説明

清掃装置を備えているブロー金型用マガジン装置

【課題】複数の部品でそれぞれが構成されており、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるように機能するブロー成形用金型に関し、通常は作業モードにない、例えば清掃、さらには、殺菌などを行い且つ、多数のブロー金型を保管するためのマガジン装置を提供する。
【解決手段】ブロー成形用金型10の少なくとも1つの領域を清掃、さらには殺菌するための少なくとも1つの清掃装置2を備えていることを特徴とするマガジン装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー金型を保管するためのマガジン装置に関する。そのようなブロー金型は、従来技術において、通常はブロー成型プロセスの文脈において、プラスチック予備成形物をプラスチック容器(特に、PETボトル)へと変化させるために使用されている。例えば、別の形態のボトルをブロー成型すべき場合など、これらのブロー金型の交換が必要になることがある。使用中でないブロー金型は、通常はマガジンに保管されるため、ブロー金型は、例えば2つの横部品および底部品など、個々の部品へと分解され、適切な保持容器に収容される。さらに、いわゆるストレッチ棒も、これらの保持容器に配置することができる。広い意味では、ストレッチ棒もブロー金型の一部を形成し、したがって本明細書の残りの部分において個別に言及することはしない。さらには、例えば把持部材など、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるために必要なさらなる構成要素も、収容することが可能である。
【背景技術】
【0002】
WO2009/018952A2が、容器用のそのようなブロー成形装置を開示している。これは、マンドレルホルダを運ぶコンベア経路と、着脱可能な継ぎ手によってマンドレルホルダへと交換可能に取り付けられた予備成形物マンドレルとを備えており、各々の継ぎ手が、マンドレル固定機構と、外部からアクセス可能であって、少なくともマンドレルホルダに対して調節可能である解除部材を備えている。
【0003】
EP0572107B1が、容器を処理するための回転システムのワークヘッド交換機を開示している。
【0004】
ブロー金型用のマガジン装置が、本件出願の出願人の独国特許出願第10 2009 039 700.0号(まだ公開されていない)から知られている。この特許出願の主題も、ここでの言及によって、本件特許出願の主題へと完全に援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、特に、ブロー金型の切り替え時間を短縮することにあり、また、そのようなブロー金型の切り替えを簡単にすることにある。これは、本発明によれば、請求項1に記載のマガジン装置によって達成される。有利な実施形態およびさらなる発展が、従属請求項の主題を形成している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数の部品でそれぞれが構成されており、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるように機能するブロー金型に関し、作業モードにない多数のブロー金型を保管するための本発明によるマガジン装置は、本発明によれば、ブロー金型の少なくとも1つの領域を清掃するための清掃装置を備える。
【0007】
従来技術においては、通常は、ブロー金型が個々の部品にて取り除かれ、次いで個々の部品の状態でユーザによって手作業で清掃され、最後に清掃された状態でマガジンに置かれる。そこで、本発明によれば、これらのブロー金型を保管するように機能するマガジン装置であって、ブロー金型を清掃するための清掃装置が直接的に一体化されているマガジン装置を用意することが提案される。これにより、清掃プロセスを、マガジン装置において直接的に実行することができ、その結果、ユーザにとってブロー金型の取り扱いが簡略化される。
【0008】
有利には、マガジン装置が、個々のブロー金型を互いに別々に保持するための多数の保持手段を備え、有利には、これらの保持手段が、該保持手段によってブロー金型を個別に保持できるように設計される。
【0009】
さらなる有利な実施形態においては、清掃装置が、例えばストレッチ棒など、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるためのブロー成型ステーションのさらなる構成要素を清掃するためにも適している。
【0010】
好ましくは、保持手段は、ブロー金型の堅固な保持を可能にするようにブロー金型の少なくとも1つの領域に係合する保持手段である。
【0011】
好ましくは、ブロー金型は、少なくとも部分的に組み立てられた状態で保持手段によって保持される。
【0012】
従来技術においては、上述のように、ブロー金型が個々の部品にてマガジンに置かれるのに対し、ここでは、有利には、ブロー金型を少なくとも部分的に組み立てられた状態でマガジンまたは適切な保持手段に配置することが提案される。これらの保持手段は、ブロー金型を把持する狭義の保持手段であっても、あるいは例えばそれぞれがブロー金型を個別に保持するために適している保管用の区画または保持用のポケットであってもよい。
【0013】
部分的に組み立てられたとは、ブロー金型の個々の部品の間に所定の幾何学的関係が存在することを意味すると理解される。例えば、ブロー金型の横部品を、隣り合わせに配置することができ、好ましくはさらに底部品を、このブロー金型にぶら下げることができる。本発明によるマガジンによれば、ブロー金型を再び使用するときに最初に個々の部品を集める必要がなく、むしろブロー金型が、すでにすぐに組み込むことができる状態にあり、任意により装置に自動的に組み込むことも可能である。
【0014】
特に、この場合には、ブロー金型が隔離された形態で保管され、すなわち作業に適さない状態で、特に金型キャリアを用いずに保管される。上述のように、ブロー金型の全体を保持手段に収容することができ、あるいはブロー金型の構成部品を、異なる保持手段に配置することができる。
【0015】
有利には、ブロー金型の間隔に関して、マガジン装置は、ブロー金型が通常の作業モードにおいて配置されるブロー成型装置の場合における間隔よりも狭いように設計される。
【0016】
通常は、ブロー金型が、完全に組み立てられた状態(すなわち、横部品および底部品を有する)で保持手段内、または保持手段上に配置される。この場合、横部品および底を別々に保持するために使用することができる保持手段を設けることができる。
【0017】
有利には、保持手段が、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるための装置に関して、この装置が作業モードにあるときにブロー金型が配置されるこの装置の保持手段に適合させられている。この場合、ブロー金型を、依然として組み立てられたままの状態で、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるための装置から取り外すことができるが、このことも、従来技術においてはこれまで知られていない。このようにして、マガジン装置およびブロー成型装置の保持手段を、同一の設計にすることができ、したがって、例えば同一の方法でブロー金型へと接続することができる。しかしながら、単にマガジン装置の保持手段を、同じブロー金型をブロー成型装置の保持手段およびマガジン装置の保持手段の両者によって保持または収容できるように、マガジン装置の保持手段に適合させることも可能であろう。
【0018】
例えば、収容手段を、ブロー金型が作業モードにおいて配置される同様の保持手段と同じように設計することができる。しかしながら、上述の適合は、単にブロー金型を追加のアダプタ部材を必要とせずにマガジン装置に収容できるように保証するようなものであってもよく、すなわち例えば把持手段などを設けることであってもよいと考えられる。
【0019】
しかしながら、ブロー金型が取り出されるときにブロー金型へと挿入され、ブロー金型が保持手段に配置されるときに保持手段を載せるアダプタ片を、意図的に設けることも可能である。
【0020】
さらなる有利な実施形態においては、マガジン装置が、ブロー金型を搬送するための搬送装置を備える。搬送装置は、有利には、ブロー金型を個別に搬送する。さらなる有利な実施形態においては、搬送装置が、ブロー金型を、横たわらせた姿勢で搬送し、あるいはブロー金型の長手軸を実質的に水平方向に延ばした状態で搬送する。搬送装置は、有利には、ブロー金型を閉じた経路に沿って搬送する。
【0021】
さらなる有利な実施形態においては、清掃装置が、ブロー金型を第1の所定の方法で清掃する第1の清掃エレメントを含んでいる。ブロー金型の清掃とは、例えば、すすぐこと、拭くこと、磨くこと、消毒すること、殺菌すること、など、ブロー金型の清浄度を高める任意のプロセスを意味するものと理解される。
【0022】
有利には、清掃エレメントが、ブロー金型の移動方向に対して静止して配置される。これは、ブロー金型が、例えば円形の経路または長円形の経路において所与の移動方向に搬送装置によって動かされ、清掃エレメントが、この搬送経路に沿って静止して配置されることを意味する。
【0023】
しかしながら、有利には、清掃エレメントが、ブロー金型の搬送方向とは異なる移動方向に可動である。例えば、ブロー金型が円形の経路に沿って移動し、清掃エレメントが、互いに上下に配置されたブロー金型の複数の並びを清掃できるように、この円形の経路に対して垂直に可動であることが可能である。
【0024】
さらに、少なくとも1つの清掃エレメントが、ブロー金型の長手方向に可動であってもよい。これにより、清掃エレメントを、清掃プロセスを実行できるようにブロー金型の内部へと押し込むことができる。したがって、有利には、少なくとも1つの清掃エレメントが、2つの異なる方向に可動であり、特に好ましくは互いに実質的に垂直な2つの方向に可動である。
【0025】
さらなる有利な実施形態においては、マガジン装置は、ブロー金型を周囲の環境から実質的に完全に隔離するハウジングを備えている。この実施形態においては、マガジン装置は、ブロー金型の殺菌および/またはブロー金型の無菌状態での処理にも適する。この場合には、清掃エレメントを、例えばハウジングの壁に一体化し、この壁と一緒に動かすことが可能であり、その結果として、壁そのものが気密を保ち、無菌でない空気がハウジングへと進入することが不可能である。
【0026】
さらなる有利な実施形態においては、搬送装置がブロー金型を循環的に搬送する。これにより、所与のブロー金型を、例えば第1の清掃エレメントから第2の清掃エレメントへと順に搬送し、この第2の清掃エレメントから第3の清掃エレメントへと順に搬送することが可能である。
【0027】
さらなる有利な実施形態においては、マガジン装置は、ブロー金型を清掃する第2の清掃エレメントを備える。これにより、例えば第1の清掃工程において水を作用させ、第2の清掃工程においてブラシを作用させ、さらなる工程において水が綺麗になるまですすぎを行い、さらなる工程において空気または無菌の空気を使用して乾燥させ、最後に消毒または殺菌を行うなど、2つ以上の順次の工程で、異なる方法によりブロー金型を清掃することができる。
【0028】
さらなる有利な実施形態においては、この第2の清掃エレメントが、上述のようにブロー金型の順次の清掃を実行するために、ブロー金型の搬送経路に沿って第1の清掃エレメントの後方に配置される。
【0029】
さらなる有利な実施形態においては、清掃装置が、ブロー金型を殺菌するための殺菌ユニットを含む。この実施形態は、特に無菌の用途、またはブロー金型を無菌の条件下で清掃しなければならない用途に適している。好ましくは、殺菌装置が、例えばブロー金型へと過酸化水素または過酢酸などの洗浄媒体を供給する。しかしながら、殺菌装置が、例えばUV光または電子ビームなどのビームをブロー金型へと放射することも可能であろう。
【0030】
有利には、少なくとも1つの清掃エレメントが、ブロー金型の内壁を処理するように設計される。例えば、ブロー金型の内壁を濡らすために、噴霧ヘッドの形態の清掃装置をブロー金型の首部開口を通ってブロー金型の内部へと挿入することが可能である。さらに、ブラシヘッドをブロー金型の内部へと挿入することが可能である。しかしながら、この目的のために、ブロー金型の底部品をブロー金型とは別にマガジン装置へと導入し、底部品の清掃ならびに2つの横部品およびそれぞれの内壁の清掃を、別々に実行することも可能である。しかしながら、ブロー金型を、洗浄剤を作用させることができるよう、閉じた空洞を形成するように、マガジン装置に保持することも可能である。
【0031】
さらに本発明は、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるように機能するブロー金型を保管するための方法に関する。
【0032】
この場合、ブロー金型が、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるための装置から取り除かれて、マガジン装置に配置され、マガジン装置において少なくとも部分的に清掃される。
【0033】
好ましくは、ブロー金型が、マガジン装置において搬送装置によって搬送される。特に好ましくは、ブロー金型が、マガジン装置において循環的に搬送される。さらには、ブロー金型の清掃が、好ましくは装置の内部において複数の清掃工程にて実行される。好ましくは、ブロー金型が、少なくとも部分的に自動化された方法で清掃され、特に好ましくは、ブロー金型をマガジン装置に保管した状態で清掃が行われる。
【0034】
さらなる好ましい方法においては、この清掃プロセスが、自動的に実行される。
【0035】
さらなる利点および実施形態が、添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】第1の実施形態の本発明によるマガジン装置を示している。
【図1b】第1の実施形態の本発明によるマガジン装置を示している。
【図2】本発明によるマガジン装置の概略図を示している。
【図3】本発明によるマガジン装置のさらなる概略図を示している。
【図4】第1の実施形態の本発明によるマガジン装置の斜視図を示している。
【図5】図4のマガジン装置の側面図を示している。
【図6】図4のマガジン装置のさらなる側面図を示している。
【図7】図4のマガジン装置の一部分の図を示している。
【図8】本発明によるマガジン装置のさらなる実施形態を示している。
【図9】図8のマガジン装置のさらなる図を示している。
【図10】図8のマガジン装置のさらなる図を示している。
【図11】図8のマガジン装置の部分切断の斜視図を示している。
【図12】図8のマガジン装置のさらなる図を示している。
【図13】図8のマガジン装置の詳細図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1aは、本発明によるマガジン装置1の簡略図を示している。このマガジン装置には、ここではいずれもディスクまたはプレートの形態のキャリア装置4に配置されている多数の保持手段3が設けられている。ブロー金型10が、組み立てられた状態でマガジン装置1に保持されていることを、見て取ることができる。
【0038】
個々の保持手段3が、ここではキャリア装置4に、特に周方向において等間隔に配置されている。複数のキャリア装置4を設けることも可能であり、それらのキャリア装置4が、例えば一体的または互いに独立に(しかしながら、特に一体的に)矢印P1の方向に変位可能であってよい。このようにして、マガジン装置は、複数組のブロー金型10またはさらに多数のブロー金型を保持するように機能することができる。
【0039】
さらに、個々のキャリア装置は、共通の回転軸Xを中心にして回転可能である。したがって、キャリア装置4および個々の保持手段が、フレーム16に対して可動であるように配置される。参照符号42は、フックなどの接続装置を指し示しており、この接続装置によりマガジン装置を例えば機械的にブロー成型装置へと接続することができる。
【0040】
参照符号44は、マガジン装置1をブロー成型装置へと接続することができる接続部(特に、電気接続部)を示している。より具体的には、図1aに示す装置は、ここでは多数の収容手段を有している円形のマガジンであり、それらの収容手段が、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変えるための装置の対応する保持手段と同一に設計されている。
【0041】
ここで、個々の保持手段3のピッチ(したがって、ブロー金型のピッチも)は、マガジン装置が1m〜3mの間(好ましくは、1m〜2mの間)の直径を有利に有するよう、ブロー成型装置におけるピッチよりも小さい。動作時、マガジン装置1は、好ましくは、ブロー成型装置から取り外される最初の金型も配置することができるよう、保持手段を関連のブロー成型装置よりも1つ多く有している。上述のように、マガジン装置を、ピッチに関してブロー成型装置のカルーセルと一緒にさらに循環させることができる。マガジン装置19は、キャスター装置46によって可動に設計され、ブロー金型の自動的な取り出しのためにブロー成型装置へとドッキングすることができる。
【0042】
図1bは、マガジン装置の機能を説明するための概略図を示している。ここでは、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるための装置(または、ブロー成型装置50)がさらに提示されており、このブロー成型装置50が、いずれも2つの横部品54および56で構成されている複数のブロー金型キャリア52を備えている。これら2つの横部品54、56が、間にブロー金型10を収容する。ブロー金型の切り替えの場合に、最初に2つの横部品54および56がブロー金型10から離され、次いでブロー金型10が、図1bに示されている組み立てられた状態で取り出される。これは、図1bに示されているように、ユーザ30が手作業で行ってもよい。次いで、このブロー金型10を、空いている収容手段2へと配置することができる。これと同様の方法で、新たなブロー金型10’をマガジン装置から取り出し、今や空いているブロー成型装置50上の空間に挿入することができる。参照符号58は、複数のブロー成型ステーションまたはブロー金型キャリア52が配置されたブロー成型ホイールを指し示している。
【0043】
好ましい一実施形態においては、マガジン装置を、ブロー金型の取り外しが完全に自動的に行われるよう、該当のブロー成型装置に同期させることが可能である。
【0044】
図2は、本発明によるマガジン装置のきわめて概略的な図を示している。ここでは、回転可能な(矢印P3を参照)キャリア14が設けられている。参照符号20は、ここではキャリア14とキャリア14に配置されたブロー金型10とを完全に囲むハウジングを指し示している。参照符号2は、個々のブロー金型10またはブロー金型10の構成部品を清掃するように機能する清掃装置の全体を指し示している。この清掃装置は、ブロー金型の複数の並びRを清掃できるよう、矢印P2の方向に可動であり、すなわちここでは上方から下方へと可動である。
【0045】
図3は、本発明によるマガジン装置1の概略図を再び示している。ここでは、清掃ユニットが全部で5つの清掃エレメント22、24、25、26、および28を備えることを、見て取ることができる。これらの異なる清掃エレメントは、ここではブロー金型の搬送経路Tに沿って縦列に配置されており、異なる清掃工程を可能にしている。例えば、清掃エレメント22は、ブロー金型10へと水および/または洗浄剤を供給する1つ以上のノズルを備えることができる。清掃エレメント24は、例えば内壁を清掃および/または研磨すべくブロー金型の内部へと挿入することができるブラシであってよい。
【0046】
参照符号25は、例えばブロー金型をすすぐためにブロー金型へと水を再び供給するさらなる清掃エレメントを指し示している。清掃エレメント26は、例えば、乾燥の目的のためのブロー金型へと空気(特に、無菌の空気)を供給する空気ノズルであってよい。参照符号28は、例えばブロー金型の消毒および/または殺菌に機能することができるさらなる清掃エレメントを指し示している。
【0047】
例えば、無菌の空気の供給による無菌の用途の場合には、ハウジングの内部の圧力がハウジングの外部よりも高い状況を、ハウジング20(図1)の内部に実現することができる。これにより、外部からの汚染物質のハウジングへの進入を恒久的に防止することができる。これにより、ブロー金型を、比較的長い時間期間にわたって無菌の条件下で保管することも可能である。したがって、有利には、ハウジング20が、周囲の環境に対して実質的に閉鎖され、特に好ましくは、ハウジングの内部を周囲の環境よりも高い圧力に保つために、空気(特には、無菌の空気)が供給される。
【0048】
図4は、本発明によるマガジン装置1のさらに詳しい図を示している。ここで、ブロー金型用の個々の保持手段3が配置されてなるキャリア14を回転させることができる駆動装置21またはモーターを見て取ることができる。参照符号2が、やはり個々のブロー金型を清掃するように機能する清掃装置を指し示している。
【0049】
参照符号36は、個々のブロー金型を周囲の環境から隔てるハウジングまたは装置の外壁を指し示している。参照符号10aおよび10bは、ブロー金型10の2つの横部品を指し示しており、参照符号10cは、底部品を指し示している。底部品および横部品の両方が、洗浄剤を供給できるよう、これら部品の開口が外を向くような形で配置されている。参照符号32は、ブロー金型の清掃に使用された洗浄媒体を排出できる排液口を指し示している。参照符号34は、洗浄剤への接続部を指し示しており、すなわち洗浄媒体を、この接続部およびこの接続部に隣接する配管35を介して、個々のブロー金型へと供給することができる。参照符号16は、やはり全体としての装置のフレームを指し示している。
【0050】
図5は、図4に示した装置の側面図を示している。ここでもやはり、シャッターの様相にて設計され、したがって例えば個々のブロー金型へのアクセスを可能にすべく上方または下方へと押すことができる側壁を見て取ることができる。これにより、個々のブロー金型10をマガジン装置から取り出し、例えばブロー成型装置に設置することができる。しかしながら、このプロセスを自動化し、ブロー金型をマガジン装置へと自動的に移すことも可能であろう。ここで、個々のブロー金型10は、有利には、清掃プロセスを簡単にするために、マガジン装置において水平に配置される。しかしながら、ブロー金型を垂直に配置し、例えば洗浄剤を下方から供給することも可能であろう。
【0051】
図6は、本発明によるマガジン装置のさらなる図を示している。ここでもやはり、ブロー金型が個々の保持手段に上下に配置され、ブロー金型の2つの横部品10aおよび10bが隣り同士に配置され、底部品10cがその上方に配置されていることを、見て取ることができる。図6に示した配置は、多数のブロー金型を、空間をきわめて節約した形で収容することができる。
【0052】
図7は、図5に示したマガジン装置1のさらなる詳細図を示している。ここでもやはり、個々のブロー金型の部品を清掃するように機能する清掃装置2を見て取ることができる。上述のように、清掃装置2は、好ましくは矢印P2の方向に可動である。しかしながら、個々のブロー金型の部品の個別、順次、または同時の清掃が可能であるように、複数の清掃エレメントを方向P2に互いに上下に配置することも可能であろう。しかしながら、ブロー金型の構成部品を保持手段において隣り同士に配置することも、考えられる。
【0053】
図8は、本発明によるマガジン装置のさらなる実施形態を示している。上述の実施形態において説明したマガジン装置の場合には、ブロー金型が円形の経路に沿って運ばれているが、ここに示す実施形態においては、ブロー金型が、例えば搬送チェーンの助けによって長円形の経路に沿って運ばれる。
【0054】
このため、ブロー金型が少なくとも部分的には直線的な経路に沿って運ばれるよう、2つの偏向ホイールとこれらのホイールの間に配置されるチェーンとを設けることが可能である。参照符号2が、やはり清掃装置の全体を指し示しており、ここでは清掃装置2に、3つの清掃エレメント22、24、25が配置されている。ここでもやはり、清掃装置は、矢印P2の方向(すなわち、上方および下方)に可動である。
【0055】
好ましくは、この矢印P2の方向に清掃装置の移動をもたらす駆動部(図示せず)が設けられる。例えば、清掃装置の移動を生じさせる回転スピンドルを、設けることができる。清掃装置は、ここでは壁36に一体化されており、この壁36は、好ましくは清掃装置2の移動に伴い一緒に移動する。これにより、壁が恒久的に実質的に気密であることが可能であり、それでもなお矢印P2の方向への清掃装置の移動を可能にすることができる。参照符号37は、清掃装置2を案内するためのレール式のガイドを指し示している。
【0056】
参照符号41は、ブロー金型の取り出しまたは挿入を可能にすべく個々の壁部分36を開放するためのハンドル部材を指し示している。
【0057】
図9は、図8に示したマガジン装置の背面を示している。ここでも、開放および閉鎖の目的のために依然として可動である壁部分または壁36を、見て取ることができる。
【0058】
図10は、図8に示したマガジン装置の斜視図を示している。ここで、清掃エレメント22、24、25が配置されて固定された横バー23を見て取ることができる。参照符号29は、ハウジング(全体が20によって指し示されている)を閉じることができる蓋またはカバーを指し示している。
【0059】
図11は、図8に示したマガジン装置の内部の図を示している。ここでもまた、保持手段に互いに別々に配置された個々のブロー金型の部品10a、10b、および10cを見て取ることができる。参照符号5は、個々の保持手段が配置されたキャリアを指し示している。駆動装置21は、ブロー金型を移動させるように機能する。やはり、3つの清掃エレメント22、24、および26が、横バー23に配置されている。さらに、この場合にはブロー金型の横部品10aおよび10bを保持するように機能する保持手段3を、やはり見て取ることができる。上述のように、この横バー23が移動するとき、壁36も横バー23と一緒に移動し、清掃プロセスの最中においても実質的に閉じたままである。
【0060】
図12は、開いた状態にある図8に示した装置のさらなる図を示している。ここで、関節接続部45によって互いに接続され、ここでは保持手段3がそれぞれに配置されている個々のチェーンリンク43を見て取ることができる。これらのチェーンリンクは、ハウジング20の内部でブロー金型を運ぶように機能する。
【0061】
図13は、図8に示した装置のさらに詳細な図を示している。この場合には、清掃エレメント22が、例えば、ブロー金型10の内部に進入して内壁へと洗浄剤を供給するノズル22aを備えている。このノズルは、洗浄剤の送出時に回転し、ブロー金型の内壁において360°の噴霧を可能にする回転ヘッド付きのプラスチック清掃ノズルであってよい。清掃エレメント24は、ここでは、やはりブロー金型の部品の内部へと挿入できるブラシ部材24aを備えている。参照符号26は、例えば洗浄剤または殺菌剤をブロー金型の内壁へと供給する清掃ノズルを、やはり備えることができる。ここで、参照符号3aは、ここではブロー金型の底部品10cを特に保持するように機能する保持手段を指し示している。
【0062】
本件出願書類に開示される特徴はすべて、それらが個別または組み合わせにおいて従来技術に対して新規である限りにおいて、本発明に不可欠であるとして請求される。
【符号の説明】
【0063】
1 マガジン装置
2 清掃装置
3 保持手段、収容手段
4、14 キャリア装置
5 キャリア
6 保持装置
8 駆動装置
10、10’ ブロー金型
10a、10b ブロー金型の横部品
10c ブロー金型の底部品
12 保持ポケットの形態の保持手段
16 フレーム
20 ハウジング
21 駆動装置
22 第1の清掃エレメント
22a ノズル
23 横バー
24 第2の清掃エレメント
24a ブラシ部材
25、26、28 清掃エレメント
29 蓋
30 ユーザ
32 排液口
34 接続部
35 配管
36 ハウジングの外壁
37 レール式のガイド
41 ハンドル部材
42 接続装置
43 チェーンリンク
44 接続部
45 接続装置、関節接続部
46 キャスター装置
50 ブロー成型装置、プラスチック予備成形物を変形させるための装置
52 ブロー金型キャリア
54、56 横部品
58 ブロー成型ホイール
B 移動方向
P1、P2、P3 矢印
R 並び
T 搬送経路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品でそれぞれが構成されており、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるように機能するブロー金型(10)に関し、作業モードにない多数のブロー金型(10)を保管するためのマガジン装置(1)であって、
ブロー金型(10)の少なくとも1つの領域を清掃するための少なくとも1つの清掃装置(2)を備えていることを特徴とするマガジン装置(1)。
【請求項2】
個々のブロー金型を互いに別々に保持するための多数の保持手段(2、12)を備えていることを特徴とする請求項1に記載のマガジン装置(1)。
【請求項3】
保持手段(2、12)が、該保持手段によってブロー金型(10)を個別に受け入れることができるように設計されていることを特徴とする請求項2に記載のマガジン装置(1)。
【請求項4】
ブロー金型(10)を搬送するための搬送装置を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマガジン装置。
【請求項5】
保持手段(2、12)が、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるための装置(50)に関して、この装置(50)が作業モードにあるときにブロー金型(10)が配置されるこの装置(50)の保持手段に適合させられていることを特徴とする請求項2に記載のマガジン装置(1)。
【請求項6】
清掃装置(2)が、ブロー金型(10)を第1の所定の方法で清掃する第1の清掃エレメント(22)を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマガジン装置。
【請求項7】
清掃エレメント(22)が、ブロー金型(10)の移動方向に対して静止して配置されていることを特徴とする請求項6に記載のマガジン装置。
【請求項8】
清掃エレメント(22)が、ブロー金型(10)の搬送方向とは異なる移動方向(P2)に可動であることを特徴とする請求項6に記載のマガジン装置。
【請求項9】
ブロー金型(10)を周囲の環境から実質的に完全に隔離するハウジング(20)を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマガジン装置。
【請求項10】
搬送装置が、ブロー金型(10)を循環的に搬送することを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載のマガジン装置。
【請求項11】
ブロー金型(10)を清掃する第2の清掃エレメント(24)を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のマガジン装置。
【請求項12】
第2の清掃エレメント(24)が、ブロー金型(10)の搬送経路に沿って第1の清掃エレメント(22)の後方に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のマガジン装置。
【請求項13】
清掃装置(2)が、ブロー金型を殺菌するための殺菌ユニット(26)を含んでいることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のマガジン装置。
【請求項14】
少なくとも1つの清掃エレメント(22、24、26)が、ブロー金型(10)の内壁を処理するように設計されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のマガジン装置。
【請求項15】
プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるように機能するブロー金型(10)を保管するための方法であって、
ブロー金型(10)が、プラスチック予備成形物をプラスチック容器へと変化させるための装置から取り除かれて、マガジン装置(1)に配置され、マガジン装置(1)において少なくとも部分的に清掃されることを特徴とする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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