説明

淡水化装置及び淡水化方法

【課題】塩素処理した後の原水に対して還元剤を用いて中和処理する際に、SBS溶液の過剰注入を抑制しつつ、より確実に中和処理を完了することのできる淡水化装置及び淡水化方法の提供を目的とする。
【解決手段】淡水化装置10は、還元剤供給装置18が、脱塩処理装置17の前流側から塩素含有水を添加した原水を抜き出して、該抜き出した原水に塩素成分を定量的に添加する塩素添加部31と、塩素成分を添加した原水の塩素量を定量する塩素定量部32と、塩素定量部32で定量した塩素量と、定量的に添加した塩素量との差分の塩素量に対応する還元剤量を算出して、還元剤の供給量を決定する還元剤供給量決定部33と、決定した供給量の還元剤を脱塩処理装置17の前流側で塩素含有水を添加した原水に供給する還元剤供給部34と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水を淡水化するための淡水化装置及び淡水化処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海水を淡水化するための設備として、逆浸透膜(RO膜、Reverse Osmosis Membrane)を用いて海水(原水)を脱塩処理して淡水化する海水淡水化装置(以下、淡水化装置という)がある。RO膜としては、酢酸セルロース膜やポリアミド膜などが使用される。
【0003】
淡水化装置では、一般的に、原水を脱塩処理する前に、殺菌などを目的として原水に塩素剤を添加する前処理が行われる。RO膜としてポリアミド膜などの塩素耐性を有しない材料からなる膜を使用した場合、RO膜に塩素が接触すると、RO膜が劣化する。そのため、RO膜の前段側において、還元剤を用いて原水中の塩素を中和処理する必要がある。還元剤としては、例えば重亜硫酸ソーダ(SBS、Sodium bisulfate soda)が用いられる(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−308671号公報
【特許文献2】特開平7−171565号公報
【特許文献3】特開平9−57076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
塩素を含む原水をSBS溶液で中和する際には、中和処理した原水中の酸化還元電位を計測して、中和の終了を確認する。酸化還元電位(ORP)はORP計により計測する。該ORP計は、原水の性状(pH等)、ORP電極の連続使用による電極汚れ、及びORP計自体の製造要因のぶれ等により絶対値が変動することがある。このため、SBSを添加した原水のORPの絶対値を直接測定し、これを目標値としてSBS溶液の供給量を制御しようとすると、SBS溶液の注入量が不足、または過剰となる可能性がある。SBS溶液の注入量が不足した場合には、原水が十分に中和されないため、RO膜の損傷要因となる。SBS溶液の注入量が過剰の場合には、ランニングコストが嵩む上、SBS由来の硫黄化合物が逆浸透膜に付着し、閉塞等の問題を引き起こす可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、塩素処理した後の原水に対して還元剤を用いて中和処理する際に、SBS溶液の過剰注入を抑制しつつ、より確実に中和処理を完了することのできる淡水化装置及び淡水化方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、塩素含有水を添加した原水から塩類を分離するための逆浸透膜を有する脱塩処理装置と、前記脱塩処理装置の前流側で、前記塩素含有水を添加した原水に、塩素を中和可能な還元剤を供給する還元剤供給装置と、を備えた淡水化装置であって、前記還元剤供給装置が、前記脱塩処理装置の前流側から前記塩素含有水を添加した原水を抜き出して、該抜き出した原水に塩素成分を定量的に添加する塩素添加部と、前記塩素成分を添加した原水の塩素量を定量する塩素定量部と、前記塩素定量部で定量した塩素量と、前記定量的に添加した塩素量との差分の塩素量に対応する還元剤量を算出して、還元剤の供給量を決定する還元剤供給量決定部と、前記決定した供給量の還元剤を脱塩処理装置の前流側で前記塩素含有水を添加した原水に供給する還元剤供給部とを含む淡水化装置を提供する。
【0008】
上記発明によれば、塩素含有水を添加した原水に、更に定量的に塩素成分を加えることで、塩素濃度が高くなるため、より正確に塩素量を定量することが可能となる。添加前後の差分の塩素量は、塩素含有水を添加した原水に含まれる塩素量に相当するため、上記差分の塩素量を中和するために必要な還元剤量を算出することで、還元剤の供給量を決定できる。
【0009】
上記発明の一態様において、前記還元剤供給装置が、前記塩素含有水を添加した原水の一部を抜き出して、定量用の還元剤溶液を添加しつつ、還元剤と塩素との酸化還元電位の最大変化部を求め、この当量点に対応する還元剤添加濃度を求め、該還元剤添加濃度を前記還元剤供給量決定部で決定した還元剤の供給量と比較し、前記還元剤供給量を適宜補正する補正部を備えても良い。
補正部を備えることで、より正確に適量の還元剤を注入することが可能となる。
【0010】
また、本発明は、逆浸透膜を有する脱塩処理装置を用いて塩素含有水を添加した原水から塩類を分離する方法であって、前記脱塩処理装置の前流側から前記塩素含有水を添加した原水を抜き出して、該抜き出した原水に塩素成分を定量的に添加し、前記塩素成分を添加した原水の塩素量を定量し、前記定量した塩素量と、前記定量的に添加した塩素量との差分の塩素量に対応する還元剤量を算出して、還元剤の供給量を決定し、前記脱塩処理装置の前流側で、前記塩素含有水を添加した原水に、前記決定した供給量の還元剤を供給し、前記塩素含有水を添加した原水に含まれる塩素を中和する淡水化方法を提供する。
【0011】
上記発明の一態様において、前記塩素含有水を添加した原水の一部を抜き出して、定量用の還元剤溶液を添加しつつ、還元剤と塩素との酸化還元電位の最大変化部である当量点を求め、この当量点に対応する還元剤添加濃度を求め、該還元剤添加濃度を前記還元剤供給量決定部で決定した還元剤の供給量と比較し、前記還元剤供給量を適宜補正しても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、間接的に還元剤の必要量を定量できるため、還元剤の過剰注入を防止しつつ、塩素をより確実に中和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る淡水化装置の概略図である。
【図2】第2実施形態に係る補正部の概略図である。
【図3】サンプル水基準SBS濃度とORP計測値との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下に、本発明に係る淡水化装置及び淡水化方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る淡水化装置10の概略図である。淡水化装置10は、前処理装置13、脱塩処理装置17、及び還元剤供給装置18を具備してなる、海水(原水)から塩類を分離して淡水とする装置である。なお、図1中、符号20は濃縮水、21a、21bは送液ポンプ、22は原水ライン、23は濾過水ライン、24は濃縮水ライン、25は透過水ラインを各々図示する。
【0015】
前処理装置13は、前処理膜13aを備えており、該前処理膜13aに原水(海水)11を透過させることで、原水11から濁質分を除去する役割を果たす。
【0016】
脱塩処理装置17は、濾過水ライン23を介して前処理装置13の後流側に接続されている。脱塩処理装置17は、逆浸透膜(RO膜)16を備えており、原水から塩類を分離することができる。逆浸透膜16は、塩類を透過させない半透膜とされる。逆浸透膜16は、酢酸セルロース系ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ビニルポリマーなどの高分子素材などからなる。逆浸透膜16は、逆浸透法により使用される既存の膜から選択され得る。
【0017】
還元剤供給装置18は、前処理装置13と脱塩処理装置17との間の濾過水ライン23に接続されており、塩素添加部31、塩素定量部32、還元剤供給量決定部33、及び還元剤供給部34を備えている。
塩素添加部31は、脱塩処理装置17の前流側の濾過水ライン23から、前処理装置13で濁質分が除去された原水(濾過水14A)の一部を抜き出して、該抜き出した濾過水14Aに塩素成分を定量的に添加することができる。
【0018】
塩素定量部32は、塩素添加部31により塩素成分を添加された濾過水14Bの塩素量を定量することができる。塩素量の定量は、比色法(DPD法、オルトトリジン法)、電流法などによって実施され得る。本実施形態では、ジエチル−p−フェニレンジアンモニウム(DPD)を用いた比色法(DPD法)を例示する。
【0019】
DPD法では、塩素添加部31により塩素成分を添加された濾過水にDPDを加え、残留塩素との反応で生じる桃色から桃赤色を、残留塩素標準比色液と比較して定量する。残留塩素とは、遊離残留塩素と結合性残留塩素の合計量を指す。DPDと塩素による定色は513nm及び553nm付近に極大吸収波長を有する。DPDは遊離残留塩素と速やかに反応するが、結合性残留塩素との反応は遅く、試薬添加後1分以内に比色すると、遊離残留塩素のみが定量される。その後、ヨウ化カリウムを加えることでヨウ化物イオンが触媒となり、結合性残留塩素によっても発色が起こる。
【0020】
還元剤供給量決定部33は、塩素定量部32で定量した濾過水14Bの塩素量と、濾過水14Aに定量的に添加した塩素量との差分の塩素量に対応する還元剤量を算出して、還元剤の供給量を決定することができる。
【0021】
還元剤供給部34は、還元剤供給量決定部33で決定された量の還元剤を、脱塩処理装置17の前流側にある濾過水ライン23に供給することができる。
【0022】
次に、淡水化装置10を用いて海水を淡水化する方法を説明する。
海水(原水)11を淡水化装置10に供給すると、まず、塩素含有水12が原水11に添加される。塩素含有水12は、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液などとされ、1ppm程度添加される。
【0023】
塩素含有水12が添加された原水11は、前処理装置13に送られ、前処理膜13aによって濾過されて濾過水14Aとなる。濾過水14Aは濾過水ライン23を通り、還元剤で中和された後、脱塩処理装置17へと供給される。
【0024】
濾過水14Aの中和は、還元剤供給装置18によって行われる。まず、塩素添加部31によって濾過水ライン23から濾過水14Aの一部を抜き出す。次に、抜き出した濾過水14Aに、塩素成分を定量的に添加し、濾過水14Bとする。塩素成分は、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液などの形態で添加されて良く、塩素含有水12と同じ組成であることが好ましい。塩素成分の添加量は、0.5〜1.0ppm程度とすると良い。
【0025】
次に、塩素定量部32により、濾過水14Bに含まれる塩素量(X)を定量する。次に、定量した濾過水14Bに含まれる塩素量(X)から、濾過水14Aに定量的に添加した塩素量(Y)を除算し、濾過水14Aにもともと含まれる塩素量(Z)を算出する。
【0026】
次に、還元剤供給量決定部33により還元剤の供給量を決定する。例えば、塩素含有水として次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を使用し、還元剤としてSBS(NaHSO)溶液を使用した場合の酸化還元反応は次の式で示される。
NaClO+NaHSO→NaHSO+NaCl
上記反応式に基づき、NaClO 1molに対して、NaHSO 1molとなるようにSBS溶液の供給量を決定すると良い。
【0027】
上記で決定した還元剤の供給量の情報は、還元剤供給部34に提供される。還元剤供給部34は、提供された情報に基づき、濾過水ライン23に還元剤を供給する。これによって、還元剤を過剰注入することをなく、濾過水ライン23を流れる濾過水14を中和することができる。なお、濾過水ライン23から濾過水14の一部を抜き出してから還元剤を濾過水ライン23へと供給するまでを一連の中和処理工程とし、該中和処理工程は脱塩処理装置17へ塩素成分が混入しないよう繰り返し実施される。
【0028】
中和された濾過水14は、脱塩処理装置17へと供給され、逆浸透膜16にて塩類が分離される。
【0029】
(第2実施形態)
本実施形態では、還元剤注入装置が補正部を備える以外は第1実施形態と同様の構成とされる。
図2に、本実施形態に係る還元剤供給装置の補正部100の一例を示す。補正部100は、前処理装置(図示せず)からの濾過水ライン23を流れる濾過水14の一部抜出水104aをサンプル水として抜出す抜出ライン101と、抜出された一部抜出水104aに定量用の還元剤溶液であるSBS溶液108aを供給する定量用還元剤供給部である定量用SBS供給タンク102と、定量用SBS溶液108aが添加された混合液104bの酸化還元電位を計測する電極103a及び測定部33bを有する酸化還元電位(ORP)計103とを具備する。
【0030】
補正部100は、定量用SBS溶液108aを一部抜出水104aに供給しつつ、ORP計103により両者の最大変化部である当量点を求め、求めた当量点に対応する定量用SBS溶液108aの還元剤添加濃度(Csm)を求め、この還元剤添加濃度(Csm)を中和可能なSBS溶液の流量を算出する演算装置104を備えている。
図2中、符号105は一部抜出水104aを測定部103bに供給する定量ポンプ、106は定量用SBS溶液108aを供給する流量可変定量ポンプ、107はシーケンサー、109は排水を各々図示する。
【0031】
前処理装置で前処理された濾過水14には塩素が含有されているので、塩素含有水12を含む濾過水14の一部抜出水104aをサンプル水として定量ポンプにて連続的に酸化還元電位(ORP)計の測定部103bに供給する。
シーケンサー107からの信号を受けた流量可変定量ポンプ106によりサンプル水である一部抜出水104aに定量用SBS溶液108aの供給流量を変えながら一定パターンで供給混合する。
【0032】
次いで、混合液104bの酸化還元電位(ORP)を測定部103bで計測し、ORP計103とシーケンサー107とからの信号により、還元剤と塩素との酸化還元電位の最大変化部(当量点)を求め、この当量点に対応する還元剤添加濃度(Csm)を求め、この濃度に対応したSBS溶液の量を算出する。
【0033】
ここで、前記操作において、ORP計103の測定部103bに供給される基準SBS濃度(Cs)を(1)式にて算出することができる。
また、基準SBS(Cs)の変化に対するORP値の最大変化を与える還元剤添加濃度(Csm)になるよう、逆浸透膜装置に供給する濾過水14に添加するSBS溶液の流量(F3)を(2)式にて算出することができる。
Cs=(F1×C1)/F2 …(1)
ここで、
Cs:サンプル水基準SBS濃度(mol/l)
C1:定量用SBS溶液濃度(mol/l)
F1:定量用SBS溶液流量(1/h)
F2:サンプル水流量(1/h)
F3=(F4×Csm)/C3 …(2)
F3:SBS溶液18の供給流量(1/h)
F4:RO供給水流量(1/h)
C3:SBS溶液濃度(mol/l)
Csm:当量点に対応する還元剤添加濃度(mol/l)
【0034】
ここで、演算装置104での演算内容について説明する。
1)一定流量のサンプル水104aに定量用SBS溶液108aを、供給流量を変えながら混合し、混合後の混合液104bの酸化還元電位(ORP)を、測定部103bの電極103aで測定し、ORP計103でその結果を求める。
ここで、定量用SBS溶液108aの供給流量は、あらかじめ変化パターンをプログラミングしたシーケンサー107からの信号により、流量可変定量ポンプ106を変化させることで行う。
2)流量可変定量ポンプ106からORP測定部103bにいたる液の滞留時間および電極103aの検出遅れ等を考慮し、上記供給流量はステップ状に変化させ、一定時間、定量用SBS溶液108aの供給量を維持する変化パターンとする。
3)シーケンサー107からの定量用SBS溶液108aの供給流量信号は、同時に演算装置104にも送られ、ここでまず、ORP計103からのORP信号値と、サンプル水基準SBS濃度の関係を得る。
図3は、サンプル水基準SBS濃度(mol/l)と、ORP計測値(mV)との関係図である。なお、図3の上段の横軸には、SBS/Clモル比についても示している。
図3に示すとおり、横軸にORPの測定部103bに供給するサンプル水基準SBS濃度(Cs)を前出(1)式により算出して示し、縦軸には検出されたORP値の関係をプロットする。
上記(1)式にて、C1、F2の変数はあらかじめ演算装置104に入力しておき、F1は供給流量変化ごとにシーケンサー107から自動入力される。
4)次に、演算装置104では図3よりSBS濃度変化に対し、ORPの変化が最大となるサンプル水基準SBS当量濃度が求められる。これが、当量点に対応する還元剤添加濃度(Csm)となる。
実測値を結んだスムージングカーブをSBS濃度(Cs)に対して微分することで自動的に求めることが可能である。
5)さらに、演算装置104にて上記当量点に対応する還元剤添加濃度(Csm)となるSBS溶液の流量(F3)を(2)式により算出する。
なお、(2)式にてF4、C3の変数はあらかじめ演算装置104に入力しておく。
【0035】
演算装置104で算出された還元剤添加濃度(Csm)を中和可能なSBS溶液の流量は、比較部還元剤定量部で定量した塩素量(Z)と比較される。塩素量(Z)が演算装置104で算出したSBSの流量と大きく異なる場合、濾過水ライン23に供給される還元剤量は適宜補正される。
【符号の説明】
【0036】
10 淡水化装置
11 原水(海水)
12 塩素含有水
13 前処理装置
13a 前処理膜
14 濾過水
15 透過水
16 逆浸透膜(RO膜)
17 脱塩処理装置
18 還元剤供給装置
20 濃縮水
21a、21b 送液ポンプ
22 原水ライン
23 濾過水ライン
24 濃縮水ライン
25 透過水ライン
31 塩素添加部
32 塩素定量部
33 還元剤供給量決定部
34 還元剤供給部
100 補正部
101 抜出ライン
102 定量用SBS供給タンク
103 ORP計
103a ORP電極
103b ORP測定部
104 演算装置
104a サンプル水
104b 混合液
105 定量ポンプ
106 流量可変定量ポンプ
107 シーケンサー
108a 定量用SBS溶液
109 排水


【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素含有水を添加した原水から塩類を分離するための逆浸透膜を有する脱塩処理装置と、前記脱塩処理装置の前流側で、前記塩素含有水を添加した原水に、塩素を中和可能な還元剤を供給する還元剤供給装置と、を備えた淡水化装置であって、
前記還元剤供給装置が、
前記脱塩処理装置の前流側から前記塩素含有水を添加した原水を抜き出して、該抜き出した原水に塩素成分を定量的に添加する塩素添加部と、
前記塩素成分を添加した原水の塩素量を定量する塩素定量部と、
前記塩素定量部で定量した塩素量と、前記定量的に添加した塩素量との差分の塩素量に対応する還元剤量を算出して、還元剤の供給量を決定する還元剤供給量決定部と、
前記決定した供給量の還元剤を脱塩処理装置の前流側で前記塩素含有水を添加した原水に供給する還元剤供給部と、
を含む淡水化装置。
【請求項2】
前記還元剤供給装置が、
前記塩素含有水を添加した原水の一部を抜き出して、定量用の還元剤溶液を添加しつつ、還元剤と塩素との酸化還元電位の最大変化部を求め、この当量点に対応する還元剤添加濃度を求め、該還元剤添加濃度を前記還元剤供給量決定部で決定した還元剤の供給量と比較し、前記還元剤供給量を適宜補正する補正部を備える請求項1に記載の淡水化装置。
【請求項3】
逆浸透膜を有する脱塩処理装置を用いて塩素含有水を添加した原水から塩類を分離する方法であって、
前記脱塩処理装置の前流側から前記塩素含有水を添加した原水を抜き出して、該抜き出した原水に塩素成分を定量的に添加し、
前記塩素成分を添加した原水の塩素量を定量し、
前記定量した塩素量と、前記定量的に添加した塩素量との差分の塩素量に対応する還元剤量を算出して、還元剤の供給量を決定し、
前記脱塩処理装置の前流側で、前記塩素含有水を添加した原水に、前記決定した供給量の還元剤を供給し、前記塩素含有水を添加した原水に含まれる塩素を中和する淡水化方法。
【請求項4】
前記塩素含有水を添加した原水の一部を抜き出して、定量用の還元剤溶液を添加しつつ、還元剤と塩素との酸化還元電位の最大変化部である当量点を求め、この当量点に対応する還元剤添加濃度を求め、該還元剤添加濃度を前記還元剤供給量決定部で決定した還元剤の供給量と比較し、前記還元剤供給量を適宜補正する請求項3に記載の淡水化方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−213730(P2012−213730A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81252(P2011−81252)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】