説明

温度センサ

本発明は、デバイス(1)に包含される材料が変形するとき、温度の変化(14)を検出することを可能にする温度センサデバイスに関連する。このデバイスは、2つの殻(2)によって形成される本体および内側中空部(7)内に備えられる構造体(8)を、それらが短突起(5)の補助の下に互いに結合される態様で包含する。電気端子(4)が互いから距離(12)を離して短突起(5)の1つおよび構造体(8)内に配置され、その結果、温度(14)の上昇がデバイス(1)の構造部材の変形を生じさせ、それによって臨界温度(14)に到達した後のこれらの電気端子の接触を可能にし、伝導媒体(10)の補助の下に警告デバイス(13)の作動をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスを形成する材料が変形することから温度の変化に反応するセンサデバイスに関連する。
【0002】
本発明は、短時間の温度の急激な変化の検出を可能にし、任意の警告デバイス、表示器または作動装置、たとえばブザー、警報、発光表示器、消火器作動装置等を作動させるデバイスを対象とする。
【背景技術】
【0003】
最新技術においては、温度の急激な変化に反応するセンサデバイスの存在が知られており、その主要な応用例として所定の場所内の出火の検出があり、温度の所定の増加が検出された時にデバイスが反応して警報表示を与える。
【0004】
これらの温度センサデバイスは、電子または電気装置を伴うキャビネットを有する設備内の異常な温度上昇の検出にも使用されている。
【0005】
したがって、この技術レベルにおいては、温度上昇が生じるエリア内において、火がその音響インピーダンスを変化させることによって局所的な温度上昇が生じるような方法で構成されたウェーブガイドを有する超音波温度検出器について述べている欧州特許EP 351.050に示されているようなデバイスを見つけることができる。
【0006】
これに対して文献EP 821.468には、熱ストリップ温度検出器を含む電子構造部材の温度をコントロールするシステムが示されている。
【特許文献1】欧州特許第351,050号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第821,468号明細書
【発明の開示】
【0007】
デバイスを形成する材料が変形することから温度の変化に反応するセンサに関連し、短時間の急激な温度の変化の検出を可能にし、任意の警告デバイス、表示器または作動装置、たとえばブザー、警報、発光信号、消火器作動装置等を作動させる温度センサデバイスを提案する。
【0008】
その主要な応用の1つは、たとえば所定の囲いまたは建物の中の出火を検出する応用であり、あらかじめ決定済みの温度上昇の検出時にデバイスが反応して警報信号が与えられる。
【0009】
これらの温度センサデバイスは、電子または電気装置を伴うキャビネットを有する設備内の異常な温度上昇の検出にも使用することが可能である。
【0010】
このデバイスの本体は、中央エリアが円筒断面、側方が球断面のシェルと呼ばれる少なくとも2つの同形の部品からなり、それらの側方の1つに引き出しチャネルを有する。これら2つのシェルを互いに結合すると内側中空部が形成され、デバイスの端部の1つを通る引き出しチャネルが提供される。
【0011】
シェルの内側表面には、段を付けて形成されたいくつかの円筒レッジが好ましくは等間隔で設けられ、それらが、シェルを結合するためのいくつかの貫通していない穴を含む。これらの円筒レッジは、少なくとも1つが引き出しチャネルの近端に近くなり、少なくとも別の1つが反対の端部に、さらに別の少なくとも1つが中心ゾーン内となるように配置される。
【0012】
それに加えて、多くの、これらの円筒レッジの数に等しい数の端部が丸められた円筒形状を有する短突起が存在し、それらが円筒レッジの穴内に緊密に差し込まれ、シェルの結合を可能にする。
【0013】
このデバイスは、好ましくは断面が円形であり、好ましくは全体の概形が矩形の構造体を内側中空部内に有する。この構造体は、少なくとも1つの短突起を、その構造体が矩形の場合には側方の辺の1つの中央部分にそれが配置されるように有する。この短突起は、構造体と一体あるいは取り外し可能とすることができる。構造体の短突起が配置される側の端部は、好ましくは引き出しチャネルに近い端部とする。
【0014】
上記に加えて、短突起と反対側の端部において、上記の構造体は電気端子、好ましくは金属性の電気端子を有する。この電気端子には、接続エレメントを介して、好ましくは溶接によって伝導媒体が結合され、当該伝導媒体は、引き出しチャネルを通ってシェルの間の内側中空部から外に出る態様となる。
【0015】
シェルの中央ゾーン内に配置される円筒レッジの貫通していない穴の中に、短突起の両端が緊密に差し込まれ、その結果、このデバイスの中央ゾーン内のシェルの間の距離を維持することが可能になる。
【0016】
上記の構造体内において短突起が配置される端部の反対側に配置された穴内には、別の短突起が配置され、その短突起の中央部分は、好ましくは金属の電気端子の金属端部を有する。
【0017】
当該電気端子には、接続エレメントを介して、好ましくは溶接によって伝導媒体が結合され、当該伝導媒体は、引き出しチャネルを通ってシェルの間の内側中空部から外に出る態様となる。
【0018】
このように、2つの電気端子が明確な距離に配置された状態でとどまり、この距離が、器具を形成するプラスティックの構造部材の膨張特性に起因して温度の関数として変化することになり、所定の臨界温度に到達すると両方の端子の間に接触がもたらされ、回路を閉じ、任意の警告デバイス、表示器または作動装置、たとえばブザー、警報、発光信号、消火器作動装置等を作動させることが企図される。
【0019】
これらの電気端子の間の距離は、警報信号を与えるための臨界温度をはじめ、このデバイスを構成する構造部材の主材料が有する膨張または変形の係数に従って設計される。このように、これらの電気端子間の距離が、このデバイスを構成する構造部材の製造に使用される主材料に従って、同様にコントロール手段の特性に従って決定されることになる。
【0020】
このデバイスを構成する構造部材の製造に使用される主材料は、それらが同じ温度上昇を受けたときに同じ態様で反応するように、すなわち同じ温度変化を受けたときに同じ変形プロセスを経験するように、すべての構造部材が同一の特性を有することを保証しなければならない。
【0021】
これらの構造部材の製造に使用される主材料は、デバイスのすべての構造部材が単一モールドのベースまたはモールディング操作から獲得され、その結果それらが同一の特性を有するようにプラスティックとすることができる。
【0022】
これらすべての構造部材は、このデバイスの反応が構造部材間の相対的な位置に依存することから、寸法に関して高精度プロセスにおいて達成されなければならない。
【0023】
この説明を補うため、また本発明の特徴のより良好な理解へ、その実際的な実施態様の好ましい例に従って導く目的から、この説明の完成した一部として一連の図面が添付されており、それらには限定ではなく例示において以下の内容が表されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
ここに示した図面によれば、デバイスの本体は、中央エリアが円筒断面、側方が球断面であり、2つのシェル(2)によって形成され、一方の側方に引き出しチャネル(6)を有する。これら2つのシェルを互いに結合すると、球根のような形になり、デバイス(1)の端部の1つを通る引き出しチャネルを有する内側中空部(7)が形成される。
【0025】
シェル(2)の内側表面には、段を付けて形成されたいくつかの円筒レッジが好ましくは等間隔で設けられ、それらが、シェル(2)を結合するためのいくつかの貫通していない穴(4)を含む。これらの円筒レッジ(3)は、少なくとも1つが引き出しチャネル(6)の近端に近くに、少なくとも別の1つが反対の端部に、さらに別の少なくとも1つが中央ゾーン内となるように配置される。
【0026】
一方、これらの円筒レッジ(3)の数に等しい数の、多くの端部が丸められた円筒形状を有する短突起(5)が配置され、それらが円筒レッジ(3)の穴(4)内に緊密に差し込まれ、シェル(2)の結合を可能にする。
【0027】
このデバイス(1)は、好ましくは断面が円形であり、好ましくは全体の概形が矩形の枠状の構造体(8)を内側中空部(7)内に有する。構造体(8)は、少なくとも1つの短突起(5)を、構造体(8)が矩形の場合には側方の辺の1つの中央部分にそれが配置されるように有する。この短突起(5)は、構造体(8)と一体あるいは取り外し可能とすることが可能である。構造体(8)の短突起(5)が配置される側の端部は、好ましくは引き出しチャネル(6)に近い端部とする。
【0028】
上記に加えて、短突起(5)と反対側の端部において、上記の構造体(8)は電気端子(9)、好ましくは金属の電気端子を有する。この電気端子(9)には、接続エレメントを介して、好ましくは溶接によって伝導媒体(10)が結合され、当該伝導媒体(10)は、引き出しチャネル(6)を通ってシェル(2)の間の内側中空部(7)から外に出る態様となる。
【0029】
シェル(2)の中央ゾーン内に配置される円筒レッジ(3)の穴(4)の中に、短突起(5)の両端が緊密に差し込まれ、その結果、このデバイス(1)の中央ゾーン内のシェル(2)の間の距離を維持することが可能になる。
【0030】
構造体(8)の短突起(5)が配置される端部の反対側に配置された穴(4)内には、別の短突起(5)が配置され、その中央部分に、好ましくは金属の電気端子(9)が備わる。この電気端子(9)には、接続エレメント(11)を介して、好ましくは溶接によって伝導媒体(10)が結合され、その結果、当該伝導媒体(13)が引き出しチャネル(6)を通ってシェル(2)の間の内側中空部(7)から外に出る。
【0031】
このように2つの電気端子(9)が、デバイス(1)を形成するプラスティックの構造部材の膨張特性に起因して温度(14)の関数として変化する所定の距離(12)において近接して位置決めされ、その結果、所定の臨界温度(14)に到達すると両方の電気端子(9)の間に接触がもたらされ、回路が閉じ、任意の警告デバイス(13)、たとえばブザー、警報、発光信号、消火器作動装置等を作動させる。
【0032】
これらの電気端子(9)の間の距離(12)は、警報信号を与えるための臨界温度(14)をはじめ、このデバイス(1)を構成する構造部材の主材料が有する膨張または変形の係数に従って設計される。このように、これらの電気端子(9)の間の距離(12)が、このデバイス(1)を構成する構造部材の製造に使用される主材料の関数、また同様にコントロールされるべき環境の特性の関数として与えられることになる。
【0033】
このデバイス(1)の構造部材の製造に使用される主材料(15)は、それらが同じ温度(14)の上昇を受けたときに同じ態様で反応するために、すなわち同じ温度(14)の変化に対して同じ変形プロセスを経験するように、すべての構造部材が同一の特性を有することを保証しなければならない。
【0034】
デバイス(1)のすべての構造部材が単一モールドまたはモールディング操作から獲得され、その結果それらが同一の特性を有するように、構造部材の製造に使用される主材料(15)としてプラスティックを使用することが可能である。
【0035】
これらすべての構造部材は、このデバイス(1)の反応が構造部材間の相対的な位置に依存するとすれば、寸法に関して高精度プロセスにおいて達成されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】2つのシェルが分解された温度センサデバイスを表した平面図である。
【図2】矩形構造体を表した斜視図である。
【図3】警告デバイスに接続された温度センサデバイスを表した分解斜視図である。
【図4】警告デバイスに接続された温度センサデバイスを表した立面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス(1)を形成する材料が変形することから温度(14)の変化の検出を可能にする温度センサデバイスであって、2つの殻(2)によって形成される本体および内側中空部(7)内に備えられる構造体(8)を有し、その結果、それらが短突起(5)の補助の下に互いに結合され、前記短突起(5)の1つおよび前記構造体(8)内に電気端子(4)が互いから距離(12)を離して配置され、温度(14)に上昇が生じると、デバイス(1)の構造部材の変形が生じ、臨界温度(14)への到達時に前記電気端子の接触をもたらし、伝導媒体(10)の補助の下に警告デバイス(13)の作動をもたらすことを特徴とする温度センサデバイス。
【請求項2】
前記殻(2)の内側表面に、いくつかの段を付けて形成された円筒レッジ(3)が好ましくは等間隔で設けられ、それぞれが貫通していない穴(4)を有することを特徴とする、請求項1に記載の温度センサデバイス。
【請求項3】
前記殻が、それらの中央エリアにおいて円筒断面であり、かつ端部において球断面であり、前記端部の1つに引き出しチャネル(6)を有することを特徴とする、先行する各請求項のいずれか1項に記載の温度センサデバイス。
【請求項4】
前記短突起(5)が、前記円筒レッジ(3)の穴(4)内に緊密に差し込まれ、前記殻(2)の結合を可能にすることを特徴とする、先行する各請求項のいずれか1項に記載の温度センサデバイス。
【請求項5】
前記短突起(5)の少なくとも1つが、好ましくは金属の電気端子(9)を有することを特徴とする、請求項1または4に記載の温度センサデバイス。
【請求項6】
前記構造体(8)が少なくとも1つの短突起(5)を有し、これが前記構造体(8)と一体であるか、取り外し可能であることを特徴とする、請求項1または4に記載の温度センサデバイス。
【請求項7】
前記構造体(8)が、電気端子(9)を有することを特徴とする、請求項1に記載の温度センサデバイス。
【請求項8】
前記構造体(8)が、円形の断面を有する矩形であることを特徴とする、先行する各請求項のいずれか1項に記載の温度センサデバイス。
【請求項9】
前記短突起(5)が、丸められた端部を伴う円筒形状を有することを特徴とする、先行する各請求項のいずれか1項に記載の温度センサデバイス。
【請求項10】
前記警告デバイス(13)がブザー、警報、発光サイン、または消火器作動装置とし得ることを特徴とする、請求項1に記載の温度センサデバイス。
【請求項11】
前記電気端子(9)の間の前記距離(12)が、前記警報信号を与えるための前記臨界温度(14)をはじめ、前記デバイスを構成する構造部材の膨張または変形の係数に従って設計されることを特徴とする、請求項1、5、および7に記載の温度センサデバイス。
【請求項12】
前記デバイス(1)を形成する構造部材が、それらが同じ温度(14)の上昇を受けたときに同じ態様で反応するように、すなわちそれらが同じ温度(14)の変化を受けたときに同じ変形のプロセスを経験するように同一の膨張または変形の係数を有していなければならないことを特徴とする、先行する各請求項のいずれか1項に記載の温度センサデバイス。
【請求項13】
前記デバイス(1)の前記構造部材がプラスティックであり、単一のモールドまたはモールディング操作から獲得されることを特徴とする、請求項12に記載の温度センサデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−515037(P2007−515037A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509820(P2005−509820)
【出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際出願番号】PCT/ES2003/000554
【国際公開番号】WO2005/041236
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506148246)ゴセイ ナカガワ ソシエダッド アノニマ (2)
【Fターム(参考)】