説明

液絡部及びその製造方法

【課題】汚れが付きにくく落ちやすいとともに、目詰まりしにくく、微生物も繁殖しにくい液絡部及びその製造方法を提供する。
【解決手段】液体が流通可能な液絡部基体の表面に、二酸化チタンが付着しているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汚れが付きにくく落ちやすいとともに、目詰まりしにくく、微生物も繁殖しにくい液絡部及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラス電極を用いてpHを測定するためには、応答ガラス膜の表面が試料溶液のpHに応じて発生する電位(電位差)を測定するための基準となる電位を提示する比較電極が必要である。従来、比較電極としては、Ag/AgCl又はHg/HgCl等からなる電極を高濃度(3.3mol/L〜飽和)のKCl溶液からなる内部液に浸漬し、この内部液がジルコニア等のセラミックスやガラス等の多孔質からなる液絡部を介して試料溶液に接触するように構成してあるものが広く用いられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−258197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような比較電極の液絡部を構成する多孔質は表面積が大きいので、有機物やタンパク質等の汚れが吸着しやすく、また、内部電極から溶出した銀イオンが温度の低下により塩化銀となって液絡部の空隙を目詰まり(閉塞)させやすい。
【0004】
液絡部に汚れが吸着したり、液絡部が塩化銀により目詰まりしたりすると、内部液と試料溶液との流通が阻害され、KClの拡散が影響を受けて、比較電極の内部液と試料溶液とが接触することによって生じる液間電位差が変動する。この液間電位差が変動すると、比較電極の提示する基準電位も変動してしまうので、精度の高いpH測定を阻害する要因となっている。
【0005】
また、空隙が多い液絡部に汚れが吸着すると、そこで微生物が繁殖しやすく、このことも、内部液と試料溶液との流通を阻害し液間電位差を変動させる一因となることがある。
【0006】
このため、液絡部を洗浄剤を用いて定期的に洗浄したり、短期で交換したりして、常に清浄に保つことが必要である。
【0007】
そこで本発明は、汚れが付きにくく落ちやすいとともに、目詰まりしにくく、微生物も繁殖しにくい液絡部及びその製造方法を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る液絡部は、液体が流通可能な液絡部基体の表面に、二酸化チタンが付着していることを特徴とする。なお、本発明において「液絡部基体の表面」とは、液体に浸漬した場合、その液体と接触可能な全ての面をいい、多孔質からなる場合はその空隙内に表出した面も含み、また、貫通孔を有する場合はその孔内に表出した面も含むものであり、本発明は、その一部に二酸化チタンが付着していてもよく、その全部に二酸化チタンが付着していてもよい。しかしながら、本発明に係る液絡部は、少なくとも、比較電極支持管に取り付けた状態においてその支持管から外側(試料溶液側)に向かって露出する最外面に、二酸化チタンが付着していることが好ましい。
【0009】
このようなものであると、液絡部基体表面に、優れた耐久性と光触媒能とを併せ持ち、光を吸収することにより、酸化還元作用と、超親水作用とを発現する二酸化チタン(TiO)が付着しているので、適当な波長の光を液絡部に照射すると、液絡部の親水基が増加して親水性が増す。このため、液絡部に光を照射するだけで、有機物等からなる汚れが液絡部につきにくくなり、また、増大した親水性により汚れが浮き上がるため、汚れを容易に剥離することができ、洗浄時も洗浄剤を使用しなくとも水だけである程度汚れを落とすことが可能となる。更に、酸化還元作用により液絡部に付着した有機物等を分解することもできる。このように、比較電極の液絡部に二酸化チタンを付着させることにより、液絡部にいわゆるセルフクリーニング機能(自己洗浄能)を付与することができるので、液絡部を清浄に保つことが容易となる。
【0010】
また、二酸化チタンの酸化還元作用により、内部電極から溶質した銀イオンを還元して塩化銀の生成を抑制し、液絡部の目詰まりを防ぐこともできる。
【0011】
更に、空隙が多い液絡部に汚れが付着すると微生物が繁殖しやすいが、本発明によれば二酸化チタンの酸化還元作用により殺菌効果を発現することもできる。
【0012】
従って、本発明によれば、これらの二酸化チタンが発現する各種作用により、液絡部の汚れや目詰まりにより内部液と試料溶液との流通が阻害されることに起因する液間電位差の変動が抑制され、常に精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0013】
二酸化チタンの結晶構造には、正方晶系のアナターゼ型、ルチル型、斜方晶系のブルッカイト型があり、また非晶質(アモルファス型)の二酸化チタンも知られている。これらのなかでもアナターゼ型の二酸化チタンは、紫外線を照射することにより、強い光触媒能が誘起され、強力な酸化還元作用と、超親水作用とを発現する。そして、紫外線の強度が0.001mW/cm程度である自然光下や通常の屋内用照明下においては、酸化還元作用が発現し、液絡部に付着した有機物等の汚れを分解することができる。この場合、親水基は殆ど増加しないので、これによる液間電位差の変動はなく、また、試料溶液の成分を分解したり変化させたりすることもない。更に、強い紫外線(例えば、0.1mW/cm程度)を照射すると、超親水作用が発現し、親水基が増加し、液絡部に汚れが吸着しにくくなり、吸着した汚れも浮き上がる。これに対して、ルチル型、ブルカット型、アモルファス型の二酸化チタンの光触媒能は、比較的弱く、充分な光触媒能を発揮させるためには、より強い紫外線を必要とする。
【0014】
このため本発明では、これらの各種二酸化チタンのうち、強い光触媒能を発現しうることより、アナターゼ型の二酸化チタンが好適に用いられる。
【0015】
なお、アナターゼ型の二酸化チタンに超親水作用を発現させたり、ルチル型、ブルカット型、アモルファス型の二酸化チタンに光触媒能を誘起したりするための紫外線の光源としては、例えば、LED、水素放電管、キセノン放電管、水銀ランプ、ルビーレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ等を用いることができる。
【0016】
二酸化チタンに親水基が生ずるとマイナスの電荷が発生するが、この電荷が液間電位差の変動を引き起こすおそれのあるときは、二酸化チタンにアルミナ(酸化アルミニウム、Al)を添加することが好ましい。アルミナはプラスの電荷を生じるので、二酸化チタンから生じたマイナスの電荷をアルミナから生じたプラスの電荷で相殺することができる。とりわけ、用いる二酸化チタンが強力な酸化作用と超親水作用を有するアナターゼ型である場合は、アルミナと併用することによりその光触媒能を調整することも可能となる。
【0017】
二酸化チタンにアルミナを混合又は固溶させて用いる場合、アルミナの配合量としては、原料粉末の50重量%以下であることが好ましい。より好ましくは10重量%以下である。50重量%を超えると、液絡部基体がガラスからなるものである場合、ガラスとの熱膨張の差により、ガラスに融着することが困難となる。
【0018】
前記液絡部基体としては、例えば、多孔質からなるものや、貫通孔を有しているものが用いられる。
【0019】
このような本発明の液絡部を備えている比較電極もまた、本発明の1つである。
【0020】
本発明に係る液絡部は、例えば、以下のように、いわゆるゾルゲル法を用いて製造することができる。すなわち、溶媒中でチタン化合物に加水分解を行い、コーティング溶液を生成してから(溶液生成工程)、前記液絡部基体の表面に前記コーティング溶液を塗布し(塗布工程)、得られたコーティング膜を焼結する(焼結工程)といった各工程を経て本発明に係る液絡部を製造する。
【0021】
前記塗布工程において前記液絡部基体の表面にコーティング溶液を塗布する方法としては、ディップコーティング法、スピンコーティング法、溶射法、パウダージェット法等が挙げられる。
【0022】
また、前記焼結工程において前記コーティング膜の多孔性を制御するには、前記コーティング溶液にポリビニルピロリドンやポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等を含有させることが考えられる。
【0023】
また、本発明に係る液絡部の基体が貫通孔を有しているものである場合は、以下ようにしても、本発明に係る液絡部を製造することができる。すなわち、バインダに二酸化チタン粉末を分散して分散液を生成し(分散液生成工程)、次いで、前記分散液を前記液絡部基体の貫通孔の孔内表面に塗布する(塗布工程)か、又は、バインダを前記液絡部基体の貫通孔の孔内表面に塗布し(塗布工程)、二酸化チタン粉末を気体中に浮遊させて、前記孔内表面に塗布された前記バインダに付着させる(浮遊工程)。
【発明の効果】
【0024】
このように本発明によれば、液絡部がセルフクリーニング機能を発現しうるので、液絡部に汚れが付きにくく、かつ、汚れを落としやすくすることができるので、液絡部を常に清浄に保つことができる。更に、二酸化チタンが発現する酸化還元作用により、塩化銀による液絡部の目詰まりを防いだり、液絡部を殺菌したりすることができる。これらの各種作用により、内部液と試料溶液との流通が確保されて液間電位差の変動が防止され、酸性からアルカリ性まで幅広いpHの試料溶液に対して精度の高いpH測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る比較電極を図面を参照して説明する。
【0026】
第1の実施形態にかかる比較電極2は、図1及び図2に示すように、pH電極3と一体となって複合電極1を構成しているものであり、複合電極1には、円筒状のpH電極支持管31と、その外周を取り巻くように比較電極支持管21及び温度補償電極支持管4が一体に設けてある。なお、これらpH電極支持管31、比較電極支持管21及び温度補償電極支持管4はいずれも同一組成のガラスから構成されている。
【0027】
前記比較電極支持管21の外周壁には液絡部22が設けてあり、比較電極支持管21及び温度補償電極支持管4よりも若干先端部が突出させてあるpH電極支持管31の先端部には応答ガラス膜32が接合されている。
【0028】
前記比較電極支持管21及びpH電極支持管31には、例えば塩化銀電極からなる比較電極内極23及びpH電極内極33がそれぞれ収容してあり、内部液として例えばpH7のKCl溶液が充填してある。また、温度補償電極支持管4の内部には、温度に応じた電気信号を出力する温度素子41が収容してある。これら比較電極内極23、pH電極内極33及び温度素子41には、それぞれ図示しないリード線が接続してあり、それらリード線はケーブル束5としてpH電極支持管31の基端部から外部に延出し図示しないpH計本体に接続されるようにしてある。
【0029】
前記液絡部22は、ジルコニア(二酸化ジルコニウム、ZrO)やアルミナ(酸化アルミニウム、Al)等を主成分とする多孔質セラミックスからなる液絡部基体221の表面に、二酸化チタンがコーティングされているものであり、比較電極支持管21の外周壁にあらかじめ設けられた穴に封着されている。
【0030】
液絡部基体221の表面には、アナターゼ型の二酸化チタンがコーティングされており、このようにコーティングを施すには、例えば、溶媒中でチタン化合物に加水分解を行い、コーティング溶液を生成してから(溶液生成工程)、液絡部基体221の表面に前記コーティング溶液を塗布し(塗布工程)、得られたコーティング膜を焼結する(焼結工程)といった各工程を備えた、いわゆるゾルゲル法を用いることができる。
【0031】
より具体的には、アルコール等の溶媒中で、例えばチタンテトライソプロポキシド、テトライソプロピルオルソチタネート、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシド、シクロペンタジエニルチタントリイソプロポキシド、チタンジイソプロポキシドビス(2,4−ペンタンジオナート)等のチタンアルコキシドに穏やかに加水分解を行い、適度な粘性を有し、かつ安定なコーティング溶液を生成する(溶液生成工程)。次に、液絡部基体221の表面にコーティング溶液をディップコーティング法により塗布する(塗布工程)。このとき、コーティング膜の多孔性を制御するために、コーティング溶液に例えばポリビニルピロリドンやポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等を含有させることが有効である。そして、液絡部基体221の表面にコーティング溶液を塗布した後に、熱処理を施し、約450〜500℃で水分やアルコールを揮散させてコーティング膜を焼結する(焼結工程)。
【0032】
なお、pH電極支持管31の先端部に応答ガラス膜32が接合され、かつ、比較電極支持管21の外周壁に液絡部基体221が封着された状態で、複合電極1の先端を前記コーティング溶液に浸漬(ディッピング)して、応答ガラス膜32と液絡部基体221の表面に前記コーティング溶液を塗布してから、前記焼結工程を行うことにより、応答ガラス膜32と液絡部基体221とに同時にアナターゼ型の二酸化チタンをコーティングすることができる。
【0033】
液絡部22を洗浄する際には、LED、水素放電管、キセノン放電管、水銀ランプ、ルビーレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ等を光源として紫外線を照射すると、二酸化チタンに強い光触媒能が誘起され、酸化還元作用により、付着した有機物等が分解され、かつ、超親水作用により、付着物が剥離しやすくなり、いわゆるセルフクリーニング機能が発揮される。また、二酸化チタンの酸化還元作用により、塩化銀による目詰まりが解消され、微生物等も除去される。
【0034】
このような二酸化チタンの光触媒能による酸化作用の概念を図3に、超親水作用の概念を図4に示す。図3に示すように、バンドギャップより大きなエネルギの光を照射すると、これが吸収され、価電子帯の電子が伝導帯に励起するとともに、価電子帯に正孔が生じる。そしてその励起電子が光触媒の外部にある化学物質に移動すると、その化学物質は還元され、正孔が移動すると酸化が起こる。また、図4に示すように、正孔による反応により、二酸化チタン等の表面に比較的不安定な水酸基が生じ、このために親水性になると考えられている。更に、光を照射することにより二酸化チタンの硬さが増すという点も付言しておく。
【0035】
このような構成の複合電極1を、pHを求めたい試料溶液に浸すと、複合電極1の内部液と試料溶液との間にpH差に応じた起電力が生じ、その起電力が、比較電極内極23とpH電極内極33との電位差となって表れる。この起電力は温度によって変動するため、前記pH計本体は、その電位差に加えて、前記温度素子41の出力信号値をパラメータとして、試料溶液のpHを算出し表示する。
【0036】
次に本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明中、前記第1の実施形態に対応する部材には同一の符号を付している。
【0037】
第2の実施形態においては、図5に示すように、液絡部22が、内部液側と試料液側とにわたって貫通する微細径の貫通孔Hを有しており、例えば、ジルコニアを主成分とするセラミックにピンホールを開けたものや、ガラスキャピラリー等からなる液絡部基体221の貫通孔Hの孔内を含む表面に、二酸化チタンがコーティングされているものである。
【0038】
液絡部基体221に設けられた各貫通孔Hは、10〜100μm程度のストレートな単孔状である。
【0039】
このような貫通孔Hを有している液絡部基体221に、二酸化チタンをコーティングするには、ゾルゲル法以外に、以下のような方法を用いてもよい。すなわち、バインダに二酸化チタン粉末を分散して分散液を生成し(分散液生成工程)、次いで、前記分散液を液絡部基体221の貫通孔Hの孔内表面に塗布する(塗布工程)か、又は、バインダを液絡部基体221の貫通孔Hの孔内表面に塗布し(塗布工程)、二酸化チタン粉末を気体中に浮遊させて、前記孔内表面に塗布された前記バインダに付着させる(浮遊工程)。なお、更に貫通孔Hの孔内表面以外の液絡部基体221表面にも二酸化チタンがコーティングされてもよい。
【0040】
前記バインダとしては、フッ素樹脂系のコーティング剤等が用いられ、前記二酸化チタン粉末としては、例えば粒径1〜100nmの微細粒子であることが好ましく、より好ましくは粒径10〜50nmの微細粒子である。つまり、前記二酸化チタン粉末223がナノ粒子であることが好ましい。二酸化チタン粉末の粒径が小さいほど、より広い表面積を確保することができるので、より光触媒能を発揮しやすくなる。
【0041】
なお、本発明は、前記各実施形態に限られるものではない。
【0042】
紫外線の光源は、本発明の比較電極2とは別個に設けてもよいが、本発明の比較電極2自体が紫外線の光源を備えていてもよい。
【0043】
前記複合電極1とpH計本体と紫外線の光源とを組み合わせて、pH測定装置を構成してもよい。
【0044】
また、前記各実施形態では、二酸化チタンとして、アナターゼ型のものを用いているが、ルチル型、ブルカット型、アモルファス型の二酸化チタンを用いてもよい。
【0045】
液絡部基体221に設けられた貫通孔Hの数は特に限定されず、目的に応じて適宜変更するができる。
【0046】
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【実施例】
【0047】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0048】
液絡部にゾルゲル法を用いてアナターゼ型の二酸化チタン(P−25、日本エアロジル社製)をコーティングした複合電極を、金魚や藻の生息する水槽中に太陽光照射下で1ヶ月間浸漬し、その前後における感度の変化を評価した(実施例)。比較として、液絡部に二酸化チタンによるコーティング処理が施されていない複合電極についても、同様な試験を行い、その前後における感度の変化を評価した(比較例)。結果を表1に示した。
【0049】
【表1】

【0050】
液絡部に二酸化チタンがコーティングされている複合電極(実施例)では、試験前後において感度に変化はなかった。一方、液絡部にコーティング処理が施されていない複合電極(比較例)では、感度が85%程度まで低下した。これは、比較例では液絡部の詰まりにより液間電位差の変動が生じたことに起因すると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、測定対象の試料溶液には影響を与えずに、比較電極の液絡部に汚れが付着したり、塩化銀による目詰まりが生じたり、微生物が繁殖したりするのを防止し、かつ、液絡部の洗浄を簡便に行うことができるので、汚れの残留や影響が少なくなるとともに、内部液と試料溶液との流通が確保されて、液間電位差の変動が防止され、安定して精度の高い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合電極の内部構造を1部示す部分破断図。
【図2】図1における液絡部22近傍(A)の拡大図。
【図3】光触媒能による酸化作用の概念図。
【図4】光触媒能による超親水作用の概念図。
【図5】他の実施形態における液絡部を示す平面図(a)及びAA線における縦断面図(b)。
【符号の説明】
【0053】
1…複合電極
2…比較電極
21…比較電極支持管
22…液絡部
221…液絡部基体
222…二酸化チタン粉末
H…貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流通可能な液絡部基体の表面に、二酸化チタンが付着している液絡部。
【請求項2】
前記液絡部基体は、多孔質からなる請求項1記載の液絡部。
【請求項3】
前記液絡部基体は、貫通孔を有している請求項1記載の液絡部。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の液絡部を備えている比較電極。
【請求項5】
請求項1、2又は3記載の液絡部の製造方法であって、
溶媒中でチタン化合物に加水分解を行い、コーティング溶液を生成する溶液生成工程と、
前記液絡部基体の表面に前記コーティング溶液を塗布する塗布工程と、
得られたコーティング膜を焼結する焼結工程と、を備えている液絡部の製造方法。
【請求項6】
請求項3記載の液絡部の製造方法であって、
バインダに二酸化チタン粉末を分散して分散液を生成する分散液生成工程と、
前記分散液を前記液絡部基体の貫通孔の孔内表面に塗布する塗布工程と、を備えている液絡部の製造方法。
【請求項7】
請求項3記載の液絡部の製造方法であって、
バインダを前記液絡部基体の貫通孔の孔内表面に塗布する塗布工程と、
二酸化チタン粉末を気体中に浮遊させて、前記孔内表面に塗布された前記バインダに付着させる浮遊工程と、を備えている液絡部の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−270936(P2009−270936A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121685(P2008−121685)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(304026696)国立大学法人三重大学 (270)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)