説明

温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構及び連結部材

【課題】接続作業を容易に行うことができる温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構を提供する。
【解決手段】本発明は、誘導パイプを走行ワイヤに連結する連結部材5が、第1の連結体51と第2の連結体52とを備えてなることを特徴とする。第1の連結体51は、切り欠き部51d,51eに走行ワイヤを挿通した後誘導パイプに装着される。第2の連結体52は、孔部52c,52dを第1の連結体51の係合部51j,51kに係合させた後、誘導パイプと略平行になるように倒伏させると折り曲げ端縁付近が誘導パイプ外面を押圧する折り曲げ部52bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構及び連結部材に関する。
【背景技術】
【0002】
温室内には、通常、プラスチックフィルムからなる遮光用、保温用等のカーテンが配設されていると共に、このカーテンを開閉するための装置が配設されている。この装置は、図6の構成図に即して説明すると、例えば、温室Aの長手方向の側面に沿って張設したサイド滑車部材10,11を取り付けるための取付用ワイヤ10a,11aと、該サイド滑車部材10,11に掛け回され、温室Aの側面間に張設される走行ワイヤ12と、この走行ワイヤ12を駆動するため、該走行ワイヤ12が掛け回されて配設され、駆動部として機能する駆動用巻き取りドラム13と、を有して構成されている。そして、カーテン14,15は、パイプ材やワイヤからなる天井長手部材16に一端縁が固定され、他端縁が誘導パイプ17,18に固定されている。この誘導パイプ17,18は走行ワイヤ12に連結部材(図示せず)を介して連結されているため、該カーテン14,15はこの誘導パイプ16,17を介して走行ワイヤ12に連結されていることになり、走行ワイヤ12の走行に追随して該カーテン14,15が開閉せしめられる。
【0003】
ところで、上記した誘導パイプ17,18及びカーテン14,15は、温室Aの長手方向長さが、通常、30m以上であるため、長手方向すべてに亘り、1本の誘導パイプや1枚のカーテンで済ませようとすると、そのような製品を製造することが困難であると共に、運搬、設置作業にも不便を来すほか、損傷時の交換作業も大掛かりなものとなるため、誘導パイプとしては2〜3m程度のものを複数本連結して使用するのが通常である。
【0004】
しかしながら、従来用いられている誘導パイプは、断面円形であるため、ジョイントパイプを介して複数本連結する場合、ジョイントパイプ回りで誘導パイプの空転を防止する必要があり、誘導パイプにジョイントパイプを挿入した後、半径方向にねじを挿通して両者を固定しなければならなかった。また、このようにして、ジョイントパイプと誘導パイプとを連結した後は、ジョイントパイプ上での誘導パイプの位置が固定されてしまうため、長期使用によりプラスチックフィルムからなるカーテンが縮むと、誘導パイプが温室の長手方向に沿って一直線状でなく蛇行するという問題があった。
【0005】
また、誘導パイプを走行ワイヤに連結する連結部材には、カーテンの開放時にカーテンの寄せ残りを防止するため、連結部材から上方に突出するように寄せ残り防止具が設けられている(例えば、実公昭62−16833号公報参照)。しかしながら、走行ワイヤが温室の長手方向に一般に2〜3mおきに配設されていることから、誘導パイプに設ける連結部材もこれと同様の間隔で設けられることになり、結局、寄せ残り防止具も2〜3mおきにしか配設されない。従って、カーテンの寄せ残りをより完全に防止するため、より狭い間隔で寄せ残り防止具を設けることが望まれていた。もちろん、走行ワイヤの設けられていない箇所にも寄せ残り防止具付きの連結部材を配設することも考えられるが、連結部材は、断面円形の誘導パイプに固定するために、一々ねじ部材を用いて固定する必要があり、取付が面倒であった。
【0006】
特に、温室用カーテンは、温室内の上方に配設するものであるため、作業者は作業梯子を用いて上を向いて作業を行わなければならず、上記したように、ねじを用いてジョイントパイプと誘導パイプを接続したり、誘導パイプと走行ワイヤを連結する連結部材を取り付けたりする作業は、非常に負担が大きかった。
【0007】
【特許文献1】実公昭62−16833号公報
【特許文献2】実開昭63−186239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、接続作業を容易に行うことができると共に、寄せ残り防止具の配設も容易な誘導パイプ及びジョイント部材を備えた温室カーテン開閉装置のカーテン誘導機構を提供することを課題とする。また、この誘導パイプに簡易に取り付けることができる寄せ残り防止具及び連結部材を備えた温室カーテン開閉装置のカーテン誘導機構を提供することを課題とする。また、走行ワイヤと誘導パイプを連結する連結部材を提供すること課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を達成するため本発明の温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構は、温室の両側面上部近傍に配設されるサイド滑車部材に掛け回されて設けられる走行ワイヤの走行方向と略直交する向きで配設されると共に、該走行ワイヤに連結部材を介して連結され、走行ワイヤの走行に伴って移動し、一端縁が固定されたカーテンを開方向又は閉方向に誘導する誘導パイプを備えた温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構において、前記誘導パイプを走行ワイヤに連結する連結部材が、断面略コ字状の2つの側面板と底面板とからなると共に、各側面板にワイヤ挿通用の切り欠き部と、各側面板の端縁付近に形成された係合部とを有し、切り欠き部に走行ワイヤを挿通した後誘導パイプに装着される第1の連結体と、両側縁付近に第1の連結体の係合部が挿通される孔部を有する板状体から形成されると共に、一端縁付近に、折り曲げ形成された折り曲げ部であって、該孔部を第1の連結体の係合部に係合させた後、誘導パイプと略平行になるように倒伏させると折り曲げ端縁付近が誘導パイプ外面を押圧する折り曲げ部を有する第2の連結体と、を備えてなることを特徴とする。
【0010】
前記誘導パイプは、断面円形でない異形パイプ材から形成されることが好ましい。
前記誘導パイプを複数本接続して使用する際は、両端から挿入される誘導パイプの対向端部同士が接触せずに所定の距離を保てるよう、外面に所定の距離離間した位置にストップ突起が突設されているジョイント部材を用いることが好ましい。
また、該ジョイント部材は、その断面における任意の対向部間の外面距離が、該誘導パイプの断面における任意の対向部間の内面距離よりも長く、外面を押圧して誘導パイプ内に圧入されるものであることが好ましい。
前記誘導パイプの外面には、長手方向に沿って長溝を形成することが好ましい。
【0011】
また、針金部材を略コ字状に屈曲させて形成した2つの垂直部と該垂直部間に位置する水平部を有すると共に、該2つの垂直部の各端部付近に曲成して形成した湾曲部と、該湾曲部の各先端を内方に屈曲させて形成した先端係合部とを有し、誘導パイプに形成した長溝に各先端係合部を係合させて湾曲部によって誘導パイプ外面を覆うように装着され、少なくとも2つの垂直部が、寄せ集められるカーテンを支持する支持部として機能する寄せ残り防止具を配設することができる。
また、前記第1の連結体の各側面板内面には、誘導パイプの長溝に引っかかる凸部を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、連結部材により走行ワイヤと誘導パイプを連結する際にねじ等が不要であるため、かかる作業が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の一の実施の形態にかかる温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構1を示す図であり、誘導パイプ2、ジョイント部材3、寄せ残り防止具4、連結部材5を有して構成されている。
【0015】
誘導パイプ2は、図2に示すように、断面形状が円形でない異形パイプ材から構成される。誘導パイプ2をこのような形状にしたのは、本発明が、誘導パイプ2をこのような形状とすることにより、後述のジョイント部材3、寄せ残り防止具4及び連結部材5の装着性を向上させることを最大の特徴とするものだからである。
【0016】
具体的には、本実施の形態では、長手方向に沿って断面からみてパイプ中心よりもやや上方の対向位置に形成された所定幅の長溝21,22を有し、この長溝21,22を挟んでその上部に円弧部23と、その下部に、上底に相当する部分が一部欠如している台形部24を有する。なお、長溝21,22がパイプ中心よりもやや上方に設けられているため、長溝の下縁21b,22bは、対向する上縁21a,22aよりも断面からみて横方向に張り出ている。この張り出た部分に後述の連結部材5に設けた凸部51m,51nが係合する。但し、誘導パイプ2は、上記した機能を果たす異形パイプ材からなればよく、かかる形状に限定されるものではない。
【0017】
ジョイント部材3は、上記した誘導パイプ2が通常2m〜3m程度であるため、温室の長手方向に沿って複数本接続する必要があることから使用されるものであり、接続した誘導パイプ2がジョイント部材3回りで空転しないことが条件となる。本実施の形態においては、上記したように、誘導パイプ2が異形パイプ材から構成されているため、長溝21,22の内面や台形部24の内面に引っかかるものであれば、どのような形状のものであってもよい。誘導パイプ2内に圧入される程度の径を有するものであれば、断面円形のパイプ材から形成することもできる。
【0018】
本実施の形態では、該ジョイント部材3として、図3に示したように、断面略コ字状に加工した金属板を用いている。すなわち、底面部31と2つの側面部32,33とからなる。2つの側面部32,33は、底面部31からの立ち上げ距離が、誘導パイプ2の台形部24の底壁24a内面から、長溝21,22の上縁21a,22aまでに相当する距離よりも長くなっていると共に、各側面部32,33の上縁には外方に曲成したフランジ部32a,33aが設けられている。従って、このジョイント部材3を、その底面部31の外面が誘導パイプ2の底壁24a内面に接するように挿入した際に、フランジ部32a,33aが長溝21,22の上縁21a,22aの上方空間内に位置することになり、該フランジ部32a,33aがこの上縁21a,22aに引っかかって誘導パイプ2の空転が防止される(図1参照)。
【0019】
また、ジョイント部材3は、その断面における任意の対向部間の外面距離が、誘導パイプ2の任意の対向部間の内面距離よりも長く、該ジョイント部材3の任意の対向部間の外面を押圧して、誘導パイプ2内にその端部から圧入されるものであることが好ましい。これにより、誘導パイプ2のジョイント部材3回りでの空転をより効果的に防止できる。本実施の形態では、対向する側面部32,33間の外面距離が、誘導パイプ2の長溝21,22の底部21c,22cの内面間の距離より長くなっており、挿入の際には、側面部32,33を互いに接近する方向に押圧して、誘導パイプ2内に挿入する。これにより、該側面部32,33の弾性復帰力によって、長溝21,22の底部21c,22cの内面を押圧し、ジョイント部材2が容易には抜けなくなり、また、誘導パイプ2の空転も防止される。
【0020】
さらに、本実施の形態にかかるジョイント部材3の側面部32,33の各外面には、所定距離離間してそれぞれ2つのストップ突起32b,32c,33b,33cが設けられている。ジョイント部材3の両端からそれぞれ誘導パイプ2を挿入すると、一方の誘導パイプ2の端部がストップ突起32b,33bに当接し、他方の誘導パイプ2の端部がストップ突起32c,33cに当接する。その結果、誘導パイプ2は、端部間が所定の距離離間した状態で接続される。これは、長期使用により、誘導パイプ2に巻き付け固定されるプラスチックフィルムからなるカーテン7が幅方向に縮んだ際に、各誘導パイプ2の端部が各ストップ突起32b,32c,33b,33cを乗り越えて、ジョイント部材3の中央部に接近可能とすることにより、誘導パイプ2の蛇行を防止するためのものである。なお、ジョイント部材3の各ストップ突起32b,32c間、及び33b,33c間には、中央突起32d,33dが設けられている。これは、各ストップ突起32b,32c,33b,33cを乗り越えた誘導パイプ2の移動位置を規制するために設けたものである。
【0021】
寄せ残り防止具4は、図4に示すように、針金部材を略コ字状に屈曲させて形成され、2つの垂直部41,42と該垂直部41,42間に位置する水平部43とを有して構成される。また、各垂直部41,42の端部付近には、半円よりやや大きい湾曲部41a,42aが曲成されている。この湾曲部41a,42aは、誘導パイプ2の外面を覆うことができる程度の曲率で形成される。また、湾曲部41a,42aの先端は、さらに内方に屈曲して形成され、誘導パイプ2の長溝21,22に係合する先端係合部41b,42bを有している。
【0022】
連結部材5は、走行ワイヤ6に誘導パイプ2を連結するために用いられるものであるが、本実施の形態では、従来のように、寄せ残り防止部が付設されたものではない。本実施の形態では、連結部材5に寄せ残り防止部を設けなくても、誘導パイプ2のいずれの位置でも容易に取り付けられる上記した寄せ残り防止具4を有するからである。
【0023】
この連結部材5は、図5に示すように、第1の連結体51と第2の連結体52とを有して構成される。第1の連結体51は、断面略コ字状に形成され、2つの側面板51a,51bと底面板51cとを有する。側面板51a,51bには、前端縁から奥行き方向に切り欠かれた後、さらに、底面板51c付近まで切り欠かれた逆L字状のワイヤ挿通用の切り欠き部51d,51eが形成されている。この切り欠き部51d,51eに、前端縁側から走行ワイヤ6を挿入し、該切り欠き部51d,51e内において底面板51c寄りに位置させ、その上部に誘導パイプ2を配置し、さらに後述のように第2の連結体52により該誘導パイプ2を押圧すると該誘導パイプ2と底面板51cとの間で走行ワイヤを挟持して保持できる。
【0024】
また、側面板51a,51bにおいて底面板51c内面から、誘導パイプ2の径以上離れた箇所であって、かつ上端縁よりも下方に、前端縁側から奥行き方向へ順に、それぞれ、長孔部51f,51gと円形孔部51h,51iが連接されている。この結果、該長孔部51f,51g及び円形孔部51h,51iから各上端縁までの間に舌片状部51j,51kが形成されることになり、この舌片状部51j,51kが第2の連結体52に形成された孔部52c,52dが挿通される係合部として機能する。
【0025】
さらに、側面板51a,51bの各内面において、底面板51cの内面から誘導パイプ2を側面板51a,51b間に挿通したときに長溝21,22の下縁21b,22bよりも上方に位置する凸部51m,51nが形成されている。これは、本実施の形態では、誘導パイプ2を、円弧部23を上側に向け、第1の連結体51の側面板51a,51bに挟むようにして挿入するものであるため、その後、第2の連結体52を装着するまでの間に、誘導パイプ2から第1の連結体51が落下しないよう支持するものである。すなわち、凸部51m,51nは、長溝21,22の下縁21b,22bの張り出た部分に引っかかり落下防止機能を果たす。
【0026】
第2の連結体52は板状体を略J字状に折り曲げ形成されている。すなわち、基板面52aと折り曲げ部52bとを有して形成されている。基板面52aは、幅が第1の連結体51の側面板51a,51bの外面間の距離よりも広く、両側縁付近には、第1の連結体51の舌片状部51j,51kが挿入される孔部52c,52dが形成されている。折り曲げ部52bは、幅が第1の連結体51の側面板51a,51bの内面間の距離よりも狭く、折り曲げ端縁52eほど対向する基板面52cとの距離が離間するように折り曲げられている。また、折り曲げ部の52bの頂点52fと基板面52aの孔部52c,52dの下端縁までの距離が、折り曲げ端縁52eと対向する基板面52cとの距離より短くなるように形成されている。その結果、第2の連結体52を第1の連結体51を装着する際、図5(b)に示したように、挿通される誘導パイプ2に直交するようにセットしたときは、折り曲げ部52bの頂点52fとその下方に挿通される誘導パイプ2の間には僅かな隙間が存在するが、図5(c)に示したように、第2の連結体52の基板面52aを誘導パイプ2とほぼ平行になるように倒伏させると、折り曲げ端縁52e付近が誘導パイプ2の外面を押圧する。これにより、誘導パイプ2が連結部材5に固定されることになる。
【0027】
なお、基板面52aの孔部52c,52d間に穿設した横穴52gは第2の連結体52を倒伏させたり、起こしたりする際の便宜のため、マイナスドライバー等の先端を係合させる機能を果たす。
【0028】
本実施の形態にかかるカーテン誘導機構1を配設する場合は、まず、走行ワイヤ6を連結部材5の第1の連結体51の切り欠き部51d,51eに挿通する。次に、誘導パイプ2を第1の連結体51の側面板51a,51b間に挿入する。このとき、側面板51a,51bの凸部51m,51nが、長溝21,22の下縁21b,22bの張り出た部分を通過するまで誘導パイプ2を押し込む。これにより、該凸部51m,51nが該誘導パイプ2の長溝21,22の張り出た部分に引っかかり第1の連結体51の誘導パイプ2からの脱落が防止される。次に、第2の連結体52を図5(b)に示したような状態で、第1の連結体51の舌片状部51j,51kに係合する。そして、図5(c)に示したように、第2の連結体52の上端縁側を側面板51a,51bの奥行き方向に倒伏させる。これにより、第2の連結体52の折り曲げ端縁52e付近が誘導パイプ2の円弧部22外面を押圧し、誘導パイプ2の台形部23外面により走行ワイヤ6が押圧され、従来のようにねじ部材を用いなくても、走行ワイヤ6及び誘導パイプ2が連結されることになる。
【0029】
次に、誘導パイプ2の端部からジョイント部材3を挿入する。このとき、一方のストッパ突起32b,33bに当接するまで挿入する。そして、ジョイント部材3の他方側に、他の誘導パイプ2を他方のストッパ突起32c,33cに当接するまで挿入する。なお、他方の誘導パイプ2は、上記と同様、他の走行ワイヤ6に対して連結部材5により連結される。
【0030】
そして、カーテン7を図1に示したように誘導パイプ2回りに巻き付ける。最後に、誘導パイプ2の長手方向適宜部位に、図1上、誘導パイプ2の前方からカーテン7の巻き付け端部7a回りに寄せ残り防止具4の湾曲部41a,42aを嵌合すると共に、先端係合部41b,42bを誘導パイプ2の一方の長溝21に係合させて装着する。カーテン7の開放方向に走行ワイヤ6を駆動すると、誘導パイプ2に押されてカーテン7が誘導パイプ2に相対的に寄せ集められる。寄せ集められるに従い、カーテン7が上方に重なっていくが、このとき、寄せ残り防止具4の2つの垂直部41,42、さらには水平部43によって寄せ集められたカーテン7が支持される。この場合、本実施の形態にかかる寄せ残り防止具4は、装着が簡易であると共に、従来のように、取付位置が連結部材の配設位置に限定されるわけではなく、誘導パイプ2の長手方向に所望の間隔で複数取り付けられるため、カーテン7の寄せ残りを有効に防止できる。
【0031】
なお、使用によりカーテン7が縮んだ場合には、誘導パイプ2がジョイント部材3上を上記したように中央方向に移動するため、縮み分を吸収でき、温室の長手方向に連接される誘導パイプ2の蛇行を防止できる。
【0032】
本発明の温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構によれば、誘導パイプが異形パイプ材からなるため、ジョイント部材との接続にねじ部材等を用いなくても誘導パイプ2の空転を防止でき、接続作業が容易となる。また、誘導パイプが異形パイプ材からなるため、寄せ残り防止具も所望位置に簡易に取り付けることができる。また、連結部材により走行ワイヤと誘導パイプを連結する際もねじ等が不要であり、かかる作業も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明のカーテン開閉装置のカーテン誘導機構の要部を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は誘導パイプの斜視図であり、図2(b)は誘導パイプの断面図である。
【図3】図3は、ジョイント部材の斜視図である。
【図4】図4は、寄せ残り防止具の斜視図である。
【図5】図5(a)は連結部材の斜視図であり、図5(b),(c)は連結部材を構成する第1の連結体に第2の連結体を装着する方法を説明するための斜視図である。
【図6】図6は、従来使用されている温室用カーテン開閉装置の動作を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0034】
1 カーテン誘導機構
2 誘導パイプ
3 ジョイント部材
4 寄せ残り防止具
5 連結部材
51 第1の連結体
52 第2の連結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室の両側面上部近傍に配設されるサイド滑車部材に掛け回されて設けられる走行ワイヤの走行方向と略直交する向きで配設されると共に、該走行ワイヤに連結部材を介して連結され、走行ワイヤの走行に伴って移動し、一端縁が固定されたカーテンを開方向又は閉方向に誘導する誘導パイプを備えた温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構において、前記誘導パイプを走行ワイヤに連結する連結部材が、断面略コ字状の2つの側面板と底面板とからなると共に、各側面板にワイヤ挿通用の切り欠き部と、各側面板の端縁付近に形成された係合部とを有し、切り欠き部に走行ワイヤを挿通した後誘導パイプに装着される第1の連結体と、両側縁付近に第1の連結体の係合部が挿通される孔部を有する板状体から形成されると共に、一端縁付近に、折り曲げ形成された折り曲げ部であって、該孔部を第1の連結体の係合部に係合させた後、誘導パイプと略平行になるように倒伏させると折り曲げ端縁付近が誘導パイプ外面を押圧する折り曲げ部を有する第2の連結体と、を備えてなる温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構。
【請求項2】
前記第1の連結体の各側面板内面に、誘導パイプの長溝に引っかかる凸部が設けられている請求項1記載の温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構。
【請求項3】
温室用カーテン開閉装置のカーテン誘導機構において、温室の両側面上部近傍に配設されるサイド滑車部材に掛け回されて設けられる走行ワイヤと、該走行ワイヤの走行に伴って移動し、一端縁が固定されたカーテンを開方向又は閉方向に誘導する誘導パイプとを連結する連結部材であって、断面略コ字状の2つの側面板と底面板とからなると共に、各側面板にワイヤ挿通用の切り欠き部と、各側面板の端縁付近に形成された係合部とを有し、切り欠き部に走行ワイヤを挿通した後誘導パイプに装着される第1の連結体と、両側縁付近に第1の連結体の係合部が挿通される孔部を有する板状体から形成されると共に、一端縁付近に、折り曲げ形成された折り曲げ部であって、該孔部を第1の連結体の係合部に係合させた後、誘導パイプと略平行になるように倒伏させると折り曲げ端縁付近が誘導パイプ外面を押圧する折り曲げ部を有する第2の連結体と、を備えてなる連結部材。
【請求項4】
前記第1の連結体の各側面板内面に、誘導パイプの長溝に引っかかる凸部が設けられている請求項3記載の連結部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−122058(P2006−122058A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9598(P2006−9598)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【分割の表示】特願平9−130407の分割
【原出願日】平成9年5月2日(1997.5.2)
【出願人】(390010814)株式会社誠和 (31)
【Fターム(参考)】