温水洗浄便器用衛生便座

【課題】使用者に対する噴射温水の付着を防止できる便座を提供する。
【解決手段】便器使用時に着座する部分である便座本体において、内部空隙部の前部内面を下方に伸延したガード部を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、温水洗浄式の便器に用いる便座に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、温水洗浄式の便器が多用されており、その便器には使用者が着座するための便座が必須であるが、合成樹脂にて成形された単なる略板状の環状物が大半であり、本発明にて示すように、洗浄時における人体への温水飛沫付着を防止する機能を備えた便座は現在のところ見当たらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
温水洗浄式の便器は近年その普及が顕著である。これは便器内外に温水噴射機能を有するノズルおよび関連装置を設け、便器使用時にはこのノズルから温水が噴射され、局部の洗浄を行うものである。噴射された温水は局部に当たって洗浄するが、このとき温水が局部およびその近傍に当たった後、飛散してその大半は便器内に落下するが、その一部は便器外に落下することがある。
つまり、便器本体上部に便座および蓋が開閉可能に設けられ、便器使用時には蓋を開け、さらに便座を下ろして便器上面に載せ、この便座に腰掛けて使用するものであるが、便座断面は湾曲し、かつ便座下面にはクッション体が位置している。そのため便器本体と便座下面との間には若干の間隙が存在する。しかるに噴射された温水の一部はこの間隙から便器外に飛び出すことがあり、着座している人体や衣服に当たって汚すという問題がある。
本発明は、以上のような従来からの温水洗浄便器に用いる便座に関わる課題を解決するために発明されたもので、便座形状を一部変更することにより、温水飛沫が人体に付着することなく衛生的に使用することのできる新規かつ有用なる温水便器用の便座を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
課題を解決する手段として本発明は、便座の内部にガード部を設けてその主要部を構成した。すなわち、便器使用時に着座する部分である便座本体において、内部空隙部の前部内面を下方に伸延したガード部を設ける。
本発明は以上の構成よりなる温水洗浄便器用衛生便座である。
【発明の効果】
【０００５】
本発明によれば、便座の内部空隙前部内面を所定寸法だけ下方に伸延しているので、温水便器使用時において噴射された温水の便器外への漏洩を防いで、人体や衣服への付着を防止して清潔を保つことのできる有用なる物品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、１は便座本体で、合成樹脂にて平面視略半楕円形状に形成された略板状体で、その中央には略楕円形の空隙部２が形成される。この便座本体端部は、便器本体に付設される温水噴射制御機構に開閉可能に取り付けられる。この便座本体は断面視湾曲形状で、その下面適所には略直方体形状ゴム製のクッション体３が固着される。４はガード部で、便座本体の空隙部前部内面を下方に伸延した部分であり、便座本体と一体に形成される。
本発明を使用するには、まず蓋を上げて便座本体を便器上面に位置させ、局部を露出させて便座に腰掛け、用を済ませる。次ぎに、温水洗浄装置を操作して温水を噴射させる。
温水噴射のためのノズル部分は便器内所定個所に移動し、噴射が始まる。
この噴射温水は人体の局部に当たって洗浄され、洗浄後の温水の大半は便器内に落下する。
【０００７】
しかし、前記したように便座下面と便器上面には若干の隙間があるため、この隙間から温水が飛び出すことがあり、従来の便座形状ではこれを防止する機能を有さない。
しかるに本発明では既述のように、便座中央の空隙部前部内面を所定寸法にて下方に伸延した形状のガード部を有しているため、外部に飛散・漏洩しようとする温水はこのガード部に当たるため、使用者の人体や衣服を汚すことなく、清潔に使用することができる。
なお、実施形態で示したガード部形状は一例であり、他の形状のガード部としてもよい。
以上のごとく、本発明により衛生的に使用可能なる温水洗浄便器用の便座を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の取り付け状態説明図
【図２】本発明の要部平面図
【図３】Ａ−Ａ拡大断面図
【図４】Ｂ−Ｂ拡大断面図
【符号の説明】
【０００９】
１便座本体
２空隙部
３クッション体
４ガード部

【特許請求の範囲】
【請求項１】
便器使用時に着座する部分である便座本体において、内部空隙部の前部内面を下方に伸延したガード部を設けたことを特徴とする温水洗浄便器用衛生便座。

【図１】