説明

混合ガス分離装置

【課題】本発明は、複数のガス分離膜モジュールを有するガス分離装置において、簡便な方法により運転条件の設定の変更が可能な装置を提供することを目的とする。
【解決手段】3本以上のガス分離膜モジュールと、全てのガス分離膜モジュールに接続される供給ガス用流路(流路1)と、全てのガス分離膜モジュールに接続される非透過ガス用流路(流路3)と、バルブと、を備え;前記バルブは、流路1および流路3上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられており、流路1上のバルブおよび流路3上のバルブを、同じモジュール間において閉じることにより、原料ガスが供給される第1ガス分離膜ユニットおよびこれと直列に接続された第2ガス分離膜ユニットを構成でき、各バルブの開閉を選択することにより、第1ガス分離膜ユニットおよび第2ガス分離膜ユニットを構成するそれぞれのガス分離膜モジュールの本数が調整可能であり;さらに、第1のガス分離膜ユニットから回収された非透過ガスを第2のガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路4)を備える、ガス分離装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のガス分離膜モジュールを有するガス分離装置において、簡便な方法により、2つの直列に接続されたガス分離膜ユニットを構成でき、かつ、各ガス分離膜ユニットに含まれるガス分離膜モジュールの本数を調整できるガス分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
混合ガスの分離方法として、高分子膜に対するガスの透過速度の差を利用した膜分離法があり、例えば、ガス分離膜を有するガス分離膜モジュールを用いる方法が知られている。ガス分離膜モジュールは、ガス選択透過性を有するガス分離膜を、ガス供給口、透過ガス排出口、非透過ガス排出口とを備えた容器内に、ガス分離膜のガス供給側とガス透過側の空間が隔絶されるようにして装着したものである。図1は、少なくともガス分離膜に対する透過性が高いガス(高透過ガス)とガス分離膜に対する透過性が低いガス(低透過ガス)を含む混合ガスを、ガス分離膜モジュールで分離する際のガスの流れを示した模式図である。図1(A)はボアフィード型、図1(B)はシェルフィード型のガス分離膜モジュールの模式図である(詳細は後述する)。ガス分離膜モジュールのガス供給口11から供給された混合ガスは、ガス分離膜モジュール内の中空糸膜14に接して流れる間に、高透過ガスを多く含むガス(透過ガス)が中空糸膜14を透過し、高透過ガスをより少なく含む、透過しなかった残りのガス(非透過ガス)とに分離される。透過ガスは透過ガス排出口12から排出され、非透過ガスは非透過ガス排出口13から排出される。ガス分離膜モジュールから排出される非透過ガスと透過ガスは、用途に応じて、一方のみまたは両方回収される。
【0003】
そして、ガスを高濃度、高回収率で回収するため、多段階に分離膜モジュールを備えた装置を用いる方法が知られている(特許文献1、2、3等)。この方法は、例えば、一段目の分離膜モジュールのガス供給口へ原料である混合ガスを供給し、排出された透過ガスまたは非透過ガスを二段目の分離膜モジュールに供給して、高濃度の高透過ガスまたは低透過ガスを回収する方法である。また、処理量を向上させる方法として、分離膜モジュールを複数本並列に接続したユニットとし、このユニットを多段階に直列に接続した方法も知られている(特許文献2等)。
【0004】
図2は、二段のユニットで非透過ガスを回収する従来のガス分離装置の一例である。一段目は混合ガス供給路(211)と透過ガス排出路(212)と非透過ガス回収路(213)の3本の流路と、3本のモジュール(221a、221b、221c)とを備え、流路211、212、213は、それぞれモジュール221a、221b、221cに分岐路を介して接続している。二段目は、一段目からの非透過ガスを供給する流路(215)と透過ガス排出路(216)と非透過ガス回収路(217)の3本の流路と、3本のモジュール(221d、221e、221f)とを備え、流路215、216、217は、それぞれモジュール221d、221e、221fに分岐路を介して接続している。さらに、流路213と流路215は流路214を介して連結されている。
【0005】
図2の装置においては、まず、供給口231から供給された混合ガスが、一段目の流路211から分岐路を通ってガス分離膜モジュール221a、221b、221cに供給され、各モジュール内で非透過ガスと透過ガスとに分離される。各モジュールの排出口から排出された非透過ガスは分岐路を通って非透過ガス回収路213に回収される。一方、透過ガスは透過ガス排出路212から排出される。
【0006】
回収された一段目の非透過ガスは、流路214を通って、二段目のガス供給路215からガス分離膜モジュール221d、221e、221fに供給される。そして、これらガス分離膜モジュール内で分離され排出された非透過ガスは、非透過ガス回収路217から回収される。これにより、二段階で分離、濃縮された低透過ガスが得られる。一方、二段目のガス分離膜モジュールから排出された透過ガスは、流路216に供給された後、原料からの回収率を高めるため、流路218を通って、原料供給口へリサイクルされる。
【0007】
バイオガス等の混合ガスの分離においては、原料の組成や量および製品ガスの質や量の需要に応じ、分離膜モジュールを用いて分離・濃縮する際の条件の大幅な変更が求められる場合がある。しかし、図2で示した従来の方法では、分離膜モジュールの本数が固定されているため、条件変更を行う際、原料の供給圧力や温度等を変えることでしか対応できず条件の大幅な変更に追従できなかった。したがって、大幅な条件変更に柔軟に対応できるようガス分離装置の更なる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−161187号公報
【特許文献2】特開平7−748号公報
【特許文献3】特開2007−254572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決し、条件設定の変更を容易に行うことができるガス分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の事項に関する。
【0011】
1. 3本以上のガス分離膜モジュールと、
全てのガス分離膜モジュールに接続される供給ガス用流路(流路1)と、
全てのガス分離膜モジュールに接続される非透過ガス用流路(流路3)と、
バルブと、
を備え;
前記バルブは、流路1および流路3上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられており、
流路1上のバルブおよび流路3上のバルブを、同じモジュール間において閉じることにより、原料ガスが供給される第1ガス分離膜ユニットおよびこれと直列に接続された第2ガス分離膜ユニットを構成でき、
各バルブの開閉を選択することにより、第1ガス分離膜ユニットおよび第2ガス分離膜ユニットを構成するそれぞれのガス分離膜モジュールの本数が調整可能であり;
さらに、第1のガス分離膜ユニットから回収された非透過ガスを第2のガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路4)を備える、ガス分離装置。
【0012】
2. さらに、全てのガス分離膜モジュールに接続される透過ガス用流路(流路2)と、前記流路2上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられたバルブを備える、上記1に記載のガス分離装置。
【0013】
3. さらに、前記第2のガス分離膜ユニットから排出された透過ガスを、前記第1のガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路5)を備える、上記2に記載のガス分離装置。
【0014】
4. さらに流路4上にバルブを有する、上記1または2に記載のガス分離装置。
【0015】
5. さらに流路4および流路5上にバルブを有する、上記3に記載のガス分離装置。
【0016】
6. さらに、前記流路4上に圧縮機を備える、上記1〜5のいずれか1項に記載のガス分離装置。
【0017】
7. さらに、前記流路3が分岐した流路6を有し、該流路6により第2のガス分離膜ユニットから回収された非透過ガスの一部を、第1のガス分離膜ユニットおよび/または第2のガス分離膜ユニット中にパージガスとして供給できる、上記1〜6のいずれか1項に記載のガス分離装置。
【0018】
8. 上記1〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置を、前記流路1および流路3上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。
【0019】
9. 上記2〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置を、前記流路1、流路2、および流路3上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。
【0020】
10. 上記4に記載のガス分離装置を、前記流路1および流路3上のガス分離膜モジュール間にあるバルブを全て開き、かつ、前記流路4上のバルブを閉じた状態で用いる、混合ガスの単段分離方法。
【0021】
11. 上記5に記載のガス分離装置を、前記流路1〜3上のガス分離膜モジュール間にあるバルブを全て開き、かつ、前記流路4および前記流路5上のバルブを閉じた状態で用いる、混合ガスの単段分離方法。
【0022】
12. 3本以上のガス分離膜モジュールと、
全てのガス分離膜モジュールに接続される供給ガス用流路(流路1)と、
全てのガス分離膜モジュールに接続される透過ガス用流路(流路2)と、
バルブと、
を備え;
前記バルブは、流路1および流路2上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられており、
流路1上のバルブおよび流路2上のバルブを、同じモジュール間において閉じることにより、前記ガス分離装置は第1ガス分離膜ユニットおよび第2ガス分離膜ユニットを構成でき、かつ、
各バルブの開閉を選択することにより、第1ガス分離膜ユニットおよび第2ガス分離膜ユニットを構成するそれぞれのガス分離膜モジュールの本数が調整可能であり;
さらに、第1ガス分離膜ユニットから回収された透過ガスを第2ガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路7)を備える、ガス分離装置。
【0023】
13. さらに、全てのガス分離膜モジュールに接続される非透過ガス用流路(流路3)と、前記流路3上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられたバルブを備える、上記12に記載のガス分離装置。
【0024】
14. さらに、第2ガス分離膜ユニットから排出された非透過ガスを第1ガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路8)を備える、上記13に記載のガス分離装置。
【0025】
15. 上記12〜14のいずれか1項に記載のガス分離装置を、前記流路1および流路2上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。
【0026】
16. 上記13または14に記載のガス分離装置を、前記流路1、流路2、および流路3上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、複数のガス分離膜モジュールを有するガス分離装置において、簡便な方法により、2つの直列に接続されたガス分離膜ユニットを構成でき、かつ、各ガス分離膜ユニットに含まれるガス分離膜モジュールの本数を調整できる装置を提供する。これにより、原料ガスの組成や製品ガスの需要に応じて、ガス分離を行う条件設定を大きく変更できる。また、本発明のガス分離装置は、単段でガス分離を行う場合やパージガスを供給する場合にも容易に使用でき、更に柔軟な条件設定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ボアフィード型ガス分離膜モジュール(A)およびシェルフィード型ガス分離膜モジュール(B)の構成の一例を示す。
【図2】従来のガス分離装置の構成の一例を示す。
【図3】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図4】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図5】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図6】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図7】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図8】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図9】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図10】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図11】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図12】本発明のガス分離装置の一例を示す。
【図13】実施例のガス分離装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<ガス分離装置の構造>
以下、本発明のガス分離装置について詳細に説明する。本発明は、ガス分離膜に対する透過性が低い低透過ガスを分離・濃縮する装置、およびガス分離膜に対する透過性が高い高透過ガスを分離・濃縮する装置のいずれにも関する。図3〜図12は、本発明のガス分離装置の構成の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。図3〜図10は、非透過ガス側を2段で回収する態様の例であり、図11、図12は透過ガス側を2段で回収する態様の例である。
【0030】
以下の実施態様におけるガス分離膜モジュールは、中空糸膜によって構成されている分離膜モジュールを例に説明する。中空糸膜によって構成されているガス分離膜モジュールとしては、いわゆるボアフィード型とシェルフィード型が知られている。例えば、ボアフィード型のガス分離膜モジュールにおいては、図1(A)に示すように中空糸膜の多数本(例えば、数百本から数十万本)を集束して中空糸束とし、その中空糸束を、少なくともガス供給口(11)、透過ガス排出口(12)、及び非透過ガス排出口(13)を有する容器(15)内に収納し、その中空糸束の両方の端部をエポキシ樹脂のような硬化性樹脂やポリアミド樹脂のような熱可塑性樹脂などで前記端部において中空糸膜が開口状態となるように容器15に固着して管板16aおよび16bを構成し、ガス供給口(11)からガスが供給されて中空糸膜(14)の内側を通って非透過ガス排出口(13)へ通じる空間(ガス非透過側)と、中空糸膜(14)の外側から透過ガス排出口(12)へ通じる空間(ガス透過側)とが隔絶するように構成されている。容器は、例えば、ステンレスなどの金属材料、プラスチック材料、繊維強化プラスチック材料などの複合材料で製造される。シェルフィード型ガス分離膜モジュールにおいては、例えば、図1(B)に示すように、中空糸束の一方の端部に管板が構成されており、ガス供給口(11)からガスが供給され非透過ガス排出口(13)へ通じるガス非透過側の空間が、中空糸膜(14)の外側であり、透過側排出口(12)へ通じるガス透過側の空間が、中空糸膜(14)の内側に構成されている。なお、以下の記載において、ガス分離膜モジュールを単にモジュールと記載することもある。
【0031】
<実施形態1>
図3のガス分離装置は、原料ガス供給口側を上流として、上流から下流へ一方向に並んだ6本のガス分離膜モジュール(341a〜341f)、供給ガス用流路(流路1)(311)、透過ガス用流路(流路2)(312)、非透過ガス用流路(流路3)(313)を備えている。流路1(311)、流路2(312)および流路3(313)は、それぞれ分岐点から分岐した分岐路を有し、この分岐路を介して各流路が6本のモジュールすべてに接続している。以下の説明では、モジュールの配置について、原料供給口に近い方を上流、遠い方を下流とする。すなわち、モジュール341aを最上流のモジュール、モジュール341fを最下流のモジュールとする。
【0032】
図3のガス分離装置の各流路においては、さらに、上記分岐点の間にそれぞれバルブが設けられている。すなわち、流路1上に5つのバルブ(321a〜321e)、流路2上に5つのバルブ(322a〜322e)、流路3上に5つのバルブ(323a〜323e)が設けられている。なお、図3〜図12において、黒塗りのバルブは閉じられていることを表し、白抜きのバルブは開けられていることを表す。
【0033】
ここで、図3においては、モジュール341bとモジュール341cとの間にある3つのバルブ(黒塗りの321b、322b、323b)が閉じられた場合が例示されている。これにより、流路1〜3はモジュール341bとモジュール341cとの間でそれぞれ分断される。そして、ガス分離装置内には、2本のガス分離膜モジュール(341aと341b)を含む第1のガス分離膜ユニット(301)と、4本のガス分離膜モジュール(341c〜341f)とを含む第2のガス分離膜ユニット(302)が構成される。バルブの開閉の際は、各ユニット間の透過ガスまたは非透過ガスが混合しないように、各流路上のバルブを同じモジュール間において閉じる(例えば、図3において、321b、322b、323bを閉じているように、各流路上の同じアルファベットを含むバルブを閉じる)。なお、以下の記載において、ガス分離膜ユニットを単にユニットと記載することもある。
【0034】
さらに、図3のガス分離装置は、流路4(314)と流路5(315)とを備える。流路4(314)は、流路3(313)上の分岐点(381)と、流路1(311)上の分岐点(382)とを連結する。分岐点(381)は、最上流のモジュール341aへの分岐路(333a)に分岐する流路3上の分岐点であり、分岐点(382)は、最下流のモジュール341fへの分岐路(331f)に分岐する流路1上の分岐点である。流路5(315)は、流路2(312)上の分岐点(383)と、流路1(311)上の点(384)とを連結する。分岐点(383)は、最下流のモジュール341fへの分岐路(332f)に分岐する流路2上の分岐点であり、点(384)は、流路1(311)上の原料供給口(351)より下流側で、かつ、最上流のモジュール341aへの分岐路(331a)に分岐する分岐点(371)より上流側に位置する点である。
【0035】
原料である混合ガスは、まず、供給口351から圧縮機361により加圧されて流路1(311)に供給され、上記第1ユニット内のモジュール(341aと341b)内の中空糸膜の内部を通過する。モジュール内で、混合ガスは、中空糸膜を透過したガス(透過ガス)と、中空糸膜を透過せずそのまま通過したガス(非透過ガス)とに分離され、非透過ガスは流路3(313)内に回収される。一方、透過ガスは流路2(312)を通って排出口352から排出または回収される。
【0036】
ここで、モジュール341aを通過するガスの流れについて説明する。供給口351から供給された原料の混合ガスは、流路1(311)上の分岐点(371)からの分岐路を通って、モジュール341aの中空糸膜内部に連通する供給口(372)からモジュール内に供給される。モジュール341a内の中空糸膜内をそのまま通過した非透過ガスは、モジュール341aの排出口(374)から排出され、分岐路を通って流路3(313)内に供給される。一方、透過ガスは、モジュール341aの排出口(373)から排出され、分岐路を通って流路2(312)に供給され、排出口352から排出される。この透過ガスは必要に応じて回収されてもよい。また、第1ユニットを構成するもう1本のモジュール341bにおけるガスの流れもモジュール341aと同様である。
【0037】
第1ユニットから流路3(313)に供給された非透過ガスは、流路4(314)を通って、第2ユニット内の流路1(311)に供給され、流路1の各分岐路から第2ユニット内のモジュール(341c〜341f)に供給される。そして、モジュール(341c〜341f)内の中空糸膜により、非透過ガスと透過ガスに分離され、非透過ガスは、流路3(313)内に供給され、回収口(354)から回収される。一方、透過ガスは、流路2(312)内に供給される。
【0038】
ここで、モジュール341fを通過するガスの流れについて説明する。第1ユニットから回収された非透過ガスは、流路4(314)を通って流路1に供給され、流路1からの分岐路を通ってモジュール341fの供給口(375)からモジュール341f内に供給される。モジュール341f内の中空糸膜内をそのまま通過した非透過ガスは、モジュール341fの排出口(377)から排出され分岐路を通って流路3内に供給され、回収口(354)から回収される。一方、モジュール341fからの透過ガスは排出口376から排出され分岐路を通って流路2(312)に供給される。また、第2ユニットを構成する他のモジュール341c〜341eにおけるガスの流れもモジュール341fと同様である。
【0039】
モジュール341c〜341fから排出される透過ガスは、上記のように分岐路を通って流路2(312)内に供給され、続いて、流路2(312)に連結した流路5(315)を通って流路1(311)上の点(384)から第1ユニットに供給される(すなわち、リサイクルされる)。このように透過ガスをリサイクルすることにより、原料からのガスの回収率を高めることができる。例えば、メタンガスと炭酸ガスを主成分として含むバイオガスを分離する場合、非透過ガスとして回収される低透過ガスであるメタンガスの回収率を高めるために、第2ユニットから排出された透過ガスを再度第1ユニットへ供給(リサイクル)することが好ましい。
【0040】
このように、本発明のガス分離措置においては、第1ガス分離膜ユニットと、第2ガス分離膜ユニットが直列に接続されているため、原料の混合ガスから2段階のガス分離工程を経て、高濃度の低透過ガスを回収することができる。そして、本発明においては、流路1、2、3の各分岐点の間にバルブを有しているので、設定条件によりバルブの開閉を選択し、第1のユニットと第2のユニットを構成するそれぞれのモジュールの本数を調整することが可能である。図4、図5はバルブの選択を変更して、第1ユニットと第2ユニットを構成するモジュールの本数を調整した一例である。
【0041】
図4は、図3と同様のガス分離装置において、閉じるバルブを321c、322cおよび323cに変更したことにより、第1ユニットも第2ユニットも3本のモジュールを含む構成となった場合を示す。このように、本発明によると、開閉するバルブを変更するのみで、各ユニットに含まれるモジュール数を簡便に調整することが可能である。
【0042】
図5は、図3と同様のガス分離装置において、6つのバルブ321b、322b、323b、321c、322cおよび323cを閉じたことにより、モジュール341cにはガスが供給されず、第1のユニットは、モジュール2本(341aと341b)を含み、第2のユニットは、モジュール3本(341d、341e、341f)を含む構成となった場合を示す。このように、本発明のガス分離装置は、製品需要に合わせて使用するモジュールの本数を減らすことも可能であり、より広い条件に適合することが可能である。
【0043】
<実施形態2>
図6は、図3のガス分離装置の構成要素のうち、流路5を有しないガス分離装置を示す。この場合、第2ユニットから排出された透過ガスがリサイクルされず、排出口353から排出される以外は、上記実施形態1と同様である。また、上記実施形態1と同様、第1ユニットと第2ユニットを構成するモジュールの本数はバルブの開閉の選択のみにより簡便に調整可能である。図6の装置において、第1ユニットおよび第2ユニットからのいずれの透過ガスも回収せずに排出する場合、または、第1ユニットおよび第2ユニットからの透過ガスを併せて回収する場合は、流路2(312)が分断されなくてもよいため、流路2(312)上のバルブ(322a、322b、322c、322d、322e)を閉じなくてもよく、また、これらバルブを設けなくてもよい。全ての透過ガスを回収せずに排出する場合には、流路2(312)を設けなくても良い。
【0044】
<実施形態3>
図7は、図3のガス分離装置の構成要素に加え、さらに流路4上に圧縮機(362)が設けられた装置を示す。これにより、第1のユニットから回収された非透過ガスを、圧縮機により加圧された状態で第2のユニットに供給することができる。実施形態3においても、上記実施形態1と同様に、バルブの開閉の選択により各ユニットを構成するモジュールの本数を簡便に調整できる。また、実施形態2のように、流路5を有しない構成であってもよい。
【0045】
<実施形態4>
図8は、単段でガス分離を行うこともできる装置であり、図3のガス分離装置の構成要素に加え、2つのバルブ(324、325)が設けられている。このバルブ324と325を閉じることにより、流路1、2、3内にはガスが通過するが、流路4および流路5にはガスが通過しない構造となる。バルブ324は流路1と流路4との連結を分断できればよく、流路4上に設けられる。バルブ325は流路2と流路5との連結が分断できればよく、流路5上に設けられる。バルブ324と325を閉じて、他のバルブは開いた状態にすると、2つのユニットは構成されず、全モジュールを用いた単段のガス分離装置とすることができる。このように、本発明のガス分離装置は、バルブの開閉の選択のみで、実施形態1で説明した2段構成の使用に加えて単段での使用も可能である。
【0046】
<実施形態5>
図9、図10は、第2ユニットから回収された非透過ガス(製品ガス)の一部をパージガスとして使用することができるガス分離装置を示す。図9および図10においては、上記図3の装置の構成要素に加え、さらに流路3(313)の第2ユニット側(第2ユニットの非透過ガス回収口側)が分岐した流路6(316)を有している。流路6は、分岐路を介して各モジュール内の中空糸膜の透過側(外側)に連通するパージガス供給口に接続している。そして、流路6上のモジュールへの分岐点の間にはそれぞれバルブが設けられており(326a〜326e)、さらに、2つのバルブ327と328が設けられている。
【0047】
図9に、第2ユニットから回収された非透過ガスの一部を第2ユニットのパージガスとして使用する状態を示す。バルブ326a〜326eのうち、流路1〜3上のバルブと同じモジュール間のバルブ(黒塗りの326b)が閉じられて流路6がモジュール341bと341cの間で分断されている。さらに、バルブ327が開けられ、バルブ328が閉じられている。これにより、第2ユニットから回収された非透過ガスの一部が、第2ユニットを構成する4本のモジュール(341c〜341f)内のガス分離膜の透過側にパージガスとして供給される。
【0048】
一方、図10に示す使用状態では、バルブ327と238の開閉が図9の場合と逆で、バルブ327が閉じられ、バルブ328が開けられている。これにより、第2ユニットから回収された非透過ガスの一部が、第1ユニットを構成する2本のモジュール(341aと341b)内のガス分離膜の透過側にパージガスとして供給される。
【0049】
図9および図10の装置においても、他の実施形態と同様、バルブの開閉を選択することにより、簡便に各ユニットを構成するモジュールの本数を調整できる。
【0050】
<実施形態6>
図11は、透過ガスを2段で分離・濃縮する装置である。この装置は、高透過ガスを製品として得る目的に使用することができるが、低透過ガスを製品として得る場合において、低透過ガスの回収率を上げる目的に使用することもできる。図11の装置は、6本のガス分離膜モジュール(341a〜341f)、供給ガス用流路(流路1)(311)、透過ガス用流路(流路2)(312)、非透過ガス用流路(流路3)(313)およびバルブを、図3の装置と同様に備えている。さらに、図11の装置は、図3の装置内の流路4に代えて、流路7(317)を備える。流路7は、流路2(312)上の最上流のモジュール341aへの分岐点と、流路1(311)上の最下流のモジュール341fへの分岐点とを連結する。流路7上には圧縮機(363)が設けられていることが好ましい。
【0051】
第1ユニット内のモジュール(341a、341b)から排出された透過ガスは、流路2(312)に供給された後、流路7(317)を通って第2ユニット内のモジュール(341c〜341f)の中空糸膜内部に連通する供給口に供給される。第2ユニット内のモジュールから排出された透過ガスは、流路2の排出口(353)から回収される。これにより、2段階で濃縮された高濃度の高透過ガスが得られる。
【0052】
非透過ガスについては、第1ユニットから排出された非透過ガス、第2ユニットから排出された非透過ガスをそれぞれ排出口355、354から別々に回収してもよいし、どちらか一方のみ回収してもよい。また、第1ユニットおよび第2ユニットからの非透過ガスを併せて回収する場合、または、いずれの非透過ガスも回収せずに排出する場合は、流路3上のバルブ(323a〜323e)を閉じなくてもよく、また、これらバルブを設けなくてもよい。全ての非透過ガスを回収せずに排出する場合には、流路3(313)を設けなくてもよい。
【0053】
図11のガス分離装置においても実施態様1と同様、バルブの開閉の選択のみで、第1ユニットおよび第2ユニットを構成するモジュールの本数を簡便に調整できる。また、実施態様4および5と同様、さらにバルブを設けることにより、単段で使用したり、パージガスを供給したりすることもできる。
【0054】
<実施形態7>
図12は、図11のガス分離装置の構成要素に加えて、流路8(318)を備えた装置である。流路8は、流路3上の最下流のモジュール341fへの分岐点と、流路1上の原料供給口351と最上流のモジュール341aへの分岐点との間に位置する点とを連結する。この装置において、第2ユニット内のモジュール(341c〜341f)から排出された非透過ガスは、流路8(318)を通って流路1内に供給(リサイクル)される。このように、非透過ガスをリサイクルすることにより、原料からの高透過ガスおよび低透過ガスの回収率を高めることができる。
【0055】
実施形態7においても、実施形態1と同様、第1ユニットと第2ユニットを構成するモジュールの本数はバルブの開閉の選択のみにより簡便に調整可能である。また、流路7上に圧縮機が設けられてもよい。また、実施態様4および5と同様、さらにバルブを設けることにより、単段で使用したり、パージガスを供給したりすることもできる。
【0056】
本発明の装置内のモジュールは、3本以上のモジュールを備えていればよく、特に制限はない。
【0057】
上記では、ガス分離膜として中空糸膜を用いた場合を説明したが、本発明のガス分離装置内のガス分離膜は、スパイラル型でもよく、平膜などでもよい。中空糸としては、厚みが薄く径が小さい多数本の中空糸が、小型装置でも高膜面積にできて分離効率を高めることができ、経済的でもあり好ましい。前記中空糸は、例えば、膜厚は10〜500μmで外径は50〜2000μmのものが挙げられるが、特に限定はされない。また、ガス分離膜は、均質性でもよく、複合膜や非対称膜などの不均一性でもよく、また微多孔性でも非多孔性でもよい。
【0058】
ガス分離膜は、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、セルロース系ポリマーなどのポリマー材料、ゼオライトなどのセラミックス材料などで形成されたものを挙げることができる。ポリイミドで形成されたガス分離膜としては、例えば、芳香族ポリイミド中空糸分離膜が好ましく、芳香族ポリイミド非対称中空糸分離膜がより好ましい。
【0059】
ガス分離膜モジュールの形態は特に限定はなく通常用いられているものが使用できる。中空糸束の配糸形態としては、平行配列、交叉配列、織物状、スパイラル状などが挙げられる。また中空糸束は略中心部に芯管を備えていてもよく、中空糸束の外周部にフィルムが巻き付けられていてもよい。更に中空糸束の形態は円柱状、平板状、角柱状などでよく、容器内に前記形態のままで、又はU字状に折り曲げたり、スパイラル状に巻き付けて収納してもよい。
【0060】
本発明によると、供給される混合ガスの条件が変動した場合においても、混合ガスに含まれる成分のうち、特定の成分を、高濃度かつ高回収率で分離回収することができる。例えば、メタンガスと炭酸ガスを主成分として含むバイオガスを分離して高濃度メタンガスを高い回収率で回収することができる。また、ヘリウムまたは水素を含むガスから、それぞれヘリウムまたは水素を分離回収することができる。特に、バイオガスは、その発生量が変動することが多いため、本発明の装置を用いると、第一段と第二段を構成するモジュールの本数を調整でき、条件設定が行いやすいため好ましい。
【実施例】
【0061】
次に、実施例によって本発明を更に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
<実施例1>
メタンガス60mol%と炭酸ガス40mol%含むバイオガスを原料とし、図13に示した構成を有するガス分離装置を用いた場合について検討した。該ガス分離装置は、2つのガス分離膜ユニット(1段目と2段目)が直列に接続された構成を有している。本実施例で使用したガス分離膜モジュールは、ガス分離膜の炭酸ガスの透過速度(P’CO2)が26.4×10−5Ncc/cm・s・cmHg、メタンガスの透過速度(P’CH4)が1.7×10−5Ncc/cm・s・cmHgであり、1本あたりのガス分離膜面積が11mである。ガス分離装置において、1段目のガス分離膜ユニットにはモジュールが4本、2段目のガス分離膜ユニットにはモジュールが7本備えられ、原料を170Nm/hの流量で供給した場合について、回収されるメタンガス(非透過ガス)の濃度とメタンガスの回収率を算出した。その結果、回収されるメタンガスの濃度は95.3mol%、メタンガスの回収率は88.7%であった(表1参照)。以下の実施例および参考例では95mol%以上の濃度のメタンガスを得ることを目標とした。
【0063】
<参考例1>
原料の流量を200Nm/hの流量に増加させた以外は、実施例1と同様の条件でガス分離を行う場合について算出した。結果を表1に示す。原料の流量を増加した場合には、回収されるメタンガスの濃度が低下することが示された。
【0064】
<実施例2>
分離膜ユニットを構成するモジュールの本数を調整した以外は、参考例1と同様の条件の場合についてメタンガスの濃度と回収率を算出した。算出結果を表1に示す。モジュールの本数を調整した結果、高濃度のメタンガスを得ることができた。
【0065】
<参考例2>
原料の濃度を150Nm/hの流量に減少させた以外は、実施例1と同様の条件でガス分離を行う場合について算出した。結果を表1に示す。原料の流量を減少した場合には、目標のメタンガス濃度は達成できるものの回収されるメタンガスの収率が低下することが示された。
【0066】
<実施例3>
分離膜ユニットを構成するモジュールの本数を調整した以外は、参考例2と同様の条件の場合についてメタンガスの濃度と回収率を算出した。算出結果を表1に示す。モジュールの本数を調整した結果、高いメタンガス濃度を維持しつつ、メタンガスの回収率が向上した。
【0067】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によると、複数のガス分離膜モジュールを備えるガス分離装置において、簡便な方法により、2つの直列に接続されたユニットを構成でき、かつ、各ユニットに含まれるモジュールの本数を調整できる装置を提供できる。これにより、原料ガスの組成や供給量に応じて運転条件を柔軟に変更できる。
【符号の説明】
【0069】
11 ガス供給口
12 透過ガス排出口
13 非透過ガス排出口
14 中空糸膜
15 容器
16a、16b 管板
211、215 供給ガス用流路
212、216 透過ガス用流路
213、217 非透過ガス用流路
214 流路
221a〜221f ガス分離膜モジュール
301 第1ガス分離膜ユニット
302 第2ガス分離膜ユニット
311 流路1
312 流路2
313 流路3
314 流路4
315 流路5
316 流路6
317 流路7
318 流路8
321a〜321e、322a〜322e、323a〜323e、324〜328 バルブ
331a、332a、333a、331f、332f、333f 分岐路
341a〜341f ガス分離膜モジュール
351 原料ガス供給口
352、353 透過ガス排出口
354 非透過ガス回収口
361、362、363 圧縮機
371 分岐点
372、375 ガス供給口
373、376 透過ガス排出口
374、377 非透過ガス排出口
381〜383 分岐点
384 流路上の点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3本以上のガス分離膜モジュールと、
全てのガス分離膜モジュールに接続される供給ガス用流路(流路1)と、
全てのガス分離膜モジュールに接続される非透過ガス用流路(流路3)と、
バルブと、
を備え;
前記バルブは、流路1および流路3上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられており、
流路1上のバルブおよび流路3上のバルブを、同じモジュール間において閉じることにより、原料ガスが供給される第1ガス分離膜ユニットおよびこれと直列に接続された第2ガス分離膜ユニットを構成でき、
各バルブの開閉を選択することにより、第1ガス分離膜ユニットおよび第2ガス分離膜ユニットを構成するそれぞれのガス分離膜モジュールの本数が調整可能であり;
さらに、第1のガス分離膜ユニットから回収された非透過ガスを第2のガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路4)を備える、ガス分離装置。
【請求項2】
さらに、全てのガス分離膜モジュールに接続される透過ガス用流路(流路2)と、前記流路2上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられたバルブを備える、請求項1に記載のガス分離装置。
【請求項3】
さらに、前記第2のガス分離膜ユニットから排出された透過ガスを、前記第1のガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路5)を備える、請求項2に記載のガス分離装置。
【請求項4】
さらに、流路4上にバルブを有する、請求項1または2に記載のガス分離装置。
【請求項5】
さらに、流路4および流路5上にバルブを有する、請求項3に記載のガス分離装置。
【請求項6】
さらに、前記流路4上に圧縮機を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス分離装置。
【請求項7】
さらに、前記流路3が分岐した流路6を有し、該流路6により第2のガス分離膜ユニットから回収された非透過ガスの一部を、第1のガス分離膜ユニットおよび/または第2のガス分離膜ユニット中にパージガスとして供給できる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス分離装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置を、前記流路1および流路3上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。
【請求項9】
請求項2〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置を、前記流路1、流路2、および流路3上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。
【請求項10】
請求項4に記載のガス分離装置を、前記流路1および流路3上のガス分離膜モジュール間にあるバルブを全て開き、かつ、前記流路4上のバルブを閉じた状態で用いる、混合ガスの単段分離方法。
【請求項11】
請求項5に記載のガス分離装置を、前記流路1〜3上のガス分離膜モジュール間にあるバルブを全て開き、かつ、前記流路4および前記流路5上のバルブを閉じた状態で用いる、混合ガスの単段分離方法。
【請求項12】
3本以上のガス分離膜モジュールと、
全てのガス分離膜モジュールに接続される供給ガス用流路(流路1)と、
全てのガス分離膜モジュールに接続される透過ガス用流路(流路2)と、
バルブと、
を備え;
前記バルブは、流路1および流路2上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられており、
流路1上のバルブおよび流路2上のバルブを、同じモジュール間において閉じることにより、前記ガス分離装置は第1ガス分離膜ユニットおよび第2ガス分離膜ユニットを構成でき、かつ、
各バルブの開閉を選択することにより、第1ガス分離膜ユニットおよび第2ガス分離膜ユニットを構成するそれぞれのガス分離膜モジュールの本数が調整可能であり;
さらに、第1ガス分離膜ユニットから回収された透過ガスを第2ガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路7)を備える、ガス分離装置。
【請求項13】
さらに、全てのガス分離膜モジュールに接続される非透過ガス用流路(流路3)と、前記流路3上のガス分離膜モジュールに接続される分岐点の間に設けられたバルブを備える、請求項12に記載のガス分離装置。
【請求項14】
さらに、第2ガス分離膜ユニットから排出された非透過ガスを第1ガス分離膜ユニットに供給するためのガス流路(流路8)を備える、請求項13に記載のガス分離装置。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか1項に記載のガス分離装置を、前記流路1および流路2上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。
【請求項16】
請求項13または14に記載のガス分離装置を、前記流路1、流路2、および流路3上のそれぞれ1つ以上のバルブを同じモジュール間において閉じた状態で用いる、混合ガスの分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−17939(P2013−17939A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152380(P2011−152380)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】