説明

温度センサー及び温度測定方法

【課題】 冷凍食品の内部の温度を容易にかつ正確に測定可能な温度センサー及びそれを用いる温度測定方法を提供する。
【解決手段】 温度センサー100a,100bが、温度の変化に応じて電気的な物理量が変化する測温素子2と、電力が供給されて発熱する発熱素子5a,5bと、前記測温素子と前記発熱素子との各々を保護するための保護管1とを備え、前記保護管が、少なくとも前記測温素子と前記発熱素子との各々を内蔵している。又、温度センサー100a,100bの発熱素子5a,5bに電力を供給し、加熱した保護管1を被検温体の内部に挿入し、前記発熱素子への電力の供給を停止して測温素子2により被検温体の温度を測定し、その後、前記発熱素子に電力を再び供給して前記保護管を前記被検温体から引き抜く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測温素子を備える温度センサー及び温度測定方法に関し、特に、測温素子を保護管の内部に備える温度センサー及び温度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゼーベック効果を利用する熱電対や温度変化に対する抵抗値の変化を利用する測温抵抗体等の温度検出手段を備える温度センサーは、利便性及び経済性に優れていると共に、広い温度範囲において比較的正確な温度測定が可能であることから、様々な産業用設備において用いられている。
【0003】
温度センサーは、通常、熱電対や測温抵抗体等の温度検出手段を、樹脂製のシールパイプ(保護管)の内部に備えている。この温度検出手段をシールパイプの内部に備える構成によれば、必要に応じて管径が太いシールパイプを適用することができる。そのため、この構成によれば、優れた機械的強度及び長期耐久性を有する温度センサーを容易に得ることが可能になる。しかし、この温度検出手段をシールパイプの内部に備える構成では、シールパイプの機械的強度が比較的低いため、小径の温度センサーや微小な温度センサーを構成することは一般的に困難である。又、この構成では、シールパイプの熱伝導率が比較的低いため、応答性に優れる温度センサーを得ることは一般的に困難である。
【0004】
そこで、従来から、樹脂製のシールパイプに代えて機械的強度及び熱伝導性に優れる金属製の保護管(以下、「シース」という)を用いる、熱電対や測温抵抗体等の温度検出手段をシースの内部に備える温度センサー(以下、「シース型温度センサー」という)が好適に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
かかるシース型温度センサーの構成によれば、優れた機械的強度及び熱伝導性を得ることが可能である。又、このシース型温度センサーの構成によれば、ステンレス製のシースを用いることで、優れた耐酸化性及び耐腐食性を得ることも可能になる。そのため、このシース型温度センサーは、薬品製造設備や食品製造設備等の産業用設備において、従来から特に好適に用いられている。
【0006】
以下、温度検出手段としての熱電対を備える従来のシース型温度センサーの一般的な構成について概説する。
【0007】
図5は、従来のシース型温度センサーの構成例を模式的に示す斜視図である。尚、図5では、シース型温度センサーの内部の構成を理解し易くするために、その内部に配設された熱電対及びそれに接続するリード線の各々を便宜上実線により示している。
【0008】
図5に示すように、従来のシース型温度センサー200は、その一端が円錐状に尖りかつその他端が開口を有する円筒状のシース101を備えている。このシース101は、例えば、機械的強度、熱伝導性、耐酸化性及び耐腐食性を十分に確保するべく、SUS−304等のステンレスにより構成されている。そして、図5に示すように、シース101の内部(内側)には、熱電対104の一部が配置されている。この熱電対104は、測温素子102と、この測温素子102に接続するリード線103とを備えている。ここで、測温素子102は、図5では図示しないが、測温接点を備えている。一方、リード線103は、測温素子102が備える測温接点と電気的に接続する導線103a及び103bを備えている。これらの測温接点及び導線103a,103bの双方が電気絶縁性を有する高分子化合物により被覆されることにより、測温素子102及びリード線103が構成されている。そして、これにより、熱電対104が構成されている。
【0009】
シース101において、熱電対104の測温素子102は、シース101の一端側(つまり、シース型温度センサー200の先端側)に配設されている。一方、リード線103は、測温素子102から延出して、シース101の他端側(つまり、シース型温度センサー200の基端側)に向けて更に延出している。そして、図5では図示しないが、このシース型温度センサー200では、熱電対104のシース101に内蔵される部分が、そのシース101の内部に電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム又は酸化アルミニウム等の粉末が充填されることにより、シース101との間にエアーギャップが形成されることがなく、かつシース101に対して電気的に完全に絶縁された状態で、シース101の内部に配設されている。尚、図5に示すように、熱電対104のリード線103は、シース101の開口からその外部へと更に延出している。
【0010】
又、図5に示すように、シース101の他端には、所定の連結部材を介して、シース101の外径よりも太い外径を有する円筒状のグリップ105が連結されている。このグリップ105は、シース101の他端に同軸状に連結されている。又、このグリップ105は、十分な機械的強度を備えかつシース101を確実に支持するために、シース101と同様にして、SUS−304等のステンレスにより構成されている。そして、このグリップ105の内部(内側)には、シース101の開口から延出する熱電対104のリード線103が挿通されている。このリード線103は、グリップ105の長軸方向に沿って、グリップ105の一端からその他端に渡って直線状に挿通されている。又、図5では図示しないが、このリード線103は、グリップ105の内部にシリコン等の充填材が充填されることにより、グリップ105との間にエアーギャップが形成されることがなく、かつグリップ105に対して電気的に完全に絶縁された状態で、グリップ105の内部に配設されている。
【0011】
一方、図5に示すように、グリップ105の他端(つまり、グリップ105におけるシース型温度センサー200の基端側)には、所定の連結部材を介して、リード線106が接続されている。このリード線106は、導線106a及び106bを備えている。ここで、導線106aの一端は、リード線103における導線103aの一端と電気的に接続されている。又、導線106bの一端は、リード線103における導線103bの一端と電気的に接続されている。尚、リード線106の導線106a及び106bの他端は、例えば、制御装置の入力端子等に接続される。
【0012】
かかる熱電対104を備える従来のシース型温度センサー200は、優れた機械的強度及び熱伝導性を有していると共に、耐酸化性及び耐腐食性をも有している。そのため、このシース型温度センサー200は、薬品製造設備や食品製造設備等の産業用設備において特に好適に用いられる。
【特許文献1】特開平09−159542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のシース型温度センサーでは、気体や液体の温度を測定することは容易であったが、シースを固体に突き刺すことが困難又は不可能であった。そのため、従来のシース型温度センサーでは、固体の内部の温度を測定することは困難又は不可能であった。具体的には、従来のシース型温度センサーでは、食品製造設備で製造される冷凍食品の内部の温度や、保冷倉庫に保管されている冷凍食品の内部の温度を測定することは、実質的に不可能であった。
【0014】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであって、冷凍食品の内部の温度を容易にかつ正確に測定可能な温度センサー及びそれを用いる温度測定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る温度センサーは、温度の変化に応じて電気的な物理量が変化する測温素子と、電力が供給されて発熱する発熱素子と、前記測温素子と前記発熱素子との各々を保護するための保護管とを備え、前記保護管が、少なくとも前記測温素子と前記発熱素子との各々を内蔵している。
【0016】
かかる構成とすると、温度センサーの保護管が測温素子に加えて発熱素子を更に内蔵しているので、発熱素子に電力を供給することにより、保護管を加熱することができる。これにより、保護管を冷凍食品の内部に挿入することが可能になるので、冷凍食品の内部の温度を容易にかつ正確に測定可能な温度センサーを提供することが可能になる。
【0017】
この場合、前記発熱素子が電熱線と電気絶縁性を有する高分子化合物とを備え、前記電熱線が、前記電気絶縁性を有する高分子化合物により被覆されている。
【0018】
かかる構成とすると、電熱線が電気絶縁性を有する高分子化合物により被覆されているので、電熱線と保護管との電気的な絶縁を確実に確保することが可能になる。
【0019】
この場合、前記電気絶縁性を有する高分子化合物が、分子骨格内にフッ素を有するフッ素化合物である。
【0020】
かかる構成とすると、フッ素化合物としてのフッ素樹脂は化学的、熱的、機械的、電気的に卓越した特性を有しているので、電熱線を化学的、熱的、機械的、電気的に好適に保護することが可能になる。
【0021】
この場合、前記フッ素化合物が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体の何れかである。
【0022】
かかる構成とすると、ポリテトラフルオロエチレンとしてのテフロン(R)PTFE、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体としてのテフロン(R)PFA、及び、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体としてのテフロン(R)FEPの何れも一般的に入手容易であることから、化学的、熱的、機械的、電気的に優れる好適な温度センサーを容易にかつ比較的安価に構成することが可能になる。
【0023】
又、上記の場合、前記発熱素子が、前記電熱線が前記電気絶縁性を有する高分子化合物によって被覆された素線が螺旋形状に巻回されて形成されており、前記保護管が、前記螺旋形状を有する発熱素子を同軸状に内蔵している。
【0024】
かかる構成とすると、発熱素子が螺旋形状を有しているので、供給される電力を熱に効率良く変換することができる。そして、保護管が螺旋形状を有する発熱素子を同軸状に内蔵しているので、保護管を発熱素子により効率良く加熱することができる。その結果、温度測定を行う際、温度センサーの保護管を冷凍食品の内部に挿入することが容易になる。
【0025】
この場合、前記螺旋形状を有する発熱素子の内側に、前記測温素子が配置されている。
【0026】
かかる構成とすると、フッ素化合物により被覆された電熱線からなる螺旋形状の発熱素子が測温素子を内蔵しているので、測温素子を物理的な衝撃等から好適に保護することが可能になる。
【0027】
又、この場合、前記螺旋形状を有する発熱素子が、前記保護管の内周面に接触するように配置されている。
【0028】
かかる構成とすると、螺旋形状を有する発熱素子が保護管の内周面に直に接触しているので、発熱素子により保護管をより一層効率良く加熱することが可能になる。
【0029】
又、この場合、前記螺旋形状を有する発熱素子が、第1のピッチの部分を前記保護管の先端側に備えかつ前記第1のピッチの部分よりも広いピッチである第2のピッチの部分を前記保護管の基端側に備えている。
【0030】
かかる構成とすると、発熱素子における第1のピッチの部分が保護管の先端側に配設されかつ第1のピッチの部分よりも広いピッチである第2のピッチの部分が保護管の基端側に配設されているので、温度センサーにおけるグリップの部分の過剰な温度上昇を抑制することが可能になる。これにより、温度センサーの利便性が更に改善される。又、温度センサーの保護管を冷凍食品の内部に挿入することが更に容易になる。
【0031】
又、上記従来の課題を解決するために、本発明に係る温度測定方法は、温度の変化に応じて電気的な物理量が変化する測温素子と電力が供給されて発熱する発熱素子との各々を保護管が少なくとも内蔵している温度センサーを用い、前記発熱素子に電力を供給して前記保護管を加熱し、前記加熱した保護管を接触させて冷凍された被検温体の一部を解凍しながら該被検温体の内部に前記保護管を挿入し、前記挿入した保護管を前記被検温体の内部で保持しながら前記発熱素子への電力の供給を停止して前記保護管の加熱を停止し、前記加熱を停止した保護管を前記被検温体の内部で更に保持しながら前記測温素子により該被検温体の内部の温度を測定し、その後、前記発熱素子に電力を再び供給して前記保護管を加熱することにより前記被検温体の一部を再び解凍しながら該保護管を該被検温体の内部から引き抜く。
【0032】
かかる構成とすると、本発明に係る温度センサーを用いる、冷凍食品の内部の温度を容易にかつ正確に測定可能な温度測定方法を提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、以上に述べたような手段において実施され、冷凍食品の内部の温度を容易にかつ正確に測定可能な温度センサー及びそれを用いる温度測定方法を提供することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための最良の実施の形態1,2について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るシース型温度センサーの構成を模式的に示す斜視図である。ここで、図1(a)は、本実施の形態に係るシース型温度センサーの第1の構成を模式的に示す斜視図である。又、図1(b)は、本実施の形態に係るシース型温度センサーの第2の構成を模式的に示す斜視図である。尚、図1(a)及び(b)では、シース型温度センサーの内部の構成を理解し易くするために、その内部に配設された熱電対及びヒーターとそれに接続する各々のリード線を、便宜上、実線により示している。
【0036】
先ず、本実施の形態に係るシース型温度センサーの第1の構成について説明する。
【0037】
図1(a)に示すように、本実施の形態に係る第1の構成としてのシース型温度センサー100aは、その一端が円錐状に尖りかつその他端が開口を有する円筒状のシース1を備えている。このシース1は、例えば、機械的強度、熱伝導性、耐酸化性及び耐腐食性を十分にかつ確実に確保するために、SUS−304,SUS−316等のステンレスにより構成されている。そして、このシース1の内部には、熱電対4の測温素子2及びリード線3の一部とヒーター7の発熱素子5aとが配設されている。
【0038】
熱電対4は、測温素子2と、この測温素子2に接続するリード線3とを備えている。ここで、測温素子2は、図1(a)では図示しないが、測温接点を備えている。又、リード線3は、測温素子2が備える測温接点と電気的に接続された導線3a及び3bを備えている。これらの測温接点及び導線3a,3bが電気絶縁性を有する高分子化合物により被覆されて、測温素子2及びリード線3が構成されている。そして、これにより、熱電対4が構成されている。尚、熱電対4における測温素子2及びリード線3の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
【0039】
シース1において、熱電対4の測温素子2は、シース1の一端側(つまり、シース型温度センサー100aの先端側)に配設されている。一方、リード線3は、測温素子2から延出して、シース1の他端側(つまり、シース型温度センサー100aの基端側)に向けて更に延出している。そして、このシース型温度センサー100aでは、図1(a)では図示しないが、熱電対4のシース1に内蔵される部分(つまり、測温素子2及びリード線3の一部)が、そのシース1の内部に電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム又は酸化アルミニウム等の粉末が充填されることにより、シース1との間にエアーギャップが形成されることがなく、かつシース1に対して電気的に完全に絶縁された状態で、シース1の内部にシース1の中心線上に延びるように配設されている。尚、熱電対4の測温素子2から延出するリード線3は、シース1の開口からその外部へと更に延出している。
【0040】
一方、図1(a)に示すように、ヒーター7は、螺旋形状を有する発熱素子5aと、この螺旋形状を有する発熱素子5aに接続するリード線6とを備えている。ここで、発熱素子5a及びリード線6は、発熱性を有する電熱線6a及び6bを備えている。これらの電熱線6a及び6bとしては、例えば、ニクロム線が用いられる。そして、これらの電熱線6a及び6bが電気絶縁性を有する高分子化合物により被覆されて、発熱素子5a及びリード線6が構成されている。そして、これにより、ヒーター7が構成されている。尚、ヒーター7の発熱素子5aの具体的な構成については、後に詳細に説明する。
【0041】
シース1において、ヒーター7の発熱素子5aは、シース1の一端側からその他端側に渡りシース1と同軸状に配設されている。又、このヒーター7の発熱素子5aは、シース1の内周面に対して所定の間隔を保持しながら、シース1の一端側からその他端側に渡って配設されている。そして、ヒーター7の発熱素子5aは、上述した熱電対4の場合と同様、シース1の内部に電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム又は酸化アルミニウム等の粉末が充填されることにより、シース1との間にエアーギャップが形成されることがなく、かつシース1に対して電気的に完全に絶縁された状態で、シース1の内部に配設されている。尚、ヒーター7の発熱素子5aから延出するリード線6は、シース1の開口からその外部へと更に延出している。
【0042】
そして、本実施の形態では、図1(a)に示すように、ヒーター7の発熱素子5aが、熱電対4の測温素子2及びリード線3の一部を内蔵している。つまり、熱電対4の測温素子2及びリード線3の一部は、電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム又は酸化アルミニウム等の粉末を介して、ヒーター7の発熱素子5aの内部(内側)に配置されている。
【0043】
一方、図1(a)に示すように、シース1の他端には、所定の連結部材を介して、シース1の外径よりも太い外径を有する円筒状のグリップ8が連結されている。このグリップ8は、シース1の他端にシース1と同軸状に連結されている。又、このグリップ8は、十分な機械的強度を備えかつシース1を確実に支持するために、シース1と同様にして、SUS−304やSUS−316等のステンレスにより構成されている。そして、このグリップ8の内部には、シース1の開口から延出する熱電対4のリード線3及びヒーター7のリード線6の各々が挿通されている。ここで、これらのリード線3及び6は、グリップ8の長軸方向に沿って、グリップ8の一端からその他端に渡り各々挿通されている。又、これらのリード線3及び6は、図1(a)では図示しないが、グリップ8の内部にシリコン樹脂等の充填材が充填されることにより、グリップ8との間にエアーギャップが形成されることがなく、かつグリップ8に対して電気的に完全に絶縁された状態で、グリップ8の内部に配設されている。
【0044】
又、図1(a)に示すように、グリップ8の他端(つまり、グリップ8におけるシース型温度センサー100aの基端側)には、所定の連結部材を介して、リード線9が接続されている。ここで、このリード線9は、導線9a〜9dを備えている。そして、導線9aの一端は、リード線6における導線6aの一端と電気的に接続されている。又、導線9bの一端は、リード線6における導線6bの一端と電気的に接続されている。一方、導線9cの一端は、リード線3における導線3aの一端と電気的に接続されている。又、導線9dの一端は、リード線3における導線3bの一端と電気的に接続されている。尚、リード線9の導線9a〜9dの他端は、例えば、制御装置の入力端子等に各々接続される。
【0045】
次に、本実施の形態に係るシース型温度センサーの第2の構成について説明する。
【0046】
図1(b)に示すように、本実施の形態に係る第2の構成としてのシース型温度センサー100bは、基本的に、図1(a)に示す第1の構成としてのシース型温度センサー100aの構成と同様の構成を備えている。しかし、この第2の構成としてのシース型温度センサー100bの構成は、ヒーター7における発熱素子5bの螺旋直径が異なる点において、第1の構成としてのシース型温度センサー100aの構成とは異なっている。
【0047】
具体的に説明すると、図1(b)に示すように、本実施の形態に係る第2の構成としてのシース型温度センサー100bでは、ヒーター7の発熱素子5bの外周がシース1の内周面に直接接触している。つまり、このシース型温度センサー100bでは、ヒーター7の発熱素子5bが、その外周がシース1の内周面に接触するようにして、シース1の一端側からその他端側に渡ってシース1と同軸状に配設されている。そして、ヒーター7の発熱素子5bは、シース1の内部(内側)に電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム等の粉末が充填されることにより、シース1に対して隙間が形成されることなく、シース1の内部に配設されている。又、このヒーター7の発熱素子5bは、電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム等の粉末を介して、熱電対4の測温素子2及びリード線3の一部を各々内蔵している。尚、その他の点については、シース型温度センサー100bの構成は、図1(a)に示すシース型温度センサー100aの構成と同様である。
【0048】
次に、本実施の形態に係るヒーターの発熱素子と熱電対の測温素子及びリード線との配設形態及びそれらの具体的な構成について説明する。
【0049】
図2は、本発明の実施の形態1に係る発熱素子と測温素子及びリード線との配設形態、及び、それらの構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。ここで、図2(a)は、本実施の形態に係る発熱素子と測温素子及びリード線との配設形態を模式的に示す斜視図である。又、図2(b)は、図2(a)に示す発熱素子の紙面手前側の部分を取り去った場合の状態を模式的に示す斜視図である。
【0050】
図2(a)及び(b)に示すように、本実施の形態に係るヒーター7の発熱素子5a(又は、発熱素子5b)は、所定のピッチαで一定の直径に巻回されてなる螺旋形状(コイル形状)を有している。この発熱素子5a(5b)の所定のピッチαは、ヒーター7に供給される電力や、シース1を加熱する際の目標設定温度、シース1の熱容量、或いは、冷凍された被検温体の温度等に応じて、適宜設定される。例えば、シース1を加熱する際の目標設定温度が比較的高い場合には、発熱素子5a(5b)のピッチαは比較的密なピッチとされる。一方、シース1を加熱する際の目標設定温度が比較的低い場合には、発熱素子5a(5b)のピッチαは比較的粗なピッチとされる。そして、上述したように、ヒーター7の発熱素子5aの内部(内側)には、熱電対4の測温素子2及びリード線3の一部が配置されている。ここで、上述したように、測温素子2は、発熱素子5aの先端側に配設されている。又、リード線3は、測温素子2から延出して、発熱素子5aの基端に向けてその内部(内側)に挿通されている。又、上述したように、これらの発熱素子5aと測温素子2及びリード線3の一部との間には、電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム又は酸化アルミニウム等の粉末が充填される。これにより、測温素子2及びリード線3の一部が発熱素子5aの内部に好適に保持される。
【0051】
図2(c)は、本実施の形態に係る発熱素子と測温素子及びリード線との詳細な構成を模式的に示す断面図である。
【0052】
図2(c)に示すように、本実施の形態に係る熱電対4の測温素子2及びそれに接続するリード線3は、測温接点2aと導線3a及び3bとを備えている。これらの導線3a及び3bの一端は、測温接点2aに電気的に接続されている。ここで、熱電対4としてK型の熱電対が用いられる場合、導線3aとしては、ニッケル及びクロムを主とした合金(クロメル)が用いられる。又、この場合、導線3bとしては、ニッケルを主とした合金(アルメル)が用いられる。測温接点2aは、アルメルとクロメルとが溶接されてなる。そして、これらの測温接点2aと導線3a及び3bとの全体が電気絶縁性を有する高分子化合物4aにより被覆されて、熱電対4が構成されている。尚、電気絶縁性を有する高分子化合物4aとしては、例えば、エポキシやポリイミド等の耐熱性を有する高分子化合物が好適に用いられる。
【0053】
一方、図2(c)に示すように、本実施の形態に係る発熱素子5a(5b)は、各々螺旋形状の電熱線6a及び6bを備えている。これらの電熱線6a及び6bの一端は、発熱素子5aの最も先端の部分、つまり、図2(a)に示す発熱素子5aの最も左側の部分において、相互に電気的に短絡されている。ここで、本実施の形態では、この電気的に短絡された部分を除く電熱線6a及び6bの他の部分が、発熱素子5a(5b)の全長に渡り相互に所定の間隔を有するように螺旋状に成形されている。そして、これらの電熱線6a及び6bの全体が電気絶縁性を有する高分子化合物6cにより螺旋状に被覆されて、ヒーター7の発熱素子5a(5b)が構成されている。
【0054】
換言すれば、発熱素子5a(5b)は、所定の間隔で平行に延びかつ先端が互いに短絡された一対の電熱線6a及び6bが高分子化合物6cによって被覆されてなる素線(巻回されていない状態の発熱素子5a(5b))が螺旋状(コイル状)に巻回されて形成されている。
【0055】
本実施の形態では、電気絶縁性を有する高分子化合物6cとして、その分子骨格内にフッ素を有するフッ素化合物が用いられる。このフッ素化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体の何れかが特に好適に用いられる。ここで、市販されている入手容易なポリテトラフルオロエチレンとしては、テフロン(R)PTFEが挙げられる。又、市販されている入手容易なテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体としては、テフロン(R)PFAが挙げられる。更には、市販されている入手容易なテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体としては、テフロン(R)FEPが挙げられる。これらのフッ素化合物は、他の高分子化合物と比べて、化学的、熱的、機械的、電気的に卓越した特性を有している。又、これらのフッ素化合物は、比較的入手容易でありかつ比較的安価である。従って、これらのフッ素化合物を用いれば、化学的、熱的、機械的、電気的に優れる好適なシース型温度センサー100a,100bを容易にかつ比較的安価に構成することが可能になる。尚、高分子化合物6cに適用可能なその他のフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。これらの何れのフッ素化合物を用いても、本発明を好適に実施することが可能である。
【0056】
次に、本実施の形態に係るシース型温度センサーを用いた特徴的な温度測定方法について説明する。
【0057】
図3は、本発明の実施の形態1に係るシース型温度センサーを用いた特徴的な温度測定方法の一例を模式的に示すフローチャートである。
【0058】
図3に示すように、使用者は、シース型温度センサー100a又は100bを用いて冷凍食品等に代表される冷凍された被検温体の内部の温度を測定する際、ヒーター7に電力を供給するためのヒーター用電源をONすることにより、ヒーター7の発熱素子5a又は5bに対する所定の電力の供給を開始させる(ステップS1)。すると、ヒーター7の発熱素子5a又は5bに所定の電力が供給されることにより、発熱素子5a又は5bの温度が次第に上昇する。これにより、シース型温度センサー100a又は100bにおけるシース1の温度が次第に上昇する。
【0059】
次いで、使用者は、例えば熱電対4の測温素子2により検出される検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達したか否かを確認する(ステップS2)。ここで、使用者は、熱電対4の測温素子2により検出される検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達していないことを確認した場合(ステップS2でNO)、検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達するまで更に待機する。
【0060】
一方、使用者は、熱電対4の測温素子2により検出される検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達したことを確認した場合(ステップS2でYES)、シース型温度センサー100a又は100bにおけるシース1の先端部(尖端部)を、冷凍された被検温体の一部に突き当てる。そして、使用者は、シース1の熱を用いて冷凍された被検温体の一部をその表面から解凍することにより、その被検温体の内部にシース型温度センサー100a又は100bのシース1を所定の深さにまで確実に挿入させる(ステップS3)。
【0061】
次いで、使用者は、挿入したシース1を冷凍された被検温体の内部で保持しながら、ヒーター7に電力を供給するためのヒーター用電源をOFFすることにより、ヒーター7の発熱素子5a又は5bに対する電力の供給を停止させる(ステップS4)。これにより、シース1の加熱が停止される。従って、発熱素子5a又は5bの温度が次第に低下するので、シース型温度センサー100a又は100bにおけるシース1の全体の温度が次第に低下する。
【0062】
次いで、使用者は、加熱を停止したシース1を冷凍された被検温体の内部で更に保持しながら、待機時間tdが所定の待機時間tpdに到達したか否かを確認する(ステップS5)。ここで、使用者は、待機時間tdが所定の待機時間tpdに到達していないことを確認した場合(ステップS5でNO)、待機時間tdが所定の待機時間tpdに到達するまで更に待機する。このように、待機時間tdが所定の待機時間tpdに到達することにより、シース型温度センサー100a又は100bにおけるシース1の温度が、冷凍された被検温体の温度と同等の温度になる。これにより、冷凍された被検温体の温度を測定することが可能な状態になる。
【0063】
一方、使用者は、ステップS5で待機時間tdが所定の待機時間tpdに到達したことを確認すると(ステップS5でYES)、シース型温度センサー100a又は100bにより冷凍された被検温体の内部の温度を測定する(ステップS6)。この際、シース1の内部に配設された測温素子2の温度は、冷凍された被検温体の温度と等しい温度となっている。従って、シース型温度センサー100a又は100bを用いて、冷凍された被検温体の内部の温度を測定することが可能になる。
【0064】
次いで、使用者は、ステップS1で用いたヒーター用電源を再びONすることにより、ヒーター7の発熱素子5a又は5bに対する所定の電力の供給を再び開始させる(ステップS7)。これにより、使用者は、シース型温度センサー100a又は100bにおけるシース1の温度を再び上昇させる。
【0065】
そして、使用者は、熱電対4の測温素子2により検出される検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達したか否かを再び確認する(ステップS8)。ここで、使用者は、検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達していないことを確認した場合(ステップS8でNO)、検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達するまで更に待機する。
【0066】
最後に、使用者は、検出温度Tdが所定の設定温度Tpdに到達したことを確認した場合(ステップS8でYES)、シース1の熱を用いて冷凍された被検温体の一部を解凍することにより、シース型温度センサー100a又は100bにおけるシース1の先端部を冷凍された被検温体の内部から引き抜く(ステップS9)。以上のステップS1〜S9を順次実行することにより、使用者は、シース型温度センサー100a又は100bを用いた冷凍された被検温体の内部温度の測定を終了する。
【0067】
以上、本実施の形態に係るシース型温度センサー及びそれを用いる温度測定方法によれば、冷凍食品の内部の温度を容易にかつ正確に測定可能な温度センサー及びそれを用いる温度測定方法を具体的に提供することが可能になる。そして、これにより、食品製造設備で製造される冷凍食品の内部の温度や、保冷倉庫に保管されている冷凍食品の内部の温度を測定することが現実的に可能になるので、より一層厳格に温度管理された冷凍食品を市場に流通させることが可能になる。
【0068】
尚、本実施の形態では、ヒーター7の発熱素子5a又は5bが螺旋形状を有する形態について説明したが、このような形態に限定されることはない。例えば、ヒーター7の発熱素子5a又は5bがシート状(短冊状)や円筒状に構成されていても良い。つまり、ヒーター7における発熱素子5a又は5bの形状は、シース1を確実に加熱可能な形状であれば、如何なる形状であっても適用することが可能である。かかる形態では、ヒーター7の発熱素子5a又は5bは、シース1を確実に加熱することが可能となるように、シース1の内部に配設される。又、熱電対4の測温素子2は、ヒーター7の発熱素子5a又は5bの配設形態に応じて、シース1の内部に適切に配設される。
【0069】
又、本実施の形態では、シース型温度センサーを例示したが、このような形態に限定されることはない。例えば、本発明は、シールパイプを備える温度センサーに対しても適用することが可能である。つまり、温度センサーの保護管としては、機械的強度や耐久性を有しかつ熱伝導性に優れる材料が用いられていれば、如何なる保護管であっても適用することが可能である。
【0070】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るシース型温度センサーの基本的な構成、及び、それを用いる温度測定方法は、実施の形態1で示したシース型温度センサーの構成、及び、温度測定方法と同様である。従って、ここでは、シース型温度センサーの基本的な構成及び温度測定方法に関する説明は省略して、その構成上の相違点についてのみ説明する。
【0071】
図4は、本発明の実施の形態2に係る発熱素子と測温素子及びリード線との配設形態、及び、それらの構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。ここで、図4(a)は、本実施の形態に係る発熱素子と測温素子及びリード線との配設形態を模式的に示す斜視図である。又、図4(b)は、図4(a)に示す発熱素子の紙面手前側の部分を取り去った場合の状態を模式的に示す斜視図である。又、図4(c)は、本実施の形態に係る発熱素子と測温素子及びリード線との詳細な構成を模式的に示す断面図である。
【0072】
図4(a)及び(b)に示すように、本実施の形態に係るヒーター7は、発熱素子5cと発熱素子5dとを備えている。これらの発熱素子5cと発熱素子5dとは、全体として直線状をなすように連結されている。そして、発熱素子5cは、所定のピッチβで所定径に巻回された螺旋形状を有している。一方、発熱素子5dは、所定のピッチγで所定径に巻回された螺旋形状を有している。ここで、所定のピッチβは、所定のピッチγよりも広い。尚、実施の形態1の場合と同様、所定のピッチβ及びγは、ヒーター7に供給される電力や、シース1を加熱する際の目標設定温度、シース1の熱容量、冷凍された被検温体の温度等に応じて、適宜設定される。そして、本実施の形態では、ヒーター7の発熱素子5dの内部(内側)における先端側に、測温素子2が配置されている。又、本実施の形態では、ヒーター7の発熱素子5dがシース1の先端側に配置されている。尚、実施の形態1の場合と同様、シース1の内部には、電気絶縁性材料としての酸化マグネシウム又は酸化アルミニウム等の粉末が充填される。これにより、シース1の内部において、ヒーター7の発熱素子5c及び5dと測温素子2及びリード線3の一部とが好適に保持される。
【0073】
又、図4(c)に示すように、本実施の形態に係る熱電対4の測温素子2及びそれに接続するリード線3は、測温接点2aと導線3a及び3bとを備えている。これらの導線3a及び3bの一端は、測温接点2aに電気的に接続されている。そして、これらの測温接点2aと導線3a及び3bとの全体が電気絶縁性を有する高分子化合物4aにより被覆されて、熱電対4が構成されている。ここで、実施の形態1の場合と同様、電気絶縁性を有する高分子化合物4aとしては、例えば、エポキシやポリイミド等の耐熱性を有する高分子化合物が好適に用いられる。
【0074】
又、図4(c)に示すように、本実施の形態に係る発熱素子5dは、螺旋状の電熱線6a及び6bを備えている。そして、これらの電熱線6a及び6bの全体が電気絶縁性を有する高分子化合物6cにより螺旋状に被覆されて、ヒーター7の発熱素子5dが構成されている。ここで、本実施の形態においても、電気絶縁性を有する高分子化合物6cとしては、その分子骨格内にフッ素を有するフッ素化合物が用いられる。このフッ素化合物としては、上述したように、テフロン(R)PTFE等が挙げられる。尚、図4(c)では図示しないが、ヒーター7の発熱素子5cも、ピッチβがピッチγよりも広い点が異なっているのみであり、発熱素子5dと同様の構成を備えている。
【0075】
このように、本実施の形態によれば、ピッチβが実施の形態1に示すピッチαと等しい場合、ヒーター7におけるピッチβよりも狭いピッチγを備える発熱素子5dがシース1の先端側に配設されているので、シース型温度センサー100a又は100bのシース1の先端をより一層効率良く加熱することが可能になる。これにより、シース型温度センサー100a又は100bのシース1を冷凍された被検温体の内部に容易に挿入することが可能になる。一方、本実施の形態に示すピッチγが実施の形態1に示すピッチαと等しい場合、ヒーター7におけるピッチγよりも広いピッチβを備える発熱素子5cがシース1の基端側に配設されているので、シース型温度センサー100a又は100bにおけるグリップ8の部分の過剰な温度上昇を、より一層効果的に抑制することが可能になる。これにより、グリップ性に優れるシース型温度センサー100a又は100bを提供することが可能になる。そして、これらにより、シース型温度センサー100a,100bの利便性が更に改善される。
【0076】
尚、本実施の形態では、ヒーター7が発熱素子5c(ピッチβ)と発熱素子5d(ピッチγ)とを備える形態を例示しているが、このような形態に限定されることはない。例えば、ヒーター7におけるピッチがその先端側から基端側に向かうに従って緩やかに或いは段階的に広くなるような形態としても良い。かかる形態としても、本実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0077】
尚、その他の点については、実施の形態1の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る温度センサー及びそれを用いる温度測定方法は、冷凍食品の内部の温度を容易にかつ正確に測定可能な温度センサー及びそれを用いる温度測定方法として、産業上の利用可能性を十分に備えている。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係るシース型温度センサーの構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1に係る発熱素子と測温素子及びリード線との配設形態、及び、それらの構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1に係るシース型温度センサーを用いた特徴的な温度測定方法の一例を模式的に示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2に係る発熱素子と測温素子及びリード線との配設形態、及び、それらの構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。
【図5】図5は、従来のシース型温度センサーの構成を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0080】
1 シース(保護管)
2 測温素子
2a 測温接点
3 リード線
3a,3b 導線
4 熱電対
4a 高分子化合物
5a〜5d 発熱素子
6 リード線
6a,6b 電熱線
6c 高分子化合物
7 ヒーター
8 グリップ
9 リード線
9a〜9d 導線
100a,100b シース型温度センサー
101 シース
102 測温素子
103 リード線
103a,103b 導線
104 熱電対
105 グリップ
106 リード線
106a,106b 導線
200 シース型温度センサー
α,β,γ ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度の変化に応じて電気的な物理量が変化する測温素子と、
電力が供給されて発熱する発熱素子と、
前記測温素子と前記発熱素子との各々を保護するための保護管とを備え、
前記保護管が、少なくとも前記測温素子と前記発熱素子との各々を内蔵している、温度センサー。
【請求項2】
前記発熱素子が電熱線と電気絶縁性を有する高分子化合物とを備え、
前記電熱線が、前記電気絶縁性を有する高分子化合物により被覆されている、請求項1記載の温度センサー。
【請求項3】
前記電気絶縁性を有する高分子化合物が、分子骨格内にフッ素を有するフッ素化合物である、請求項2記載の温度センサー。
【請求項4】
前記フッ素化合物が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体の何れかである、請求項3記載の温度センサー。
【請求項5】
前記発熱素子が、前記電熱線が前記電気絶縁性を有する高分子化合物によって被覆された素線が螺旋形状に巻回されて形成されており、
前記保護管が、前記螺旋形状を有する発熱素子を同軸状に内蔵している、請求項2記載の温度センサー。
【請求項6】
前記螺旋形状を有する発熱素子の内側に、前記測温素子が配置されている、請求項5記載の温度センサー。
【請求項7】
前記螺旋形状を有する発熱素子が、前記保護管の内周面に接触するように配置されている、請求項5記載の温度センサー。
【請求項8】
前記螺旋形状を有する発熱素子が、第1のピッチの部分を前記保護管の先端側に備えかつ前記第1のピッチの部分よりも広いピッチである第2のピッチの部分を前記保護管の基端側に備えている、請求項5記載の温度センサー。
【請求項9】
温度の変化に応じて電気的な物理量が変化する測温素子と電力が供給されて発熱する発熱素子との各々を保護管が少なくとも内蔵している温度センサーを用い、
前記発熱素子に電力を供給して前記保護管を加熱し、
前記加熱した保護管を接触させて冷凍された被検温体の一部を解凍しながら該被検温体の内部に前記保護管を挿入し、
前記挿入した保護管を前記被検温体の内部で保持しながら前記発熱素子への電力の供給を停止して前記保護管の加熱を停止し、
前記加熱を停止した保護管を前記被検温体の内部で更に保持しながら前記測温素子により該被検温体の内部の温度を測定し、その後、
前記発熱素子に電力を再び供給して前記保護管を加熱することにより前記被検温体の一部を再び解凍しながら該保護管を該被検温体の内部から引き抜く、温度測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−216492(P2009−216492A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59429(P2008−59429)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(508072567)日本電測株式会社 (2)
【Fターム(参考)】