温水便座装置
【課題】所定次数の高調波電流を抑制することができるヒータの通電制御装置、特に、それを備えた温水便座装置を提供すること。
【解決手段】交流電圧が供給されて発熱するヒータ3と、ヒータ3への通電を制御する通電制御装置1と、を有する、温水便座装置10であって、通電制御装置1は、ヒータ3への通電を、交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であるとともに、交流電圧を所定の制御周波数でチョッパ制御してヒータ3に供給することができる。
【解決手段】交流電圧が供給されて発熱するヒータ3と、ヒータ3への通電を制御する通電制御装置1と、を有する、温水便座装置10であって、通電制御装置1は、ヒータ3への通電を、交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であるとともに、交流電圧を所定の制御周波数でチョッパ制御してヒータ3に供給することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水便座装置に関し、特に、ヒータにより温水を瞬間的に加熱して局部に噴射する温水便座装置、中でも、そのヒータの通電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水便座装置には、給湯タンクを持たず、冷水をヒータにより瞬間的に加熱して、温水をノズルから局部に噴出するタイプのものがある。この瞬間給湯タイプの温水便座装置は、冷水の予熱が不要であるため電力消費量が少なく、又給湯タンクを持たないため装置をコンパクトに構成できるという利点がある。
【0003】
特許文献1には、ヒータと、ヒータに供給される電源電圧(交流)を位相制御してヒータへの通電時間を制御するトライアックと、ヒータ通過前後の水温を検出する温度センサと、温度センサの検出出力に基づいてトライアックのオンタイミング(点弧角)をゆらぎ制御する制御部と、を備えた、温水便座装置が開示されている。なお、トライアックは、オンタイミングでのみ制御可能であり、一旦オン(点弧)すると交流電圧がゼロになるまで、ヒータは通電され続ける。
【0004】
特許文献1に係る発明によれば、トライアックのオンタイミングを一周期毎に、微妙に変化させることにより、通電に伴って発生する高周波電流成分を、電源周波数の整数倍以外の周波数成分に分散化して、飛びぬけて大きな高調波電流が発生しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−40007号公報(図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
“JIS C 61000−3−2”等に示されている高調波規制のガイドラインによれば、2次から40次(電源電圧の2倍から40倍までの周波数)までの高調波電流を抑制することが求められている。しかしながら、特許文献1の発明によれば、オンタイミングでのみ制御可能なトライアックを用いているため、このガイドラインを十分に遵守することが困難である。その理由を以下に説明する。
【0007】
特許文献1の発明のように、トライアックを用いた場合、電源電圧の一周期を二分周(二次で制御)することしかできない。本発明者の知見によれば、電源電圧を分周した場合、(分周した周波数/電源周波数)±1次の高調波電流が、著しく大きくなることがわかった。したがって、特許文献1の発明によれば、特に、電源電圧が高いタイミングでトライアックがオンされた場合、低い次数で大きな高調波電流が発生して、上記ガイドラインを十分に遵守することが困難となる。
【0008】
また、省エネルギーのため、温水を予め貯留しておかず、使用時に温水を生成する温水便座装置においては、きわめて短時間に、適温の温水を生成する必要がある。使用者の局部に噴射させる温水が適温でなければ、使用者に不快感を与えることになるからである。
【0009】
しかしながら、特許文献1の発明によれば、電源電圧の一周期を経なければ、トライアックのオンタイミングを変化させて、通電率(デューティ)を変えることができないため、瞬間的に適温の温水を生成することが困難な場合がある。
【0010】
本発明の目的は、所定次数の高調波電流を抑制することができるヒータの通電制御装置、特に、それを備えた温水便座装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、応答性に優れ瞬間加熱に適したヒータの通電制御装置、特に、それを備えた温水便座装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるヒータへの通電を制御する通電制御装置は、交流電圧が供給されて発熱するヒータを有する温水便座装置、特に、瞬間的に水を加熱して温水を生成する温水便座装置に好適に適用される。本発明は、第1の視点において、前記ヒータへの通電を、前記交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であり、前記交流電圧を所定の制御周波数でチョッパ制御して前記ヒータに供給する、通電制御装置を提供する。なお、本発明において、交流電圧とは、交流及びそれを整流した後の電圧を含むものであり、代表的には、商用電源から供給される交流電圧である。
【発明の効果】
【0012】
(1)本発明によれば、任意の半波において、ヒータに対して通電オン後に通電オフすることと、通電オフ後に通電オンすることの両方の制御ができる。したがって、交流電圧をチョッパ制御する周波数(交流電圧の分周値)を任意に設定することができる。
(2)本発明によれば、交流電圧をチョッパ制御する周波数を任意に設定することができるため、法規、ガイドライン、その他の基準、或いは要請に応じて、このチョッパ制御の周波数を設定し、規制したい最大次数以下の高調波電流の発生を抑制することができる。
(3)高調波規制のガイドラインは、日本では、“JIS C 61000−3−2”に規定され、国際的には、IEC61000−3−2に規定され、欧州では“EN61000−3−2”に規定されている。“JIS C 61000−3−2”によると、電源基本波に対して、高調波規制される最大次数は現在、“40次”であり、40次以下の高調波電流の抑制が要請されている。本発明者の知見によると、チョッパ制御の周波数±1の次数で、大きな高調波電流が発生する。よって、好ましくは、本発明の通電制御装置は、交流電圧を42次以上の周波数でチョッパ制御することにより(交流電圧の一周期を42以上に分周することにより)、40次以下の高調波電流の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係る温水便座装置の全体外観図である。
【図2】図1に示した温水便座装置の要部を示す部分図である。
【図3】本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の一例を説明するための等価回路図である。
【図4】比較例に係るヒータの通電制御装置を説明するための回路図である。
【図5】(A)〜(C)は、図3に示した一実施例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフである。
【図6】(A)〜(C)は、図4に示した比較例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の他例を説明するための回路図である。
【図8】図3に示した通電制御装置による第1の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示した第1の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【図10】(A)〜(C)は、図8に示した第1の通電制御による試験結果を示すグラフである。
【図11】図3に示した通電制御装置による第2の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11に示した第2の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【図13】(A)〜(C)は、図11に示した第2の通電制御による試験結果を示すグラフである。
【図14】図3に示した通電制御装置による第3の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図15】図14に示した第3の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【図16】(A)〜(C)は、図14に示した第3の通電制御による試験結果を示すグラフである。
【図17】図3に示した通電制御装置による第4の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図18】図17に示した第4の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態において、前記所定の制御周波数は、目標とする高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数である。本発明者の知見によると、チョッパ制御の周波数±1の次数で、大きな高調波電流が発生するから、この形態によれば、目標とする高調波規制次数以下の高調波電流が抑制される。したがって、この形態によれば、特定次数以下の高調波電流を規制する種々のガイドラインを遵守することができる。
【0015】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記交流電圧の半波毎に、前記所定の制御周波数を可変する。この形態によれば、ヒータの応答性が向上され、適温の温水を瞬間的に生成することが容易となる。
【0016】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第1の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数であって前記第1の周波数と異なる第2の周波数によるチョッパ制御と、を切り替える。この形態によれば、高調波電流が分散して発生し、特定次数において、大きな高調波電流が発生することが防止される。
【0017】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第3の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に1を減算した次数以下の第4の周波数によるチョッパ制御と、を切り替える。この形態によれば、高調波電流が分散して発生し、特定次数において、大きな高調波電流が発生することが防止されるとともに、第3の周波数によるチョッパ制御により特定次数以下の高調波電流が抑制され、第4の周波数によるチョッパ制御を含むことにより、通電オンオフによるスイッチング損失が低減される。
【0018】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記交流電圧の立ち上がりと立ち下がりの両方のゼロクロスを検出する検出回路と、前記交流電圧が入力され、前記ヒータへの通電をオンオフするスイッチ回路と、前記検出回路の検出出力に基づいて前記スイッチ回路のオンオフを制御するコントローラと、を有する。前記スイッチ回路は、ダイオードブリッジ回路、トランジスタ、FETなどから構成することができる。
【0019】
本発明の実施の形態に係る通電制御装置は、少なくとも、高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数による、交流電圧のチョッパ制御を実行し、これに加えて、他の周波数による、交流電圧のチョッパ制御を実行してもよい。
【0020】
本発明の実施の形態に係る通電制御装置は、導入される冷水の水温と、ヒータ加熱後の温水の水温と、流量とを検出し、両水温の差と流量に応じて、ヒータへの通電時間を短縮したり(低デューティ)、長くしたりする(高デューティ)、PID制御を実行する。本発明によれば、デューティを電源電圧の半波毎に可変することができる。
【実施例1】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。図1は、本発明の一実施例に係る温水便座装置の全体外観図であり、図2は、図1に示した温水便座装置の要部を示す部分図である。
【0022】
図1を参照すると、温水便座装置10は、前部に配置された開閉自在な便座11と、後部に配置された通電制御装置1と、を有している。図2を参照すると、通電制御装置1は、取入口12から導入された冷水を瞬間的に加熱するヒータに対する通電を、水温センサなどのセンサ出力に基づいて制御する。これによって、温水便座装置10は、適切な温度の温水をノズル13から使用者の局部に向かって噴出することができる。次に、以上説明したような温水便座装置10に搭載される、ヒータの通電制御装置1の一例を説明する。
【実施例2】
【0023】
図3は、本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の一例を説明するための等価回路図である。図4は、比較例に係るヒータの通電制御装置を説明するための回路図である。
【0024】
図3を参照すると、本実施例に係る通電制御装置1は、電源2から交流電圧が供給されて発熱するヒータ3への通電を制御するものであって、交流電圧の立ち上がりと立ち下がりの両方のゼロクロスを検出する検出回路4と、交流電圧が入力され、ヒータ3への通電をオンオフするスイッチ回路5と、検出回路4の検出出力に基づいてスイッチ回路5のオンオフを制御するコントローラ6と、を有している。通電制御装置1は、通電オンタイミングと通電オフタイミングを設定自在である点で、通電オンタイミングしか制御できないトライアックを用いた図4に示す通電制御装置と相違している。すなわち、通電制御装置1ないしコントローラ6は、ヒータ3への通電を、交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であり、交流電圧を任意の制御周波数でチョッパ制御してヒータ3に供給することができる。スイッチ回路5は、アナログスイッチであって、FET、ダイオードブリッジ回路、トランジスタ等から構成することができる。
【0025】
図3に示した通電制御装置1のスイッチ回路5は、図7に示すように構成してもよい。図7は、本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の他例を説明するための回路図である。図7を参照すると、この通電制御装置1のスイッチ回路5は、電源2とヒータ3の間に接続されたダイオードブリッジ回路5aと、ヒータ3とダイオードブリッジ回路5aとの間に接続され、コントローラ6から出力される制御信号に従って、ダイオードブリッジ回路5aとヒータ3間の通電をオンオフするトランジスタ5bと、から構成されている。ダイオードブリッジ回路5aは、電源2が出力する交流電圧を全波整流し、コントローラ6は、トランジスタ5bを介して整流後の電圧をチョッパ制御して、ヒータ3に印加する。
【0026】
図4を参照すると、比較例に係る通電制御装置101は、電源102から交流電圧が供給されて発熱するヒータ103への通電を制御するものであって、交流電圧の立ち上がりのゼロクロスを検出する検出回路104と、ヒータ103に供給される電源電圧(交流)を位相制御してヒータ103への通電時間を制御するトライアック105と、トライアック105のオンタイミング(点弧角)をゆらぎ制御するコントローラ106と、を有している。なお、トライアック105は、オンタイミングでのみ制御可能であり、一旦オン(点弧)すると交流電圧がゼロになるまで、ヒータ103は通電され続ける。
【0027】
図3及び図4に示した通電制御装置をそれぞれ用いて、下記の条件で通電試験を行い、高調波電流を測定した。図5(A)〜図5(C)は、図3に示した本実施例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフであり、図5(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図5(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図5(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。
【0028】
図6(A)〜図6(C)は、図4に示した比較例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフであり、図6(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図6(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図6(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。
【0029】
なお、図5(B)及び図6(B)において、“次数”とは、電源周波数(60Hz)の整数倍のことであり、折れ線で示す“JIS限度値”とは、“JIS C 61000−3−2”のガイドラインによる、各次数における高調波電流の大きさの規制目標値のことであり、棒線は、発生する高調波電流の大きさを示している。
【0030】
また、図5(C)及び図6(C)において、“Harmonic order”とは“次数”と同じく、電源周波数(60Hz)の整数倍のことであり、折れ線で示す“IEC limit”とは、“IEC61000−3−2”のガイドラインによる、各次数における高調波電流の大きさの規制目標値のことであり、棒線は、発生する高調波電流の大きさを示している。
【0031】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
・図3の本実施例に係る通電制御装置の場合、電源電圧(交流電圧)を8分周した。
・図4のトライアックを用いた比較例に係る通電制御装置の場合、電源電圧が最大となる位相でトライアックをオンした(2分周、50%出力駆動)。
【0032】
図5(A)〜図5(C)を参照すると、電源電圧を8分周するチョッパ制御を行った場合、8−1=7以下の次数で高調波電流が小さくなるとともに、nは1以上の整数と定義すると、(8×(2n−1))±1の次数で高調波電流が大きくなっている。
【0033】
また、図6(A)〜図6(C)を参照すると、電源電圧をトライアックで2分周した場合、低次数でも大きな高調波電流が発生し、又奇数の次数で高調波電流が大きくなっている。
【0034】
以上より、電源電圧一周期において、二つの半波が基本的に対称に制御された場合(絶対値でみて、二つの半波が同一の場合)、(チョッパ制御周波数/電源周波数)±1次の高調波電流が特に大きくなり、他の次数の高調波電流は比較的低くなることがわかった。
【0035】
よって、本実施例に係る通電制御装置は、電源電圧を任意に分周することができるため、特定次数以下の高調波電流を抑制することができると考えられる。これに対して、比較例のように、トライアックを用いると、2分周以上の分周ができないため、3次の高調波電流も抑制することが困難である。
【0036】
そこで、次の実施例においては、JIS C 61000−3−2”のガイドラインによる高調波規制の最大次数が“40次”であることから、電源電圧(交流電圧)を42分周、すなわち、ヒータへ供給される電圧を60Hz×42の制御周波数でチョッパ制御して通電を行った(第1の通電制御)。
【実施例3】
【0037】
図8は、図3に示した通電制御装置による第1の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図9は、図8に示した第1の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0038】
図3及び図8を参照すると、通電制御装置1のコントローラ6は、ステップS1で電源周波数、例えば、60Hzを確認し、ステップS2でチョッパ制御の周波数として、60Hz×42分周を設定する。ステップS3で、利用者が洗浄開始を指令すると、コントローラ6は、ステップS4で、図1に示した温水便座装置10に付設され、ヒータ加熱前後の水温を測定する温度センサが出力する信号を読み込み、ステップS5で、水温に応じて、チョッパ制御のデューティ(通電時間)、例えば、50%を設定する。ステップS6で、検出回路4が、電源電圧の立ち上がりを検出すると(立下りを検出してもよい)、ステップS7で、コントローラ6は、図9に示すように、60Hz×42分周かつデューティ50%で電源電圧をチョッパ制御して、ヒータ3へ通電する(図9中の負荷電流参照)。ステップS8で、利用者が洗浄終了を指令すると、ステップS9で、コントローラ6は、デューティを0%にして、ヒータ3への通電を停止する。
【0039】
図10(A)〜図10(C)は、図8に示した本発明の一実施例に係る第1の通電制御による試験結果を示すグラフであり、図10(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図10(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図10(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。本実施例の試験条件は下記のとおりである。
【0040】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
【0041】
図10(B)又は図10(C)を参照すると、電源電圧を42分周するチョッパ制御を行った場合、JIS又はIECのガイドラインの規制対象となる2次〜40次で、発生する高調波電流の大きさは、規制値以下に抑制され、規制をクリアしている。つまり、一般的な温水洗浄便座の場合、電源周波数×42次以上の周波数でチョッパ制御することにより、高調波規制をクリアできることがわかる。したがって、本実施例の制御によれば、高調波規制はクリアされるので、通電制御を水温のみに基づいて実行することができる。
【実施例4】
【0042】
図11は、図3に示した通電制御装置による第2の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図12は、図11に示した第2の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0043】
図3及び図11を参照すると、通電制御装置1のコントローラ6は、ステップS1で電源周波数、例えば、60Hzを確認し、ステップS2でチョッパ制御の周波数の初期値として、60Hz×2分周(第4の周波数)を設定し、ステップS3で、カウンタnをゼロにする。ステップS4で、利用者が洗浄開始を指令すると、コントローラ6は、ステップS5で、図1に示した温水便座装置10に付設され、ヒータ加熱前後の水温を測定する温度センサが出力する信号を読み込み、ステップS6で、水温に応じて、チョッパ制御のデューティ(通電時間)、例えば、50%を設定する。ステップS7で、検出回路4が、電源電圧の立ち上がりを検出すると(立下りを検出してもよい)、コントローラ6は、ステップS8でデューティ50%をセットし、ステップS9で、カウンタn=0の場合、ステップS10に移行して、図12中右側に示すように、60Hz×42分周(第3の周波数)かつデューティ50%で電源電圧をチョッパ制御して、ヒータ3へ通電し(図12中の負荷電流参照)、一方、ステップS9で、カウンタn=1の場合、ステップS11に移行して、図12中左側に示すように、60Hz×2分周(第4の周波数)かつデューティ50%で電源電圧をチョッパ制御して、ヒータ3へ通電する。ステップS10又はS11に続いて、ステップS12で、カウンタはインクリメントされる。コントローラ6は、ステップS13で、カウンタn=2かどうか判定し、すなわち、規定した一サイクル(図12の場合は電源電圧2周期)が経過したどうか判定する。経過しているならば、ステップS14で、カウンタnはクリアされてゼロとされて、制御はステップS15に移行される。一方、途中であれば、制御は、ステップS15に移行する。ステップ15で、利用者が洗浄終了を指令すると、ステップS16で、コントローラ6は、デューティを0%にして、ヒータ3への通電を停止する。
【0044】
図13(A)〜図13(C)は、図11に示した本発明の一実施例に係る第2の通電制御による試験結果を示すグラフであり、図13(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図13(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図13(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。本実施例の試験条件は下記のとおりである。
【0045】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
【0046】
図13(B)又は図13(C)を参照すると、電源電圧を42分周するチョッパ制御と2分周するチョッパ制御を組み合わせて実行した場合、JIS又はIECのガイドラインの規制対象となる2次〜40次で、発生する高調波電流の大きさは、総量で、規制値以下に抑制され、規制をクリアしている。つまり、一般的な温水洗浄便座の場合、電源周波数×42次以上の周波数でのチョッパ制御と、スイッチング損失が少ないそれ以下の周波数、例えば、電源周波数×2次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせることにより、高調波規制をクリアするとともに、通電効率も向上できることがわかる。
【0047】
さらに、本実施例の効果を例示する。
(1)次数に対して、高調波電流ないし可聴域の音圧レベルが分散される。
(2)半導体素子のスイッチング損失が低減される。
(3)41及び43次の高調波電流が軽減される。
(4)スイッチング回数が減少する分、放射電磁ノイズも低減される。
【実施例5】
【0048】
図14は、図3に示した通電制御装置による第3の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図15は、図14に示した第3の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0049】
本実施例の説明においては、前記実施例4との相違点について主として説明し、本実施例が前記実施例4と共通している点については、適宜、前記実施例4の記載を参照することができるものとする。
【0050】
前記実施例4においては、電源周波数×42次の周波数でのチョッパ制御と、電源周波数×2次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせたが、本実施例においては、図14のステップS10及びS11、又は図15に示すように、電源周波数×42次の周波数(第1の周波数)でのチョッパ制御と、電源周波数×48次の周波数(第2の周波数)でのチョッパ制御と、を組み合わせる。
【0051】
図16(A)〜図16(C)は、図14に示した本発明の一実施例に係る第3の通電制御による試験結果を示すグラフであり、図16(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図16(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図16(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。本実施例の試験条件は下記のとおりである。
【0052】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
【0053】
図16(B)又は図16(C)を参照すると、電源電圧を42分周又は48分周するチョッパ制御を組み合わせて繰り返し制御を行った場合、JIS又はIECのガイドラインの規制対象となる2次〜40次で、発生する高調波電流の大きさは、総量で、規制値以下に抑制され、規制をクリアしている。さらに、電源電圧を42分周するチョッパ制御のみを行った場合(図10(B)参照)と対比すると、41次及び43次の高調波電流が小さくなり、高調波電流が分散して発生していることがわかる。
【実施例6】
【0054】
図17は、図3に示した通電制御装置による第4の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図18は、図17に示した第4の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0055】
本実施例の説明においては、前記実施例4との相違点について主として説明し、本実施例が前記実施例4と共通している点については、適宜、前記実施例4の記載を参照することができるものとする。
【0056】
前記実施例4においては、電源電圧の一周期、すなわち全波毎に、電源周波数×42次の周波数でのチョッパ制御と、電源周波数×2次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせたが、本実施例においては、図17のステップS7、S10及びS11、又は図15に示すように、半波毎に、電源周波数×8次の周波数でのチョッパ制御と、電源周波数×42次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせる。
【0057】
本実施例によれば、半波毎にチョッパ制御の内容を可変することができるため、応答性の高いヒータの通電制御が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、温水便座装置に利用され、特に、ヒータにより温水を瞬間的に加熱して局部に噴射する温水便座装置、及び/又は、便座を使用時に瞬間的に加熱する温水便座装置に利用される。
【符号の説明】
【0059】
1 通電制御装置
2 電源(交流電源)
3 ヒータ
4 検出回路(立ち上がり及び立下りゼロクロス検出回路)
5 スイッチ回路(アナログスイッチ)
5a ダイオードブリッジ回路
5b トランジスタ
6 コントローラ
10 温水便座装置
11 便座
12 取入口
13 ノズル
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水便座装置に関し、特に、ヒータにより温水を瞬間的に加熱して局部に噴射する温水便座装置、中でも、そのヒータの通電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水便座装置には、給湯タンクを持たず、冷水をヒータにより瞬間的に加熱して、温水をノズルから局部に噴出するタイプのものがある。この瞬間給湯タイプの温水便座装置は、冷水の予熱が不要であるため電力消費量が少なく、又給湯タンクを持たないため装置をコンパクトに構成できるという利点がある。
【0003】
特許文献1には、ヒータと、ヒータに供給される電源電圧(交流)を位相制御してヒータへの通電時間を制御するトライアックと、ヒータ通過前後の水温を検出する温度センサと、温度センサの検出出力に基づいてトライアックのオンタイミング(点弧角)をゆらぎ制御する制御部と、を備えた、温水便座装置が開示されている。なお、トライアックは、オンタイミングでのみ制御可能であり、一旦オン(点弧)すると交流電圧がゼロになるまで、ヒータは通電され続ける。
【0004】
特許文献1に係る発明によれば、トライアックのオンタイミングを一周期毎に、微妙に変化させることにより、通電に伴って発生する高周波電流成分を、電源周波数の整数倍以外の周波数成分に分散化して、飛びぬけて大きな高調波電流が発生しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−40007号公報(図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
“JIS C 61000−3−2”等に示されている高調波規制のガイドラインによれば、2次から40次(電源電圧の2倍から40倍までの周波数)までの高調波電流を抑制することが求められている。しかしながら、特許文献1の発明によれば、オンタイミングでのみ制御可能なトライアックを用いているため、このガイドラインを十分に遵守することが困難である。その理由を以下に説明する。
【0007】
特許文献1の発明のように、トライアックを用いた場合、電源電圧の一周期を二分周(二次で制御)することしかできない。本発明者の知見によれば、電源電圧を分周した場合、(分周した周波数/電源周波数)±1次の高調波電流が、著しく大きくなることがわかった。したがって、特許文献1の発明によれば、特に、電源電圧が高いタイミングでトライアックがオンされた場合、低い次数で大きな高調波電流が発生して、上記ガイドラインを十分に遵守することが困難となる。
【0008】
また、省エネルギーのため、温水を予め貯留しておかず、使用時に温水を生成する温水便座装置においては、きわめて短時間に、適温の温水を生成する必要がある。使用者の局部に噴射させる温水が適温でなければ、使用者に不快感を与えることになるからである。
【0009】
しかしながら、特許文献1の発明によれば、電源電圧の一周期を経なければ、トライアックのオンタイミングを変化させて、通電率(デューティ)を変えることができないため、瞬間的に適温の温水を生成することが困難な場合がある。
【0010】
本発明の目的は、所定次数の高調波電流を抑制することができるヒータの通電制御装置、特に、それを備えた温水便座装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、応答性に優れ瞬間加熱に適したヒータの通電制御装置、特に、それを備えた温水便座装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるヒータへの通電を制御する通電制御装置は、交流電圧が供給されて発熱するヒータを有する温水便座装置、特に、瞬間的に水を加熱して温水を生成する温水便座装置に好適に適用される。本発明は、第1の視点において、前記ヒータへの通電を、前記交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であり、前記交流電圧を所定の制御周波数でチョッパ制御して前記ヒータに供給する、通電制御装置を提供する。なお、本発明において、交流電圧とは、交流及びそれを整流した後の電圧を含むものであり、代表的には、商用電源から供給される交流電圧である。
【発明の効果】
【0012】
(1)本発明によれば、任意の半波において、ヒータに対して通電オン後に通電オフすることと、通電オフ後に通電オンすることの両方の制御ができる。したがって、交流電圧をチョッパ制御する周波数(交流電圧の分周値)を任意に設定することができる。
(2)本発明によれば、交流電圧をチョッパ制御する周波数を任意に設定することができるため、法規、ガイドライン、その他の基準、或いは要請に応じて、このチョッパ制御の周波数を設定し、規制したい最大次数以下の高調波電流の発生を抑制することができる。
(3)高調波規制のガイドラインは、日本では、“JIS C 61000−3−2”に規定され、国際的には、IEC61000−3−2に規定され、欧州では“EN61000−3−2”に規定されている。“JIS C 61000−3−2”によると、電源基本波に対して、高調波規制される最大次数は現在、“40次”であり、40次以下の高調波電流の抑制が要請されている。本発明者の知見によると、チョッパ制御の周波数±1の次数で、大きな高調波電流が発生する。よって、好ましくは、本発明の通電制御装置は、交流電圧を42次以上の周波数でチョッパ制御することにより(交流電圧の一周期を42以上に分周することにより)、40次以下の高調波電流の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例に係る温水便座装置の全体外観図である。
【図2】図1に示した温水便座装置の要部を示す部分図である。
【図3】本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の一例を説明するための等価回路図である。
【図4】比較例に係るヒータの通電制御装置を説明するための回路図である。
【図5】(A)〜(C)は、図3に示した一実施例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフである。
【図6】(A)〜(C)は、図4に示した比較例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の他例を説明するための回路図である。
【図8】図3に示した通電制御装置による第1の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示した第1の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【図10】(A)〜(C)は、図8に示した第1の通電制御による試験結果を示すグラフである。
【図11】図3に示した通電制御装置による第2の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11に示した第2の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【図13】(A)〜(C)は、図11に示した第2の通電制御による試験結果を示すグラフである。
【図14】図3に示した通電制御装置による第3の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図15】図14に示した第3の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【図16】(A)〜(C)は、図14に示した第3の通電制御による試験結果を示すグラフである。
【図17】図3に示した通電制御装置による第4の通電制御を説明するためのフローチャートである。
【図18】図17に示した第4の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態において、前記所定の制御周波数は、目標とする高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数である。本発明者の知見によると、チョッパ制御の周波数±1の次数で、大きな高調波電流が発生するから、この形態によれば、目標とする高調波規制次数以下の高調波電流が抑制される。したがって、この形態によれば、特定次数以下の高調波電流を規制する種々のガイドラインを遵守することができる。
【0015】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記交流電圧の半波毎に、前記所定の制御周波数を可変する。この形態によれば、ヒータの応答性が向上され、適温の温水を瞬間的に生成することが容易となる。
【0016】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第1の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数であって前記第1の周波数と異なる第2の周波数によるチョッパ制御と、を切り替える。この形態によれば、高調波電流が分散して発生し、特定次数において、大きな高調波電流が発生することが防止される。
【0017】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第3の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に1を減算した次数以下の第4の周波数によるチョッパ制御と、を切り替える。この形態によれば、高調波電流が分散して発生し、特定次数において、大きな高調波電流が発生することが防止されるとともに、第3の周波数によるチョッパ制御により特定次数以下の高調波電流が抑制され、第4の周波数によるチョッパ制御を含むことにより、通電オンオフによるスイッチング損失が低減される。
【0018】
本発明の実施の形態において、前記通電制御装置は、前記交流電圧の立ち上がりと立ち下がりの両方のゼロクロスを検出する検出回路と、前記交流電圧が入力され、前記ヒータへの通電をオンオフするスイッチ回路と、前記検出回路の検出出力に基づいて前記スイッチ回路のオンオフを制御するコントローラと、を有する。前記スイッチ回路は、ダイオードブリッジ回路、トランジスタ、FETなどから構成することができる。
【0019】
本発明の実施の形態に係る通電制御装置は、少なくとも、高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数による、交流電圧のチョッパ制御を実行し、これに加えて、他の周波数による、交流電圧のチョッパ制御を実行してもよい。
【0020】
本発明の実施の形態に係る通電制御装置は、導入される冷水の水温と、ヒータ加熱後の温水の水温と、流量とを検出し、両水温の差と流量に応じて、ヒータへの通電時間を短縮したり(低デューティ)、長くしたりする(高デューティ)、PID制御を実行する。本発明によれば、デューティを電源電圧の半波毎に可変することができる。
【実施例1】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。図1は、本発明の一実施例に係る温水便座装置の全体外観図であり、図2は、図1に示した温水便座装置の要部を示す部分図である。
【0022】
図1を参照すると、温水便座装置10は、前部に配置された開閉自在な便座11と、後部に配置された通電制御装置1と、を有している。図2を参照すると、通電制御装置1は、取入口12から導入された冷水を瞬間的に加熱するヒータに対する通電を、水温センサなどのセンサ出力に基づいて制御する。これによって、温水便座装置10は、適切な温度の温水をノズル13から使用者の局部に向かって噴出することができる。次に、以上説明したような温水便座装置10に搭載される、ヒータの通電制御装置1の一例を説明する。
【実施例2】
【0023】
図3は、本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の一例を説明するための等価回路図である。図4は、比較例に係るヒータの通電制御装置を説明するための回路図である。
【0024】
図3を参照すると、本実施例に係る通電制御装置1は、電源2から交流電圧が供給されて発熱するヒータ3への通電を制御するものであって、交流電圧の立ち上がりと立ち下がりの両方のゼロクロスを検出する検出回路4と、交流電圧が入力され、ヒータ3への通電をオンオフするスイッチ回路5と、検出回路4の検出出力に基づいてスイッチ回路5のオンオフを制御するコントローラ6と、を有している。通電制御装置1は、通電オンタイミングと通電オフタイミングを設定自在である点で、通電オンタイミングしか制御できないトライアックを用いた図4に示す通電制御装置と相違している。すなわち、通電制御装置1ないしコントローラ6は、ヒータ3への通電を、交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であり、交流電圧を任意の制御周波数でチョッパ制御してヒータ3に供給することができる。スイッチ回路5は、アナログスイッチであって、FET、ダイオードブリッジ回路、トランジスタ等から構成することができる。
【0025】
図3に示した通電制御装置1のスイッチ回路5は、図7に示すように構成してもよい。図7は、本発明の一実施例に係る温水便座装置に適用されるヒータの通電制御装置の他例を説明するための回路図である。図7を参照すると、この通電制御装置1のスイッチ回路5は、電源2とヒータ3の間に接続されたダイオードブリッジ回路5aと、ヒータ3とダイオードブリッジ回路5aとの間に接続され、コントローラ6から出力される制御信号に従って、ダイオードブリッジ回路5aとヒータ3間の通電をオンオフするトランジスタ5bと、から構成されている。ダイオードブリッジ回路5aは、電源2が出力する交流電圧を全波整流し、コントローラ6は、トランジスタ5bを介して整流後の電圧をチョッパ制御して、ヒータ3に印加する。
【0026】
図4を参照すると、比較例に係る通電制御装置101は、電源102から交流電圧が供給されて発熱するヒータ103への通電を制御するものであって、交流電圧の立ち上がりのゼロクロスを検出する検出回路104と、ヒータ103に供給される電源電圧(交流)を位相制御してヒータ103への通電時間を制御するトライアック105と、トライアック105のオンタイミング(点弧角)をゆらぎ制御するコントローラ106と、を有している。なお、トライアック105は、オンタイミングでのみ制御可能であり、一旦オン(点弧)すると交流電圧がゼロになるまで、ヒータ103は通電され続ける。
【0027】
図3及び図4に示した通電制御装置をそれぞれ用いて、下記の条件で通電試験を行い、高調波電流を測定した。図5(A)〜図5(C)は、図3に示した本実施例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフであり、図5(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図5(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図5(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。
【0028】
図6(A)〜図6(C)は、図4に示した比較例に係る通電制御装置の試験結果を示すグラフであり、図6(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図6(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図6(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。
【0029】
なお、図5(B)及び図6(B)において、“次数”とは、電源周波数(60Hz)の整数倍のことであり、折れ線で示す“JIS限度値”とは、“JIS C 61000−3−2”のガイドラインによる、各次数における高調波電流の大きさの規制目標値のことであり、棒線は、発生する高調波電流の大きさを示している。
【0030】
また、図5(C)及び図6(C)において、“Harmonic order”とは“次数”と同じく、電源周波数(60Hz)の整数倍のことであり、折れ線で示す“IEC limit”とは、“IEC61000−3−2”のガイドラインによる、各次数における高調波電流の大きさの規制目標値のことであり、棒線は、発生する高調波電流の大きさを示している。
【0031】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
・図3の本実施例に係る通電制御装置の場合、電源電圧(交流電圧)を8分周した。
・図4のトライアックを用いた比較例に係る通電制御装置の場合、電源電圧が最大となる位相でトライアックをオンした(2分周、50%出力駆動)。
【0032】
図5(A)〜図5(C)を参照すると、電源電圧を8分周するチョッパ制御を行った場合、8−1=7以下の次数で高調波電流が小さくなるとともに、nは1以上の整数と定義すると、(8×(2n−1))±1の次数で高調波電流が大きくなっている。
【0033】
また、図6(A)〜図6(C)を参照すると、電源電圧をトライアックで2分周した場合、低次数でも大きな高調波電流が発生し、又奇数の次数で高調波電流が大きくなっている。
【0034】
以上より、電源電圧一周期において、二つの半波が基本的に対称に制御された場合(絶対値でみて、二つの半波が同一の場合)、(チョッパ制御周波数/電源周波数)±1次の高調波電流が特に大きくなり、他の次数の高調波電流は比較的低くなることがわかった。
【0035】
よって、本実施例に係る通電制御装置は、電源電圧を任意に分周することができるため、特定次数以下の高調波電流を抑制することができると考えられる。これに対して、比較例のように、トライアックを用いると、2分周以上の分周ができないため、3次の高調波電流も抑制することが困難である。
【0036】
そこで、次の実施例においては、JIS C 61000−3−2”のガイドラインによる高調波規制の最大次数が“40次”であることから、電源電圧(交流電圧)を42分周、すなわち、ヒータへ供給される電圧を60Hz×42の制御周波数でチョッパ制御して通電を行った(第1の通電制御)。
【実施例3】
【0037】
図8は、図3に示した通電制御装置による第1の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図9は、図8に示した第1の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0038】
図3及び図8を参照すると、通電制御装置1のコントローラ6は、ステップS1で電源周波数、例えば、60Hzを確認し、ステップS2でチョッパ制御の周波数として、60Hz×42分周を設定する。ステップS3で、利用者が洗浄開始を指令すると、コントローラ6は、ステップS4で、図1に示した温水便座装置10に付設され、ヒータ加熱前後の水温を測定する温度センサが出力する信号を読み込み、ステップS5で、水温に応じて、チョッパ制御のデューティ(通電時間)、例えば、50%を設定する。ステップS6で、検出回路4が、電源電圧の立ち上がりを検出すると(立下りを検出してもよい)、ステップS7で、コントローラ6は、図9に示すように、60Hz×42分周かつデューティ50%で電源電圧をチョッパ制御して、ヒータ3へ通電する(図9中の負荷電流参照)。ステップS8で、利用者が洗浄終了を指令すると、ステップS9で、コントローラ6は、デューティを0%にして、ヒータ3への通電を停止する。
【0039】
図10(A)〜図10(C)は、図8に示した本発明の一実施例に係る第1の通電制御による試験結果を示すグラフであり、図10(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図10(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図10(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。本実施例の試験条件は下記のとおりである。
【0040】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
【0041】
図10(B)又は図10(C)を参照すると、電源電圧を42分周するチョッパ制御を行った場合、JIS又はIECのガイドラインの規制対象となる2次〜40次で、発生する高調波電流の大きさは、規制値以下に抑制され、規制をクリアしている。つまり、一般的な温水洗浄便座の場合、電源周波数×42次以上の周波数でチョッパ制御することにより、高調波規制をクリアできることがわかる。したがって、本実施例の制御によれば、高調波規制はクリアされるので、通電制御を水温のみに基づいて実行することができる。
【実施例4】
【0042】
図11は、図3に示した通電制御装置による第2の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図12は、図11に示した第2の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0043】
図3及び図11を参照すると、通電制御装置1のコントローラ6は、ステップS1で電源周波数、例えば、60Hzを確認し、ステップS2でチョッパ制御の周波数の初期値として、60Hz×2分周(第4の周波数)を設定し、ステップS3で、カウンタnをゼロにする。ステップS4で、利用者が洗浄開始を指令すると、コントローラ6は、ステップS5で、図1に示した温水便座装置10に付設され、ヒータ加熱前後の水温を測定する温度センサが出力する信号を読み込み、ステップS6で、水温に応じて、チョッパ制御のデューティ(通電時間)、例えば、50%を設定する。ステップS7で、検出回路4が、電源電圧の立ち上がりを検出すると(立下りを検出してもよい)、コントローラ6は、ステップS8でデューティ50%をセットし、ステップS9で、カウンタn=0の場合、ステップS10に移行して、図12中右側に示すように、60Hz×42分周(第3の周波数)かつデューティ50%で電源電圧をチョッパ制御して、ヒータ3へ通電し(図12中の負荷電流参照)、一方、ステップS9で、カウンタn=1の場合、ステップS11に移行して、図12中左側に示すように、60Hz×2分周(第4の周波数)かつデューティ50%で電源電圧をチョッパ制御して、ヒータ3へ通電する。ステップS10又はS11に続いて、ステップS12で、カウンタはインクリメントされる。コントローラ6は、ステップS13で、カウンタn=2かどうか判定し、すなわち、規定した一サイクル(図12の場合は電源電圧2周期)が経過したどうか判定する。経過しているならば、ステップS14で、カウンタnはクリアされてゼロとされて、制御はステップS15に移行される。一方、途中であれば、制御は、ステップS15に移行する。ステップ15で、利用者が洗浄終了を指令すると、ステップS16で、コントローラ6は、デューティを0%にして、ヒータ3への通電を停止する。
【0044】
図13(A)〜図13(C)は、図11に示した本発明の一実施例に係る第2の通電制御による試験結果を示すグラフであり、図13(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図13(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図13(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。本実施例の試験条件は下記のとおりである。
【0045】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
【0046】
図13(B)又は図13(C)を参照すると、電源電圧を42分周するチョッパ制御と2分周するチョッパ制御を組み合わせて実行した場合、JIS又はIECのガイドラインの規制対象となる2次〜40次で、発生する高調波電流の大きさは、総量で、規制値以下に抑制され、規制をクリアしている。つまり、一般的な温水洗浄便座の場合、電源周波数×42次以上の周波数でのチョッパ制御と、スイッチング損失が少ないそれ以下の周波数、例えば、電源周波数×2次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせることにより、高調波規制をクリアするとともに、通電効率も向上できることがわかる。
【0047】
さらに、本実施例の効果を例示する。
(1)次数に対して、高調波電流ないし可聴域の音圧レベルが分散される。
(2)半導体素子のスイッチング損失が低減される。
(3)41及び43次の高調波電流が軽減される。
(4)スイッチング回数が減少する分、放射電磁ノイズも低減される。
【実施例5】
【0048】
図14は、図3に示した通電制御装置による第3の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図15は、図14に示した第3の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0049】
本実施例の説明においては、前記実施例4との相違点について主として説明し、本実施例が前記実施例4と共通している点については、適宜、前記実施例4の記載を参照することができるものとする。
【0050】
前記実施例4においては、電源周波数×42次の周波数でのチョッパ制御と、電源周波数×2次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせたが、本実施例においては、図14のステップS10及びS11、又は図15に示すように、電源周波数×42次の周波数(第1の周波数)でのチョッパ制御と、電源周波数×48次の周波数(第2の周波数)でのチョッパ制御と、を組み合わせる。
【0051】
図16(A)〜図16(C)は、図14に示した本発明の一実施例に係る第3の通電制御による試験結果を示すグラフであり、図16(A)は、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示し、図16(B)は、AC100Vの場合に発生する高調波電流を示し、図16(C)は、AC230Vの場合に発生する高調波電流を示している。本実施例の試験条件は下記のとおりである。
【0052】
[試験条件]
・使用ヒータ:全波通電時1200W。
・電源電圧:AC100V(国内対応)又はAC230ボルト(欧州対応)。
【0053】
図16(B)又は図16(C)を参照すると、電源電圧を42分周又は48分周するチョッパ制御を組み合わせて繰り返し制御を行った場合、JIS又はIECのガイドラインの規制対象となる2次〜40次で、発生する高調波電流の大きさは、総量で、規制値以下に抑制され、規制をクリアしている。さらに、電源電圧を42分周するチョッパ制御のみを行った場合(図10(B)参照)と対比すると、41次及び43次の高調波電流が小さくなり、高調波電流が分散して発生していることがわかる。
【実施例6】
【0054】
図17は、図3に示した通電制御装置による第4の通電制御(温水制御)を説明するためのフローチャートである。図18は、図17に示した第4の通電制御による、電源電圧とヒータに通電される負荷電流の位相関係を示す模式図である。
【0055】
本実施例の説明においては、前記実施例4との相違点について主として説明し、本実施例が前記実施例4と共通している点については、適宜、前記実施例4の記載を参照することができるものとする。
【0056】
前記実施例4においては、電源電圧の一周期、すなわち全波毎に、電源周波数×42次の周波数でのチョッパ制御と、電源周波数×2次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせたが、本実施例においては、図17のステップS7、S10及びS11、又は図15に示すように、半波毎に、電源周波数×8次の周波数でのチョッパ制御と、電源周波数×42次の周波数でのチョッパ制御と、を組み合わせる。
【0057】
本実施例によれば、半波毎にチョッパ制御の内容を可変することができるため、応答性の高いヒータの通電制御が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、温水便座装置に利用され、特に、ヒータにより温水を瞬間的に加熱して局部に噴射する温水便座装置、及び/又は、便座を使用時に瞬間的に加熱する温水便座装置に利用される。
【符号の説明】
【0059】
1 通電制御装置
2 電源(交流電源)
3 ヒータ
4 検出回路(立ち上がり及び立下りゼロクロス検出回路)
5 スイッチ回路(アナログスイッチ)
5a ダイオードブリッジ回路
5b トランジスタ
6 コントローラ
10 温水便座装置
11 便座
12 取入口
13 ノズル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧が供給されて発熱するヒータと、前記ヒータへの通電を制御する通電制御装置と、を有する、温水便座装置であって、
前記通電制御装置は、
前記ヒータへの通電を、前記交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であること、及び、
前記交流電圧を所定の制御周波数でチョッパ制御して前記ヒータに供給すること、
を特徴とする温水便座装置。
【請求項2】
前記所定の制御周波数は、目標とする高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数である、ことを特徴とする請求項1記載の温水便座装置。
【請求項3】
前記通電制御装置は、前記所定の制御周波数を可変する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の温水便座装置。
【請求項4】
前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第1の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数であって前記第1の周波数と異なる第2の周波数によるチョッパ制御と、を切替自在である、ことを特徴とする請求項3記載の温水便座装置。
【請求項5】
前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第3の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に1を減算した次数以下の第4の周波数によるチョッパ制御と、を切り替える、ことを特徴とする請求項3記載の温水便座装置。
【請求項6】
前記通電制御装置は、前記交流電圧の半波又は全波毎に、前記所定の制御周波数を可変する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の温水便座装置。
【請求項7】
前記通電制御装置は、
前記交流電圧の立ち上がりと立ち下がりの両方のゼロクロスを検出する検出回路と、
前記交流電圧が入力され、前記ヒータへの通電をオンオフするスイッチ回路と、
前記検出回路の検出出力に基づいて前記スイッチ回路のオンオフを制御するコントローラと、
を有する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の温水便座装置。
【請求項1】
交流電圧が供給されて発熱するヒータと、前記ヒータへの通電を制御する通電制御装置と、を有する、温水便座装置であって、
前記通電制御装置は、
前記ヒータへの通電を、前記交流電圧のオンタイミングとオフタイミングの両方で制御自在であること、及び、
前記交流電圧を所定の制御周波数でチョッパ制御して前記ヒータに供給すること、
を特徴とする温水便座装置。
【請求項2】
前記所定の制御周波数は、目標とする高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数である、ことを特徴とする請求項1記載の温水便座装置。
【請求項3】
前記通電制御装置は、前記所定の制御周波数を可変する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の温水便座装置。
【請求項4】
前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第1の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の周波数であって前記第1の周波数と異なる第2の周波数によるチョッパ制御と、を切替自在である、ことを特徴とする請求項3記載の温水便座装置。
【請求項5】
前記通電制御装置は、前記高調波規制次数に2を加算した次数以上の第3の周波数によるチョッパ制御と、前記高調波規制次数に1を減算した次数以下の第4の周波数によるチョッパ制御と、を切り替える、ことを特徴とする請求項3記載の温水便座装置。
【請求項6】
前記通電制御装置は、前記交流電圧の半波又は全波毎に、前記所定の制御周波数を可変する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の温水便座装置。
【請求項7】
前記通電制御装置は、
前記交流電圧の立ち上がりと立ち下がりの両方のゼロクロスを検出する検出回路と、
前記交流電圧が入力され、前記ヒータへの通電をオンオフするスイッチ回路と、
前記検出回路の検出出力に基づいて前記スイッチ回路のオンオフを制御するコントローラと、
を有する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の温水便座装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−275728(P2010−275728A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127399(P2009−127399)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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