説明

混合容器

【課題】第1内容物と第2内容物とが流通段階で混合されるのを防止すること。
【解決手段】第1内容物Xが収容される容器本体2と、容器本体2の口部2aに装着された中栓3と、口部2aに着脱自在に装着され、口部2aおよび中栓3を覆う蓋体4と、を備え、中栓3は、容器本体2の内部と外部とを連通するとともに容器本体2の外部側の端部が注出口7とされた第1連通路18と、第2内容物Yが収容される収容室5と、第1連通路18と収容室5とを連通する第2連通路19と、第1連通路18内に配設され、注出口7と収容室5との連通を遮断する第1シール部20と、第1連通路18内に配設され、容器本体2の内部と収容室5との連通を遮断する第2シール部21と、を備え、蓋体4には、注出口7から第1連通路18に挿入可能で、かつ第1シール部20および第2シール部21を破断可能な破断部26が設けられている混合容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立して収容された第1内容物と第2内容物とを、注出時に混合させることが可能な混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の混合容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、第1内容物が収容される容器本体と、容器本体の口部に装着された装着体と、口部に着脱自在に装着され、口部および装着体を覆う蓋体と、を備える構成が知られている。
前記装着体は、第2内容物を収容する収容部材と、収容部材に装着された有頂筒状の注出部材と、を備えている。
前記収容部材は、口部内に嵌合されるとともに上端開口部内に前記注出部材が嵌合された外筒部と、内部が容器本体の内部に連通する有頂筒状の内筒部と、外筒部および内筒部の下端同士を連結する環状の底壁部と、を備えている。内筒部の外周面と外筒部の内周面との間には隙間があいており、内筒部の外周面、外筒部の内周面および底壁部の上面によって画成された空間が、第2収容物を収容する収容室となっている。
また前記蓋体の頂壁部には、下方に向けて穿刺部が突設されており、この穿刺部が、収容部材の内筒部、および注出部材それぞれの頂壁部を穿刺した状態で、蓋体が容器本体に装着され、この状態で流通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第534909号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の混合容器では、第1内容物と第2内容物とが流通段階で混合するおそれがあった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1内容物と第2内容物とが流通段階で混合するのを防止することができる混合容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る混合容器は、第1内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着された中栓と、前記口部に着脱自在に装着され、前記口部および前記中栓を覆う蓋体と、を備え、前記中栓は、前記容器本体の内部と外部とを連通するとともに前記容器本体の外部側の端部が注出口とされた第1連通路と、第2内容物が収容される収容室と、前記第1連通路と前記収容室とを連通する第2連通路と、前記第1連通路内に配設され、前記第2連通路を通した前記注出口と前記収容室との連通を遮断する第1シール部と、前記第1連通路内に配設され、前記第2連通路を通した前記容器本体の内部と前記収容室との連通を遮断する第2シール部と、を備え、前記蓋体には、前記注出口から前記第1連通路に挿入可能で、かつ前記第1シール部および前記第2シール部を破断可能な破断部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、中栓の第2シール部が、第1連通路内に配設され、第2連通路を通した容器本体の内部と収容室との連通を遮断しているので、容器本体内の第1内容物と収容室内の第2内容物とが、第1連通路および第2連通路を通して混合されることがない。また、このように第2シール部が第1連通路内に配設されているので、容器本体内の第1内容物が第1連通路を通して注出口から注出されることがない。さらに第1シール部が、第1連通路内に配設され、第2連通路を通した注出口と収容室との連通を遮断しているので、収容室内の第2内容物が第2連通路を通して注出口から注出されることがない。
【0008】
ここで、この混合容器を使用するときには、蓋体の前記破断部を、注出口から第1連通路に挿入する。このとき、まず破断部が第1シール部に押し当てられて第1シール部を破断した後、さらに破断部が第2シール部に押し当てられて第2シール部を破断する。その後、破断部を第1連通路から抜き出すと、注出口が、第1連通路および第2連通路を通して収容室に連通可能になるとともに、第1連通路を通して容器本体の内部に連通可能になる。
【0009】
そして、例えば注出口が下方を向くように容器本体を傾けると、容器本体内の第1内容物が、第1連通路を通して注出口から注出されるとともに、収容室内の第2内容物が、第2連通路および第1連通路を通して注出口から注出される。このように、第1内容物と第2内容物とが共通の注出口から注出されることで、混合されながら注出される。
【0010】
以上より、この混合容器によれば、使用時に、破断部によって第1シール部および第2シール部を破断することで、第1内容物と第2内容物とを混合しながら注出可能である一方、第1シール部および第2シール部を破断するまでは、第1内容物と第2内容物とが混合されるのを防ぐことができる。したがって、第1内容物と第2内容物とが流通段階で混合するのを防止することができる。
【0011】
また、前記中栓は、前記口部に着脱自在に装着された収容部材と、前記収容部材に装着された注出部材と、を備え、前記収容部材は、前記口部内に嵌合された外周壁部と、内部が前記容器本体の内部に連通する内周壁部と、前記外周壁部および前記内周壁部の下端同士を連結する底壁部と、を備え、前記収容室は、前記内周壁部の外周面、前記外周壁部の内周面および前記底壁部の上面によって画成され、前記注出部材は、下側部分が前記収容室の上端開口部に嵌合され該上端開口部を閉塞する閉塞筒部を備え、前記第1連通路は、前記内周壁部の径方向の内側と、前記閉塞筒部において下側部分よりも上側に位置する部分の径方向の内側と、で構成され、前記第2連通路は、前記内周壁部および前記閉塞筒部の少なくとも一方に形成された溝で構成されていても良い。
【0012】
この場合、第2連通路が、内周壁部および閉塞筒部の少なくとも一方に形成された溝で構成されているので、例えば、第2連通路を、内周壁部または閉塞筒部に形成された貫通孔で構成する場合に比べて、容易に形成することができる。
【0013】
また、前記第2連通路の前記第1連通路側の開口部における前記第1連通路の延在方向に沿った大きさは、前記第1シール部が前記破断部により破断されてなる破断片の長さよりも大きくなっていても良い。
【0014】
この場合、第2連通路の第1連通路側の開口部における前記延在方向に沿った大きさが、破断片の長さ(破断された後、第1連通路に進入する破断部によって前記延在方向に延在させられた状態での前記延在方向に沿った長さ)よりも大きくなっているので、第2連通路の第1連通路側の開口部の少なくとも一部が、破断片によって覆われることがない。したがって、第2連通路が第1連通路側から破断片によって閉塞されるのを抑制し、第1連通路および第2連通路を通した注出口と収容室との連通を確保し易くすることが可能になり、前述の作用効果を効果的に奏功させることができる。
【0015】
また、前記破断部の外径は、前記第1連通路の内周面のうち、前記第2連通路が開口する開口部分の径よりも小さくなっていても良い。
【0016】
この場合、破断部の外径が、第1連通路の前記開口部分の内径よりも小さくなっているので、第1シール部が破断部により破断されてなる破断片が、前記開口部分内に進入した場合であっても、前記開口部分の内周面と破断片との間に隙間が確保され易い。したがって、第2連通路が第1連通路側から破断片によって閉塞されるのを抑制し、第1連通路および第2連通路を通した注出口と収容室との連通を確保し易くすることが可能になり、前述の作用効果を効果的に奏功させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る混合容器によれば、第1内容物と第2内容物とが流通段階で混合するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る混合容器の縦断面図である。
【図2】図1に示す混合容器の要部の拡大断面図である。
【図3】図1に示す混合容器の第2連通路の斜視図である。
【図4】図1に示す混合容器の要部の縦断面図である。
【図5】図1に示す混合容器の要部の拡大断面図である。
【図6】図1に示す混合容器から主液および添加物を注出する様子を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る混合容器の要部の縦断面図である。
【図8】図7に示す混合容器の要部の縦断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る混合容器の要部の縦断面図である。
【図10】図9に示す混合容器の要部の縦断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る混合容器の要部の縦断面図である。
【図12】図11に示す混合容器の要部の縦断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る混合容器の要部の拡大断面図である。
【図14】図13に示す混合容器の要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る混合容器を説明する。
図1に示すように、混合容器1は、2種類の内容物をそれぞれ収容するとともにこれらの内容物を混合しながら注出する。内容物としては、主液(第1収容物)Xと、その主液Xに添加される添加物(第2収容物)Yと、が収容されている。主液Xは、例えば食品、化粧品、薬品などの液体であり、添加物Yは、例えば濃縮液や香料などの液体や固体(粒状物、粉状物等)である。
【0020】
この混合容器1は、主液Xが収容される容器本体2と、容器本体2の口部2aに装着された中栓3と、口部2aに着脱自在に装着され、口部2aおよび中栓3を覆う蓋体4と、を備えている。
なお本実施形態では、容器本体2および蓋体4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿った蓋体4側を上側といい、容器本体2側を下側といい、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0021】
容器本体2の口部2aの上端部は、段状に縮径されている。また、口部2aにおいて上端部よりも下側に位置する部分の外周面には、雄ねじ2bが形成されている。
中栓3は、添加物Yが収容される収容室5を有するとともに容器本体2の口部2aに装着された収容部材6と、収容部材6に装着されるとともに注出口7を有する注出部材8と、を備えている。
【0022】
収容部材6は、上端部が口部2a内に嵌合された外周壁部9と、内部が容器本体2の内部に連通する内周壁部10と、外周壁部9および内周壁部10の下端同士を連結する環状の底壁部11と、外周壁部9の上端に径方向の外側に向けて突設されるとともに口部2aの上端縁上に配設されたフランジ部12と、フランジ部12の外周縁から下方に向けて延設され、口部2aの上端部に外嵌した外嵌筒部13と、を備えている。これらの外周壁部9、内周壁部10、底壁部11、フランジ部12および外嵌筒部13は、容器軸Oと同軸に配設されている。
【0023】
図2に示すように、内周壁部10の上端は外周壁部9の上端よりも下方に位置している。また図示の例では、内周壁部10の上端部10aの内径は、容器軸O方向の全長にわたって同等とされるとともに、内周壁部10において上端部10aより下側に位置する部分は、上方から下方に向かうに従い漸次拡径している。
また図1に示すように、内周壁部10の外周面と外周壁部9の内周面との間には隙間があいており、内周壁部10の外周面、外周壁部9の内周面および底壁部11の上面によって画成され上方に向けて開口する環状の空間が、前記収容室5となっている。
【0024】
図2に示すように、注出部材8は、下側部分が収容室5の上端開口部に嵌合され収容室5の上端開口部を閉塞する閉塞筒部14と、閉塞筒部14の上端に径方向の外側に向けて突設されるとともに収容部材6の外周壁部9の上端縁上に配設されたフランジ部15と、閉塞筒部14の外周縁に下方に向けて延設され外周壁部9内に嵌合された嵌合筒部16と、を備えている。これらの閉塞筒部14、フランジ部15および嵌合筒部16は、容器軸Oと同軸に配設されている。
【0025】
閉塞筒部14において下側部分よりも上側に位置する上側部分には、径方向の内側に向けて全周にわたって張り出された筒状の張出部17が形成されている。張出部17の下端縁は、収容部材6の内周壁部10の上端縁上に配置されるとともに、張出部17の内径は、前記内周壁部10の上端部10aの内径よりも大きくなっている。
嵌合筒部16の内周面と内周壁部10の外周面との間には、隙間があいている。
【0026】
ここで図1に示すように、収容部材6の内周壁部10の径方向の内側と、注出部材8の張出部17の径方向の内側と、は、容器本体2の内部と外部とを連通する第1連通路18を構成している。そして、この第1連通路18における容器本体2の外部側の端部、つまり注出部材8の張出部17の上端開口部が前記注出口7となっている。第1連通路18は、容器軸O方向に沿って容器軸Oと同軸に配設されるとともに収容室5より径方向の内側に位置している。
【0027】
またこの中栓3には、第1連通路18と収容室5とを連通する第2連通路19と、第1連通路18内に配設され、第2連通路19を通した注出口7と収容室5との連通を遮断する第1シール部20と、第1連通路18内に配設され、第2連通路19を通した容器本体2の内部と収容室5との連通を遮断する第2シール部21と、が備えられている。
【0028】
第2連通路19は、収容部材6の内周壁部10の上端部10aに周方向に間隔をあけて複数形成されている。また図3に示すように、第2連通路19は、前記内周壁部10に形成された溝22、23、24で構成されている。図示の例では、第2連通路19は、前記内周壁部10の上端部10aの外周面に形成され上方に向けて開口する外縦溝22と、内周壁部10の上端部10aの内周面に形成され上方に向けて開口する内縦溝23と、内周壁部10の上端縁に形成され外縦溝22および内縦溝23を連通する横溝24と、を備えている。
【0029】
図2に示すように、外縦溝22の下端は、注出部材8の閉塞筒部14の下端よりも下方に位置している。また内縦溝23は、第1連通路18に向けて開口しており、第2連通路19の第1連通路18側の開口部19aを構成している。
なお第2連通路19は、複数でなく1つだけ形成されていても良い。
【0030】
第1シール部20は、注出部材8の張出部17の下端開口部を閉塞するとともに、注出部材8と一体に形成されている。図示の例では、第1シール部20は、外周面が前記張出部17の下端開口部の内周面に全周にわたって連結された膜状に形成されている。また第1シール部20は、容器軸Oと同軸に配設されるとともに、第1シール部20の外周縁部は、収容部材6の内周壁部10の上端縁上に位置している。
【0031】
第2シール部21は、第1シール部20に対向するように配設されるとともに、収容部材6と一体に形成されている。図示の例では、第2シール部21は、外周面が収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内周面に全周にわたって連結された膜状に形成されている。この第2シール部21の外周面は、内周壁部10の上端部10aの内周面において、第2連通路19の内縦溝23の下端よりも下方に位置する部分に連結されている。
【0032】
図1に示すように、蓋体4は、容器本体2の口部2aに着脱自在に螺着された有頂筒状の本体筒部25と、容器軸O上に配設されるとともに本体筒部25の頂壁部25aに上方に向けて突設された破断部26と、本体筒部25の頂壁部25aの外周縁部に上方に向けて突設され、内周面に容器本体2の口部2aの雄ねじ2bに螺着可能な雌ねじ27aが形成されたねじ筒部27と、を備えている。これらの本体筒部25、破断部26およびねじ筒部27は、容器軸Oと同軸に配設されている。
【0033】
図2に示すように、本体筒部25の頂壁部25aには、下方に向けて突出し、注出口7内に嵌合された第1シール筒部28と、注出部材8のフランジ部15を径方向の外側から囲繞するように下方に向けて突出するとともに、下端縁が収容部材6のフランジ部12に当接する第2シール筒部29と、がそれぞれ容器軸Oと同軸に配設されている。
【0034】
図1に示すように、ねじ筒部27の外径は、本体筒部25の外径と同等とされ、ねじ筒部27の外周面は、本体筒部25の周壁部25bの外周面と滑らかに連なっている。
破断部26は、注出口7から第1連通路18に挿入可能で、かつ第1シール部20および第2シール部21を破断可能とされている。図示の例では、破断部26の外径は、第1連通路18の内径と同等または小さく、図2に示すように、破断部26の半径L1は、第2連通路19の内縦溝23の容器軸O方向(第1連通路の延在方向)に沿った大きさL2よりも小さくなっている。また図1に示すように、破断部26の先端部は、先端26bに向かうに従い漸次縮径する先鋭部26aとなっており、先鋭部26aの先端26bは、容器軸O上に位置している。
【0035】
なお図示の例では、破断部26の下端部には、径方向の外側に向けて全周にわたって突出し、かつ本体筒部25の頂壁部25aから上方に向けて突出する第3シール筒部30が配設されている。また本体筒部25の頂壁部25aには、破断部26を径方向の外側から囲繞するように上方に向けて突出する第4シール筒部31が配設されている。
これらの第3シール筒部30および第4シール筒部31はそれぞれ、容器軸Oと同軸に配設されている。第3シール筒部30は、本体筒部25の頂壁部25aを容器軸O方向に間に挟んで第1シール筒部28の反対側に配設されるとともに、第4シール筒部31は、本体筒部25の頂壁部25aを容器軸O方向に間に挟んで第2シール筒部29の反対側に配設されている。
【0036】
次に、以上のように構成された混合容器1の作用について説明する。
この混合容器1では、中栓3の第2シール部21が、第1連通路18内に配設され、第2連通路19を通した容器本体2の内部と収容室5との連通を遮断しているので、容器本体2内の主液Xと収容室5内の添加物Yとが、第1連通路18および第2連通路19を通して混合されることがない。また、このように第2シール部21が第1連通路18内に配設されているので、容器本体2内の主液Xが第1連通路18を通して注出口7から注出されることがない。さらに第1シール部20が、第1連通路18内に配設され、第2連通路19を通した注出口7と収容室5との連通を遮断しているので、収容室5内の添加物Yが第2連通路19を通して注出口7から注出されることがない。
【0037】
ここで、この混合容器1を使用するときには、図4に示すように、蓋体4の前記破断部26を、注出口7から第1連通路18に挿入する。図示の例では、まず蓋体4の本体筒部25と容器本体2の口部2aとの螺着を解除した後、蓋体4を上下反転させ、容器本体2の口部2aに蓋体4のねじ筒部27を螺着させる。これにより、破断部26と第1連通路18とが互いに同軸に配置された状態で、破断部26と中栓3とが容器軸O方向に接近することとなり、破断部26が注出口7から第1連通路18に進入する。
【0038】
その後、図5に示すように、破断部26の先鋭部26aが第1シール部20に押し当てられて第1シール部20を破断する。このとき、先鋭部26aの先端26bが、第1シール部20において容器軸O上に位置する中心部分に押し当てられて、破断部26の先鋭部26aが、第1シール部20を径方向の外側に押し広げながら、第1シール部20が前記中心部分を起点に破断されて第1シール部20に開口部20aが形成される。破断された第1シール部(以下、破断片という)20Aは、第1連通路18に進入する破断部26によって下方に延ばされ、収容部材6の内周壁部10の上端部10a内に進入する。すると図示の例では、破断片20Aにより、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内周面が覆われることとなる。
【0039】
ここで本実施形態では、前記先鋭部26aの先端26bが容器軸O上に位置しているので、破断部26によって下方に延在させられた状態での破断片20Aの容器軸O方向に沿った長さ(破断片の長さ)は、周方向の位置によらず、破断部26の半径L1より小さくなる。そして本実施形態では、破断部26の半径L1が、内縦溝23の容器軸O方向に沿った大きさL2よりも小さくなっているので、破断片20Aの容器軸O方向に沿った長さが、周方向の位置によらず、内縦溝23の容器軸O方向に沿った大きさL2よりも小さくなる。
【0040】
すなわち、全ての第2連通路19の内縦溝23の容器軸O方向に沿った大きさL2は、破断片20Aのうち、各内縦溝23に対応する周方向部分の容器軸O方向に沿った長さよりも大きくなっている。したがって、内縦溝23(第2連通路19の前記開口部19a)のうち、下側に位置する部分は、破断片20Aで覆われて閉塞されることがなく、前述のように第1シール部20が破断された状態で、第1連通路18に連通している。
【0041】
破断部26は、このように第1シール部20を破断した後、さらに第2シール部21に押し当てられて第2シール部21を破断する。第2シール部21も第1シール部20と同様に、第2シール部21において容器軸O上に位置する中心部分を起点として破断され、第2シール部21に開口部21aが形成される。なお図示の例では、破断部26は、第1シール部20および第2シール部21それぞれの開口部20a、21a内に嵌合されている。
【0042】
その後、容器本体2の口部2aと蓋体4のねじ筒部27との螺着を解除することで、破断部26を第1連通路18から抜き出すと、注出口7が、第2連通路19および第1連通路18を通して収容室5に連通するとともに、第1連通路18を通して容器本体2の内部に連通することとなる。
そして図6に示すように、例えば注出口7が下方を向くように容器本体2を傾けると、容器本体2内の主液Xが、第1連通路18を通して注出口7から注出されるとともに、収容室5内の添加物Yが、第2連通路19および第1連通路18を通して注出口7から注出される。このように、主液Xと添加物Yとが共通の注出口7から注出されることで、混合されながら注出される。
【0043】
なお図5に示すように、この混合容器1の使用後には、例えば、容器本体2の口部2aに蓋体4のねじ筒部27を螺着させる。すると前述のように、破断部26が、第2シール部21の開口部21a内に嵌合されるので、主液Xと添加物Yとが混合されるのを抑制することができる。
また、このように容器本体2の口部2aに蓋体4のねじ筒部27を螺着させると、前述のように、破断部26が、第1シール部20の開口部20a内に嵌合される。これにより、注出口7から主液Xや添加物Yが漏出するのを抑制することができる。
【0044】
さらに図示の例では、このように容器本体2の口部2aに蓋体4のねじ筒部27を螺着させると、第3シール筒部30が、注出口7内に嵌合するとともに、第4シール筒部31の下端縁が、収容部材6のフランジ部12に当接する。これにより、仮に注出口7から主液Xや添加物Yが漏出したとしても、主液Xや添加物Yが、蓋体4のねじ筒部27と中栓3との間から外部に漏出するのを抑制することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器1によれば、使用時に、破断部26によって第1シール部20および第2シール部21を破断することで、主液Xと添加物Yとを混合しながら注出可能である一方、第1シール部20および第2シール部21を破断するまでは、主液Xと添加物Yとが混合されるのを防ぐことができる。したがって、主液Xと添加物Yとが流通段階で混合するのを防止することができる。
【0046】
また、第2連通路19の内縦溝23の容器軸O方向に沿った大きさL2が、破断片20Aのうち、当該内縦溝23に対応する周方向部分の容器軸O方向に沿った長さよりも大きくなっているので、内縦溝23のうち、下側に位置する部分が、破断片20Aによって覆われることがない。したがって、第2連通路19が第1連通路18側から破断片20Aによって閉塞されるのを抑制し、第1連通路18および第2連通路19を通した注出口7と収容室5との連通を確保し易くすることが可能になり、前述の作用効果を効果的に奏功させることができる。
【0047】
また第2連通路19が、収容部材6の内周壁部10に形成された溝22、23、24で構成されているので、例えば、第2連通路19を、内周壁部10や注出部材8の閉塞筒部14に形成された貫通孔で構成する場合に比べて、容易に形成することができる。
【0048】
なお本実施形態では、全ての第2連通路19の内縦溝23の容器軸O方向に沿った大きさL2が、破断片20Aのうち、各内縦溝23に対応する周方向部分の容器軸O方向に沿った長さよりも大きくなっているものとしたが、これに限られない。例えば、複数の第2連通路19の内縦溝23のうち、少なくとも1つの内縦溝23の容器軸O方向に沿った大きさL2が、破断片20Aのうち、当該内縦溝23に対応する周方向部分の容器軸O方向に沿った長さよりも大きくなっていても良い。
【0049】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0050】
図7に示すように、本実施形態の混合容器40では、蓋体4は、容器本体2の口部2aに着脱自在に装着された第1蓋部材41と、第1蓋部材41に着脱自在に装着された第2蓋部材42と、を備えている。
第1蓋部材41は、前記本体筒部25と、前記破断部26と、容器軸Oと同軸に配設されるとともに本体筒部25の外周縁部に上方に向けて突設された装着筒部43と、を備えている。
装着筒部43は、中栓3の収容部材6の外嵌筒部13に対して外挿可能とされるとともに、破断部26よりも上方に突出している。
【0051】
第2蓋部材42は、装着筒部43を上方から覆うとともに装着筒部43の上端縁上に配置された蓋板部44と、蓋板部44に下方に向けて延設され装着筒部43内に嵌合される被装着筒部45と、を備えており、これらの蓋板部44と被装着筒部45とが容器軸Oと同軸に配設されている。
蓋板部44の外周縁部は、装着筒部43よりも径方向の外側に突出している。
【0052】
次に、以上のように構成された混合容器40を使用するときに、蓋体4の第1蓋部材41の破断部26を注出口7から第1連通路18に挿入する方法について説明する。
【0053】
まず、蓋体4の第1蓋部材41の本体筒部25と容器本体2の口部2aとの螺着を解除するとともに、第1蓋部材41から第2蓋部材42を離脱させる。このとき例えば、蓋体4の第2蓋部材42の蓋板部44の外周縁部を指等で摘み、第2蓋部材42を第1蓋部材41から引き離し、第2蓋部材42の被装着筒部45を第1蓋部材41の装着筒部43から離脱させることで、第1蓋部材41から第2蓋部材42を離脱させる。
【0054】
その後、中栓3と第1蓋部材41の破断部26とが互いに対向するように容器本体2と第1蓋部材41とを配置するとともに、容器本体2と第1蓋部材41とを径方向に位置合わせしながら相対的に接近させ、第1蓋部材41を容器本体2側に押し込む。このとき図8に示すように、第1蓋部材41の装着筒部43が中栓3の収容部材6の外嵌筒部13に対して外挿された後、第1蓋部材41の破断部26が注出口7から第1連通路18に挿入される。
【0055】
すると、まず破断部26が第1シール部20に押し当てられて第1シール部20を破断した後、さらに破断部26が第2シール部21に押し当てられて第2シール部21を破断する。
なおその後、第1蓋部材41と容器本体2とを容器軸O方向に相対的に離間させることで、破断部26を第1連通路18から抜き出し、主液Xと添加物Yとを注出口7から混合させながら注出することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器40によれば、前記第1実施形態の混合容器1と同様の作用効果を奏することができる。
【0057】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0058】
図9に示すように、本実施形態の混合容器50では、第2蓋部材42は、前記蓋板部44と、前記被装着筒部45と、蓋板部44に下方に向けて突設されるとともに容器軸Oと同軸に配設された破断部51と、を備えている。
被装着筒部45は、中栓3の収容部材6の外嵌筒部13に外嵌可能とされている。また、被装着筒部45の蓋板部44からの突出量と、破断部51の蓋板部44からの突出量と、は互いに同等となっている。
【0059】
次に、以上のように構成された混合容器50を使用するときに、蓋体4の第2蓋部材42の破断部51を、注出口7から第1連通路18に挿入する方法について説明する。
【0060】
まず、蓋体4の第1蓋部材41の本体筒部25と容器本体2の口部2aとの螺着を解除するとともに、第1蓋部材41から第2蓋部材42を離脱させる。
その後、中栓3と第2蓋部材42の破断部51とが互いに対向するように容器本体2と第2蓋部材42とを配置するとともに、容器本体2と第2蓋部材42とを径方向に位置合わせしながら相対的に接近させ、第2蓋部材42を容器本体2側に押し込む。このとき図10に示すように、第2蓋部材42の破断部51が注出口7から第1連通路18に挿入されるとともに、第2蓋部材42の被装着筒部45が中栓3に外嵌される。
【0061】
すると、まず破断部51が第1シール部20に押し当てられて第1シール部20を破断した後、さらに破断部51が第2シール部21に押し当てられて第2シール部21を破断する。
なおその後、第2蓋部材42と容器本体2とを容器軸O方向に相対的に離間させることで、破断部51を第1連通路18から抜き出し、主液Xと添加物Yとを注出口7から混合させながら注出することができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器50によれば、前記第2実施形態の混合容器40と同様の作用効果を奏することができる。
【0063】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0064】
図11に示すように、本実施形態の混合容器60では、蓋体4は、容器本体2の口部2aに着脱自在に螺着された有頂筒状の第1筒部材61と、第1筒部材61に外嵌された外嵌部材62と、外嵌部材62に連結された有頂筒状の第2筒部材63と、を備えている。
【0065】
第1筒部材61の周壁部61bの上端部は、段状に縮径されている。
第1筒部材61の頂壁部61aには、容器軸Oと同軸に配置された貫通孔64が形成されている。また、第1筒部材61の頂壁部61aにおける貫通孔64の開口周縁部には、上方に向けて内筒部65が突設されるとともに、第1筒部材61の頂壁部61aの外周縁部には、上方に向けて外筒部66が突設されている。
外筒部66の外径は、第1筒部材61の周壁部61bの上端部の外径と同等とされ、外筒部66の外周面は、前記周壁部61bの上端部の外周面と滑らかに連なっている。
【0066】
外嵌部材62は、第1筒部材61の周壁部61bの上端部に外嵌されるとともに周方向に捲り取り可能ないわゆる改竄防止リングである。外嵌部材62は、帯状の壁部が前記周壁部の上端部の外周面に沿って周設されて平面視略C字形状をなしており、外嵌部材62の周方向の一端面と他端面とが、隙間をあけて対向するように配置されている。
【0067】
また、外嵌部材62の上端と第2筒部材63の周壁部63bの下端とは、外嵌部材62よりも薄肉で破断容易な弱化部67を介して全周にわたって連結されており、外嵌部材62と第2筒部材63とは一体に形成されている。
なお図示の例では、外嵌部材62の周方向の一端部には、径方向の外側に向けて摘み部62aが突設されている。
【0068】
第2筒部材63の周壁部63bの下端部は、第1筒部材61の外筒部66に外嵌されるとともに、第2筒部材63の周壁部63bは、第1筒部材61の周壁部61bの上端部に外嵌可能となっている。
また、第2筒部材63の頂壁部63aには、下方に向けて突出する破断部68と、破断部68を径方向の外側から囲繞するように下方に向けて突出する囲繞筒部69と、がそれぞれ容器軸Oと同軸に配設されている。
【0069】
破断部68は、囲繞筒部69よりも下方に向けて突出しており、破断部68の下側部分は、内筒部65内および貫通孔64内に挿通され、破断部68の先鋭部26aは注出口7内に位置している。
囲繞筒部69は、第1筒部材61の内筒部65に外嵌可能とされている。
【0070】
次に、以上のように構成された混合容器60を使用するときに、蓋体4の第2筒部材63の破断部68を、注出口7から第1連通路18に進入させる方法について説明する。
【0071】
まず、例えば外嵌部材62の摘み部62aを指等で摘んで、摘み部62aを第2筒部材63に対して相対的に周方向に沿って回転させる。すると、弱化部67が外嵌部材62の周方向の一端側から破断され、外嵌部材62が周方向の一端側から捲り取られることとなり、外嵌部材62が第2筒部材63から切り離される。
【0072】
その後、図12に示すように、第2筒部材63を容器本体2側に向けて押し込む。ここで本実施形態では、破断部68が、内筒部65内および貫通孔64内に挿通されているので、第1筒部材61と第2筒部材63とを径方向に安定して位置決めした状態で、第2筒部材63を容器本体2側に向けて押し込むことができる。さらに、第2筒部材63の周壁部63bの下端部が、第1筒部材61の外筒部66に外嵌されているので、第1筒部材61と第2筒部材63とを径方向により安定して位置決めした状態で、第2筒部材63を容器本体2側に向けて押し込むことができる。
【0073】
すると、破断部68が第1シール部20に押し当てられて第1シール部20を破断した後、さらに破断部68が第2シール部21に押し当てられて第2シール部21を破断する。このとき、第2筒部材63の周壁部63bが、第1筒部材61の周壁部61bの上端部に外嵌されるとともに、第2筒部材63の囲繞筒部69が、第1筒部材61の内筒部65に外嵌される。これにより、第1筒部材61の周壁部61bに第2筒部材63の周壁部63bが外嵌されてなる使用時用の蓋体4Aが形成される。
なおその後、使用時用の蓋体4Aの第1筒部材61と容器本体2の口部2aとの螺着を解除することで、破断部68を第1連通路18から抜き出し、主液Xと添加物Yとを注出口7から混合させながら注出することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器60によれば、前記第1実施形態の混合容器1と同様の作用効果を奏することができる。
【0075】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第5実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0076】
図13に示すように、本実施形態の混合容器80では、第2連通路19は、前記外縦溝22と、収容部材6の内周壁部10の上端縁に形成され、外縦溝22に連通するとともに第1連通路18に向けて開口する横溝81と、を備えており、第1連通路18のうち、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの径方向の内側(第2連通路が開口する開口部分)に開口している。
【0077】
また、注出部材8の張出部17の下端開口部の内周面には、径方向の内側に向けて第1連結環部82が突設されている。この第1連結環部82の内径は、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内径よりも小さく、第1連結環部82は容器軸Oと同軸に配設されている。そして前記第1シール部20の外周面は、第1連結環部82の内周縁に連結されており、第1シール部20および収容部材6の内周壁部10の上端部10aは同軸に配置されるとともに、第1シール部20の外径は、内周壁部10の上端部10aの内径よりも小さくなっている。
【0078】
また、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内周面には、容器軸Oと同軸に配置された第2連結環部83が径方向の内側に向けて突設されている。そして前記第2シール部21の外周面は、第2連結環部83の内周縁に連結されている。
また、破断部26の外径は、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内径よりも小さくなっている。図示の例では、破断部26の外径は、各シール部20、21の外径と同等となっている。
【0079】
次に、以上のように構成された混合容器80の作用について説明する。
この混合容器80を使用するために、蓋体4の前記破断部26を注出口7から第1連通路18に挿入すると、図14に示すように、破断部26の先鋭部26aが第1シール部20に押し当てられて第1シール部20を破断する。すると前述のように、破断片20Aが収容部材6の内周壁部10の上端部10a内に進入する。
【0080】
ここで本実施形態では、破断部26の外径が、内周壁部10の上端部10aの内径よりも小さくなっているので、破断片20Aと内周壁部10の上端部10aの内周面との間に隙間があく。したがって、第2連通路19の横溝81は、破断片20Aによって覆われて閉塞されることがなく、前述のように第1シール部20が破断された状態で、第1連通路18に連通している。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器80によれば、前記第1実施形態の混合容器1と同様の作用効果を奏することができる。
また、破断部26の外径が、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内径よりも小さくなっているので、本実施形態のように、破断片20Aが、前記上端部10a内に進入した場合であっても、前記上端部10aの内周面と破断片20Aとの間に隙間が確保され易い。したがって、第2連通路19が第1連通路18側から破断片20Aによって閉塞されるのを抑制し、第1連通路18および第2連通路19を通した注出口7と収容室5との連通を確保し易くすることが可能になり、前述の作用効果を効果的に奏功させることができる。
【0082】
なお本実施形態では、注出部材8の張出部17には、第1連結環部82が突設され、破断部26の外径が、各シール部20、21の外径と同等となっているものとしたが、破断部26の外径が、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内径よりも小さければ、これに限られるものではない。つまり、第1連結環部82はなくても良く、破断部26の外径が、シール部20、21の外径と同等でなくても良い。
また、第2連結環部83は無くても良い。
【0083】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記各実施形態では、中栓3の収容部材6が、フランジ部12および外嵌筒部13を備え、注出部材8が、フランジ部15および嵌合筒部16を備え、蓋体4が、第1シール筒部28および第2シール筒部29を備えるものとしたが、これらは適宜省略することも可能である。
【0084】
また前記各実施形態では、第1シール部20が、注出部材8の張出部17の下端開口部を閉塞するものとしたが、第1連通路18内に配設され、容器本体2の外部と第2連通路19との連通を遮断すれば、この形態に限定されない。
さらに前記各実施形態では、第2シール部21の外周面が、収容部材6の内周壁部10の上端部10aの内周面において、内縦溝23の下端よりも下方に位置する部分に連結されているものとしたが、第2シール部21は、第1連通路18内に配設され、容器本体2の内部と第2連通路19との連通を遮断すれば、この形態に限定されない。例えば、第2シール部21が、収容部材6の内周壁部10の下端開口部を閉塞しても良い。
【0085】
また前記各実施形態では、第1シール部20が、注出部材8と一体に形成され、第2シール部21が、収容部材6と一体に形成されるものとしたが、両シール部20、21は、注出部材8や収容部材6と異なる部材で形成されていても良い。例えば両シール部20、21が、フィルム状に形成され、注出部材8や収容部材6に接着などされていても良い。
【0086】
また前記各実施形態では、第2連通路19は、収容部材6の内周壁部10に形成された縦溝22、23および横溝24、81を備えているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、収容部材6の内周壁部10に形成された径方向に延びる貫通孔であっても良い。この場合、例えば、第1シール部が、収容部材6の内周壁部10の上端開口部を閉塞する構成としても良い。
【0087】
さらに第2連通路19が、注出部材8に形成されていても良い。例えば、第2連通路19は、注出部材8の閉塞筒部14に形成された溝で構成されていても良い。また、収容部材6の内周壁部10および注出部材8の閉塞筒部14の両方に形成された溝で構成されていても良い。これらの場合、第1シール部20の配置を適宜変更すれば良い。
【0088】
また前記各実施形態では、破断部26、51、68の先鋭部26aの先端26bは、容器軸O上にあるものとしたが、これに限られるものではない。さらに、破断部26、51、68は、注出口7から第1連通路18に挿入可能で、かつ第1シール部20および第2シール部21を破断可能であれば、先鋭部26aを備えていなくても良い。
【0089】
また前記各実施形態では、破断部26、51、68によって第1シール部20が破断されたときに、第1連通路18と第2連通路19とが連通しているものとしたが、第1連通路18と第2連通路19とが破断片20Aによって遮断されていても良い。この場合であっても、第1シール部20が破断されることで、注出口7が、第1連通路18および第2連通路19を通して収容室5に連通可能となる。つまり、破断部26、51、68を第1連通路18から抜き出したときや、注出口7が下方を向くように容器本体2を傾けたとき等に、破断片20Aが移動することで、注出口7が、第1連通路18および第2連通路19を通して収容室5に連通することとなる。
【0090】
また前記各実施形態では、中栓3の収容部材6が、外周壁部9、内周壁部10および底壁部11を備えるとともに、注出部材8が、閉塞筒部14を備え、平面視円環状の収容室5の内側に第1連通路18が形成された構成となっているが、収容室5や第1連通路18の形状や配置は適宜変更可能である。例えば、平面視円環状の第1連通路18の内側に収容室5が形成された構成や、平面視において収容室5と第1連通路18とが2分割にされた構成や、収容室5を2つ以上に区画した構成などであってもよい。また、閉塞筒部14には、張出部17が無くても良い。
【0091】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1、40、50、60、80 混合容器
2 容器本体
2a 口部
3 中栓
4 蓋体
5 収容室
6 収容部材
7 注出口
8 注出部材
9 外周壁部
10 内周壁部
11 底壁部
14 閉塞筒部
18 第1連通路
19 第2連通路
19a 開口部
20 第1シール部
20A 破断片
21 第2シール部
26、51、68 破断部
X 主液(第1内容物)
Y 添加物(第2内容物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に装着された中栓と、
前記口部に着脱自在に装着され、前記口部および前記中栓を覆う蓋体と、を備え、
前記中栓は、
前記容器本体の内部と外部とを連通するとともに前記容器本体の外部側の端部が注出口とされた第1連通路と、
第2内容物が収容される収容室と、
前記第1連通路と前記収容室とを連通する第2連通路と、
前記第1連通路内に配設され、前記第2連通路を通した前記注出口と前記収容室との連通を遮断する第1シール部と、
前記第1連通路内に配設され、前記第2連通路を通した前記容器本体の内部と前記収容室との連通を遮断する第2シール部と、を備え、
前記蓋体には、前記注出口から前記第1連通路に挿入可能で、かつ前記第1シール部および前記第2シール部を破断可能な破断部が設けられていることを特徴とする混合容器。
【請求項2】
請求項1に記載の混合容器であって、
前記中栓は、前記口部に着脱自在に装着された収容部材と、前記収容部材に装着された注出部材と、を備え、
前記収容部材は、前記口部内に嵌合された外周壁部と、内部が前記容器本体の内部に連通する内周壁部と、前記外周壁部および前記内周壁部の下端同士を連結する底壁部と、を備え、
前記収容室は、前記内周壁部の外周面、前記外周壁部の内周面および前記底壁部の上面によって画成され、
前記注出部材は、下側部分が前記収容室の上端開口部に嵌合され該上端開口部を閉塞する閉塞筒部を備え、
前記第1連通路は、前記内周壁部の径方向の内側と、前記閉塞筒部において下側部分よりも上側に位置する部分の径方向の内側と、で構成され、
前記第2連通路は、前記内周壁部および前記閉塞筒部の少なくとも一方に形成された溝で構成されていることを特徴とする混合容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の混合容器であって、
前記第2連通路の前記第1連通路側の開口部における前記第1連通路の延在方向に沿った大きさは、前記第1シール部が前記破断部により破断されてなる破断片の長さよりも大きくなっていることを特徴とする混合容器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の混合容器であって、
前記破断部の外径は、前記第1連通路のうち、前記第2連通路が開口する開口部分の内径よりも小さくなっていることを特徴とする混合容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−230825(P2011−230825A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105221(P2010−105221)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】