説明

温室用カーテン装置

【課題】簡易な構成で、カーテン部材を二層で展張して、各カーテン部材間に空気層を形成でき、保温効果、断熱効果等をより高める。
【解決手段】 上層カーテン部材30を支持する上棚線18よりも下方に下棚線19を備え、この下棚線19に下層カーテン部材40を支持させ、上層カーテン部材30との間に空気層を形成可能とし、しかも下層カーテン部材40は、上層カーテン部材30と共に開閉される構成である。すなわち、上層カーテン部材30を動作させる機構が下層カーテン部材40を開閉させる機構としても機能するため、必要最小限の部品点数で二層式とすることができ、空気層により保温効果、断熱効果等を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室内の所定高さの位置で、カーテン部材を開閉することにより、温室内上方空間を仕切り、保温効果、遮光効果などを高める機能を果たす温室用カーテン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2には、プラスチックフィルム等からなる保温用、遮光用のカーテン部材を、温室内の上方空間に配置し、これを開閉することにより、室内温度等を調整する温室用カーテン装置が開示されている。具体的には、温室の一方の側面付近に配置されたサイド滑車部材と、温室の頂部付近に配設される頂部滑車部材と、温室(連棟式の場合)の谷部に配置された谷滑車部材と、さらに、他方の側面付近に配置された方向転換用滑車部材と、上記サイド滑車部材の近くに配設される駆動ドラムとを備えている。サイド滑車部材、頂部滑車部材及び谷滑車部材は、それぞれ滑車を2つずつ備えており、一端が駆動ドラムに巻き付けられた駆動ワイヤが、サイド滑車部材、頂部滑車部材、谷滑車部材の順に、それらにおける一方の滑車に巻き掛けられ、方向転換用滑車部材に巻き掛けられて反転された後、谷滑車部材、頂部滑車部材及びサイド滑車部材に配置された他方の滑車に巻き掛けられて、他端が駆動ドラムに巻き付けられている。
【0003】
これにより、駆動ワイヤには、駆動ドラムの回転方向に従って順方向に走行する順方向動作部と、これとは逆に、反転方向に走行する反方向動作部とができ、そのうちのいずれかに、例えば、順方向動作部に一方のカーテン部材が連結され、反方向動作部に他方のカーテン部材が連結される。例えば、一方のカーテン部材の固定端縁を、サイド滑車部材が位置する温室の側面上部付近に固定し、他方のカーテン部材の固定端縁を、頂部滑車部材が位置する温室の頂部付近に固定したとして、それぞれ自由端縁(先端縁)側を先導パイプに連結し、その先導パイプを、一方のカーテン部材では駆動ワイヤの順方向動作部に、他方のカーテン部材では駆動ワイヤの反方向動作部に連結して配設する。順方向動作部がいずれか一方に向かって動作し、反方向動作部がそれとは逆方向に動作しているときは、例えば、一方のカーテン部材と他方のカーテン部材とは、先導パイプが接近する方向に移動すると展張されていく。これにより、温室の上方空間が仕切られ、該各カーテン部材と温室の天井面との間に空気層が形成され、保温効果が高まる。駆動ワイヤが逆方向に動作した場合には、各先導パイプが互いに遠ざかる方向に移動し、一方のカーテン部材は、温室の側面付近に向かって先導パイプ及び該先導パイプに付設されるフィルム押さえ部材によって寄せ集められ、他方のカーテン部材は、温室の中央付近に向かって同じく先導パイプ及びフィルム押さえ部材によって寄せ集められ、温室の上方空間が開放されて、空気の流通が促進される。
【特許文献1】実開昭60−111646号公報
【特許文献2】特開平10−304779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に開示された温室用カーテン装置は、いずれも、一層のカーテン部材が用いられているに過ぎない。すなわち、一方のカーテン部材と他方のカーテン部材は、一枚だけで張設され、重なり合っているわけではない。カーテン部材を二層に設ければ、カーテン部材間に空気層が形成されるため、保温効果、断熱効果は高まる。カーテン部材を二層に配設するには、特許文献1等に開示されたカーテン装置を、上下に高さを異ならせて二組設ければよいが、それでは、設備コストがかかり過ぎる。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、従来の一層のカーテン装置の二倍の部品を用いる必要がなく、簡易な構成で、カーテン部材を二層で展張して、各カーテン部材間に空気層を形成でき、保温効果、断熱効果等をより高めることができる温室用カーテン装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、駆動ワイヤに連結され、駆動ワイヤの動作方向に従って移動する先導パイプと、
先端縁が前記先導パイプに連結され、先導パイプが一方向に動作する際には、先導パイプに牽引されて展張されることで閉鎖動作し、先導パイプが他方向に動作する際には先端縁が固定端縁側に引き寄せられることで開放動作する上層カーテン部材と、
前記上層カーテン部材の下面に当接し、この上層カーテン部材を支持するために配設された上棚線と、
前記上棚線よりも下方に配設された下棚線と、
前記下棚線に下面が支持され、前記上層カーテン部材に対して間隔をもって配設され、前記上層カーテン部材との間に空気層を形成可能であると共に、前記上層カーテン部材と共に開閉される下層カーテン部材と
を有することを特徴とする温室用カーテン装置を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記下層カーテン部材の先端縁は、前記上層カーテン部材の先端縁と共に、前記先導パイプに連結されていることを特徴とする請求項1記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記上層カーテン部材及び下層カーテン部材は、それぞれ、該各カーテン部材により開閉される範囲の略半分の長さを有する2枚一組からなり、各上層カーテン部材又は各下層カーテン部材の各固定端縁は、開閉範囲における各開放端付近に固定されると共に、各先端縁が、対向して配置された先導パイプにそれぞれ連結されており、先導パイプ同士が近接する方向に動作すると閉鎖していき、離間方向に動作することにより開放していく構成であることを特徴とする請求項1記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項4記載の本発明では、空気層を挟んで対応する一方側の上層カーテン部材と下層カーテン部材の組は、その各先端縁が、ともに一方側の先導パイプに連結されており、他方側の上層カーテン部材と下層カーテン部材の組は、その各先端縁が、他方側の2本の異なる先導パイプに別々に連結されていることを特徴とする請求項3記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項5記載の本発明では、前記駆動ワイヤは、滑車部材を介して反転されることにより、互いに逆方向に動作する順方向動作部と反方向動作部とを有し、順方向動作部と反方向動作部のうちのいずれか一方に前記一方側の先導パイプが連結され、他方に前記他方側の2本の先導パイプが連結されていることを特徴とする請求項4記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記他方側の2本の先導パイプのうち、上層カーテン部材が連結される先導パイプが、下層カーテン部材が連結される先導パイプよりも閉鎖方向前方に位置するように配置され、2本の先導パイプのいずれもが、前記駆動ワイヤに連結されていることを特徴とする請求項5記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項7記載の本発明では、前記他方側の2本の先導パイプのうち、上層カーテン部材が連結される先導パイプが、下層カーテン部材が連結される先導パイプよりも閉鎖方向前方に位置するように配置され、下層カーテン部材が連結される先導パイプは前記駆動ワイヤに連結されずに、上層カーテン部材が連結される先導パイプが前記駆動ワイヤに連結され、かつ、この2本の先導パイプ同士が接続部材を介して相互に接続されていることを特徴とする請求項5記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項8記載の本発明では、前記下層カーテン部材が連結される先導パイプは、前記駆動ワイヤに係合していることを特徴とする請求項7記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項9記載の本発明では、前記接続部材は、前記他方側の2本の先導パイプ間に掛け渡される紐状部材であることを特徴とする請求項7記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項10記載の本発明では、前記接続部材が、弾性部材であることを特徴とする請求項7又は9記載の温室用カーテン装置を提供する。
請求項11記載の本発明では、前記弾性部材が、伸縮性を備えた紐部材、又は、バネ部材であることを特徴とする請求項10記載の温室用カーテン装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の温室用カーテン装置は、上層カーテン部材を支持する上棚線よりも下方に下棚線を備え、この下棚線に下層カーテン部材を支持させ、上層カーテン部材との間に空気層を形成可能とし、しかも下層カーテン部材は、上層カーテン部材と共に開閉される構成である。すなわち、上層カーテン部材を動作させる機構が下層カーテン部材を開閉させる機構としても機能するため、必要最小限の部品点数で二層式とすることができ、空気層により保温効果、断熱効果等を高めることができる。
【0008】
下層カーテン部材は、上層カーテン部材を開閉する先導パイプに、該上層カーテン部材と共に連結すると、従来の機構に下層カーテン部材と下棚線を増設するだけで済み、構成が簡易である。但し、この場合、一方側に配設される上層カーテン部材と下層カーテン部材の組と、他方側に配設される上層カーテン部材と下層カーテン部材の組とが、閉鎖動作時に相互に近接する張り方の場合、2つの組の間に閉鎖時においても僅かながら隙間が生じる。そのため、閉鎖動作時に近接する先導パイプの上方にフィルムの固定張りを設け、該固定張りの範囲内で閉鎖するように設ける必要がある。そこで、一方側に配設される組のいずれかのカーテン部材と他方側に配設される組のいずれかのカーテン部材とが閉鎖動作時に多少オーバーラップする構成とすることが好ましい。
【0009】
カーテン部材同士を閉鎖動作時にオーバーラップされるため、空気層を挟んで対応する一方側の上層カーテン部材と下層カーテン部材の組は、その各先端縁を、ともに一方側の先導パイプに連結させる一方、他方側の上層カーテン部材と下層カーテン部材の組は、その各先端縁を、他方側の2本の異なる先導パイプに別々に連結させる構成とすることが好ましい。他方側の上層カーテン部材の先導パイプが、下層カーテン部材の先導パイプよりも、進行方向前方に位置するように設定することで、他方側の下層カーテン部材が、一方側の上層カーテン部材と下層カーテン部材の組に当接するまで、他方側の上層カーテン部材は、一方側の上層カーテン部材を乗り越えて進み、一方側の上層カーテン部材に一部オーバーラップする。この場合でも、部品点数が従来の二倍に至らないにも拘わらず、カーテン部材を二層で配置して空気層を形成できる。
【0010】
この場合、他方側の上層カーテン部材の先導パイプは、駆動ワイヤに連結する一方、下層カーテン部材の先導パイプは、駆動ワイヤに連結せずに、2つの先導パイプ同士を接続部材を介して接続する構成とすることが好ましい。これにより、上層カーテン部材の先導パイプが駆動ワイヤに牽引されて閉鎖方向に動いていくと、接続部材を介して接続された下層カーテン部材の先導パイプは、上層カーテン部材の先導パイプに引っ張られるように、同方向に動いていく。そして、閉鎖動作の終点付近においては、上記のように、上層カーテン部材の先導パイプが、一方側の上層カーテン部材を乗り越えて進み、一方側の上層カーテン部材に一部オーバーラップする。その一方、開放動作時には、まず、上層カーテン部材の先導パイプが駆動ワイヤに牽引されて開放方向に動いていく。その際、下層カーテン部材の先導パイプは駆動ワイヤに連結されていないため、上層カーテン部材の先導パイプによって押されようになるまでは動かない。上層カーテン部材の先導パイプが下層カーテン部材の先導パイプを押し始めると、上層カーテン部材を開放させながら、下層カーテン部材も開放させていく。2つの先導パイプは、開放動作時は、このように近接して動いていくため、開放動作の終点付近における2つの先導パイプ同士の間隔は狭くなる。すなわち、閉鎖動作の際には、他方側の上層カーテン部材の一部が、一方側の上層カーテン部材にオーバーラップするように、上層カーテン部材の先導パイプが下層カーテン部材の先導パイプよりも閉鎖方向前方に所定の距離離れて位置する構成でありながら、開放動作の際には、2つの先導パイプが近接するようになっている。この結果、開放動作時において、開口面積をより広く確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示した実施形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1及〜図3は、本発明の―の実施形態にかかる温室用カーテン装置1の要部を示す図である。
【0012】
図2及び図3に示したように、本実施形態の温室用カーテン装置1は、温室の頂部付近には、頂部滑車支持部材10が配設されており、この頂部滑車支持部材10には、2つの頂部滑車部材11が支持されている。また、図1に示したように、頂部滑車部材11に対して離間した位置に、具体的には、温室の一方の側面付近に2つのサイド滑車部材12が配設されている。また、本実施形態のように連棟式温室の場合には、温室の谷部付近に、2つの谷滑車部材13が配設されている。一方の側面付近のサイド滑車部材12の上部には、駆動ドラム15が支持されており、これと反対側に位置する他方の側面付近には、方向転換用滑車部材14が1つ設けられている。これにより、駆動ドラム15に一端が連結された駆動ワイヤ16は、一方の側面付近のサイド滑車部材12のうちの一方に巻き掛けられた後、一方の頂部滑車部材11及び谷滑車部材13を経由し、方向転換用滑車部材14に巻き掛けられて反転され、谷滑車部材13、頂部滑車部材11を経て、サイド滑車部材12のうちの他方に巻き掛けられて駆動ドラム15に他端が連結される。駆動ワイヤ16は、このようにして設けられる結果、駆動ドラム15の回転方向に従って順方向(A方向)に動作する順方向動作部16aと、方向転換用滑車部材14により反転されて反方向(B方向)に動作する反方向動作部16bとが存在する。
【0013】
順方向動作部16aには、例えば、図1の右側に位置する温室の一方の側面付近に配置したサイド滑車部材12と頂部滑車部材11との間を往復する第1の先導パイプ21が連結され、反方向動作部16bには、温室の谷部付近に配設した谷滑車部材13と頂部滑車部材11との間を往復する第2の先導パイプ22が連結されている。なお、各先導パイプ21,22は、駆動ワイヤ16の順方向動作部16a及び反方向動作部16bに対して、それぞれ、公知のクリップ部材21a,22aを介して連結される(図3参照)。
【0014】
図2及び図3に示したように、谷滑車部材13を配設した付近には、該谷滑車部材13を支持するための谷用サイドワイヤ17が、例えば、温室の長手方向(対向する妻面間方向)に張設されており、この谷用サイドワイヤ17と頂部滑車支持部材10の下部に支持されるパイプ材10aとの間に、上棚線18が張設されている。そして、上棚線18よりも下方に、下棚線19が配設されている。なお、図示しないが、温室の一方の側面付近にもサイドワイヤが配設されており、このサイドワイヤとパイプ材10aとの間にも上棚線18、下棚線19が配設される。本実施形態では下棚線19の各端部は、上棚線18の各端部と同様に、谷用サイドワイヤ17と頂部滑車支持部材10の下部に支持されるパイプ材10aとに連結しているが、下棚線19を上棚線18よりも緩く張ることにより、下棚線19を弛ませ、上棚線18よりも下方に位置させたものである。上棚線18及び下棚線19は、温室の長手方向に対して、所定間隔毎に複数配設され、各カーテン部材30,40の下面を支持する。
【0015】
上層カーテン部材30は、一端縁が谷用サイドワイヤ17に固定されて固定端縁となっており、他端縁が、第1の先導パイプ21又は第2の先導パイプ22に、クリップ部材21a,22aを介して連結される。上層カーテン部材30は、上棚線18上に位置するように配設される。上棚線18に支持される上層カーテン部材30を、先導パイプ21,22に連結して開閉する構成は、従来の一層のカーテン部材を備えた装置の構成と同様である。これに対し、本実施形態では、さらに、一端縁を谷用サイドワイヤ17に固定すると共に、他端縁を、上層カーテン部材30と同じ、第1の先導パイプ21又は第2の先導パイプ22に連結した下層カーテン部材40を備え、この下層カーテン部材40の下面を上記した下棚線19によって支持した構成である。下層カーテン部材40は、下棚線19によって支持されるため、展張時(閉鎖時)において、上層カーテン部材30よりも弛むように長さが設定されている。上層カーテン部材30と下層カーテン部材40との隙間の間隔は、5〜15cm、さらには5〜10cmの範囲が好ましい。この隙間に空気層が形成されるが、5cmより小さい場合には十分な断熱(保温)効果が期待できず、15cmより大きくしても、断熱(保温)効果が飛躍的に高まることはないことから、下層カーテン部材40の下方に十分な栽培スペースを確保するためにも、この程度の範囲が好ましい。また、温室の長手方向に対して下棚線19を設置する間隔は、上棚線18の設置間隔よりも広くすることが好ましい。例えば、上棚線18を50cm間隔で設置したならば、下棚線19を1〜1.5m間隔で設置することが好ましい。これにより、下棚線19に支持される下層カーテン部材40が、隣接する下棚線19,19の間で下方に弛み易くなり、より大きな空気層が形成されやすくなる。なお、上層カーテン部材30及び下層カーテン部材40は、保温(断熱)用、遮光用等として用いられている公知のプラスチックフィルム等を用いることができる。
【0016】
本実施形態では、まず、図2に示したように全開状態において、駆動ドラム15を駆動させて駆動ワイヤ16を動作させる。駆動ワイヤ16は、図1において、順方向動作部16aが矢印A方向に走行し、反方向動作部16bが矢印B方向に走行する。すると、順方向動作部16aに連結されている第1の先導パイプ21は、矢印A方向に動作して、図3に示したように、頂部滑車部材11に接近していく。反方向動作部16bに連結されている第2の先導パイプ22は、矢印B方向に動作し、第1の先導パイプ21と同様に、頂部滑車部材11に接近していく。この結果、第1の先導パイプ21と第2の先導パイプ22とが相互に接近し、それぞれに連結されている上層カーテン部材30及び下層カーテン部材40が共に展開状態となり、温室の上方空間が閉鎖される。本実施形態では、このように、従来の一層式のカーテン装置の構成に加えて、下棚線19と下層カーテン部材40とを追加するのみで、簡易な構成でかつ安価に、上層カーテン部材30及び下層カーテン部材40との間に空気層を形成可能な二層式とすることができる。
【0017】
なお、各先導パイプ21,22のクリップ部材21a,22aには、少なくとも下方に突出する略U字状のフィルム押さえ部材21b,22bを設けている。このフィルム押さえ部材21b,22bは、その略U字状の内部に、上棚線18及び下棚線19が通過するように配設されている。そして、図3に示したような閉鎖状態から図2に示したように各カーテン部材30,40を開放する場合には、このフィルム押さえ部材21b,22bによって、各カーテン部材30,40が固定端縁側に寄せ集められていく。
【0018】
一方、本実施形態では、図3に示したように、閉鎖時において、頂部滑車支持部材10及び頂部滑車部材11の直前まで、各先導パイプ21,22が移動するものの、頂部滑車支持部材10等があるため、先導パイプ21,22同士が密着することができず、両者間には必ず隙間が生じる。従って、各カーテン部材30,40を本実施形態のようにして張る場合、すなわち、同じ先導パイプ21,22に上層カーテン部材30及び下層カーテン部材40を支持させた場合には、閉鎖時の最終段階において、温室に設けた固定張り50の下方に各先導パイプ21,22が位置するような構成とする必要がある。
【0019】
図4〜図7は、本発明の他の実施形態を示す図である。上記実施形態では、一つの傾斜屋根部に対して上層カーテン部材30及び下層カーテン部材40の組を1つ配設した構成、すなわち、頂部を中心として対象に形成される2つの傾斜屋根部に対して上層カーテン部材30及び下層カーテン部材40の組を2つ配設し、温室の上方空間を開閉する構成であるが、本実施形態では、1つの傾斜屋根部毎に、上層カーテン部材及び下層カーテン部材の組を2つずつ設けている。図4〜図7は、連棟式温室における一つの頂部と谷部との間の傾斜屋根部に設けた各カーテン装置の構成を示している。
【0020】
すなわち、本実施形態では、例えば、一つの傾斜屋根部に対応する部分を開閉する場合、上層カーテン部材及び下層カーテン部材共に、その開閉範囲の略半分の長さを有する2枚一組を用いる。2枚の上層カーテン部材130,131は、開閉範囲において各固定端縁が互いに反対側の開口端付近に配置されている。すなわち、一方側に位置する上層カーテン部材130は、固定端縁が谷部側に設定されており、他方側に位置する上層カーテン部材131は、固定端縁が頂部側に設定されている。2枚の下層カーテン部材140,141も同様であり、一方側に位置する下層カーテン部材140は谷部側に固定端縁が位置し、他方側に位置する下層カーテン部材141は、頂部側に固定端縁が位置するように設定されている。
【0021】
そして、空気層を挟んで対応する一方側の上層カーテン部材130と下層カーテン部材140の組は、その各先端縁が、ともに第1の先導パイプ210に連結されている。この点は、上記実施形態と同様であるが、他方側の上層カーテン部材131及び下層カーテン部材141の各先端縁の先導パイプへの連結の仕方が異なる。すなわち、本実施形態では、2本の異なる先導パイプ211,212を用いており、他方側における上層カーテン部材131は、第2の先導パイプ211に連結され、他方側における下層カーテン部材141は、第3の先導パイプ212に連結されている。
【0022】
一方側の上層カーテン部材130と下層カーテン部材140の各先端縁が共に連結される第1の先導パイプ210は、例えば、駆動ワイヤ16の反方向動作部16bにクリップ部材210aを介して連結される。これに対し、他方側における上層カーテン部材131を牽引する第2の先導パイプ211は、駆動ワイヤ16の順方向動作部16aにクリップ部材211aを介して連結され、他方側における下層カーテン部材141を牽引する第3の先導パイプ212もクリップ部材212aを介して順方向動作部16aに連結される。但し、第2の先導パイプ211の方が、第3の先導パイプ212よりも、順方向動作部16aの閉鎖方向の前方寄りに連結される。
【0023】
また、フィルム押さえ部材210b,211b,212bは、第1の先導パイプ210と第3の先導パイプ212では、下向きに設けられ、第2の先導パイプ211では、上向きに設けられている。これは、第1の先導パイプ210と第2の先導パイプ211とが接近したときに、相互に干渉し合わないようにするためであるが、詳細は後述する。
【0024】
本実施形態では、図5に示した全開状態において、駆動ワイヤ16が動作すると、順方向動作部16aが図4の矢印A方向に走行し、反方向動作部16bが矢印B方向に走行する。第1の先導パイプ210は、反方向動作部16bに連結されているため、図6に示したように、一方側の上層カーテン部材130及び下層カーテン部材140を共に頂部方向に向かって展開していく。これに対し、第2の先導パイプ211及び第3の先導パイプ212は、順方向動作部16aに連結されているため、共に谷部側に移動していき、他方側の上層カーテン部材131及び下層カーテン部材141は、谷部方向に向かって展開されていく。このとき、第2の先導パイプ211の方が第3の先導パイプ212よりも先行した状態で移動していく。第2の先導パイプ211は、フィルム押さえ部材211bが上向きであるため、第1の先導パイプ210に該フィルム押さえ部材211bが干渉することなく、第1の先導パイプ210上を乗り越えて谷部側へ進むが、やがて、第3の先導パイプ212が第1の先導パイプ210に接触して止まる。この結果、図7に示したように、他方側の上層カーテン部材131の先端付近が、一方側の上層カーテン部材130の先端付近にオーバーラップし、第1の先導パイプ210と第3の先導パイプ212とが接触している部位からの空気の流出入を抑制できる。このため、第1の先導パイプ210と第3の先導パイプ212とが接触している部位の上方付近に固定張りを設ける必要はない。
【0025】
本実施形態によれば、下棚線19に加えて、他方側の下層カーテン部材141を牽引する第3の先導パイプ212を設けるだけで、二層式のカーテン装置とすることができる。
【0026】
開放する際には、駆動ワイヤ16を逆方向に動作させると、図7の状態から、図6の状態、さらには、図5の状態になり、一方側の上層カーテン部材130と下層カーテン部材140の組が、第1の先導パイプ210に設けたフィルム押さえ部材210bによって寄せ集められていく。また、他方側の上層カーテン部材131は、第1の先導パイプ211に設けたフィルム押さえ部材211bによって寄せ集められ、他方側の下層カーテン部材141は、第3の先導パイプ212に設けたフィルム押さえ部材212bによって寄せ集められていく。
【0027】
図8〜図11は、本発明のさらに他の実施形態を示す図であり、全体構成は、図4〜図7の実施形態とほぼ同じであるが、他方側の下層カーテン部材141の先端縁が連結される第3の先導パイプ212は、駆動ワイヤ16(順方向動作部16a)に連結されるのではなく、フック部材2120によって、単に、係合されているだけの構造となっている。このため、駆動ワイヤ16は、フック部材2120に対しては、相対的に自由に移動可能となっている。なお、フック部材2120は必ずしも必須ではないが、第3の先導パイプ212の安定した動作、下層カーテン部材141のばたつき防止のためには、フック部材2120により駆動ワイヤ16に係合させることが好ましい。
【0028】
いずれにしても、第3の先導パイプ212は、駆動ワイヤ16に連結固定されているわけではないため、この状態では、駆動ワイヤ16が動作しても第3の先導パイプ212は動作しない。そこで、第2の先導パイプ211と第3の先導パイプ212との間にベルト部材2130を掛け渡し、2つの先導パイプ211,212を相互に接続している。ベルト部材2130は、2つの先導パイプ211,212を相互に接続する接続部材である紐状部材として用いられるものである。なお、紐状部材には、ほぼ丸断面の紐状のもののほか、帯状(ベルト状)のものなど、断面形状に拘わらず、2つの先導パイプ211,212を接続可能な長さを備えた全てのものを含む。また、この紐状部材(本実施形態ではベルト部材2130)としては、ゴムなどの弾性部材、あるいは、弾性糸を一部に含んだ布材(ベルト素材)などのように、伸縮性を有するものを用いることがより好ましい。
【0029】
先導パイプ211,212への紐状部材(本実施形態ではベルト部材2130)の取り付け方は任意であり、ベルト部材2130を環状にして両者を接続してもよいし、図11(a),(b)に示したように、第2の先導パイプ211には、ベルト部材2130の一端側を巻き掛け、他端側を第3の先導パイプ212に巻き付けた後、その表面から半管状の止め材(パッカー)2131を該第3の先導パイプ212に嵌め合わせて固定するなどの手段をとることができる。特に、第2の先導パイプ211に相当するものが既に配設されている温室において、下層カーテン部材141を追加で配設するために第3の先導パイプ212を設ける場合に、このような止め材2131を用いて固定する手段を採用すれば、ベルト部材2130を後付けしやすいという利点がある。
【0030】
本実施形態によれば、図8に示した全開状態において、駆動ワイヤ16が動作すると、順方向動作部16aが図4の矢印A方向に走行し、反方向動作部16bが矢印B方向に走行する。第1の先導パイプ210は、反方向動作部16bに連結されているため、図9に示したように、一方側の上層カーテン部材130及び下層カーテン部材140を共に頂部方向に向かって展開していく。この点は、図5〜図7に示した実施形態と同様であるが、本実施形態では、順方向動作部16aには、第2の先導パイプ211のみが連結されているため、順方向動作部16aが走行動作すると、まずは、この第2の先導パイプ211のみが、谷部側に移動し、他方側の上層カーテン部材131が展開されていく。
【0031】
第2の先導パイプ211が谷部側へ所定量移動し、ベルト部材2130が図9に示したように伸びた状態になると、第3の先導パイプ212が、第2の先導パイプ211に牽引されて同方向に移動し始める。これにより、下層カーテン部材141も、谷部方向に向かって展開されていく。第2の先導パイプ211は、フィルム押さえ部材211bが上向きであるため、第1の先導パイプ210に該フィルム押さえ部材211bが干渉することなく、第1の先導パイプ210上を乗り越えて谷部側へ進み、他方側の上層カーテン部材131の先端付近が、一方側の上層カーテン部材130の先端付近にオーバーラップしていく。やがて、第3の先導パイプ212が第1の先導パイプ210に接触することにより閉鎖動作が終了する。これにより、上記実施形態と同様に、上層カーテン部材130,131同士が一部オーバーラップするため、空気の流出入を抑制し、高い密閉性が得られる。なお、ベルト部材2130として、伸縮性のある部材を用いた場合には、閉鎖時において、第3の先導パイプ212が第2の先導パイプ211に接近する方向に弾性付勢されるため、該第3の先導パイプ212と、一方側の第1の先導パイプ210との間の密閉性がより高まる。
【0032】
一方、図10に示した状態から上記と逆方向に駆動ワイヤ16を動作させると、第1の先導パイプ210は上記と逆に谷部側へ動いていき、フィルム押さえ部材210bによって、一方側の上層カーテン部材130及び下層カーテン部材140が寄せ集められていく。
【0033】
これに対し、他方側では、第2の先導パイプ211のみが駆動ワイヤ16に連結されているため、まず最初に、第2の先導パイプ211のみが頂部側へ移動していく。所定量移動すると、第2の先導パイプ211が第3の先導パイプ212に当接するため、第2の先導パイプ211は第3の先導パイプ212を押しながら頂部側へ移動していく。これにより、他方側の上層カーテン部材131及び下層カーテン部材141が頂部側へと寄せ集められ、開放状態になる。このとき、図8に示したように、開放動作の終点付近において、第2の先導パイプ211と第3の先導パイプ212がほぼ接触した状態(近接した状態)になっている。図5に示した実施形態では、第2の先導パイプ211と第3の先導パイプ212が双方とも、所定間隔をおいて駆動ワイヤ16に連結されているため、全開時においても、第2の先導パイプ211が第3の先導パイプ212よりも谷部側に位置しており、その分、開口面積が制限される。これに対し、本実施形態によれば、上記のように、第2の先導パイプ211と第3の先導パイプ212が近接しているため、全開時における開口面積が上層カーテン部材131の張り出しによって制限を受けることがなくなる。
【0034】
なお、図8〜図11においては、図上、頂部滑車支持部材10の左側では、第3の先導パイプ212を、フック部材2120を介して駆動ワイヤ16の上側に配置しているが、第3の先導パイプ212が安定して動作可能である限り、図の右側に示したように、フック部材2120を介して駆動ワイヤ16の下側に吊り下げるように配置することも可能である。
【0035】
図12〜図15は、本発明のさらに他の実施形態を示す図である。全体構成は、上記した図8〜図11に示した実施形態の構造とほぼ同じであるが、接続部材としてバネ部材2140を用いてる点のみが異なる。
【0036】
このバネ部材2140は、図15(a),(b)に示したように、平面視で略ひし形に形成され、該ひし形の対向する一方の対の角部に相当する部位に、第2の先導パイプ211及び第3の先導パイプ212に係合する2つの係合部2141,2142が形成されていると共に、対向する他方の対の角部に相当する部位に、ねじりコイル部2143,2144が形成された構造を備える。
【0037】
本実施形態の動作も、上記した図8〜図11に示した実施形態と同様であるが、接続部材が弾性(伸縮性)を備えているため、図14に示したように、第2の先導パイプ211が第1の先導パイプ210を乗り越えてオーバーラップした際には、第3の先導パイプ212が第2の先導パイプ211側に弾性付勢されるため、閉鎖時における密閉性が高まる。また、開放動作時には、駆動ワイヤ16に連結された第2の先導パイプ211のみが最初に動き始めるが、バネ部材2140を用いているため、その弾性により、第2の先導パイプ211が第3の先導パイプ212に接近していき、完全に当接する前に、第3の先導パイプ212を押圧し、開放方向に動作させる。開放動作の終点付近でも、バネ部材2140の弾性が作用するため、図12に示したように、第2の先導パイプ211は、第3の先導パイプ212に直接接触はしないが、駆動ワイヤ16の牽引力により、両者は、図13及び図14の閉鎖動作時よりも、近接した状態になる。従って、本実施形態でも、全開時における他方側の上層カーテン部材131の張り出し量は、図4〜図7の実施形態と比較すると小さくなる。
【0038】
なお、上記した各実施形態では、傾斜屋根部に対して、各カーテン部材を傾斜して張った場合を例にとり説明しているが、各カーテン部材を略水平に張る平張りにおいても適用できることはもちろんである。また、図1〜図3に示した実施形態においては、第1及び第2の先導パイプ同士が近接することにより閉鎖するように設定されているが、向かい合わせに設けるのではなく、同方向に移動することで上方空間を開閉できるようにしてもよい。また、図12〜図15の実施形態で示したバネ部材の構造は、あくまで例示であり、第2の先導パイプ211と第3の先導パイプ212とを接続すると共に、第2の先導パイプ211によって第3の先導パイプ212を弾性付勢して、閉鎖時の密閉性を高めることができるものであれば、その構造(形状)は限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態にかかる温室用カーテン装置の概要を示す図である。
【図2】図2は、上記一の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が開放している状態を示す図である。
【図3】図3は、上記一の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が閉鎖している状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態にかかる温室用カーテン装置の概要を示す図である。
【図5】図5は、上記他の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が開放している状態を示す図である。
【図6】図6は、上記他の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が開放状態から閉鎖状態へ移行している中途の状態を示す図である。
【図7】図7は、上記他の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が閉鎖している状態を示す図である。
【図8】図8は、さらに他の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が開放している状態を示す図である。
【図9】図9は、図8の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が開放状態から閉鎖状態へ移行している中途の状態を示す図である。
【図10】図10は、図8の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が閉鎖している状態を示す図である。
【図11】図11(a),(b)は、図8の実施形態で用いた接続部材であるベルト部材の構造を説明するための図である。
【図12】図12は、さらに他の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が開放している状態を示す図である。
【図13】図13は、図12の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が開放状態から閉鎖状態へ移行している中途の状態を示す図である。
【図14】図14は、図12の実施形態にかかる温室用カーテン装置の要部を示す図であって、上層カーテン部材及び下層カーテン部材が閉鎖している状態を示す図である。
【図15】図15(a),(b)は、図12の実施形態で用いた接続部材であるバネ部材の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
【0040】
1 温室用カーテン装置
11 頂部滑車部材
12 サイド滑車部材
13 谷滑車部材
14 方向転換用滑車部材
15 駆動ドラム
16 駆動ワイヤ
16a 順方向動作部
16b 反方向動作部
18 上棚線
19 下棚線
21 第1の先導パイプ
22 第2の先導パイプ
30 上層カーテン部材
40 下層カーテン部材
130,131 上層カーテン部材
140,141 下層カーテン部材
210 第1の先導パイプ
211 第2の先導パイプ
212 第3の先導パイプ
210a,211a,212a クリップ部材
2120 フック部材
2130 ベルト部材
2140 バネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ワイヤに連結され、駆動ワイヤの動作方向に従って移動する先導パイプと、
先端縁が前記先導パイプに連結され、先導パイプが一方向に動作する際には、先導パイプに牽引されて展張されることで閉鎖動作し、先導パイプが他方向に動作する際には先端縁が固定端縁側に引き寄せられることで開放動作する上層カーテン部材と、
前記上層カーテン部材の下面に当接し、この上層カーテン部材を支持するために配設された上棚線と、
前記上棚線よりも下方に配設された下棚線と、
前記下棚線に下面が支持され、前記上層カーテン部材に対して間隔をもって配設され、前記上層カーテン部材との間に空気層を形成可能であると共に、前記上層カーテン部材と共に開閉される下層カーテン部材と
を有することを特徴とする温室用カーテン装置。
【請求項2】
前記下層カーテン部材の先端縁は、前記上層カーテン部材の先端縁と共に、前記先導パイプに連結されていることを特徴とする請求項1記載の温室用カーテン装置。
【請求項3】
前記上層カーテン部材及び下層カーテン部材は、それぞれ、該各カーテン部材により開閉される範囲の略半分の長さを有する2枚一組からなり、各上層カーテン部材又は各下層カーテン部材の各固定端縁は、開閉範囲における各開放端付近に固定されると共に、各先端縁が、対向して配置された先導パイプにそれぞれ連結されており、先導パイプ同士が近接する方向に動作すると閉鎖していき、離間方向に動作することにより開放していく構成であることを特徴とする請求項1記載の温室用カーテン装置。
【請求項4】
空気層を挟んで対応する一方側の上層カーテン部材と下層カーテン部材の組は、その各先端縁が、ともに一方側の先導パイプに連結されており、他方側の上層カーテン部材と下層カーテン部材の組は、その各先端縁が、他方側の2本の異なる先導パイプに別々に連結されていることを特徴とする請求項3記載の温室用カーテン装置。
【請求項5】
前記駆動ワイヤは、滑車部材を介して反転されることにより、互いに逆方向に動作する順方向動作部と反方向動作部とを有し、順方向動作部と反方向動作部のうちのいずれか一方に前記一方側の先導パイプが連結され、他方に前記他方側の2本の先導パイプが連結されていることを特徴とする請求項4記載の温室用カーテン装置。
【請求項6】
前記他方側の2本の先導パイプのうち、上層カーテン部材が連結される先導パイプが、下層カーテン部材が連結される先導パイプよりも閉鎖方向前方に位置するように配置され、2本の先導パイプのいずれもが、前記駆動ワイヤに連結されていることを特徴とする請求項5記載の温室用カーテン装置。
【請求項7】
前記他方側の2本の先導パイプのうち、上層カーテン部材が連結される先導パイプが、下層カーテン部材が連結される先導パイプよりも閉鎖方向前方に位置するように配置され、下層カーテン部材が連結される先導パイプは前記駆動ワイヤに連結されずに、上層カーテン部材が連結される先導パイプが前記駆動ワイヤに連結され、かつ、この2本の先導パイプ同士が接続部材を介して相互に接続されていることを特徴とする請求項5記載の温室用カーテン装置。
【請求項8】
前記下層カーテン部材が連結される先導パイプは、前記駆動ワイヤに係合していることを特徴とする請求項7記載の温室用カーテン装置。
【請求項9】
前記接続部材は、前記他方側の2本の先導パイプ間に掛け渡される紐状部材であることを特徴とする請求項7記載の温室用カーテン装置。
【請求項10】
前記接続部材が、弾性部材であることを特徴とする請求項7又は9記載の温室用カーテン装置。
【請求項11】
前記弾性部材が、伸縮性を備えた紐部材、又は、バネ部材であることを特徴とする請求項10記載の温室用カーテン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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