説明

清掃シート

【課題】 本発明は、壁と床面との境界位置や角隅位置に溜まった塵や埃を十分に拭い取ることができる清掃シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 清掃具75の台座70に取り付けて用いられる清掃シート1であって、該清掃シート1を台座70に係止するための取り付け部3と、清掃部2とを有しており、清掃部2は、清掃シート1を台座70に取り付けた場合に台座70の底面に対面する清掃部本体4と、清掃部本体4の外側方向に張り出した耳部5とを備え、耳部5の先端部7が、清掃シート1の平面視上、清掃部本体4の側縁部よりも外側に位置している清掃シート1により、壁と床面との境界位置や角隅位置に溜まった塵や埃を十分に拭い取ることができる清掃シートが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃シートに関する。
【背景技術】
【0002】
タンス等の家具、建物の内壁、敷居、床、窓等に付着した塵や埃を除去するための清掃具として、様々な清掃シートが提案されている。
【0003】
特許文献1には、一枚の不織布シートに多数の切れ目を設けた清掃シートが提案されている。この清掃シートによれば、不織布シート面内に設けられる切れ目に塵や埃が補足されることで被清掃物の埃等が拭い取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3−65548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の清掃シートが、モップの台座に取り付けられて清掃具の形態にて、床面等の清掃のために使用される場合、清掃シートは床面等の被清掃面に押し当てられる。このとき、清掃シートをなす一枚の不織布シートには、そのシート面に対して、台座から強い力が加えられて、清掃シートの清掃面で塵や埃が捉えられる。
【0006】
しかしながら、壁と床面との境界位置や角隅位置に溜まった埃や塵は、この清掃シートの清掃面に接触しにくい。このため、特許文献1の清掃シートには、こうした角隅位置にある埃や塵を効率的に拭い取ることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、壁と床面との境界位置や角隅位置に溜まった塵や埃を十分に拭い取ることができる清掃シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(1)清掃具の台座に取り付けて用いられる清掃シートであって、
該清掃シートを台座に係止するための取り付け部と、清掃部とを有しており、
清掃部は、清掃シートを台座に取り付けた場合に台座の底面に対面する清掃部本体と、清掃部本体の外側方向に張り出した耳部とを備え、
耳部の先端部が、清掃シートの平面視上、清掃部本体の側縁部よりも外側に位置している、ことを特徴とする清掃シート、
(2)耳部は、帯状に形成されている帯状片からなり、且つ、清掃部本体の側縁部に沿って帯状片の側縁を清掃部本体に接合して形成される接合部に固定端部を形成するとともに、該固定端部から先端部に向かって清掃部本体の外側方向に張り出している、上記(1)記載の清掃シート、
(3) 耳部は、帯状に形成されて互いに幅を異にする複数の帯状片を重ね合わせてなる積層構造体からなり、
該積層構造体は、清掃部本体に対して近い位置から遠い位置に向かって、幅広になるように互いに複数の帯状片を重なりあわせてなるとともに、清掃シートの平面視上、帯状片の側縁のうちの清掃部本体の面内方向の端縁の位置を揃えて複数の帯状片を配置してなり、
耳部は、位置を揃えられた帯状片の側縁にて清掃部本体の側縁部に沿って積層構造体と清掃部本体を接合して形成される接合部に固定端部を形成するとともに、該固定端部から先端部に向かって清掃部本体の外側方向に張り出している、上記(1)記載の清掃シート、
(4)耳部は、筒状に形成されている筒状片からなり、且つ、清掃部本体の側縁部に沿って筒状片を清掃部本体に接合して形成される接合部に固定端部を形成するとともに、清掃シートの平面視上、清掃部本体の外側まで張り出している、上記(1)記載の清掃シート、
(5)耳部は、対面する2つの面部形成部と面部形成部同士を互いの一側縁にて接続する接続部を備えるとともに面部形成部の対面する2つの内面のうちの一方側の面を粘着性面となし他方側の面を剥離性面となしている清掃小片からなり、且つ、接続部を清掃部本体の面内方向に向けつつ粘着性面を剥離性面よりも清掃部本体から遠方に位置させるように、清掃小片を清掃部本体に接合して形成されている、上記(1)記載の清掃シート、
(6)一枚のシート材を部分的にU字状に折り曲げて襞部を形成するとともに該襞部の対面する基端部同士を接合して取り付け部と清掃部と耳部が形成されている、ことを特徴とする上記(1)記載の清掃シート、を要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、清掃具の台座に取り付けられる清掃シートに耳部が形成されており、その耳部が、清掃部本体の側縁から清掃部本体の外側方向に向かって張り出している。これにより、耳部の先端部が台座の底面よりも外側に位置し、耳部の先端部を、壁と床との境界などといった角隅位置によくフィットさせることができるようになり、隅角位置に溜まった塵や埃を効率的に清掃シートの耳部で拭いとることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態における清掃シートの実施例の1つを台座に取り付けてなる清掃具を示す概略斜視図である。
【図2】(a)本発明の第1の実施形態における清掃シートの1実施例を示す概略平面図である。(b)図2(a)のA−A線概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における清掃シートの他の1実施例を説明するための概略断面図である。
【図4】(a)本発明の第2の実施形態における清掃シートの1実施例を説明するための概略断面図である。(b)図4(a)のB−B線概略断面図である。
【図5】(a)本発明の第3の実施形態における清掃シートの1実施例を説明するための概略断面図である。(b)図5(a)のC−C線概略断面図である。
【図6】(a)本発明の第3の実施形態における清掃シートの他の1実施例を説明するための概略断面図である。(b)図6(a)のD−D線概略断面図である。
【図7】(a)本発明の第4の実施形態における清掃シートの1実施例を説明するための概略断面図である。(b)図7(a)のE−E線概略断面図である。
【図8】本発明の清掃シートを取り付けた清掃具が床面と壁面の境界位置に近づいた状態を模式的に説明するための模式図である。
【図9】(a)本発明の第1の実施形態における清掃シートの帯状片に切り込みが加えられた状態を説明するための概略斜視図である。(b)本発明の第3の実施形態における清掃シートの筒状片に切り込みが加えられた状態を説明するための概略斜視図である。
【図10】(a)本発明の第5の実施形態における清掃シートの1実施例を説明するための概略断面図である。(b)本発明の第5の実施形態における清掃シートの他の1実施例を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態の清掃シート1は、図1に示すように、柄72を有する清掃具75の台座70に取り付けられて用いられるものである。この清掃シート1は、図2(a)(b)に示すように、その清掃シート1を台座70に係止するための取り付け部3(3a,3b)と、清掃部2とを有してなる。清掃部2は、清掃シート1において清掃時に埃や塵を絡め取る機能を発揮する部分であり、清掃部本体4と耳部5(5a,5b)とからなる。
【0012】
(取り付け部3)
取り付け部3は、平面視上、清掃部本体4の外側に形成され、清掃部本体4と耳部5との接合部8よりも外側に形成される。
【0013】
図1,図2(a)(b)に示す清掃シート1の例では、取り付け部3は、清掃部本体4と一体に形成されており、清掃部本体4を挟むように2箇所(取り付け部3a、3b)形成されている。具体的に、取り付け部3は、後述するシート材10にて清掃部本体4と一体に形成される。すなわち、1つのシート材10において、所定の領域(台座70に対面する部分にあたる領域)で特定される部分を清掃部本体4となすとともに、その清掃部本体4の外側の部分を取り付け部3となしている。
【0014】
なお、取り付け部3は、図3に示すように、清掃部本体4とは別体の部材にて形成されてもよい。この場合、「清掃部本体4とは別体の部材」としては、シート(取り付け部用シート11)を用いることができる。そして、取り付け部用シート11は、清掃部本体4を形成するためのシート材10に対して、所定の位置(シート材10において清掃部本体4の側縁部13となることを予定された位置)を含む部分に接合される。このとき、取り付け部用シート11とシート材10との接合部分(接合部8)よりも清掃部本体4の外側方向に存在する取り付け部用シート11の部分が、取り付け部3をなす。取り付け部用シート11の材料は、清掃部本体4を構成するためのシート材10と同様のものを用いることができる。
【0015】
なお、上記した取り付け部用シート11とシート材10との接合方法は、後述の耳部5を構成する耳部用部材12をシート材10に接合する方法と同様の方法、例えば、ヒートシールによる接合方法や、粘着剤による接合方法などを、適宜用いることができる。
【0016】
(清掃部2)
清掃部2は、清掃部本体4と耳部5とからなる。
【0017】
(清掃部本体4)
清掃部本体4は、清掃シート1のうち、清掃シート1を台座70に取り付けて清掃具75を得る場合に台座70の底面80に対して対面させる部分として定められた部分である。
【0018】
清掃部本体4は、シート材10から形成される。シート材10は、単層に構成されるものに限定されず、一枚のシートを折り重ねてなる2層以上の積層構造を有して構成されているものでもよく、また複数枚のシートを重ね合わせてなる積層構造を有して構成されているものでもよい。シート材10は、一種類の材料で構成されてよいほか、複数種類の材料で構成されてもよい。また、シート材10は、その表面を所定の領域ごとに区分して、区分された領域ごとに異なる種類の材料で構成されているものでもよく、また、区分された領域ごとに色種を異にしているものでもよい。
【0019】
シート材10は、清掃時に塵や埃を絡め取る機能を発揮可能なものであれば特に限定されず、例えば、紙、織布、合成樹脂製のシート、不織布などを材料として用いることができる。不織布は、上記に挙げたほかの材料に比べて軽量性、強度、耐久性、接着性に優れることから、シート材10は不織布であることが好ましい。
【0020】
清掃部本体4を形成するシート材10が不織布である場合、その不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布等を用いることができる。こうした不織布を構成する繊維は、天然繊維、合成繊維、複合繊維等を用いることができる。
【0021】
清掃シート1を取り付けた清掃具を用いた清掃時において清掃部本体4に塵や埃を絡めやすくする観点からは、清掃部本体4を構成するシート材10には、伸縮性に優れた材質からなるものが用いられることが好ましい。すると、この観点を重視すれば、シート材10は、スパンレース不織布を用いられることが好ましい。
【0022】
清掃シート1を台座に取り付ける際において清掃シート1をモップの台座などにしっかりと固定する観点からは、シート材10には、伸縮性の少ない材質からなるものが用いられることが好ましい。すると、この観点を重視すれば、シート材10は、スパンボンド不織布もしくはエアスルー不織布であることが好ましい。
【0023】
また、清掃部本体は、伸縮性に優れたシート(第1のシート)と伸縮性の少ないシート(第2のシート)とを重ね合わせてなるシート材10から形成されてもよい。この場合、清掃部本体4は、清掃具の台座に対して第1のシートを対面させ、被清掃面に対して第2のシートを対面させるように、台座に取り付けられるようにすることができ、清掃シート1を台座にしっかり固定しつつ清掃部本体4に塵や埃をしっかりと絡め取らせることができる。
【0024】
なお、図1の例に示す清掃部本体4の平面形状は矩形状であったが、これらの形状は、矩形状に限定されない。清掃部本体4は、多角形や楕円形状の平面形状を有するものや、閉曲線でなる平面輪郭形状を有するものなど、それぞれ適宜所望の形状に加工されたものでもよい。これは、取り付け部2と耳部5の形状についても同様である。
【0025】
清掃部本体4は、多数の切れ目や小孔が形成されていてもよい(図示しない)。切れ目は、清掃部本体4を構成するシート材10をその厚み方向に直線状など所定の形状に切り込んでシート材に切れ込みを形成させることで形成される。この場合、切れ込みが切れ目をなす。小孔は、例えば、シート材10を貫通する孔を穿つことで具体的に形成可能である。小孔の形状は、多角形状、円形状など特に限定されないが、小孔の隙間を開閉させて塵や埃を効率的に絡めとる観点から、小孔は、細長な形状であることが好ましい。
【0026】
清掃部本体4は、その表面に微細な凹凸を多数形成していてもよい(図示しない)。この凹凸は、清掃部本体4の面のうち、清掃シート1を台座に取り付けた際に台座に対して向かい合わない面(非対向面)に少なくとも形成されていればよいが、台座に対して向かいあう面(対向面)にも形成されてよい。すなわち、微細な凹凸は、清掃部本体4の両面に形成されていてもよい。また、凹凸が清掃部本体4の両面に形成される場合、その一方面において凹状に形成された部分(凹部)に対して、他方面上において一方面の凹部の真裏の位置にあたる部分が凸状に形成された部分(凸部)になっていてもよい。そのような凹凸は、清掃部本体4を構成するシート材10にエンボス加工を施すことによって具体的に実現できる。
【0027】
(耳部5)
耳部5は、清掃シート1の平面視上、清掃部本体4の外側方向に張り出して形成されている。耳部5は、清掃部本体4の側縁部13を含む領域に形成される接合部8に固定端部6を有する。また、耳部5では、その先端部7が清掃部本体4の側縁部13の外側に位置している。耳部5は清掃部本体4と取り付け部3との境界部分にそって延びて形成されている(図2の例では、耳部5a、5b)。なお、耳部5a、5bは、互いに長手方向を揃えつつ、先端部を清掃部本体4の面外方向に向けて配置される。
【0028】
なお、本明細書において、「清掃部本体4の外側方向」とは、「清掃部本体4をなすシート材10の厚み方向にz軸を想定するとともに、z軸を法線とする平面内に互いに直交するx軸とy軸を想定して、シート材10の中央に原点をとってx、y、zの3軸によって張られる3次元空間を想定した場合において、少なくともz軸を法線とする平面(xy平面)の広がる方向」を示し、「清掃部本体4の外側」とは、少なくとも清掃部本体4をz軸方向から見た場合(平面視上)における清掃部本体4の側縁部13よりも外側を示すものとする。特に、図1では、清掃部本体4の外側方向(面外方向)は、A−B方向に内外方向を想定した場合における外側方向を示す。そして、その「清掃部本体の外側方向」は、清掃具を用いた清掃時に清掃具を移動させる方向(清掃方向)に内外方向を想定した場合における外側方向に一致する。なお、清掃部本体4の内側方向(面内方向)については、図1のA−B方向に内外方向を想定した場合における内側方向(清掃部本体4の中央に向かう方向)を示す。
【0029】
図1,図2(a)(b)に示す清掃シート1においては、耳部5は、清掃部本体4とは別体の部材としての「耳部5を形成するための部材(耳部用部材12)」からなる。耳部用部材12は、不織布など、清掃部本体4として使用可能な材料から適宜選択される。耳部用部材12の材料は、清掃部本体4を構成するシート材10の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。耳部用部材12の材料は、シート材10に接合容易である点で、不織布からなることが特に好ましい。不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布等を用いることができる。耳部用部材12が不織布からなる場合、清掃部本体4を構成するシート材10も不織布であることが好ましく、その場合、耳部用部材12を構成する不織布の材料は、シート材10と同一の材料であることが好ましい。
【0030】
具体的に、図2の例では、耳部用部材12は、帯状片21である。帯状片21としては、帯状のシートを用いることができる。
【0031】
また、図2の例では、耳部5は、次のように形成される。1枚の帯状片21が、その長手方向の一方の側縁が清掃部本体4の側縁部13のやや内側に位置するとともにその側縁部13に沿うように、配置される。このとき、清掃シート1の平面視上、清掃部本体4の外側に帯状片21の他方の側縁(側縁部13に沿って配置される帯状片21の一方の側縁に対する他方側の側縁)が位置するように帯状片21が配置される。帯状片21と清掃部本体4は、清掃部本体4の側縁部13に沿って、相互に部分的に重なり合う。次に、その重なり合う部分にて、帯状片21が清掃部本体4に接合されて接合部8を形成する。そして、このような接合により、帯状片21が、耳部5をなす。耳部5は、帯状片21の側縁のうち接合部8を形成された方の側縁を、その耳部5の固定端部6とするとともに、帯状片21の他方の側縁を耳部5の先端部7(自由端部)となしている。耳部5の先端部7は、清掃部本体4の外側に位置することになる。なお、図2(a)に示す清掃シート1の例では、接合部8が、直線状の形状をなしているが、接合部8の形状はこれに限られず、曲線状、破線状、点状、帯状、波形状など、適宜形状を採用されてよい。また、接合部8の幅は、適宜定めることができる。
【0032】
帯状片21を清掃部本体4に接合して接合部8を形成する方法としては、ヒートシールによる接合方法、接着剤による接合方法、超音波シールによる接合方法など公知の接合方法を適宜用いることができる。
【0033】
ヒートシールを用いた接合方法は、「帯状片21と清掃部本体4とを接合させようとする部分を加熱して帯状片21と清掃部本体4とを融着させる」という方法であり、従前より公知のヒートシール機を用いて実現可能である。
【0034】
超音波シールによる接合方法は、帯状片21と清掃部本体4とを接合しようとする部分に対して微細な超音波振動と圧力を加えることによって帯状片21と清掃部本体4とを瞬時に溶融し、両者を接合する方法であり、従前より公然知られた超音波シール機を用いて実現可能である。具体的に、超音波シール機は、帯状片21と清掃部本体4を接合しようとする部分において帯状片21と清掃部本体4に微細な超音波振動と圧力を加えて強力な摩擦熱を発生させる。そして、帯状片21と清掃部本体4は部分的に溶融され、互いに結合する。
【0035】
また、接着剤を用いた帯状片21と清掃部本体4の接着により、帯状片21と清掃部本体4が接合される場合、接着剤としては、二液硬化型接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、エラストマー系接着剤、熱硬化樹脂系接着剤、瞬間接着型接着剤、ホットメルト型接着剤等を用いることができる。接着剤は、加熱・冷却による迅速な接着作業が可能である観点からはホットメルト型接着剤が好ましい。また、帯状片21を構成する帯状のシートと清掃部本体4を構成するシート材がともに不織布である場合、接着剤としては、接着剤の不織布内部への浸透性の良さの観点からは溶液型またはエマルジョン型の、熱可塑性樹脂系接着剤またはエラストマー系接着剤が好ましい。なお、シート材と帯状のシートのうち、予め接着剤を塗布しておく面はこれらのいずれでもよく、また両方でもよい。
【0036】
清掃シート1の清掃部2において、図1,図2の例では、耳部5は、矩形状の清掃部本体4の向かいあう1組の側縁部13,13の両方に対してそれぞれ帯状片21,21が接合されることで、清掃部2に対して複数個所設けられて(清掃部2において合計2箇所(耳部5a,5b)設置されて)いる。しかしながら、清掃部2において、耳部5の配設箇所は、2箇所に限定されず、耳部5が清掃部2に1箇所設けられていてもよく、また3箇所以上設けられていてもよい。さらに、清掃部2において、耳部5は、清掃部本体4の一方面側に設けられるのみならず、清掃部本体4の両面(清掃シート1を台座70に取り付けて清掃具75を得る場合における台座70との対向面と非対向面)に設けられていてもよい。
【0037】
耳部5は、その先端部7から固定端部6に向かう方向(図1において、A−B方向について外側から内側に向かう方向)に多数の切れ込みを形成していてもよい(図9(a))。図9(a)は、図2(a)に示す清掃シート1の例において耳部5が切れ込まれた場合について、その斜視図を示す。
【0038】
帯状片21は、耳部5の先端部7をなす側縁から耳部5の固定端部6をなす側縁に向かう方向に向かって切れ込みを加えられていてもよい。このとき、帯状片21には、上記切れ込みによって短冊状の形状を有する部分(短冊部23)が形成される。この場合、耳部5は、多数の短冊部23を備える帯状片21からなることになる。
【0039】
上記した清掃シート1では、耳部5は、清掃部本体4を構成するシート材10とは別体の帯状片21で形成されていたが、これに限定されない。シート材10にて耳部5と清掃部本体4とが一体に形成されていてもよい(図3)。シート材10にて耳部5と清掃部本体4と一体に形成される場合、耳部5は具体的に次のように形成される。
【0040】
シート材10は、清掃部本体4となることを予定された部分(清掃部本体予定部)と耳部5となることを予定された部分(耳部予定部)との境界の位置(位置Q)を定めて清掃部本体予定部と耳部予定部に区画される。そして、シート材10の「位置Q」に取り付け部3を構成するための部材(取り付け部用シート11)が接合されることにより、シート材10の耳部予定部が耳部5となる。
【0041】
<第2の実施形態>
第1の実施形態の清掃シート1における耳部5は、複数枚の帯状片21から構成されるものであってもよい(第2の実施形態)(図4(a)(b))。
【0042】
第2の実施形態の清掃シート1は、耳部5以外の構成については、第1の実施形態の清掃シート1と同じ構成である。
【0043】
第2の実施形態の清掃シート1においては、耳部5を構成する耳部用部材12は、複数の帯状片21をその厚み方向に複数枚重ね合わせてなる積層構造体である。
【0044】
具体的に、図4の清掃シート1の例では、耳部5は、3枚の帯状片21a、21b、21cからなる積層構造体にて、次のように構成されている。まず、3枚の帯状片21a、21b、21cは、清掃部本体4上に配置されている。これら帯状片21a、21b、21cは、それぞれの側縁のうち、清掃シート1の平面視上、清掃部本体4内側方向(面内方向)に位置するほうの側縁(内側側縁)を互いに揃えつつ、互いに重なりあい、積層構造体をなす。さらに、帯状片21a、21b、21cは、それぞれの内側側縁が、清掃シート1の平面視上、清掃部本体4の側縁部13よりもやや内側に清掃部本体4の側縁部13に沿うように、清掃部本体4上に配置されている。このように帯状片21a、21b、21cによって形成される3層に重なり合う積層構造体が耳部用部材12にあたる。そして、積層構造体は、清掃部本体4に接合される。このとき、積層構造体を構成する帯状片21のうち清掃部本体4に最も近い位置にある帯状片21aが清掃部本体4に対して直接に接合されており、また、帯状片21aと帯状片21bの相互間、および、帯状片21bと帯状変21cの相互間についても、互いに接合されている。
【0045】
シート材10および帯状片21a、21b、21cの接合は、これらを一纏まりに接合することで具体的に形成可能である。具体的には、帯状片21a、21b、21cの内側側縁をシート材10の所定の位置に揃えつつ順次重ね合わせ、帯状片21a、21b、21cの内側側縁を含む領域で、シート材10および帯状片21a、21b、21cを接合一体化させる。その接合一体化された部分が接合部8をなす。
【0046】
このように接合部8が形成されることで、耳部5が形成される。このとき、接合部8の内側縁(シート材10の面内方向側に位置する方の側縁)が耳部5の固定端部6となっており、積層構造体たる耳部形成部材12の外側側縁(帯状片21cの外側縁(シート材10の面外方向側に位置する方の側縁))が、耳部5の先端部7となる。
【0047】
第2の実施形態の清掃シート1における接合部8の形成方法としては、第1の実施形態の清掃シートにおける帯状片21とシート材10とを接合する場合に使用可能な接合方法と同じく、ヒートシールによる接合方法、接着剤による接合方法、超音波シールによる接合方法などを用いることができる。
【0048】
シート材10および帯状片21a、21b、21cの接合(積層構造体とシート体10との接合)は、上記したようにシート材10と帯状片21a、21b、21cを重ね合わせた後に実施するほか、1つの帯状片を重ねるたびに順次実施されてよい。
【0049】
耳部5を構成する複数枚の帯状片21a、21b、21cは、互いに短手方向の幅を異にしていることが好ましい。その場合、耳部5を構成する帯状片21について、清掃部本体4から離れた位置に設けられる帯状片21ほど、帯状片21の外側側縁が清掃部本体4の外側に位置していることが好ましい。このような耳部5は、次のように形成される。まず、帯状片21a、21b、21cが、それらの清掃部本体4の面内方向側の側縁(内側側縁)を揃えられつつ、その幅の小さいものから清掃部本体4上に順次重ねあわされる。このとき、幅の狭い帯状片21ほど、清掃部本体4に近い位置に配置されることになる。これにより、清掃部本体4の厚み方向に清掃部本体4から離間した位置(遠い位置)に設けられる帯状片21ほど、重なり合う帯状片21の短手方向の幅が広くなるとともに、清掃部本体4の外側の位置に帯状片21の外側側縁が位置するようになる。
【0050】
具体的に、図4の清掃シート1の例では、帯状片21a、21b、21cの短手方向の幅の大小関係が、(帯状片21aの幅)<(帯状片21bの幅)<(帯状片21cの幅)となっており、帯状片21a、21b、21cが、清掃シート1の平面視上、互いに内側側縁の位置を揃えつつ、清掃部本体4の側縁部のやや内側に位置するように、清掃部本体4の側縁部13に沿って互いに重なり合って、清掃部本体4上に配置される。このとき、清掃シート1に設けられる帯状片21a、21b、21cの重なり合う順序については、清掃部本体4の厚み方向に、清掃部本体4に対して最も近い位置にあるものから遠い位置にあるものに向かう順に、帯状片21a、帯状片21b、帯状片21cとなっている。
【0051】
この清掃シート1によれば、耳部5は、清掃部本体4から離れた位置に配置されている帯状片21(帯状片21c)の外側側縁ほど清掃部本体4の側縁部13よりも外側に位置した構造を有することになる。このような清掃シート1を台座70に取り付けた清掃具75を用いて清掃が実施されると、耳部5の先端部7が、家屋の床の四隅位置や床と壁の境界位置などといった角隅部分によくフィットしやすくなり、その隅部分の塵や埃などが耳部5で容易にかきとられるようになる。
【0052】
<第3の実施形態>
第1の実施形態の清掃シート1において、耳部5は、筒状片22からなるものとされていてもよい(第3の実施形態)。すなわち、第3の実施形態の清掃シート1においては、耳部5を構成する耳部用部材12が筒状片22である。筒状片22としては、所定の材料を筒状に成形してなるものを用いることができる。そのほか、筒状片22は、所定の材料からなるシートを筒状にしてなるものも用いることができる(図5(a)(b))。筒状片22を構成する材料については、帯状片21を構成する材料を挙げることができる。なお、第3の実施形態の清掃シート1は、耳部5以外の構成については、第1の実施形態の清掃シート1と同じ構成である。
【0053】
筒状片22は、清掃部本体4の側縁部13に沿って清掃部本体4の側縁部13を含む所定の領域に接合されている。筒状片22と清掃部本体4との接合された部分が、接合部8をなす。これにより、筒状片22が耳部5をなす。このとき、接合部8の側縁のうち清掃部本体4の面内方向側の側縁は、耳部5の固定端部6をなしている。また筒状片22は、その平面視上、清掃部本体4の外側まで張り出しており、張り出した部分のうち清掃部本体4の最も外側に位置する部分が、耳部5の先端部7をなす。
【0054】
この清掃シート1においては、筒状片22は、その筒状片22の外側端縁から内側端縁に向かう方向に切れ込まれてよい(図9(b))。図9(b)は、図5(a)に示す清掃シート1における筒状片22が切れ込まれた場合の例についての平面図を示す。この場合、上記切れ込みによって筒状片22に、多数の輪状部24が形成される。
【0055】
上記に示す第3の実施形態の清掃シート1では、耳部5は、清掃部本体4を構成するシート材10とは別体の筒状片22で構成されていたが、第3の実施形態の清掃シート1は、これに限定されず、清掃部本体4と耳部5がシート材10にて一体に形成されていてもよい。耳部5がシート材10にて清掃部本体4と一体に形成される場合、耳部5は、次のようにシート材10の一部を筒状に形成してなる(図6(a)(b))。
【0056】
シート材10は、所定の位置(接合部8の形成を予定された位置)を境界として清掃部予定部と耳部予定部に区分される。このシート体10において、耳部予定部の外側縁(シート材10の外側縁)が、シート材10の面内方向に清掃部予定部の側縁(清掃部本体4の側縁部13となることを予定された部分)よりもやや内側の位置(接合部8の幅に相当する分だけシート10面内方向に内側にある位置として定められる位置K)までU字状に折り返される。折り返された部分は、筒状の構造を有する部分(筒状部形成部)を構成する。まだこの時点では、筒状部形成部の先端(耳部予定部の外側縁)は自由端となっている。次に、その筒状部形成部の自由端の部分が、シート10面の位置Kに重ね合わせられ、筒状部形成部の自由端の部分(シート10の外側縁をなす部分)がシート10面の位置Kでシート10面に接合される。このート材10同士の接合により接合部8が形成され、筒状部形成部が筒状部25をなすとともに、筒状部25からなる耳部5が形成される。耳部5は、シート材10同士の接合部8の端縁のうちシート材10の面内方向の側縁を、固定端部6となし、その固定端6からシート材10の外側方向に向かって張り出している。清掃シート1の平面視上、シート材10の外側方向に張り出している先端の部分が、耳部5の先端部7をなす。また、接合部8の端縁のうちシート材10の面外方向の側縁は、清掃片本体4の側縁部13をなす。こうして、接合部8の形成により、清掃部本体4と耳部5の両方が形成されることとなり、清掃部本体4と耳部5を有してなる清掃部2が形成される。
【0057】
また、第3の実施形態の清掃シート1は、次のように形成される。すなわち、上記のように形成された清掃部2を用い、清掃部2における接合部8の位置に取り付け部用シート11をさらに接合して取り付け部3を形成することにより、清掃シート1が得られる。このとき、取り付け部用シート11を取り付けられる清掃部2の面は、特に限定されない。すなわち清掃部2の面のうち、清掃部2を形成するにあたって折り返されたシート材10の外側縁が露出するほうの面(露出面)に取り付け部用シート11が接合されてよい。また、その露出面とは真裏の面にあたる非露出面に、取り付け部用シート11が接合されてよい。図6(a)(b)の清掃シート1では、清掃部2の面のうち非露出面に取り付け部用シート11が接合されている。
【0058】
<第4の実施形態>
第1の実施形態の清掃シート1において、耳部5が、清掃小片からなるものとされていてもよい(第4の実施形態)。このとき、耳部5を構成するための耳部用部材12が清掃小片31である。清掃小片31は、2つの面部形成部32,33と、面部形成部32,33同士を互いの一側縁にて接続する接続部34とを形成してなる(図7(a)(b))。
【0059】
面部形成部32,33は、それぞれ帯状に形成されており、接続部34が、面部形成部32,33の長手方向に沿って互いに対面する2つの側縁部のうちの一方(面部形成部32,33同士の対面する側縁部)にて、面部形成部32,33に接続している。清掃小片31は、面部形成部32,33の長手方向を法線とする平面に平行な断面の形状をV字形状(断面V字形)としている。
【0060】
清掃小片31において、接続部34は、2つの面部形成部32,33を弾性的に接続する。すなわち、清掃小片31において、面部形成部32,33には、面部形成部32,33の互いに離間した先端同士を近づけようとする力に対して復元力が生じる。
【0061】
清掃小片31は、接続部34を清掃部本体4の面内方向に向けるとともに清掃部本体4上に配されている。清掃小片31は、その側縁部を清掃部本体4の側縁部13よりもやや内側(接合部8の幅分だけ内側)に位置させつつ清掃部本体4上に配されている。清掃小片31は、その接続部34を掃部本体4上に位置させており接続部34で清掃部本体4に接合されている。清掃小片31と清掃部本体4の接合部分は、接合部8をなしている。清接合部8は、清掃部本体4と清掃小片31とをヒートシールや接着剤(例えばホットメルト型接着剤)などにて接合することにより、具体的に形成される。
【0062】
清掃小片31は、対面する2つの内面のうちの一方側の面であって接合部8の形成後に清掃部本体4から遠方に位置する面を、粘着性を有する粘着性面33aとなすとともに、他方側の面であって接合部8の形成後に清掃部本体4から近方に位置する面を、剥離性を有する剥離性面32aとなしている。
【0063】
清掃小片31は、紙、フィルム材、樹脂材料などを適宜用いて形成される。また、清掃小片31は、紙やフィルム材に樹脂材料をコートしてなるものや、紙及び/又はフィルム材を複数層に積層してなるものを適宜用いて形成される。フィルム材を構成する材料や、樹脂材料としては、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などを用いることができる。
【0064】
清掃小片31が、紙、フィルム材を材料として形成される場合、その紙やフィルム材には、コシの強い材料が選択されることが好ましい。清掃小片31が、コシの強い材料で形成されている場合、清掃小片31は、接続部34で2つの面部形成部32,33を弾性的に接続した状態となりやすいものとなる。
【0065】
清掃小片31は、例えば次のように形成することができる。紙やフィルム材からなるシート(清掃小片用シート)を2つ折りに折り曲げて折り曲げ体を形成する。折り曲げ体の対面する内面の一方を剥離性面32aとなし、他方を粘着性面33aとなすことで、清掃小片31を形成することができる。このとき、剥離性面32aを形成した部分と、粘着性面33aを形成した部分は、それぞれ面部形成部32,33をなしている。また、折り曲げ体の折り目に対応する部分は、清掃小片31において接続部34をなす。
【0066】
また、清掃小片31は、従前より公知の射出成形法を適宜用いて製造することもできる。たとえば、清掃小片31の形状に対応した金型を用い、樹脂材料をその金型に流し込んで、樹脂材料を成形することによって成型品を得る。このとき、その成形品の形状は、清掃小片31の形状に対応する。そして、成形品において対面する2つの内面のうち一方を剥離性面32aとなし、他方を粘着性面33aとなすことで、清掃小片31を形成することができる。
【0067】
なお、清掃小片31において、剥離性面32aと粘着性面33aは次のように形成できる。すなわち、上記折り曲げ体や成形品において、剥離性面32aを形成することを予定された部分に、剥離性面32aの輪郭形状をあわせて剥離紙などを貼り付け、粘着性面33aを形成することを予定された部分に、粘着性面33aの形状にあわせて粘着フィルムなどを貼り付けることで形成できる。具体的には、粘着面を有する粘着フィルムに対してその粘着面を剥離紙で覆ってなる市販のテープを適宜準備し、その剥離紙と粘着フィルムを適宜、剥離性を有する面と粘着性を有する面とを対面させつつ上記折り曲げ体や成形品の所定箇所に取り付ければよい。
【0068】
また、剥離性面32aと粘着性面33aは次のようにしても形成できる。剥離性面32aは、折り曲げ体や成形品において、剥離性面32aを形成することを予定された部分に、剥離性を与えることが可能な材料(例えば、シリコンなど)を塗布することで形成することができる。粘着性面33aは、折り曲げ体や成形品において、粘着性面33aを形成することを予定された部分に、粘着性を与えることが可能な材料(例えば、ホットメルト型接着剤(国民淀粉化学(上海)有限公司製、商品番号;5Q122E、DMC5266)など)を塗布することで形成することができる。
【0069】
この清掃シート1によれば、米粒や砂粒など比較的嵩や重さの大きい塵や埃を、清掃小片31の粘着性面33aの部分に粘着させることができるようになる。
【0070】
なお、この清掃シート1において、耳部5が上記のような清掃小片31を耳部用部材として形成されていることで、次のように清掃機能を発揮するものと思料される。この清掃シート1を台座70に取付けてなる床清掃用モップ75は、清掃時に、清掃シート1の表面を床の床面に押し付けられる。このとき、粘着性面33aに対して対面する位置には剥離性面32aが形成されているので、面部形成部32,33同士が貼りついてしまう虞は抑制される。そのうえで、清掃小片31は粘着性面33aを形成した面部形成部33を床に当接させた状態となっている。そして、床清掃用モップ75が、清掃時に所定の方向に移動されると、床面上の塵が粘着性面33aに乗り上げられてその面に粘着され、清掃小片31は効果的に清掃機能を発揮する。
【0071】
<第5の実施形態>
上記の第1から4の実施形態の清掃シート1は、いずれも、清掃部本体4、取り付け部3、耳部5のうちの少なくともいずれか1つを別体にて構成している。本発明は、これに限定されず、清掃シート1は、図10(a)に示すように、清掃部本体4、取り付け部3、耳部5を、一枚のシート材10にて形成していてもよい(第5の実施形態)。
【0072】
第5の実施形態の清掃シート1は、次のように形成されてなるものである。
【0073】
シート材10として矩形状のシートを準備し、シート材10の面内所定位置で部分的に断面U字状に折り曲げて襞部40を形成する。襞部40は、シート材10の向かいあう二側辺間を横断するように伸びて形成されている。また、襞部40は、シート10の平面視上、所定の間隔を隔てて2つ形成されており、2つの襞部40は、互いに長手方向を揃えて略平行に形成されている。そして、1つの襞部40において向かい合う基端部41,41同士が接合されて接合部8が形成される。このとき、接合部8から襞部40の先端までのシート材10の部分にて耳部5が形成される。耳部5は、個々の襞部40ごとに形成される。図10の例では、シート材10に、接合部が2箇所に形成される。そして、2つの耳部5が形成される。また、シート材10の部分のうち一方の接合部8から他方の接合部8までの範囲で定まる部分にて、清掃部本体4が形成され、シート材10の部分のうち接合部8よりも外側の部分(清掃部本体4および耳部5を除く部分)にて、取り付け部3が形成される。こうして、一枚のシート材10にて、清掃部本体4、取り付け部3、耳部5を形成してなる清掃シート1が得られる(図10(a))。
【0074】
図10(a)に示す第5の実施形態の清掃シート1の例では、耳部5は、筒状に形成される。なお、第5の実施形態の清掃シート1について、耳部5は、襞部40に接合部8を形成した後さらに襞部40の伸びる方向に沿って切り込まれて形成されてもよい。この場合、耳部5は、襞部40の切り込みによって帯状に形成された複数の被切断片42からなる構造となる(図10(b))。なお、この複数の被切断片42は、接合部8で互いに固定されている。
【0075】
<清掃シート1を用いた清掃具の例>
本発明の清掃シート1を用いた清掃具は、床清掃用モップ75である。床清掃用モップ75は、柄72を付けた台座70に清掃シート1を取り付けてなる(図1,図8)。図1は、図2の清掃シート1を台座70に取り付けた床清掃用モップ75の1実施例を示す斜視図である。
【0076】
清掃シート1が台座70に取り付けられるにあたっては、清掃シート1を台座70に当接させ、清掃シート1の取り付け部3と清掃部本体4との境界を折り曲げて台座70の上面に取り付け部3を巻き付ける。台座70の上面にはその上面から上方に突出してなる係止片71が設けられており、取り付け部3の領域内の端部近傍(取り付け部3中央位置よりも側端縁に近い位置)4ヵ所に設けられた係止部9の位置で、台座70の上面の係止片71と係止部9とで係止構造が形成され、清掃シート1が台座70に係止される。これにより、清掃シート1が台座70に取り付けられ、床清掃用モップ75が得られる。清掃シート1における係止部9は、係止片71との間の係止位置に対応した位置に設けられる。また、図1の清掃部75に使用される清掃シート1の例では、係止部9は、平面視上、十字形の切れ込みであるが、これに限定されず、図6,7に示すように一直線状の切れ目(図6)や小孔(図7)などでもよい。係止部9は、台座70における係止片71によって適宜定められる。
【0077】
なお、清掃シート1が台座70に取り付けられて床清掃用モップ75が得られる場合に、清掃シート1が次のように配置されている。すなわち、耳部5の先端部7が、台座70の底面80と側面81との境界の部分(境界部R)の位置よりも外側に配置されるように、清掃シート1が台座70に取り付けられている。ただし、境界部Rの位置よりも外側という場合における「外側」とは、底面80の面内方向に内外方向を想定した場合における外側を示す。
【0078】
従前のモップを用いて家屋内などを清掃する際には、家屋の床面と壁面との境界部分といった隅位置の塵や埃を十分にかきとることが困難になる虞がある。この点、床清掃用モップ75を用いた清掃時においては、図8に示すように、台座70の境界部Rから外方向に対して突出する耳部5の先端部7が、床面50と壁面51との境界部分Pに接触してその境界部分Pの位置にある塵や埃を効率的にかき取るので、こうした隅部分の塵や埃を捕捉することが容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、塵や埃を効果的に除去するための清掃シートとして家庭などで用いるのに有益である。
【符号の説明】
【0080】
1 清掃シート
2 清掃部
3,3a,3b 取り付け部
4 清掃部本体
5,5a,5b 耳部
6 固定端部
7 先端部
8 接合部
9 係止部
10 シート材
11 取り付け部用シート
12 耳部用部材
13 側縁部(清掃部本体の側縁部)
21,21a,21b,21c 帯状片
22 筒状片
23 短冊部
24 輪状部
25 筒状部
31 清掃小片
50 床面
51 壁面
75 床清掃用モップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃具の台座に取り付けて用いられる清掃シートであって、
該清掃シートを台座に係止するための取り付け部と、清掃部とを有しており、
清掃部は、清掃シートを台座に取り付けた場合に台座の底面に対面する清掃部本体と、清掃部本体の外側方向に張り出した耳部とを備え、
耳部の先端部が、清掃シートの平面視上、清掃部本体の側縁部よりも外側に位置している、ことを特徴とする清掃シート。
【請求項2】
耳部は、帯状に形成されている帯状片からなり、且つ、清掃部本体の側縁部に沿って帯状片の側縁を清掃部本体に接合して形成される接合部に固定端部を形成するとともに、該固定端部から先端部に向かって清掃部本体の外側方向に張り出している、請求項1記載の清掃シート。
【請求項3】
耳部は、帯状に形成されて互いに幅を異にする複数の帯状片を重ね合わせてなる積層構造体からなり、
該積層構造体は、清掃部本体に対して近い位置から遠い位置に向かって、幅広になるように互いに複数の帯状片を重なりあわせてなるとともに、清掃シートの平面視上、帯状片の側縁のうちの清掃部本体の面内方向の端縁の位置を揃えて複数の帯状片を配置してなり、
耳部は、位置を揃えられた帯状片の側縁にて清掃部本体の側縁部に沿って積層構造体と清掃部本体を接合して形成される接合部に固定端部を形成するとともに、該固定端部から先端部に向かって清掃部本体の外側方向に張り出している、請求項1記載の清掃シート。
【請求項4】
耳部は、筒状に形成されている筒状片からなり、且つ、清掃部本体の側縁部に沿って筒状片を清掃部本体に接合して形成される接合部に固定端部を形成するとともに、清掃シートの平面視上、清掃部本体の外側まで張り出している、請求項1記載の清掃シート。
【請求項5】
耳部は、対面する2つの面部形成部と面部形成部同士を互いの一側縁にて接続する接続部を備えるとともに面部形成部の対面する2つの内面のうちの一方側の面を粘着性面となし他方側の面を剥離性面となしている清掃小片からなり、且つ、接続部を清掃部本体の面内方向に向けつつ粘着性面を剥離性面よりも清掃部本体から遠方に位置させるように、清掃小片を清掃部本体に接合して形成されている、請求項1記載の清掃シート。
【請求項6】
一枚のシート材を部分的にU字状に折り曲げて襞部を形成するとともに該襞部の対面する基端部同士を接合して取り付け部と清掃部と耳部が形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の清掃シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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