説明

温度測定装置および温度測定方法

【課題】回路基板と実装部品との接合部材の加熱効率を阻害することなく、回路基板と実装部品との接合部温度を高精度に測定できること。
【解決手段】本発明にかかる温度測定装置1は、実装部品11と回路基板10との接合部分を除く回路基板10上の測温位置の温度を熱電対2aを介して測定する接触式温度測定部2と、回路基板10のうちの少なくともこの接合部分と測温位置とを含む基板領域の温度分布を非接触に測定する放射温度測定部3と、実装部品11と回路基板10との接合部温度を算出する温度算出部7aと、この接合部温度を表示する表示部5と、を備える。温度算出部7aは、この基板領域の温度分布をもとに、実装部品11の加熱接合部分と回路基板10の測温位置との温度差を算出し、この算出した温度差と測温位置の実測温度とをもとに、実装部品11と回路基板10との接合部温度を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に実装部品を加熱接合する際の回路基板と実装部品との接合部温度を測定する温度測定装置および温度測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品等の実装部品を回路基板に実装する際、一般に、回路基板と実装部品との接合部分に半田等の接合部材を介在させ、この接合部材を加熱処理することによって回路基板に実装部品を加熱接合している。かかる実装部品の加熱接合工程において、回路基板に実装部品を確実に加熱接合するためには、回路基板と実装部品との接合部温度を正確に測定して、かかる回路基板と実装部品との接合部分に介在する接合部材を適切に加熱処理する必要がある。
【0003】
なお、回路基板等の温度測定対象物の温度を測定する温度測定装置として、例えば、温度測定対象物に熱電対を接触させて温度を測定する接触式温度測定装置もあれば、温度測定対象物から放射される赤外線を検出して温度を測定する赤外線放射温度計等の非接触式温度測定装置もある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平4−363026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の接触式温度測定装置は、回路基板と実装部品との接合部温度を測定する際、この回路基板と実装部品との接合部分に熱電対を接触させなければならず、この熱電対の熱容量に起因して回路基板と実装部品との接合部分の温度低下を招来する可能性がある。このため、かかる回路基板と実装部品との接合部分に介在させた接合部材をより高温に加熱処理する必要があり、この結果、かかる回路基板と実装部品との接合部材の加熱効率が阻害されるという問題点があった。
【0006】
一方、従来の非接触式温度測定装置は、温度測定対象物に熱電対を接触させる必要がないため、上述した従来の接触式温度測定装置の問題点を解消することができる。しかしながら、従来の非接触式温度測定装置は、実装部品を加熱接合する回路基板表面の温度分布を測定するに留まり、かかる回路基板と実装部品との接合部分等の回路基板上の特定箇所の温度を高精度に測定することは困難である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、回路基板と実装部品との接合部材の加熱効率を阻害することなく、回路基板と実装部品との接合部温度を高精度に測定することができる温度測定装置および温度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる温度測定装置は、実装部品を加熱接合する回路基板上の位置であって前記実装部品と前記回路基板との接合部分を除く測温位置の温度を熱電対を介して測定する接触式温度測定部と、前記回路基板のうちの少なくとも前記接合部分と前記測温位置とを含む基板領域の温度分布を非接触に測定する非接触式温度測定部と、前記非接触式温度測定部によって測定された前記温度分布をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、前記接触式温度測定部によって測定された前記測温位置の温度と前記温度差とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出する温度算出部と、前記温度算出部によって算出された前記接合部温度を表示する表示部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記の発明において、前記接触式温度測定部は、前記熱電対の先端に、前記接合部分と同じ表面材質を有する被測温部を備え、前記測温位置に前記被測温部を接触させて前記測温位置の温度を測定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記の発明において、前記回路基板は、前記測温位置に、前記接合部分と同じ表面材質を有する被測温部を備え、前記接触式温度測定部は、前記回路基板上の前記被測温部に前記熱電対を接触させて前記測温位置の温度を測定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記の発明において、前記非接触式温度測定部は、前記基板領域から放射される赤外線エネルギーを検出する赤外線検出部と、前記赤外線検出部によって検出された前記赤外線エネルギーを前記基板領域の温度に変換して、前記温度分布を示す温度画像を生成する画像処理部と、を備え、前記温度算出部は、前記温度画像をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記の発明において、前記非接触式温度測定部は、前記基板領域の可視光画像を撮像する撮像部を備え、前記表示部は、前記撮像部によって撮像された前記可視光画像を表示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記の発明において、前記表示部によって表示された前記可視光画像に含まれる前記接合部分の指定情報を入力する入力部を備え、前記温度算出部は、前記指定情報によって指定された前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、この算出した前記温度差と前記測温位置の温度とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記の発明において、前記入力部は、前記表示部によって表示された前記可視光画像に含まれる前記測温位置の指定情報を入力し、前記温度算出部は、前記指定情報によって指定された前記測温位置と前記接合部分との温度差を算出し、この算出した前記温度差と前記測温位置の温度とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる温度測定方法は、実装部品を加熱接合する回路基板上の位置であって前記実装部品と前記回路基板との接合部分を除く測温位置の温度を熱電対を介して測定するとともに、前記回路基板のうちの少なくとも前記接合部分および前記測温位置を含む基板領域の温度分布を非接触に測定する測温ステップと、前記温度分布をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、この算出した前記温度差と前記測温位置の温度とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出する温度算出ステップと、前記温度算出ステップによって算出された前記接合部温度を表示部に表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる温度測定方法は、上記の発明において、前記測温ステップは、前記熱電対の先端に固着した被測温部を前記測温位置に接触させ、前記接合部分と同じ表面材質を有する前記被測温部を介して前記測温位置の温度を測定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる温度測定方法は、上記の発明において、前記測温ステップは、前記回路基板上の前記測温位置に設けられ、前記接合部分と同じ表面材質を有する被測温部に前記熱電対を接触させて、前記測温位置の温度を測定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる温度測定方法は、上記の発明において、前記測温ステップは、前記基板領域から放射される赤外線エネルギーを検出し、この検出した前記赤外線エネルギーを前記基板領域の温度に変換して、前記温度分布を示す温度画像を生成し、前記温度算出ステップは、前記温度画像をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出することを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる温度測定方法は、上記の発明において、前記基板領域の可視光画像を撮像する撮像ステップをさらに含み、前記測温ステップは、前記可視光画像に含まれる前記測温位置の温度と前記基板領域の温度分布とを測定し、前記表示ステップは、前記可視光画像と前記接合部温度とを前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる温度測定装置では、接触式温度測定部が、実装部品を加熱接合する回路基板上の位置であって前記実装部品と前記回路基板との接合部分を除く測温位置の温度を熱電対を介して測定し、非接触式温度測定部が、前記回路基板のうちの少なくとも前記接合部分と前記測温位置とを含む基板領域の温度分布を非接触に測定し、温度算出部が、前記非接触式温度測定部によって測定された前記温度分布をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、前記接触式温度測定部によって測定された前記測温位置の温度と前記温度差とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出し、表示部が、前記温度算出部によって算出された前記接合部温度を表示している。このため、回路基板と実装部品との接合部材の加熱効率を阻害することなく、回路基板と実装部品との接合部温度を高精度に測定できるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明にかかる温度測定方法では、実装部品を加熱接合する回路基板上の位置であって前記実装部品と前記回路基板との接合部分を除く測温位置の温度を熱電対を介して測定するとともに、前記回路基板のうちの少なくとも前記接合部分および前記測温位置を含む基板領域の温度分布を非接触に測定する測温ステップを実行し、前記温度分布をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、この算出した前記温度差と前記測温位置の温度とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出する温度算出ステップを実行し、前記温度算出ステップによって算出された前記接合部温度を表示部に表示する表示ステップを実行している。このため、回路基板と実装部品との接合部材の加熱効率を阻害することなく、回路基板と実装部品との接合部温度を高精度に測定できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明にかかる温度測定装置および温度測定方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかる温度測定装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。図2は、放射温度測定部の測定視野側から見た温度測定対象物を示す模式図である。図1に示すように、この実施の形態にかかる温度測定装置1は、実装部品11を加熱接合する回路基板10の温度を測定する接触式温度測定部2と、この回路基板10の温度分布を非接触に測定する放射温度測定部3とを備える。また、温度測定装置1は、各種情報を入力する入力部4と、かかる回路基板10と実装部品11との接合部温度等の各種情報を表示する表示部5と、各種情報を記憶する記憶部6と、かかる温度測定装置1の各構成部を制御する制御部7とを備える。
【0024】
接触式温度測定部2は、実装部品11を加熱接合する回路基板10上の位置であって実装部品11と回路基板10との接合部分12を除く測温位置13(図2参照)の温度を温度センサを介して測定する。具体的には、接触式温度測定部2は、温度センサである熱電対2aと、回路基板10と熱電対2aとの間に介在する被測温部2bとを備える。熱電対2aは、クロム等を主成分とする合金線とニッケル線とを用いたK型熱電対等に例示されるように、2本の金属線(合金線)の一端を接続した構造の熱電対である。被測温部2bは、実装部品11と回路基板10との接合部分12と同じ表面材質を有する部材であり、この熱電対2aの先端に固着される。なお、この被測温部2bの表面材質は、かかる実装部品11と回路基板10との接合部材(例えば半田等)と同じ材質である。かかる熱電対2aおよび被測温部2bを備えた接触式温度測定部2は、回路基板10の測温位置13に被測温部2bを面接触させて、この測温位置13の温度を測定し、得られた測温位置13の温度測定結果を制御部7に送信する。かかる接触式温度測定部2において、被測温部2bは、回路基板10の測温位置13に面接触した態様で熱電対2aと回路基板10との間に介在する。熱電対2aは、かかる面接触状態の被測温部2bを介して、この測温位置13の温度を検出する。
【0025】
なお、かかる接触式温度測定部2の熱電対2aは、上述したように2本の金属線の一端を接続した構造のものに限らず、クロム等を主成分とする合金薄膜とニッケル薄膜とを用いたK型薄膜熱電対等に例示されるように、2本の金属薄膜(合金薄膜)の一端を接続した構造の薄膜熱電対であってもよい。
【0026】
放射温度測定部3は、回路基板10のうち、少なくとも実装部品11と回路基板10との接合部分12および回路基板10の測温位置13を含む基板領域14(図2参照)の温度分布を非接触に測定する非接触式温度測定部として機能する。具体的には、放射温度測定部3は、この基板領域14から放射される赤外線エネルギーを検出する赤外線検出部3aと、この基板領域14の温度分布を示す温度画像を生成する画像処理部3bと、この基板領域14の可視光画像を撮像する撮像部3cとを備える。放射温度測定部3は、かかる基板領域14の温度分布測定結果として、この基板領域14の温度分布を示す温度画像データを制御部7に送信する。さらに、放射温度測定部3は、かかる基板領域14の可視光画像データを制御部7に送信する。
【0027】
赤外線検出部3aは、ボロメータ等の赤外線検知素子と集光レンズ等の光学系とを用いて実現される。赤外線検出部3aは、図2に示す回路基板10の基板領域14を捉えた測定視野3dを有し、この測定視野3d内の赤外線エネルギーを検出する。ここで、基板領域14は、少なくとも実装部品11と回路基板10との接合部分12および回路基板10の測温位置13を含む回路基板10の一部の領域である。かかる基板領域14内には、図2に示すように、回路基板10の電極パッド10a,10bと、電極パッド10a,10bに加熱接合される実装部品11と、回路基板10の測温位置13に面接触した状態の被測温部2bとが存在する。赤外線検出部3aは、かかる回路基板10上の実装部品11および被測温部2b等を含む基板領域14から放射された赤外線を受光して、この基板領域14からの赤外線エネルギーを検出する。
【0028】
画像処理部3bは、赤外線検出部3aによって検出された赤外線エネルギーを基板領域14の表面温度に換算し、得られた温度データをもとに、この基板領域14の温度分布を示す温度画像データを生成する。かかる画像処理部3bによって生成された温度画像データは、回路基板10の基板領域14の温度分布測定結果として制御部7に送信される。
【0029】
撮像部3cは、LED等の照明部と、CCDまたはCMOS等の固体撮像素子と、集光レンズ等の光学系とを用いて実現される。撮像部3cは、上述した赤外線検出部3aの測定視野3dと同様の撮像視野を有し、この撮像視野内の被写体の可視光画像を撮像する。具体的には、撮像部3cは、かかる撮像視野内に存在する回路基板10の基板領域14からの反射光を受光し、この受光した反射光を光電変換処理して基板領域14の可視光画像を撮像する。かかる撮像部3cによる可視光画像データは、回路基板10上の実装部品11および測温位置13の被測温部2b等の測温対象物を被写体として含む画像データであり、制御部7に送信される。
【0030】
入力部4は、キーボードおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、ユーザによる入力操作に対応して制御部7に各種情報を入力する。なお、かかる入力部4によって制御部7に入力される各種情報として、例えば、制御部7に対して指示する指示情報、実装部品11と回路基板10との接合部分12等の測温対象位置を指定する指定情報等が挙げられる。
【0031】
表示部5は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の画像表示が可能なディスプレイを用いて実現され、制御部7によって表示指示された各種情報を表示する。なお、かかる表示部5が表示する各種情報として、例えば、実装部品11と回路基板10との接合部温度、回路基板10の基板領域14の温度分布を示す温度画像、回路基板10の基板領域14の可視光画像、入力部4による入力情報等が挙げられる。
【0032】
記憶部6は、EEPROMまたはハードディスク等の再書き込み可能な不揮発性の記憶媒体を用いて実現される。記憶部6は、制御部7によって書き込み指示された各種データを保存し、制御部7によって読み出し指示された保存データを制御部7に送信する。具体的には、記憶部6は、制御部7の制御に基づいて、接触式温度測定部2による測温位置13の温度測定データ、放射温度測定部3による温度分布測定データである基板領域14の温度画像データ、撮像部3cによる可視光画像データ、入力部4による入力データ等を記憶する。
【0033】
制御部7は、温度測定装置1の機能を実現するためのプログラム等を記憶する記憶部およびこの記憶部内のプログラムを実行するCPU等を用いて実現される。制御部7は、温度測定装置1の各構成部、すなわち、接触式温度測定部2、放射温度測定部3、入力部4、表示部5、および記憶部6の各動作を制御し、且つ、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部7は、入力部4によって入力された指示情報に基づいて、回路基板10の基板領域14の可視光画像を撮像するように放射温度測定部3の撮像部3cを制御し、この撮像部3cによって撮像された可視光画像を表示するように表示部5を制御する。また、制御部7は、回路基板10の測温位置13の温度を測定するように接触式温度測定部2を制御し、回路基板10の基板領域14の温度分布を測定するように放射温度測定部3を制御する。この結果、制御部7は、接触式温度測定部2から測温位置13の温度測定データを取得し、且つ、放射温度測定部3から基板領域14の温度分布測定結果である温度画像データを取得する。なお、かかる基板領域14の可視光画像データ、測温位置13の温度測定データ、および基板領域14の温度画像データは、制御部7の制御に基づいて記憶部6に記憶される。
【0034】
また、制御部7は、回路基板10における測温対象部分の温度を算出する温度算出部7aを備える。温度算出部7aは、放射温度測定部3から取得した基板領域14の温度画像データに対応する温度分布、すなわち放射温度測定部3によって測定された基板領域14の温度分布をもとに、実装部品11と回路基板10との接合部分12の温度と回路基板10の測温位置13の温度との温度差を算出する。温度算出部7aは、この算出した温度差と接触式温度測定部2によって測定された測温位置13の温度とをもとに、実装部品11と回路基板10との接合部温度を算出する。この結果、温度算出部7aは、かかる測温位置13の実測温度を実装部品11と回路基板10との接合部温度に補正することができる。かかる温度算出部7aによって算出された接合部温度は、回路基板10における測温対象部分の温度であり、制御部7の制御に基づいて、表示部5に表示され且つ記憶部6に記憶される。なお、この回路基板10における測温対象部分は、入力部4が制御部7に入力する指定情報によって指定される。
【0035】
なお、かかる温度測定装置1によって測温処理される回路基板10は、リジッドな回路基板であってもよいし、容易に湾曲可能なフレキシブル回路基板であってもよい。また、実装部品11は、回路基板10の電極パッド10a,10bに接続する電子部品であり、この電極パッド10a,10b上に予め設けられた半田等の金属製の接合部材を介して回路基板10上に加熱接合される。かかる回路基板10と実装部品11との加熱接合処理は、回路基板10を加熱処理するヒータまたはレーザ加熱装置(双方とも図示せず)等を用いて行われる。なお、かかる回路基板10に加熱接合される実装部品11は、電子部品に限らず、放熱板等の加熱接合によって回路基板10に実装される部品であってもよい。この場合、かかる回路基板10と実装部品11との接合部材は、半田等の金属製のものであってもよいし、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂であってもよい。
【0036】
つぎに、本発明の実施の形態にかかる温度測定方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかる温度測定方法の一例を示すフローチャートである。図4は、放射温度測定部による回路基板の温度分布の一具体例を示す模式図である。図5は、本発明の実施の形態にかかる温度測定装置の表示態様の一具体例を示す模式図である。
【0037】
なお、本発明の実施の形態にかかる温度測定装置1の測温対象である回路基板10において、電極パッド10a,10b上には、半田等の金属製の接合部材が予め設けられる。実装部品11は、かかる接合部材を介して回路基板10の電極パッド10a,10b上に配置される。また、この回路基板10上の測温位置13には、接触式温度測定部2の被測温部2bが面接触している。回路基板10は、かかる実装部品11および被測温部2bを含む基板領域14が放射温度測定部3の測定視野3d内に収まるように配置され、ヒータまたはレーザ加熱装置等によって加熱処理される。温度測定装置1は、図3に示す処理手順を順次行って、かかる実装部品11と回路基板10との接合部温度を測定する。
【0038】
具体的には図3に示すように、温度測定装置1は、まず、回路基板10上の測温対象部分を含む可視光画像を撮像する(ステップS101)。このステップS101において、制御部7は、回路基板10の基板領域14の可視光画像を撮像するように放射温度測定部3を制御する。放射温度測定部3の撮像部3cは、かかる制御部7の制御に基づいて、測定視野3d内の基板領域14を被写体として含む可視光画像を撮像する。なお、かかる基板領域14には、図2に示したように、回路基板10の電極パッド10a,10bと、この電極パッド10a,10b上の実装部品11と、この回路基板10の測温位置13に面接触した態様の被測温部2bとが存在する。制御部7は、かかる基板領域14の可視光画像データを放射温度測定部3から取得する。
【0039】
続いて、温度測定装置1は、回路基板10の基板領域14の可視光画像を表示する(ステップS102)。この場合、制御部7は、上述したステップ101において撮像部3cから取得した可視光画像データを表示するように表示部5を制御する。表示部5は、かかる制御部7の制御に基づいて、この可視光画像データに対応する基板領域14の可視光画像を表示する。
【0040】
つぎに、温度測定装置1は、温度測定指示の有無を判断する(ステップS103)。このステップ103において、制御部7は、入力部4の入力情報をもとに、温度測定指示の有無を判断する。具体的には、制御部7は、入力部4によって測温対象部分の指定情報を入力された場合、この指定情報によって指定される測温対象部分の温度測定指示ありと判断する。一方、制御部7は、かかる指定情報を入力されていない場合、測温対象部分の温度測定指示なしと判断する。なお、入力部4は、かかる測温対象部分の指定情報として、例えば、実装部品11と回路基板10との接合部分12を指定する指定情報を制御部7に入力する。
【0041】
温度測定装置1は、このステップS103において温度測定指示ありと判断した場合(ステップS103でYes)、回路基板10の温度分布および特定位置温度を測定する(ステップS104)。このステップS104において、制御部7は、回路基板10上に規定された特定位置である測温位置13の温度を測定するように接触式温度測定部2を制御し、且つ、回路基板10のうちの基板領域14の温度分布を測定するように放射温度測定部3を制御する。
【0042】
接触式温度測定部2は、かかる制御部7の制御に基づき、回路基板10の測温位置13に面接触状態の被測温部2bを介して、この測温位置13の温度を測定する。この場合、熱電対2aは、この面接触状態の被測温部2bの温度を測温位置13の温度として検出する。一方、放射温度測定部3は、かかる制御部7の制御に基づいて、回路基板10のうちの基板領域14(図2参照)の温度分布を測定する。この場合、赤外線検出部3aは、回路基板10のうちの測定視野3d内の基板領域14から放射された赤外線エネルギーを検出する。画像処理部3bは、かかる赤外線検出部3aが検出した赤外線エネルギーを基板領域14の表面温度に換算し、得られた温度データをもとに、この基板領域14の温度分布を示す温度画像データを生成する。制御部7は、接触式温度測定部2から測温位置13の温度測定データを取得し、且つ、放射温度測定部3から基板領域14の温度分布測定結果、すなわち基板領域14の温度画像データを取得する。
【0043】
つぎに、温度測定装置1は、上述したステップS103において測定指示された実装部品11と回路基板10との接合部温度を算出する(ステップS105)。具体的には、制御部7は、上述したステップS103において入力部4から入力された指定情報によって指定される測温対象部分の温度、すなわち実装部品11と回路基板10との接合部分12の温度を算出する。この場合、温度算出部7aは、放射温度測定部3から取得した基板領域14の温度画像データに示される温度分布(図4参照)をもとに、実装部品11と回路基板10との接合部分12の温度と基板領域14内の測温位置13の温度との温度差△Tを算出する。一方、温度算出部7aは、接触式温度測定部2によって測定された測温位置13の実測温度T1を取得する。かかる温度算出部7aは、この測温位置13の実測温度T1と温度差△Tとを加算処理することによって、実装部品11と回路基板10との接合部分12の温度(接合部温度T2)を算出する。
【0044】
ここで、この測温位置13は、回路基板10上であって実装部品11と回路基板10との接合部分12を除く部分に予め規定された特定位置である。かかる測温位置13の位置情報は、入力部4によって制御部7に予め入力される。すなわち、温度算出部7aは、基板領域14内における測温位置13を既知情報として取得済みである。一方、実装部品11と回路基板10との接合部分12の位置は、入力部4によって制御部7に入力される指定情報によって指定される。温度算出部7aは、かかる測温位置13および接合部分12の各位置情報をもとに、基板領域14の温度分布(すなわち基板領域14の温度画像)の中から接合部分12および測温位置13の各温度を抽出でき、これら抽出した両温度の差、すなわち接合部分12と測温位置13との温度差△Tを算出できる。
【0045】
また、かかる測温位置13に配置される被測温部2bの表面材質は、上述したように、この接合部分12の表面材質(具体的には実装部品11と回路基板10との接合部材の材質)と同じである。これによって、測温位置13における温度および赤外線エネルギーの相関関係と接合部分12における温度および赤外線エネルギーの相関関係とを合わせることができる。このため、放射温度測定部3は、接合部分12および測温位置13の各材質に応じた赤外線エネルギーの放射率の補正処理を行わなくても、かかる接合部分12および測温位置13等を含む基板領域14の温度分布を高精度に測定することができる。この結果、温度算出部7aは、かかる放射温度測定部3による基板領域14の温度分布をもとに、接合部分12と測温位置13との温度差△Tを高精度に算出することができる。
【0046】
なお、上述した測温位置13は、回路基板10のうちの接合部分12の近傍に規定されることが望ましい。すなわち、接触式温度測定部2の被測温部2bは、回路基板10上における接合部分12の近傍に配置されることが望ましい。これは、基板領域14の温度分布において、接合部分12と測温位置13との間の温度変化は、測温位置13が接合部分の近傍であるほど、言い換えれば、接合部分12と測温位置13との温度差が小さいほどリニアになるからである。基板領域14の温度分布における接合部分12と測温位置13との間の温度変化がリニアである場合、温度算出部7aは、かかる基板領域14の温度分布をもとに、接合部分12と測温位置13との温度差△Tを容易に算出することができる。
【0047】
上述したステップS105が終了した後、温度測定装置1は、測温対象部分である実装部品11と回路基板10との接合部温度T2を表示する(ステップS106)。この場合、制御部7は、上述したステップS105において算出した接合部温度T2を表示するように表示部5を制御する。表示部5は、かかる制御部7の制御に基づいて、図5に示すように、接合部温度T2を示す温度情報16を表示する。なお、表示部5は、上述したステップS102において、基板領域14の可視光画像P1を既に表示している。表示部5は、この可視光画像P1内に含まれる電極パッド10a,10b上の実装部品11の接合部分12の近傍に、この温度情報16を表示する。この場合、表示部5は、マウスカーソル15によって指し示される画面位置に対応する接合部分12を指し示す吹き出し状の表示領域内に、接合部温度T2を表示する。
【0048】
また、表示部5は、かかる可視光画像P1および温度情報16の他に、上述したステップS104において放射温度測定部3が測定した基板領域14の温度分布を示す温度画像P2と、この温度分布内の温度を色によって示すカラースケール17とを表示する。この場合、表示部5は、図5に示すように、基板領域14の可視光画像P1および温度画像P2を並べて表示するとともに、この温度画像P2の側部分にカラースケール17を表示する。なお、この温度画像P2には、可視光画像P1に含まれる電極パッド10a,10b、実装部品11、熱電対2aおよび被測温部2b等の各表面の温度分布が示されている。表示部5は、かかる温度画像P2を表示することによって、上述した基板領域14表面の温度分布を表示することができる。
【0049】
なお、上述した測温対象部分の指定情報は、かかる可視光画像P1に含まれる測温対象部分にマウスカーソル15を合わせて行われる入力部4のクリック操作によって制御部7に入力される。例えば、入力部4は、可視光画像P1に含まれる実装部品11の接合部分12にマウスカーソル15を合わせた状態でのクリック操作に対応して、この接合部分12の指示情報を制御部7に入力する。
【0050】
上述したステップS106が終了した後、温度測定装置1は、本処理を終了するか否かを判断する(ステップS107)。このステップS107において、制御部7は、処理終了を指示する指示情報を入力部4によって入力された場合、この指示情報に基づいて処理終了と判断し(ステップS107でYes)、本処理を終了する。一方、制御部7は、かかる処理終了の指示情報を入力されていない場合、処理終了ではないと判断し(ステップS107でNo)、上述したステップS103に戻り、このステップS103以降の処理手順を繰り返す。なお、制御部7は、上述したステップS103において温度測定指示なしと判断した場合(ステップS103でNo)、このステップS103の処理手順を繰り返す。
【0051】
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、回路基板上の位置であってこの回路基板と実装部品との接合部分を除く測温位置の温度を熱電対を介して測定し、この回路基板のうちの少なくともこの接合部分と測温位置とを含む基板領域の温度分布を非接触に測定し、この測定した温度分布をもとに、この接合部分と測温位置との温度差を算出し、この算出した温度差と測温位置の実測温度とをもとに、この実装部品と回路基板との接合部温度を算出し、この算出した接合部温度を表示するように構成した。このため、回路基板上の実装部品の加熱接合部分に熱電対等の測温部材を接触させなくても、この基板領域の温度分布内における実装部品の加熱接合部分と測温位置との温度差を用いて、この測温位置の実測温度を、この実装部品の加熱接合部分の温度に高精度に補正できる。この結果、熱電対等の測温部材の熱容量に起因する実装部品の加熱接合部分の温度低下を防止できるとともに、回路基板と実装部品との接合部材の加熱効率を阻害することなく、回路基板と実装部品との接合部温度を高精度に測定することが可能な温度測定装置および温度測定方法を実現することができる。
【0052】
また、本発明の実施の形態では、回路基板上の測温位置の温度を測定する接触式温度測定部の熱電対の先端に、実装部品と回路基板との加熱接合部分(具体的には実装部品と回路基板等の接合部材)と同じ表面材質を有する被測温部を取り付け、この被測温部を回路基板上の測温位置に面接触させてこの測温位置の温度を測定するように構成した。このため、この測温位置における温度および赤外線エネルギーの相関関係と実装部品の加熱接合部分における温度および赤外線エネルギーの相関関係とを合わせることができ、これによって、表面材質に応じた赤外線エネルギーの放射率の補正処理を行わなくても、この加熱接合部分および測温位置等を含む基板領域の温度分布を高精度に測定できる。この結果、この加熱接合部分と測温位置との温度差を高精度に算出でき、この温度差と測温位置の実測温度とを用いて実装部品と回路基板との接合部温度を一層高精度に算出することができる。
【0053】
さらに、本発明の実施の形態では、回路基板のうちの少なくとも実装部品の加熱接合部分および測温位置を含む基板領域の温度分布を示す温度画像と、この基板領域の可視光画像とを表示するので、この可視光画像に示される基板領域の状態を参照しつつ、この基板領域の温度分布を容易に視認することができる。また、この可視光画像に含まれる測温対象部分(具体的には実装部品と回路基板との加熱接合部分)の指定情報を容易に入力することができる。
【0054】
なお、上述した実施の形態では、非接触式温度測定部2の熱電対2aの先端に被測温部2bを予め固着し、この被測温部2bを回路基板10上の測温位置13に面接触させていたが、これに限らず、回路基板10上の測温位置13に被測温部2bを予め設け、この回路基板10の被測温部2bに熱電対2aを接触させて測温位置13の温度を測定してもよい。図6は、回路基板上の被測温部に接触式温度測定部の熱電対を接触させる状態を示す模式図である。
【0055】
図6に示すように、被測温部2bは、実装部品11の加熱接合部分を除く回路基板10上の位置(すなわち上述した測温位置13)に予め設けられる。この場合、被測温部2bは、この実装部品11を加熱接合する電極パッド10a,10bと同じ構造を有するダミーパッドである。かかるダミーパッド状の被測温部2bは、回路基板10内の回路に対して絶縁状態である。また、かかる被測温部2bの表面材質は、実装部品11と回路基板10との接合部材(例えば半田等の金属製部材)と同じ材質である。上述した接触式温度測定部2は、図6に示すように、かかる回路基板10の被測温部2bに熱電対2aを接触させ、この熱電対2aを介して、この被測温部2bの温度、すなわち回路基板10の測温位置13の温度を測定してもよい。この場合も、上述した実施の形態と同様の作用効果を享受する。
【0056】
また、上述した実施の形態では、回路基板10上の測温位置13を予め規定していが、これに限らず、回路基板10のうちの接合部分12を除く任意の位置を測温位置13とし、この任意の測温位置13の位置情報を入力部4によって制御部7に入力してもよい。この場合、入力部4は、表示部5に表示された可視光画像P1に含まれる被測温部2bにマウスカーソル15を合わせた状態でのクリック操作に応じて、かかる任意の測温位置13の位置情報を制御部7に入力する。温度算出部7aは、この入力された位置情報に基づいて、基板領域14の温度分布内(すなわち温度画像P2内)における測温位置13を特定することができる。
【0057】
さらに、かかる可視光画像P1内の測温位置13を画像認識によって特定してもよい。この場合、被測温部2bは、十字形等の画像認識し易い特定の外形のものに形成され、回路基板10の測温位置13に配置される。制御部7は、撮像部3cによって撮像された可視光画像P1に対して画像認識処理を行って、この可視光画像P1内における被測温部2bの位置を認識する。温度算出部7aは、この認識した被測温部2bの位置を回路基板10の測温位置13として特定すればよい。
【0058】
また、上述した実施の形態では、実装部品11と回路基板10との接合部分12の指定情報を入力部4によって入力していたが、これに限らず、放射温度測定部3の測定視野3d内に予め規定した特定位置(例えば基板領域14の中央)に接合部分12が位置するように回路基板10を配置し、放射温度測定部3によって測定された温度分布における特定部分(例えば中央部分)を常時、接合部分12の温度分布にしてもよい。この場合、温度算出部7aは、放射温度測定部3から取得した温度分布における特定部分(例えば温度画像の中央部分)の温度を、この温度分布における接合部分12の温度として抽出して、上述した接合部分12と測温位置13との温度差△Tを算出すればよい。
【0059】
さらに、上述した実施の形態では、基板領域14の可視光画像P1と温度画像P2とを表示部5に表示していたが、これに限らず、表示部5は、上述した温度情報16の他に可視光画像P1を表示すればよく、温度画像P2を表示しなくてもよい。また、表示部5は、かかる可視光画像P1および温度画像P2をともに表示する場合、可視光画像P1と温度画像P2とを縦、横または斜めに並べて表示してもよいし、可視光画像P1と温度画像P2とを重畳して表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態にかかる温度測定装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。
【図2】放射温度測定部の測定視野側から見た温度測定対象物を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる温度測定方法の一例を示すフローチャートである。
【図4】放射温度測定部による回路基板の温度分布の一具体例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる温度測定装置の表示態様の一具体例を示す模式図である。
【図6】回路基板上の被測温部に接触式温度測定部の熱電対を接触させる状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0061】
1 温度測定装置
2 接触式温度測定部
2a 熱電対
2b 被測温部
3 放射温度測定部
3a 赤外線検出部
3b 画像処理部
3c 撮像部
3d 測定視野
4 入力部
5 表示部
6 記憶部
7 制御部
7a 温度算出部
10 回路基板
10a,10b 電極パッド
11 実装部品
12 接合部分
13 測温位置
14 基板領域
15 マウスカーソル
16 温度情報
17 カラースケール
P1 可視光画像
P2 温度画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装部品を加熱接合する回路基板上の位置であって前記実装部品と前記回路基板との接合部分を除く測温位置の温度を熱電対を介して測定する接触式温度測定部と、
前記回路基板のうちの少なくとも前記接合部分と前記測温位置とを含む基板領域の温度分布を非接触に測定する非接触式温度測定部と、
前記非接触式温度測定部によって測定された前記温度分布をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、前記接触式温度測定部によって測定された前記測温位置の温度と前記温度差とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出する温度算出部と、
前記温度算出部によって算出された前記接合部温度を表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする温度測定装置。
【請求項2】
前記接触式温度測定部は、前記熱電対の先端に、前記接合部分と同じ表面材質を有する被測温部を備え、前記測温位置に前記被測温部を接触させて前記測温位置の温度を測定することを特徴とする請求項1に記載の温度測定装置。
【請求項3】
前記回路基板は、前記測温位置に、前記接合部分と同じ表面材質を有する被測温部を備え、
前記接触式温度測定部は、前記回路基板上の前記被測温部に前記熱電対を接触させて前記測温位置の温度を測定することを特徴とする請求項1に記載の温度測定装置。
【請求項4】
前記非接触式温度測定部は、
前記基板領域から放射される赤外線エネルギーを検出する赤外線検出部と、
前記赤外線検出部によって検出された前記赤外線エネルギーを前記基板領域の温度に変換して、前記温度分布を示す温度画像を生成する画像処理部と、
を備え、
前記温度算出部は、前記温度画像をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の温度測定装置。
【請求項5】
前記非接触式温度測定部は、前記基板領域の可視光画像を撮像する撮像部を備え、
前記表示部は、前記撮像部によって撮像された前記可視光画像を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の温度測定装置。
【請求項6】
前記表示部によって表示された前記可視光画像に含まれる前記接合部分の指定情報を入力する入力部を備え、
前記温度算出部は、前記指定情報によって指定された前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、この算出した前記温度差と前記測温位置の温度とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出することを特徴とする請求項5に記載の温度測定装置。
【請求項7】
前記入力部は、前記表示部によって表示された前記可視光画像に含まれる前記測温位置の指定情報を入力し、
前記温度算出部は、前記指定情報によって指定された前記測温位置と前記接合部分との温度差を算出し、この算出した前記温度差と前記測温位置の温度とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の温度測定装置。
【請求項8】
実装部品を加熱接合する回路基板上の位置であって前記実装部品と前記回路基板との接合部分を除く測温位置の温度を熱電対を介して測定するとともに、前記回路基板のうちの少なくとも前記接合部分および前記測温位置を含む基板領域の温度分布を非接触に測定する測温ステップと、
前記温度分布をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出し、この算出した前記温度差と前記測温位置の温度とをもとに、前記実装部品と前記回路基板との接合部温度を算出する温度算出ステップと、
前記温度算出ステップによって算出された前記接合部温度を表示部に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする温度測定方法。
【請求項9】
前記測温ステップは、前記熱電対の先端に固着した被測温部を前記測温位置に接触させ、前記接合部分と同じ表面材質を有する前記被測温部を介して前記測温位置の温度を測定することを特徴とする請求項8に記載の温度測定方法。
【請求項10】
前記測温ステップは、前記回路基板上の前記測温位置に設けられ、前記接合部分と同じ表面材質を有する被測温部に前記熱電対を接触させて、前記測温位置の温度を測定することを特徴とする請求項8に記載の温度測定方法。
【請求項11】
前記測温ステップは、前記基板領域から放射される赤外線エネルギーを検出し、この検出した前記赤外線エネルギーを前記基板領域の温度に変換して、前記温度分布を示す温度画像を生成し、
前記温度算出ステップは、前記温度画像をもとに前記接合部分と前記測温位置との温度差を算出することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載の温度測定方法。
【請求項12】
前記基板領域の可視光画像を撮像する撮像ステップをさらに含み、
前記測温ステップは、前記可視光画像に含まれる前記測温位置の温度と前記基板領域の温度分布とを測定し、
前記表示ステップは、前記可視光画像と前記接合部温度とを前記表示部に表示することを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載の温度測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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