説明

減衰式直列コンデンサプラットフォーム

【課題】地面を伝わる力を相殺する交差筋違を備えた直列コンデンサプラットフォームの提供。
【解決手段】電気プラットフォーム2は、電気機器8を支えるための支持構造4と、支持構造4から延びる二本以上の脚部12と、少なくとも二本の脚部12の間に延びるブレース30と、ブレース30上に配置されたダンパ50とを含む。支持構造4上に配置された直列キャパシタバンク6を備えてもよい。ダンパ50は、摩擦スプリングダンパを含むことができる。摩擦スプリングダンパ50は、双方向摩擦スプリングダンパを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示内容は、地面を伝わる力を相殺する交差筋違を備えた静的構造に関し、特に、摩擦スプリングダンピングを備えた直列コンデンサプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
電気プラットフォームは、高電圧機器を地面から安全な距離だけ上昇させるために使用される場合が多い。例えば、直列コンデンサバンク及び/又は他の機器は、ポスト型碍子により支持された亜鉛メッキ鋼又はアルミニウム構造上に配置し得る。こうした碍子がモーメント荷重を受けない状態を確保するために、自在継手を設ける場合が多い。何らかの水平荷重に対処するために、磁器製のポスト型又は繊維ガラス強化連用碍子を含む、対角線の支持材を更に設けてもよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Series Compensation System, Platforms and Support Insulators”「直列補正システム、プラットフォーム、及び支持碍子」GE Transmission, Distribution & Industrial Systems (November 14, 1999)
【非特許文献2】”Friction Springs in the New Millenium”「新千年紀の摩擦スプリング」Ringfeder Corporation (May 2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地震活動地域においては、こうした電気プラットフォームの上記その他の構成要素は、一時的な負荷事象に対応する十分な剛性度を提供するために補強を要する場合が多い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
こうした従来の手法に関連する上記その他の欠点に対して、本明細書では、様々な実施形態において、電気機器を支えるための支持構造と、支持構造から延びる二本以上の脚部と、少なくとも二本の脚部間に延びるブレースと、ブレース上に配置されたダンパとを含む電気プラットフォームを提供することで対処している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】直列コンデンサプラットフォームの側面図である。
【図2】図1に示した直列コンデンサプラットフォームの別の側面図である。
【図3】図1及び2の上部自在継手の正投影図である。
【図4】図1及び2の底部自在継手の正投影図である。
【図5】図1及び2の調整板組立体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、縮尺は必ずしも一定ではないが、同様の符号を使用して幾つかの図のそれぞれを通して対応する部分を指定する次の各図を参照して、本技術の様々な態様を説明する。
【0008】
図1及び2は、一つ以上の直列コンデンサバンク8を支える、図示したコンデンサラックフレーム6等の電気機器を支えるための支持構造4を含む、電気プラットフォーム2の直交側面、正面図である。例えば、コンデンサラックフレーム6は、一つ以上のラック碍子10を含み得る。しかしながら、開閉装置及びトランス等を含め、他の任意の電気機器及び/又はフレームを支持構造4上に配置してよい。
【0009】
本例では、四本の脚部12が支持構造2から延びている。図示した脚部12は、更に磁器製碍子の支柱として構成される。しかしながら、他の構成及び/又は材料を、他の任意の数の脚部と共に提供し得る。図3及び4に詳細に示したように、上部自在継手14は、各支柱脚部12の上部に設けられ、各脚部の底部に位置する底部自在継手は、各脚部の底部に位置する支柱支持基部18の上に載る。或いは、脚部12の一部又は全部は、自在継手14及び16と支柱支持基部18との一部又は全部が無い状態で提供し得る。
【0010】
ここで図示した例において、上部自在継手14は、自在継手の側部の直交する一方又は両方に配置された滑車又はプーリ20を含む組立体の一部である。プーリ20は、支持構造4及び/又は脚部12にも固定してよく、プーリの一部又は全部は、底部自在継手16を備えた同様の組立体に配置してよい。加えて、プーリ20の一部又は全部は、脚部12及び/又は支持構造4に対して別の角度で配置してもよい。ブレース30は、電気プラットフォーム2の同じ側の脚部12のそれぞれの間において連続的に延びる。しかしながら、ブレース30は、電気プラットフォーム2の反対側又は隅部の脚部を含む付加的な脚部20の間に延びるように配置してもよい。ブレース30が互いに交差する場所の欠失部分は、単に、ブレースの欠失部分がブレースの前方部分の後方に配置されていることを示すために、図面において誇張されたものである。
【0011】
ブレース30は、ブレースを引張し、脚部12に接する支柱支持基部18にブレースを固定するために、図5に示したようなオプションの調整板組立体32を含む。しかしながら、ブレース30は、調整板組立体32の有無に関係なく、別の方法で脚部12の上部又は基部に固定してもよい。第一の碍子セグメント34は、一方の端部において、一本の脚部又は支柱12から延びる調整板組立体32に取り付けられる。例えば、碍子セグメントは、ポリマ又は他のタイプの碍子により形成し得る。次に、第一のケーブルセグメント36は、第一の碍子セグメント32から一個のプーリ20の周囲に延びる。第二の碍子セグメント38は、別の脚部から、別のプーリ20に同様に巻き付いた第二のケーブルセグメント40へ延びる。
【0012】
ダンパ50又は衝撃吸収装置は、二個のプーリ20間において第一のケーブルセグメントを第二のケーブルセグメントに接続する。例えば、ダンパ50は、摩擦スプリングダンパ等のスプリングダンパにしてよい。最適な様々な双方向摩擦スプリングダンパは、12400RingSpringと呼ばれる場合が有るものを含め、リングフェーダーコーポレーションから入手可能である。ダンパ50は、ブレース30内の別の位置及び/又は電気プラットフォーム2周辺の別の位置に配置してもよい。
【0013】
上述した電気プラットフォーム2に対して行った耐震試験は、ダンパ50を含めた場合に、ピーク基本剪断及び横転における約40%の減少を示した。減衰比も、ダンパ50無しの場合の約11%から、ダンパ50有りの場合の約15乃至16%に増加した。したがって、この設計は、構造に更に材料を追加してコストを大幅に増加させることなく、耐震性を改善する。
【0014】
上述した実施形態、特に任意の「好適な」実施形態は、本技術の様々な態様を明確に理解するために本明細書において述べた様々な実施の例に過ぎないことを重視されたい。当業者は、添付特許請求の範囲の適切な構成によってのみ定義される保護範囲から実質的に逸脱することなく、こうした実施形態の多くを改変し得よう。
【符号の説明】
【0015】
2 電気プラットフォーム
4 支持構造
6 コンデンサラックフレーム
8 直列コンデンサバンク
10 ラック碍子
12 脚部
14 上部自在継手
16 底部自在継手
18 支柱支持基部
20 プーリ
30 ブレース
32 調節板組立体
34 第一の碍子セグメント
36 第一のケーブルセグメント
38 第二の碍子セグメント
40 第二のケーブルセグメント
50 ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラットフォーム(2)であって、
電気機器(6)を支えるための支持構造(4)と、
前記支持構造(4)から延びる複数の脚部(12)と、
前記複数の脚部(12)の少なくとも二本の間に延びるブレース(30)と、
前記ブレース(30)上に配置されたダンパ(50)と、を備える電気プラットフォーム。
【請求項2】
更に、前記支持構造(4)上に配置された直列キャパシタバンク(6)を備える、請求項1記載の電気プラットフォーム。
【請求項3】
前記ダンパ(50)は、摩擦スプリングダンパを含む、請求項1または2に記載の電気プラットフォーム。
【請求項4】
前記摩擦スプリングダンパ(50)は、双方向摩擦スプリングダンパを含む、請求項3記載の電気プラットフォーム。
【請求項5】
前記ブレース(30)は、ケーブルを含む、請求項1乃至4のいずれか1項記載の電気プラットフォーム。
【請求項6】
前記ブレース(30)は、更に、前記双方向摩擦スプリングダンパの各端部から延びるケーブル(40、36)を含む、請求項4記載の電気プラットフォーム。
【請求項7】
前記脚部(12)のそれぞれは、各脚部の端部に配置された少なくとも一個の自在継手(14、16)を含む、上記の何れかの請求項に記載の電気プラットフォーム。
【請求項8】
前記脚部(12)のそれぞれは、絶縁された支柱を含む、上記の何れかの請求項に記載の電気プラットフォーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−59781(P2010−59781A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199153(P2009−199153)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】