説明

温水暖房システム

【課題】筺体の重量バランスが良くし、かつ、筐体強度を向上させた温水暖房システムを提供すること。
【解決手段】循環ポンプ7、熱交換器6、補助ヒータ11を筐体内に逆U字状に接続して配設した熱交換ユニット5を備え、前記温水暖房回路内の圧力上昇を吸収する膨張タンク13を前記筺体内略中央に配置し、前記筺体の基板17と、操作部取付け金具16と、前記膨張タンク固定金具19とを連結固定したことを特徴とするもので、補強材的な構造を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房用温水循環回路を介して暖房端末に温水を供給する温水暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の温水暖房装置として、室外にヒートポンプユニットを配置し、室内に熱交換ユニットとタンクユニットを配置した温水暖房装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、いわゆるヒートポンプ給湯機の付加機能として知られる床暖房では、ヒートポンプユニットとタンクユニットとを室外に設置し、室内床暖房と室外のタンクユニットとは温水配管で接続されているため、寒冷地に設置した場合、温水配管が凍結してしまう恐れがある。
【0004】
そのため、特許文献1に開示されているような温水暖房装置は、室内と室外とが冷媒配管にて接続されているため、凍結しにくいものであり、主に寒冷地で設置されることが多く、非常に暖房装置として有効なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/106346号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の熱交換ユニットは、高所に壁掛け設置されることも予想し、施工性向上を目的として軽量化も考慮されているため、機器本体の剛性が落ちるという課題を有していた。また膨張タンクは、重量物で、且つ固定がしにくい部品であるに関わらずメイン温水経路でないため、比較的筺体内の端側に配置されることが多く、輸送時などに、振られて、筺体に、打痕などの概観不良を起こしていた。それを防止するために、複数の特殊板などで、固定していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、筺体の重量バランスが良くし、かつ、筐体強度を向上させた温水暖房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の温水暖房システムは、循環ポンプ、熱交換器、補助ヒータを筐体内に逆U字状に接続して配設した熱交換ユニットを備え、前記温水暖房回路内の圧力上昇を吸収する膨張タンクを前記筺体内略中央に配置し、前記筺体の基板と、操作部取付け金具と、前記膨張タンク固定金具とを連結固定したことを特徴とするもので、筺体の重量バランスが良くし、かつ、筺体基板と、操作部取付け金具を兼ねた特殊板と、前記膨張タンク固定金具と連結固定したことで、筐体強度を向上させる効果を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、機器本体の外郭を形成する基板と外箱を特殊板で連結固定し、加えて膨張タンクを中央に配置し、その固定金具と特殊板と機器の外郭を形成する基板と連結固定する構成にとすることにより機器内部の結合をより強固にし、機器の筐体強度を向上させた熱交換ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における温水暖房装置の構成図
【図2】同温水暖房装置の熱交換ユニットの構成図
【図3】同温水暖房装置の熱交換ユニットの内部構造図
【図4】同温水暖房装置の熱交換ユニットの内部斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、循環ポンプ、熱交換器、補助ヒータを筐体内に逆U字状に接続して配設した熱交換ユニットを備え、前記温水暖房回路内の圧力上昇を吸収する膨張タンクを前記筺体内略中央に配置し、前記筺体の基板と、操作部取付け金具と、前記膨張タンク固定金具とを連結固定したことを特徴とする温水暖房システムで、筺体の重量バランスが良くし、かつ、筺体基板と、操作部取付け金具を兼ねた特殊板と、前記膨張タンク固定金具と連結固定したことで、筐体強度を向上させる効果を有するものである。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1における温水暖房装置の構成図である。図1において、本実施の形態の温水暖房装置は、冷凍サイクルを有するヒートポンプユニット1、冷媒と水とが熱交換を行うプレート型の熱交換器を有する熱交換ユニット5、内部に温水が流れて居住空間を暖める温水暖房端末8を有している。熱交換ユニット5と温水暖房端末8は室内に設置され、ヒートポンプユニット1は室外に設置されており、室内と室外とは冷媒配管で接続されている。そのため、低外気温度の状況下においても冷媒配管が凍結しにくく、特に外気温度が低くなる寒冷地などにおいては、水配管が屋外に設置されるヒートポンプ給湯機などに比べ暖房装置に適している。
【0014】
ヒートポンプユニット1には、空気と冷媒とで熱交換を行う蒸発器2、冷媒を高温高圧冷媒に圧縮する圧縮機3、熱交換ユニット5の水冷媒熱交換器6で放熱した後の冷媒を減圧する減圧装置4が配設されており、水冷媒熱交換器6と減圧装置4と蒸発器2と圧縮機3とを順次冷媒配管にて環状に接続して冷凍サイクルを構成している。なお、冷凍サイクル内の流れる冷媒には、R410Aや二酸化炭素などを用いる。
【0015】
図2は、熱交換ユニット5の構成を示す構成図である。図2に示すように、熱交換ユニット5には冷媒と水とが熱交換を行うプレート型の水冷媒熱交換器6、水冷媒熱交換器6で暖められた温水を温水暖房端末8に送るためのポンプ7、管内の圧力を下げることを目的とする圧力逃がし弁10、能力不足時にバックアップする補助ヒータ11、閉回路内の温水往き・戻りが流れているかを判断する流量計(フロースイッチ)12、閉回路内の水圧を正常に保ち、破裂を防止することを目的とする膨張タンク13が配置されており、ポンプ7が駆動することによって、温水暖房端末8内の湯水が流れて水冷媒熱交換器6で、水と冷媒との間で熱交換がなされる。
【0016】
温水暖房端末8は、パネルヒーターや床暖房パネルなどを指し、熱交換器9を有して、熱交換器9内に水冷媒熱交換器6で暖められた温水を流すことによって、居室内を暖める構成となっている。
【0017】
以上のように構成された温水暖房装置において、以下、熱交換ユニット5の構成について説明する。
【0018】
図3は熱交換ユニットの内部構造図、図4は図3における内部斜視図である。図3に示すように、ポンプ7、流量計(フロースイッチ)12、水冷媒熱交換器6、圧力逃がし弁10、補助ヒータ11を熱交換ユニット5に、逆U字状に配置し、その中央部に膨張タンク13を配置することにより、重量のバランスがよくなり、且つ、膨張タンク13を固定金具19で抱きかかえることにより、補強材的な構造を確保できる。
【0019】
図3、4に示すように、操作部(リモコン)14と圧力計15の固定を兼ねた特殊板16を製品外郭を形成する基板17及び外箱18で連結固定し、さらに固定金具19と、固定することで機器の筐体強度を向上することができる。
【0020】
固定金具19は、上部で、膨張タンク13にかぶさり固定し、前部に折り曲げ部20で、さらに膨張タンクを抱きかかえて保持する構成を1部品で有し、且つ、基板17と、特殊板16とに連結固定している。
【0021】
以上のように、本発明の温水暖房装置は、熱交換ユニットを上述したような構成とすることで、機器の筐体強度を向上し、なおかつ、安全性とメンテナス性を確保した熱交換ユニットを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、熱交換ユニットを屋内に配設した温水暖房装置としたが、これに限定されることはなく、例えば、屋外に熱交換ユニットを配設する温水暖房装置でもよい。
【符号の説明】
【0023】
1 ヒ−トポンプユニット
2 蒸発器
3 圧縮機
4 減圧装置
5 熱交換ユニット
6 水冷媒熱交換器
7 ポンプ
8 温水暖房端末
9 熱交換器
10 圧力逃がし弁
11 補助ヒータ
12 フロ−SW
13 膨張タンク
14 操作部(リモコン)
15 圧力計
16 特殊板
17 基板
18 外箱
19 固定金具
20 折り曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環ポンプ、熱交換器、補助ヒータを筐体内に逆U字状に接続して配設した熱交換ユニットを備え、前記温水暖房回路内の圧力上昇を吸収する膨張タンクを前記筺体内略中央に配置し、前記筺体の基板と、操作部取付け金具と、前記膨張タンク固定金具とを連結固定したことを特徴とする温水暖房システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−21716(P2012−21716A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160386(P2010−160386)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】