説明

混合茶

【課題】 手軽に赤ワイン様の色彩と風味を楽しめる、発酵葡萄果皮種子を主原料とする混合茶を提供することを目的とする。
【解決手段】 赤ワイン醸造における圧搾工程で生じる発酵葡萄果皮種子を、その水分含有量が10%未満になるまで乾燥させた後に破砕し、同じく破砕したハーブや甘味料等の副原料を添加混合することを特徴とする混合茶を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、赤ワインの醸造過程で生じる発酵葡萄の果皮種子を乾燥し、ハーブや副原料等を配合して得られる混合茶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
赤ワインを醸造する際、葡萄の果肉や果皮種子の混ざったままの果汁をアルコール発酵させた後、圧搾して果皮種子を取り除く。通常ではこの発酵果皮種子は利用されることもなくワイン粕として廃棄されるか、家畜飼料として使われる。
【0003】
この他の利用法として、抽出装置を用いてエキスを抽出し、その抽出液を使った飲料が開発されている。
【特許文献1】特開2000−69945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、抽出装置や濃縮装置を使わずに、もっと手軽に赤ワイン様の色彩と風味を楽しめる発酵葡萄果皮種子混合茶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の混合茶は、赤ワイン醸造における圧搾工程で生じる発酵葡萄果皮種子を、その水分含有量が10%未満になるまで乾燥させた後に破砕し、同じく破砕したハーブや甘味料等の副原料を添加混合することからなる混合茶を製造する。
【0006】
上述したハーブとして、ハイビスカス、ローズヒップ、ラベンダー、レモングラス、ペパーミント、ローズマリーなどの西洋ハーブと、生姜、紫蘇の葉、山椒の葉や実、ヨモギ、肉桂、ウコンなどの東洋ハーブがあるが、これらに限定されず世間一般に知られている各種ハーブを使用することができる。
【0007】
尚、上述したハーブの他に甘味料も使用することができ、さらに必要ならば、酸化防止剤や防腐剤も配合できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の混合茶は、熱水や冷水で浸出することにより、赤ワイン独特の色や香りや酸味と共にハーブの爽やかな味と香りも同時に楽しむことができる。
【0009】
また、発酵葡萄果皮種子を水分含有量が10%未満になるまで乾燥することで、発酵葡萄果皮種子に含まれるアルコールが気化して残らないので、子供から大人まで幅広い年齢層の嗜好品として提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を記すが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【実施例】
【0011】
メルロ種やベリーA種などの赤系葡萄種を原料とした赤ワイン醸造過程における圧搾工程で得られた発酵葡萄果皮種子の水分含有量が10%未満になるように、60〜65℃、48時間の熱風乾燥を行う。
【0012】
乾燥方法は、この他に天日乾燥や凍結乾燥などがあるが、これらの乾燥方法は発酵葡萄種皮の水分含有量が10%未満になるように乾燥温度と時間を適宜調節する。
【0013】
乾燥した発酵葡萄種皮を直径が0.5〜3mm程度となるように破砕し、これと同じ程度の大きさに破砕したハーブ等の副原料と混合する。混合比率は各自の好みに応じて変えることが出来る。本実施例では、ハーブの葉を用いたが、花や茎などを用いてもよい。また、これら原料の混合比の一例を表1に示す。
【0014】
【表1】

【0015】
表1の混合比で出来た混合茶2gをティーバッグ用の袋に入れ、袋の中の混合茶葉が漏れ出てこないように密封する。この状態の模式的な断面図を図1に示す。
【0016】
最終製品のティーパックを、紅茶を飲む際の要領で100〜200mlのティーカップに入った熱水または冷水に浸して混合茶のルビー色と酸味の利いた味と爽やかなワインとハーブの香りを浸出する。この状態を図2に示す。
【0017】
比較として葡萄ジュース製造における圧搾工程で得られた発酵していない葡萄果皮種子を使って本発明と同じ方法で加工した場合、色は淡いピンク色で香りも殆ど無いことから、発酵葡萄種皮茶飲料の特徴であるルビー色やワイン臭は発酵葡萄果皮種子を使った場合に得られることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の混合茶を使ったゼリーやアイスクリーム等の食品を新たに開発することが出来る。また、基本的には乾燥と破砕と包装工程だけで複雑な設備を必要とせずにワイン粕の有効利用が出来ることから、その廃棄処理量の軽減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の模式的な断面図である。
【図2】同実施形態の使用状態説明図である。
【符号の説明】
1 混合茶
2 不織布
3 留め糸
4 ひも
5 紙
6 手
7 ティーカップ
8 混合茶が入ったティーバッグ
9 浸出された混合茶

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤ワインの原料である葡萄をアルコール発酵させた後に圧搾して得られた葡萄果皮種子を乾燥した物とハーブを添加してなることを特徴とする混合茶。
【請求項2】
請求項1葡萄の果皮種子乾燥物とハーブをティーバッグの目を通過しない大きさに破砕する請求項1に記載の混合茶。
【請求項3】
請求項2で破砕した果皮種子乾燥物とハーブがティーバッグ中に封入されている請求項1に記載の混合茶。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−263942(P2008−263942A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138432(P2007−138432)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(504028171)有限会社 備南食研 (3)
【Fターム(参考)】