説明

温度設定装置と押圧操作ノブ

【課題】車内温度とシート温度の個別調整だけでなく一括調整も容易に行える温度設定装置を提供すること。また、多方向へ傾倒可能でありながら入力内容に対応する傾倒操作方向がわかりやすい押圧操作ノブを提供すること。
【解決手段】押圧操作ノブ3は、操作部31の押圧部31a〜31dが押し込まれると対応する検出スイッチ52(52a〜52dのいずれか1つ)を作動させて、シート温度のみの調整や車内温度のみの調整が行われる。操作部31の中間押圧部31iが押し込まれると検出スイッチ52a,52cを共に作動させて、シート温度と車内温度を共に上昇させる。操作部31の中間押圧部31jが押し込まれると検出スイッチ52b,52dを共に作動させて、シート温度と車内温度を共に下降させる。また、押圧操作ノブ3には切欠き部31g,31hが形成されており、これら切欠き部31g,31hの存する方向への傾倒操作が行えないようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のシート温度と車内温度の調整に用いられる温度設定装置と、例えばこの種の温度設定装置に用いて好適な押圧操作ノブとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ユーザが自動車の車内温度を調整する際には、運転席の近傍のインスツルメントパネル等に配設されたカーエアコン制御用の操作部材を操作する。また、座席シートの加熱が行えるシートヒータや加熱冷却が行えるシート用加熱冷却装置を備えている自動車においては、通常、各座席シートの近傍に配設された専用の操作部材を操作することによって、その座席シートの温度調整を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−76399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したシートヒータやシート用加熱冷却装置は車内の温度調整にも寄与するので、これらをカーエアコンと併用すれば、シート温度の調整のみならず、車内温度を短時間で快適なレベルに近付けることができる。しかしながら、従来は、車内温度とシート温度とを一括して調整することができず、カーエアコンの操作部材とシートヒータまたはシート用加熱冷却装置の操作部材とを別々に操作しなければならないため、搭乗者の体感温度を速やかに快適なレベルに設定したい場合にも、煩雑な操作を避けていずれか一方の操作部材(主にカーエアコンの操作部材)だけを操作することが多かった。なお、運転者がカーエアコンの操作部材とシートヒータまたはシート用加熱冷却装置の操作部材とをそれぞれ適正に操作しようとすると、手元に注意を払わねばならないため停車させる必要があり面倒であった。
【0005】
そこで本発明者らは、多方向へ揺動可能に支持された1つの押圧操作ノブを用い、この押圧操作ノブが傾倒方向に応じて異なる検出スイッチを押圧駆動するように構成しておくことによって、車内温度のみの調整とシート温度のみの調整と両温度の一括調整とを選択的に行える操作性に優れた温度設定装置の実現性を検討した。具体的には、操作部が平面視略円形で多方向へ傾倒可能な公知の押圧操作ノブを用いると共に、操作ノブの傾倒中心の周囲に、該操作ノブの8つの傾倒方向に応じて1つがそれぞれ動作する8つの検出スイッチを設ける。2つの検出スイッチは車内温度の上昇・低下をそれぞれ設定するものであり、残りのうちの2つの検出スイッチはシート温度の上昇・低下をそれぞれ設定するものである。残りの4つの検出スイッチは、車内温度とシート温度を同時に設定するものであり、共に上昇を設定、共に低下を設定、一方を上昇他方を低下に設定、一方を低下他方を上昇に設定する。この場合、数多くの検出スイッチが必要になるという問題があり、さらにユーザは、車内温度のみを上げ下げする調整用の2方向と、シート温度のみを上げ下げする調整用の2方向と、車内温度とシート温度の両方を一括して上げ下げする調整用の2方向と、車内温度とシート温度のいずれか一方を上げて他方を下げる調整用の2方向という計8方向の中から、所望の方向を選択して該押圧操作ノブを傾倒操作しなければならず、不慣れなユーザにとって入力内容に対応する傾倒操作方向が瞬時にわかりずらいという問題のあることが判明した。しかも、車内温度とシート温度のいずれか一方を上げて他方を下げるという温度調整が必要となる状況が現実に発生する可能性はほとんど考えにくいため、この点でも改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、車内温度とシート温度の個別調整だけでなく一括調整も容易に行える温度設定装置を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、多方向へ傾倒可能でありながら入力内容に対応する傾倒操作方向がわかりやすい押圧操作ノブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した第1の目的を達成するために、本発明の温度設定装置は、1つの操作部材と、この操作部材の相異なる少なくとも6種類の操作状態が検出可能な検出手段とを備え、前記検出手段は、座席シートの温度調整が可能なシート温度制御手段に対してシート温度の上昇を指令する第1の信号とシート温度の下降を指令する第2の信号とを選択的に出力すると共に、カーエアコンの車内温度制御手段に対して車内温度の上昇を指令する第3の信号と車内温度の下降を指令する第4の信号とを選択的に出力するものであり、かつ、前記操作部材が第1の操作状態のときには前記第1の信号だけが出力され、第2の操作状態のときには前記第2の信号だけが出力され、第3の操作状態のときには前記第3の信号だけが出力され、第4の操作状態のときには前記第4の信号だけが出力され、第5の操作状態のときには前記第1および第3の信号だけが出力され、第6の操作状態のときには前記第2および第4の信号だけが出力されるように構成した。
【0008】
このように構成された温度設定装置は、1つの操作部材を操作するだけで、車内温度の調整のみならずシート温度の調整も可能となるので、容易かつ迅速に車内温度を所望の温度とできる。また、4つの検出スイッチで操作部材の第1〜第6の操作状態を区別できるため、検出スイッチの数を少なくすることができる。さらに、検出手段から出力される信号によって操作部材の第1〜第6の操作状態を区別できるため、1つの操作部材を操作するだけで、シート温度のみを上げ下げする調整(第1および第2の操作状態)と、車内温度のみを上げ下げする調整(第3および第4の操作状態)と、両温度の一括調整(第5および第6の操作状態)とを選択的に行うことができて、良好な操作性を期待できる。つまり、搭乗者の体感温度を速やかに快適なレベルに設定するために車内温度制御手段とシート温度制御手段の双方に設定温度の変更(共に上昇、または共に下降)を指令する場合にも、1つの操作部材を操作するだけで良く、かつ、検出手段の両方が同時に動作するための操作部材の許容範囲を広くできるため、運転中であっても容易かつ安全に該操作を行うことができる。
【0009】
上記の構成において、操作部材が多方向へ揺動可能に支持された押圧操作ノブであると共に、検出手段が、押圧操作ノブを4方向へ傾倒させたときに傾倒方向に応じて個別に押圧駆動される4つの検出スイッチを有しており、このうち第1の検出スイッチは第1の信号を出力し、第2の検出スイッチは第2の信号を出力し、第3の検出スイッチは第3の信号を出力し、第4の検出スイッチは第4の信号を出力するものであり、かつ、押圧操作ノブを第1および第3の検出スイッチの略中間地点へ向けて傾倒させることによってこれら両検出スイッチが押圧駆動されると共に、押圧操作ノブを第2および第4の検出スイッチの略中間地点へ向けて傾倒させることによってこれら両検出スイッチが押圧駆動されるようにしてあると、構造を単純化できて信頼性が高めやすくなるため好ましい。
【0010】
この場合において、4つの検出スイッチが同一円周上に略等間隔に配設されており、このうち第1および第2の検出スイッチどうしを結ぶ直線と第3および第4の検出スイッチどうしを結ぶ直線とが略直交していると、構造を一層単純化できると共に、入力内容に対応する傾倒操作方向がわかりやすくなる。また、この場合において、押圧操作ノブに、第1の検出スイッチと第4の検出スイッチの間の領域と対向する第1切欠き部と、第2の検出スイッチと第3の検出スイッチの間の領域と対向する第2切欠き部とが設けられていると、この押圧操作ノブは、第1および第4の検出スイッチを共に押圧駆動させたり第2および第3の検出スイッチを共に押圧駆動させるという傾倒操作が困難もしくは不可能となる。そのため、車内温度とシート温度のいずれか一方を上げて他方を下げるという非実用的な温度調整が誤って選択される虞がなくなると共に、押圧操作ノブの傾倒操作可能な方向が視覚的かつ機械的に限定されることから操作性が一層向上する。
【0011】
上記した第2の目的を達成するために、本発明は、多方向へ揺動可能に支持されて天面側に操作部が設けられていると共に、この操作部が検出手段の相異なる複数の検出部と個別に対向する複数の押圧部を有し、所望の前記押圧部を押圧して傾倒させることにより該押圧部と対向する前記検出部を作動させる押圧操作ノブにおいて、前記操作部に、周方向に隣接する2つの前記押圧部どうしを繋ぐ連結部を設けると共に、外周縁から内方へ切り欠かれて傾倒操作可能な方向を制限する切欠き部を設け、前記連結部を押圧して傾倒させることによって2つの前記押圧部を一体的に傾倒させるように構成した。
【0012】
このように構成された押圧操作ノブは、ユーザが所望の押圧部を押し込んで傾倒させれば対応する検出部が作動し、周方向に隣接する2つの押圧部を繋ぐ連結部を押し込んで傾倒させれば両押圧部に対応する検出部を共に作動させることができるため、限られた操作領域に対する3方向への傾倒操作を明確に区別して行うことが容易であると共に、該操作領域ごとに3種類の検出信号を取り出すことができるため、多種類の操作を1つの押圧操作ノブで円滑に行うことができる。また、周方向に隣接する特定の2つの押圧部に対応する2つの検出部を共に作動させることが不必要もしくは不所望である場合には、これら2つの押圧部の間に切欠き部を設けておくことによって、不必要もしくは不所望な傾倒操作を未然に防止することができる。しかも、切欠き部によって押圧操作ノブの傾倒操作可能な方向が視覚的かつ機械的に限定されるため、不慣れなユーザであっても入力内容に対応する傾倒操作方向がわかりやすくて操作性が良好である。
【0013】
上記の構成において、操作部が、平面視で揺動中心の周囲の4箇所に約90度ずつずらして分散配置された第1乃至第4押圧部と、第1および第3押圧部どうしを繋ぐ扇状の第1連結部と、第2および第4押圧部どうしを繋ぐ扇状の第2連結部と、第1および第4押圧部の間に存する第1切欠き部と、第2および第3押圧部の間に存する第2切欠き部とを有していれば、蝶ネクタイのような形状の操作部となるため見栄えが良くなる。この場合において、第1連結部には第1および第3押圧部の略中間に第1中間押圧部が設けられており、かつ、第2連結部には第2および第4押圧部の略中間に第2中間押圧部が設けられていると、ユーザは第1中間押圧部を押し込むことによって第1および第3押圧部を同じように傾倒させることができ、かつ、第2中間押圧部を押し込むことによって第2および第4押圧部を同じように傾倒させることができるため、2つの押圧部に対応する検出部を共に作動させる傾倒操作が行いやすくなって信頼性が高まる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の温度設定装置は、検出スイッチ等の検出手段から出力される信号によって操作部材の第1〜第6の操作状態を区別できるため、1つの操作部材を操作するだけで、シート温度のみを上げ下げする調整と車内温度のみを上げ下げする調整と両温度の一括調整とを選択的に行うことができて、良好な操作性が期待できる。すなわち、車内温度とシート温度を個別に調整する場合はもちろん、搭乗者の体感温度を速やかに快適なレベルに設定するために車内温度とシート温度を一括調整する場合にも、1つの操作部材を操作するだけで良いため、運転中であっても容易かつ安全に温度調整操作が行える。
【0015】
本発明の押圧操作ノブは、ユーザが所望の押圧部を押し込んで傾倒させれば対応する検出部が作動し、周方向に隣接する2つの押圧部を繋ぐ連結部を押し込んで傾倒させれば両押圧部に対応する検出部を共に作動させることができるため、限られた操作領域に対する3方向への傾倒操作を明確に区別して行うことが容易であると共に、該操作領域ごとに3種類の検出信号を取り出すことができるため、多種類の操作を1つの押圧操作ノブで円滑に行うことができる。また、周方向に隣接する特定の2つの押圧部に対応する2つの検出部を共に作動させることが不必要もしくは不所望である場合には、これら2つの押圧部の間に切欠き部を設けておくことによって、不必要もしくは不所望な傾倒操作を未然に防止することができる。しかも、切欠き部によって押圧操作ノブの傾倒操作可能な方向が視覚的かつ機械的に限定されるため、不慣れなユーザであっても入力内容に対応する傾倒操作方向がわかりやすくて操作性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態例に係る温度設定装置の分解斜視図である。
【図2】該温度設定装置によって車内温度やシート温度が調整される動作原理を模式的に示すブロック図である。
【図3】該温度設定装置の要部上面図である。
【図4】該温度設定装置に内蔵されている検出スイッチおよびLEDの基板上での配置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態例について、図1〜図4を参照しつつ説明する。図1の分解斜視図に示す温度設定装置1は、シート温度および車内温度を調整するためのものであり、例えば自動車のドア部に装着される操作ユニットに組み込まれて使用される。かかる温度設定装置1は、開口21や照光部22を有する上ケース2と、天面側に形成された操作部31を押し込むことによって傾倒操作される押圧操作ノブ3と、この押圧操作ノブ3を揺動可能に支持するホルダ4と、複数のLED51や検出スイッチ52(図4参照)等が配設されている上基板5と、LED51の光を照光部22へと導く導光体6と、円筒部71を有して上ケース2と一体化される下ケース7と、上基板5を搭載して下ケース7の底部に固定された下基板8とによって主に構成されている。なお、この温度設定装置1は、前記操作ユニットの前面パネル9に開設された円形の取付孔91内に上ケース2と操作部31とを露出させた状態で該操作ユニットに組み込まれる。また、前面パネル9には、図示せぬパワーウィンドウ用駆動スイッチの主に操作部を露出させるための取付孔92等も開設されている。
【0018】
上ケース2は、上板部23を有して下方に開放した蓋状に形成されており、上板部23の中央部に蝶ネクタイのような形状の開口21が開設されている。また、上板部23には開口21の周囲の4箇所に複数の照光部22が設けられている。図3に示すように、これら照光部22は、シート温度の上昇度を示す第1照光部22aおよび下降度を示す第2照光部22bと、車内温度の上昇度を示す第3照光部22cおよび下降度を示す第4照光部22dとからなり、第1照光部22aと第3照光部22cとが周方向に沿って僅かな距離を隔てて連続的に形成されていると共に、第2照光部22bと第4照光部22dとが周方向に沿って僅かな距離を隔てて連続的に形成されている。また、第1照光部22aの外側にはシート温度上昇の設定を示すシートとプラスを象徴したマーク、第2照光部22bの外側にはシート温度低下の設定を示すシートとマイナスを象徴したマーク、第3照光部22cの外側には車内温度上昇の設定を示す車とプラスを象徴したマーク、第4照光部22cの外側には車内温度低下の設定を示す車とマイナスを象徴したマークが形成されている。上ケース2は円筒部71を覆うように下ケース7に取り付けられており、両ケース2,7によってハウジングが構成されている。そして、このハウジングの上面に形成した突出部72の頂部が傾動支点となるように、押圧操作ノブ3がホルダ4を介して取り付けられる。押圧操作ノブ3は凹部73内に配置される。凹部73の外周側には支持壁74が設けられて所定位置に導光体6を保持し、凹部73の底面には後述するアクチュエータ54を上下方向にガイドする貫通孔が設けられている。また、下ケース7の底部が下基板8によって蓋閉される。
【0019】
押圧操作ノブ3は、下ケース7に固定されたホルダ4によって多方向へ揺動可能に支持されているが、後述するように操作部31の2箇所に切欠き部31g,31hが設けられており、かつ、切欠き部31g,31hが常に上ケース2の上板部23に覆われた状態になっているため、これら切欠き部31g,31hの存する側へ操作部31が傾倒操作されることはない。また、上述した第1〜第4照光部22a〜22dは、押圧操作ノブ3の押圧操作が可能な第1および第2中間押圧部31i,31jの外側に形成され、切欠き部31g,31hの外側には形成されていない。よって、切欠き部31g,31hを覆う上ケース2の上板部23を押圧操作ノブ3の一部と見間違う可能性は少なく、操作可能な範囲が容易にわかる。
【0020】
押圧操作ノブ3の操作部31は上ケース2の開口21内に露出して傾倒操作可能であり、操作部31と開口21はほぼ同形状である。つまり、図3に示すように、操作部31も蝶ネクタイのような形状に形成されており、この操作部31の4箇所の隅部に第1〜第4押圧部31a〜31dが突設されて、第1および第3押圧部31a,31c間と第2および第4押圧部31b,31d間がそれぞれ扇状の第1連結部31eと第2連結部31fによって繋がれていると共に、第1および第4押圧部31a,31d間と第2および第3押圧部31b,31c間にそれぞれV字状の第1切欠き部31gと第2切欠き部31hが形成されている。各押圧部31a〜31dは平面視で揺動中心の周囲の同一円周上に90度ずつずらして分散されており、図3において第1押圧部31aから反時計回りに第3押圧部31c、第2押圧部31b、第4押圧部31dの順に配置されているため、第1および第2押圧部31a,31bどうしを結ぶ直線と第3および第4押圧部31c,31dどうしを結ぶ直線は直交している。また、この操作部31には、第1連結部31eの外周部で第1および第3押圧部31a,31cの略中間に筋状の第1中間押圧部31iが突設されていると共に、第2連結部31fの外周部で第2および第4押圧部31b,31dの略中間に筋状の第2中間押圧部31jが突設されている。
【0021】
本実施形態例においては、ユーザが操作部31の第1押圧部31aを押し込む(第1の操作状態、或いは第1の押圧位置)とシート温度が上がり、第2押圧部31bを押し込む(第2の操作状態、或いは第2の押圧位置)とシート温度が下がり、第3押圧部31cを押し込む(第3の操作状態、或いは第3の押圧位置)と車内温度が上がり、第4押圧部31dを押し込む(第4の操作状態、或いは第4の押圧位置)と車内温度が下がるようになっている。また、第1中間押圧部31iを押し込む(第5の操作状態、或いは第5の押圧位置)とシート温度と車内温度が共に上がり、第2中間押圧部31jを押し込む(第6の操作状態、或いは第6の押圧位置)とシート温度と車内温度が共に下がるようになっている。
【0022】
検出スイッチ52はプッシュスイッチ53とアクチュエータ54を組み合わせたものであり、アクチュエータ54が上方から押し込まれて所定量下動すると、プッシュスイッチ53が押圧駆動されてオン信号が出力される。上基板5には同一円周上の等間隔な4箇所にそれぞれ検出スイッチ52が配設されており、これら4つの検出スイッチ52の真上に押圧操作ノブ3の操作部31の第1〜第4押圧部31a〜31dがそれぞれ位置している。そして、操作部31が傾倒操作されると、その傾倒方向の真下もしくは近傍に位置する検出スイッチ52が作動するようになっている。各検出スイッチ52の構成は同じであるが、本実施形態例では4つの検出スイッチ52を区別する必要のある場合には、以後、第1押圧部31aの真下に位置するものを検出スイッチ52a、第2押圧部31bの真下に位置するものを検出スイッチ52b、第3押圧部31cの真下に位置するものを検出スイッチ52c、第4押圧部31dの真下に位置するものを検出スイッチ52dと呼称する(図4参照)。この場合、検出スイッチ52a,52bどうしを結ぶ直線P1と、検出スイッチ52c,52dどうしを結ぶ直線P2は、互いを二等分する位置で直交している。
【0023】
LED51は各検出スイッチ52のプッシュスイッチ53の近傍に複数個ずつ配設されており、プッシュスイッチ53のオン信号に対応する外部信号(LED制御信号)によって所定のLED51が点灯するようになっている。なお、本実施形態例では各検出スイッチ52に対応するLED51を区別する必要のある場合には、以後、検出スイッチ52aの作動によって点灯可能なものをLED51a、検出スイッチ52bの作動によって点灯可能なものをLED51b、検出スイッチ52cの作動によって点灯可能なものをLED51c、検出スイッチ52dの作動によって点灯可能なものをLED51dと呼称する(図4参照)。
【0024】
導光体6はアクリル等の透明性樹脂からなるライトパイプ61を複数連結したものである。この導光体6は下ケース7の内部に組み込まれて、各ライトパイプ61の下端面が1つのLED51と対向し上端面が1つの照光部22と対向するように設定されている。したがって、所定のLED51が点灯すると、このLED51に対向するライトパイプ61を介して上方の1つの照光部22が照光するようになっている。
【0025】
次に、このように構成された温度設定装置1によって車内温度やシート温度が調整される動作原理を、図2を参照しつつ説明する。これらの温度調整を行う場合、ユーザは押圧操作ノブ3の操作部31の適宜箇所を押し込んで傾倒させる。例えば、車内温度を上昇させたい場合には、ユーザが操作部31の第3押圧部31cを押圧して傾倒させることにより、押圧操作ノブ3は傾倒支点を中心として該第3押圧部31cが低い位置となるように傾き、よって検出スイッチ52cに対応するアクチュエータ54を下側に移動させて検出スイッチ52cを作動させる。なお、その際、第4押圧部31dは、平面視で傾倒の中心点を中心として第3押圧部31cと反対側に位置しているので、上側に移動して検出スイッチ52dに対応するアクチュエータ54を駆動しない。また、第1押圧部31aと第2押圧部31b、平面視で傾倒の中心点を中心として第3押圧部31cを結んだ方向と直交する方向に位置しているので、第3押圧部31cを押圧しても上下方向の位置は殆ど変化せず、それぞれの検出スイッチ52a,52dに対応するアクチュエータ54を駆動しない。したがって、検出スイッチ52cのプッシュスイッチ53からのみ信号が出力され、その出力されたオン信号は、車内温度制御手段であるカーエアコン制御部10に検知されて、このオン信号に対応するカーエアコン制御信号によってコンプレッサー11やエアミックスダンパ12、ブロアファンモータ13等が制御され、車内温度が上がっていく。また、検出スイッチ52cの作動が検知された時点で、カーエアコン制御部10は車内温度の設定値を1段階上げると共に、温度設定装置1にLED制御信号を出力して、第3押圧部31c近傍の第3照光部22cが照光可能な1つのLED51cを点灯させる。そして、ユーザが第3押圧部31cを押圧し続けると、カーエアコン制御部10は車内温度の設定値をさらに上げていくと共に、点灯させるLED51cの数を増やしていく。したがって、ユーザは照光部22(第3照光部22c)の点灯状態を見れば、車内温度の設定値の上昇度が確認できる。
【0026】
車内温度を下降させたい場合は、操作部31の第4押圧部31dを押圧して傾倒させることにより検出スイッチ52dを作動させる。なお、その際、前述した第3押圧部31cの動作と同様の理由により検出スイッチ52dのみが作動される。カーエアコン制御部10は、検出スイッチ52dのプッシュスイッチ53から出力されたオン信号に基づいて、車内温度を下げるようにコンプレッサー11等を制御すると共に、第4押圧部31d近傍の第4照光部22dに対応する1つのLED51dを点灯させる。そして、ユーザが第4押圧部31dを押圧し続けると、車内温度の設定値が下がっていき、点灯するLED51dの数が増えていく。この場合も、ユーザは照光部22(第4照光部22d)の点灯状態を見れば、車内温度の設定値の下降度が確認できる。
【0027】
シート温度を上昇させたい場合には、操作部31の第1押圧部31aを押圧して傾倒させることにより、前述と同様の動作を行って検出スイッチ52aのみを作動させる。検出スイッチ52aのプッシュスイッチ53から出力されたオン信号は、座席シート14に内設されているシートヒータ15を制御するシート温度制御部16に検知されて、このオン信号に対応する温度制御信号によってシートヒータ15が制御され、座席シート14の温度が上がっていく。また、検出スイッチ52aの作動が検知された時点で、シート温度制御部16はシート温度の設定値を1段階上げると共に、温度設定装置1にLED制御信号を出力して、第1押圧部31a近傍の第1照光部22aが照光可能な1つのLED51aを点灯させる。そして、ユーザが第1押圧部31aを押圧し続けると、シート温度制御部16はシート温度の設定値をさらに上げていくと共に、点灯させるLED51aの数を増やしていく。したがって、ユーザは照光部22(第1照光部22a)の点灯状態を見れば、シート温度の設定値の上昇度が確認できる。
【0028】
シート温度を下降させたい場合は、操作部31の第2押圧部31bを押圧して傾倒させることにより、前述と同様の動作を行って検出スイッチ52bのみを作動させる。シート温度制御部16は、検出スイッチ52bのプッシュスイッチ53から出力されたオン信号に基づいて、シート温度が所定温度に下がるまでシートヒータ15の運転を停止させるという制御を行うと共に、第2押圧部31b近傍の第2照光部22bに対応する1つのLED51bを点灯させる。そして、ユーザが第2押圧部31bを押圧し続けると、シート温度の設定値が下がっていき、点灯するLED51bの数が増えていく。この場合も、ユーザは照光部22(第2照光部22b)の点灯状態を見れば、シート温度の設定値の下降度が確認できる。
【0029】
また、車内温度とシート温度をどちらも上昇させたい場合には、ユーザが操作部31の第1中間押圧部31iを押圧して傾倒させることにより、押圧操作ノブ3は傾倒支点を中心として該第1中間押圧部31iが低い位置となるように傾く。その際、第1中間押圧部31iと傾倒支点を結ぶ直線と、第1押圧部31aと傾倒支点を結ぶ直線とのなす角度は90度未満であり、第1押圧部31aも下方に移動する。同時に、第3押圧部31cも下方に移動する。ところで、この動作において、隣り合う一方のプッシュスイッチ53のみを動作させ、隣り合う他方のプッシュスイッチ53が動作せずに途中で止めることは殆ど考えられず、両側が動作されるまで押圧操作ノブ3は押される。すなわち、第1中間押圧部31iとプッシュスイッチ53とは平面視で周方向に離間しており、かつ、プッシュスイッチ53のオン位置で押圧操作ノブ3の動作が止まる安定点であり、さらに通常プッシュスイッチ53はクリック感触を伴うため、人が操作する場合にはある程度の大きな荷重を加えることとなるからである。そのため、第1中間押圧部31iを押圧して傾倒させると、第1押圧部31aおよび第3押圧部31cを一体的に傾倒させて検出スイッチ52a,52cを共に作動させる。これにより、カーエアコン制御部10がコンプレッサー11等を制御して車内温度が上昇すると共に、シート温度制御部16がシートヒータ15を制御してシート温度が上昇する。また、カーエアコン制御部10とシート温度制御部16がそれぞれLED51c,51aを点灯させるため、第3照光部22cと第1照光部22aが照光され、ユーザが第1中間押圧部31iを押圧し続けると、車内温度およびシート温度の設定値が上がっていくと共に点灯するLED51c,51aの数が増えていく。
【0030】
同様に、車内温度とシート温度をどちらも下降させたい場合には、ユーザは操作部31の第2中間押圧部31jを押圧して傾倒させることにより、第2押圧部31bおよび第4押圧部31dを一体的に傾倒させて検出スイッチ52b,52dを共に作動させる。これにより、カーエアコン制御部10がコンプレッサー11等を制御して車内温度が下降すると共に、シート温度制御部16がシートヒータ15を制御してシート温度が下降する。また、カーエアコン制御部10とシート温度制御部16がそれぞれLED51d,51bを点灯させるため、第4照光部22dと第2照光部22bが照光され、ユーザが第2中間押圧部31jを押圧し続けると、車内温度およびシート温度の設定値が下がっていくと共に点灯するLED51d,51bの数が増えていく。
【0031】
なお、このように操作部31を傾倒操作して車内温度やシート温度の設定値を上げ下げする調整を行うと、カーエアコン制御部10やシート温度制御部16からの信号によって、図示せぬ表示パネルに設定温度が表示されるようになっている。
【0032】
以上説明したように、本実施形態例にあっては、検出スイッチ52(52a〜52d)から出力される信号によって、押圧操作ノブ3の6種類の操作状態が区別できるようになっている。すなわち、押圧操作ノブ3は、ユーザが操作部31のどこを押し込むかに応じて、4つの検出スイッチ52のいずれか1つを作動させる4通りの操作状態と、特定の2つの検出スイッチ52(52aおよび52c、または52bおよび52d)を共に作動させる2通りの操作状態とが選択されるようになっている。それゆえ、本実施形態例に係る温度設定装置1は、1つの押圧操作ノブ3を操作するだけで、シート温度のみを上げ下げする調整と、車内温度のみを上げ下げする調整と、シート温度および車内温度を一括して上げ下げする調整とを選択的に行うことができて、良好な操作性が期待できる。また、搭乗者の体感温度を速やかに快適なレベルに設定するためにカーエアコン制御部10とシート温度制御部16の双方に設定温度の変更(共に上昇、または共に下降)を指令する場合にも、1つの押圧操作ノブ3を操作するだけで良いことから、運転中であっても容易かつ安全に温度調整を行うことができる。
【0033】
また、この温度設定装置1は、構成が同じ4つの検出スイッチ52を同一円周上に等間隔に配設し、各検出スイッチ52の真上に押圧操作ノブ3の操作部31の第1〜第4押圧部31a〜31dを配置させているので、構造が単純で信頼性が高めやすい。しかも、押圧操作ノブ3の操作部31を傾倒操作したときに、照光部22の点灯状態を見ることによってシート温度や車内温度の設定値の上昇度や下降度が瞬時に確認できるので、前記表示パネルに表示される設定温度をその都度確認しなくても誤操作する心配はない。
【0034】
また、本実施形態例に係る押圧操作ノブ3は、ユーザが所望の押圧部31a〜31dを押し込んで傾倒させることによって対応する検出スイッチ52(52a〜52d)を作動させることができるだけでなく、周方向に隣接する2つの押圧部31a,31cの略中間に突設した第1中間押圧部31iを押し込んで傾倒させることによって両押圧部31a,31cに対応する検出スイッチ52a,52cを共に作動させることができ、かつ、周方向に隣接する2つの押圧部31b,31dの略中間に突設した第2中間押圧部31jを押し込んで傾倒させることによって両押圧部31b,31dに対応する検出スイッチ52b,52dを共に作動させることができる。それゆえ、限られた操作領域に対する計6方向への傾倒操作を明確に区別して行うことが容易であり、多種類の操作を1つの押圧操作ノブ3で円滑に行うことができる。
【0035】
なお、操作部31に中間押圧部31i,31jが突設してあると、第1中間押圧部31iを押し込んだときに第1および第3押圧部31a,31cを同じように傾倒させることができ、かつ、第2中間押圧部31jを押し込んだときに第2および第4押圧部31b,31dを同じように傾倒させることができるため、検出スイッチ52a,52cを共に作動させる傾倒操作や、検出スイッチ52b,52dを共に作動させる傾倒操作が行いやすくなって、信頼性が高まる。ただし、中間押圧部31i,31jが突設されていなくても、第1および第3押圧部31a,31cどうしを繋ぐ第1連結部31eの適宜箇所や、第2および第4押圧部31b,31dどうしを繋ぐ第2連結部31fの適宜箇所を押し込むことによって、検出スイッチ52a,52cを共に作動させたり、検出スイッチ52b,52dを共に作動させることはできる。
【0036】
また、この押圧操作ノブ3には第1切欠き部31gと第2切欠き部31hが形成されており、これら切欠き部31g,31hの存する方向への傾倒操作が行えないようになっているため、2つの押圧部31a,31dに対応する検出スイッチ52a,52dを共に作動させる傾倒操作や、2つの押圧部31b,31cに対応する検出スイッチ52b,52cを共に作動させる傾倒操作が誤って行われることがない。つまり、車内温度とシート温度のいずれか一方を上げて他方を下げるという温度調整が必要となる状況が現実に発生する可能性はほとんど考えにくいため、こうした非実用的な温度調整が誤って選択されないようにしてある。その結果、第1および第2切欠き部31g,31hによって押圧操作ノブ3の傾倒操作可能な方向が視覚的かつ機械的に限定されることになり、不慣れなユーザであっても入力内容に対応する傾倒操作方向がわかりやすくて操作性が高まっている。
【0037】
しかも、この押圧操作ノブ3の操作部31は、平面視で揺動中心の周囲の4箇所に90度ずつずらして各押圧部31a〜31dを分散配置させた蝶ネクタイのような形状に形成されているため、操作しやすいだけでなく見栄えも良い。
【0038】
なお、上記の押圧操作ノブ3は、操作部材の傾倒操作方向に応じて異なる検出信号を取り出すことができて、かつ、該操作部材の特定方向への傾倒操作は不必要もしくは不所望であるという各種の温度設定装置に対して適用可能である。
【0039】
また、上記の実施形態例では、第1押圧部31aと第3押圧部31c、第2押圧部31bと第4押圧部31d等を90度の間隔で配置しているが、第1中間押圧部31i或いは第2中間押圧部31jを押したときに、その両方の検出スイッチ52a,52c或いは検出スイッチ52b,52dが動作可能であれば、90度よりも角度は多少大きくても小さくても良い。
【0040】
また、上記の実施形態例では、エアコンの温度の設定、シートの温度の設定を、切欠き部31g,31hを設けた押圧操作ノブ3で行うようにしているが、これら切欠き部31g,31hを省略することも可能である。すなわち、車内温度の上昇の設定とシート温度の低下の設定、或いは車内温度の低下の設定とシート温度の上昇の設定を、押圧操作ノブ3の所定位置の操作で可能としても良い。さらには、下ケース7の押圧操作ノブ3に対向する位置であって、かつ第1押圧部31a,第2押圧部31bの中間角度位置に突起を設けて、第1中間押圧部31iの押圧を阻止するようにしても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 温度設定装置
2 上ケース
21 開口
22(22a〜22d) 照光部
3 押圧操作ノブ
31 操作部
31a 第1押圧部
31b 第2押圧部
31c 第3押圧部
31d 第4押圧部
31e 第1連結部
31f 第2連結部
31g 第1切欠き部
31h 第2切欠き部
31i 第1中間押圧部
31j 第2中間押圧部
4 ホルダ
5 上基板
51(51a〜51d) LED
52 検出スイッチ(検出部)
52a 第1の検出スイッチ
52b 第2の検出スイッチ
52c 第3の検出スイッチ
52d 第4の検出スイッチ
53 プッシュスイッチ
54 アクチュエータ
6 導光体
7 下ケース
8 下基板
9 前面パネル
10 カーエアコン制御部(車内温度制御手段)
11 コンプレッサー
12 エアミックスダンパ
13 ブロアファンモータ
14 座席シート
15 シートヒータ
16 シート温度制御部(シート温度制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの操作部材と、この操作部材の相異なる少なくとも6種類の操作状態が検出可能な検出手段とを備え、
前記検出手段は、座席シートの温度調整が可能なシート温度制御手段に対してシート温度の上昇を指令する第1の信号とシート温度の下降を指令する第2の信号とを選択的に出力すると共に、カーエアコンの車内温度制御手段に対して車内温度の上昇を指令する第3の信号と車内温度の下降を指令する第4の信号とを選択的に出力するものであり、かつ、前記操作部材が第1の操作状態のときには前記第1の信号だけが出力され、第2の操作状態のときには前記第2の信号だけが出力され、第3の操作状態のときには前記第3の信号だけが出力され、第4の操作状態のときには前記第4の信号だけが出力され、第5の操作状態のときには前記第1および第3の信号だけが出力され、第6の操作状態のときには前記第2および第4の信号だけが出力されるようにしたことを特徴とする温度設定装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記操作部材が多方向へ揺動可能に支持された押圧操作ノブであると共に、前記検出手段が、押圧操作ノブを4方向へ傾倒させたときに傾倒方向に応じて個別に押圧駆動される4つの検出スイッチを有しており、このうち第1の検出スイッチは前記第1の信号を出力し、第2の検出スイッチは前記第2の信号を出力し、第3の検出スイッチは前記第3の信号を出力し、第4の検出スイッチは前記第4の信号を出力するものであり、かつ、前記押圧操作ノブを前記第1および第3の検出スイッチの略中間地点へ向けて傾倒させることによってこれら両検出スイッチが押圧駆動されると共に、前記押圧操作ノブを前記第2および第4の検出スイッチの略中間地点へ向けて傾倒させることによってこれら両検出スイッチが押圧駆動されるようにしてあることを特徴とする温度設定装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記4つの検出スイッチが同一円周上に略等間隔に配設されており、このうち前記第1および第2の検出スイッチどうしを結ぶ直線と前記第3および第4の検出スイッチどうしを結ぶ直線とが略直交していることを特徴とする温度設定装置。
【請求項4】
請求項2または3の記載において、前記押圧操作ノブに、前記第1の検出スイッチと前記第4の検出スイッチの間の領域と対向する第1切欠き部と、前記第2の検出スイッチと前記第3の検出スイッチの間の領域と対向する第2切欠き部とが設けられていることを特徴とする温度設定装置。
【請求項5】
多方向へ揺動可能に支持されて天面側に操作部が設けられていると共に、この操作部が検出手段の相異なる複数の検出部と個別に対向する複数の押圧部を有し、所望の前記押圧部を押圧して傾倒させることにより該押圧部と対向する前記検出部を作動させる押圧操作ノブであって、
前記操作部に、周方向に隣接する2つの前記押圧部どうしを繋ぐ連結部を設けると共に、外周縁から内方へ切り欠かれて傾倒操作可能な方向を制限する切欠き部を設け、前記連結部を押圧して傾倒させることによって2つの前記押圧部を一体的に傾倒させるようにしたことを特徴とする押圧操作ノブ。
【請求項6】
請求項5の記載において、前記操作部が、平面視で揺動中心の周囲の4箇所に約90度ずつずらして分散配置された第1乃至第4押圧部と、前記第1および第3押圧部どうしを繋ぐ扇状の第1連結部と、前記第2および第4押圧部どうしを繋ぐ扇状の第2連結部と、前記第1および第4押圧部の間に存する第1切欠き部と、前記第2および第3押圧部の間に存する第2切欠き部とを有していることを特徴とする押圧操作ノブ。
【請求項7】
請求項6の記載において、前記第1連結部には前記第1および第3押圧部の略中間に第1中間押圧部が設けられており、かつ、前記第2連結部には前記第2および第4押圧部の略中間に第2中間押圧部が設けられていることを特徴とする押圧操作ノブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−3298(P2011−3298A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143231(P2009−143231)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】