説明

混注部材

【課題】内部に血栓が形成される不都合を抑えることができ、しかも血液の血球成分を損傷させる虞がない混注部材を提供する。
【解決手段】血液回路の上流部に連通して血液を流入可能な流入通路17と、血液回路の下流部に連通して血液を流出可能な流出通路18と、流入通路17と流出通路18とを連通する連通室21とを備え、該連通室21の内壁20の一部に穿刺管が穿脱可能な穿脱部23を設け、該穿脱部23を介して連通室21と穿刺管とを連通可能な混注部材15であって、流入通路17の中心軸L1を流出通路18の中心軸L2の延長線上から外れた位置に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液回路の上流部と下流部とを接続し、血液回路中に薬液などを注入するための穿脱部を設けた混注部材に関する。
【背景技術】
【0002】
人工透析治療などに用いられる血液回路は、当該血液回路の上流部と下流部とを接続する混注部材(所謂アクセスポート)を当該回路の途中に備え、該混注部材の一部分に、穿刺管が穿脱可能な穿脱部(具体的にはゴム製の栓体)を設けている。そして、該穿脱部にシリンジの穿刺管を差し入れてシリンジと血液回路とを連通し、この連通状態でシリンジ内の薬液を穿刺管から血液回路中へ注入したり、あるいは血液回路中の血液を採取したりできるように構成されている。さらに、混注部材の内部のうち穿脱部を臨ませた箇所には、区画壁を穿脱部側へ凹ませて血液回路内の流路の断面積よりも広い断面積の空間部を形成し、穿刺管を空間部へ深く刺し込んで安定した状態で血液回路と連通できるように構成されている。
【0003】
しかしながら、この空間部のうち穿脱部の近傍、すなわち穿脱部側へ凹ませて形成された部分では血液が滞留し易く、滞留した血液が凝固して血栓を形成し易い。この血栓は、混注部材から脱落して血液回路内を流下し、混注部材の下流側に設けられたドリップチャンバー内のメッシュ(フィルター)に捕捉されることになる。そして、この血栓の捕捉量が大量になると、血液回路が閉塞状態になる虞がある。また、穿刺管から採血しようとする場合には、血栓が穿刺管を詰まらせて採血を行い難くなる虞がある。
【0004】
そこで、血栓の形成を阻止するために、空間部の区画壁のうち、穿脱部に対向する位置から穿脱部へ向けて隆起部を隆起した混注部材が提案されている(特許文献1参照)。この混注部材は、隆起部に血流を衝突させることで穿脱部の近傍にも血液が流れるようにして、血液が穿脱部の近傍で滞留する不都合、ひいては血栓が形成される不都合をなくそうとしている。
【特許文献1】特開2006−129884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献に記載のものは、隆起部に血液を衝突させるため、血液の血球成分が衝突により損傷し易い。さらには、損傷した血球成分を含む血液が透析治療を受けている患者の体内に戻る虞がある。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部に血栓が形成される不都合を抑えることができ、しかも血液の血球成分を損傷させる虞がない混注部材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、血液回路の上流部に連通して血液を流入可能な流入通路と、血液回路の下流部に連通して血液を流出可能な流出通路と、流入通路と流出通路とを連通する連通室とを備え、該連通室の内壁の一部に穿刺管が穿脱可能な穿脱部を設け、該穿脱部を介して連通室と穿刺管とを連通可能な混注部材であって、
前記流入通路の中心軸を流出通路の中心軸の延長線上から外れた位置に設定したことを特徴とする混注部材である。
なお、「流入通路の中心軸を流出通路の中心軸の延長線上から外れた位置に設定」とは、流入通路の中心軸と流出通路の中心軸とが同一直線上に位置しないように設定することを意味する。そして、流入通路の中心軸と流出通路の中心軸とが同一直線上に位置しなければ、流入通路の中心軸を流出通路の中心軸に対して平行となる状態に設定してもよいし、あるいは流入通路の中心軸を流出通路の中心軸に対して傾いた状態に設定してもよい。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記流入通路の中心軸を流出通路の中心軸の延長線上から穿脱部の側方寄りに外れた位置に設定したことを特徴とする請求項1に記載の混注部材である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記流入通路の中心軸と穿脱部との離間距離を、流出通路の中心軸と穿脱部との離間距離とは異ならせたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の混注部材である。
【0010】
請求項4に記載のものは、前記流入通路と流出通路とを連通室の一側寄りに配置したことを特徴とする請求項3に記載の混注部材である。
【0011】
請求項5に記載のものは、前記連通室の内壁を曲面で構成し、該内壁の接線上に、流入通路を形成する流入内壁を配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の混注部材である。
【0012】
請求項6に記載のものは、前記連通室の内壁を曲面で構成し、該内壁の接線上に、流出通路を形成する流出内壁を配置したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の混注部材である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、血液回路の上流部に連通して血液を流入可能な流入通路と、血液回路の下流部に連通して血液を流出可能な流出通路と、流入通路と流出通路とを連通する連通室とを備え、該連通室の内壁の一部に穿刺管が穿脱可能な穿脱部を設け、該穿脱部を介して連通室と穿刺管とを連通可能な混注部材であって、流入通路の中心軸を流出通路の中心軸の延長線上から外れた位置に設定したので、流入通路と流出通路と連通室とで屈曲した流路を形成することができる。したがって、連通室に血液を乱流状態で流すことができ、連通室内に血液が滞留する不都合、ひいては滞留した血液で血栓が形成される不都合を抑えることができる。さらに、連通室に障害物を配置して血液を乱流状態にする必要がなく、血液中の血球成分が障害物に衝突して損傷する不具合を避けることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、流入通路の中心軸を流出通路の中心軸の延長線上から穿脱部の側方寄りに外れた位置に設定したので、穿脱部に穿刺された穿刺管を横切るようにして血液を乱流状態で流すことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、流入通路の中心軸と穿脱部との離間距離を、流出通路の中心軸と穿脱部との離間距離とは異ならせたので、穿脱部に穿刺された穿刺管の延設方向に沿って血液を乱流状態で流すことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、流入通路と流出通路とを連通室の一側寄りに配置したので、流入通路から流入した血液を連通室内で旋回させながら穿刺管の延設方向に沿って流すことができる。したがって、血液を攪拌しながら乱流状態で流すことができ、連通室内での血栓の形成を一層抑制することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、連通室の内壁を曲面で構成し、該内壁の接線上に、流入通路を形成する流入内壁を配置したので、流入通路から流入した血液をスムーズに連通室内へ誘導することができ、血液の流速が低下することを抑えることができる。また、血液中の血球成分が内壁に激しく衝突して損傷する不具合を避けることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、連通室の内壁を曲面で構成し、該内壁の接線上に、流出通路を形成する流出内壁を配置したので、連通室内の血液をスムーズに流出通路へ誘導することができ、流出通路へ流下した血液の流速が低下することを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は血液回路の概略図である。人工透析治療等のように体外循環による血液浄化療法に使用する血液回路1は、図1に示すように、穿刺針2と穿刺針3とを結ぶチューブ4からなる第1経路Aの途中に、血液ポンプ5が当接される可撓性チューブ6と、ドリップチャンバー7,8、及び血液浄化器9が配設され、T管10により枝分かれした第2経路Bの途中に輸液チャンバー11が配設されている。また、第2経路Bの先端は、輸液容器12に接続されており、プライミング時に第2経路Bを介して第1経路Aに生理食塩水を供給するとともに、場合によっては血液が第1経路Aを循環中、輸液剤の注入又は輸血を行い得る構成とされている。そして、この血液回路1では、第1経路Aの大部分を構成しているチューブ4とドリップチャンバー7,8を、外部から内部の血液通過を透視可能な内部透視部として機能させている。
【0020】
そして、血液回路1の途中部分、具体的には、チューブ4の途中部分には、混注部材(アクセスポートまたは接続部材)15を備えている。混注部材15は、血液回路1の上流部と下流部とを接続する部材であり、血液回路1中(すなわち血液回路1中を流れる血液中)に薬液などを注入したり、あるいは血液回路1から血液を採取したりするための構成を備えている。具体的に説明すると、混注部材15は、図2に示すように、長尺なハウジング16を備え、該ハウジング16の長手方向に沿って流入通路17と流出通路18とを開設し、流入通路17には血液回路1の上流部、詳しくは混注部材15よりも上流側に位置するチューブ4を連通し、流出通路18には血液回路1の下流部、詳しくは混注部材15よりも下流側に位置するチューブ4を連通する接続口をそれぞれ形成している。そして、ハウジング16の略中央部分には、縦向き円柱状の連通室21を形成し、該連通室21を形成する内壁20を円筒状の曲面および該曲面の一端を閉塞する円形平面で構成し、内壁20に流入通路17および流出通路18を貫通している。したがって、連通室21を介して流入通路17と流出通路18とを連通している。なお、流入通路17および流出通路18の接続口は、連通室21とは反対側の部分、言い換えるとハウジング16の端部側に位置する部分をチューブ4の外径と略同じ直径まで拡径し、該拡径部にチューブ4を挿入して接続するように構成されている。
【0021】
さらに、連通室21の内壁20の一部には、薬剤を注入するための注入針や、採血するための採血針などの穿刺管(図示せず)を穿脱可能な穿脱部23を設けている。具体的には、連通室21の内壁20のうち、流入通路17または流出通路18が接続される箇所とは異なる箇所を開放し、該開放口に穿脱部23を設けている。穿脱部23は、図2(a)に示すように、内壁20の側部にゴム製の栓体24(所謂ゴムボタン)を配置して開放口を液密状態で閉塞し、この状態で栓体24の縁部をカバー25で覆い、該カバー25をハウジング16に止着して栓体24が脱落することを阻止している。また、カバー25の中央部分には貫通口25aを穿刺管が十分に通過可能な程度の大きさで開設し、該貫通口25aから栓体24を外方(言い換えると連通室21とは反対方向)へ露出している。したがって、貫通口25aを介して栓体24に穿刺管を穿刺すれば、穿刺管と連通室21とを連通することができ、ひいては穿刺管と血液回路1の内部とを連通できるように構成されている。なお、連通室21は、穿脱部23が設けられる端部、言い換えると穿脱部23のうち連通室21に露出する面を流入通路17の縁部(上縁部)および流出通路18の縁部(上縁部)と略同一平面上に位置させている。
【0022】
そして、混注部材15は、流入通路17の中心軸(流入側中心軸)L1を流出通路18の中心軸(流出側中心軸)L2の延長線上から穿脱部23の側方寄りに外れた位置に設定している。詳しく説明すると、図2(a)に示すように、流入側中心軸L1と穿脱部23(栓体24)との離間距離(流入側離間距離)Z1を、流出側中心軸L2と穿脱部23(栓体24)との離間距離(流出側離間距離)Z2に等しく設定している。すなわち、ハウジング16の側方から見て、流入側中心軸L1と流出側中心軸L2とが同一平面上に配置される状態に設定している。また、図2(b)に示すように、流出側中心軸L2をその延長線が連通室21の中心から穿脱部23の側方寄り(詳しくは、カバー25の縁部寄り)に外れた状態に設定し、流入側中心軸L1を連通室21の中心を挟んで流出通路18とは反対の位置に設定している。この結果、混注部材15は、流入通路17、連通室21、流出通路18を連通することにより、穿脱部23がハウジング16の上部に配置された姿勢で横方向へ屈曲した流路を形成することになる。
【0023】
さらに、流入通路17を形成する壁部を流入内壁28とし、該流入内壁28の一部、具体的には流入内壁28のうち流入側中心軸L1を挟んで連通室21の中心Cとは反対側に位置する側部を、内壁20の接線(流入側接線)S1上に配置している。また、流出通路18を形成する壁部を流出内壁29とし、該流出内壁29の一部、具体的には流出内壁29のうち流出側中心軸L2を挟んで連通室21の中心とは反対側に位置する側部を、内壁20の接線上、詳しくは流入側接線とは異なる接線(流出側接線)S2上に配置している。
【0024】
このような構成を備えた混注部材15において、血液を血液回路1の上流側から流入すると、血液は、流入通路17を通って連通室21に流入する。このとき、流入側接線S1上に流入内壁28の側部を配置しているので、流入通路17から流入した血液をスムーズに連通室21内へ誘導することができ、血液の流速が低下することを抑えることができる。また、血液中の血球成分が内壁20に激しく衝突して損傷する不具合を避けることができる。
【0025】
さらに、連通室21に流入した血液は、連通室21の一側から中心Cあるいは中心Cの近傍を通って他側へ流れる。そして、流出通路18に到達し、該流出通路18から血液回路1の下流部へ流出する。このようにして、混注部材15は、血流を屈曲させることができ、連通室21に血液を乱流状態で流すことができる。したがって、連通室21内に血液が滞留する不都合、ひいては滞留した血液で血栓が形成される不都合を抑えることができる。このことから、混注部材15よりも下流側に配置されたドリップチャンバー8内のメッシュに血栓が詰まる虞をなくすことができ、安定した透析治療を行うことができる。また、採血時には、穿脱部23を介して連通室21に連通した穿刺管が血栓で詰まる虞がなく、採血を円滑に行うことができる。また、穿脱部23に穿刺管を穿刺した場合には、この穿刺管を横切るようにして血液を乱流状態で流すことができる。したがって、注入液を速やかに血液中に分散させることができる。さらに、流出側接線S2上に流出内壁29の側部を配置しているで、連通室21内の血液をスムーズに流出通路18へ誘導することができ、流出通路18へ流下した血液の流速が低下することを抑えることができる。
【0026】
そして、血液を乱流状態にするために連通室21に障害物を配置する必要がなく、血液中の血球成分が障害物に衝突して損傷する不具合を避けることができる。また、流入通路17および流出通路18の配置設定を変えるだけで血栓の発生を抑えることができる。したがって、血栓が発生し難い混注部材15の製造コストの低減を図ることができる。
【0027】
なお、流入通路17および流出通路18は、いずれも中心軸L1,L2の延長線が連通室21の中心Cから外れる状態に設定されなくてもよい。要は、流入側中心軸L1が流出側中心軸L2の延長線上から外れた位置に設定されればよく、流入側中心軸L1の延長線または流出側中心軸L2の延長線のうちいずれか一方が連通室21の中心Cから外れる状態に設定してもよい。
【0028】
ところで、上記実施形態では、流入側中心軸L1を流出側中心軸L2の延長線上から穿脱部23の側方寄りに外れた位置、すなわち水平方向にオフセットさせた位置に設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図3に示す第2実施形態の混注部材15においては、ハウジング16の側方から見て流入側中心軸L1を流出側中心軸L2の延長線上から外れた位置、すなわち上下方向にオフセットさせた位置に設定し、穿脱部23側から見て流入側中心軸L1と流出側中心軸L2とを同一縦平面上に配置している。詳しく説明すると、図3(a)に示すように、流入側中心軸L1と穿脱部23(栓体24)との離間距離(流入側離間距離)Z1を、流出側中心軸L2と穿脱部23(栓体24)との離間距離(流出側離間距離)Z2とは異ならせて、流入側離間距離Z1を流出側離間距離Z2よりも短く設定している。この結果、混注部材15は、流入通路17、連通室21、流出通路18を連通することにより、穿脱部23がハウジング16の上部に配置された姿勢で縦方向へ屈曲した流路を形成する。また、図3(b)に示すように、流入側中心軸L1および流出側中心軸L2をいずれも穿脱部23の同じ側部寄りに外れた位置に設定するとともに、流入側中心軸L1から連通室21の中心Cまでの離間距離X1と、流出側中心軸L2から連通室21の中心Cまでの離間距離X2とを等しく設定している。
【0029】
さらに、流入通路17および流出通路18を連通室21の一側寄りに配置し、流入内壁28のうち流入側中心軸L1を挟んで連通室21の中心とは反対側に位置する側部を、内壁20の接線(流入側接線)S1上に配置している。また、流出内壁29のうち流出側中心軸L2を挟んで連通室21の中心とは反対側に位置する側部を、流入側接線S1よりも穿脱部23から離れた位置に配置された内壁20の接線(流出側接線)S2上に配置している。なお、流入側接線S1と流出側接線S2とは、内壁20に接する同一平面上に配置されている。
【0030】
このような構成を備えた混注部材15に血液を血液回路1の上流側から流入すれば、血液を内壁20に沿わせて螺旋状に旋回させ、この旋回状態で穿脱部23から離れる方向、言い換えると穿脱部23に穿刺される穿刺管の延設方向へ沿って流すことができる。したがって、連通室21内で血液を攪拌しながら乱流状態で流すことができ、連通室21内に血液が滞留する不都合、ひいては血栓が形成される不都合を一層抑制することができる。
【0031】
なお、流入側離間距離Z1を流出側離間距離Z2よりも長く設定してもよく、この設定の場合には、血液を内壁20に沿わせて螺旋状に旋回させ、この旋回状態で穿脱部23に近づく方向へ流すことができる。
【0032】
ところで、上記実施形態では、流入側中心軸L1を流出側中心軸L2の延長線上から穿脱部23の側部寄りに外れた位置に設定したり、あるいは、離間距離Z1,Z2を異ならせる方向に外れた位置に設定したりしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、流入側中心軸L1を流出側中心軸L2の延長線上から穿脱部23の側部寄りに外れた位置に設定し、且つ流入側離間距離Z1を流出側離間距離Z2とは異ならせる状態に設定してもよい。また、上記実施形態では、流入側中心軸L1を流出側中心軸L2に対して平行となる状態に設定したが、本発明はこれに限定されない。要は、流入側中心軸L1と流出側中心軸L2とが同一直線上に位置しなければよく、例えば、流入側中心軸L1を流出側中心軸L2に対して傾いた状態に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】血液回路の概略図である。
【図2】第1実施形態における混注部材の説明図であり、(a)はハウジングの側方から見た断面図、(b)は穿脱部側から見た断面図である。
【図3】第2実施形態における混注部材の説明図であり、(a)はハウジングの側方から見た断面図、(b)は穿脱部側から見た断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 血液回路
2,3 穿刺針
4 チューブ
5 血液ポンプ
6 可撓性チューブ
7,8 ドリップチャンバー
9 血液浄化器
10 T管
11 輸液チャンバー
12 輸液容器
15 混注部材
16 ハウジング
17 流入通路
18 流出通路
20 内壁
21 連通室
23 穿脱部
24 栓体
25 カバー
25a 貫通口
28 流入内壁
29 流出内壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液回路の上流部に連通して血液を流入可能な流入通路と、血液回路の下流部に連通して血液を流出可能な流出通路と、流入通路と流出通路とを連通する連通室とを備え、該連通室の内壁の一部に穿刺管が穿脱可能な穿脱部を設け、該穿脱部を介して連通室と穿刺管とを連通可能な混注部材であって、
前記流入通路の中心軸を流出通路の中心軸の延長線上から外れた位置に設定したことを特徴とする混注部材。
【請求項2】
前記流入通路の中心軸を流出通路の中心軸の延長線上から穿脱部の側方寄りに外れた位置に設定したことを特徴とする請求項1に記載の混注部材。
【請求項3】
前記流入通路の中心軸と穿脱部との離間距離を、流出通路の中心軸と穿脱部との離間距離とは異ならせたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の混注部材。
【請求項4】
前記流入通路と流出通路とを連通室の一側寄りに配置したことを特徴とする請求項3に記載の混注部材。
【請求項5】
前記連通室の内壁を曲面で構成し、該内壁の接線上に、流入通路を形成する流入内壁を配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の混注部材。
【請求項6】
前記連通室の内壁を曲面で構成し、該内壁の接線上に、流出通路を形成する流出内壁を配置したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の混注部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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