説明

深呼吸促進装置

【課題】 身体に装着した紐が、深呼吸をするときに身体が反ることにより伸長されることを利用して、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒間、深呼吸がされずに経過した場合に、紐を装着した人間に警告を発することで、深呼吸を促すことができるようにしたものである。
【解決手段】 深呼吸促進装置(10)は、紐(20)、深呼吸をするときに身体が反ることにより、紐(20)が予め設定された伸長値を超えたことを検出するための紐伸長検出装置(50)、カウント値が深呼吸の間隔を超えた場合に、タイムアウト信号を出力するとともに、紐伸長検出装置(50)から出力される検出信号にもとづいてカウント値をリセットするためのタイマー装置(60)、タイマー装置(60)から出力されたタイム・アウト信号を入力したことを条件に、紐(20)を装着した人間に警告を出力するための警告装置(70)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、身体に装着した紐が、深呼吸をするときに身体が反ることにより伸長されることを利用して、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒間、深呼吸がされずに経過した場合に、紐を装着した人間に警告を発することで、深呼吸を促すことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルトの伸縮を利用して、胸部又は腹部の周囲長の変化量を検出する呼吸努力検出装置が知られている(例えば特許文献1の段落番号「0031」〜「0032」、図1、図4参照)。
【特許文献1】特開2001-190524号公報(段落番号「0031」〜「0032」、図1、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来の呼吸努力検出装置は、医療用で、しかも測定を目的とするものであり、精度が要求されることから、構造が複雑であるという問題点があった。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
すなわち、請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
【0004】
すなわち、請求項1に記載の発明は、身体に装着した紐が、深呼吸をするときに身体が反ることにより伸長されることを利用して、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒間、深呼吸がされずに経過した場合に、紐を装着した人間に警告を発することで、深呼吸を促すことができるようにしたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、医療用の測定を目的としたものでないので、従来の装置に比較して構造が簡単で、安価に製造することができる。
【0005】
これに加え、請求項1に記載の発明によれば、深呼吸を促すことができ、次のような効果が期待できる。
すなわち、慢性呼吸不全の方は、身体に定期的に深呼吸をすることが望まれる。このような形で呼吸状態を維持できれば、生活の質(QOL)をより長期に保つことができる。
また、一般の人においてもとくにデスクワークにて息をつめて作業をすることが多く、それがストレスの大きな要因となっていると考えられる。
【0006】
深呼吸することにより呼吸がよくなることはもちろんである。
さらに精神的なリフレッシュとなり、横隔膜上下の内臓の大きな移動があるため胃腸、内臓脂肪の代謝が活発になることが期待される。
また、大静脈の心臓への血液還流が促され循環動態がよくなることが期待される。
呼吸運動により横隔膜、肋間筋、腹壁筋の筋運動の増大によるエネルギーの消費が期待される。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項2に記載の発明は、深呼吸する迄の間、警告を継続して出力することができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項3に記載の発明は、紐を装着した人間に振動を伝達することで、深呼吸を促すことができるようにしたものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0009】
すなわち、請求項4に記載の発明は、紐を装着した人間に、警告音により深呼吸を促すことができるようにしたものである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0010】
すなわち、請求項5に記載の発明は、紐の巻取装置を付加することで、身体の大きさの違いによる許容範囲を拡大することができるようにしたものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0011】
すなわち、請求項6に記載の発明は、巻取装置を首からぶら下げて装着することができるようにしたものである。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、上記した請求項5又は請求項6に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0012】
すなわち、請求項7に記載の発明は、巻取装置の自由端を、留め具を使用してベルトに取り付けることができるようにしたものである。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、次の点を目的とする。
すなわち、請求項8に記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明と同様に、身体に装着した紐が、深呼吸をするときに身体が反ることにより伸長されることを利用して、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒間、深呼吸がされずに経過した場合に、紐を装着した人間に警告を発することで、深呼吸を促すことができるようにしたものである。
【0013】
これに加え、請求項8に記載の発明は、身体に装着する紐などとは別に、警告装置を単独で携行することができるようにしたものである。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、上記した請求項8に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0014】
すなわち、請求項9に記載の発明は、紐を装着した人間に、視覚的に警告を伝達することで、深呼吸を促すことができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0016】
すなわち、深呼吸促進装置(10)は、例えば図1〜2に示すように、次の構成を備える。
(1)紐(20)
紐(20)は、例えば図2に示すように、身体に装着するものである。
(2)紐伸長検出装置(50)
紐伸長検出装置(50)は、深呼吸をするときに身体が反ることにより、紐(20)が予め設定された伸長値(例えば10mm)を超えたことを検出するためのものである。
【0017】
なお、伸長値として、「10mm」を例示したが、これに限定されない。
(3)タイマー装置(60)
タイマー装置(60)は、予め設定された深呼吸の間隔(例えば60秒)をカウントし、カウント値が当該深呼吸の間隔を超えた場合に、タイムアウト信号を出力するとともに、紐伸長検出装置(50)から出力される検出信号にもとづいてカウント値をリセットするためのものである。
【0018】
なお、深呼吸の間隔として、「60秒」を例示したが、これに限定されない。
(4)警告装置(70)
警告装置(70)は、タイマー装置(60)から出力されたタイム・アウト信号を入力したことを条件に、紐(20)を装着した人間に警告を出力するためのものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0019】
第1に、タイマー装置(60)は、リセットした場合に、警告装置(70)にリセット信号を出力するようにしている。
第2に、警告装置(70)は、警告の出力後、タイマー装置(60)から出力されたリセット信号を入力する迄の間、予め設定された所定の間隔(例えば10秒)毎に、警告を継続して出力するようにしている。
【0020】
なお、所定の間隔として、「10秒」を例示したが、これに限定されない。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、警告装置(70)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
【0021】
(1)バイブレーション装置(71)
バイブレーション装置(71)は、紐(20)を装着した人間に振動を伝達するためのものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0022】
すなわち、警告装置(70)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
(1)警告音発生装置(72)
警告音発生装置(72)は、紐(20)を装着した人間に警告音を伝達するためのものである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0023】
すなわち、紐(20)の一端部には、例えば図1〜2に示すように、次の構成を備える。
(1)巻取装置(30)
巻取装置(30)は、当該紐(20)を巻き取るとともに、当該紐(20)を巻き取る方向に張力を発生させるためのものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0024】
すなわち、巻取装置(30)には、例えば図2に示すように、次の構成を備える。
(1)首掛け部(31)
首掛け部(31)は、人間の首からぶら下げるためのものである。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、上記した請求項5又は請求項6に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0025】
すなわち、紐(20)の自由端である他端部には、例えば図2に示すように、次の構成を備える。
(1)留め具(21)
留め具(21)は、ベルト(40)に取付可能なものである。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0026】
すなわち、深呼吸促進装置(10)は、例えば図2及び図4に示すように、次の構成を備える。
(1)紐(20)
紐(20)は、例えば図2に示すように、身体に装着するものである。
(2)紐伸長検出装置(50)
紐伸長検出装置(50)は、深呼吸をするときに身体が反ることにより、紐(20)が予め設定された伸長値を超えたことを検出するためのものである。
【0027】
(3)タイマー装置(60)
タイマー装置(60)は、予め設定された深呼吸の間隔をカウントし、カウント値が当該深呼吸の間隔を超えた場合に、タイムアウト信号を出力するとともに、紐伸長検出装置(50)から出力される検出信号にもとづいてカウント値をリセットするためのものである。
(4)無線送信機(100)
無線送信機(100)は、例えば図4に示すように、タイマー装置(60)から出力させるタイム・アウト信号を無線送信するためのものである。
【0028】
(5)携帯型警告装置(110)
携帯型警告装置(110)は、無線送信機(100)から送信されたタイム・アウト信号を受信可能な無線受信機(111)を有し、当該無線受信機(111)がタイム・アウト信号を受信したことを条件に、紐(20)を装着した人間に警告を出力するとともに、当該人間が携帯可能なものである。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、上記した請求項8に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0029】
すなわち、携帯型警告装置(110)には、例えば図4に示すように、次の構成を備える。
(1)警告表示装置(112)
警告表示装置(112)は、紐(20)を装着した人間に視覚的に警告を伝達するためのものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、身体に装着した紐が、深呼吸をするときに身体が反ることにより伸長されることを利用して、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒間、深呼吸がされずに経過した場合に、紐を装着した人間に警告を発することで、深呼吸を促すことができる。
【0031】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、医療用の測定を目的としたものでないので、従来の装置に比較して構造が簡単で、安価に製造することができる。
これに加え、請求項1に記載の発明によれば、深呼吸を促すことができ、次のような効果が期待できる。
すなわち、慢性呼吸不全の方は、身体に定期的に深呼吸をすることが望まれる。このような形で呼吸状態を維持できれば、生活の質(QOL)をより長期に保つことができる。
【0032】
また、一般の人においてもとくにデスクワークにて息をつめて作業をすることが多く、それがストレスの大きな要因となっていると考えられる。
深呼吸することにより呼吸がよくなることはもちろんである。
さらに精神的なリフレッシュとなり、横隔膜上下の内臓の大きな移動があるため胃腸、内臓脂肪の代謝が活発になることが期待される。
【0033】
また、大静脈の心臓への血液還流が促され循環動態がよくなることが期待される。
呼吸運動により横隔膜、肋間筋、腹壁筋の筋運動の増大によるエネルギーの消費が期待される。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0034】
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、深呼吸する迄の間、警告を継続して出力することができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0035】
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、紐を装着した人間に振動を伝達することで、深呼吸を促すことができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0036】
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、紐を装着した人間に、警告音により深呼吸を促すことができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0037】
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、紐の巻取装置を付加することで、身体の大きさの違いによる許容範囲を拡大することができる。
(請求項6)
請求項6に記載の発明によれば、上記した請求項5に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0038】
すなわち、請求項6に記載の発明によれば、巻取装置を首からぶら下げて装着することができる。
(請求項7)
請求項7に記載の発明によれば、上記した請求項5又は請求項6に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0039】
すなわち、請求項7に記載の発明によれば、巻取装置の自由端を、留め具を使用してベルトに取り付けることができる。
(請求項8)
請求項8に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項8に記載の発明によれば、前述した請求項1に記載の発明と同様に、身体に装着した紐が、深呼吸をするときに身体が反ることにより伸長されることを利用して、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒間、深呼吸がされずに経過した場合に、紐を装着した人間に警告を発することで、深呼吸を促すことができる。
【0040】
これに加え、請求項8に記載の発明によれば、身体に装着する紐などとは別に、警告装置を単独で携行することができる。
(請求項9)
請求項9に記載の発明によれば、上記した請求項8に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0041】
すなわち、請求項9に記載の発明によれば、紐を装着した人間に、視覚的に警告を伝達することで、深呼吸を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
(図面の説明)
図1〜2は、本発明の第1の実施の形態の一例をそれぞれ示すものである。
図1は、深呼吸促進装置の概略を説明するための概略ブロック図、図2は深呼吸促進装置を身体に装着した状態を説明するための説明図をそれぞれ示すものである。
図3は、本発明の第2の実施の形態の一例を示し、同図は深呼吸促進装置を身体に装着した状態を説明するための説明図を示すものである。
【0043】
図4は、本発明の第3の実施の形態の一例を示し、同図は深呼吸促進装置の概略を説明するための概略ブロック図を示すものである。
(深呼吸促進装置10)
図中、10は、深呼吸促進装置を示すものである。
深呼吸促進装置10は、図2に示すように、身体に装着した紐20、例えば胸部と腰部との間に紐20を張り、深呼吸をするときに身体が反ることにより伸長されることを利用して、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒間、深呼吸がされずに経過した場合に、紐20を装着した人間に警告、例えば振動や警告音により警告を発するようにしている。警告を受けた人間は、深呼吸をするように努力することで、慢性呼吸不全の患者に定期的な深呼吸を促すことができる。
【0044】
具体的には、深呼吸促進装置10は、図2に示すように、次のパーツから構成されている。
(1)紐20
(2)巻取装置30
なお、深呼吸促進装置10のパーツは、上記した(1)〜(2)に限定されない。
(紐20)
紐20は、図2に示すように、身体に装着するものである。
【0045】
紐20の一端部には、巻取装置30が取り付けられている。
紐20の自由端である他端部には、留め具21が取り付けられている。留め具21は、ベルト40に取付可能なものである。
(巻取装置30)
巻取装置30は、紐20を巻き取るとともに、当該紐20を巻き取る方向に張力を発生させるためのものである。
【0046】
また、巻取装置30には、図2に示すように、人間の首からぶら下げるための首掛け部31を設けている。
具体的には、巻取装置30は、図示しないが、紐20を巻き取るリールを内蔵する。リールは、ゼンマイ等のバネ力を使用して、常時は巻き取り方向に付勢することで張力を発生させている。
【0047】
なお、張力を、ゼンマイのバネ力により発生させたが、これに限定されず、ゼンマイ以外のコイルバネや板バネ等のバネを使用しても良いし、或いはゴム等を使用しても良い。
使用時には、巻取装置30から紐20を所要長、例えば40cm引き出して使用する。紐20を40cm引き出すと、紐20の長さが40cmにロックされる。40cmのロック位置から、紐20を更に引き出すと、40cmのロック位置迄、巻き取ろうとするバネ力が働く。
【0048】
紐20を収納するときには、図示しないが、ロック解除ボタンを操作すると、バネ力により、留め具21の位置まで紐20をリールに巻き戻すことができる。
また、巻取装置30には、図1に示すように、次のパーツを内蔵する。
なお、次の(1)〜(5)については、後述する。
(1)紐伸長検出装置50
(2)タイマー装置60
(3)警告装置70
(4)電源80
(5)電源スイッチ90
なお、巻取装置30のパーツは、上記した(1)〜(5)に限定されず、他のパーツを内蔵させても良いし、或いはタイマー装置60、警告装置70、電源80、電源スイッチ90を内蔵させずに、外付けとしても良い。
(紐伸長検出装置50)
紐伸長検出装置50は、深呼吸をするときに身体が反ることにより、紐20が予め設定された伸長値を超えたことを検出するものである。
【0049】
伸長値は、例えば10mmとしている。伸長値を10mmとしたのは、深呼吸以下の通常の呼吸や、歩行時等のような軽度な身体の動きを除くためである。
なお、伸長値として、「10mm」を例示したが、これに限定されない。なお、伸長値を、スイッチを使用して調整できるようにしても良い。
(タイマー装置60)
タイマー装置60は、図1に示すように、巻取装置30の紐伸長検出装置50に接続され、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒をカウントし、カウント値が当該深呼吸の間隔を超えた場合に、タイムアウト信号を出力するとともに、紐伸長検出装置50から出力される検出信号にもとづいてカウント値をリセットするものである。
【0050】
また、タイマー装置60は、リセットした場合に、警告装置70にリセット信号を出力するようにしている。
なお、深呼吸の間隔として、「60秒」を例示したが、これに限定されない。また、深呼吸の間隔を、スイッチを使用して調整できるようにしても良い。
(警告装置70)
警告装置70は、図1に示すように、タイマー装置60に接続され、タイマー装置60から出力されたタイム・アウト信号を入力したことを条件に、紐20を装着した人間に警告を出力するためのものである。
【0051】
また、警告装置70は、警告の出力後、タイマー装置60から出力されたリセット信号を入力する迄の間、予め設定された所定の間隔、例えば10秒毎に、警告を継続して出力するようにしている。
なお、所定の間隔として、「10秒」を例示したが、これに限定されない。所定の間隔を、スイッチを使用して調整できるようにしても良い。
【0052】
具体的には、警告装置70には、図1に示すように、次のパーツを内蔵する。
なお、次の(1)〜(2)については、後述する。
(1)バイブレーション装置71
(2)警告音発生装置72
なお、警告装置70のパーツは、上記した(1)〜(2)に限定されず、(1)と(2)とのいずれか一方を単独で内蔵させても良いし、或いは他のパーツを内蔵させても良いし、又、内蔵させずに、外付けとしても良い。
(バイブレーション装置71)
バイブレーション装置71は、紐20を装着した人間に振動を伝達するためのものである。
(警告音発生装置72)
警告音発生装置72は、紐20を装着した人間に警告音を伝達するためのものである。
【0053】
警告音は、例えば「ピー」等の電子音や、音声、音楽等を使用しても良い。
(電源80)
電源80は、図1に示すように、タイマー装置60、警告装置70に接続され、タイマー装置60、警告装置70に電力を供給するためのものである。
電源80としては、例えば一次電池(使いきりで、充電できない電池)や、二次電池(充電して何度でも使える電池)を使用する。
【0054】
なお、電源80は、電池に限定されない。
(電源スイッチ90)
電源スイッチ90は、図1に示すように、電源80と、タイマー装置60及び警告装置70との間に接続され、電源80からの電力の供給をオン・オフするためのものである。
(使用方法)
つぎに、上記した構成を備える深呼吸促進装置10の使用方法について、簡単に説明する。
【0055】
まず、巻取装置30の首掛け部31を、図2に示すように、首に掛けて巻取装置30を身体の前面にぶら下げる。
なお、巻取装置30を身体の背面に、ぶら下げるようにして使用しても良い。
つぎに、巻取装置30に巻き取られている紐20を所要長、引き出し、留め具21をベルト40、或いはズボンやスカート等の衣服に留め付ける。
【0056】
装着後、図1の電源スイッチ90をオンとする。
電源スイッチ90をオンとすると、タイマー装置60のカウントが開始される。
深呼吸促進装置10を装着した人が、深呼吸すると、巻取装置30から紐20が引き出される。
紐20が引き出されると、図1の紐伸長検出装置50により、紐20が引き出された長さが、予め設定された伸長値、例えば10mmを超えたか否かが検出される。
【0057】
10mmを超えていた場合には、紐伸長検出装置50から検出信号が出力される。
検出信号は、タイマー装置60に出力され、タイマー装置60は、検出信号を入力すると、カウント値をリセットする。このとき、タイマー装置60は、リセット信号を出力し、当該リセット信号は警告装置70に送信される。
一方、タイマー装置60が、予め設定された深呼吸の間隔、例えば60秒以内に、紐伸長検出装置50から出力された検出信号を入力しない場合には、タイムアウト信号を出力する。
【0058】
タイムアウト信号は、警告装置70に出力され、警告装置70は、タイムアウト信号を入力すると、深呼吸促進装置10を装着した人に警告を出力する。
すなわち、警告装置70は、バイブレーション装置71を作動させて、振動を発生させる。また、警告音発生装置72を作動させて、警告音を発生させる。
なお、振動と警告音とを同時に発生させたが、いずれか一方だけでも良い。
【0059】
警告の出力後、警告装置70は、タイマー装置60から出力されたリセット信号を入力する迄の間、予め設定された所定の間隔、例えば10秒毎に、警告を継続して出力する。
これに対し、警告装置70は、タイマー装置60から出力されたリセット信号を入力すると、警告の出力を停止させる。
(第2の実施の形態)
つぎに、図3を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0060】
本実施の形態の第1の特徴は、図3に示すように、紐20を胸部の周囲にループ状に回した点である。
すなわち、紐20の自由端である他端部を、胸部の周囲にループ状に回した後、巻取装置30に取り付けることができるようにしたものである。
本実施の形態の第2の特徴は、図3に示すように、巻取装置30に、肩掛け部32を設けた点である。
【0061】
すなわち、肩掛け部32の一端部を、巻取装置30に接続し、図示しないが、肩掛け部32の他端部を紐20の長さの途中に接続している。
なお、肩掛け部32に代えて、先に図2を用いて説明した第1の実施の形態で使用した首掛け部31を使用しても良い。
また、本実施の形態の説明においては、先に図1〜2を用いて説明した第1の実施の形態と同一の構成部分については、同一の符号を用いて説明を省略する。
(第3の実施の形態)
つぎに、図4を用いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0062】
本実施の形態の特徴は、図4に示すように、携帯型警告装置110を、巻取装置30から離して、携行することができるようにした点である。
すなわち、巻取装置30には、図4に示すように、次のパーツを内蔵する。
なお、巻取装置30のパーツは、次の(1)に限定されず、又、内蔵させずに、外付けとしても良い。
【0063】
(1)無線送信機100
無線送信機100は、図4に示すように、タイマー装置60に接続され、タイマー装置60から出力させるタイム・アウト信号を無線送信するためのものである。
(携帯型警告装置110)
携帯型警告装置110は、無線送信機100から送信されたタイム・アウト信号を受信可能な無線受信機111を有し、当該無線受信機111がタイム・アウト信号を受信したことを条件に、紐20を装着した人間に警告を出力するとともに、当該人間が携帯可能なものである。
【0064】
具体的には、携帯型警告装置110には、無線受信機111を除き、図4に示すように、次のパーツを内蔵する。
なお、携帯型警告装置110のパーツは、次の(1)〜(2)に限定されず、又、警告表示装置112や深呼吸情報記録装置113を内蔵させずに、外付けとしても良い。
(1)警告表示装置112
警告表示装置112は、紐20を装着した人間に視覚的に警告を伝達するためのものである。
【0065】
具体的には、警告表示装置112に、図示しないが、LED等のランプを使用している。
なお、警告表示装置112として、ランプを例示したが、これに限定されず、液晶ディスプレイ等を使用しても良い。
(2)深呼吸情報記録装置113
深呼吸情報記録装置113は、警告が出力された回数、間隔、時間等の深呼吸情報を記録するためのものである。
【0066】
なお、深呼吸情報として、警告が出力された回数、間隔、時間を例示したが、これに限定されず、深呼吸の回数、間隔、時間等であっても良い。
また、本実施の形態の説明においては、先に図1〜2を用いて説明した第1の実施の形態と同一の構成部分については、同一の符号を用いて説明を省略する。
(他の実施の形態)
つぎに、図示しないが、他の実施の形態について説明する。
【0067】
本実施の形態の特徴は、図示しないが、歩数計、その他の身体動作を記録する機器と、図1〜2を用いて前述した第1の実施の形態の深呼吸促進装置10や、図3を用いて前述した第2の実施の形態の深呼吸促進装置10、或いは図4を用いて前述した深呼吸促進装置10や携帯型警告装置110とを連結させて、深呼吸情報に加えて、歩数計等による他の身体の動作情報を記録できるシステムとした点である。
【0068】
本実施の形態によれば、歩数計としても併用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施の形態の一例を示し、同図は深呼吸促進装置の概略を説明するための概略ブロック図である。
【図2】深呼吸促進装置を身体に装着した状態を説明するための説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の一例を示し、同図は深呼吸促進装置を身体に装着した状態を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の一例を示し、同図は深呼吸促進装置の概略を説明するための概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0070】
(第1の実施の形態)
10 深呼吸促進装置
20 紐 21 留め具
30 巻取装置 31 首掛け部
40 ベルト
50 紐伸長検出装置 60 タイマー装置
70 警告装置
71 バイブレーション装置 72 警告音発生装置
80 電源 90 電源スイッチ
(第2の実施の形態)
32 肩掛け部
(第3の実施の形態)
100 無線送信機
110 携帯型警告装置
111 無線受信機 112 警告表示装置
113 深呼吸情報記録装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着する紐と、
深呼吸をするときに身体が反ることにより、前記紐が予め設定された伸長値を超えたことを検出するための紐伸長検出装置と、
予め設定された深呼吸の間隔をカウントし、カウント値が当該深呼吸の間隔を超えた場合に、タイムアウト信号を出力するとともに、前記紐伸長検出装置から出力される検出信号にもとづいて前記カウント値をリセットするためのタイマー装置と、
前記タイマー装置から出力されたタイム・アウト信号を入力したことを条件に、前記紐を装着した人間に警告を出力するための警告装置とを備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項2】
請求項1に記載の深呼吸促進装置であって、
前記タイマー装置は、
リセットした場合に、前記警告装置にリセット信号を出力し、
前記警告装置は、
警告の出力後、前記タイマー装置から出力されたリセット信号を入力する迄の間、予め設定された所定の間隔毎に、警告を継続して出力するようにしていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の深呼吸促進装置であって、
前記警告装置には、
前記紐を装着した人間に振動を伝達するためのバイブレーション装置を備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の深呼吸促進装置であって、
前記警告装置には、
前記紐を装着した人間に警告音を伝達するための警告音発生装置を備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の深呼吸促進装置であって、
前記紐の一端部には、
当該紐を巻き取るとともに、当該紐を巻き取る方向に張力を発生させるための巻取装置を備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項6】
請求項5に記載の深呼吸促進装置であって、
前記巻取装置には、
人間の首からぶら下げるための首掛け部を備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の深呼吸促進装置であって、
前記紐の自由端である他端部には、
ベルトに取付可能な留め具を備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項8】
身体に装着する紐と、
深呼吸をするときに身体が反ることにより、前記紐が予め設定された伸長値を超えたことを検出するための紐伸長検出装置と、
予め設定された深呼吸の間隔をカウントし、カウント値が当該深呼吸の間隔を超えた場合に、タイムアウト信号を出力するとともに、前記紐伸長検出装置から出力される検出信号にもとづいて前記カウント値をリセットするためのタイマー装置と、
前記タイマー装置から出力させるタイム・アウト信号を無線送信するための無線送信機と、
前記無線送信機から送信されたタイム・アウト信号を受信可能な無線受信機を有し、当該無線受信機がタイム・アウト信号を受信したことを条件に、前記紐を装着した人間に警告を出力するとともに、当該人間が携帯可能な携帯型警告装置とを備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。
【請求項9】
請求項8に記載の深呼吸促進装置であって、
前記携帯型警告装置には、
前記紐を装着した人間に視覚的に警告を伝達するための警告表示装置を備えていることを特徴とする深呼吸促進装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−220674(P2008−220674A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63914(P2007−63914)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(598115225)
【Fターム(参考)】