説明

混合媒体発電システム及び混合媒体発電方法

【課題】出力変動の大きな熱源を利用する場合であっても、高効率で安定した発電を維持することができる混合媒体発電技術を提供する。
【解決手段】混合媒体発電システム10は、低沸点媒体及び高沸点媒体を含む混合媒体の収容タンク12と、第1熱源11から前記混合媒体に熱伝達する第1熱交換器15と、前記熱伝達された混合媒体を気相と液相に分離する第1セパレータ16と、タービン17で仕事をした前記気相の凝縮液を保持し収容タンク12に戻す前記混合媒体の第1濃度調整部20a(20)と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低沸点媒体及び高沸点媒体を含む混合媒体に外部から熱エネルギーを付与し発電を行う混合媒体発電技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地熱や太陽熱など再生可能エネルギーの活用が加速されている。より低温の熱源にも適用可能なサイクルとして、低沸点媒体を用いたランキンサイクルや、低沸点媒体及び高沸点媒体を用いた混合媒体サイクルが用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−88892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、再生可能エネルギーの熱源の出力変動が大きい場合は、全体として発電効率の低下が避けられない課題がある。このために、熱源の出力状況に連動して、サイクルを最適化させることが望まれる。また、地熱以外に太陽熱を熱源として組み合わせている場合には、熱出力が日変動することとなるため、この日変動に合わせてサイクルを最適化させることが望まれる。さらには、既存のプラントに大規模は改造を伴うことなく適用可能であることが望まれる。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、非共沸性の混合媒体を用い、この混合媒体の濃度を調整することによりサイクルを最適化させる混合媒体発電技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
混合媒体発電システムにおいて、低沸点媒体及び高沸点媒体を含む混合媒体の収容タンクと、第1熱源から前記混合媒体に熱伝達する第1熱交換器と、前記熱伝達された混合媒体を気相と液相に分離する第1セパレータと、タービンで仕事をした前記気相の凝縮液を保持し前記収容タンクに戻す前記混合媒体の第1濃度調整部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、出力変動の大きな熱源を利用する場合であっても、高効率で安定した発電を維持することができる混合媒体発電技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の混合媒体発電システムの第1実施形態を示すブロック図。
【図2】混合媒体の気液平衡曲線図。
【図3】本発明の混合媒体発電システムの第2実施形態を示すブロック図。
【図4】本発明の混合媒体発電システムの第3実施形態を示すブロック図。
【図5】本発明の混合媒体発電システムの第4実施形態を示すブロック図。
【図6】本発明の混合媒体発電システムの第5実施形態を示すブロック図。
【図7】本発明の混合媒体発電システムの第6実施形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態の混合媒体発電システム10は、低沸点媒体及び高沸点媒体を含む混合媒体の収容タンク12と、第1熱源11から前記混合媒体に熱伝達する第1熱交換器15と、前記熱伝達された混合媒体を気相と液相に分離する第1セパレータ16と、タービン17で仕事をした前記気相の凝縮液を保持し収容タンク12に戻す前記混合媒体の第1濃度調整部20a(20)と、を備えている。
【0010】
さらに、混合媒体発電システム10は、収容タンク12から第1熱交換器15に向かって混合媒体を送出させるポンプ13と、第1セパレータ16で分離した液相により第1熱交換器15の前段で混合媒体を加熱する加熱器14と、タービン17の排気を冷却して凝縮液にする冷却器18と、を備えている。
【0011】
そして、第1濃度調整部20a(20)は、凝縮液を貯留するバッファタンク22a(22)と、このバッファタンク22a(22)から凝縮液を収容タンク12に送出させるバルブ21a(21)と、を有している。
さらに、第1濃度調整部20a(20)は、バッファタンク22a(22)の前段にバルブ23a(23)が設けられている。このバルブ23a(23)は、開放すると冷却器18から凝縮液を第1濃度調整部20a(20)に導き、閉止すると凝縮液はバイパス25a(25)を経由して収容タンク12に直接導かれる。
なお、バルブ23及びバイパス25は、必須の構成要素ではなく、これらを設置しない場合もありうる。
【0012】
ここで、第1熱源11は、火山地帯における地熱等を利用するものが一般的であるが、混合媒体を気化させるのに充分な熱エネルギーを放出するものであれば、適宜利用することができる。
また、混合媒体は、沸騰する際に低沸点媒体と高沸点媒体との比率が液相及び気相においてそれぞれ異なる、非共沸性のものが採用される。具体的には、低沸点媒体としてアンモニアを、高沸点媒体として水を用いる二元系のものが挙げられるが、このような組成に限定されるものではなく、三元系以上のものを用いても良い。
【0013】
このように混合媒体発電システム10が構成されることにより、収容タンク12に収容されている液状の混合媒体は、ポンプ13で送出されて、加熱器14で余熱された後に第1熱交換器15に供給される。この第1熱交換器15で混合媒体は、第1熱源11の熱供給により昇温し、気相と液相の混ざり合った二相体となる。
この二相体は、第1セパレータ16において、低沸点媒体リッチな気相と高沸点媒体リッチな液相とに分離される。
【0014】
このうち、分離された液相は、加熱器14に送出され、上述したように収容タンク12から送出された混合媒体を加熱する。そして、熱を失って温度低下した液相は、収容タンク12に戻される。
【0015】
他方、第1セパレータ16で分離された気相は、タービン17へ導かれ、タービンローターを回転させる仕事をして、気相の持つエネルギーを機械的な運動エネルギーに変換させる。なお、このタービン17における機械的な運動エネルギーは、発電機(図示略)において電気エネルギーに変換される。
このタービン17で仕事をした後の気相は、冷却器18を経由して凝縮液になった後に、濃度調整部20aに送られる。
【0016】
ここで、第1濃度調整部20aにおいて、バルブ21a,23aが閉止状態である場合、凝縮液はバイパス25aを通って収容タンク12に直行し、収容されている混合媒体の濃度は、発電期間において初期状態から一定に保たれることになる。
【0017】
また、第1濃度調整部20aにおけるバルブ23aを開放状態にしてバルブ21aを閉止状態にすることにより、バッファタンク22に凝縮液を一時的に保持させることができる。そして、低沸点媒体リッチな凝縮液の収容タンク12への戻りを抑制し、収容タンク12に収容される混合媒体の組成比を高沸点媒体リッチにすることができる。
【0018】
これにより、システム循環する混合媒体に対し、初期濃度よりも高沸点媒体側に偏った範囲で濃度調整することができる。
このように循環する混合媒体を高沸点媒体リッチに濃度調整することにより、第1熱源の熱出力が過剰方向に変動した場合であっても、熱交換効率の低下を抑制することができる。
【0019】
さらに、バッファタンク22aに予め低沸点媒体を封入しておき、バルブ23aを閉止状態にしてバルブ21aを開放状態にすることにより、収容タンク12に収容される混合媒体の組成比を低沸点媒体リッチにすることができる。
これにより、システム循環する混合媒体に対し、初期濃度よりも低沸点媒体側に偏った範囲で濃度調整することができる。
【0020】
このように循環する混合媒体を低沸点媒体リッチに濃度調整することにより、第1熱源の熱出力が減少方向に変動した場合であっても、熱交換効率の低下を抑制することができる。
このようにして、第1熱源11の出力条件が変動した場合であっても、第1濃度調整部20aの設定を変更することにより、混合媒体発電システム10の熱交換効率を最大に維持することができる。
【0021】
図2は、二元系の混合媒体の気液平衡曲線で、下側が沸騰曲線、上側が露点曲線を示している。
非共沸系の混合媒体は、混合媒体が低沸点媒体リッチになるに従い沸点が低下し、沸騰すると気相のほうが液相よりも低沸点媒体リッチな組成比となる。そして、第1熱源11の熱出力が減少変動した場合、混合媒体の組成比を低沸点媒体リッチに変更することで、その沸点と熱源温度との温度差を小さくして、熱交換効率を向上させることができる。
【0022】
ここで、熱源温度がTinからTin'に低下した場合について検討する。
初期の混合媒体が濃度mである場合、低下した熱源温度Tin'と露点温度Tdew(m)との差が小さくなり、もしくは図示するように熱源温度Tin'のほうが露点温度Tdew(m)よりも低くなり、有効な熱交換が行われない状態となってしまう。
そのため、混合媒体を濃度mから濃度m’に変更し、低沸点媒体リッチな組成比にすると、露点温度がTdew(m')に低下し熱源温度Tin'と有効な温度差を保つことができる。
【0023】
この際に混合媒体の濃度変更量は次のように求めることができる。熱源温度が低下する前は、媒体濃度mと熱源温度Tinの関係は次式(1)にようになっている。
in−Tp≧Tdew(m) (1)
[Tdew(m);濃度mの混合媒体の露点温度、Tp;ピンチ温度]
【0024】
ここで、熱源温度がTinからTin'に低下した場合、式(1)を満たさなくなる。そのため、混合媒体濃度をm'に変更し、露点温度をTdew(m')に低下させて次式(2)を充足させる。
in'−Tp≧Tdew(m') (2)
【0025】
その際、変更後のm'は、式(2)の他に、次式(3)を最大化させるような値にすることで、システム効率を最大化することができる。この式(3)は、第1熱源11の熱エネルギーがタービン17で動力変換される際の効率指標である。
AE(mL')/Lt(mL') (3)
[mL';Tin'で分離された気相の低沸点媒体濃度、AE;タービン17の熱落差(P1−P2)、Lt;混合媒体の潜熱]
【0026】
実際の運転において、バッファタンク22に保持される凝縮液の低沸点媒体濃度mLを計測することで、サイクルを循環する混合媒体の濃度mを求めることができる。
例えば、密度計等を用い、バッファタンク22に保持されている凝縮液の密度DLを計測することにより、次式(4)のようにあらかじめ作成された混合媒体の密度・成分濃度相関式M(DL)から、低沸点媒体濃度mLを得ることができる。
mL=M(DL) (4)
[mL;バッファタンク22に保持される凝縮液の低沸点媒体濃度、DL;この凝縮液の密度]
【0027】
また、式(4)のような密度・成分濃度相関式M(DL)が存在しない場合でも、式(5)のような内挿法により低沸点媒体濃度mLを求めることができる。
mL=(DL−DHsin)/(DLsin−DHsin) (5)
[DLsin;低沸点媒体の単体密度、DHsin;高沸点媒体の単体密度]
【0028】
このようにバッファタンク22に保持されている凝縮液の低沸点媒体濃度mLを式(4)又は(5)から得ることによって、次式(6)に従い、サイクルを循環する混合媒体の濃度mを求めることができる。
m=(W・mset−WL・mL+WL0)/(W−WL+WL0) (6)
[mset;低沸点媒体の初期濃度、W;混合媒体の総量、WL;バッファタンク22に保持される凝縮液の量、WL0;予め封入される低沸点媒体の量]
【0029】
このように、バッファタンク22に保持されている凝縮液の密度DLを計測し、式(4)(5)(6)から求められる低沸点媒体濃度mが、式(2)から求められる目標値m'となるように、バルブ21の開度をPID制御等して、サイクルにおける熱交換効率を維持することができる。
【0030】
(第2実施形態)
図3に示すように、第2実施形態の混合媒体発電システム10において、第1セパレータ16で分離された液相を保持して収容タンク12に戻す混合媒体の第2濃度調整部20bが設けられている。なお、図3において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、説明を省略する。
【0031】
ここで、第2濃度調整部20bにおいて、バルブ21b,23bが閉止状態である場合、液相はバイパス25bを通って収容タンク12に直行するが、バルブ23bを開放状態にしてバルブ21aを閉止状態にすることにより、バッファタンク22bに液相を一時的に保持させることができる。
そして、高沸点媒体リッチな液相の収容タンク12への戻りを抑制し、収容タンク12に収容される混合媒体の組成比を低沸点媒体リッチにすることができる。
【0032】
これにより、混合媒体の初期濃度よりも低沸点媒体側に偏った範囲において、システム循環する混合媒体の濃度調整を行うことができる。
このように循環する混合媒体を低沸点媒体リッチに濃度調整することにより、第1熱源の熱出力が減少方向に変動した場合であっても、熱交換効率の低下を抑制することができる。
【0033】
さらに、バッファタンク22bに予め高沸点媒体を封入しておき、バルブ23bを閉止状態にしてバルブ21bを開放状態にすることにより、収容タンク12に収容される混合媒体の組成比を高沸点媒体リッチにすることができる。
これにより、混合媒体の初期濃度よりも高沸点媒体側に偏った範囲において、システム循環する混合媒体の濃度調整を行うことができる。
このように循環する混合媒体を高沸点媒体リッチに濃度調整することにより、第1熱源の熱出力が過剰方向に変動した場合であっても、熱交換効率の低下を抑制することができる。
【0034】
第2実施形態の混合媒体発電システム10では、第1熱源11の出力変動に対し、第1濃度調整部20aと第2濃度調整部20bとが協同処理するために、第1濃度調整部20aのみで処理するよりも、それぞれの濃度調整部20の容量を小さく設計することができる。
【0035】
(第3実施形態)
図4に示すように、第3実施形態の混合媒体発電システム10において、タービン17の排出ガスの凝縮液を保持するバッファタンク22aには、低沸点媒体を外部から注入する注入手段24aが接続されている。また、第1セパレータ16で分離された液相を保持するバッファタンク22bには、高沸点媒体を外部から注入する注入手段24bが接続されている。なお、図4において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、説明を省略する。
【0036】
このように、第3実施形態の混合媒体発電システム10では、バッファタンク22(22a,22b)に保持される媒体の追加・削減を行うことで、システムを停止させることなく、システム循環する混合媒体の濃度を大きく変更させることができる。
【0037】
つまり、第1熱源11の出力が定常状態から大きく乖離した場合、バッファタンク22の容量の限界により、最大効率を得るための混合媒体の濃度調整が不能になってしまう。この場合、バッファタンク22に保持されている媒体を排出させたり、外部から低沸点媒体又は高沸点媒体を注入したりする機能をもたせることにより、混合媒体の濃度調整範囲を拡張することができる。
【0038】
(第4実施形態)
図5に示すように、第4実施形態の混合媒体発電システム10において、第2熱源30から熱伝達する第2熱交換器31a(31)が、第1熱源11及び第1熱交換器15を結ぶパスに設けられている。なお、図5において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、説明を省略する。
【0039】
第4実施形態は、太陽光等の第2熱源30を用い、第1熱源11から供給される熱媒体をさらに第2熱交換器31a(31)により加熱する構成とした。これにより、システム循環する混合媒体に伝達される熱量が増大し、気相の発生を増大させ、タービン17の仕事量を向上させることができる。
【0040】
一方において、太陽光等の第2熱源30を利用する第2熱交換器31が交換する熱エネルギーは、時間による変動が激しいために、システム循環させる混合媒体の濃度を適宜変化させ、熱源変動を吸収して安定化を図る必要がある。
【0041】
ここで、第1熱交換器15の入口温度Tin、その平均値Tinaveとすれば、変動温度ΔTは次式(7)のように示される。
ΔT=Tin−Tinave (7)
【0042】
よって、バッファタンク22に保持される液体量を変化させて、次式(8)を満たしつつ、次式(9)が最大値をとるように、循環する混合媒体における低沸点媒体の濃度m'を変動させる。これにより、第2熱源30の出力変動を吸収し安定した動作を実現することができる。
inave+ΔT−Tp≧Tdew(m') (8)
AE(mL')/Lt(mL') (9)
【0043】
太陽光等の第2熱源30を利用する第2熱交換器31は、例えば、タワー式集光形であれば最高で1000℃程度、トラフ式集光形であれば400℃程度の高温とすることができる。このために、出力変動が過剰方向に進む場合があり、この場合は、循環する混合媒体の濃度m'が高沸点媒体リッチになるように濃度調整部20を調整する必要がある。
【0044】
(第5実施形態)
図6に示すように、第5実施形態の混合媒体発電システム10において、第2熱源30から熱伝達する第2熱交換器31b(31)が、第1熱交換器15及び第1セパレータ16を結ぶパスに設けられている。さらに、第1セパレータ16で分離された気相の一部をタービン17の前段において分取し混合媒体に熱伝達する加熱器33を備えている。
なお、この加熱器33の後段には、濃度調整部20c(20)が設けられている。なお、図6において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、説明を省略する。
【0045】
第5実施形態においては、混合媒体は、システム循環の過程において、加熱器33及び第2熱交換器31bによりさらに加熱されることになる。これにより、第1セパレータ16で分離してタービン17に供給する気相の量を増大させることができる。
また、バルブ32の開閉動作により分取された気相の一部は、加熱器33で熱交換した後に、凝縮して液化して濃度調整部20c(20)に貯留される。
【0046】
(第6実施形態)
図7に示すように、第6実施形態の混合媒体発電システム10は、第1セパレータ16で分離された液相に第2熱源30から熱伝達する第2熱交換器31cと、この加熱された液相をさらに気相と液相に再分離する第2セパレータ34と、を備えている。
そして、この再分離した気相はタービン17に送られて仕事をするとともに、再分離した液相は収容タンク12に導かれることになる。
なお、図7において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、説明を省略する。
【0047】
第6実施形態では、高沸点媒体リッチな液相が、第1熱交換器15よりも高温設定される第2熱交換器31cで再加熱されることになる。したがって、第2熱交換器31cの設定温度と、高沸点媒体リッチな液相の沸点との温度差が小さくなるので、高効率な熱交換が実現される。
【0048】
本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、共通する技術思想の範囲内において、適宜変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
10…混合媒体発電システム、11…第1熱源、12…収容タンク、13…ポンプ、14…加熱器、15…第1熱交換器、16…第1セパレータ、17…タービン、18…冷却器、20a(20)…第1濃度調整部(濃度調整部)、20b(20)…第2濃度調整部(濃度調整部)、21(21a,21b)…バルブ、22a(22)…第1バッファタンク(バッファタンク)、22b(22)…第2バッファタンク(バッファタンク)、23(23a,23b)…バルブ、24(24a,24b)…注入手段、25(25a,25b)…バイパス、30…第2熱源、31(31a,31b,31c)…第2熱交換器、32…バルブ、33…加熱器、34…第2セパレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低沸点媒体及び高沸点媒体を含む混合媒体の収容タンクと、
第1熱源から前記混合媒体に熱伝達する第1熱交換器と、
前記熱伝達された混合媒体を気相と液相に分離する第1セパレータと、
タービンで仕事をした前記気相の凝縮液を保持し前記収容タンクに戻す前記混合媒体の第1濃度調整部と、を備えることを特徴とする混合媒体発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の混合媒体発電システムにおいて、
前記第1濃度調整部は、
前記凝縮液を貯留するバッファタンクと、
前記バッファタンクから前記凝縮液を前記収容タンクに送出させるバルブと、を有することを特徴とする混合媒体発電システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の混合媒体発電システムにおいて、
前記液相を保持して前記収容タンクに戻す前記混合媒体の第2濃度調整部を備えることを特徴とする混合媒体発電システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の混合媒体発電システムにおいて、
前記濃度調整部は、外部から前記低沸点媒体又は前記高沸点媒体を注入する注入手段に接続していることを特徴とする混合媒体発電システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の混合媒体発電システムにおいて、
前記第1セパレータで分離された気相の一部を前記タービンの前段において分取し前記混合媒体を加熱する加熱器を備えることを特徴とする混合媒体発電システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の混合媒体発電システムにおいて、
前記第1熱源及び前記第1熱交換器を結ぶパス、前記第1熱交換器及び前記第1セパレータを結ぶパスのうちのいずれかのパスに、第2熱源から熱伝達する第2熱交換器が設けられることを特徴とする混合媒体発電システム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の混合媒体発電システムにおいて、
前記第1セパレータで分離された液相に第2熱源から熱伝達する第2熱交換器と、
前記熱伝達された液相をさらに気相と液相に再分離する第2セパレータと、を備え、
この再分離した気相に前記タービンで仕事をさせることを特徴とする混合媒体発電システム。
【請求項8】
収容タンクから低沸点媒体及び高沸点媒体を含む混合媒体を送出するステップと、
第1熱源から前記混合媒体に熱伝達するステップと、
前記熱伝達された混合媒体を気相と液相に分離するステップと、
タービンで仕事をした前記気相の凝縮液を保持するステップと、
前記凝縮液を前記収容タンクに戻して前記混合媒体の濃度を調整するステップと、を含むことを特徴とする混合媒体発電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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