説明

清掃用具

【課題】構造が簡単で、且つ、清掃部材の交換性に優れる使い勝手の良い清掃用具を提供する。
【解決手段】ヒンジ機構5により長手中央より2つに折り畳み可能と成された取付具2と、このヒンジ機構5を挟んで前記取付具2の両側に着脱自在に装着される清掃部材1と、前記取付具2を2つ折りした状態で、その折り畳み基部に着脱自在に連結される柄部3とで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄部と、この柄部の先端部に着脱可能に装着されて用いられる清掃部材とを備えた使い捨ての清掃用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、柄部の先端に汚れを取るための清掃部材を取り付けて、はたきやモップ等として使用する清掃用具が知られており、例えば、特許文献1に、シート状の
不織材を短冊状にしてはたきとしての機能を持たせた清掃部材を、柄の先端部に設けた軸体に着脱自在に装着した使い捨ての清掃用具が開示されている。
【0003】
清掃部材の取り付けは、清掃部材の中心部に設けた筒状部に軸体へ挿入することにより行えるものであって、特許文献1には、柄の先端部に所定の隙間を持ってそれそれ平行する複数の軸体を備えて、これらの軸体にそれぞれ清掃部材を装着するようにした清掃用具が提案されている。
【特許文献1】特開平10−258009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような複数の軸体を有する構造は、軸体の数が多くなると成形金型の構造が複雑化すると共に、清掃部材を新規交換する場合に他の清掃部材が邪魔になって交換作業がしづらいという欠点があった。清掃部材の交換性の善し悪しは、使い捨ての清掃用具の使い勝手に大きく影響するものである。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み成されたもので、清掃部材の取付構造が簡単で、且つ、清掃部材の交換性に優れる使い勝手の良い清掃用具を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載の発明は、ヒンジ機構によって長手中央より2つに折り畳み可能と成された取付具と、このヒンジ機構を挟んで前記取付具の両側に着脱自在に装着される清掃部材と、折り畳まれた前記取付具の基部に着脱自在に連結される柄部とで構成されることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の清掃用具において、前記取付具の前記清掃部材が装着される部分に、当該清掃部材の抜け落ちを防止するための凸部が設けられていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の清掃用具において、前記凸部は、前記取付具の折り畳み側に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、取付具を2つに折り畳み可能として、取付具の両側に清掃部材を装着するようにしたので、清掃部材を交換する際、取付具の片側に装着されている清掃部材が邪魔になることはなく、よって、清掃部材の着脱が容易に行える。加えて、清掃部材の装着終了後、取付具を折り畳むことによって、それぞれの清掃部材が一体化され、ボリュームアップされるため、清掃部材による清掃能力が強化される。
【0010】
また、請求項2に記載の発明によれば、取付具に装着された清掃部材は、取付具の凸部によって抜け落ち難くなっており、特に、請求項3に記載の発明のように、この凸部を取付具の折り畳み側に設けることにより、折り畳み状態において各々の清掃部材は対向側の凸部にて押圧される状態となって取付具に確実に固定されるため、はたきがけのような激しい動作の清掃作業においても清掃部材が脱落する虞はなくなり、清掃作業が円滑に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図1〜図8に基づいて本発明に係る清掃用具10の実施形態を説明する。
【0012】
図1〜図4に示すように、本実施形態による清掃用具10は、汚れを拭うための清掃部材1と、この清掃部材1が装着される取付具2と、この取付具2を連結・保持する柄部3とを備え、はたきとして使用されるものである。
【0013】
清掃部材1としては、短冊状に切断された不織布が用いられ、その中心部分に取付具2が取り付けされるU字形の筒状挿入部4が設けられている。
不織布として種々の材料が使用可能であるが、本実施形態では、マイクロファイバークロスが使用されている。マイクロファイバークロスは、極細のナイロンやポリエステルなどの繊維で構成されており、吸水性や通気性とともに極めて細かい塵を繊維表面に取り込む性質を有するため、清掃部材1に用いて好適である。
【0014】
取付具2は、樹脂成形でなる細長棒状体であって、図5に示すように、長手中央の折り畳み基部6と、その両端部より2股状に延設された細長板状の取付軸11とで構成されている。
【0015】
折り畳み基部6は、半割筒状で、その扁平面6a側の長手中間部分に肉薄部によるヒンジ機構5が設けられており、このヒンジ機構5によって細長棒状の取付具2を2つに折り畳むことができるようになっている。取付具2が折り畳まれた状態では、図6に示すように、扁平面6aが相互に合わさって折り畳み部5は円筒状となる。
また、この折り畳み基部6において、扁平面6aの対向面となる曲面6b側には、U字形の切り込み7により厚さ方向に弾性を付与した舌片8が形成され、これら舌片8の先端部分に、それぞれ楕円形の係止突起9が形成されている。
【0016】
他方、2股状の取付軸11は、それぞれがV字に交差するように扁平面6aに対して所定の角度傾斜した状態で延設されており、その交差部であって取付具2の扁平面6a側(すなわち、折り畳み側)に、それぞれ先端部を尖らせた凸部12が形成されている。
これら凸部12は、それぞれヒンジ機構5に対して対称位置に設けられていて、取付具2を2つに折り畳んだ時にヒンジ機構5を挟む両側の凸部12同士が当接するようになっている。
【0017】
柄部3は、図8に示すように、握り部13と、円筒状の折り畳み基部6が連結される円筒状の連結部14とを備えた細長い棒状の樹脂成形品である。
連結部14は、開口部側を幾分拡径させて連結の際に折り畳み基部6を挿入し易くしていると共に、その胴部の中間部分に、連結時に折り畳み基部6の係止突起9が嵌合・係止される楕円状の嵌合孔16が設けられている。握り部13の端部には、吊り下げ用の引掛孔15が設けられている。
【0018】
上記構成の清掃用具10では、図2に示すように、取付具2を開いた状態にして、片側の取付軸11に清掃部材1を装着する。清掃部材1の装着は、U字状の筒状挿入部4にそれぞれ取付軸11を挿入すれば良く、着脱自在である。同じ要領で、図3に示すように、他方側の取付軸11にも清掃部材1を装着する。
清掃部材1の装着終了後、図4に示すように、取付具2をヒンジ部分より2つに折り畳み、その折り畳み基部6に柄部3の連結部14を挿入することにより、折り畳み基部6の係止突起9が連結部14の嵌合孔16に嵌合して、連結部分がロックされると共に、両側の清掃部材1、1が一つに重ね合わされ、清掃部材1がボリュームアップされる。
また、この折り畳み状態において、各清掃部材1の筒状挿入部4の部分がヒンジ機構5を挟んだ対向側の凸部12にて押圧された状態となっており、よって、各清掃部材1は取付具2に確実に固定されている。
【0019】
汚れなどで清掃部材1を新規交換するには、連結部14に突出した突起9を指先で押圧して突起9と嵌合孔16の嵌合によるロックを解除して、清掃部材1が装着された状態の取付具2を柄部3より取り外し、折り畳み状態の取付具2を開いた状態にして両側の清掃部材1を取り外すようにする。
【0020】
以上、本実施形態によれば、ヒンジ機構5により、取付具2を2つに折り畳み可能として、取付具2の両側に清掃部材1を装着するようにしたので、清掃部材1を交換する際に、取付具2の片側に装着されている清掃部材1が邪魔になることはなく、よって、清掃部材1を容易に着脱することができる。
【0021】
また、取付具2の両側に清掃部材1を装着した後、取付具2を2つに折り畳むことにより、それぞれの清掃部材1が一体化されボリュームアップされるため、清掃部材1による清掃能力が強化される。
このように、清掃部材1の取付構造は極めて簡単であるから、取付具2は単純な割型の成形金型を用いて安価に作製することができる。
【0022】
また、使用状態(取付具2が2つに折り畳まれている状態)において、各清掃部材1の筒状挿入部4が対向側の凸部12にて押圧された状態で、取付具2に確実に固定されているため、はたきがけのような激しい動作の清掃作業においても清掃部材1が脱落する虞はなく、清掃作業を円滑に行えるようになる。このように、本実施形態によれば、清掃部材1の交換性に優れる使い勝手の良い清掃用具10を提供することができる。
【0023】
また、本実施形態では、清掃用具10としてはたきを説明したが、例えば、清掃部材1の素材を木綿等の糸を撚ったモップパイルを用いると、モップとして使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る清掃用具の斜視図である。
【図2】取付具に清掃部材を装着する状態を示す斜視図である。
【図3】取付具の両側に清掃部を装着した状態を示す斜視図である。
【図4】清掃部材を装着した取付具と柄部を連結する状態を示す図である。
【図5】取付具の斜視図である。
【図6】取付具を2つに折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図7】取付具を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は側断面図である。
【図8】柄部を示し、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 清掃部材
2 取付具
3 柄部
5 ヒンジ機構
10 清掃用具
12 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ機構によって長手中央より2つに折り畳み可能と成された取付具と、このヒンジ機構を挟んで前記取付具の両側に着脱自在に装着される清掃部材と、折り畳まれた前記取付具の基部に着脱自在に連結される柄部とで構成されることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
前記取付具の前記清掃部材が装着される部分に、当該清掃部材の抜け落ちを防止するための凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の清掃用具。
【請求項3】
前記凸部は、前記取付具の折り畳み側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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