深切込み高送り用切削工具
【課題】高送り加工の性能を損うことなく深切込み加工を実現することが可能な深切込み高送り用切削工具を提供する。
【解決手段】切込み方向で最も先端側に位置しコーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃21を有する第1切刃チップ20と、第1主切刃21に対して切込み方向で一部が重複して後端側まで延びるとともに送り方向前方側に位置しかつコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃31を有する第2切刃チップ30とを工具本体10にそれぞれ装着するようにした。
【解決手段】切込み方向で最も先端側に位置しコーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃21を有する第1切刃チップ20と、第1主切刃21に対して切込み方向で一部が重複して後端側まで延びるとともに送り方向前方側に位置しかつコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃31を有する第2切刃チップ30とを工具本体10にそれぞれ装着するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具に関し、特に深切込み高送り加工に好適な切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のスローアウェイチップをもつ高送りスローアウェイ式回転工具において、前記スローアウェイチップが主切刃と外周切刃とを有し、主切刃の切込み角が3度以上35度以下で円弧又は円弧状をなし、外周切刃が工具中心軸に対しバックテーパがつくよう直線もしくは円弧、円弧状として構成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−5921号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された高送りスローアウェイ式回転工具においては、外周切刃が作用するような深切込み加工を行った場合、外周切刃が高送り加工による大きな負担に耐えきれず欠損を生じるおそれがあった。そのため、高送り加工できないという事態を招いていた。
【0004】
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高送り加工の性能を損うことなく深切込み加工を実現することが可能な深切込み高送り用切削工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
請求項1に係る発明は、切込み方向で最も先端側に位置しコーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃を有する第1切刃チップと、前記第1主切刃に対して切込み方向で一部が重複して後端側まで延びるとともに送り方向前方側に位置しかつコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃を有する第2切刃チップとを工具本体にそれぞれ装着してなることを特徴とする深切込み高送り用切削工具である。
【0006】
請求項1に係る発明によれば、コーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃においては、実質切取り厚みが小さくなり切刃の各位置における負荷が軽減されるため、高送り加工での欠損等のトラブルがなく安定した加工が可能となる。この第1主切刃より切込み方向後端側かつ送り方向前方側に位置するとともにコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃においては、第1主切刃を超える切込みを分担することから深切込み加工が可能となる。なお、第2主切刃は、第1主切刃が過大な切込みを負わないことに配慮して、第1主切刃より送り方向前方側に位置しており、第2主切刃と第1主切刃との間の送り量より送り方向前方側に位置するのが望ましい。また、第2主切刃は、コーナ角が0〜15°の範囲に設定されていることから、旋削加工用工具では送り方向に、回転切削工具では工具径方向に張り出すことがなく被削材への干渉を防止する。
【0007】
請求項2に係る発明は、第2切刃チップの切削方向における厚さが、第1切刃チップの切削方向における厚さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の深切込み高送り用切削工具である。
第1主切刃にくらべ実質切取り厚みが大きく切刃の各位置における負荷が高くなる第2主切刃においては、第2切刃チップの切削方向の厚さを大きくして強度が高められているので、高送り加工時の欠損が防止される。
【0008】
請求項3に係る発明は、第2切刃チップの個数が、第1切刃チップの個数以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の深切込み高送り用切削工具である。
請求項3に係る発明によれば、第2主切刃の送り量が第1主切刃の送り量以下に抑えられるので、第2主切刃の欠損が防止される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る深切込み高送り用切削工具によれば、高送り加工での欠損等のトラブルを防止する第1主切刃と、深切込み加工を可能とする第2主切刃とを備えることから、高送り加工の性能を損うことなく深切込み加工が実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を適用した第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る正面フライスの要部斜視図である。図2および図3は、それぞれ図1に示す正面フライスの正面図および側面図である。図4の(a)および(b)は、第1主切刃および第2主切刃の回転軌跡を説明する図である。図5は、第1切刃チップを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図6は、第2切刃チップを説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【0011】
図1〜図3に図示するように第1の実施形態に係る正面フライスは、工具軸線CLまわりに回転させられる略円盤状の工具本体10の先端外周部に、その円周方向に沿って第1切刃チップ20と第2切刃チップ30とが交互に同数装着されてなる。工具本体10の中央には工具軸線CLに沿ってフライス穴が形成されるとともに、後端側の端面にはアーバの端面、スピンドルの端面等に当接する取付け面および端面キー溝が形成される(図示しない)。
【0012】
図5に図示するように第1切刃チップ20は、略正方形板状をなし、一方の正方形面がすくい面20aとされ、他方の正方形面が着座面20bとされ、すくい面20aとなる正方形面の4辺が主切刃21とされ、各隅部に形成された面取り部が副切刃22とされてなる。主切刃21および副切刃22から着座面20bに向かって延びる側面はそれぞれ主切刃逃げ面21cおよび副切刃逃げ面22cとされ、着座面20bに近づくにつれ内側に向かって傾斜するポジの逃げ面とされている。
【0013】
図6に図示するのは第2切刃チップ30であり、これは、菱形板状をなし、一対の側面が選択的にすくい面30aとされ、一対の菱形面が主切刃逃げ面31cとされ、すくい面30aとなる側面と主切刃逃げ面31cとなる菱形面とのなす角度が90°とされ、両者が交差する稜線が主切刃31とされる。また、すくい面30aとなる各側面に鋭角で交差する一対の側面が副切刃逃げ面32cとされ、すくい面30aと副切刃逃げ面32cとが交差する稜線が副切刃32とされる。さらに、主切刃逃げ面31cとなる一対の菱形面の中央部には取付け穴が貫通して形成されている。
【0014】
図2および図3に図示するように第1切刃チップ20は、そのすくい面20aが工具回転方向Kに向けられるとともに、その主切刃21が工具本体10の先端面および外周面から突出させられるように、工具本体10の所定の位置に設けられたチップ座12に装着される。さらに、第1切刃チップの主切刃21は、コーナ角ψ1が55〜87°の範囲に設定されかつ切込み方向(工具軸線CL方向)で最も先端側に位置する第1主切刃21となる。また、第1主切刃21の内周側に隣接する副切刃22は、工具軸線CLに直交するように延在して加工面を仕上げる仕上げ刃となる。
【0015】
一方、第2切刃チップ30は、そのすくい面30aが工具回転方向Kに向けられるとともにその主切刃31が工具本体10の外周面から突出させられるように、工具本体の所定の位置に設けられたチップ座13に装着される。第2切刃チップの主切刃31は、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されかつ切込み方向(工具軸線CL方向)で第1主切刃21に一部重複し第1主切刃21よりも後端側まで延びる第2主切刃31となる。
【0016】
さらに、図4に図示するように第2主切刃31は、第1主切刃21に対して工具径方向で外側に配されており、第1主切刃21よりも先行して被削材を切削する。また、切削方向となる工具本体10の接線方向において、第2切刃チップ30の厚さは、第1切刃チップ20の厚さより大きくなっている。
【0017】
本実施形態では、第1切刃チップ20は、工具本体10の先端外周面に形成された切欠き溝にボルト等の固定手段で固着されたカートリッジ(ロケータ)11に切欠き形成されたチップ座12に載置されて、楔部材14からなるクランプ手段により工具本体10に着脱自在に固定されている。一方、第2切刃チップ30は、工具本体10の外周面に直接切欠き形成されたチップ座13に載置されて、取付け穴に挿通されたボルト等のクランプねじ15を利用して工具本体10に着脱自在に固定されている。クランプ手段は、特に限定されるものではなく、公知のクランプ手段で代替されてもよい。チップ座に関しても、工具本体に直接形成するか、カートリッジやシムシート等を介して形成するかは適宜選択可能である。
【0018】
以上の構成を有する正面フライスによれば、例えば表面の凹凸が大きい粗材を正面フライス加工する際において、断続的かつ突発的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。あるいは、表面の凹凸が小さい被削材を正面フライス加工する際において、定常的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。したがって、第1主切刃21の切込み限界を超える深切込みの正面フライス加工が可能となる。第1主切刃21に隣接しかつ第1主切刃の外周側端部から工具軸線CL方向後端側に延びる副切刃22および主切刃21が切削に関与しなくなるため、欠損等を生じることがなく第1切刃チップ20の1個につき4回使用することができる。さらに、第1主切刃21のコーナ角ψ1が55〜87°の範囲に設定されることから、実質切取り厚みが小さくなり、この第1主切刃21の各位置における負荷が軽減されるため、高送り加工での欠損等のトラブルがなく安定した加工を可能にする。
【0019】
第1主切刃21より切込み方向後端側かつ送り方向前方側に位置するとともにコーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃31においては、第1主切刃21を超える切込みを分担することから深切込み加工が可能となる。なお、第2主切刃31は、第1主切刃21が過大な切込みを負わないことに配慮して、第1主切刃21より工具径方向外側に位置しており、第1主切刃21の送り量より工具径方向外側に位置するのが望ましい。また、第2主切刃31においては、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第2切刃チップ30を大型化することなく切込み方向の長さが確保できるうえに、工具径方向外側に大きく張り出すことがないので被削材への干渉が回避できる。
【0020】
第2主切刃31においては、前述したとおり、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第1主切刃21にくらべ実質切取り厚みが大きくなり高送り加工には不利となる。しかしながら、切削方向となる工具本体10の接線方向において、第2切刃チップ30の厚さが第1切刃チップ20の厚さより大きくなっていることから、第2主切刃31は、工具回転方向K後方側の十分な肉厚によって高い切刃強度が確保されているので、高送り加工時の欠損が防止され、安定して長い切刃寿命を実現する。
【0021】
第1切刃チップ20と第2切刃チップ30とは、工具本体10の円周方向に沿って交互に同一個数装着されていることから、第2主切刃31の送り量が第1主切刃21の送り量と同等となるので、第2主切刃31は、過大な負荷を受けることがなく、欠損等の損傷が防止されて切刃寿命が長くなる。特に、第2切刃チップ30を第1切刃チップ20より多数装着して、第2主切刃31の有効刃数を第1主切刃21の有効刃数より多くすることが望ましい。そうすれば、第2主切刃31の送り量を小さくして負荷をさらに軽減することができる。
【0022】
あるいは、図4の(b)に図示するように複数の第2主切刃31の回転軌跡を、切込み方向先端側から後端側へ向かうにつれ工具径方向内側から外側へ向かうようにずらして配設する、いわゆるステップ型とすることも第2主切刃31の負荷を軽減するのに有効である。
【0023】
次に、第2の実施形態である旋削加工用工具について図面を参照しながら説明する。図7および図8は、それぞれ本旋削加工用工具の要部の正面図および平面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0024】
図7および図8に図示するように本旋削加工用工具は、略棒状をなす工具本体10の先端部上面に形成された一対のチップ座12、13に、第1切刃チップ20および第2切刃チップ30がそれぞれ着脱自在に装着されてなる。図示しないが工具本体10の後端部は、旋盤等の工作機械の刃物台に取付けるためのシャンク部となっている。
【0025】
第1切刃チップ20は、6角形板状をなし、上方を向く6角形面がすくい面20aとされ、下方を向く6角形面が着座面20bとされる。そして、すくい面20aとなる6角形面は、その中心を基準として回転対称的に、鋭角コーナと鈍角コーナが交互に配されている。鋭角コーナから鈍角コーナへ延びる一対の辺のうち一方の辺に主切刃21が形成され、この主切刃21の鈍角コーナ側端部に隣接して、比較的短い直線状の副切刃22が形成されている。主切刃21および副切刃22から着座面20bに向かって延びる各側面はポジの逃げ面とされている。また、厚み方向に対向する6角形面の中央には取付け穴が貫通して形成されている。第2切刃チップ30は、第1の実施形態に使用されたものと同一であるため説明を省略する。
【0026】
第1切刃チップ20は、取付け穴に挿通されたボルト等のクランプねじ14aおよびクランプ駒14bからなるクランプ手段を利用して対応するチップ座12に着脱自在に装着されており、すくい面20aとなる6角形面が上方に向けられ、さらに主切刃21が工具本体10の先端面から突出させられかつコーナ角ψ1が55〜87°の範囲となるように配設されている。
【0027】
第2切刃チップ30は、取付け穴に挿通されたボルト等のクランプねじ15を利用して対応するチップ座13に着脱自在に装着されており、第1切刃チップ20に対して送りF方向前方側かつ切込み方向(工具本体の長手方向)後端側に位置し、すくい面30aとなる側面が上方に向けられて、さらに主切刃31が工具本体10の一側面から突出させられかつコーナ角ψ2が0〜15°の範囲となるように配設されている。さらに、切削方向Cにおいて、第2切刃チップ30の厚さは、第1切刃チップ20の厚さより大きくなっている。
【0028】
第2主切刃31は、最も先端側に位置する第1主切刃21と一部重複しかつさらに後端側へ延びていて、切込みを第1主切刃21とともに分担して深切込み加工を可能にする。さらに、第2主切刃31は、第1主切刃21よりも送りF方向前方側に位置しているので、被削材を先行して切削する。
【0029】
以上の構成を有する旋削加工用工具によれば、例えば表面の凹凸が大きい粗材を旋削加工する際において、断続的かつ突発的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。あるいは、表面の凹凸が小さい被削材を旋削加工する際において、定常的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。このように第2主切刃31が被削材を先行切削した後、その加工面を第1主切刃21が切削することから、第1主切刃21の切込み限界を超える深切込みの旋削加工が可能となる。さらに、第1主切刃21のコーナ角ψ1が55〜87°の範囲に設定されることから、実質切取り厚みが小さくなり、この第1主切刃21の各位置における負荷が軽減されるため、高送り加工での欠損等のトラブルがなく安定した加工を可能にする。
【0030】
第1主切刃21より切込み方向(工具本体の長手方向)後端側かつ送りF方向前方側に位置するとともにコーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃31においては、第1主切刃21を超える切込みを分担することから深切込み加工が可能となる。なお、第2主切刃31は、第1主切刃21が過大な切込みを負わないことに配慮して、第1主切刃21より送りF方向前方側に位置しており、第1主切刃21の送り量より送りF方向前方側に位置するのが望ましい。また、第2主切刃31においては、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第2切刃チップ30を大型化することなく切込み方向(工具本体の長手方向)の長さが確保できるうえに、送りF方向前方側に張り出すことがないので被削材への干渉が回避できる。
【0031】
第2主切刃31においては、前述したとおり、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第1主切刃21にくらべ実質切取り厚みが大きくなり高送り加工には不利となる。しかしながら、切削方向Cにおいて、第2切刃チップ30の厚さが第1切刃チップ20の厚さより大きくなっていることから、第2主切刃31は、切削方向Cの十分な肉厚によって高い切刃強度が確保されているので、高送り加工時の欠損が防止され、安定して長い切刃寿命を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係る正面フライスの要部斜視図である。
【図2】図1に示す正面フライスの正面図である。
【図3】図1に示す正面フライスの平面図である。
【図4】(a)および(b)は、第1主切刃および第2主切刃の回転軌跡を説明する図である。
【図5】第1切刃チップを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図6】第2切刃チップを説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明を適用した第2の実施形態に係る旋削加工用工具の要部正面図である。
【図8】図7に示す旋削加工用工具の要部平面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 工具本体
20 第1切刃チップ
20a 第1切刃チップのすくい面
21 第1主切刃
30 第2切刃チップ
30a 第2切刃チップのすくい面
31 第2主切刃
ψ1 第1主切刃のコーナ角
ψ2 第2主切刃のコーナ角
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具に関し、特に深切込み高送り加工に好適な切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のスローアウェイチップをもつ高送りスローアウェイ式回転工具において、前記スローアウェイチップが主切刃と外周切刃とを有し、主切刃の切込み角が3度以上35度以下で円弧又は円弧状をなし、外周切刃が工具中心軸に対しバックテーパがつくよう直線もしくは円弧、円弧状として構成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−5921号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された高送りスローアウェイ式回転工具においては、外周切刃が作用するような深切込み加工を行った場合、外周切刃が高送り加工による大きな負担に耐えきれず欠損を生じるおそれがあった。そのため、高送り加工できないという事態を招いていた。
【0004】
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高送り加工の性能を損うことなく深切込み加工を実現することが可能な深切込み高送り用切削工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
請求項1に係る発明は、切込み方向で最も先端側に位置しコーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃を有する第1切刃チップと、前記第1主切刃に対して切込み方向で一部が重複して後端側まで延びるとともに送り方向前方側に位置しかつコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃を有する第2切刃チップとを工具本体にそれぞれ装着してなることを特徴とする深切込み高送り用切削工具である。
【0006】
請求項1に係る発明によれば、コーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃においては、実質切取り厚みが小さくなり切刃の各位置における負荷が軽減されるため、高送り加工での欠損等のトラブルがなく安定した加工が可能となる。この第1主切刃より切込み方向後端側かつ送り方向前方側に位置するとともにコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃においては、第1主切刃を超える切込みを分担することから深切込み加工が可能となる。なお、第2主切刃は、第1主切刃が過大な切込みを負わないことに配慮して、第1主切刃より送り方向前方側に位置しており、第2主切刃と第1主切刃との間の送り量より送り方向前方側に位置するのが望ましい。また、第2主切刃は、コーナ角が0〜15°の範囲に設定されていることから、旋削加工用工具では送り方向に、回転切削工具では工具径方向に張り出すことがなく被削材への干渉を防止する。
【0007】
請求項2に係る発明は、第2切刃チップの切削方向における厚さが、第1切刃チップの切削方向における厚さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の深切込み高送り用切削工具である。
第1主切刃にくらべ実質切取り厚みが大きく切刃の各位置における負荷が高くなる第2主切刃においては、第2切刃チップの切削方向の厚さを大きくして強度が高められているので、高送り加工時の欠損が防止される。
【0008】
請求項3に係る発明は、第2切刃チップの個数が、第1切刃チップの個数以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の深切込み高送り用切削工具である。
請求項3に係る発明によれば、第2主切刃の送り量が第1主切刃の送り量以下に抑えられるので、第2主切刃の欠損が防止される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る深切込み高送り用切削工具によれば、高送り加工での欠損等のトラブルを防止する第1主切刃と、深切込み加工を可能とする第2主切刃とを備えることから、高送り加工の性能を損うことなく深切込み加工が実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を適用した第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る正面フライスの要部斜視図である。図2および図3は、それぞれ図1に示す正面フライスの正面図および側面図である。図4の(a)および(b)は、第1主切刃および第2主切刃の回転軌跡を説明する図である。図5は、第1切刃チップを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図6は、第2切刃チップを説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【0011】
図1〜図3に図示するように第1の実施形態に係る正面フライスは、工具軸線CLまわりに回転させられる略円盤状の工具本体10の先端外周部に、その円周方向に沿って第1切刃チップ20と第2切刃チップ30とが交互に同数装着されてなる。工具本体10の中央には工具軸線CLに沿ってフライス穴が形成されるとともに、後端側の端面にはアーバの端面、スピンドルの端面等に当接する取付け面および端面キー溝が形成される(図示しない)。
【0012】
図5に図示するように第1切刃チップ20は、略正方形板状をなし、一方の正方形面がすくい面20aとされ、他方の正方形面が着座面20bとされ、すくい面20aとなる正方形面の4辺が主切刃21とされ、各隅部に形成された面取り部が副切刃22とされてなる。主切刃21および副切刃22から着座面20bに向かって延びる側面はそれぞれ主切刃逃げ面21cおよび副切刃逃げ面22cとされ、着座面20bに近づくにつれ内側に向かって傾斜するポジの逃げ面とされている。
【0013】
図6に図示するのは第2切刃チップ30であり、これは、菱形板状をなし、一対の側面が選択的にすくい面30aとされ、一対の菱形面が主切刃逃げ面31cとされ、すくい面30aとなる側面と主切刃逃げ面31cとなる菱形面とのなす角度が90°とされ、両者が交差する稜線が主切刃31とされる。また、すくい面30aとなる各側面に鋭角で交差する一対の側面が副切刃逃げ面32cとされ、すくい面30aと副切刃逃げ面32cとが交差する稜線が副切刃32とされる。さらに、主切刃逃げ面31cとなる一対の菱形面の中央部には取付け穴が貫通して形成されている。
【0014】
図2および図3に図示するように第1切刃チップ20は、そのすくい面20aが工具回転方向Kに向けられるとともに、その主切刃21が工具本体10の先端面および外周面から突出させられるように、工具本体10の所定の位置に設けられたチップ座12に装着される。さらに、第1切刃チップの主切刃21は、コーナ角ψ1が55〜87°の範囲に設定されかつ切込み方向(工具軸線CL方向)で最も先端側に位置する第1主切刃21となる。また、第1主切刃21の内周側に隣接する副切刃22は、工具軸線CLに直交するように延在して加工面を仕上げる仕上げ刃となる。
【0015】
一方、第2切刃チップ30は、そのすくい面30aが工具回転方向Kに向けられるとともにその主切刃31が工具本体10の外周面から突出させられるように、工具本体の所定の位置に設けられたチップ座13に装着される。第2切刃チップの主切刃31は、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されかつ切込み方向(工具軸線CL方向)で第1主切刃21に一部重複し第1主切刃21よりも後端側まで延びる第2主切刃31となる。
【0016】
さらに、図4に図示するように第2主切刃31は、第1主切刃21に対して工具径方向で外側に配されており、第1主切刃21よりも先行して被削材を切削する。また、切削方向となる工具本体10の接線方向において、第2切刃チップ30の厚さは、第1切刃チップ20の厚さより大きくなっている。
【0017】
本実施形態では、第1切刃チップ20は、工具本体10の先端外周面に形成された切欠き溝にボルト等の固定手段で固着されたカートリッジ(ロケータ)11に切欠き形成されたチップ座12に載置されて、楔部材14からなるクランプ手段により工具本体10に着脱自在に固定されている。一方、第2切刃チップ30は、工具本体10の外周面に直接切欠き形成されたチップ座13に載置されて、取付け穴に挿通されたボルト等のクランプねじ15を利用して工具本体10に着脱自在に固定されている。クランプ手段は、特に限定されるものではなく、公知のクランプ手段で代替されてもよい。チップ座に関しても、工具本体に直接形成するか、カートリッジやシムシート等を介して形成するかは適宜選択可能である。
【0018】
以上の構成を有する正面フライスによれば、例えば表面の凹凸が大きい粗材を正面フライス加工する際において、断続的かつ突発的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。あるいは、表面の凹凸が小さい被削材を正面フライス加工する際において、定常的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。したがって、第1主切刃21の切込み限界を超える深切込みの正面フライス加工が可能となる。第1主切刃21に隣接しかつ第1主切刃の外周側端部から工具軸線CL方向後端側に延びる副切刃22および主切刃21が切削に関与しなくなるため、欠損等を生じることがなく第1切刃チップ20の1個につき4回使用することができる。さらに、第1主切刃21のコーナ角ψ1が55〜87°の範囲に設定されることから、実質切取り厚みが小さくなり、この第1主切刃21の各位置における負荷が軽減されるため、高送り加工での欠損等のトラブルがなく安定した加工を可能にする。
【0019】
第1主切刃21より切込み方向後端側かつ送り方向前方側に位置するとともにコーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃31においては、第1主切刃21を超える切込みを分担することから深切込み加工が可能となる。なお、第2主切刃31は、第1主切刃21が過大な切込みを負わないことに配慮して、第1主切刃21より工具径方向外側に位置しており、第1主切刃21の送り量より工具径方向外側に位置するのが望ましい。また、第2主切刃31においては、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第2切刃チップ30を大型化することなく切込み方向の長さが確保できるうえに、工具径方向外側に大きく張り出すことがないので被削材への干渉が回避できる。
【0020】
第2主切刃31においては、前述したとおり、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第1主切刃21にくらべ実質切取り厚みが大きくなり高送り加工には不利となる。しかしながら、切削方向となる工具本体10の接線方向において、第2切刃チップ30の厚さが第1切刃チップ20の厚さより大きくなっていることから、第2主切刃31は、工具回転方向K後方側の十分な肉厚によって高い切刃強度が確保されているので、高送り加工時の欠損が防止され、安定して長い切刃寿命を実現する。
【0021】
第1切刃チップ20と第2切刃チップ30とは、工具本体10の円周方向に沿って交互に同一個数装着されていることから、第2主切刃31の送り量が第1主切刃21の送り量と同等となるので、第2主切刃31は、過大な負荷を受けることがなく、欠損等の損傷が防止されて切刃寿命が長くなる。特に、第2切刃チップ30を第1切刃チップ20より多数装着して、第2主切刃31の有効刃数を第1主切刃21の有効刃数より多くすることが望ましい。そうすれば、第2主切刃31の送り量を小さくして負荷をさらに軽減することができる。
【0022】
あるいは、図4の(b)に図示するように複数の第2主切刃31の回転軌跡を、切込み方向先端側から後端側へ向かうにつれ工具径方向内側から外側へ向かうようにずらして配設する、いわゆるステップ型とすることも第2主切刃31の負荷を軽減するのに有効である。
【0023】
次に、第2の実施形態である旋削加工用工具について図面を参照しながら説明する。図7および図8は、それぞれ本旋削加工用工具の要部の正面図および平面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0024】
図7および図8に図示するように本旋削加工用工具は、略棒状をなす工具本体10の先端部上面に形成された一対のチップ座12、13に、第1切刃チップ20および第2切刃チップ30がそれぞれ着脱自在に装着されてなる。図示しないが工具本体10の後端部は、旋盤等の工作機械の刃物台に取付けるためのシャンク部となっている。
【0025】
第1切刃チップ20は、6角形板状をなし、上方を向く6角形面がすくい面20aとされ、下方を向く6角形面が着座面20bとされる。そして、すくい面20aとなる6角形面は、その中心を基準として回転対称的に、鋭角コーナと鈍角コーナが交互に配されている。鋭角コーナから鈍角コーナへ延びる一対の辺のうち一方の辺に主切刃21が形成され、この主切刃21の鈍角コーナ側端部に隣接して、比較的短い直線状の副切刃22が形成されている。主切刃21および副切刃22から着座面20bに向かって延びる各側面はポジの逃げ面とされている。また、厚み方向に対向する6角形面の中央には取付け穴が貫通して形成されている。第2切刃チップ30は、第1の実施形態に使用されたものと同一であるため説明を省略する。
【0026】
第1切刃チップ20は、取付け穴に挿通されたボルト等のクランプねじ14aおよびクランプ駒14bからなるクランプ手段を利用して対応するチップ座12に着脱自在に装着されており、すくい面20aとなる6角形面が上方に向けられ、さらに主切刃21が工具本体10の先端面から突出させられかつコーナ角ψ1が55〜87°の範囲となるように配設されている。
【0027】
第2切刃チップ30は、取付け穴に挿通されたボルト等のクランプねじ15を利用して対応するチップ座13に着脱自在に装着されており、第1切刃チップ20に対して送りF方向前方側かつ切込み方向(工具本体の長手方向)後端側に位置し、すくい面30aとなる側面が上方に向けられて、さらに主切刃31が工具本体10の一側面から突出させられかつコーナ角ψ2が0〜15°の範囲となるように配設されている。さらに、切削方向Cにおいて、第2切刃チップ30の厚さは、第1切刃チップ20の厚さより大きくなっている。
【0028】
第2主切刃31は、最も先端側に位置する第1主切刃21と一部重複しかつさらに後端側へ延びていて、切込みを第1主切刃21とともに分担して深切込み加工を可能にする。さらに、第2主切刃31は、第1主切刃21よりも送りF方向前方側に位置しているので、被削材を先行して切削する。
【0029】
以上の構成を有する旋削加工用工具によれば、例えば表面の凹凸が大きい粗材を旋削加工する際において、断続的かつ突発的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。あるいは、表面の凹凸が小さい被削材を旋削加工する際において、定常的に第1主切刃21の切込み限界を超える領域を第2主切刃31が先行切削し、その後、第1主切刃21が主たる切削を担うことになる。このように第2主切刃31が被削材を先行切削した後、その加工面を第1主切刃21が切削することから、第1主切刃21の切込み限界を超える深切込みの旋削加工が可能となる。さらに、第1主切刃21のコーナ角ψ1が55〜87°の範囲に設定されることから、実質切取り厚みが小さくなり、この第1主切刃21の各位置における負荷が軽減されるため、高送り加工での欠損等のトラブルがなく安定した加工を可能にする。
【0030】
第1主切刃21より切込み方向(工具本体の長手方向)後端側かつ送りF方向前方側に位置するとともにコーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃31においては、第1主切刃21を超える切込みを分担することから深切込み加工が可能となる。なお、第2主切刃31は、第1主切刃21が過大な切込みを負わないことに配慮して、第1主切刃21より送りF方向前方側に位置しており、第1主切刃21の送り量より送りF方向前方側に位置するのが望ましい。また、第2主切刃31においては、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第2切刃チップ30を大型化することなく切込み方向(工具本体の長手方向)の長さが確保できるうえに、送りF方向前方側に張り出すことがないので被削材への干渉が回避できる。
【0031】
第2主切刃31においては、前述したとおり、コーナ角ψ2が0〜15°の範囲に設定されていることから、第1主切刃21にくらべ実質切取り厚みが大きくなり高送り加工には不利となる。しかしながら、切削方向Cにおいて、第2切刃チップ30の厚さが第1切刃チップ20の厚さより大きくなっていることから、第2主切刃31は、切削方向Cの十分な肉厚によって高い切刃強度が確保されているので、高送り加工時の欠損が防止され、安定して長い切刃寿命を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係る正面フライスの要部斜視図である。
【図2】図1に示す正面フライスの正面図である。
【図3】図1に示す正面フライスの平面図である。
【図4】(a)および(b)は、第1主切刃および第2主切刃の回転軌跡を説明する図である。
【図5】第1切刃チップを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図6】第2切刃チップを説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明を適用した第2の実施形態に係る旋削加工用工具の要部正面図である。
【図8】図7に示す旋削加工用工具の要部平面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 工具本体
20 第1切刃チップ
20a 第1切刃チップのすくい面
21 第1主切刃
30 第2切刃チップ
30a 第2切刃チップのすくい面
31 第2主切刃
ψ1 第1主切刃のコーナ角
ψ2 第2主切刃のコーナ角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切込み方向で最も先端側に位置しコーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃を有する第1切刃チップと、
前記第1主切刃に対して切込み方向で一部が重複して後端側まで延びるとともに送り方向前方側に位置しかつコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃を有する第2切刃チップとを工具本体にそれぞれ装着してなる
ことを特徴とする深切込み高送り用切削工具。
【請求項2】
第2切刃チップの切削方向における厚さが、第1切刃チップの切削方向における厚さより大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の深切込み高送り用切削工具。
【請求項3】
工具本体に装着される第2切刃チップの個数が、第1切刃チップの個数以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の深切込み高送り用切削工具。
【請求項1】
切込み方向で最も先端側に位置しコーナ角が55〜87°の範囲に設定された第1主切刃を有する第1切刃チップと、
前記第1主切刃に対して切込み方向で一部が重複して後端側まで延びるとともに送り方向前方側に位置しかつコーナ角が0〜15°の範囲に設定された第2主切刃を有する第2切刃チップとを工具本体にそれぞれ装着してなる
ことを特徴とする深切込み高送り用切削工具。
【請求項2】
第2切刃チップの切削方向における厚さが、第1切刃チップの切削方向における厚さより大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の深切込み高送り用切削工具。
【請求項3】
工具本体に装着される第2切刃チップの個数が、第1切刃チップの個数以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の深切込み高送り用切削工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−279546(P2008−279546A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125898(P2007−125898)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000221144)株式会社タンガロイ (185)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000221144)株式会社タンガロイ (185)
【Fターム(参考)】
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