出剤の一方を収容するように構成され、かつ閉込め領域を画定する。内側チャンバは、供給溶液および液体抽出剤の他方を、内側チャンバの下部部分内に収容するように構成される。内側チャンバは、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定される。最終組立て時に、微孔性膜スリーブが内側チャンバの内容物と外側チャンバの内容物との間の抽出界面を確立するように、内側チャンバの少なくとも下部部分が、外側チャンバの閉込め領域内に位置決めされる。一実施形態において、微孔性膜スリーブの流れ領域は、他の点では外側チャンバ内に収容された供給溶液中に浸漬される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶解した溶質を第1の液体から第2の液体中に抽出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液液抽出は、第1の液体に溶解した溶質を、第1の液体と本質的に混和しない第2の液体に移動させるための一般に用いられる技術である。第1の液体中の溶質の溶液は、一般に「供給溶液」と呼ばれ、第2の液体は、一般に「抽出剤」または「液体抽出剤」と呼ばれる。溶質は、供給溶液を液体抽出剤と接触させたとき、2つの液体への溶質の相対溶解度に従って、2つの液体の間にそれ自体を分配する傾向がある。
【0003】
液液抽出を達成するための1つの従来の方法は、供給溶液および液体抽出剤を直接混合することである。残念ながら、この技術は、しばしば、混合物中の持続的な分散またはエマルションの形成を生じさせ、抽出プロセスを時間および最終結果の両方の点で非常に非効率にする。
【0004】
上で特定された分散の問題に対処するために、微孔性膜抽出方法が開発されている。特に、微孔性膜の1つの側は、典型的には、供給溶液と接触され、微孔性膜の対向する側は、液体抽出剤と接触される。したがって、溶質が移動される液液界面が、微孔性膜の微細孔内で供給溶液と液体抽出剤との間に形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
微孔性膜を介して供給溶液と液体抽出剤との間の大体の分離をもたらすという概念は、実行可能であることが証明されている。しかし、産業上の設定における微孔性膜液液抽出の実行可能性は、典型的には、抽出の速度(微孔性膜によって提供される液液界面表面積の関数である)、および万一膜が損傷されるか汚された場合に膜を取替える容易さによる。従来の微孔性膜液液抽出装置および方法は、膜の取替えを促進しない、制限された液液界面表面積での構造を用いる。これらの固有の非効率は、微孔性膜抽出の大規模な商業的実現を妨げている。
【0006】
発酵供給培養液からエタノールを得るなどの多くの商業的用途が、微孔性膜液液抽出技術の使用によって大きな利益を得ている。したがって、費用効果的ベースで維持されるように構成された微孔性膜を組入れる高生産性液液抽出システムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、外側チャンバと、内側チャンバとを含む液液抽出システムに関する。外側チャンバは、供給溶液および液体抽出剤の一方を収容するように構成され、かつ閉込め領域を画定する。内側チャンバは、供給溶液および液体抽出剤の他方を、内側チャンバの流れ領域内に収容するように構成される。この点に関して、内側チャンバは、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定される。最終組立て時に、微孔性膜スリーブが内側チャンバの内容物と外側チャンバの内容物との間の抽出界面を確立するように、内側チャンバの少なくとも流れ領域が、外側チャンバの閉込め領域内に位置決めされる。一実施形態において、微孔性膜スリーブの流れ領域は、他の点では外側チャンバ内に収容された供給溶液中に浸漬される。別の実施形態において、各々が、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定された、複数の内側チャンバが、外側チャンバ内に並んで位置決めされ、対向する対の内側チャンバが、セパレータプレートによって分離される。
【0008】
本発明の別の態様は、抽出剤フレームと、供給フレームと、微孔性膜とを含む液液抽出システムに関する。フレームの各々は、入口、出口、複数の開いた領域を有する前面、および入口と出口との間に位置決めされた複数の流体経路を画定する。微孔性膜は、それぞれ抽出剤フレームの前面と供給フレームの前面との間にシールされる。この構造では、それぞれ抽出剤フレームおよび供給フレームの開いた領域が、実質的に整列され、微孔性膜が、開いた領域で、抽出剤フレーム内の液体抽出剤と供給フレーム内の供給溶液との間に抽出界面を確立する。一実施形態において、抽出剤フレームおよび供給フレームの各々は、複数のチャンバを形成するように組合された複数のクロスバーを含む格子構成を画定し、互いに隣接したチャンバは、共通のクロスバーセクションを通って形成された1つ以上の穴によって流体的に連通される。
【0009】
本発明の別の態様は、溶解した溶質を第1の液体から第2の液体中に抽出する方法に関する。この方法は、外側チャンバを用意する工程と、内側チャンバを外側チャンバ内に位置決めする工程とを含む。この点に関して、内側チャンバは、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブを含む。第1の液体を外側チャンバ内に分配し、第2の液体を内側チャンバ内に分配する。この点に関して、第1の液体は微孔性膜スリーブの外部と接触し、第2の液体は微孔性膜スリーブの内部と接触する。最後に、溶質を、微孔性膜スリーブの細孔を横切って第1の液体から第2の液体に移動させる。一実施形態において、内側チャンバを通る第2の液体の連続的な流れを確立する。別の実施形態において、内側チャンバをある体積の第2の液体で充填し、その体積を、溶質の第2の液体中への抽出が発生するドウェル期間の間、内側チャンバ内で維持する。別の実施形態において、抽出操作後、微孔性膜スリーブを取替える。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、第1の液体に溶解した溶質を第2の液体中に抽出する方法に関する。この方法は、互いに反対側の第1および第2のフレームと、微孔性膜とを含む抽出デバイスを提供する工程を含む。フレームの各々は、複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する。微孔性膜は、第1のフレームと第2のフレームとの間にシールされる。第1の液体を第1のフレームに導入し、第1の液体は第1のフレーム経路を通る。同様に、第2の液体を第2のフレームに導入し、第2の液体は第2のフレーム経路を通る。この点に関して、第1および第2の液体は、それぞれ第1および第2のフレームの開いた領域で微孔性膜と接触する。最後に、溶質を、微孔性膜の細孔を横切って第1の液体から第2の液体に移動させる。一実施形態において、第1および第2の液体を、それぞれ第1および第2のフレームによって画定された曲がりくねった流れ経路を通って横断する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
液液抽出システム30の一実施形態が、図1に示されている。システム30は、外側チャンバ32と、複数の内側チャンバ34と、複数のセパレータアセンブリ36と、液体抽出剤溜め38とを含む。さまざまな構成要素を、以下でより詳細に説明する。一般的に言うと、外側チャンバ32は、供給溶液溜め(図示せず)に流体連結され、ある体積の供給溶液40(図1に一般に参照される)を収容する。内側チャンバ34は、他の点ではある体積の液体抽出剤42を内側チャンバ34の各々の内部に供給する液体抽出剤溜め38に流体連結される。内側チャンバ34は、外側チャンバ32内に位置決めされ、各々、外側チャンバ32内の供給溶液40とそれぞれの内側チャンバ34内に収容された液体抽出剤42との間の微孔性膜界面を提供するように構成される。セパレータアセンブリ36も、外側チャンバ32内に位置決めされ、隣接した対の内側チャンバ34を分離する。供給溶液40中の溶質は、液体抽出剤42に移動され(すなわち、抽出され)、これは、その後、連続的または周期的ベースで内側チャンバ34から除去される。
【0012】
外側チャンバ32は、ベース52から延在する側壁50を有する、剛性に構成されたタンクの形態を有することができ、ベース52および側壁50は組み合わされて、所望の体積の供給溶液40を収容するための閉込め領域(図1に54で一般に参照される)を画定する。外側チャンバ32は、さらに、ベース52と反対側の開いた頂側部58を有する上部部分56を画定する。入口ポート60が、ベース52に隣接して形成され、内部閉込め領域54に流体的に連通される。同様に、出口ポート62が、上部部分56に設けられ、内部閉込め領域54に流体的に連通される。一実施形態において、入口ポート60および出口ポート62は、供給溶液40が外側チャンバ32を通って連続的に供給されるように、供給溶液溜め(図示せず)に流体的に連通される。あるいは、入口ポート60を「新たな」(すなわち、未処理の)供給溶液40の溜めに流体的に連通することができ、出口ポート62は、抽出された供給溶液(すなわち、以下で説明されるように抽出プロセスにかけられた供給溶液)の別個の溜めに流体的に連通される。さらに、以下で説明されるように、入口ポート60および出口ポート62への溜めの連結を逆にすることができ、および/またはポート60、62の1つをなくすことができる。
【0013】
一実施形態において、外側チャンバ32の上部部分56は、外側チャンバ32の残りと比較して増加した断面積を有し、かつ他の点では外側チャンバ32内に収容された供給溶液40からの汚染物(図示せず)の除去を促進するように構成される。特に、上部部分56の壁が、水平に対して角度をなして延在する底壁66によって部分的に画定されたトラフ64を形成してもよい。トラフ64は、出口ポート68に流体的に連通される。他の点では収容された供給溶液40の液体レベルライン(図1に70で一般に参照される)まで浮遊または上昇する汚染物は、トラフ64内に捕捉され、これの底壁66は、汚染物を、外側チャンバ32からの除去のため出口ポート68に向ける。この1つの構造では、出口ポート68は、外側チャンバ32に対する供給溶液40の充填/除去を妨げないように、出口ポート62より上に位置決めされる。あるいは、他の構造を、収容された供給溶液40から少なくとも1つの汚染物をすくい取るために使用することができるか、すくい取るべき特徴物を完全になくすことができる。
【0014】
内側チャンバ34は、図2により詳細に示されている。特に、内側チャンバ34の各々は、微孔性膜スリーブ80と、フレーム82とを含む。フレーム82は、対応するスリーブ80内に維持される。明確にするため、図2はさらに、セパレータアセンブリ36を示し、これらの詳細を以下に説明する。
【0015】
微孔性膜スリーブ80は、底部86で互いにシールされた対向する主側壁84a、84bと、対向する側部88a、88bとを含んでもよい。さらに、側壁84a、84bの各々は、少なくともフレーム82の組立て前は互いに連結されず、したがって、フレーム82の挿入/除去のためにスリーブ80の内部への開口部92を有する頂縁90a、90bを画定する。一実施形態において、スリーブ80には、開口部92の選択的な閉鎖および/またはシーリングを行うように構成された閉鎖/シーリングデバイス(図示せず)が設けられる。たとえば、テープを使用して開口部92を閉じることができ、対応する再閉鎖可能なストリップを、頂縁90a、90bに隣接して、側壁84a、84bの内部に沿って設けることができ、頂縁90a、90bを互いにヒートシールすることができる。あるいは、開口部92は、常に塞がれない(unencumbered)ままでもよい。
【0016】
スリーブ80は、封筒状形態を呈するように示されているが、他の構成も可能である。たとえば、スリーブ80が横断面でより矩形であるように、主側壁84a、84bを連結した副側壁を設けることができる。同様に、微孔性膜材料の付加的なセクションを底部86に設けることができる。また、スリーブ80には、フレーム82をより容易に収容するために側部ひだおよび/または底部ひだを設けることができる。
【0017】
スリーブ80は、好ましくは、スリーブ80の長さに沿って所定の位置に一連の穴94(図2に一般に概略図示される)を形成する。穴94は、側壁84a、84bの両方を通って形成され、側壁84a、84bに対して整列される。以下でより詳細に説明されるように、穴94は、内側チャンバ34内へのおよび内側チャンバ34からの液体流れを促進するチューブ穴94a、94bと、場合によってはガスケット(図示せず)と関連して、セパレータアセンブリ36の、対応する内側チャンバ34への組立てを促進する組立て穴94c〜94fとを含む。とにかく、スリーブ80、およびしたがって内側チャンバ34は、穴94より下の、底部86まで延在する流れ領域100を画定する。使用の間、液体抽出剤42(図1)は、流れ領域100内に収容され、および/または流れ領域100内を流れる。スリーブ80は、流れ領域100と反対側の上部セクション102をさらに含んでもよい。上部セクション102は、期待された供給溶液レベルライン70(図1)、および外側チャンバ32(図1)内の内側チャンバ34の位置に基づいた長さを有する。一実施形態において、上部セクション102は、最終組立ておよび操作時に供給溶液レベルライン70より上に延在するようなサイズであり、それにより、収容された供給溶液40(図1)が内側チャンバ34に入ることを防止する。あるいは、スリーブ80が頂縁90a、90bでシールされた場合、上部セクション102は、任意のサイズ/長さを有することができ、完全になくすことができる。
【0018】
微孔性膜スリーブ80のために使用される材料は、非常にさまざまな形態を呈することができる。本発明による微孔性膜材料は、典型的には、膜の主面の間に延在するマイクロメートルサイズの細孔(すなわち、微細孔)を有する。たとえば、図2の実施形態に関して、側壁84a、84bの各々は、外面106(側壁84aについて図2に示された)および内面108(側壁84bについて図2に示された)をそれぞれ画定する。したがって、微細孔は、側壁84a、84bの各々について外面106と内面108との間に延在する。とにかく、微細孔は、たとえば、互いに独立でもよいし相互連結してもよい。微孔性膜材料は、微細孔を有する任意の材料、たとえば、微孔性熱可塑性ポリマーから形成してもよい。スリーブ80のために使用される微孔性膜材料は、可撓性および剛性のいずれであってもよい。
【0019】
微孔性膜材料の微細孔サイズ、厚さ、および組成は、典型的には、本発明による抽出の速度を定める。微孔性膜の微細孔のサイズは、微細孔内での供給溶液40(図1)と液体抽出剤42(図1)との間の接触を可能にするのに十分に大きくなければならないが、微孔性膜を通って抽出剤内に流れる供給溶液のフラッディングが発生するほど大きくてはならない。
【0020】
本発明の実施に有用な微孔性膜材料は、たとえば、親水性および疎水性のいずれでもよい。微孔性膜は、当該技術において周知の、および、たとえば、米国特許第3,801,404号明細書(ドルイン(Druin)ら)、米国特許第3,839,516号明細書(ウィリアムズ(Williams)ら)、米国特許第3,843,761号明細書(ビエレンバウム(Bierenbaum)ら)、米国特許第4,255,376号明細書(スーンゲン(Soehngen)ら)、米国特許第4,257,997号明細書(スーンゲン(Soehngen)ら)、米国特許第4,276,179号明細書(スーンゲン(Soehngen))、米国特許第4,973,434号明細書(サーカー(Sirkar)ら)に記載された方法によって用意することができ、および/または、たとえば、セルガード・インコーポレイテッド(Celgard, Inc.)(ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte, NorthCarolina))、テトラテック・インコーポレイテッド(Tetratec, Inc.)(ペンシルバニア州アイビーランド(Ivyland, Pennsylvania))、ナディア・フィルトレーション・ゲーエムベーハー(Nadir Filtration GmbH)(ドイツ、ビースバーデン(Wiesbaden, Germany))、またはメンブラナ・ゲーエムベーハー(Membrana, GmbH)(ドイツ、ブッパータール(Wuppertal, Germany))などの供給業者から広く市販されている。例示的な親水性膜としては、多孔性ポリアミド(たとえば、多孔性ナイロン)、多孔性ポリカーボネート、多孔性エチレンビニルアルコールコポリマー、および多孔性親水性ポリプロピレンの膜が挙げられる。例示的な疎水性膜としては、多孔性ポリエチレン、多孔性ポリプロピレン(たとえば、熱誘起相分離多孔性ポリプロピレン)、および多孔性ポリテトラフルオロエチレンの膜が挙げられる。
【0021】
典型的には、有用な微孔性膜材料の平均細孔径(たとえば、ASTM E1294−89(1999)「自動液体ポロシメータを使用する膜フィルタの細孔径特徴の標準テスト方法(Standard Test Method for Pore Size Characteristics of Membrane Filters Using Automated Liquid Porosimeter)」に従って測定されるような)は、0.07マイクロメートルより大きくてもよく(たとえば、0.1マイクロメートルより大きいまたは0.25マイクロメートルより大きい)、1.4マイクロメートル未満(たとえば、0.4マイクロメートル未満または0.3マイクロメートル未満)であってもよいが、より大きいまたはより小さい平均細孔径を有する微孔性膜も使用可能である。エマルション形成および/または膜を横切るフラッディングを低減するために、微孔性膜は、細孔、引裂、または直径100マイクロメートルを超える他の穴が実質的になくてもよい。
【0022】
スリーブ80のための有用な微孔性膜材料は、典型的には、微孔性膜材料の体積を基準にして、少なくとも20パーセント(たとえば、少なくとも30パーセントまたは少なくとも40パーセント)から、80パーセント、87パーセント、またはさらには95パーセントまでの範囲内の多孔度を有する。
【0023】
典型的には、スリーブ80のための有用な微孔性膜材料の厚さは、少なくとも25マイクロメートル(たとえば、少なくとも35マイクロメートルまたは少なくとも40マイクロメートル)であり、および/または80マイクロメートル未満(たとえば、60マイクロメートル未満またはさらには50マイクロメートル未満)であってもよいが、いかなる厚さの膜材料を使用してもよい。典型的には、スリーブ80のための微孔性膜材料は、意図された操作条件下で微孔性膜スリーブ80を横切って課してもよいいかなる圧力差にも耐えるように、単独でまたは任意の多孔性支持部材と組合わされて、十分に機械的に強くなければならない。
【0024】
スリーブ80のための微孔性膜材料は、少なくとも1つの疎水性(すなわち、水で自然発生的に浸されない)材料を含んでもよい。例示的な疎水性材料としては、ポリオレフィン(たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、上記のいずれかのコポリマー、および、任意に、エチレン不飽和モノマー)、およびそれらの組合せが挙げられる。微孔性膜材料が疎水性である場合、微孔性膜スリーブ80を濡らすのを助けるために、液体抽出剤42(図1)に対して、収容された供給溶液40(図1)に積極的な圧力を加えてもよい。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、スリーブ80の微孔性膜材料は、親水性、たとえば、公称平均細孔径が0.2から0.45マイクロメートルの範囲内の親水性多孔性ポリプロピレン膜材料(たとえば、ミシガン州アンアーバーのポール・ライフ・サイエンスズ・インコーポレイテッド(Pall Life Sciences, Inc., Ann Arbor, Michigan)によって商品名「GHポリプロ・メンブレン(GH POLYPRO MEMBRANE)」で販売されるような)であってもよい。スリーブ80の微孔性膜材料が親水性である場合、微孔性膜スリーブ80内の液液界面の固定化を促進するために、収容された供給溶液40(図1)に対して、収容された液体抽出剤42(図1)に積極的な圧力を加えてもよい。スリーブ80に有用な例示的な膜材料としては、米国特許第3,801,404号明細書(ドルイン(Druin)ら)、米国特許第3,839,516号明細書(ウィリアムズ(Williams)ら)、米国特許第3,843,761号明細書(ビエレンバウム(Bierenbaum)ら)、米国特許第4,255,376号明細書(スーンゲン(Soehngen))、米国特許第4,257,997号明細書(スーンゲン(Soehngen)ら)、および米国特許第4,276,179号明細書(スーンゲン(Soehngen))、米国特許第4,726,989号明細書(ムロジンスキ(Mrozinski))、米国特許第5,120,594号明細書(ムロジンスキ(Mrozinski))、および米国特許第5,238,623号明細書(ムロジンスキ(Mrozinski))に記載されたような微孔性膜が挙げられる。
【0026】
フレーム82は、スリーブ80内に選択的に維持されるようなサイズである。図3Aおよび図3Bをさらに参照すると、フレーム82は、中央パネル110と、対向する外側パネル112(これらの1つが、図3Bに示されている)とを含んでもよい。外側パネル112は、中央パネル110の両側に組立てられ、これらの組合せは、対応するスリーブ80内に配置されると、側壁84a、84bが互いに接触することを防止し、かつ内側チャンバ34の流れ領域100内の液体抽出剤42(図1)の望ましい流れを促進する。
【0027】
中央パネル110は、一実施形態において、たとえばポリメチルメタクリレートなどの剛性材料から形成され、複数の流体経路116が形成された流れ領域114を画定する。中央パネル110の流れ領域114は、サイズが、スリーブ80の流れ領域100のものと対応する。流体経路116は、好ましくは、中央パネル110の厚さを通って延在する穴であり、中央パネル110の一方の側から他方の側への流体流れを可能にする。中央パネル110は、さらに、下部領域118および上部領域120を画定する。下部領域118は、流れ領域114より下に設けられ、上部領域120は、流れ領域114のすぐ上に設けられる(図3Aの配向に対して)。
【0028】
これらの条件を考慮して、中央パネル110は、上部領域120から下部領域118まで延在するスロットまたは導管122を形成する。導管122は、導管122内への液体抽出剤42(図1)の送出のために、上部領域120の入口ポート124に流体的に連通される。逆に、導管122は、下部領域118で開いている(たとえば、複数の開口部(図示せず))。この構成では、入口ポート124で導管122に導入された液体が、導管122を介して、上部領域120から下部領域118に向けられ、流れ領域114内に放出される。
【0029】
中央パネル110は、さらに、上部領域120に出口ポート126を形成してもよい。以下でより詳細に説明されるように、導管122を介して流れ領域114に導入された液体抽出剤42(図1)は、出口ポート126に上方に流れる。次に、他の点では出口ポート126に流体連結された別個のチューブ(図示せず)を使用して、内側チャンバ34から液体抽出剤42を除去する。
【0030】
最後に、中央パネル110は、一連の組立て穴128(図3Aに一般に参照される)を形成する。以下で説明されるように、組立て穴128は、対応する内側チャンバ34およびセパレータアセンブリ36の、互いに対するおよび外側チャンバ32(図1)への組立てを促進するために設けられる。
【0031】
外側パネル112は、好ましくは、図3Bに示されているように、サイズおよび形状が、中央パネル110と一致する。この点に関して、外側パネル112は、各々、先に説明された流れ領域114、100と対応する流れ領域130、下部領域132、および上部領域134を画定する。流れ領域130は、閉じたセクション136と、開いたセクション138とを含む。閉じたセクション136は、サイズおよび形状が、中央パネル110(図3A)の導管122(図3A)と対応し、パネル110、112の最終組立て時に、閉じたセクション136が導管またはスロット122を被覆し、それからの流体流れを防止する。逆に、開いたセクション138は、材料がないことによって特徴づけられ、流体流れが外側パネル112に対して外方に発生することを防止しない。換言すれば、他の点では中央パネル110の流れ領域114(図3A)内に放出された液体抽出剤(図示せず)は、開いたセクション138を通って容易に流れる。しかし、一実施形態において、スクリーンまたは同様のメッシュ材料140が、開いたセクション138内に固定される。液体がスクリーン140の周りを流れると、混合作用が液体に与えられ、以下で説明されるように抽出プロセスを向上させる。スクリーン140のためにさまざまな代替構造を使用することができるか(たとえば、格子構造)、スクリーン140を完全になくすことができる。
【0032】
最後に、外側パネル112は、各々、好ましくは、複数の穴(図3Bに142で一般に参照される)を形成する。複数の穴142は、中央プレート110(図3A)の、それぞれ入口ポート124(図3A)および出口ポート126(図3A)への適切なチューブの通路を促進するように構成されたチューブ穴142a、142bを含む。穴142の残りは、内側チャンバ34/分離アセンブリ136の組立て、および外側チャンバ32(図1)への組立てを促進するように構成された組立て穴142c〜142fである。
【0033】
図2に戻ると、セパレータアセンブリ36の個別のものが、対応する対の内側チャンバ34の間の配置のために構成されており、一実施形態において、各々、ヘッド部分150と、セパレータプレート152とを含む。評価の基準として、図2は、外側セパレータアセンブリ36a、36bを含む3つのセパレータアセンブリ36を示す。セパレータアセンブリ36の各々は、一般に、同じ構成であり、外側セパレータアセンブリ36a、36bの任意の特徴は、以下で説明される。しかし、図示の容易さのため、セパレータアセンブリ36(外側セパレータアセンブリ36a、36bを含む)に共通の特徴は、セパレータアセンブリ36の1つのみ(すなわち、外側セパレータアセンブリ36a)に対して、図2に参照され、特に明記しない限り、セパレータアセンブリ36(外側セパレータアセンブリ36a、36bを含む)の各々が、共通の特徴を含むことが理解される。したがって、その後の説明において、「ヘッド部分150」および「セパレータプレート152」の特徴への言及は、一実施形態において、図2に示された関連した構成要素すべてに等しく適用できる。上記の基準の慣行を考慮して、一実施形態において、ヘッド部分150およびセパレータプレート152は、別個の構成要素として提供される。あるいは、ヘッド部分150およびセパレータプレート152を一体的な単一のプレートとして形成することができる。
【0034】
ヘッド部分150は、内側チャンバ34への組立てのために構成された剛性の本体であり、チューブ穴154a、154b、および組立て穴154c〜154fを形成することができる。評価の基準として、穴154a〜154fは、外側セパレータアセンブリ36aのヘッド部分150aについて図2に参照され、一実施形態において、ヘッド部分150(ヘッド部分150bを含む)の各々が同様の特徴を含むことが理解される。内側チャンバ34のさまざまな構成要素のように、チューブ穴154a、154bは、内側チャンバ34へのおよび内側チャンバ34からのチューブ(図示せず)のための通路を提供する。逆に、組立て穴154c〜154fは、ボルト156などによる、ヘッド部分150/内側チャンバ34の、互いに対する、およびおそらくは外側チャンバ32(図1)への組立てのために設けられる。
【0035】
セパレータプレート152も剛性の本体であり、その長さに沿って流体流れを促進するように構成することができる。したがって、一実施形態において、セパレータプレート152は、複数のスロット158および複数の開口160を形成する。もう一度、スロット158および開口160は、外側セパレータアセンブリ36aのセパレータプレート152aについて図2に参照され、一実施形態において、セパレータプレート152(セパレータプレート152bを含む)の各々が同様の特徴を含むことが理解される。スロット158および開口160は、セパレータプレート152の厚さを通って延在してもよく、たとえば、スロット158は上方に角度をつけられて延在する(図2に示されているように)。この配向では、流体がセパレータプレート152の底部から充填すると、スロット158は、流体をその中央の方に向ける。最後に、一実施形態において、スクリーンまたは他のメッシュ材料162が、セパレータプレート152の両側に設けられる(これの1つが、セパレータプレート152、152a、152bの各々について図2に示されている)。先に説明されたように、スクリーン162は、有益な混合作用を、他の点ではスクリーン162の材料を横断する流体に与える。
【0036】
先に説明されたように、各セパレータアセンブリ36のヘッド部分150およびセパレータプレート152は、一実施形態において、別個の構成要素である。この一実施形態では、外側セパレータアセンブリ(図2の36aおよび36b)の外側セパレータプレート(図2の152aおよび152b)は、内側チャンバ34、特に微孔性膜スリーブ80、およびどの中間セパレータプレート152と比較してもわずかに大きい幅を有する(図2に示されていない)。この1つの構造では、外側セパレータプレート152a、152bは、それらの周囲に位置決めされたボルト(図示せず)などによって、互いに固定される。あるいは、外側セパレータプレート152a、152bは、どの中間セパレータプレート152と比較してもサイズが同一であることができ、異なるように組立てることができる(たとえば、セパレータアセンブリ36が、各々、単一構造として形成された場合、ヘッド部分150の取付けが、対応するセパレータプレート152の取付けを行う)。
【0037】
内側チャンバ34およびセパレータアセンブリ36の組立てを、図1、図2、および図4を参照して説明する。各内側チャンバ34は、フレーム82の1つをスリーブ80の対応するものの中に配置することによって組立てられる。次に、一連のそのように組立てられた内側チャンバ34が、ヘッド部分の1つ(図4に150cと示された)を2つの内側チャンバ(図1および図4に34aおよび34bと示された)の間に配置することによって、セパレータアセンブリ36に組立てられる。一実施形態において、ガスケット(図示せず)が、それぞれ、ヘッド部分150cと内側チャンバ34a、34bとの間に位置決めされる。ヘッド部分の付加的なもの(図4に150a、150bと示された)が、内側チャンバ34a、34bの反対側に位置決めされ、ガスケット(図示せず)が、おそらくは、ヘッド部分150aと内側チャンバ34aとの間に挿入され、ガスケット(図示せず)が、おそらくは、ヘッド部分150bと内側チャンバ34bとの間に挿入される。次に、ボルト156は、それぞれ、スリーブ80、中央パネル110、外側パネル112、およびヘッド部分150によって提供された、さまざまな組立て穴94、128、142、154(図2、図3A、図3B)を通され、それにより、構成要素を連結する。セパレータプレート152は、セパレータプレートの1つ(図4に152cと示された)を、内側チャンバ34a、34bの間に、対応するヘッド部分150cより下に配置することによって組立てられる。外側セパレータプレート152a、152bは、それぞれ、内側チャンバ34a、34bの反対側に位置決めされ、ボルト(図示せず)などによって、各々に取付けられる。
【0038】
2つの内側チャンバ34a、34b、および3つのセパレータアセンブリ36のみが、図1および図4に示されているが、任意の他の数も同等に可能である。たとえば、10を超える内側チャンバ34を設けることができる(対応する数のセパレータアセンブリ36とともに)。
【0039】
次に、そのように組立てられた内側チャンバ34/セパレータアセンブリ36は、外側チャンバ32に組立てられる。たとえば、フレーム80およびセパレータプレート152が比較的剛性である一実施形態において、内側チャンバ34/セパレータプレート152は、図1に示されているように外側チャンバ32内に装填し、外側チャンバ32のベース52上に載ることができる。あるいは、ボルト156を外側チャンバ32に取付けることなどによって、内側チャンバ34/セパレータアセンブリ36を、外側チャンバ32により積極的に取付けることができる。さらに、内側チャンバ34/セパレータプレート152が外側チャンバのベース52から隔置される別個の取付け機構を設けることができる。
【0040】
入口チューブ170および出口チューブ172は、液体抽出剤溜め38と内側チャンバ34との間に流体連結される。特に、入口チューブ170および出口チューブ172は、内側チャンバ34の各々で提供された中央プレート110の、それぞれ入口ポート124および出口ポート126(図3Aに最もよく示された)に流体連結される。一実施形態において、内側チャンバ34は、入口チューブ170および出口チューブ172に直列に流体連結され、あるいは、内側チャンバ34は並列に流体連結することができる。とにかく、入口チューブ170および出口チューブ172は、先に説明されたように、それぞれ、さまざまなチューブ穴94a、142a、154a、および94b、142b、154b(図2、図3A、図3B)を通る。
【0041】
使用の間、および本発明の一方法によれば、供給溶液40は外側チャンバ32内に分配され、液体抽出剤42は内側チャンバ34内に分配される。一実施形態において、最終供給溶液充填レベルライン70は、内側チャンバ34の流れ領域100より上であるが、各スリーブ80の上部部分102は、供給溶液レベルライン70より上に延在し、スリーブ80は必ずしもそれらの頂部でシールする必要はない。あるいは、スリーブ80が完全にシールされた場合、スリーブ80の全体が最終溶液充填レベルライン70より下であることができる。とにかく、内側チャンバ34の各々の少なくとも流れ領域100が、収容された供給溶液40中に浸漬される。
【0042】
供給溶液40および液体抽出剤42を、それぞれ、外側チャンバ32および内側チャンバ34に連続的に送出し、外側チャンバ32および内側チャンバ34から連続的に除去してもよい。この点に関して、供給溶液40を、入口ポート60を介して外側チャンバ32に導入し(ポンプ182などによって)、出口ポート62を介して外側チャンバ32から除去してもよい(たとえば、重力誘起流れ、ポンプなど)。供給溶液40が外側チャンバ32内を充填し/流れると、容積圧力が内側チャンバ34に対して生じる。それぞれの内側チャンバ34内のある体積の液体抽出剤42は、好ましくは、この容積圧力を相殺するが、各内側チャンバ34と関連するフレーム82(図2)は、対応するスリーブ80の側壁84a、84bが、他の点では望ましくなく「デッド」フローゾーンを発生するかもしれないように互いに接触することを防止する。さらに、セパレータプレート152は、隣接した内側チャンバ34が互いに接触することを防止し、再び、潜在的な低減した流れ領域を回避する。セパレータプレート152のスロット158および開口160(図2)は、供給溶液40が内側チャンバ34の各々の外面と接触することを確実にする。さらに、供給溶液40が外側チャンバ32内を充填し/流れると、好ましくはセパレータプレート152の各々と関連するスクリーン162(図2)は、わずかな混合作用を供給溶液40の流れに与える。
【0043】
同様に、液体抽出剤42は、おそらくはポンプ184によって押しやられて、他の点では対応する中央パネル110(図3A)の入口ポート124(図3A)に流体連結された入口チューブ170を介して、内側チャンバ34の各々に導入され、他の点では出口チューブ172に流体連結された出口ポート126(図3A)を介して、内側チャンバ34から除去される。図3Aに関して先に説明されたように、液体抽出剤42は、中央パネル110の底部領域118、およびしたがって各内側チャンバ34の内部流れ領域100の底部に向けられる。その後、液体抽出剤42が微孔性膜スリーブ80を充填すると、各内側チャンバ34内に設けられた流体経路116およびスクリーン140は、曲がりくねった流れパターンを生じさせ、充填する/流れる液体抽出剤42が混合することを引起す。
【0044】
一実施形態において、最終供給溶液レベルライン70より下である最終液体抽出剤レベルライン180(図4に最もよく示された)は、内側チャンバ34の各々内で達成される。レベルライン70/180は、微孔性膜スリーブ80を横切って所望の圧力差を確立するように選択してもよい。この目的のために、供給溶液40および液体抽出剤42がそれぞれのチャンバ32、34を通って連続的に流れる実施形態において、たとえば出口チューブ172上の制御弁186および/または入口チューブ170上のポンプ184を介して、液体抽出剤42の流量および/またはレベル180を調整することによって、所望の圧力差を達成することができる。あるいは、米国再発行特許第RE 34,828号明細書に記載されたものなどの他の圧力/流れ調整システムを使用することができる。最後に、一実施形態において、チューブ188は、液体抽出剤溜め38の底部に流体連結され、制御弁190が設けられる。任意のチューブ188/制御弁190は、液体抽出剤溜め38から、他の点では望ましくなく液体抽出流に入る供給溶液を除去するための機構を提供する。
【0045】
供給溶液40および/または液体抽出剤42がそれぞれのチャンバ32、34に連続的に供給され、および/またはそれぞれのチャンバ32、34内で再循環されるか、一定の体積がドウェル期間の間、チャンバ32、34の一方または両方で維持されるかに関わらず、抽出界面が、微孔性膜スリーブ80の各々の側壁84a、84bを横切って確立される。供給溶液40中の溶質は、側壁84a、84bの細孔を通って液体抽出剤42に移動する。最後に、一実施形態において、供給溶液40中の汚染物(図示せず)は、トラフ64を介してすくい取られる。
【0046】
経時的に、微孔性膜スリーブ80は、システム30の他の構成要素との不注意な接触、および/または細孔内の材料の蓄積によって、劣化し始めることがある。これらの状況下で、スリーブ80は、容易に取替可能な構成要素である。取替えるべきスリーブ80を有する内側チャンバ34は、残りの内側チャンバ34/セパレータアセンブリ36から単に分解され、関連したフレーム82はそれから除去される。この点に関して、および図2を参照すると、一時的なシールがスリーブ80の頂縁90a、90bを横切って設けられている場合、シールは、フレーム82へのアクセスを促進するために除去される。次に、フレーム82は新たなスリーブ80に挿入され、内側チャンバ34は他の構成要素に再び組立てられる。これは、微孔性膜がハウジング内に効果的に永久的にシールされ、容易に取替えることができない既存の抽出デバイスに対する著しい向上を表す。
【0047】
図1のシステム30で利用可能な付加的な特徴は、収容された供給溶液40からの汚染物のより徹底的な「クリーニング」に関連する。先に説明されたように、外側チャンバ32は、供給溶液40からの汚染物の除去/すくい取りのためにトラフ64(または同様の構成)を含んでもよい。しかし、経時的に、供給溶液40中の汚染物の量は、受入れられないレベルに上昇することがある。これらの状況下で、たとえば、供給溶液40を通って再循環された、デオデカン(deodecane)などの適切な炭化水素ベースの汚染除去溶液での抽出によって、汚染物を除去してもよい。
【0048】
上述されたシステム30および関連した操作方法は、大規模な商業的用途に非常に助けとなる。この目的のために、外側チャンバ32は、望まれるだけの内側チャンバ34を収容するようなサイズであり、各内側チャンバ34は、潜在的に、大きいサイズである。たとえば、一実施形態において、内側チャンバ34の長さは、15フィート(4.57メートル)程度であり、30を超える内側チャンバ34(および対応する数のセパレータアセンブリ36)が設けられる。このまたはこれと同様の構成では、必要に応じて、大きい体積の供給溶液を抽出プロセスにかけることができ、たとえば、発酵培養液からのエタノールの抽出において、このための好ましい液体抽出剤配合物が、本明細書と同時に出願された、代理人ケースNo.57637US002の、「エタノールを得るための方法(Method for Obtaining Ethanol)」という名称の、同一譲受人による米国特許出願第10/387697号明細書に記載されている。あるいは、本発明のシステム30および関連した方法は、各々がさまざまな供給溶液および/または液体抽出剤を必要とする非常にさまざまな他の抽出プロセスに等しく有用である。事実上、いかなる溶媒も、システム30(および以下で説明されるすべての代替システム)によって処理することができる。
【0049】
上述されたシステム30は、本発明による、大規模な用途に適切な液液抽出システムおよび方法の一例にすぎない。たとえば、代替実施形態の液液抽出システム200が、図5に示されている。システム200は、先に説明されたシステム30(図1)と同様であり、外側チャンバ202と、内側チャンバ204とを含む。一般的に言うと、供給溶液(図示せず)が外側チャンバ202内に収容され、液体抽出剤(図示せず)が内側チャンバ204内に収容される。内側チャンバ204は、収容された供給溶液と液体抽出剤との間の微孔性膜界面を確立する。供給溶液中の溶質は、液体抽出剤に移動または抽出され、これは、その後、周期的にまたは連続的に、内側チャンバ204から除去される。
【0050】
外側チャンバ202は、好ましくは、剛性に構成された閉込めタンクであり、さまざまな形状/寸法を有することができる。とにかく、外側チャンバ202は、組合されて閉込め領域210(図5に一般に参照される)を画定する、ベース208から延在する壁206を含む。一実施形態において、ポート212が、外側チャンバ202の底部に設けられ、閉込め領域210に流体的に連通される。外側チャンバ202は、液体が、ポート212を介して、閉込め領域内に分配され、閉込め領域から除去されるように構成してもよい。これを考慮して、ベース208は、外側チャンバ202からの液体の除去を促進するために、図5に示されているように角度をつけてもよい。最後に、外側チャンバ202の頂側部214は、閉込め領域210に対して開いていてもよい。
【0051】
内側チャンバ204は、多孔性膜スリーブ220と、フレーム222と、導管224とを含む。多孔性膜スリーブ220は、スリーブ80(図2)に関して先に説明された材料から構成してもよく、底部228および互いに反対側の側部230に沿って互いにシールされた対向する主側壁226a、226bを画定する。一実施形態において、たとえば軟性メッシュまたはブローンマイクロファイバーファブリックなどのバッキング材料232(図5に側壁226bについて示された)が、側壁226a、226bの内面に付与されて、微孔性膜材料がフレーム222との接触によって損傷されることから保護する。スリーブ80のように、側壁226a、226bの頂縁234a、234bは、それぞれ、最初に互いにシールされておらず、フレーム222および導管224の挿入などのために、スリーブ220(およびしたがって内側チャンバ204)によって画定された内部流れ領域236へのアクセスを提供する。最後に、スリーブ220は、外側チャンバ202内の供給溶液(図示せず)の期待された最終充填レベルより大きい長さを有するサイズに構成可能である。
【0052】
フレーム222は、頂部部材240、底部部材242、対向する側部部材244、および複数のクロスバー246(図5に一般に参照される)によって画定された剛性構造であってもよい。クロスバー246は、互いに反対側の側部部材244の間に延在する少なくとも1つの水平クロスバー246aと、頂部部材240と底部部材242との間に延在する少なくとも1つの垂直クロスバー246bとを含むことができる。この点に関して、クロスバー246は、互いに交差し、複数の開いた領域248を作る。領域248の隣接したものは、対応する水平クロスバー246bに形成された少なくとも1つの流体経路250によって、互いに流体的に連通される。流体経路250は、以下で説明されるように、液体抽出剤が内側チャンバ204を充填するとき、液体抽出剤(図示せず)中への非層流を誘起するようなサイズの小さい穴である。あるいは、より多いまたはより少ないクロスバー246および/または流体経路250を設けることができる。1つの代替実施形態において、クロスバー246は完全に排除される。
【0053】
導管224は、フレーム222に連結することができ、フレーム222の底部部材242より下に位置決めされた前端256を画定する。前端256は、導管224内へのおよび導管224からの流体流れを促進する複数の開口部258を形成する。
【0054】
図6を参照すると、内側チャンバ204は、フレーム222をスリーブ220に挿入することによって組立てられ、図5に示されているように、導管224の前端256はフレーム222より下に位置決めされる。次に、内側チャンバ204は外側チャンバ202内に位置決めされる。一実施形態において、スリーブ220の底部228(図5)は、外側チャンバ202のベース208上に載り、導管224の前端256およびフレーム222によって支持される。あるいは、内側チャンバ204は、別個の取付けデバイスによって、外側チャンバ202により積極的に取付けることができる。とにかく、導管224は、内側チャンバ204から延在し、液体抽出剤の供給源/溜め(図示せず)に流体的に連通される。
【0055】
使用の間、および図7をさらに参照すると、ある体積の供給溶液260が、外側チャンバ202の閉込め領域210内に分配され(たとえば、開いた頂側部214を介して)、ある体積の液体抽出剤262が、導管224(図5)を介して内側チャンバ204の流れ領域236内に分配される。この目的のために、液体抽出剤262が底部228(図5)から上に内側チャンバ204を充填するとき、液体抽出剤262は、フレーム222の周りを流れる。液体抽出剤充填ライン(図7に264で最終レベルで示された)が垂直クロスバー246b(図5)の各々を通り過ぎるとき、液体抽出剤262の一部が、対応する流体経路250を通って押しやられる。流体経路250の各々と関連する低減した直径により、液体抽出剤262がそれらを通って非層流を有し、充填操作の一部として有益な混合作用が液体抽出剤262に与えられ、この間、後述するように抽出が発生する。
【0056】
一実施形態において、充填する液体抽出剤262に曲がりくねった/混合流れパターンを与えることに加えて、フレーム222は、さらに、対向する側壁226a、226bが、収容された供給溶液260によって発生した圧力に応答して互いに接触することを防止する。
【0057】
図7に示されているように、供給溶液260の最終充填レベル(図7に266で示された)は、好ましくは、最終液体抽出剤充填レベル264より上であり、それにより、微孔性膜スリーブ220の側壁226a、226bに沿って所望の圧力差を生じさせる。内側チャンバ204の流れ領域236は、収容された供給溶液260中に浸漬される。一実施形態において、頂縁234a、234bは、供給溶液充填レベル266より上に延在し、スリーブ220はシールする必要はない。あるいは、微孔性膜スリーブ220が完全にシールされた場合、その全体を供給溶液260中に浸漬することができる。
【0058】
次に、充填体積の供給溶液260および液体抽出剤262は、所定のドウェル期間の間維持され、この間、供給溶液260中の溶質(図示せず)は、微孔性膜スリーブ220を横切って、液体抽出剤262中に抽出される。システム200(および先に説明されたシステム30)では、抽出プロセスを促進するために、向上した抽出界面表面積が提供される。より特定的には、抽出界面が、側壁226a、226bの両方で提供される。
【0059】
適切なドウェル期間は、特定の供給溶液260および液体抽出剤262、ならびにシステム200の全体的なサイズの関数である。この点に関して、システム200は、1つの内側チャンバ204を有するように示されているが、好ましくはセパレータプレート(図1のシステム30に関して説明されたセパレータプレート152など)によって互いに隔離された、複数の内側チャンバ204を設けることができる。典型的なドウェル時間は1〜15分である。とにかく、システム200は、先に説明されたように大規模な抽出用途に非常に適している。
【0060】
液液抽出システム280のさらに別の実施形態が、図8に示されている。システム280は、外側チャンバ282と、内側チャンバ284とを含む。外側チャンバ282は、ある体積の供給溶液(図示せず)を収容するように構成され、内側チャンバ284は、ある供給量の液体抽出剤(図示せず)を維持する。この目的のために、内側チャンバ284は、巻かれたロールの形態であり、収容された供給溶液と液体抽出剤との間の微孔性膜界面を提供する。供給溶液中の溶質は、液体抽出剤に移動され、これは、その後、連続的にまたは周期的に、内側チャンバ284から除去される。
【0061】
外側チャンバ282は、内側チャンバ284を受けるようなサイズの、剛性に構成されたタンクである。この目的のために、外側チャンバ282は、閉込め領域286を画定し、好ましくは、開いた頂側部288を形成する。
【0062】
内側チャンバ284は、一実施形態において、微孔性膜スリーブ290と、フレームインサート292(図8に一般に参照される)と、セパレータラップ293と、入口導管294と、出口導管296(図8に部分的に示された)とを含む。もう一度、スリーブ290に有用な微孔性膜材料は、先に説明された形態のいずれかを呈することができ、スリーブ290は、好ましくは、対向する側部300、前縁302、および後縁(図8に示されていないが、巻かれたロールの中心で形成された)に沿って互いにシールされた対向する主側壁298a、298bによって画定される。側壁298a、298bの内面は、保護スクリーンまたは保護メッシュ材料でライニングすることができる。とにかく、スリーブ290は、それ自体の上に巻付けられて、巻かれたロールとして内側チャンバ284を形成する細長い本体である。内部流れ領域306(図8に一般に参照される)が、スリーブ290内に画定され、したがって、内側チャンバ284の場合、スリーブ290の巻かれた層に沿って渦巻き状に延在する。
【0063】
フレームインサート292は、一実施形態において、複数のリブ310を維持するスクリーンまたはメッシュ材料304を含む。フレームインサート292は、スリーブ290内に、対向する側壁298a、298bの間に配置される。最終組立て時、および図8の実施形態では、リブ310の各々は、スリーブ290の実質的な長さに沿って延在する。したがって、巻かれたロールとしての内側チャンバ284の最終形成時、リブ310は、巻かれたスリーブ290によって画定された中心軸Aに対して接線方向に延在する。流体経路312が、リブ310の隣接したものの間に画定され、各流体経路312は、以下で説明されるように、入口導管294と出口導管296との間に延在し、入口導管294および出口導管296を流体連結する。この点に関して、流体経路312の各々は、入口導管294に対して流体的に開いている前端314、および出口導管296に対して流体的に開いている後端(図示せず)を画定する。リブ310は、巻かれたロールとしての内側チャンバ284の形成を妨げないように、たとえばポリクロロプレンなどの十分に可撓性の材料から製造され、ソーイング、ヒートシーリングなどの任意の受入れられる技術によってスクリーン304に固定され、最終組立て時に側壁298aと側壁298bとの間の一定した間隔を促進する。代替実施形態において、リブ310は、異なった形態を呈することができるか、スクリーン304だけがスリーブ290内に挿入されるようになくすことができる。
【0064】
セパレータラップ293は、スリーブ290と実質的に一致する長さおよび幅を有し、スリーブ290の連続ラップ(たとえば、図8に参照されるラップ層316a、316b)の間のわずかな分離をもたらすように構成され、それにより、ラップ間の液体の流れを促進する。一実施形態において、セパレータラップ293は、複数の隔置されたアーム318が固定されたスクリーンまたはメッシュ材料を含む。アーム318は、垂直方向に(すなわち、中心軸Aに平行に)延在するように位置決めされ、液体が、スリーブ290のラップの間に所望の方向に流れる。アーム318は、巻かれた内側チャンバ284の全直径を明白に増加させないように、比較的薄く、たとえば、0.03〜0.1インチ(0.76〜2.5mm)程度である。あるいは、セパレータラップ293のための他の構造を使用する(たとえば、スリーブ290のラップの間の一連の隔置された材料インサート)か、完全になくすことができる。用意されるセパレータラップ293は、巻かれたロールとしての内側チャンバ284の形成を妨げないように十分に可撓性である。
【0065】
入口導管294は、前縁302の近くで、スリーブ290の外部と内部流れ領域306との間に延在する。フレームインサート292がリブ310を含む一実施形態によれば、入口導管294は、流体経路312の前端314に隣接して位置決めされた複数の開口部320を形成する。図8に示されているように、入口導管294から、開口部320を介して排出された液体(図示せず)が、流体経路312の各々に容易に向けられるように、入口導管294を流体経路312からわずかに隔置してもよい。一実施形態において、入口導管294は、開口部320と反対側の液体抽出剤源(図示せず)に流体的に連通される。リブ310が設けられない代替実施形態では、入口導管294、特に開口部320は、前縁302の近くで内部流れ領域306に流体的に連通される。
【0066】
出口導管296は、同様に、スリーブ290の後縁(図示せず)の近くで、スリーブ290の外部と内部流れ領域306との間に延在する。再度、「後縁」は、スリーブ290の内側の巻いたものまたは巻付けられた層で画定される。フレームインサート292がリブ310を含む一実施形態によれば、出口導管296は、流体経路312の後端(図示せず)と流体的に連通して位置決めされた複数の開口部(図示せず)を形成する。したがって、流体経路312から流れる液体(図示せず)は、出口導管296によって容易に受けられ、それは、収集された液体を別個の溜め(図示せず)に向ける。リブ310が設けられない代替実施形態では、出口導管296は、後縁の近くで流れ領域306に流体的に連通される。
【0067】
使用の間、外側チャンバ282は、供給溶液(図示せず)で充填される。内側チャンバ284は、内部流れ領域306が収容された供給溶液中に浸漬されるように、外側チャンバ282内に配置される。この点に関して、供給溶液が内側チャンバ284の個別の巻いたもの/巻かれた層の間に容易にしみ出るように、セパレータラップ293は、スリーブ290の個別のラップの間のわずかな間隔を維持する。一実施形態において、内側チャンバ284のコア322は、開いており、および/またはコア322内で供給溶液の流れることを促進する1つ以上のブリード穴324を設ける。液体抽出剤(図示せず)が、入口導管294を介して内側チャンバ284に導入される。図8に矢印で示されているように、液体抽出剤は、入口導管294の開口部320から流体経路312に押しやられる。流体経路312は、スリーブ290の巻かれた層に沿って、渦巻き状に、出口導管296に液体抽出剤を向かわせる。出口導管296は、スリーブ290から液体抽出剤を収集し除去する。リブ310が含まれない代替実施形態では、液体抽出剤は、入口導管294から、渦巻き状に内部流れ領域306に沿って、出口導管296に流れる。
【0068】
一実施形態において、液体抽出剤(図示せず)の連続的な流れが、入口導管294から出口導管296まで確立される。あるいは、スリーブ290は、所望の体積の液体抽出剤で充填され、ドウェル期間の間維持される。とにかく、微孔性膜抽出界面が、スリーブ290の側壁298a、298bの両方に沿って、収容された供給溶液(図示せず)と液体抽出剤との間に確立される。特に、抽出は、巻かれたロールの内側チャンバ284の巻付けられた層すべてに沿って発生し、大きい抽出界面表面積が提供される。
【0069】
さらに別の代替実施形態の液液抽出システム340が、図9に示されている。システム340は、先に説明されたシステム280(図8)と同様であり、外側チャンバ342と、内側チャンバ344とを含む。外側チャンバ342は、好ましくは、先に説明された外側チャンバ282(図8)と同一である。
【0070】
内側チャンバ344は、微孔性膜スリーブ350と、セパレータラップ352と、入口導管354と、出口導管356とを含む。もう一度、スリーブ350に有用な微孔性膜材料は、先に説明された形態のいずれかを呈することができ、スリーブ350は、好ましくは、対向する頂側部360aおよび底側部360b、前縁362および後縁(図9に示されていないが、巻かれたロールの中心で形成された)に沿って互いにシールされた対向する主側壁358a、358bによって画定される。側壁358a、358bの内面は、保護スクリーンまたは保護メッシュ材料(図示せず)でライニングすることができる。とにかく、スリーブ350は、それの上に巻付けられて、巻かれたロールとして内側チャンバ344を形成する細長い本体である。内部流れ領域366(図9に一般に参照される)が、スリーブ350内に画定され、スリーブ350の巻かれた層に沿って渦巻き状に延在する。
【0071】
一実施形態において、入口導管354および出口導管356の部分と組合せて、スリーブ350を支持するのに役立つ内部フレームを提供するフレームインサート364が、スリーブ350内に配置される(対向する側壁358a、358bの間)。フレームインサート364は、図8のシステム280に関して先に説明されたものと同様のスクリーンまたはメッシュ材料であることができる。しかし、あるいは、より複雑な内部フレームまたはリブ構造をフレームインサート354で提供することができ、以下で説明されるように、入口導管354と出口導管356との間の流体経路(図示せず)を確立する。この代替構造では、リブ(図示せず)は、最終組立て時、巻かれたスリーブ350によって画定された中心軸Cに対して軸方向に延在することができる。効果的には、リブは、以下で説明されるセパレータラップ352によって提供されたアーム370に類似してもよい。
【0072】
セパレータラップ352は、先に説明されたセパレータラップ293(図8)と同様であり、スリーブ350の連続ラップ(たとえば、図9に参照されるラップ層372a、372b)の間のわずかな間隔または分離を確実にするように構成される。セパレータラップ352は、一実施形態において、複数の隔置されたアーム370を維持するスクリーンまたはメッシュ材料を含む。セパレータラップ352は、スリーブ350に実質的に一致する長さおよび幅を有することができる。再び、スリーブ350のラップの間の間隔を促進するために他の構造を使用することができるか、または、セパレータラップ352をなくすことができる。
【0073】
入口導管354は、スリーブ350の外部と内部流れ領域366との間に延在する。特に、入口導管354は、送出セクション378と、複数の開口部382を画定する放出セクション380とを含む。送出セクション378は、液体抽出剤の供給源(図示せず)に流体連結される。放出セクション380は、スリーブ350の底部360bに隣接して位置決めされ、スリーブ350の実質的な長さに沿って延在する。開口部382は、好ましくは、1〜20インチ(2.5〜50.8cm)ごとに1開口部382程度で等距離に隔置され、内部流れ領域366(たとえば、流体経路372の前端374)と流体連通する。とにかく、入口導管354、特に放出セクション380は、好ましくは、ソーイング、ヒートシーリングなどによって、適切に、スリーブ350の側壁358a、358bに固定される。
【0074】
出口導管356は、同様に、スリーブ350の外部と内部流れ領域366との間に延在する。出口導管356は、送出セクション386と、複数の開口部390を形成する収集セクション388とを含む。収集セクション388は、スリーブ350の頂部360aに隣接して位置決めされ、その実質的な長さに沿って延在する。開口部390は、好ましくは、入口導管354で提供された開口部382と同一であり、内部流れ領域366(および/または、内部フレーム構造が設けられた場合、スリーブ350内に画定された流体経路)と流体連通する。収集セクション388は、適切に、スリーブ350の側壁358a、358bに固定してもよい。送出セクション386は、好ましくは、溜め(図示せず)に流体連結され、収集セクション388から流れる流体が、送出セクション386を介して溜めに分配される。
【0075】
使用の間、外側チャンバ342は、供給溶液(図示せず)で充填される。内側チャンバ344は、内部流れ領域366が収容された供給溶液中に浸漬されるように、外側チャンバ342内に配置される。この点に関して、供給溶液が内側チャンバ344の個別の巻いたもの/巻かれた層の間に容易にしみ出るように、セパレータラップ352は、スリーブ350の個別のラップの間のわずかな間隔を提供する。一実施形態において、内側チャンバ344のコア392は、開いており、および/またはコア392内で供給溶液の流れることを促進する1つ以上のブリード穴394を設ける。液体抽出剤(図示せず)が、入口導管354を介して内側チャンバ344に導入される。図9に矢印で示されているように、液体抽出剤は、スリーブ350の実質的な長さに沿って、放出セクション378の開口部382から押しやられる。内部流れ領域366が充填されると、放出された液体抽出剤は、押しやられて、出口導管356の収集セクション388に上方に流れる(図9に矢印で表される)。フレームインサート364がリブ(図示せず)を含む代替実施形態では、対応する流体経路は、入口導管354から収集セクション388に液体抽出剤を向けるのを助ける。とにかく、液体抽出剤は、穴390を介して収集セクション388内に収集される。出口導管356は、スリーブ350から送出セクション386を介して液体抽出剤を収集し除去する。
【0076】
一実施形態において、液体抽出剤(図示せず)の連続的な流れが、入口導管354から出口導管356まで確立される。あるいは、スリーブ350は、所望の体積の液体抽出剤で充填され、ドウェル期間の間維持される。とにかく、微孔性膜抽出界面が、スリーブ350の側壁358a、358bの両方に沿って、収容された供給溶液(図示せず)と液体抽出剤との間に確立される。特に、抽出は、巻かれたロールの内側チャンバ344の巻付けられた層すべてに沿って発生し、大きい抽出界面表面積が提供される。
【0077】
本発明によるさらに別の実施形態の液液抽出システム400が、図10に示されている。システム400は、第1の供給フレーム402と、第2の供給フレーム404と、抽出剤フレーム406と、第1の微孔性膜408と、第2の微孔性膜410とを含む。さまざまな構成要素に関する詳細を、以下に説明する。しかし、一般的に言うと、第1の微孔性膜408は、第1の供給フレーム402と抽出剤フレーム406との間にシールされ、第2の微孔性膜410は、第2の供給フレーム404と抽出剤フレーム406との間にシールされる。使用の間、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム406内に分配され、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム402および第2の供給フレーム404の各々内に分配される。抽出界面が、第1の微孔性膜408で、抽出剤フレーム406内の液体抽出剤と第1の供給フレーム402内の供給溶液との間に確立され、第2の微孔性膜410で、抽出剤フレーム406内の液体抽出剤と第2の供給フレーム404内の供給溶液との間に確立される。供給溶液中の溶質は、これらの抽出界面で液体抽出剤に移動される。
【0078】
第1の供給フレーム402は、図11Aにより詳細に示されており、供給フレーム402、404が好ましくは同一であることが理解される。供給フレーム402は、一実施形態において、格子状構造を提供し、第1の面または前面416および第2の面または裏面(図11Aにおいて隠れている)を画定する。複数のクロスバー420が、外側フレーム構造422内を延在する。相互連結されているが、クロスバー420は、前面416および裏面の一方または両方に対して開いている複数の開いた領域またはチャンバ424を作る。他の点ではクロスバーセクション426によって画定された開いた領域424のいくつかの隣接したものは、一般に共有されたクロスバーセクション426を通って形成された1つ以上の流体経路428によって互いに流体的に連通される。たとえば、開いた領域424は、第1、第2、第3、および第4の開いた領域424a〜424dを含む。クロスバーセクション426aが、第1の開いた領域424aおよび第2開いた領域424bの一部を画定し、第1の開いた領域424aおよび第2開いた領域424bを流体的に連通する流体経路428を含む。同様に、第2の開いた領域424bおよび第3の開いた領域424cの部分を画定するクロスバーセクション426bが、第2の開いた領域424bおよび第3の開いた領域424cを流体的に連通する流体経路428を含む。第3の開いた領域424cおよび第4の開いた領域424d、ならびに第1の開いた領域424aおよび第4の開いた領域424dは、同様に、流体経路428によって流体的に連通される。多くのクロスバーセクション426について3つの流体経路428が示されているが、より多いまたはより少ない任意の他の数が受入れられる。
【0079】
特に、すべての隣接した対の開いた領域424が流体経路によって流体的に連通される必要があるとは限らない。たとえば、隣接した開いた領域424e、424fは、互いに直接は流体的に連通されない。あるいは、流体経路をすべてのクロスバーセクション内に設けることができる。とにかく、供給フレーム402は、入口ポート430と、第1の出口ポート432と、第2の出口ポート434とを含む。入口ポート430は、開いた領域424gに流体的に連通され、第1の出口ポート432は、開いた領域424hに流体的に連通され、第2の出口ポート434は、開いた領域424iに流体的に連通される。この1つの好ましい構造では、開いた領域424/流体経路428は、図11Aに矢印で表されるように、入口ポート430と出口ポート432、434との間の曲がりくねった流れ経路を画定する。
【0080】
好ましい実施形態において、供給フレーム402、404は、アルミニウム、ステンレス鋼、または、たとえば高密度ポリエチレンなどの剛性ポリオレフィンなどの剛性非腐食性材料から形成される。以下で説明されるように、使用の間、供給溶液(図示せず)が、好ましくは、比較的高い圧力で供給フレーム402、404を通って押しやられる。したがって、供給フレーム402、404は、比較的高い応力下で一体性を維持することができる材料および厚さを有して構成される。
【0081】
抽出剤フレーム406は、図11Bにより詳細に示されている。抽出剤フレーム406は、先に説明された供給フレーム402、404(図11A)と事実上同一であり、第1の面すなわち前面440および第2の面すなわち裏面(図10および図11Bの図において隠れている)を画定する格子状構造を提供する。複数のクロスバー442が、外側フレーム構造444内を延在し、複数の開いた領域またはチャンバ446を画定する。開いた領域446は、一実施形態において、前面440および裏面の両方に対して開いている。さらに、1つ以上の流体経路448が、他の点では開いた領域446の隣接したものによって一般に共有されたクロスバーセクション450によって形成される。もう一度、一実施形態において、すべてのクロスバーセクション450が流体経路448を設けるとは限らない。とにかく、曲がりくねった流れ経路が、他の点ではそれぞれ開いた領域446a、446b、446cに流体連結された、入口ポート452および出口ポート454、456の間に画定される。
【0082】
図10に戻ると、微孔性膜408、410は、好ましくは、同一であり、フレーム402〜406のサイズに従うサイズである。先に説明された微孔性膜材料のいずれも、微孔性膜408、410として使用することができる。
【0083】
システム400の組立ては、第1の微孔性膜408を第1の供給フレーム402と抽出剤フレーム406との間にシールすることを含む。この点に関して、ガスケット460を、第1の供給フレーム402の裏面(図10において隠れている)に対して固定することができる。ガスケット460は、供給フレーム402の前面をシールするのに適した、ポリクロロプレンまたはネオプレンなどの適切なエラストマー材料から製造される。ガスケット460は、複数の開口464を画定する複数の延在部462を含む。延在部462のサイズおよび配置は、第1の供給フレーム402のクロスバー420のいくつかと対応し、最終組立て時、ガスケット延在部462はクロスバー420と整列され、開口464は対応する開いた領域424と一般に整列される。したがって、開いた領域424の少なくとも一部が、ガスケット460の組立て時に露出したままである。同様のガスケット466、468、470を、同様に、図10に示されているように、抽出剤フレーム406および第2の供給フレーム404に設け、固定することができる。
【0084】
第1の微孔性膜408は、第1の供給フレーム402/ガスケット460と抽出剤フレーム406/ガスケット466との間に位置決めされる。この点に関して、第1の供給フレーム402の裏面(図10において隠れている)および抽出剤フレーム406の前面440は互いに面し、開いた領域424、446は整列される。さらに、開いた領域424、446の各々の少なくとも一部が、第1の微孔性膜408に対して露出したままであり、抽出界面を第1の微孔性膜408を横切って確立することができる。同様に、第2の微孔性膜410は、第2のフレーム404/ガスケット470と抽出剤フレーム406/ガスケット468との間に位置決めされる。第2の供給フレーム404の前面416および抽出剤フレーム406の裏面(図10において隠れている)は互いに面し、開いた領域424、446は整列される。開いた領域424、446の少なくとも一部が、第2の微孔性膜410に対して露出しており、抽出界面を第2の微孔性膜410を横切って確立することができる。
【0085】
図12をさらに参照すると、そのように組立てられたフレーム402〜406は、ボルト482などによって、プレート480aとプレート480bとの間に締付けられるが、取付けの他の形態が等しく受入れられる。第1のプレート480aは、第1の供給フレーム402の前面416(図12に一般に参照される)をシールし、第2のプレート480bは、第2の供給フレーム404の裏面(図12に484で一般に参照される)をシールする。この目的のために、付加的なシーリング材料(たとえば、ガスケット)を、プレート480a、480bと対応する供給フレーム402、404との間に位置決めして、液密なシールを確実に行うことができる。
【0086】
使用の間、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム402および第2の供給フレーム404の入口ポート430(図12の図において隠れている)内に押しやられ、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム406の入口ポート452内に押しやられる。供給溶液および液体抽出剤は、それぞれのフレーム402〜406によって画定された曲がりくねった流体経路を通って流れ、混合作用をそれぞれの液体流れに与える。一実施形態において、供給溶液および液体抽出剤は、対応するフレーム402〜406を通って連続的に流されるか再循環され、液体は、それぞれの第1の出口ポート432、454を介して、対応するフレーム402〜406を出る。あるいは、充填および放出方法を用いることができ、供給フレーム402、404は、ある体積の供給溶液で充填され、抽出剤フレーム406は、ある体積の液体抽出剤で充填される。供給溶液および液体抽出剤の体積は、ドウェル期間の間、対応するフレーム402〜406内で保持され、次に放出される。この点に関して、第2の出口ポート434、456は、フレーム402〜406の各々の同じ側で位置決めされ、フレーム402〜406からの、収容された体積の同時の重力誘起放出または流出を促進する(すなわち、システム400が、図12の向きに対してひっくり返されたとき)。さらに、第2の出口ポート434、456は、充填操作または流れる操作の間、開いた(完全にまたは部分的に)ままであることができ、混入空気がそれぞれのフレーム402〜406から排出されることを可能にする。
【0087】
連続的な流れの技術が用いられるか充填および放出技術が用いられるかに関わらず、第1の供給フレーム402内の供給溶液(図示せず)は、開いた領域424で第1の微孔性膜408と接触し、第2の供給フレーム404内の供給溶液(図示せず)は、開いた領域424で第2の微孔性膜410と接触する。同様に、抽出剤フレーム406内の液体抽出剤(図示せず)は、開いた領域446で、第1の微孔性膜408および第2の微孔性膜410と接触する。開いた領域424、446が整列されるので、抽出界面が第1の微孔性膜408および第2の微孔性膜410を横切って確立され、それにより供給溶液(他の点では両方の供給フレーム402、404内に収容された)中の溶質が液体抽出剤に移動する。
【0088】
供給溶液(図示せず)および液体抽出剤(図示せず)がそれぞれのフレーム402〜406を通って連続的に再循環される一実施形態では、供給溶液および/または液体抽出剤の流量を制御することによって、所望の圧力差が多孔性膜408、410を横切って維持される。図10を参照すると、供給フレーム402、404の入口ポート430は、抽出剤フレーム406の入口ポート452と反対側に位置決めされる。したがって、供給フレーム402、404の一般的な流体流れ方向は、抽出剤フレーム406のものと反対であり、対応する液液抽出界面で供給溶液と液体抽出剤との間により大きい剪断を生じさせる。
【0089】
図10のシステム400は、2つの供給フレーム402、404と、1つの抽出剤フレーム406とを含むように説明されたが、多数の他の構成も受入れられる。たとえば、1つの供給フレームおよび1つの抽出剤フレームを使用することができる。あるいは、多数(たとえば、10以上)の供給フレームおよび抽出剤フレームを設けることができる。この目的のために、抽出フレームは供給フレームより多くてもよいし、供給フレームは抽出フレームより多くてもよいし、または両者が同数であってもよい。しかし、各供給フレームは、抽出剤フレームに面するように位置決めされ、逆も同様である。
【0090】
さらに別の代替実施形態の液液抽出システム500が、図13に示されている。システム500は、先に説明されたシステム400(図10)とよく似ており、第1の供給フレーム502と、第2の供給フレーム504と、抽出剤フレーム506と、第1の微孔性膜508と、第2の微孔性膜510とを含む。さまざまな構成要素に関する詳細を、以下に説明する。しかし、一般的に言うと、第1の微孔性膜508は、第1の供給フレーム502と抽出剤フレーム506との間にシールされ、第2の微孔性膜510は、第2の供給フレーム504と抽出剤フレーム506との間にシールされる。使用の間、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム506内に分配され、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム502および第2の供給フレーム504の各々内に分配される。抽出界面が、第1の微孔性膜508で、抽出剤フレーム506内の液体抽出剤と第1の供給フレーム502内の供給溶液との間に確立され、第2の微孔性膜510で、抽出剤フレーム506内の液体抽出剤と第2の供給フレーム504内の供給溶液との間に確立される。供給溶液中の溶質は、これらの抽出界面で液体抽出剤に移動される。
【0091】
第1の供給フレーム502は、図14Aにより詳細に示されており、一実施形態によれば、供給フレーム502、504が同一であることが理解される。供給フレーム502は、格子状構造を提供し、第1の面または前面516および第2の面または裏面(図14Aの図において隠れている)を画定することができる。複数のクロスバー518が、外側フレーム構造520内を延在し、複数の開いた領域またはチャンバ522を画定する。開いた領域522は、前面516および裏面に対して開いているか露出している。先に説明された供給フレーム402(図11A)と比較して、供給フレーム502は、より少ない数のクロスバー518、およびしたがって、より少ない数の開いた領域522を含む(供給フレーム502の開いた領域522は、供給フレーム402の開いた領域424(図11A)と比較して断面積がより大きいが)。さらに、1つ以上の流体経路524がさまざまなクロスバーセクション526に形成されるが、より画定された流れ経路が供給フレーム502で提供される。特に、流体経路524は、図14Aに矢印で示されているように、比較的蛇状の流れ経路を画定するように配列される。
【0092】
供給フレーム502は、入口ポート530と、一次出口ポート532と、二次出口ポート534a〜534dとをさらに含む。ポート530〜534dの各々は、開いた領域522のそれぞれのものに流体連結される。以下で明らかにされる理由のため、二次出口ポート534a〜534dの各々は、一実施形態において、対応する二次出口ポート534a〜534dの開閉を選択的に制御するように構成された別個の制御弁536を含む。
【0093】
抽出剤フレーム506は、図14Bにより詳細に示されており、一実施形態において、供給フレーム502、504(図14A)と本質的に同一である。したがって、抽出剤フレーム506は、格子状構造を有し、第1の面または前面540および第2の面または裏面(図14Bの図において隠れている)を画定することができる。複数のクロスバー542が、外側フレーム構造544内を延在し、複数の開いた領域またはチャンバ546を画定する。開いた領域546は、前面540および裏面に対して開いているか露出している。1つ以上の流体経路548が、さまざまなクロスバーセクション550に形成され、図14Bに矢印で示されているように、比較的蛇状の流れ経路を画定するように配列される。最後に、抽出剤フレーム506は、各々、開いた領域546のそれぞれのものに流体連結された、入口ポート554、一次出口ポート556、および二次出口ポート558a〜558dを含む。供給フレーム502のように、二次出口ポート558a〜558dの各々には、別個の制御弁560が設けられる。
【0094】
図13に戻ると、微孔性膜508、510は、好ましくは、同一であり、フレーム502〜506のサイズに従うサイズである。先に説明された微孔性膜材料のいずれも、微孔性膜508、510として使用することができる。
【0095】
システム500の組立ては、第1の微孔性膜508を第1の供給フレーム502と抽出剤フレーム506との間にシールすることを含む。この点に関して、ガスケット570を、第1の供給フレーム502の裏面(図13において隠れている)に対して固定することができ、ガスケット572を、抽出剤フレーム506の前面540に対して固定することができる。同様に、ガスケット574を、抽出剤フレーム506の裏面(図14において隠れている)に対して固定することができ、ガスケット576を、第2の供給フレーム504の前面516に対して固定することができる。ガスケット570〜576は、システム400(図10)に関して先に説明されたものと同様であり、それぞれのフレーム502〜506のサイズに従うサイズを有することができる。
【0096】
再度、ガスケット570〜576は、各々、それぞれのフレーム502〜506への最終組立て時に、対応する開いた領域522、546を少なくとも部分的に露出する複数の開口580を形成する。したがって、最終組立て時、第1の供給フレーム502の開いた領域522の少なくとも一部が、第1の微孔性膜508に対して露出し、抽出剤フレーム506の開いた領域546の少なくとも一部が、第1の微孔性膜508および第2の微孔性膜510に対して露出し、第2の供給フレーム504の開いた領域522の少なくとも一部が、第2の微孔性膜510に対して露出する。開いた領域522、546が、最終組立て時に整列されるので、第1の微孔性膜508および第2の微孔性膜510を横切る抽出界面を確立することができる。
【0097】
図15をさらに参照すると、そのように組立てられたフレーム502〜506は、ボルト586などによって、プレート584aとプレート584bとの間に締付けられるが、取付けの他の形態が等しく受入れられる。第1のプレート584aは、第1の供給フレーム502の前面516(図15に一般に参照される)をシールし、第2のプレート584bは、第2の供給フレーム504の裏面(図15に588で一般に参照される)をシールする。この目的のために、付加的なシーリング材料(たとえば、ガスケット)を、プレート584a、584bと対応する供給フレーム502、504との間に位置決めして、液密なシールを確実に行うことができる。
【0098】
使用の間、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム502および第2の供給フレーム505の入口ポート530(図14A)内に押しやられ、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム506の入口ポート554内に押しやられる。供給溶液および液体抽出剤は、それぞれのフレーム502〜506によって画定された流体経路を通って流れ、混合作用をそれぞれの液体流れに与える。一実施形態において、供給フレーム502、504は、所望の体積の供給溶液で充填され、抽出剤フレーム506は、所望の体積の液体抽出剤で充填される。第1の供給フレーム502の一次出口ポート532、第2の供給フレーム504の一次出口ポート532、および/または抽出剤フレーム506の一次出口ポート556は、充填操作の一部または全体の間、完全にまたは部分的に開いたままでよく、混入空気が、対応するフレーム502、504、および/または506から逃げることを可能にする。収容された体積は、ドウェル期間の間維持され、この間、供給溶液中の溶質が、第1の微孔性膜508および第2の微孔性膜510を介して液体抽出剤中に抽出される。ドウェル期間の完了時、制御弁536、560は開いており、収容された体積は、二次出口ポート534a〜534d、558a〜558dを介して、フレーム502〜506から流出可能となる。
【0099】
あるいは、供給溶液および/または液体抽出剤を、それぞれのフレーム502〜506を通して連続的に流すか再循環させることができる。この目的のために、供給溶液は、それぞれの一次出口ポート532を介して第1の供給フレーム502および第2の供給フレーム504から除去され(たとえば、ポンプ輸送され)、液体抽出剤は、一次出口ポート556を介して抽出剤フレーム506から除去される(たとえば、ポンプ輸送される)。
【0100】
図13のシステム500は、2つの供給フレーム502、504と、1つの抽出剤フレーム506とを含むように説明されたが、多数の他の構成も受入れられる。たとえば、1つの供給フレームおよび1つの抽出剤フレームを使用することができる。あるいは、多数(たとえば、10以上)の供給フレームおよび抽出剤フレームを設けることができる。この目的のために、抽出フレームは供給フレームより多くてもよいし、供給フレームは抽出フレームより多くてもよいし、または両者が同数であってもよい。しかし、各供給フレームは、抽出剤フレームに面するように位置決めされ、逆も同様である。
【0101】
本発明によるさらに別の代替実施形態の液液抽出システム600が、図16に示されている。システム600は、一般に、供給フレーム602と、抽出剤フレーム604と、微孔性膜606とを含む。さまざまな構成要素に関する詳細を、以下で提供する。しかし、一般的に言うと、微孔性膜606は、フレーム602とフレーム604との間にシールされる。使用の間、供給溶液(図示せず)が供給フレーム602に導入され、液体抽出剤(図示せず)が抽出剤フレーム604に導入される。抽出界面が、微孔性膜606を横切って、供給フレーム602の供給溶液と抽出剤フレーム604の液体抽出剤との間に確立される。供給溶液中の溶質は、抽出界面に沿って液体抽出剤に抽出される。
【0102】
供給フレーム602および抽出剤フレーム604は、一実施形態において同一である。他の点では供給フレーム602をより詳細に示す図17をさらに参照すると、供給フレーム602は、その前面608から延在する対向する肩607を形成するプレート状本体である。入口領域610および出口領域612が、前面608の凹部として画定される。入口ポート614および出口ポート616は、フレーム602に形成され、それぞれ入口領域610および出口領域612に流体的に連通される。さらに、複数のリブ618が、前面108に対して外方の突起部として形成され、線状に延在して、複数のチャネル620を画定する。各リブ618は、他の点ではそれぞれ入口領域610および出口領域612の一部を画定するそれぞれの端部壁626、628からずれた互いに反対側の第1の端部セクション622および第2の端部セクション624を含む。この構成では、チャネル620の各々は、同様に、それぞれ入口領域610および出口領域612で終わる互いに反対側の入口端部632および出口端部634によって画定される。したがって、チャネル入口端部632の各々は入口ポート614に流体的に連通され、チャネル出口端部634の各々は出口ポート616に流体的に連通される。特に、図17は、最も外側のチャネル620a、620bを、それぞれ、最も外側のリブ618とシールライン630a、630bとの間に画定されるように示す。一実施形態において、シールライン630a、630bは、フレーム602によって物理的に形成されない。代わりに、ガスケット(図17に示されていない)が前面608に対してプレスされる最終組立て時、ガスケットは、対応する最も外側のリブ618からずれたシールライン630a、630bに沿って、前面608に対してシールする。この構造は、チャネル620a、620bを確立する。したがって、他の点ではフレーム602を単独で示す図17の図に関して、シールライン630a、630bは仮想である。
【0103】
上述された構造では、チャネル620は、入口ポート614と出口ポート616との間の流体経路を提供する。一実施形態において、フレーム602は、最小の圧力損失で、チャネル620に比較的高い流量が流れるように構成される。この目的のために、フレーム602、特に、他の点ではチャネル620を画定する表面は、アルミニウムなどの非常に滑らかな材料から形成される。チャネル620は、幅および深さの点で比較的小さく、一実施形態において、幅が0.4〜1.4cmの範囲内、たとえば0.9cmである。さらに、および一実施形態によれば、チャネル620の深さは、0.02〜0.15cmの範囲内、たとえば0.08cmである。さらに、チャネル620の各々の底面636は、その入口端部632および出口端部634で、入口領域610および出口領域612内に、徐々に内方に(図17の平面に対して)テーパを有し、2.5cmの距離にわたって0.1〜1.0cmの範囲内、たとえば2.5cmの距離にわたって0.5cmの下降テーパを画定する。最後に、一実施形態によれば、リブ618の各々の第1の端部セクション622および第2の端部セクション624の幅は、その中央セクション638より大きい。たとえば、リブ618の各々の中央セクション638の幅は、0.05〜0.1cmの範囲内、たとえば0.08cmであり、第1の端部セクション622および第2の端部セクション624の幅は、0.1〜0.8cmの範囲内、たとえば0.3cmである。好ましい特徴および寸法が、さまざまな供給フレーム602の構成要素に属すると考えられたが、他の構成も可能である。たとえば、他の寸法を用いることができ、特定の特徴(たとえば、チャネル端部632、634のテーパ、リブ618のさまざまな幅など)を修正するか排除することさえできる。
【0104】
図16に戻ると、微孔性膜606は、フレーム602、604のサイズに従うサイズである。先に説明された微孔性膜材料のいずれも、微孔性膜606として使用することができる。
【0105】
一実施形態において、システム600は、供給フレーム602と関連するガスケット640と、抽出剤フレーム604と関連するガスケット642とをさらに含む。ガスケット640、642は、ポリクロロプレンまたはネオプレンなどの適切なエラストマー材料から形成され、対応するフレーム602、604のサイズに従うサイズである。ガスケット640、642の各々は、フレーム602、604の前面608の形状によく似た中央開口部644、646を画定する。したがって、ガスケット640の、供給フレーム602の前面608への組立て時、およびガスケット642の、抽出剤フレーム604の前面(図16において隠れている)への組立て時、それらの中に形成されたチャネル620の少なくとも一部は開いたままである。
【0106】
最後に、一実施形態において、スクリーンまたはメッシュ材料650を、抽出剤フレーム604とともに提供し、ガスケット642と微孔性膜606との間に位置決めしてもよい。スクリーン650は、複数の比較的大きい開口部652(たとえば、0.3cm×0.3cm平方程度の開口部)を画定し、ポリエチレンなどの比較的強い材料から形成される。スクリーン650は、微孔性膜606を支持し、膜606を横切る大きい圧力/力をかけやすくする。以下で説明されるように、スクリーン650は、さらに、微孔性膜606の表面に沿って均一な液体流れにわずかな抵抗を与え、混合作用を流れに与える。
【0107】
システム600の組立ては、供給フレーム602、ガスケット640、微孔性膜606、スクリーン650、ガスケット642、および抽出剤フレーム604を、図16に示された順に配列することを含む。フレーム602、604が事実上同一であるので、フレーム602、604のリブ618およびチャネル620は整列される。フレーム602、604(およびしたがってそれらの間に位置決めされたさまざまな構成要素)は、ボルト654などによって、互いに固定される。図18をさらに参照すると、組立てられたシステム600は非常にコンパクトであり、供給フレーム602のポート614、616は、抽出剤フレーム604の入口ポート656および出口ポート658と反対側に延在する。一実施形態において、制御弁660が供給フレーム602の出口ポート616と関連し、制御弁が抽出剤フレーム604の出口ポート658と関連する。
【0108】
使用の間、供給溶液(図示せず)が、入口ポート614および出口ポート616を介して供給フレーム602を通って連続的に循環される。たとえば、入口ポート614および出口ポート616を供給溶液溜め(図示せず)に流体的に連通することができ、ポンプを使用して、供給溶液を供給フレーム602を通して連続的に循環させることができる。供給フレーム602を通る供給溶液の所望の流体圧力を、圧力ゲージを含むことができる適切なバルブシステム(たとえば、制御弁660を含む)によって維持することができる。同様に、液体抽出剤(図示せず)が、入口ポート656および出口ポート658を介して抽出剤フレーム604を通って連続的に循環される。たとえば、ポンプ(図示せず)を使用して、液体抽出剤を、溜め(図示せず)から抽出剤フレーム604に、および抽出剤フレーム604から、連続的に循環させることができる。もう一度、抽出剤フレーム604を通る液体抽出剤の所望の流体圧力を、圧力ゲージを含むことができる適切なバルブシステム(たとえば、制御弁662を含む)によって維持することができる。
【0109】
供給溶液(図示せず)および液体抽出剤(図示せず)が、それぞれ供給フレーム602および抽出剤フレーム604を通って押しやられるとき、供給溶液および液体抽出剤は、開いたチャネル620(図17)に沿って微孔性膜606と接触する。フレーム602、604のチャネル620の整列によって、抽出界面が微孔性膜606で作られ、供給溶液中の溶質が微孔性膜606を横切って液体抽出剤に移動される。チャネル620の比較的滑らかな浅い構成は、供給溶液および液体抽出剤が、最小の圧力降下で、比較的高い流量(たとえば、少なくとも4mL/sec程度)で、それぞれのフレーム602、604を通って流れることを可能にする。スクリーン650(図16)により、液体抽出剤は微孔性膜606の界面で非層流状に流れ、溶質が微孔性膜606の細孔内に容易に集まらず、液体抽出剤の溶質支持部分が微孔性膜606の表面からより急速に除去され、「新たな」液体抽出剤と取替えられる。
【0110】
本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に変更を行うことができることを認めるであろう。たとえば、さまざまな抽出システムは、好ましくは、供給溶液構成要素および液体抽出構成要素を含むように説明されたが、これらの構成要素を逆にすることができる。換言すれば、上述された実施形態のいずれでも、好ましくは供給溶液を収容/維持するように説明されたどのチャンバまたはフレームも、代わりに、液体抽出剤を収容/維持することができ、逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の一実施形態による液液抽出システムの斜視図である。
【図2】図1のシステムと関連する内側チャンバおよびセパレータプレートの分解図である。
【図3A】図2の内側チャンバと関連する中央パネルの正面図である。
【図3B】図2の内側チャンバと関連する外側パネルの正面図である。
【図4】線4−4に沿った、図1のシステムの一部の断面図である。
【図5】本発明による代替実施形態の液液抽出システムの分解図である。
【図6】最終組立て時の図5のシステムの斜視図である。
【図7】線7−7に沿った、図6のシステムの一部の断面図である。
【図8】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図9】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図10】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解図である。
【図11A】図10のシステムの供給フレーム部分の斜視図である。
【図11B】図10のシステムの抽出剤フレーム部分の斜視図である。
【図12】最終組立て時の図10のシステムの側面図である。
【図13】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図14A】図13のシステムの供給フレーム構成要素の斜視図である。
【図14B】図13のシステムの抽出剤フレーム部分の斜視図である。
【図15】最終組立て時の図13のシステムの側面図である。
【図16】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図17】図16のシステムのフレーム構成要素の正面図である。
【図18】最終組立て時の図16のシステムの側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶解した溶質を第1の液体から第2の液体中に抽出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液液抽出は、第1の液体に溶解した溶質を、第1の液体と本質的に混和しない第2の液体に移動させるための一般に用いられる技術である。第1の液体中の溶質の溶液は、一般に「供給溶液」と呼ばれ、第2の液体は、一般に「抽出剤」または「液体抽出剤」と呼ばれる。溶質は、供給溶液を液体抽出剤と接触させたとき、2つの液体への溶質の相対溶解度に従って、2つの液体の間にそれ自体を分配する傾向がある。
【0003】
液液抽出を達成するための1つの従来の方法は、供給溶液および液体抽出剤を直接混合することである。残念ながら、この技術は、しばしば、混合物中の持続的な分散またはエマルションの形成を生じさせ、抽出プロセスを時間および最終結果の両方の点で非常に非効率にする。
【0004】
上で特定された分散の問題に対処するために、微孔性膜抽出方法が開発されている。特に、微孔性膜の1つの側は、典型的には、供給溶液と接触され、微孔性膜の対向する側は、液体抽出剤と接触される。したがって、溶質が移動される液液界面が、微孔性膜の微細孔内で供給溶液と液体抽出剤との間に形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
微孔性膜を介して供給溶液と液体抽出剤との間の大体の分離をもたらすという概念は、実行可能であることが証明されている。しかし、産業上の設定における微孔性膜液液抽出の実行可能性は、典型的には、抽出の速度(微孔性膜によって提供される液液界面表面積の関数である)、および万一膜が損傷されるか汚された場合に膜を取替える容易さによる。従来の微孔性膜液液抽出装置および方法は、膜の取替えを促進しない、制限された液液界面表面積での構造を用いる。これらの固有の非効率は、微孔性膜抽出の大規模な商業的実現を妨げている。
【0006】
発酵供給培養液からエタノールを得るなどの多くの商業的用途が、微孔性膜液液抽出技術の使用によって大きな利益を得ている。したがって、費用効果的ベースで維持されるように構成された微孔性膜を組入れる高生産性液液抽出システムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、外側チャンバと、内側チャンバとを含む液液抽出システムに関する。外側チャンバは、供給溶液および液体抽出剤の一方を収容するように構成され、かつ閉込め領域を画定する。内側チャンバは、供給溶液および液体抽出剤の他方を、内側チャンバの流れ領域内に収容するように構成される。この点に関して、内側チャンバは、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定される。最終組立て時に、微孔性膜スリーブが内側チャンバの内容物と外側チャンバの内容物との間の抽出界面を確立するように、内側チャンバの少なくとも流れ領域が、外側チャンバの閉込め領域内に位置決めされる。一実施形態において、微孔性膜スリーブの流れ領域は、他の点では外側チャンバ内に収容された供給溶液中に浸漬される。別の実施形態において、各々が、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定された、複数の内側チャンバが、外側チャンバ内に並んで位置決めされ、対向する対の内側チャンバが、セパレータプレートによって分離される。
【0008】
本発明の別の態様は、抽出剤フレームと、供給フレームと、微孔性膜とを含む液液抽出システムに関する。フレームの各々は、入口、出口、複数の開いた領域を有する前面、および入口と出口との間に位置決めされた複数の流体経路を画定する。微孔性膜は、それぞれ抽出剤フレームの前面と供給フレームの前面との間にシールされる。この構造では、それぞれ抽出剤フレームおよび供給フレームの開いた領域が、実質的に整列され、微孔性膜が、開いた領域で、抽出剤フレーム内の液体抽出剤と供給フレーム内の供給溶液との間に抽出界面を確立する。一実施形態において、抽出剤フレームおよび供給フレームの各々は、複数のチャンバを形成するように組合された複数のクロスバーを含む格子構成を画定し、互いに隣接したチャンバは、共通のクロスバーセクションを通って形成された1つ以上の穴によって流体的に連通される。
【0009】
本発明の別の態様は、溶解した溶質を第1の液体から第2の液体中に抽出する方法に関する。この方法は、外側チャンバを用意する工程と、内側チャンバを外側チャンバ内に位置決めする工程とを含む。この点に関して、内側チャンバは、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブを含む。第1の液体を外側チャンバ内に分配し、第2の液体を内側チャンバ内に分配する。この点に関して、第1の液体は微孔性膜スリーブの外部と接触し、第2の液体は微孔性膜スリーブの内部と接触する。最後に、溶質を、微孔性膜スリーブの細孔を横切って第1の液体から第2の液体に移動させる。一実施形態において、内側チャンバを通る第2の液体の連続的な流れを確立する。別の実施形態において、内側チャンバをある体積の第2の液体で充填し、その体積を、溶質の第2の液体中への抽出が発生するドウェル期間の間、内側チャンバ内で維持する。別の実施形態において、抽出操作後、微孔性膜スリーブを取替える。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、第1の液体に溶解した溶質を第2の液体中に抽出する方法に関する。この方法は、互いに反対側の第1および第2のフレームと、微孔性膜とを含む抽出デバイスを提供する工程を含む。フレームの各々は、複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する。微孔性膜は、第1のフレームと第2のフレームとの間にシールされる。第1の液体を第1のフレームに導入し、第1の液体は第1のフレーム経路を通る。同様に、第2の液体を第2のフレームに導入し、第2の液体は第2のフレーム経路を通る。この点に関して、第1および第2の液体は、それぞれ第1および第2のフレームの開いた領域で微孔性膜と接触する。最後に、溶質を、微孔性膜の細孔を横切って第1の液体から第2の液体に移動させる。一実施形態において、第1および第2の液体を、それぞれ第1および第2のフレームによって画定された曲がりくねった流れ経路を通って横断する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
液液抽出システム30の一実施形態が、図1に示されている。システム30は、外側チャンバ32と、複数の内側チャンバ34と、複数のセパレータアセンブリ36と、液体抽出剤溜め38とを含む。さまざまな構成要素を、以下でより詳細に説明する。一般的に言うと、外側チャンバ32は、供給溶液溜め(図示せず)に流体連結され、ある体積の供給溶液40(図1に一般に参照される)を収容する。内側チャンバ34は、他の点ではある体積の液体抽出剤42を内側チャンバ34の各々の内部に供給する液体抽出剤溜め38に流体連結される。内側チャンバ34は、外側チャンバ32内に位置決めされ、各々、外側チャンバ32内の供給溶液40とそれぞれの内側チャンバ34内に収容された液体抽出剤42との間の微孔性膜界面を提供するように構成される。セパレータアセンブリ36も、外側チャンバ32内に位置決めされ、隣接した対の内側チャンバ34を分離する。供給溶液40中の溶質は、液体抽出剤42に移動され(すなわち、抽出され)、これは、その後、連続的または周期的ベースで内側チャンバ34から除去される。
【0012】
外側チャンバ32は、ベース52から延在する側壁50を有する、剛性に構成されたタンクの形態を有することができ、ベース52および側壁50は組み合わされて、所望の体積の供給溶液40を収容するための閉込め領域(図1に54で一般に参照される)を画定する。外側チャンバ32は、さらに、ベース52と反対側の開いた頂側部58を有する上部部分56を画定する。入口ポート60が、ベース52に隣接して形成され、内部閉込め領域54に流体的に連通される。同様に、出口ポート62が、上部部分56に設けられ、内部閉込め領域54に流体的に連通される。一実施形態において、入口ポート60および出口ポート62は、供給溶液40が外側チャンバ32を通って連続的に供給されるように、供給溶液溜め(図示せず)に流体的に連通される。あるいは、入口ポート60を「新たな」(すなわち、未処理の)供給溶液40の溜めに流体的に連通することができ、出口ポート62は、抽出された供給溶液(すなわち、以下で説明されるように抽出プロセスにかけられた供給溶液)の別個の溜めに流体的に連通される。さらに、以下で説明されるように、入口ポート60および出口ポート62への溜めの連結を逆にすることができ、および/またはポート60、62の1つをなくすことができる。
【0013】
一実施形態において、外側チャンバ32の上部部分56は、外側チャンバ32の残りと比較して増加した断面積を有し、かつ他の点では外側チャンバ32内に収容された供給溶液40からの汚染物(図示せず)の除去を促進するように構成される。特に、上部部分56の壁が、水平に対して角度をなして延在する底壁66によって部分的に画定されたトラフ64を形成してもよい。トラフ64は、出口ポート68に流体的に連通される。他の点では収容された供給溶液40の液体レベルライン(図1に70で一般に参照される)まで浮遊または上昇する汚染物は、トラフ64内に捕捉され、これの底壁66は、汚染物を、外側チャンバ32からの除去のため出口ポート68に向ける。この1つの構造では、出口ポート68は、外側チャンバ32に対する供給溶液40の充填/除去を妨げないように、出口ポート62より上に位置決めされる。あるいは、他の構造を、収容された供給溶液40から少なくとも1つの汚染物をすくい取るために使用することができるか、すくい取るべき特徴物を完全になくすことができる。
【0014】
内側チャンバ34は、図2により詳細に示されている。特に、内側チャンバ34の各々は、微孔性膜スリーブ80と、フレーム82とを含む。フレーム82は、対応するスリーブ80内に維持される。明確にするため、図2はさらに、セパレータアセンブリ36を示し、これらの詳細を以下に説明する。
【0015】
微孔性膜スリーブ80は、底部86で互いにシールされた対向する主側壁84a、84bと、対向する側部88a、88bとを含んでもよい。さらに、側壁84a、84bの各々は、少なくともフレーム82の組立て前は互いに連結されず、したがって、フレーム82の挿入/除去のためにスリーブ80の内部への開口部92を有する頂縁90a、90bを画定する。一実施形態において、スリーブ80には、開口部92の選択的な閉鎖および/またはシーリングを行うように構成された閉鎖/シーリングデバイス(図示せず)が設けられる。たとえば、テープを使用して開口部92を閉じることができ、対応する再閉鎖可能なストリップを、頂縁90a、90bに隣接して、側壁84a、84bの内部に沿って設けることができ、頂縁90a、90bを互いにヒートシールすることができる。あるいは、開口部92は、常に塞がれない(unencumbered)ままでもよい。
【0016】
スリーブ80は、封筒状形態を呈するように示されているが、他の構成も可能である。たとえば、スリーブ80が横断面でより矩形であるように、主側壁84a、84bを連結した副側壁を設けることができる。同様に、微孔性膜材料の付加的なセクションを底部86に設けることができる。また、スリーブ80には、フレーム82をより容易に収容するために側部ひだおよび/または底部ひだを設けることができる。
【0017】
スリーブ80は、好ましくは、スリーブ80の長さに沿って所定の位置に一連の穴94(図2に一般に概略図示される)を形成する。穴94は、側壁84a、84bの両方を通って形成され、側壁84a、84bに対して整列される。以下でより詳細に説明されるように、穴94は、内側チャンバ34内へのおよび内側チャンバ34からの液体流れを促進するチューブ穴94a、94bと、場合によってはガスケット(図示せず)と関連して、セパレータアセンブリ36の、対応する内側チャンバ34への組立てを促進する組立て穴94c〜94fとを含む。とにかく、スリーブ80、およびしたがって内側チャンバ34は、穴94より下の、底部86まで延在する流れ領域100を画定する。使用の間、液体抽出剤42(図1)は、流れ領域100内に収容され、および/または流れ領域100内を流れる。スリーブ80は、流れ領域100と反対側の上部セクション102をさらに含んでもよい。上部セクション102は、期待された供給溶液レベルライン70(図1)、および外側チャンバ32(図1)内の内側チャンバ34の位置に基づいた長さを有する。一実施形態において、上部セクション102は、最終組立ておよび操作時に供給溶液レベルライン70より上に延在するようなサイズであり、それにより、収容された供給溶液40(図1)が内側チャンバ34に入ることを防止する。あるいは、スリーブ80が頂縁90a、90bでシールされた場合、上部セクション102は、任意のサイズ/長さを有することができ、完全になくすことができる。
【0018】
微孔性膜スリーブ80のために使用される材料は、非常にさまざまな形態を呈することができる。本発明による微孔性膜材料は、典型的には、膜の主面の間に延在するマイクロメートルサイズの細孔(すなわち、微細孔)を有する。たとえば、図2の実施形態に関して、側壁84a、84bの各々は、外面106(側壁84aについて図2に示された)および内面108(側壁84bについて図2に示された)をそれぞれ画定する。したがって、微細孔は、側壁84a、84bの各々について外面106と内面108との間に延在する。とにかく、微細孔は、たとえば、互いに独立でもよいし相互連結してもよい。微孔性膜材料は、微細孔を有する任意の材料、たとえば、微孔性熱可塑性ポリマーから形成してもよい。スリーブ80のために使用される微孔性膜材料は、可撓性および剛性のいずれであってもよい。
【0019】
微孔性膜材料の微細孔サイズ、厚さ、および組成は、典型的には、本発明による抽出の速度を定める。微孔性膜の微細孔のサイズは、微細孔内での供給溶液40(図1)と液体抽出剤42(図1)との間の接触を可能にするのに十分に大きくなければならないが、微孔性膜を通って抽出剤内に流れる供給溶液のフラッディングが発生するほど大きくてはならない。
【0020】
本発明の実施に有用な微孔性膜材料は、たとえば、親水性および疎水性のいずれでもよい。微孔性膜は、当該技術において周知の、および、たとえば、米国特許第3,801,404号明細書(ドルイン(Druin)ら)、米国特許第3,839,516号明細書(ウィリアムズ(Williams)ら)、米国特許第3,843,761号明細書(ビエレンバウム(Bierenbaum)ら)、米国特許第4,255,376号明細書(スーンゲン(Soehngen)ら)、米国特許第4,257,997号明細書(スーンゲン(Soehngen)ら)、米国特許第4,276,179号明細書(スーンゲン(Soehngen))、米国特許第4,973,434号明細書(サーカー(Sirkar)ら)に記載された方法によって用意することができ、および/または、たとえば、セルガード・インコーポレイテッド(Celgard, Inc.)(ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte, NorthCarolina))、テトラテック・インコーポレイテッド(Tetratec, Inc.)(ペンシルバニア州アイビーランド(Ivyland, Pennsylvania))、ナディア・フィルトレーション・ゲーエムベーハー(Nadir Filtration GmbH)(ドイツ、ビースバーデン(Wiesbaden, Germany))、またはメンブラナ・ゲーエムベーハー(Membrana, GmbH)(ドイツ、ブッパータール(Wuppertal, Germany))などの供給業者から広く市販されている。例示的な親水性膜としては、多孔性ポリアミド(たとえば、多孔性ナイロン)、多孔性ポリカーボネート、多孔性エチレンビニルアルコールコポリマー、および多孔性親水性ポリプロピレンの膜が挙げられる。例示的な疎水性膜としては、多孔性ポリエチレン、多孔性ポリプロピレン(たとえば、熱誘起相分離多孔性ポリプロピレン)、および多孔性ポリテトラフルオロエチレンの膜が挙げられる。
【0021】
典型的には、有用な微孔性膜材料の平均細孔径(たとえば、ASTM E1294−89(1999)「自動液体ポロシメータを使用する膜フィルタの細孔径特徴の標準テスト方法(Standard Test Method for Pore Size Characteristics of Membrane Filters Using Automated Liquid Porosimeter)」に従って測定されるような)は、0.07マイクロメートルより大きくてもよく(たとえば、0.1マイクロメートルより大きいまたは0.25マイクロメートルより大きい)、1.4マイクロメートル未満(たとえば、0.4マイクロメートル未満または0.3マイクロメートル未満)であってもよいが、より大きいまたはより小さい平均細孔径を有する微孔性膜も使用可能である。エマルション形成および/または膜を横切るフラッディングを低減するために、微孔性膜は、細孔、引裂、または直径100マイクロメートルを超える他の穴が実質的になくてもよい。
【0022】
スリーブ80のための有用な微孔性膜材料は、典型的には、微孔性膜材料の体積を基準にして、少なくとも20パーセント(たとえば、少なくとも30パーセントまたは少なくとも40パーセント)から、80パーセント、87パーセント、またはさらには95パーセントまでの範囲内の多孔度を有する。
【0023】
典型的には、スリーブ80のための有用な微孔性膜材料の厚さは、少なくとも25マイクロメートル(たとえば、少なくとも35マイクロメートルまたは少なくとも40マイクロメートル)であり、および/または80マイクロメートル未満(たとえば、60マイクロメートル未満またはさらには50マイクロメートル未満)であってもよいが、いかなる厚さの膜材料を使用してもよい。典型的には、スリーブ80のための微孔性膜材料は、意図された操作条件下で微孔性膜スリーブ80を横切って課してもよいいかなる圧力差にも耐えるように、単独でまたは任意の多孔性支持部材と組合わされて、十分に機械的に強くなければならない。
【0024】
スリーブ80のための微孔性膜材料は、少なくとも1つの疎水性(すなわち、水で自然発生的に浸されない)材料を含んでもよい。例示的な疎水性材料としては、ポリオレフィン(たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、上記のいずれかのコポリマー、および、任意に、エチレン不飽和モノマー)、およびそれらの組合せが挙げられる。微孔性膜材料が疎水性である場合、微孔性膜スリーブ80を濡らすのを助けるために、液体抽出剤42(図1)に対して、収容された供給溶液40(図1)に積極的な圧力を加えてもよい。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、スリーブ80の微孔性膜材料は、親水性、たとえば、公称平均細孔径が0.2から0.45マイクロメートルの範囲内の親水性多孔性ポリプロピレン膜材料(たとえば、ミシガン州アンアーバーのポール・ライフ・サイエンスズ・インコーポレイテッド(Pall Life Sciences, Inc., Ann Arbor, Michigan)によって商品名「GHポリプロ・メンブレン(GH POLYPRO MEMBRANE)」で販売されるような)であってもよい。スリーブ80の微孔性膜材料が親水性である場合、微孔性膜スリーブ80内の液液界面の固定化を促進するために、収容された供給溶液40(図1)に対して、収容された液体抽出剤42(図1)に積極的な圧力を加えてもよい。スリーブ80に有用な例示的な膜材料としては、米国特許第3,801,404号明細書(ドルイン(Druin)ら)、米国特許第3,839,516号明細書(ウィリアムズ(Williams)ら)、米国特許第3,843,761号明細書(ビエレンバウム(Bierenbaum)ら)、米国特許第4,255,376号明細書(スーンゲン(Soehngen))、米国特許第4,257,997号明細書(スーンゲン(Soehngen)ら)、および米国特許第4,276,179号明細書(スーンゲン(Soehngen))、米国特許第4,726,989号明細書(ムロジンスキ(Mrozinski))、米国特許第5,120,594号明細書(ムロジンスキ(Mrozinski))、および米国特許第5,238,623号明細書(ムロジンスキ(Mrozinski))に記載されたような微孔性膜が挙げられる。
【0026】
フレーム82は、スリーブ80内に選択的に維持されるようなサイズである。図3Aおよび図3Bをさらに参照すると、フレーム82は、中央パネル110と、対向する外側パネル112(これらの1つが、図3Bに示されている)とを含んでもよい。外側パネル112は、中央パネル110の両側に組立てられ、これらの組合せは、対応するスリーブ80内に配置されると、側壁84a、84bが互いに接触することを防止し、かつ内側チャンバ34の流れ領域100内の液体抽出剤42(図1)の望ましい流れを促進する。
【0027】
中央パネル110は、一実施形態において、たとえばポリメチルメタクリレートなどの剛性材料から形成され、複数の流体経路116が形成された流れ領域114を画定する。中央パネル110の流れ領域114は、サイズが、スリーブ80の流れ領域100のものと対応する。流体経路116は、好ましくは、中央パネル110の厚さを通って延在する穴であり、中央パネル110の一方の側から他方の側への流体流れを可能にする。中央パネル110は、さらに、下部領域118および上部領域120を画定する。下部領域118は、流れ領域114より下に設けられ、上部領域120は、流れ領域114のすぐ上に設けられる(図3Aの配向に対して)。
【0028】
これらの条件を考慮して、中央パネル110は、上部領域120から下部領域118まで延在するスロットまたは導管122を形成する。導管122は、導管122内への液体抽出剤42(図1)の送出のために、上部領域120の入口ポート124に流体的に連通される。逆に、導管122は、下部領域118で開いている(たとえば、複数の開口部(図示せず))。この構成では、入口ポート124で導管122に導入された液体が、導管122を介して、上部領域120から下部領域118に向けられ、流れ領域114内に放出される。
【0029】
中央パネル110は、さらに、上部領域120に出口ポート126を形成してもよい。以下でより詳細に説明されるように、導管122を介して流れ領域114に導入された液体抽出剤42(図1)は、出口ポート126に上方に流れる。次に、他の点では出口ポート126に流体連結された別個のチューブ(図示せず)を使用して、内側チャンバ34から液体抽出剤42を除去する。
【0030】
最後に、中央パネル110は、一連の組立て穴128(図3Aに一般に参照される)を形成する。以下で説明されるように、組立て穴128は、対応する内側チャンバ34およびセパレータアセンブリ36の、互いに対するおよび外側チャンバ32(図1)への組立てを促進するために設けられる。
【0031】
外側パネル112は、好ましくは、図3Bに示されているように、サイズおよび形状が、中央パネル110と一致する。この点に関して、外側パネル112は、各々、先に説明された流れ領域114、100と対応する流れ領域130、下部領域132、および上部領域134を画定する。流れ領域130は、閉じたセクション136と、開いたセクション138とを含む。閉じたセクション136は、サイズおよび形状が、中央パネル110(図3A)の導管122(図3A)と対応し、パネル110、112の最終組立て時に、閉じたセクション136が導管またはスロット122を被覆し、それからの流体流れを防止する。逆に、開いたセクション138は、材料がないことによって特徴づけられ、流体流れが外側パネル112に対して外方に発生することを防止しない。換言すれば、他の点では中央パネル110の流れ領域114(図3A)内に放出された液体抽出剤(図示せず)は、開いたセクション138を通って容易に流れる。しかし、一実施形態において、スクリーンまたは同様のメッシュ材料140が、開いたセクション138内に固定される。液体がスクリーン140の周りを流れると、混合作用が液体に与えられ、以下で説明されるように抽出プロセスを向上させる。スクリーン140のためにさまざまな代替構造を使用することができるか(たとえば、格子構造)、スクリーン140を完全になくすことができる。
【0032】
最後に、外側パネル112は、各々、好ましくは、複数の穴(図3Bに142で一般に参照される)を形成する。複数の穴142は、中央プレート110(図3A)の、それぞれ入口ポート124(図3A)および出口ポート126(図3A)への適切なチューブの通路を促進するように構成されたチューブ穴142a、142bを含む。穴142の残りは、内側チャンバ34/分離アセンブリ136の組立て、および外側チャンバ32(図1)への組立てを促進するように構成された組立て穴142c〜142fである。
【0033】
図2に戻ると、セパレータアセンブリ36の個別のものが、対応する対の内側チャンバ34の間の配置のために構成されており、一実施形態において、各々、ヘッド部分150と、セパレータプレート152とを含む。評価の基準として、図2は、外側セパレータアセンブリ36a、36bを含む3つのセパレータアセンブリ36を示す。セパレータアセンブリ36の各々は、一般に、同じ構成であり、外側セパレータアセンブリ36a、36bの任意の特徴は、以下で説明される。しかし、図示の容易さのため、セパレータアセンブリ36(外側セパレータアセンブリ36a、36bを含む)に共通の特徴は、セパレータアセンブリ36の1つのみ(すなわち、外側セパレータアセンブリ36a)に対して、図2に参照され、特に明記しない限り、セパレータアセンブリ36(外側セパレータアセンブリ36a、36bを含む)の各々が、共通の特徴を含むことが理解される。したがって、その後の説明において、「ヘッド部分150」および「セパレータプレート152」の特徴への言及は、一実施形態において、図2に示された関連した構成要素すべてに等しく適用できる。上記の基準の慣行を考慮して、一実施形態において、ヘッド部分150およびセパレータプレート152は、別個の構成要素として提供される。あるいは、ヘッド部分150およびセパレータプレート152を一体的な単一のプレートとして形成することができる。
【0034】
ヘッド部分150は、内側チャンバ34への組立てのために構成された剛性の本体であり、チューブ穴154a、154b、および組立て穴154c〜154fを形成することができる。評価の基準として、穴154a〜154fは、外側セパレータアセンブリ36aのヘッド部分150aについて図2に参照され、一実施形態において、ヘッド部分150(ヘッド部分150bを含む)の各々が同様の特徴を含むことが理解される。内側チャンバ34のさまざまな構成要素のように、チューブ穴154a、154bは、内側チャンバ34へのおよび内側チャンバ34からのチューブ(図示せず)のための通路を提供する。逆に、組立て穴154c〜154fは、ボルト156などによる、ヘッド部分150/内側チャンバ34の、互いに対する、およびおそらくは外側チャンバ32(図1)への組立てのために設けられる。
【0035】
セパレータプレート152も剛性の本体であり、その長さに沿って流体流れを促進するように構成することができる。したがって、一実施形態において、セパレータプレート152は、複数のスロット158および複数の開口160を形成する。もう一度、スロット158および開口160は、外側セパレータアセンブリ36aのセパレータプレート152aについて図2に参照され、一実施形態において、セパレータプレート152(セパレータプレート152bを含む)の各々が同様の特徴を含むことが理解される。スロット158および開口160は、セパレータプレート152の厚さを通って延在してもよく、たとえば、スロット158は上方に角度をつけられて延在する(図2に示されているように)。この配向では、流体がセパレータプレート152の底部から充填すると、スロット158は、流体をその中央の方に向ける。最後に、一実施形態において、スクリーンまたは他のメッシュ材料162が、セパレータプレート152の両側に設けられる(これの1つが、セパレータプレート152、152a、152bの各々について図2に示されている)。先に説明されたように、スクリーン162は、有益な混合作用を、他の点ではスクリーン162の材料を横断する流体に与える。
【0036】
先に説明されたように、各セパレータアセンブリ36のヘッド部分150およびセパレータプレート152は、一実施形態において、別個の構成要素である。この一実施形態では、外側セパレータアセンブリ(図2の36aおよび36b)の外側セパレータプレート(図2の152aおよび152b)は、内側チャンバ34、特に微孔性膜スリーブ80、およびどの中間セパレータプレート152と比較してもわずかに大きい幅を有する(図2に示されていない)。この1つの構造では、外側セパレータプレート152a、152bは、それらの周囲に位置決めされたボルト(図示せず)などによって、互いに固定される。あるいは、外側セパレータプレート152a、152bは、どの中間セパレータプレート152と比較してもサイズが同一であることができ、異なるように組立てることができる(たとえば、セパレータアセンブリ36が、各々、単一構造として形成された場合、ヘッド部分150の取付けが、対応するセパレータプレート152の取付けを行う)。
【0037】
内側チャンバ34およびセパレータアセンブリ36の組立てを、図1、図2、および図4を参照して説明する。各内側チャンバ34は、フレーム82の1つをスリーブ80の対応するものの中に配置することによって組立てられる。次に、一連のそのように組立てられた内側チャンバ34が、ヘッド部分の1つ(図4に150cと示された)を2つの内側チャンバ(図1および図4に34aおよび34bと示された)の間に配置することによって、セパレータアセンブリ36に組立てられる。一実施形態において、ガスケット(図示せず)が、それぞれ、ヘッド部分150cと内側チャンバ34a、34bとの間に位置決めされる。ヘッド部分の付加的なもの(図4に150a、150bと示された)が、内側チャンバ34a、34bの反対側に位置決めされ、ガスケット(図示せず)が、おそらくは、ヘッド部分150aと内側チャンバ34aとの間に挿入され、ガスケット(図示せず)が、おそらくは、ヘッド部分150bと内側チャンバ34bとの間に挿入される。次に、ボルト156は、それぞれ、スリーブ80、中央パネル110、外側パネル112、およびヘッド部分150によって提供された、さまざまな組立て穴94、128、142、154(図2、図3A、図3B)を通され、それにより、構成要素を連結する。セパレータプレート152は、セパレータプレートの1つ(図4に152cと示された)を、内側チャンバ34a、34bの間に、対応するヘッド部分150cより下に配置することによって組立てられる。外側セパレータプレート152a、152bは、それぞれ、内側チャンバ34a、34bの反対側に位置決めされ、ボルト(図示せず)などによって、各々に取付けられる。
【0038】
2つの内側チャンバ34a、34b、および3つのセパレータアセンブリ36のみが、図1および図4に示されているが、任意の他の数も同等に可能である。たとえば、10を超える内側チャンバ34を設けることができる(対応する数のセパレータアセンブリ36とともに)。
【0039】
次に、そのように組立てられた内側チャンバ34/セパレータアセンブリ36は、外側チャンバ32に組立てられる。たとえば、フレーム80およびセパレータプレート152が比較的剛性である一実施形態において、内側チャンバ34/セパレータプレート152は、図1に示されているように外側チャンバ32内に装填し、外側チャンバ32のベース52上に載ることができる。あるいは、ボルト156を外側チャンバ32に取付けることなどによって、内側チャンバ34/セパレータアセンブリ36を、外側チャンバ32により積極的に取付けることができる。さらに、内側チャンバ34/セパレータプレート152が外側チャンバのベース52から隔置される別個の取付け機構を設けることができる。
【0040】
入口チューブ170および出口チューブ172は、液体抽出剤溜め38と内側チャンバ34との間に流体連結される。特に、入口チューブ170および出口チューブ172は、内側チャンバ34の各々で提供された中央プレート110の、それぞれ入口ポート124および出口ポート126(図3Aに最もよく示された)に流体連結される。一実施形態において、内側チャンバ34は、入口チューブ170および出口チューブ172に直列に流体連結され、あるいは、内側チャンバ34は並列に流体連結することができる。とにかく、入口チューブ170および出口チューブ172は、先に説明されたように、それぞれ、さまざまなチューブ穴94a、142a、154a、および94b、142b、154b(図2、図3A、図3B)を通る。
【0041】
使用の間、および本発明の一方法によれば、供給溶液40は外側チャンバ32内に分配され、液体抽出剤42は内側チャンバ34内に分配される。一実施形態において、最終供給溶液充填レベルライン70は、内側チャンバ34の流れ領域100より上であるが、各スリーブ80の上部部分102は、供給溶液レベルライン70より上に延在し、スリーブ80は必ずしもそれらの頂部でシールする必要はない。あるいは、スリーブ80が完全にシールされた場合、スリーブ80の全体が最終溶液充填レベルライン70より下であることができる。とにかく、内側チャンバ34の各々の少なくとも流れ領域100が、収容された供給溶液40中に浸漬される。
【0042】
供給溶液40および液体抽出剤42を、それぞれ、外側チャンバ32および内側チャンバ34に連続的に送出し、外側チャンバ32および内側チャンバ34から連続的に除去してもよい。この点に関して、供給溶液40を、入口ポート60を介して外側チャンバ32に導入し(ポンプ182などによって)、出口ポート62を介して外側チャンバ32から除去してもよい(たとえば、重力誘起流れ、ポンプなど)。供給溶液40が外側チャンバ32内を充填し/流れると、容積圧力が内側チャンバ34に対して生じる。それぞれの内側チャンバ34内のある体積の液体抽出剤42は、好ましくは、この容積圧力を相殺するが、各内側チャンバ34と関連するフレーム82(図2)は、対応するスリーブ80の側壁84a、84bが、他の点では望ましくなく「デッド」フローゾーンを発生するかもしれないように互いに接触することを防止する。さらに、セパレータプレート152は、隣接した内側チャンバ34が互いに接触することを防止し、再び、潜在的な低減した流れ領域を回避する。セパレータプレート152のスロット158および開口160(図2)は、供給溶液40が内側チャンバ34の各々の外面と接触することを確実にする。さらに、供給溶液40が外側チャンバ32内を充填し/流れると、好ましくはセパレータプレート152の各々と関連するスクリーン162(図2)は、わずかな混合作用を供給溶液40の流れに与える。
【0043】
同様に、液体抽出剤42は、おそらくはポンプ184によって押しやられて、他の点では対応する中央パネル110(図3A)の入口ポート124(図3A)に流体連結された入口チューブ170を介して、内側チャンバ34の各々に導入され、他の点では出口チューブ172に流体連結された出口ポート126(図3A)を介して、内側チャンバ34から除去される。図3Aに関して先に説明されたように、液体抽出剤42は、中央パネル110の底部領域118、およびしたがって各内側チャンバ34の内部流れ領域100の底部に向けられる。その後、液体抽出剤42が微孔性膜スリーブ80を充填すると、各内側チャンバ34内に設けられた流体経路116およびスクリーン140は、曲がりくねった流れパターンを生じさせ、充填する/流れる液体抽出剤42が混合することを引起す。
【0044】
一実施形態において、最終供給溶液レベルライン70より下である最終液体抽出剤レベルライン180(図4に最もよく示された)は、内側チャンバ34の各々内で達成される。レベルライン70/180は、微孔性膜スリーブ80を横切って所望の圧力差を確立するように選択してもよい。この目的のために、供給溶液40および液体抽出剤42がそれぞれのチャンバ32、34を通って連続的に流れる実施形態において、たとえば出口チューブ172上の制御弁186および/または入口チューブ170上のポンプ184を介して、液体抽出剤42の流量および/またはレベル180を調整することによって、所望の圧力差を達成することができる。あるいは、米国再発行特許第RE 34,828号明細書に記載されたものなどの他の圧力/流れ調整システムを使用することができる。最後に、一実施形態において、チューブ188は、液体抽出剤溜め38の底部に流体連結され、制御弁190が設けられる。任意のチューブ188/制御弁190は、液体抽出剤溜め38から、他の点では望ましくなく液体抽出流に入る供給溶液を除去するための機構を提供する。
【0045】
供給溶液40および/または液体抽出剤42がそれぞれのチャンバ32、34に連続的に供給され、および/またはそれぞれのチャンバ32、34内で再循環されるか、一定の体積がドウェル期間の間、チャンバ32、34の一方または両方で維持されるかに関わらず、抽出界面が、微孔性膜スリーブ80の各々の側壁84a、84bを横切って確立される。供給溶液40中の溶質は、側壁84a、84bの細孔を通って液体抽出剤42に移動する。最後に、一実施形態において、供給溶液40中の汚染物(図示せず)は、トラフ64を介してすくい取られる。
【0046】
経時的に、微孔性膜スリーブ80は、システム30の他の構成要素との不注意な接触、および/または細孔内の材料の蓄積によって、劣化し始めることがある。これらの状況下で、スリーブ80は、容易に取替可能な構成要素である。取替えるべきスリーブ80を有する内側チャンバ34は、残りの内側チャンバ34/セパレータアセンブリ36から単に分解され、関連したフレーム82はそれから除去される。この点に関して、および図2を参照すると、一時的なシールがスリーブ80の頂縁90a、90bを横切って設けられている場合、シールは、フレーム82へのアクセスを促進するために除去される。次に、フレーム82は新たなスリーブ80に挿入され、内側チャンバ34は他の構成要素に再び組立てられる。これは、微孔性膜がハウジング内に効果的に永久的にシールされ、容易に取替えることができない既存の抽出デバイスに対する著しい向上を表す。
【0047】
図1のシステム30で利用可能な付加的な特徴は、収容された供給溶液40からの汚染物のより徹底的な「クリーニング」に関連する。先に説明されたように、外側チャンバ32は、供給溶液40からの汚染物の除去/すくい取りのためにトラフ64(または同様の構成)を含んでもよい。しかし、経時的に、供給溶液40中の汚染物の量は、受入れられないレベルに上昇することがある。これらの状況下で、たとえば、供給溶液40を通って再循環された、デオデカン(deodecane)などの適切な炭化水素ベースの汚染除去溶液での抽出によって、汚染物を除去してもよい。
【0048】
上述されたシステム30および関連した操作方法は、大規模な商業的用途に非常に助けとなる。この目的のために、外側チャンバ32は、望まれるだけの内側チャンバ34を収容するようなサイズであり、各内側チャンバ34は、潜在的に、大きいサイズである。たとえば、一実施形態において、内側チャンバ34の長さは、15フィート(4.57メートル)程度であり、30を超える内側チャンバ34(および対応する数のセパレータアセンブリ36)が設けられる。このまたはこれと同様の構成では、必要に応じて、大きい体積の供給溶液を抽出プロセスにかけることができ、たとえば、発酵培養液からのエタノールの抽出において、このための好ましい液体抽出剤配合物が、本明細書と同時に出願された、代理人ケースNo.57637US002の、「エタノールを得るための方法(Method for Obtaining Ethanol)」という名称の、同一譲受人による米国特許出願第10/387697号明細書に記載されている。あるいは、本発明のシステム30および関連した方法は、各々がさまざまな供給溶液および/または液体抽出剤を必要とする非常にさまざまな他の抽出プロセスに等しく有用である。事実上、いかなる溶媒も、システム30(および以下で説明されるすべての代替システム)によって処理することができる。
【0049】
上述されたシステム30は、本発明による、大規模な用途に適切な液液抽出システムおよび方法の一例にすぎない。たとえば、代替実施形態の液液抽出システム200が、図5に示されている。システム200は、先に説明されたシステム30(図1)と同様であり、外側チャンバ202と、内側チャンバ204とを含む。一般的に言うと、供給溶液(図示せず)が外側チャンバ202内に収容され、液体抽出剤(図示せず)が内側チャンバ204内に収容される。内側チャンバ204は、収容された供給溶液と液体抽出剤との間の微孔性膜界面を確立する。供給溶液中の溶質は、液体抽出剤に移動または抽出され、これは、その後、周期的にまたは連続的に、内側チャンバ204から除去される。
【0050】
外側チャンバ202は、好ましくは、剛性に構成された閉込めタンクであり、さまざまな形状/寸法を有することができる。とにかく、外側チャンバ202は、組合されて閉込め領域210(図5に一般に参照される)を画定する、ベース208から延在する壁206を含む。一実施形態において、ポート212が、外側チャンバ202の底部に設けられ、閉込め領域210に流体的に連通される。外側チャンバ202は、液体が、ポート212を介して、閉込め領域内に分配され、閉込め領域から除去されるように構成してもよい。これを考慮して、ベース208は、外側チャンバ202からの液体の除去を促進するために、図5に示されているように角度をつけてもよい。最後に、外側チャンバ202の頂側部214は、閉込め領域210に対して開いていてもよい。
【0051】
内側チャンバ204は、多孔性膜スリーブ220と、フレーム222と、導管224とを含む。多孔性膜スリーブ220は、スリーブ80(図2)に関して先に説明された材料から構成してもよく、底部228および互いに反対側の側部230に沿って互いにシールされた対向する主側壁226a、226bを画定する。一実施形態において、たとえば軟性メッシュまたはブローンマイクロファイバーファブリックなどのバッキング材料232(図5に側壁226bについて示された)が、側壁226a、226bの内面に付与されて、微孔性膜材料がフレーム222との接触によって損傷されることから保護する。スリーブ80のように、側壁226a、226bの頂縁234a、234bは、それぞれ、最初に互いにシールされておらず、フレーム222および導管224の挿入などのために、スリーブ220(およびしたがって内側チャンバ204)によって画定された内部流れ領域236へのアクセスを提供する。最後に、スリーブ220は、外側チャンバ202内の供給溶液(図示せず)の期待された最終充填レベルより大きい長さを有するサイズに構成可能である。
【0052】
フレーム222は、頂部部材240、底部部材242、対向する側部部材244、および複数のクロスバー246(図5に一般に参照される)によって画定された剛性構造であってもよい。クロスバー246は、互いに反対側の側部部材244の間に延在する少なくとも1つの水平クロスバー246aと、頂部部材240と底部部材242との間に延在する少なくとも1つの垂直クロスバー246bとを含むことができる。この点に関して、クロスバー246は、互いに交差し、複数の開いた領域248を作る。領域248の隣接したものは、対応する水平クロスバー246bに形成された少なくとも1つの流体経路250によって、互いに流体的に連通される。流体経路250は、以下で説明されるように、液体抽出剤が内側チャンバ204を充填するとき、液体抽出剤(図示せず)中への非層流を誘起するようなサイズの小さい穴である。あるいは、より多いまたはより少ないクロスバー246および/または流体経路250を設けることができる。1つの代替実施形態において、クロスバー246は完全に排除される。
【0053】
導管224は、フレーム222に連結することができ、フレーム222の底部部材242より下に位置決めされた前端256を画定する。前端256は、導管224内へのおよび導管224からの流体流れを促進する複数の開口部258を形成する。
【0054】
図6を参照すると、内側チャンバ204は、フレーム222をスリーブ220に挿入することによって組立てられ、図5に示されているように、導管224の前端256はフレーム222より下に位置決めされる。次に、内側チャンバ204は外側チャンバ202内に位置決めされる。一実施形態において、スリーブ220の底部228(図5)は、外側チャンバ202のベース208上に載り、導管224の前端256およびフレーム222によって支持される。あるいは、内側チャンバ204は、別個の取付けデバイスによって、外側チャンバ202により積極的に取付けることができる。とにかく、導管224は、内側チャンバ204から延在し、液体抽出剤の供給源/溜め(図示せず)に流体的に連通される。
【0055】
使用の間、および図7をさらに参照すると、ある体積の供給溶液260が、外側チャンバ202の閉込め領域210内に分配され(たとえば、開いた頂側部214を介して)、ある体積の液体抽出剤262が、導管224(図5)を介して内側チャンバ204の流れ領域236内に分配される。この目的のために、液体抽出剤262が底部228(図5)から上に内側チャンバ204を充填するとき、液体抽出剤262は、フレーム222の周りを流れる。液体抽出剤充填ライン(図7に264で最終レベルで示された)が垂直クロスバー246b(図5)の各々を通り過ぎるとき、液体抽出剤262の一部が、対応する流体経路250を通って押しやられる。流体経路250の各々と関連する低減した直径により、液体抽出剤262がそれらを通って非層流を有し、充填操作の一部として有益な混合作用が液体抽出剤262に与えられ、この間、後述するように抽出が発生する。
【0056】
一実施形態において、充填する液体抽出剤262に曲がりくねった/混合流れパターンを与えることに加えて、フレーム222は、さらに、対向する側壁226a、226bが、収容された供給溶液260によって発生した圧力に応答して互いに接触することを防止する。
【0057】
図7に示されているように、供給溶液260の最終充填レベル(図7に266で示された)は、好ましくは、最終液体抽出剤充填レベル264より上であり、それにより、微孔性膜スリーブ220の側壁226a、226bに沿って所望の圧力差を生じさせる。内側チャンバ204の流れ領域236は、収容された供給溶液260中に浸漬される。一実施形態において、頂縁234a、234bは、供給溶液充填レベル266より上に延在し、スリーブ220はシールする必要はない。あるいは、微孔性膜スリーブ220が完全にシールされた場合、その全体を供給溶液260中に浸漬することができる。
【0058】
次に、充填体積の供給溶液260および液体抽出剤262は、所定のドウェル期間の間維持され、この間、供給溶液260中の溶質(図示せず)は、微孔性膜スリーブ220を横切って、液体抽出剤262中に抽出される。システム200(および先に説明されたシステム30)では、抽出プロセスを促進するために、向上した抽出界面表面積が提供される。より特定的には、抽出界面が、側壁226a、226bの両方で提供される。
【0059】
適切なドウェル期間は、特定の供給溶液260および液体抽出剤262、ならびにシステム200の全体的なサイズの関数である。この点に関して、システム200は、1つの内側チャンバ204を有するように示されているが、好ましくはセパレータプレート(図1のシステム30に関して説明されたセパレータプレート152など)によって互いに隔離された、複数の内側チャンバ204を設けることができる。典型的なドウェル時間は1〜15分である。とにかく、システム200は、先に説明されたように大規模な抽出用途に非常に適している。
【0060】
液液抽出システム280のさらに別の実施形態が、図8に示されている。システム280は、外側チャンバ282と、内側チャンバ284とを含む。外側チャンバ282は、ある体積の供給溶液(図示せず)を収容するように構成され、内側チャンバ284は、ある供給量の液体抽出剤(図示せず)を維持する。この目的のために、内側チャンバ284は、巻かれたロールの形態であり、収容された供給溶液と液体抽出剤との間の微孔性膜界面を提供する。供給溶液中の溶質は、液体抽出剤に移動され、これは、その後、連続的にまたは周期的に、内側チャンバ284から除去される。
【0061】
外側チャンバ282は、内側チャンバ284を受けるようなサイズの、剛性に構成されたタンクである。この目的のために、外側チャンバ282は、閉込め領域286を画定し、好ましくは、開いた頂側部288を形成する。
【0062】
内側チャンバ284は、一実施形態において、微孔性膜スリーブ290と、フレームインサート292(図8に一般に参照される)と、セパレータラップ293と、入口導管294と、出口導管296(図8に部分的に示された)とを含む。もう一度、スリーブ290に有用な微孔性膜材料は、先に説明された形態のいずれかを呈することができ、スリーブ290は、好ましくは、対向する側部300、前縁302、および後縁(図8に示されていないが、巻かれたロールの中心で形成された)に沿って互いにシールされた対向する主側壁298a、298bによって画定される。側壁298a、298bの内面は、保護スクリーンまたは保護メッシュ材料でライニングすることができる。とにかく、スリーブ290は、それ自体の上に巻付けられて、巻かれたロールとして内側チャンバ284を形成する細長い本体である。内部流れ領域306(図8に一般に参照される)が、スリーブ290内に画定され、したがって、内側チャンバ284の場合、スリーブ290の巻かれた層に沿って渦巻き状に延在する。
【0063】
フレームインサート292は、一実施形態において、複数のリブ310を維持するスクリーンまたはメッシュ材料304を含む。フレームインサート292は、スリーブ290内に、対向する側壁298a、298bの間に配置される。最終組立て時、および図8の実施形態では、リブ310の各々は、スリーブ290の実質的な長さに沿って延在する。したがって、巻かれたロールとしての内側チャンバ284の最終形成時、リブ310は、巻かれたスリーブ290によって画定された中心軸Aに対して接線方向に延在する。流体経路312が、リブ310の隣接したものの間に画定され、各流体経路312は、以下で説明されるように、入口導管294と出口導管296との間に延在し、入口導管294および出口導管296を流体連結する。この点に関して、流体経路312の各々は、入口導管294に対して流体的に開いている前端314、および出口導管296に対して流体的に開いている後端(図示せず)を画定する。リブ310は、巻かれたロールとしての内側チャンバ284の形成を妨げないように、たとえばポリクロロプレンなどの十分に可撓性の材料から製造され、ソーイング、ヒートシーリングなどの任意の受入れられる技術によってスクリーン304に固定され、最終組立て時に側壁298aと側壁298bとの間の一定した間隔を促進する。代替実施形態において、リブ310は、異なった形態を呈することができるか、スクリーン304だけがスリーブ290内に挿入されるようになくすことができる。
【0064】
セパレータラップ293は、スリーブ290と実質的に一致する長さおよび幅を有し、スリーブ290の連続ラップ(たとえば、図8に参照されるラップ層316a、316b)の間のわずかな分離をもたらすように構成され、それにより、ラップ間の液体の流れを促進する。一実施形態において、セパレータラップ293は、複数の隔置されたアーム318が固定されたスクリーンまたはメッシュ材料を含む。アーム318は、垂直方向に(すなわち、中心軸Aに平行に)延在するように位置決めされ、液体が、スリーブ290のラップの間に所望の方向に流れる。アーム318は、巻かれた内側チャンバ284の全直径を明白に増加させないように、比較的薄く、たとえば、0.03〜0.1インチ(0.76〜2.5mm)程度である。あるいは、セパレータラップ293のための他の構造を使用する(たとえば、スリーブ290のラップの間の一連の隔置された材料インサート)か、完全になくすことができる。用意されるセパレータラップ293は、巻かれたロールとしての内側チャンバ284の形成を妨げないように十分に可撓性である。
【0065】
入口導管294は、前縁302の近くで、スリーブ290の外部と内部流れ領域306との間に延在する。フレームインサート292がリブ310を含む一実施形態によれば、入口導管294は、流体経路312の前端314に隣接して位置決めされた複数の開口部320を形成する。図8に示されているように、入口導管294から、開口部320を介して排出された液体(図示せず)が、流体経路312の各々に容易に向けられるように、入口導管294を流体経路312からわずかに隔置してもよい。一実施形態において、入口導管294は、開口部320と反対側の液体抽出剤源(図示せず)に流体的に連通される。リブ310が設けられない代替実施形態では、入口導管294、特に開口部320は、前縁302の近くで内部流れ領域306に流体的に連通される。
【0066】
出口導管296は、同様に、スリーブ290の後縁(図示せず)の近くで、スリーブ290の外部と内部流れ領域306との間に延在する。再度、「後縁」は、スリーブ290の内側の巻いたものまたは巻付けられた層で画定される。フレームインサート292がリブ310を含む一実施形態によれば、出口導管296は、流体経路312の後端(図示せず)と流体的に連通して位置決めされた複数の開口部(図示せず)を形成する。したがって、流体経路312から流れる液体(図示せず)は、出口導管296によって容易に受けられ、それは、収集された液体を別個の溜め(図示せず)に向ける。リブ310が設けられない代替実施形態では、出口導管296は、後縁の近くで流れ領域306に流体的に連通される。
【0067】
使用の間、外側チャンバ282は、供給溶液(図示せず)で充填される。内側チャンバ284は、内部流れ領域306が収容された供給溶液中に浸漬されるように、外側チャンバ282内に配置される。この点に関して、供給溶液が内側チャンバ284の個別の巻いたもの/巻かれた層の間に容易にしみ出るように、セパレータラップ293は、スリーブ290の個別のラップの間のわずかな間隔を維持する。一実施形態において、内側チャンバ284のコア322は、開いており、および/またはコア322内で供給溶液の流れることを促進する1つ以上のブリード穴324を設ける。液体抽出剤(図示せず)が、入口導管294を介して内側チャンバ284に導入される。図8に矢印で示されているように、液体抽出剤は、入口導管294の開口部320から流体経路312に押しやられる。流体経路312は、スリーブ290の巻かれた層に沿って、渦巻き状に、出口導管296に液体抽出剤を向かわせる。出口導管296は、スリーブ290から液体抽出剤を収集し除去する。リブ310が含まれない代替実施形態では、液体抽出剤は、入口導管294から、渦巻き状に内部流れ領域306に沿って、出口導管296に流れる。
【0068】
一実施形態において、液体抽出剤(図示せず)の連続的な流れが、入口導管294から出口導管296まで確立される。あるいは、スリーブ290は、所望の体積の液体抽出剤で充填され、ドウェル期間の間維持される。とにかく、微孔性膜抽出界面が、スリーブ290の側壁298a、298bの両方に沿って、収容された供給溶液(図示せず)と液体抽出剤との間に確立される。特に、抽出は、巻かれたロールの内側チャンバ284の巻付けられた層すべてに沿って発生し、大きい抽出界面表面積が提供される。
【0069】
さらに別の代替実施形態の液液抽出システム340が、図9に示されている。システム340は、先に説明されたシステム280(図8)と同様であり、外側チャンバ342と、内側チャンバ344とを含む。外側チャンバ342は、好ましくは、先に説明された外側チャンバ282(図8)と同一である。
【0070】
内側チャンバ344は、微孔性膜スリーブ350と、セパレータラップ352と、入口導管354と、出口導管356とを含む。もう一度、スリーブ350に有用な微孔性膜材料は、先に説明された形態のいずれかを呈することができ、スリーブ350は、好ましくは、対向する頂側部360aおよび底側部360b、前縁362および後縁(図9に示されていないが、巻かれたロールの中心で形成された)に沿って互いにシールされた対向する主側壁358a、358bによって画定される。側壁358a、358bの内面は、保護スクリーンまたは保護メッシュ材料(図示せず)でライニングすることができる。とにかく、スリーブ350は、それの上に巻付けられて、巻かれたロールとして内側チャンバ344を形成する細長い本体である。内部流れ領域366(図9に一般に参照される)が、スリーブ350内に画定され、スリーブ350の巻かれた層に沿って渦巻き状に延在する。
【0071】
一実施形態において、入口導管354および出口導管356の部分と組合せて、スリーブ350を支持するのに役立つ内部フレームを提供するフレームインサート364が、スリーブ350内に配置される(対向する側壁358a、358bの間)。フレームインサート364は、図8のシステム280に関して先に説明されたものと同様のスクリーンまたはメッシュ材料であることができる。しかし、あるいは、より複雑な内部フレームまたはリブ構造をフレームインサート354で提供することができ、以下で説明されるように、入口導管354と出口導管356との間の流体経路(図示せず)を確立する。この代替構造では、リブ(図示せず)は、最終組立て時、巻かれたスリーブ350によって画定された中心軸Cに対して軸方向に延在することができる。効果的には、リブは、以下で説明されるセパレータラップ352によって提供されたアーム370に類似してもよい。
【0072】
セパレータラップ352は、先に説明されたセパレータラップ293(図8)と同様であり、スリーブ350の連続ラップ(たとえば、図9に参照されるラップ層372a、372b)の間のわずかな間隔または分離を確実にするように構成される。セパレータラップ352は、一実施形態において、複数の隔置されたアーム370を維持するスクリーンまたはメッシュ材料を含む。セパレータラップ352は、スリーブ350に実質的に一致する長さおよび幅を有することができる。再び、スリーブ350のラップの間の間隔を促進するために他の構造を使用することができるか、または、セパレータラップ352をなくすことができる。
【0073】
入口導管354は、スリーブ350の外部と内部流れ領域366との間に延在する。特に、入口導管354は、送出セクション378と、複数の開口部382を画定する放出セクション380とを含む。送出セクション378は、液体抽出剤の供給源(図示せず)に流体連結される。放出セクション380は、スリーブ350の底部360bに隣接して位置決めされ、スリーブ350の実質的な長さに沿って延在する。開口部382は、好ましくは、1〜20インチ(2.5〜50.8cm)ごとに1開口部382程度で等距離に隔置され、内部流れ領域366(たとえば、流体経路372の前端374)と流体連通する。とにかく、入口導管354、特に放出セクション380は、好ましくは、ソーイング、ヒートシーリングなどによって、適切に、スリーブ350の側壁358a、358bに固定される。
【0074】
出口導管356は、同様に、スリーブ350の外部と内部流れ領域366との間に延在する。出口導管356は、送出セクション386と、複数の開口部390を形成する収集セクション388とを含む。収集セクション388は、スリーブ350の頂部360aに隣接して位置決めされ、その実質的な長さに沿って延在する。開口部390は、好ましくは、入口導管354で提供された開口部382と同一であり、内部流れ領域366(および/または、内部フレーム構造が設けられた場合、スリーブ350内に画定された流体経路)と流体連通する。収集セクション388は、適切に、スリーブ350の側壁358a、358bに固定してもよい。送出セクション386は、好ましくは、溜め(図示せず)に流体連結され、収集セクション388から流れる流体が、送出セクション386を介して溜めに分配される。
【0075】
使用の間、外側チャンバ342は、供給溶液(図示せず)で充填される。内側チャンバ344は、内部流れ領域366が収容された供給溶液中に浸漬されるように、外側チャンバ342内に配置される。この点に関して、供給溶液が内側チャンバ344の個別の巻いたもの/巻かれた層の間に容易にしみ出るように、セパレータラップ352は、スリーブ350の個別のラップの間のわずかな間隔を提供する。一実施形態において、内側チャンバ344のコア392は、開いており、および/またはコア392内で供給溶液の流れることを促進する1つ以上のブリード穴394を設ける。液体抽出剤(図示せず)が、入口導管354を介して内側チャンバ344に導入される。図9に矢印で示されているように、液体抽出剤は、スリーブ350の実質的な長さに沿って、放出セクション378の開口部382から押しやられる。内部流れ領域366が充填されると、放出された液体抽出剤は、押しやられて、出口導管356の収集セクション388に上方に流れる(図9に矢印で表される)。フレームインサート364がリブ(図示せず)を含む代替実施形態では、対応する流体経路は、入口導管354から収集セクション388に液体抽出剤を向けるのを助ける。とにかく、液体抽出剤は、穴390を介して収集セクション388内に収集される。出口導管356は、スリーブ350から送出セクション386を介して液体抽出剤を収集し除去する。
【0076】
一実施形態において、液体抽出剤(図示せず)の連続的な流れが、入口導管354から出口導管356まで確立される。あるいは、スリーブ350は、所望の体積の液体抽出剤で充填され、ドウェル期間の間維持される。とにかく、微孔性膜抽出界面が、スリーブ350の側壁358a、358bの両方に沿って、収容された供給溶液(図示せず)と液体抽出剤との間に確立される。特に、抽出は、巻かれたロールの内側チャンバ344の巻付けられた層すべてに沿って発生し、大きい抽出界面表面積が提供される。
【0077】
本発明によるさらに別の実施形態の液液抽出システム400が、図10に示されている。システム400は、第1の供給フレーム402と、第2の供給フレーム404と、抽出剤フレーム406と、第1の微孔性膜408と、第2の微孔性膜410とを含む。さまざまな構成要素に関する詳細を、以下に説明する。しかし、一般的に言うと、第1の微孔性膜408は、第1の供給フレーム402と抽出剤フレーム406との間にシールされ、第2の微孔性膜410は、第2の供給フレーム404と抽出剤フレーム406との間にシールされる。使用の間、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム406内に分配され、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム402および第2の供給フレーム404の各々内に分配される。抽出界面が、第1の微孔性膜408で、抽出剤フレーム406内の液体抽出剤と第1の供給フレーム402内の供給溶液との間に確立され、第2の微孔性膜410で、抽出剤フレーム406内の液体抽出剤と第2の供給フレーム404内の供給溶液との間に確立される。供給溶液中の溶質は、これらの抽出界面で液体抽出剤に移動される。
【0078】
第1の供給フレーム402は、図11Aにより詳細に示されており、供給フレーム402、404が好ましくは同一であることが理解される。供給フレーム402は、一実施形態において、格子状構造を提供し、第1の面または前面416および第2の面または裏面(図11Aにおいて隠れている)を画定する。複数のクロスバー420が、外側フレーム構造422内を延在する。相互連結されているが、クロスバー420は、前面416および裏面の一方または両方に対して開いている複数の開いた領域またはチャンバ424を作る。他の点ではクロスバーセクション426によって画定された開いた領域424のいくつかの隣接したものは、一般に共有されたクロスバーセクション426を通って形成された1つ以上の流体経路428によって互いに流体的に連通される。たとえば、開いた領域424は、第1、第2、第3、および第4の開いた領域424a〜424dを含む。クロスバーセクション426aが、第1の開いた領域424aおよび第2開いた領域424bの一部を画定し、第1の開いた領域424aおよび第2開いた領域424bを流体的に連通する流体経路428を含む。同様に、第2の開いた領域424bおよび第3の開いた領域424cの部分を画定するクロスバーセクション426bが、第2の開いた領域424bおよび第3の開いた領域424cを流体的に連通する流体経路428を含む。第3の開いた領域424cおよび第4の開いた領域424d、ならびに第1の開いた領域424aおよび第4の開いた領域424dは、同様に、流体経路428によって流体的に連通される。多くのクロスバーセクション426について3つの流体経路428が示されているが、より多いまたはより少ない任意の他の数が受入れられる。
【0079】
特に、すべての隣接した対の開いた領域424が流体経路によって流体的に連通される必要があるとは限らない。たとえば、隣接した開いた領域424e、424fは、互いに直接は流体的に連通されない。あるいは、流体経路をすべてのクロスバーセクション内に設けることができる。とにかく、供給フレーム402は、入口ポート430と、第1の出口ポート432と、第2の出口ポート434とを含む。入口ポート430は、開いた領域424gに流体的に連通され、第1の出口ポート432は、開いた領域424hに流体的に連通され、第2の出口ポート434は、開いた領域424iに流体的に連通される。この1つの好ましい構造では、開いた領域424/流体経路428は、図11Aに矢印で表されるように、入口ポート430と出口ポート432、434との間の曲がりくねった流れ経路を画定する。
【0080】
好ましい実施形態において、供給フレーム402、404は、アルミニウム、ステンレス鋼、または、たとえば高密度ポリエチレンなどの剛性ポリオレフィンなどの剛性非腐食性材料から形成される。以下で説明されるように、使用の間、供給溶液(図示せず)が、好ましくは、比較的高い圧力で供給フレーム402、404を通って押しやられる。したがって、供給フレーム402、404は、比較的高い応力下で一体性を維持することができる材料および厚さを有して構成される。
【0081】
抽出剤フレーム406は、図11Bにより詳細に示されている。抽出剤フレーム406は、先に説明された供給フレーム402、404(図11A)と事実上同一であり、第1の面すなわち前面440および第2の面すなわち裏面(図10および図11Bの図において隠れている)を画定する格子状構造を提供する。複数のクロスバー442が、外側フレーム構造444内を延在し、複数の開いた領域またはチャンバ446を画定する。開いた領域446は、一実施形態において、前面440および裏面の両方に対して開いている。さらに、1つ以上の流体経路448が、他の点では開いた領域446の隣接したものによって一般に共有されたクロスバーセクション450によって形成される。もう一度、一実施形態において、すべてのクロスバーセクション450が流体経路448を設けるとは限らない。とにかく、曲がりくねった流れ経路が、他の点ではそれぞれ開いた領域446a、446b、446cに流体連結された、入口ポート452および出口ポート454、456の間に画定される。
【0082】
図10に戻ると、微孔性膜408、410は、好ましくは、同一であり、フレーム402〜406のサイズに従うサイズである。先に説明された微孔性膜材料のいずれも、微孔性膜408、410として使用することができる。
【0083】
システム400の組立ては、第1の微孔性膜408を第1の供給フレーム402と抽出剤フレーム406との間にシールすることを含む。この点に関して、ガスケット460を、第1の供給フレーム402の裏面(図10において隠れている)に対して固定することができる。ガスケット460は、供給フレーム402の前面をシールするのに適した、ポリクロロプレンまたはネオプレンなどの適切なエラストマー材料から製造される。ガスケット460は、複数の開口464を画定する複数の延在部462を含む。延在部462のサイズおよび配置は、第1の供給フレーム402のクロスバー420のいくつかと対応し、最終組立て時、ガスケット延在部462はクロスバー420と整列され、開口464は対応する開いた領域424と一般に整列される。したがって、開いた領域424の少なくとも一部が、ガスケット460の組立て時に露出したままである。同様のガスケット466、468、470を、同様に、図10に示されているように、抽出剤フレーム406および第2の供給フレーム404に設け、固定することができる。
【0084】
第1の微孔性膜408は、第1の供給フレーム402/ガスケット460と抽出剤フレーム406/ガスケット466との間に位置決めされる。この点に関して、第1の供給フレーム402の裏面(図10において隠れている)および抽出剤フレーム406の前面440は互いに面し、開いた領域424、446は整列される。さらに、開いた領域424、446の各々の少なくとも一部が、第1の微孔性膜408に対して露出したままであり、抽出界面を第1の微孔性膜408を横切って確立することができる。同様に、第2の微孔性膜410は、第2のフレーム404/ガスケット470と抽出剤フレーム406/ガスケット468との間に位置決めされる。第2の供給フレーム404の前面416および抽出剤フレーム406の裏面(図10において隠れている)は互いに面し、開いた領域424、446は整列される。開いた領域424、446の少なくとも一部が、第2の微孔性膜410に対して露出しており、抽出界面を第2の微孔性膜410を横切って確立することができる。
【0085】
図12をさらに参照すると、そのように組立てられたフレーム402〜406は、ボルト482などによって、プレート480aとプレート480bとの間に締付けられるが、取付けの他の形態が等しく受入れられる。第1のプレート480aは、第1の供給フレーム402の前面416(図12に一般に参照される)をシールし、第2のプレート480bは、第2の供給フレーム404の裏面(図12に484で一般に参照される)をシールする。この目的のために、付加的なシーリング材料(たとえば、ガスケット)を、プレート480a、480bと対応する供給フレーム402、404との間に位置決めして、液密なシールを確実に行うことができる。
【0086】
使用の間、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム402および第2の供給フレーム404の入口ポート430(図12の図において隠れている)内に押しやられ、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム406の入口ポート452内に押しやられる。供給溶液および液体抽出剤は、それぞれのフレーム402〜406によって画定された曲がりくねった流体経路を通って流れ、混合作用をそれぞれの液体流れに与える。一実施形態において、供給溶液および液体抽出剤は、対応するフレーム402〜406を通って連続的に流されるか再循環され、液体は、それぞれの第1の出口ポート432、454を介して、対応するフレーム402〜406を出る。あるいは、充填および放出方法を用いることができ、供給フレーム402、404は、ある体積の供給溶液で充填され、抽出剤フレーム406は、ある体積の液体抽出剤で充填される。供給溶液および液体抽出剤の体積は、ドウェル期間の間、対応するフレーム402〜406内で保持され、次に放出される。この点に関して、第2の出口ポート434、456は、フレーム402〜406の各々の同じ側で位置決めされ、フレーム402〜406からの、収容された体積の同時の重力誘起放出または流出を促進する(すなわち、システム400が、図12の向きに対してひっくり返されたとき)。さらに、第2の出口ポート434、456は、充填操作または流れる操作の間、開いた(完全にまたは部分的に)ままであることができ、混入空気がそれぞれのフレーム402〜406から排出されることを可能にする。
【0087】
連続的な流れの技術が用いられるか充填および放出技術が用いられるかに関わらず、第1の供給フレーム402内の供給溶液(図示せず)は、開いた領域424で第1の微孔性膜408と接触し、第2の供給フレーム404内の供給溶液(図示せず)は、開いた領域424で第2の微孔性膜410と接触する。同様に、抽出剤フレーム406内の液体抽出剤(図示せず)は、開いた領域446で、第1の微孔性膜408および第2の微孔性膜410と接触する。開いた領域424、446が整列されるので、抽出界面が第1の微孔性膜408および第2の微孔性膜410を横切って確立され、それにより供給溶液(他の点では両方の供給フレーム402、404内に収容された)中の溶質が液体抽出剤に移動する。
【0088】
供給溶液(図示せず)および液体抽出剤(図示せず)がそれぞれのフレーム402〜406を通って連続的に再循環される一実施形態では、供給溶液および/または液体抽出剤の流量を制御することによって、所望の圧力差が多孔性膜408、410を横切って維持される。図10を参照すると、供給フレーム402、404の入口ポート430は、抽出剤フレーム406の入口ポート452と反対側に位置決めされる。したがって、供給フレーム402、404の一般的な流体流れ方向は、抽出剤フレーム406のものと反対であり、対応する液液抽出界面で供給溶液と液体抽出剤との間により大きい剪断を生じさせる。
【0089】
図10のシステム400は、2つの供給フレーム402、404と、1つの抽出剤フレーム406とを含むように説明されたが、多数の他の構成も受入れられる。たとえば、1つの供給フレームおよび1つの抽出剤フレームを使用することができる。あるいは、多数(たとえば、10以上)の供給フレームおよび抽出剤フレームを設けることができる。この目的のために、抽出フレームは供給フレームより多くてもよいし、供給フレームは抽出フレームより多くてもよいし、または両者が同数であってもよい。しかし、各供給フレームは、抽出剤フレームに面するように位置決めされ、逆も同様である。
【0090】
さらに別の代替実施形態の液液抽出システム500が、図13に示されている。システム500は、先に説明されたシステム400(図10)とよく似ており、第1の供給フレーム502と、第2の供給フレーム504と、抽出剤フレーム506と、第1の微孔性膜508と、第2の微孔性膜510とを含む。さまざまな構成要素に関する詳細を、以下に説明する。しかし、一般的に言うと、第1の微孔性膜508は、第1の供給フレーム502と抽出剤フレーム506との間にシールされ、第2の微孔性膜510は、第2の供給フレーム504と抽出剤フレーム506との間にシールされる。使用の間、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム506内に分配され、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム502および第2の供給フレーム504の各々内に分配される。抽出界面が、第1の微孔性膜508で、抽出剤フレーム506内の液体抽出剤と第1の供給フレーム502内の供給溶液との間に確立され、第2の微孔性膜510で、抽出剤フレーム506内の液体抽出剤と第2の供給フレーム504内の供給溶液との間に確立される。供給溶液中の溶質は、これらの抽出界面で液体抽出剤に移動される。
【0091】
第1の供給フレーム502は、図14Aにより詳細に示されており、一実施形態によれば、供給フレーム502、504が同一であることが理解される。供給フレーム502は、格子状構造を提供し、第1の面または前面516および第2の面または裏面(図14Aの図において隠れている)を画定することができる。複数のクロスバー518が、外側フレーム構造520内を延在し、複数の開いた領域またはチャンバ522を画定する。開いた領域522は、前面516および裏面に対して開いているか露出している。先に説明された供給フレーム402(図11A)と比較して、供給フレーム502は、より少ない数のクロスバー518、およびしたがって、より少ない数の開いた領域522を含む(供給フレーム502の開いた領域522は、供給フレーム402の開いた領域424(図11A)と比較して断面積がより大きいが)。さらに、1つ以上の流体経路524がさまざまなクロスバーセクション526に形成されるが、より画定された流れ経路が供給フレーム502で提供される。特に、流体経路524は、図14Aに矢印で示されているように、比較的蛇状の流れ経路を画定するように配列される。
【0092】
供給フレーム502は、入口ポート530と、一次出口ポート532と、二次出口ポート534a〜534dとをさらに含む。ポート530〜534dの各々は、開いた領域522のそれぞれのものに流体連結される。以下で明らかにされる理由のため、二次出口ポート534a〜534dの各々は、一実施形態において、対応する二次出口ポート534a〜534dの開閉を選択的に制御するように構成された別個の制御弁536を含む。
【0093】
抽出剤フレーム506は、図14Bにより詳細に示されており、一実施形態において、供給フレーム502、504(図14A)と本質的に同一である。したがって、抽出剤フレーム506は、格子状構造を有し、第1の面または前面540および第2の面または裏面(図14Bの図において隠れている)を画定することができる。複数のクロスバー542が、外側フレーム構造544内を延在し、複数の開いた領域またはチャンバ546を画定する。開いた領域546は、前面540および裏面に対して開いているか露出している。1つ以上の流体経路548が、さまざまなクロスバーセクション550に形成され、図14Bに矢印で示されているように、比較的蛇状の流れ経路を画定するように配列される。最後に、抽出剤フレーム506は、各々、開いた領域546のそれぞれのものに流体連結された、入口ポート554、一次出口ポート556、および二次出口ポート558a〜558dを含む。供給フレーム502のように、二次出口ポート558a〜558dの各々には、別個の制御弁560が設けられる。
【0094】
図13に戻ると、微孔性膜508、510は、好ましくは、同一であり、フレーム502〜506のサイズに従うサイズである。先に説明された微孔性膜材料のいずれも、微孔性膜508、510として使用することができる。
【0095】
システム500の組立ては、第1の微孔性膜508を第1の供給フレーム502と抽出剤フレーム506との間にシールすることを含む。この点に関して、ガスケット570を、第1の供給フレーム502の裏面(図13において隠れている)に対して固定することができ、ガスケット572を、抽出剤フレーム506の前面540に対して固定することができる。同様に、ガスケット574を、抽出剤フレーム506の裏面(図14において隠れている)に対して固定することができ、ガスケット576を、第2の供給フレーム504の前面516に対して固定することができる。ガスケット570〜576は、システム400(図10)に関して先に説明されたものと同様であり、それぞれのフレーム502〜506のサイズに従うサイズを有することができる。
【0096】
再度、ガスケット570〜576は、各々、それぞれのフレーム502〜506への最終組立て時に、対応する開いた領域522、546を少なくとも部分的に露出する複数の開口580を形成する。したがって、最終組立て時、第1の供給フレーム502の開いた領域522の少なくとも一部が、第1の微孔性膜508に対して露出し、抽出剤フレーム506の開いた領域546の少なくとも一部が、第1の微孔性膜508および第2の微孔性膜510に対して露出し、第2の供給フレーム504の開いた領域522の少なくとも一部が、第2の微孔性膜510に対して露出する。開いた領域522、546が、最終組立て時に整列されるので、第1の微孔性膜508および第2の微孔性膜510を横切る抽出界面を確立することができる。
【0097】
図15をさらに参照すると、そのように組立てられたフレーム502〜506は、ボルト586などによって、プレート584aとプレート584bとの間に締付けられるが、取付けの他の形態が等しく受入れられる。第1のプレート584aは、第1の供給フレーム502の前面516(図15に一般に参照される)をシールし、第2のプレート584bは、第2の供給フレーム504の裏面(図15に588で一般に参照される)をシールする。この目的のために、付加的なシーリング材料(たとえば、ガスケット)を、プレート584a、584bと対応する供給フレーム502、504との間に位置決めして、液密なシールを確実に行うことができる。
【0098】
使用の間、供給溶液(図示せず)が、第1の供給フレーム502および第2の供給フレーム505の入口ポート530(図14A)内に押しやられ、液体抽出剤(図示せず)が、抽出剤フレーム506の入口ポート554内に押しやられる。供給溶液および液体抽出剤は、それぞれのフレーム502〜506によって画定された流体経路を通って流れ、混合作用をそれぞれの液体流れに与える。一実施形態において、供給フレーム502、504は、所望の体積の供給溶液で充填され、抽出剤フレーム506は、所望の体積の液体抽出剤で充填される。第1の供給フレーム502の一次出口ポート532、第2の供給フレーム504の一次出口ポート532、および/または抽出剤フレーム506の一次出口ポート556は、充填操作の一部または全体の間、完全にまたは部分的に開いたままでよく、混入空気が、対応するフレーム502、504、および/または506から逃げることを可能にする。収容された体積は、ドウェル期間の間維持され、この間、供給溶液中の溶質が、第1の微孔性膜508および第2の微孔性膜510を介して液体抽出剤中に抽出される。ドウェル期間の完了時、制御弁536、560は開いており、収容された体積は、二次出口ポート534a〜534d、558a〜558dを介して、フレーム502〜506から流出可能となる。
【0099】
あるいは、供給溶液および/または液体抽出剤を、それぞれのフレーム502〜506を通して連続的に流すか再循環させることができる。この目的のために、供給溶液は、それぞれの一次出口ポート532を介して第1の供給フレーム502および第2の供給フレーム504から除去され(たとえば、ポンプ輸送され)、液体抽出剤は、一次出口ポート556を介して抽出剤フレーム506から除去される(たとえば、ポンプ輸送される)。
【0100】
図13のシステム500は、2つの供給フレーム502、504と、1つの抽出剤フレーム506とを含むように説明されたが、多数の他の構成も受入れられる。たとえば、1つの供給フレームおよび1つの抽出剤フレームを使用することができる。あるいは、多数(たとえば、10以上)の供給フレームおよび抽出剤フレームを設けることができる。この目的のために、抽出フレームは供給フレームより多くてもよいし、供給フレームは抽出フレームより多くてもよいし、または両者が同数であってもよい。しかし、各供給フレームは、抽出剤フレームに面するように位置決めされ、逆も同様である。
【0101】
本発明によるさらに別の代替実施形態の液液抽出システム600が、図16に示されている。システム600は、一般に、供給フレーム602と、抽出剤フレーム604と、微孔性膜606とを含む。さまざまな構成要素に関する詳細を、以下で提供する。しかし、一般的に言うと、微孔性膜606は、フレーム602とフレーム604との間にシールされる。使用の間、供給溶液(図示せず)が供給フレーム602に導入され、液体抽出剤(図示せず)が抽出剤フレーム604に導入される。抽出界面が、微孔性膜606を横切って、供給フレーム602の供給溶液と抽出剤フレーム604の液体抽出剤との間に確立される。供給溶液中の溶質は、抽出界面に沿って液体抽出剤に抽出される。
【0102】
供給フレーム602および抽出剤フレーム604は、一実施形態において同一である。他の点では供給フレーム602をより詳細に示す図17をさらに参照すると、供給フレーム602は、その前面608から延在する対向する肩607を形成するプレート状本体である。入口領域610および出口領域612が、前面608の凹部として画定される。入口ポート614および出口ポート616は、フレーム602に形成され、それぞれ入口領域610および出口領域612に流体的に連通される。さらに、複数のリブ618が、前面108に対して外方の突起部として形成され、線状に延在して、複数のチャネル620を画定する。各リブ618は、他の点ではそれぞれ入口領域610および出口領域612の一部を画定するそれぞれの端部壁626、628からずれた互いに反対側の第1の端部セクション622および第2の端部セクション624を含む。この構成では、チャネル620の各々は、同様に、それぞれ入口領域610および出口領域612で終わる互いに反対側の入口端部632および出口端部634によって画定される。したがって、チャネル入口端部632の各々は入口ポート614に流体的に連通され、チャネル出口端部634の各々は出口ポート616に流体的に連通される。特に、図17は、最も外側のチャネル620a、620bを、それぞれ、最も外側のリブ618とシールライン630a、630bとの間に画定されるように示す。一実施形態において、シールライン630a、630bは、フレーム602によって物理的に形成されない。代わりに、ガスケット(図17に示されていない)が前面608に対してプレスされる最終組立て時、ガスケットは、対応する最も外側のリブ618からずれたシールライン630a、630bに沿って、前面608に対してシールする。この構造は、チャネル620a、620bを確立する。したがって、他の点ではフレーム602を単独で示す図17の図に関して、シールライン630a、630bは仮想である。
【0103】
上述された構造では、チャネル620は、入口ポート614と出口ポート616との間の流体経路を提供する。一実施形態において、フレーム602は、最小の圧力損失で、チャネル620に比較的高い流量が流れるように構成される。この目的のために、フレーム602、特に、他の点ではチャネル620を画定する表面は、アルミニウムなどの非常に滑らかな材料から形成される。チャネル620は、幅および深さの点で比較的小さく、一実施形態において、幅が0.4〜1.4cmの範囲内、たとえば0.9cmである。さらに、および一実施形態によれば、チャネル620の深さは、0.02〜0.15cmの範囲内、たとえば0.08cmである。さらに、チャネル620の各々の底面636は、その入口端部632および出口端部634で、入口領域610および出口領域612内に、徐々に内方に(図17の平面に対して)テーパを有し、2.5cmの距離にわたって0.1〜1.0cmの範囲内、たとえば2.5cmの距離にわたって0.5cmの下降テーパを画定する。最後に、一実施形態によれば、リブ618の各々の第1の端部セクション622および第2の端部セクション624の幅は、その中央セクション638より大きい。たとえば、リブ618の各々の中央セクション638の幅は、0.05〜0.1cmの範囲内、たとえば0.08cmであり、第1の端部セクション622および第2の端部セクション624の幅は、0.1〜0.8cmの範囲内、たとえば0.3cmである。好ましい特徴および寸法が、さまざまな供給フレーム602の構成要素に属すると考えられたが、他の構成も可能である。たとえば、他の寸法を用いることができ、特定の特徴(たとえば、チャネル端部632、634のテーパ、リブ618のさまざまな幅など)を修正するか排除することさえできる。
【0104】
図16に戻ると、微孔性膜606は、フレーム602、604のサイズに従うサイズである。先に説明された微孔性膜材料のいずれも、微孔性膜606として使用することができる。
【0105】
一実施形態において、システム600は、供給フレーム602と関連するガスケット640と、抽出剤フレーム604と関連するガスケット642とをさらに含む。ガスケット640、642は、ポリクロロプレンまたはネオプレンなどの適切なエラストマー材料から形成され、対応するフレーム602、604のサイズに従うサイズである。ガスケット640、642の各々は、フレーム602、604の前面608の形状によく似た中央開口部644、646を画定する。したがって、ガスケット640の、供給フレーム602の前面608への組立て時、およびガスケット642の、抽出剤フレーム604の前面(図16において隠れている)への組立て時、それらの中に形成されたチャネル620の少なくとも一部は開いたままである。
【0106】
最後に、一実施形態において、スクリーンまたはメッシュ材料650を、抽出剤フレーム604とともに提供し、ガスケット642と微孔性膜606との間に位置決めしてもよい。スクリーン650は、複数の比較的大きい開口部652(たとえば、0.3cm×0.3cm平方程度の開口部)を画定し、ポリエチレンなどの比較的強い材料から形成される。スクリーン650は、微孔性膜606を支持し、膜606を横切る大きい圧力/力をかけやすくする。以下で説明されるように、スクリーン650は、さらに、微孔性膜606の表面に沿って均一な液体流れにわずかな抵抗を与え、混合作用を流れに与える。
【0107】
システム600の組立ては、供給フレーム602、ガスケット640、微孔性膜606、スクリーン650、ガスケット642、および抽出剤フレーム604を、図16に示された順に配列することを含む。フレーム602、604が事実上同一であるので、フレーム602、604のリブ618およびチャネル620は整列される。フレーム602、604(およびしたがってそれらの間に位置決めされたさまざまな構成要素)は、ボルト654などによって、互いに固定される。図18をさらに参照すると、組立てられたシステム600は非常にコンパクトであり、供給フレーム602のポート614、616は、抽出剤フレーム604の入口ポート656および出口ポート658と反対側に延在する。一実施形態において、制御弁660が供給フレーム602の出口ポート616と関連し、制御弁が抽出剤フレーム604の出口ポート658と関連する。
【0108】
使用の間、供給溶液(図示せず)が、入口ポート614および出口ポート616を介して供給フレーム602を通って連続的に循環される。たとえば、入口ポート614および出口ポート616を供給溶液溜め(図示せず)に流体的に連通することができ、ポンプを使用して、供給溶液を供給フレーム602を通して連続的に循環させることができる。供給フレーム602を通る供給溶液の所望の流体圧力を、圧力ゲージを含むことができる適切なバルブシステム(たとえば、制御弁660を含む)によって維持することができる。同様に、液体抽出剤(図示せず)が、入口ポート656および出口ポート658を介して抽出剤フレーム604を通って連続的に循環される。たとえば、ポンプ(図示せず)を使用して、液体抽出剤を、溜め(図示せず)から抽出剤フレーム604に、および抽出剤フレーム604から、連続的に循環させることができる。もう一度、抽出剤フレーム604を通る液体抽出剤の所望の流体圧力を、圧力ゲージを含むことができる適切なバルブシステム(たとえば、制御弁662を含む)によって維持することができる。
【0109】
供給溶液(図示せず)および液体抽出剤(図示せず)が、それぞれ供給フレーム602および抽出剤フレーム604を通って押しやられるとき、供給溶液および液体抽出剤は、開いたチャネル620(図17)に沿って微孔性膜606と接触する。フレーム602、604のチャネル620の整列によって、抽出界面が微孔性膜606で作られ、供給溶液中の溶質が微孔性膜606を横切って液体抽出剤に移動される。チャネル620の比較的滑らかな浅い構成は、供給溶液および液体抽出剤が、最小の圧力降下で、比較的高い流量(たとえば、少なくとも4mL/sec程度)で、それぞれのフレーム602、604を通って流れることを可能にする。スクリーン650(図16)により、液体抽出剤は微孔性膜606の界面で非層流状に流れ、溶質が微孔性膜606の細孔内に容易に集まらず、液体抽出剤の溶質支持部分が微孔性膜606の表面からより急速に除去され、「新たな」液体抽出剤と取替えられる。
【0110】
本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に変更を行うことができることを認めるであろう。たとえば、さまざまな抽出システムは、好ましくは、供給溶液構成要素および液体抽出構成要素を含むように説明されたが、これらの構成要素を逆にすることができる。換言すれば、上述された実施形態のいずれでも、好ましくは供給溶液を収容/維持するように説明されたどのチャンバまたはフレームも、代わりに、液体抽出剤を収容/維持することができ、逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の一実施形態による液液抽出システムの斜視図である。
【図2】図1のシステムと関連する内側チャンバおよびセパレータプレートの分解図である。
【図3A】図2の内側チャンバと関連する中央パネルの正面図である。
【図3B】図2の内側チャンバと関連する外側パネルの正面図である。
【図4】線4−4に沿った、図1のシステムの一部の断面図である。
【図5】本発明による代替実施形態の液液抽出システムの分解図である。
【図6】最終組立て時の図5のシステムの斜視図である。
【図7】線7−7に沿った、図6のシステムの一部の断面図である。
【図8】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図9】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図10】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解図である。
【図11A】図10のシステムの供給フレーム部分の斜視図である。
【図11B】図10のシステムの抽出剤フレーム部分の斜視図である。
【図12】最終組立て時の図10のシステムの側面図である。
【図13】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図14A】図13のシステムの供給フレーム構成要素の斜視図である。
【図14B】図13のシステムの抽出剤フレーム部分の斜視図である。
【図15】最終組立て時の図13のシステムの側面図である。
【図16】本発明による別の代替実施形態の液液抽出システムの分解斜視図である。
【図17】図16のシステムのフレーム構成要素の正面図である。
【図18】最終組立て時の図16のシステムの側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給溶液および液体抽出剤の一方を収容するための、閉込め領域を画定する外側チャンバと、
供給溶液および液体抽出剤の他方をその流れ領域内に収容するための内側チャンバであって、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定された内側チャンバと、を含む液液抽出システムであって、
最終組立て時に、前記微孔性膜スリーブが前記内側チャンバの内容物と前記外側チャンバの内容物との間の抽出界面を確立するように、前記内側チャンバの少なくとも前記流れ領域が、前記外側チャンバの閉込め領域内に位置決めされる、液液抽出システム。
【請求項2】
前記微孔性膜スリーブが、底部で連結された対向する主側壁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記主側壁の各々が外面を含み、さらに、最終組立て時に、前記外面の各々の少なくとも一部が、前記外側チャンバの閉込め領域に対して露出する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記外側チャンバが、上側部およびベースを画定する側壁を含み、さらに、前記微孔性膜スリーブが前記底部と反対側の頂部を画定し、さらに、最終組立て時に、前記微孔性膜スリーブの頂部が前記外側チャンバの上側部に隣接し、前記微孔性膜スリーブの側壁が前記外側チャンバの側壁から隔置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記微孔性膜スリーブが、前記底部と反対側の頂部を画定し、さらに、前記対向する主側壁が前記頂部で連結されない、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記フレームが、前記頂部を介して前記微孔性膜スリーブ内に取外し可能に維持される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記内側チャンバが、前記外側チャンバと取外し可能に関連する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記外側チャンバが、開いた上側部およびベースを画定し、さらに、前記システムが、前記内側チャンバが前記開いた上側部を介して前記外側チャンバ内に挿入可能であるように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記微孔性膜スリーブが、各々が内面を有する対向する主側壁を含み、さらに、前記フレームが、前記内面間の分離を確立するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記内側チャンバが上部領域および下部領域によって画定され、さらに、前記内側チャンバが、前記微孔性膜スリーブ内を前記上部領域から前記下部領域まで延在する液体導管を含み、前記導管が、液体を前記微孔性膜スリーブの内部に送出するために前記下部領域で前記流れ領域に対して開いている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記フレームが、前記流れ領域内の複数の流体経路を提供するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記フレームが外側フレーム構造を含み、複数のクロスバーが前記外側フレーム構造の部分の間に延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記外側フレーム構造が、互いに反対側の側部部材と、頂部部材と、底部部材とを含み、さらに、前記クロスバーが、前記互いに反対側の側部部材の間に延在する少なくとも1つの水平バーと、前記頂部部材と前記底部部材との間に延在する少なくとも1つの垂直バーとを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記クロスバーが、前記互いに反対側の側部部材の間に延在する複数の水平バーを含み、各々が少なくとも1つの流体経路を形成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記フレームが、対向する主面および流れ領域を画定する中央パネルを含み、さらに、前記中央パネルが、前記主面間の液体通過を可能にするために、前記流れ領域に前記主面の間を延びるように形成された複数の穴を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記フレームが、
前記流れ領域において前記主面のうちの第1の主面の上に固定された第1のスクリーンと、
前記流れ領域において前記主面のうちの第2の主面の上に固定された第2のスクリーンとを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記中央パネルが、さらに、液体を前記流れ領域の底部に送出するためのチャネルを画定する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記フレームが、それぞれ前記中央パネルの対向する主面に固定された対向する外側パネルをさらに含み、前記外側パネルが、前記流れ領域で開いており、前記チャネルを密閉する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
各々がフレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定された、複数の内側チャンバをさらに含み、
最終組立て時に、前記複数の内側チャンバの各々の少なくとも流れ領域が、前記外側チャンバの閉込め領域内に位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記内側チャンバが並んで配列され、前記システムが、
隣接した前記内側チャンバの間に配置されたセパレータプレートをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
複数のセパレータプレートであって、該複数のセパレータプレートの各々が、前記内側チャンバの各対の間に配置される、セパレータプレートをさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記内側チャンバの流れ領域が、底部から充填ラインまで延在し、さらに、前記セパレータプレートが、前記内側チャンバの流れ領域の長さ以上の長さを有する、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の内側チャンバが、隣接した第1および第2の内側チャンバを含み、さらに、前記セパレータプレートが、最終組立て時に前記第1および第2の内側チャンバの微孔性膜スリーブが互いに接触することを防止するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記セパレータプレートが複数の流体経路を形成し、2つの前記内側チャンバの間の前記セパレータプレートの最終組立て時に、前記外側チャンバ内の液体が前記流体経路を介して前記内側チャンバと相互作用する、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
第1の内側チャンバと第2の内側チャンバとの間に固定されたヘッド部分をさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記ヘッド部分が第1および第2の穴を有し、前記システムが、
前記第1および第2のチャンバに流体的に連通され、かつ前記ヘッド部分の前記第1の穴を通る出口チューブと、
前記第1および第2のチャンバに流体的に連通され、かつ前記ヘッド部分の前記第2の穴を通る出口チューブとをさらに含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記外側チャンバが、その上部部分に形成されたトラフを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記外側チャンバ内に収容された供給溶液と、
前記内側チャンバ内に収容された液体抽出剤とをさらに含み、
前記外側チャンバ内の前記供給溶液の充填ラインが、前記内側チャンバ内の前記液体抽出剤の充填ラインより上である、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記微孔性膜スリーブが、底部および頂部を含み、さらに、最終組立て時に、前記微孔性膜スリーブの頂部が、前記外側チャンバ内の前記供給溶液の充填ラインより上である、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記内側チャンバの流れ領域が前記供給溶液中に浸漬される、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記微孔性膜スリーブが、それ自体の上に巻かれた細長い本体であり、前記内側チャンバが、軸を有する巻かれたロールである、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記微孔性膜スリーブの巻付けられた層の間に位置決めされたセパレータラップをさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記微孔性膜スリーブの巻いていない長さ部分が、各々が内面を有する対向する主側壁を画定し、前記内側チャンバが、
前記主側壁の少なくとも一方の内面に隣接して位置決めされたメッシュ材料をさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記フレームが、互いに隔置された複数のリブを有し、該複数のリブの各々は、前記巻かれたロールの軸に対して軸方向に延在する、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記フレームが、互いに隔置された複数のリブを有し、該複数のリブの各々は、前記巻かれたロールの軸に対して接線方向に延在する、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記内側チャンバが、前記巻かれたロールの外部で外縁を画定し、前記巻かれたロールの内部で内縁を画定し、さらに、前記内側チャンバが、前記外縁に隣接して、液体を前記微孔性膜スリーブの内部に送出するように位置決めされた入口チューブをさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項37】
前記内側チャンバが、頂部および底部を画定し、かつ、前記内側チャンバの底部に隣接して、液体を前記微孔性膜スリーブの内部に送出するように位置決めされた入口チューブをさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項38】
前記内側チャンバが、前記内側チャンバの頂部に隣接して、前記微孔性膜スリーブ内をその長さ方向に沿って延在する出口チューブをさらに含み、前記出口チューブが、前記スリーブの内部に流体的に連通され、かつ液体を前記内側チャンバから出口ポートに送出するように構成される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記出口チューブが、前記微孔性膜スリーブ内に位置決めされた収集セクションを画定し、前記収集セクションが複数の流体開口部を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
抽出剤フレームおよび供給フレームであって、各々が、
入口、
出口、
複数の開いた領域を有する前面、
前記入口と前記出口との間の複数の流体経路を画定する、抽出剤フレームおよび供給フレームと、
それぞれ前記抽出剤フレームの前面と前記供給フレームの前面との間にシールされた微孔性膜とを含む液液抽出システムであって、
前記抽出剤フレームおよび供給フレームのそれぞれの開いた領域が実質的に整列され、前記微孔性膜が、前記開いた領域で、前記抽出剤フレーム内の液体抽出剤と前記供給フレーム内の供給溶液との間に抽出界面を確立する、液液抽出システム。
【請求項41】
前記抽出剤フレームの前面と前記微孔性膜との間に固定された第1のガスケットと、
前記供給フレームの前面と前記微孔性膜との間に固定された第2のガスケットとをさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記供給フレームが、前記前面と反対側の裏面を画定し、前記システムが、
入口、出口、複数の開いた領域を有する前面、および前記入口と前記出口との間の複数の流体経路を画定する第2の抽出剤フレームと、
前記第2の抽出剤フレームの前面と前記供給フレームの裏面との間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記抽出剤フレームが、前記前面と反対側の裏面を画定し、前記システムが、
入口、出口、複数の開いた領域を有する前面、および前記入口と前記出口との間の複数の流体経路を画定する第2の供給フレームと、
前記第2の供給フレームの前面と前記抽出剤フレームの裏面との間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項44】
前記抽出剤フレームおよび供給フレームの各々が、前記複数の開いた領域を画定する複数のチャンバを形成するように組合された複数のクロスバーを含む格子構成を画定する、請求項40に記載のシステム。
【請求項45】
前記複数のチャンバが、互いに隣接した第1および第2のチャンバを含み、さらに、前記第1および第2のチャンバの各々の一部を画定するクロスバーセクションが、前記第1および第2のチャンバを流体的に連通する前記流体経路の少なくとも1つを形成する、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記クロスバーセクションが、前記第1および第2のチャンバを流体的に連通する複数の流体経路を形成する、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
各チャンバが、中間クロスバーセクションに形成された少なくとも1つの流体経路によって、少なくとも1つの隣接したチャンバに流体的に連通される、請求項44に記載のシステム。
【請求項48】
前記流体経路が、前記入口から前記出口までの曲がりくねった流れ経路を確立する、請求項44に記載のシステム。
【請求項49】
前記抽出剤フレームおよび前記供給フレームの各々が、前記入口から前記出口まで流体流れ方向を画定し、前記入口が前記出口と反対側に配置される、請求項40に記載のシステム。
【請求項50】
最終組立て時に、前記抽出剤フレームの流体流れ方向が前記供給フレームの流体流れ方向と反対である、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記供給フレームおよび抽出剤フレームの各々が、入口ポートおよび複数の出口ポートを含み、さらに、最終組立て時に、前記供給フレームおよび抽出剤フレームが、それぞれの前記出口ポートを通る液体の重力誘起流れを促進するように配列される、請求項40に記載のシステム。
【請求項52】
前記抽出剤フレームが、前記入口と前記出口との間に延在し、かつ前記入口および前記出口を流体的に連通する複数のチャネルを形成し、前記チャネルが、前記開いた領域および前記流体経路を画定する、請求項40に記載のシステム。
【請求項53】
前記複数のチャネルが前記前面と反対側で閉じている、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記複数のチャネルが線状に延在する、請求項52に記載のシステム。
【請求項55】
前記複数のチャネルの各々が、高度に滑らかにされた側壁によって画定される、請求項52に記載のシステム。
【請求項56】
溶解した溶質を第1の液体から第2の液体に抽出する方法であって、
外側チャンバを用意する工程と、
フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブを含む内側チャンバを、前記外側チャンバ内に位置決めする工程と、
前記第1の液体を前記外側チャンバ内に分配する工程と、
前記第2の液体を前記内側チャンバ内に分配する工程であって、前記第1の液体が前記微孔性膜スリーブの外部と接触し、前記第2の液体が前記微孔性膜スリーブの内部と接触する、工程と、
前記第1の液体からの前記溶質を、前記微孔性膜スリーブの細孔を横切って前記第2の液体中に移動させる工程と、を含む方法。
【請求項57】
前記微孔性膜スリーブが、対向する主側壁を含み、さらに、前記第1の液体が、前記主側壁の両方の外部と接触する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記外側チャンバが、ベースから延在する壁を含み、さらに、前記内側チャンバを前記外側チャンバ内に位置決めする工程が、前記壁と接触しない前記微孔性膜スリーブによって特徴づけられる、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記内側チャンバが、上部部分と下部部分とを有する流れ領域を画定し、さらに、前記第2の液体を前記内側チャンバ内に分配する工程が、前記第2の液体を液体源から前記流れ領域の下部部分に送出する工程を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の液体を分配する工程が、前記下部部分から前記上部部分まで前記内側チャンバの流れ領域を充填する工程をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記流れ領域を充填する工程の間、前記第2の液体の体積の一部が、前記フレームに形成された制限された流れ流体経路を通る、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記流れ領域を充填する工程の間、前記第2の液体の体積の一部を前記制限された流れ流体経路に通すことによって、非層流が前記第2の液体に与えられる、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ある体積の前記第2の液体が前記内側チャンバ内に収容されるように、前記内側チャンバを充填する工程をやめる工程と、
溶質が前記第1の液体から前記第2の液体に移動するドウェル期間後、前記内側チャンバから前記ある体積の前記第2の液体のかなりの部分を除去する工程とをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記ドウェル期間が少なくとも1分である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記内側チャンバから、溶質を含有する第2の液体の体積を除去する工程後、前記内側チャンバを第2の体積の前記第2の液体で補充する工程をさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
ある体積の前記第1の液体が前記外側チャンバ内に収容されるように、前記第1の液体を前記外側チャンバ内に分配する工程をやめる工程と、
溶質が前記第1の液体から前記第2の液体に移動するドウェル期間後、前記外側チャンバから前記ある体積の前記第1の液体のかなりの部分を除去する工程とをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記ドウェル期間が少なくとも1分である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記内側チャンバの流れ領域を通る前記第2の液体の連続的な流れを確立する工程をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項69】
前記内側チャンバ内の連続的な流れを確立する工程の間、曲がりくねった流れ経路を作る工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記外側チャンバの頂部部分で前記第1の液体から少なくとも1つの汚染物をすくい取る工程をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項71】
各々が、フレームを維持する微孔性膜スリーブを含む、複数の内側チャンバを提供する工程と、
前記複数の内側チャンバの各々を前記外側チャンバ内に位置決めする工程と、
前記第1の液体を前記複数の内側チャンバの各々内に分配する工程とをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項72】
前記微孔性膜スリーブを取替える工程をさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項73】
前記微孔性膜スリーブが、それ自体の上に巻かれた細長い本体であり、前記内側チャンバが、軸を有する巻かれたロールを画定する、請求項56に記載の方法。
【請求項74】
前記内側チャンバが、外部ラップ層から内部ラップ層まで巻かれ、前記内側チャンバが、前記外部ラップ層に隣接した前記微孔性膜スリーブから延在する入口ポートと、前記内部ラップ層に隣接した前記微孔性膜スリーブから延在する出口ポートとをさらに含み、さらに、前記第2の液体を分配する工程が、前記第2の液体を前記入口ポートから前記出口ポートに向かわせる工程を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記フレームが、前記巻かれたロールの軸に対して接線方向に延在する複数のチャネルを画定し、前記第2の液体を前記入口ポートから前記出口ポートに向かわせる工程が、前記第2の液体を前記複数のチャネルを通して押しやる工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記内側チャンバが、前記入口ポートに流体的に連通された入口導管と、前記出口ポートに流体的に連通された出口導管とをさらに含み、前記入口導管および前記出口導管の各々のセクションが、前記微孔性膜スリーブ内に位置決めされ、さらに、前記第2の液体を前記入口ポートから前記出口ポートに向ける工程が、前記入口導管から前記第2の液体を放出し、前記出口導管で前記第2の液体を受ける工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記巻かれたロールが頂部および底部を画定し、さらに、前記第2の液体が、前記底部に隣接して放出され、前記頂部に隣接して受けられる、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
溶解した溶質を第1の液体から第2の液体に抽出する方法であって、
各々が複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する互いには反対側の第1および第2のフレームと、前記フレームの間にシールされた微孔性膜とを含む抽出デバイスを用意する工程と、
前記第1の液体が第1のフレーム経路を通るように、前記第1の液体を前記第1のフレームに導入する工程と、
前記第2の液体が前記第2のフレーム経路を通るように、前記第2の液体を前記第2のフレームに導入する工程であって、前記第1および第2の液体が、それぞれ前記第1および第2のフレームの開いた領域で前記微孔性膜と接触する、工程と、
前記第1の液体からの前記溶質を、前記微孔性膜の細孔を横切って前記第2の液体に移動させる工程と、を含む方法。
【請求項79】
前記第1のフレームが、入口および出口を含み、さらに、前記第1の液体を前記第1のフレームに導入する工程が、前記入口から前記出口まで、前記第1の液体の曲がりくねった流れ経路を作る工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第2のフレームが、入口および出口を含み、さらに、前記第2の液体を前記第2のフレームに導入する工程が、前記入口から前記出口まで、前記第2の液体の曲がりくねった流れ経路を作る工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記フレームの各々が、入口および出口を含み、前記方法が、
前記第1のフレームの入口から前記第1のフレームの出口まで前記第1の液体の連続的な流れを確立する工程と、
前記第2のフレームの入口から前記第2のフレームの出口まで前記第2の液体の連続的な流れを確立する工程とをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項82】
前記第1および第2の液体が互いに反対の方向に流れる、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記第1のフレームをある体積の前記第1の液体で充填する工程と、
前記第2のフレームをある体積の前記第2の液体で充填する工程と、
ドウェル期間後、前記第2のフレームから前記ある体積の前記第2の液体のかなりの部分を除去する工程とをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項84】
前記ドウェル期間後、前記第1のフレームから前記ある体積の前記第1の液体のかなりの部分を除去する工程をさらに含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記第1のフレームから前記第1の液体を除去する工程が、前記第1のフレームからの前記第1の液体の重力誘起流れを作る工程を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記抽出デバイスが、複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する第3のフレームと、前記第3のフレームと前記第2のフレームとの間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含み、前記方法が、
前記第1の液体が前記第3のフレーム経路を通るように、前記第1の液体を前記第3のフレームに導入する工程であって、前記第1および第2の液体が、それぞれ前記第2および第3のフレームの開いた領域で前記微孔性膜と接触する、工程と、
前記第3のフレーム内の前記第1の液体からの前記溶質を、前記第2の微孔性膜の細孔を横切って前記第2の液体に移動させる工程と、を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項87】
前記抽出デバイスが、複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する第3のフレームと、前記第3のフレームと前記第1のフレームとの間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含み、前記方法が、
前記第2の液体が前記第3のフレーム経路を通るように、前記第2の液体を前記第3のフレームに導入する工程であって、前記第1および第2の液体が、それぞれ前記第1および第3のフレームの開いた領域で前記微孔性膜と接触する、工程と、
前記第1の液体からの前記溶質を、前記第2の微孔性膜の細孔を横切って、前記第3のフレーム内の前記第2の液体に移動させる工程と、を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項88】
前記第1および第2のフレームが、入口および出口を流体的に連通する複数のチャネルを画定し、前記方法が、
前記第1および第2のフレームチャネルをそれぞれ通る前記第1および第2の液体の連続的な加圧された流れを確立する工程をさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項1】
供給溶液および液体抽出剤の一方を収容するための、閉込め領域を画定する外側チャンバと、
供給溶液および液体抽出剤の他方をその流れ領域内に収容するための内側チャンバであって、フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定された内側チャンバと、を含む液液抽出システムであって、
最終組立て時に、前記微孔性膜スリーブが前記内側チャンバの内容物と前記外側チャンバの内容物との間の抽出界面を確立するように、前記内側チャンバの少なくとも前記流れ領域が、前記外側チャンバの閉込め領域内に位置決めされる、液液抽出システム。
【請求項2】
前記微孔性膜スリーブが、底部で連結された対向する主側壁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記主側壁の各々が外面を含み、さらに、最終組立て時に、前記外面の各々の少なくとも一部が、前記外側チャンバの閉込め領域に対して露出する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記外側チャンバが、上側部およびベースを画定する側壁を含み、さらに、前記微孔性膜スリーブが前記底部と反対側の頂部を画定し、さらに、最終組立て時に、前記微孔性膜スリーブの頂部が前記外側チャンバの上側部に隣接し、前記微孔性膜スリーブの側壁が前記外側チャンバの側壁から隔置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記微孔性膜スリーブが、前記底部と反対側の頂部を画定し、さらに、前記対向する主側壁が前記頂部で連結されない、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記フレームが、前記頂部を介して前記微孔性膜スリーブ内に取外し可能に維持される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記内側チャンバが、前記外側チャンバと取外し可能に関連する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記外側チャンバが、開いた上側部およびベースを画定し、さらに、前記システムが、前記内側チャンバが前記開いた上側部を介して前記外側チャンバ内に挿入可能であるように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記微孔性膜スリーブが、各々が内面を有する対向する主側壁を含み、さらに、前記フレームが、前記内面間の分離を確立するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記内側チャンバが上部領域および下部領域によって画定され、さらに、前記内側チャンバが、前記微孔性膜スリーブ内を前記上部領域から前記下部領域まで延在する液体導管を含み、前記導管が、液体を前記微孔性膜スリーブの内部に送出するために前記下部領域で前記流れ領域に対して開いている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記フレームが、前記流れ領域内の複数の流体経路を提供するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記フレームが外側フレーム構造を含み、複数のクロスバーが前記外側フレーム構造の部分の間に延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記外側フレーム構造が、互いに反対側の側部部材と、頂部部材と、底部部材とを含み、さらに、前記クロスバーが、前記互いに反対側の側部部材の間に延在する少なくとも1つの水平バーと、前記頂部部材と前記底部部材との間に延在する少なくとも1つの垂直バーとを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記クロスバーが、前記互いに反対側の側部部材の間に延在する複数の水平バーを含み、各々が少なくとも1つの流体経路を形成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記フレームが、対向する主面および流れ領域を画定する中央パネルを含み、さらに、前記中央パネルが、前記主面間の液体通過を可能にするために、前記流れ領域に前記主面の間を延びるように形成された複数の穴を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記フレームが、
前記流れ領域において前記主面のうちの第1の主面の上に固定された第1のスクリーンと、
前記流れ領域において前記主面のうちの第2の主面の上に固定された第2のスクリーンとを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記中央パネルが、さらに、液体を前記流れ領域の底部に送出するためのチャネルを画定する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記フレームが、それぞれ前記中央パネルの対向する主面に固定された対向する外側パネルをさらに含み、前記外側パネルが、前記流れ領域で開いており、前記チャネルを密閉する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
各々がフレームを内部に維持する微孔性膜スリーブによって画定された、複数の内側チャンバをさらに含み、
最終組立て時に、前記複数の内側チャンバの各々の少なくとも流れ領域が、前記外側チャンバの閉込め領域内に位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記内側チャンバが並んで配列され、前記システムが、
隣接した前記内側チャンバの間に配置されたセパレータプレートをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
複数のセパレータプレートであって、該複数のセパレータプレートの各々が、前記内側チャンバの各対の間に配置される、セパレータプレートをさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記内側チャンバの流れ領域が、底部から充填ラインまで延在し、さらに、前記セパレータプレートが、前記内側チャンバの流れ領域の長さ以上の長さを有する、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の内側チャンバが、隣接した第1および第2の内側チャンバを含み、さらに、前記セパレータプレートが、最終組立て時に前記第1および第2の内側チャンバの微孔性膜スリーブが互いに接触することを防止するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記セパレータプレートが複数の流体経路を形成し、2つの前記内側チャンバの間の前記セパレータプレートの最終組立て時に、前記外側チャンバ内の液体が前記流体経路を介して前記内側チャンバと相互作用する、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
第1の内側チャンバと第2の内側チャンバとの間に固定されたヘッド部分をさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記ヘッド部分が第1および第2の穴を有し、前記システムが、
前記第1および第2のチャンバに流体的に連通され、かつ前記ヘッド部分の前記第1の穴を通る出口チューブと、
前記第1および第2のチャンバに流体的に連通され、かつ前記ヘッド部分の前記第2の穴を通る出口チューブとをさらに含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記外側チャンバが、その上部部分に形成されたトラフを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記外側チャンバ内に収容された供給溶液と、
前記内側チャンバ内に収容された液体抽出剤とをさらに含み、
前記外側チャンバ内の前記供給溶液の充填ラインが、前記内側チャンバ内の前記液体抽出剤の充填ラインより上である、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記微孔性膜スリーブが、底部および頂部を含み、さらに、最終組立て時に、前記微孔性膜スリーブの頂部が、前記外側チャンバ内の前記供給溶液の充填ラインより上である、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記内側チャンバの流れ領域が前記供給溶液中に浸漬される、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記微孔性膜スリーブが、それ自体の上に巻かれた細長い本体であり、前記内側チャンバが、軸を有する巻かれたロールである、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記微孔性膜スリーブの巻付けられた層の間に位置決めされたセパレータラップをさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記微孔性膜スリーブの巻いていない長さ部分が、各々が内面を有する対向する主側壁を画定し、前記内側チャンバが、
前記主側壁の少なくとも一方の内面に隣接して位置決めされたメッシュ材料をさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記フレームが、互いに隔置された複数のリブを有し、該複数のリブの各々は、前記巻かれたロールの軸に対して軸方向に延在する、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記フレームが、互いに隔置された複数のリブを有し、該複数のリブの各々は、前記巻かれたロールの軸に対して接線方向に延在する、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記内側チャンバが、前記巻かれたロールの外部で外縁を画定し、前記巻かれたロールの内部で内縁を画定し、さらに、前記内側チャンバが、前記外縁に隣接して、液体を前記微孔性膜スリーブの内部に送出するように位置決めされた入口チューブをさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項37】
前記内側チャンバが、頂部および底部を画定し、かつ、前記内側チャンバの底部に隣接して、液体を前記微孔性膜スリーブの内部に送出するように位置決めされた入口チューブをさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項38】
前記内側チャンバが、前記内側チャンバの頂部に隣接して、前記微孔性膜スリーブ内をその長さ方向に沿って延在する出口チューブをさらに含み、前記出口チューブが、前記スリーブの内部に流体的に連通され、かつ液体を前記内側チャンバから出口ポートに送出するように構成される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記出口チューブが、前記微孔性膜スリーブ内に位置決めされた収集セクションを画定し、前記収集セクションが複数の流体開口部を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
抽出剤フレームおよび供給フレームであって、各々が、
入口、
出口、
複数の開いた領域を有する前面、
前記入口と前記出口との間の複数の流体経路を画定する、抽出剤フレームおよび供給フレームと、
それぞれ前記抽出剤フレームの前面と前記供給フレームの前面との間にシールされた微孔性膜とを含む液液抽出システムであって、
前記抽出剤フレームおよび供給フレームのそれぞれの開いた領域が実質的に整列され、前記微孔性膜が、前記開いた領域で、前記抽出剤フレーム内の液体抽出剤と前記供給フレーム内の供給溶液との間に抽出界面を確立する、液液抽出システム。
【請求項41】
前記抽出剤フレームの前面と前記微孔性膜との間に固定された第1のガスケットと、
前記供給フレームの前面と前記微孔性膜との間に固定された第2のガスケットとをさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記供給フレームが、前記前面と反対側の裏面を画定し、前記システムが、
入口、出口、複数の開いた領域を有する前面、および前記入口と前記出口との間の複数の流体経路を画定する第2の抽出剤フレームと、
前記第2の抽出剤フレームの前面と前記供給フレームの裏面との間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記抽出剤フレームが、前記前面と反対側の裏面を画定し、前記システムが、
入口、出口、複数の開いた領域を有する前面、および前記入口と前記出口との間の複数の流体経路を画定する第2の供給フレームと、
前記第2の供給フレームの前面と前記抽出剤フレームの裏面との間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項44】
前記抽出剤フレームおよび供給フレームの各々が、前記複数の開いた領域を画定する複数のチャンバを形成するように組合された複数のクロスバーを含む格子構成を画定する、請求項40に記載のシステム。
【請求項45】
前記複数のチャンバが、互いに隣接した第1および第2のチャンバを含み、さらに、前記第1および第2のチャンバの各々の一部を画定するクロスバーセクションが、前記第1および第2のチャンバを流体的に連通する前記流体経路の少なくとも1つを形成する、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記クロスバーセクションが、前記第1および第2のチャンバを流体的に連通する複数の流体経路を形成する、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
各チャンバが、中間クロスバーセクションに形成された少なくとも1つの流体経路によって、少なくとも1つの隣接したチャンバに流体的に連通される、請求項44に記載のシステム。
【請求項48】
前記流体経路が、前記入口から前記出口までの曲がりくねった流れ経路を確立する、請求項44に記載のシステム。
【請求項49】
前記抽出剤フレームおよび前記供給フレームの各々が、前記入口から前記出口まで流体流れ方向を画定し、前記入口が前記出口と反対側に配置される、請求項40に記載のシステム。
【請求項50】
最終組立て時に、前記抽出剤フレームの流体流れ方向が前記供給フレームの流体流れ方向と反対である、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記供給フレームおよび抽出剤フレームの各々が、入口ポートおよび複数の出口ポートを含み、さらに、最終組立て時に、前記供給フレームおよび抽出剤フレームが、それぞれの前記出口ポートを通る液体の重力誘起流れを促進するように配列される、請求項40に記載のシステム。
【請求項52】
前記抽出剤フレームが、前記入口と前記出口との間に延在し、かつ前記入口および前記出口を流体的に連通する複数のチャネルを形成し、前記チャネルが、前記開いた領域および前記流体経路を画定する、請求項40に記載のシステム。
【請求項53】
前記複数のチャネルが前記前面と反対側で閉じている、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記複数のチャネルが線状に延在する、請求項52に記載のシステム。
【請求項55】
前記複数のチャネルの各々が、高度に滑らかにされた側壁によって画定される、請求項52に記載のシステム。
【請求項56】
溶解した溶質を第1の液体から第2の液体に抽出する方法であって、
外側チャンバを用意する工程と、
フレームを内部に維持する微孔性膜スリーブを含む内側チャンバを、前記外側チャンバ内に位置決めする工程と、
前記第1の液体を前記外側チャンバ内に分配する工程と、
前記第2の液体を前記内側チャンバ内に分配する工程であって、前記第1の液体が前記微孔性膜スリーブの外部と接触し、前記第2の液体が前記微孔性膜スリーブの内部と接触する、工程と、
前記第1の液体からの前記溶質を、前記微孔性膜スリーブの細孔を横切って前記第2の液体中に移動させる工程と、を含む方法。
【請求項57】
前記微孔性膜スリーブが、対向する主側壁を含み、さらに、前記第1の液体が、前記主側壁の両方の外部と接触する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記外側チャンバが、ベースから延在する壁を含み、さらに、前記内側チャンバを前記外側チャンバ内に位置決めする工程が、前記壁と接触しない前記微孔性膜スリーブによって特徴づけられる、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記内側チャンバが、上部部分と下部部分とを有する流れ領域を画定し、さらに、前記第2の液体を前記内側チャンバ内に分配する工程が、前記第2の液体を液体源から前記流れ領域の下部部分に送出する工程を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の液体を分配する工程が、前記下部部分から前記上部部分まで前記内側チャンバの流れ領域を充填する工程をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記流れ領域を充填する工程の間、前記第2の液体の体積の一部が、前記フレームに形成された制限された流れ流体経路を通る、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記流れ領域を充填する工程の間、前記第2の液体の体積の一部を前記制限された流れ流体経路に通すことによって、非層流が前記第2の液体に与えられる、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ある体積の前記第2の液体が前記内側チャンバ内に収容されるように、前記内側チャンバを充填する工程をやめる工程と、
溶質が前記第1の液体から前記第2の液体に移動するドウェル期間後、前記内側チャンバから前記ある体積の前記第2の液体のかなりの部分を除去する工程とをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記ドウェル期間が少なくとも1分である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記内側チャンバから、溶質を含有する第2の液体の体積を除去する工程後、前記内側チャンバを第2の体積の前記第2の液体で補充する工程をさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
ある体積の前記第1の液体が前記外側チャンバ内に収容されるように、前記第1の液体を前記外側チャンバ内に分配する工程をやめる工程と、
溶質が前記第1の液体から前記第2の液体に移動するドウェル期間後、前記外側チャンバから前記ある体積の前記第1の液体のかなりの部分を除去する工程とをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記ドウェル期間が少なくとも1分である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記内側チャンバの流れ領域を通る前記第2の液体の連続的な流れを確立する工程をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項69】
前記内側チャンバ内の連続的な流れを確立する工程の間、曲がりくねった流れ経路を作る工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記外側チャンバの頂部部分で前記第1の液体から少なくとも1つの汚染物をすくい取る工程をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項71】
各々が、フレームを維持する微孔性膜スリーブを含む、複数の内側チャンバを提供する工程と、
前記複数の内側チャンバの各々を前記外側チャンバ内に位置決めする工程と、
前記第1の液体を前記複数の内側チャンバの各々内に分配する工程とをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項72】
前記微孔性膜スリーブを取替える工程をさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項73】
前記微孔性膜スリーブが、それ自体の上に巻かれた細長い本体であり、前記内側チャンバが、軸を有する巻かれたロールを画定する、請求項56に記載の方法。
【請求項74】
前記内側チャンバが、外部ラップ層から内部ラップ層まで巻かれ、前記内側チャンバが、前記外部ラップ層に隣接した前記微孔性膜スリーブから延在する入口ポートと、前記内部ラップ層に隣接した前記微孔性膜スリーブから延在する出口ポートとをさらに含み、さらに、前記第2の液体を分配する工程が、前記第2の液体を前記入口ポートから前記出口ポートに向かわせる工程を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記フレームが、前記巻かれたロールの軸に対して接線方向に延在する複数のチャネルを画定し、前記第2の液体を前記入口ポートから前記出口ポートに向かわせる工程が、前記第2の液体を前記複数のチャネルを通して押しやる工程をさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記内側チャンバが、前記入口ポートに流体的に連通された入口導管と、前記出口ポートに流体的に連通された出口導管とをさらに含み、前記入口導管および前記出口導管の各々のセクションが、前記微孔性膜スリーブ内に位置決めされ、さらに、前記第2の液体を前記入口ポートから前記出口ポートに向ける工程が、前記入口導管から前記第2の液体を放出し、前記出口導管で前記第2の液体を受ける工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記巻かれたロールが頂部および底部を画定し、さらに、前記第2の液体が、前記底部に隣接して放出され、前記頂部に隣接して受けられる、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
溶解した溶質を第1の液体から第2の液体に抽出する方法であって、
各々が複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する互いには反対側の第1および第2のフレームと、前記フレームの間にシールされた微孔性膜とを含む抽出デバイスを用意する工程と、
前記第1の液体が第1のフレーム経路を通るように、前記第1の液体を前記第1のフレームに導入する工程と、
前記第2の液体が前記第2のフレーム経路を通るように、前記第2の液体を前記第2のフレームに導入する工程であって、前記第1および第2の液体が、それぞれ前記第1および第2のフレームの開いた領域で前記微孔性膜と接触する、工程と、
前記第1の液体からの前記溶質を、前記微孔性膜の細孔を横切って前記第2の液体に移動させる工程と、を含む方法。
【請求項79】
前記第1のフレームが、入口および出口を含み、さらに、前記第1の液体を前記第1のフレームに導入する工程が、前記入口から前記出口まで、前記第1の液体の曲がりくねった流れ経路を作る工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第2のフレームが、入口および出口を含み、さらに、前記第2の液体を前記第2のフレームに導入する工程が、前記入口から前記出口まで、前記第2の液体の曲がりくねった流れ経路を作る工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記フレームの各々が、入口および出口を含み、前記方法が、
前記第1のフレームの入口から前記第1のフレームの出口まで前記第1の液体の連続的な流れを確立する工程と、
前記第2のフレームの入口から前記第2のフレームの出口まで前記第2の液体の連続的な流れを確立する工程とをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項82】
前記第1および第2の液体が互いに反対の方向に流れる、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記第1のフレームをある体積の前記第1の液体で充填する工程と、
前記第2のフレームをある体積の前記第2の液体で充填する工程と、
ドウェル期間後、前記第2のフレームから前記ある体積の前記第2の液体のかなりの部分を除去する工程とをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項84】
前記ドウェル期間後、前記第1のフレームから前記ある体積の前記第1の液体のかなりの部分を除去する工程をさらに含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記第1のフレームから前記第1の液体を除去する工程が、前記第1のフレームからの前記第1の液体の重力誘起流れを作る工程を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記抽出デバイスが、複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する第3のフレームと、前記第3のフレームと前記第2のフレームとの間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含み、前記方法が、
前記第1の液体が前記第3のフレーム経路を通るように、前記第1の液体を前記第3のフレームに導入する工程であって、前記第1および第2の液体が、それぞれ前記第2および第3のフレームの開いた領域で前記微孔性膜と接触する、工程と、
前記第3のフレーム内の前記第1の液体からの前記溶質を、前記第2の微孔性膜の細孔を横切って前記第2の液体に移動させる工程と、を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項87】
前記抽出デバイスが、複数の開いた領域および複数の流体経路を画定する第3のフレームと、前記第3のフレームと前記第1のフレームとの間にシールされた第2の微孔性膜とをさらに含み、前記方法が、
前記第2の液体が前記第3のフレーム経路を通るように、前記第2の液体を前記第3のフレームに導入する工程であって、前記第1および第2の液体が、それぞれ前記第1および第3のフレームの開いた領域で前記微孔性膜と接触する、工程と、
前記第1の液体からの前記溶質を、前記第2の微孔性膜の細孔を横切って、前記第3のフレーム内の前記第2の液体に移動させる工程と、を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項88】
前記第1および第2のフレームが、入口および出口を流体的に連通する複数のチャネルを画定し、前記方法が、
前記第1および第2のフレームチャネルをそれぞれ通る前記第1および第2の液体の連続的な加圧された流れを確立する工程をさらに含む、請求項78に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2006−520269(P2006−520269A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508622(P2006−508622)
【出願日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/001729
【国際公開番号】WO2004/082812
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/001729
【国際公開番号】WO2004/082812
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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