説明

温泉仕立て用浴槽排水栓

【課題】 温泉仕立ての浴槽を形成するのに、温泉源素材を収納する容器が、狭い浴槽内で場所を占め、入浴者の邪魔になっていたことを解決する。
【解決手段】 栓体の上面には、キャップで被覆された空所が形成され、該キャップには、複数の通水孔を穿設するとともに、該キャップと栓体とで形成される空所には、温泉源素材が収納される温泉仕立て用浴槽排水栓。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
浴槽を温泉仕立てにするため、ゲルマニウム、マグネシウム、トルマリン(電気石)、ラドン(北投石)などの温泉天然鉱石、またはそのセラミックス等の温泉源素材が浴槽に投入されるが、これらを収納する容器としての排水栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浴槽の排水栓は、手で直接栓をしたり、抜いたりするもの、また、レリースワイヤなどでの遠隔操作によってポップアップする形態のものである。
【0003】
片や、温泉の効能が、健康や療養に役立つことを知った上でも温泉地へいかなければ、それに浴することができないと云われていた。しかし、温泉地へいかなくとも、これらの温泉地の温泉に浸かることができる。そのようにするには、該温泉地の湯の花、泥、岩石等を各家庭、及び施設へ持参して浴槽へ投入する。このように温泉仕立てにすることは一般に知られ、実施されている。
【0004】
そして、浴槽を手近かな温泉仕立てにするために、ゲルマニウム、トルマリン、ラドン等の薬石を敷設し、これらが温水で暖められることによって、医学的効果を発揮させる岩盤浴なるものがある。(特許文献1、特許文献2)
【0005】
また、マグネシウム、トルマリン等の温泉源素材が収納された容器を浴槽へ投入して温泉仕立てにするものがある。(特許文献3、特許文献4)
【0006】
【特許文献1】 特開2005−342078号
【特許文献2】 特開2005−245631号
【特許文献3】 特開2002−35771号
【特許文献4】 特開2004−330011号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、岩盤浴には、設備が大きくなる上、設備投資に費用が嵩み、温泉仕立ての浴槽を形成するには、温泉天然鉱石、またはそのセラミックス等の温泉源素材を容器に収納し、浴槽水に浸すことによって行なわれていたが、その容器の存在は、狭い浴槽内に場所を占めることになり、入浴者の邪魔になり、まして、その上へ乗ってしまって踏み外すことにもなり、取り扱いに苦慮していた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、従来の温泉仕立て設備の課題に鑑み、この課題が解決されるべく、浴槽の排水口を開閉させる排水栓に着目する。
【0009】
この排水栓は、栓体と栓棒とで構成し、この栓体の上面にはキャップで被覆された空所が形成され、該キャップには複数の通水孔を穿設するとともに、該キャップと栓体とで形成される空所には温泉源素材が収納されることを特徴とする温泉仕立て用浴槽排水栓である。
【0010】
そして、本発明の温泉仕立て用浴槽排水栓は、温泉源素材を随時交換できるよう栓体にキャップが脱着自在とされているものである。
【0011】
また、本発明の温泉仕立て用浴槽排水栓は、栓体に被覆されたキャップの周縁が、浴槽底面より突出しないようにしたものである。
【0012】
排水栓の栓体とその上面に被覆されるキャップとで空所が形成され、該空所に相応する不織布などの袋、又はケースに温泉源素材が入れられて、空所に収納されるものである。
【0013】
更に、本発明の温泉仕立て用浴槽排水栓は、温泉源素材がゲルマニウム鉱石、北投石、或いはそのセラミックスのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の温泉仕立て用浴槽排水栓によれば、温泉天然石、またはそのセラミックス等の温泉源素材が、必在性の浴槽排水栓に収納され、しかも、それが、栓体と栓棒とで構成する浴槽排水栓の栓体の上面に、複数の通水孔が穿設されたキャップで被覆した空所に収納されるので、浴槽内に整然と浸すことができ、また、入浴者の邪魔にならない。
更に、排水口は、排水するという目的からして浴槽の最下位に位置することが、必然的常識であり、この排水口を開閉する排水栓は、浴槽の最下位の底面にあることにより、該排水栓に収納される温泉源素材の効能は、妨害されることなく浴槽内に伝播させることができるようになる。
【0015】
そして、温泉仕立て用浴槽排水栓は、栓体に被覆するキャップが脱着自在であるので、その空所に収納された温泉源素材を必要に応じて交換することができ、常に、温泉の効能を十分発揮させることができる。
【0016】
また、温泉仕立て用浴槽排水栓は、栓体、及び該栓体に被覆されたキャップの周縁が、浴槽底面より突出しないようにしているので、その上に乗って、踏み外し、事故を起こすことがないようにできる。
【0017】
温泉源素材が、一旦、不織布などの袋、またはケースに入れられて排水栓の空所に収納されるので計量調整をでき、収納に効果的である。
【0018】
ところで、温泉仕立て用浴槽排水栓に収納される温泉源素材がゲルマニウム鉱石、北投石、或いはそのセラミックスであった場合には、この入浴では、血の巡りや発汗が促されて、疲労回復、こり、痛みの緩和をし、ときには、ダイエットすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、浴槽の排水栓の栓体上面に被覆したキャップとで形成される空所へ温泉源素材を収納し、キャップが脱着自在とされることによって、温泉源素材の随時の交換を可能とし、キャップに通水孔を複数穿設することにより通水が旺盛にでき、温泉源素材の効能を充分に発揮することができる。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、浴槽の上縁などの箇所に配設されている操作部による遠隔操作で排水口を開閉させる排水栓1であって、該排水栓は、栓体2と栓棒3とで構成し、この栓体2には上面にキャップ4を脱着自在に被覆し、該キャップ4には複数の通水孔5を穿設する。そして、栓体2上面とこれに被覆されたキャップ4と間に形成された空所6には、温泉源素材7が収納される。
【0021】
排水口は、排水口金具8で形成され、該排水口金具と、排水管に繋げる排水クロス継手9に接続された排水筒10とで、ツバ下パッキン11、及びクロスパッキン12を介して、浴槽底面が挟持、固定される。
そして、排水口金具8には、支持部材13によって、メカボックス14が、その中央に支持され、該メカボックスの外周を排水栓1の栓棒3が上下方向へ摺動ガイドされる。
メカボックス14には、操作部の遠隔操作を伝達するレリースワイヤ15が接続され、メカボックス14内のスラストロック機構(不図示)によって、この駆動軸に接続の排水栓1が上下動されて排水口を開閉させる。
なお、16は、排水栓1が排水口金具8に閉じたときのシールをするシールパッキンである。
【0022】
温泉源素材7がゲルマニウム鉱石、或いはそのセラミックスの場合は、ゲルマニウムの接触面が摂氏32度を超えるとマイナスイオン電子を放出するので、ゲルマニウム鉱石、或いはそのセラミックスを排水栓に収納した浴槽の入浴では、プラス電荷の偏りでバランスを崩している筋肉細胞を早く正常にし、体内の酸素量を増し、血液を清浄化し、体内の老廃物を排出する。
よって、冷えやすい者、節々が痛む者、疲れやすい者、そしてスポーツをした後などには効能がある。
【0023】
温泉源素材7が、北投石(秋田県玉川温泉)、或いはそのセラミックスの場合、この北投石、或いはそのセラミックスが排水栓に収納された浴槽への入浴者は、ラジウムとマイナスイオンの作用を受け、この入浴に浸る皮膚や呼吸がラドンを吸収し、発生する微量放射線であるホルミシス効果が期待でき、遠赤外線とマイナスイオンの作用で体の芯まで温まり、発汗を促し、血行促進、疲労回復、こり、痛みの緩和などの効能がある。
なお、天然放射能線(ラジウム)の効能は、神経痛、リウマチ、腰痛、高血圧、糖尿病、脳疾患、手術後後遺症、神経衰弱、婦人病、胃腸病等に良いとされている。
【0024】
温泉源素材7が、電気石(トルマリン)、或いはそのセラミックスの場合、この電気石、或いはそのセラミックスが排水栓に収納された浴槽への入浴者は、電気石、或いはそのセラミックスが温水による温度変化をすると、その表面に電荷を生じるものであって、浴槽水を弱アルカリ性にすると共に、マイナスイオンを発生させる。
そして、血行促進、疲労回復、鎮静効果などの効能がある。
【0025】
温泉源素材7が、ブラックシリカ(北海道桧山管内)、或いはそのセラミックスの場合、このブラックシリカ、或いはそのセラミックスを排水栓に収納し、浴槽に浸しておくと、高いレベルの遠赤外線が放射されて浴槽に満たされる。入浴者は、このエネルギーを保持することになり、体の芯まで温まり、血行が促進し、発汗作用で、体内の老廃物を廃出することになり、疲労回復するという効能がある。
【0026】
温泉源素材7が、光明石(岡山県阿部鉱山)、或いはそのセラミックスの場合、この光明石、或いはそのセラミックスを排水栓に収納し、この浴槽に入浴すると、この光明石には、人間が必要とするミネラル、例えば、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどの半数以上を含有しており、これらを吸収できるので、神経痛、腰痛、冷え症、リウマチなどへの効能がある。
【0027】
なお、温泉源素材7が、1種類のみでなく、複数を混合してもよいことはいうまでもない。
【実施例2】
【0028】
排水栓1は、温泉源素材7を随時交換できるように栓体2に被覆するキャップ4が脱着自在にされ、また、キャップ4の周縁が浴槽底面より突出しないようにしている。
【実施例3】
【0029】
排水栓は、遠隔操作でポップアップする形態のものばかりでなく、図2で示す如く、手で直接栓をしたり、抜いたりする一般の浴槽排水栓111であってもよく、その栓体112上面に多数の流水孔を穿孔したキャップ114が被覆されて、これら間に空所106を形成し、温泉源素材7が収納できるようにする。
なお、116はシールパッキンであり、119は排水継手である。
【実施例4】
【0030】
さらに、温泉源素材7を直接、排水栓1に収納するばかりでなく、栓体の上面とそれに被覆されたキャップとで形成される空所に相応する不織布などの袋、又はケースに、一旦、温泉源素材を入れた上で、排水栓1の空所6に収納するようにしてもよい。
温泉源素材7を、袋又はケースに入れた上で、排水栓の空所に収納することは、計量的調整ができて、効率的の収納ができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】温泉仕立ての遠隔操作による浴槽排水栓の開閉状態図である。
【図2】温泉仕立ての手動操作による浴槽排水栓の開閉状態図である。
【符号の説明】
【0032】
1 浴槽排水栓
2 栓体
3 栓棒
4 キャップ
5 通水孔
6 空所
7 温泉源素材
8 排水口金具
111 浴槽排水栓
112 栓体
114 キャップ
116 空所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の排水口を開閉させる排水栓であって、該排水栓が栓体と栓棒とで構成し、この栓体の上面にはキャップで被覆された空所が形成され、該キャップには複数の通水孔を穿設するとともに、該キャップと栓体で形成される空所には、温泉源素材が収納されることを特徴とする温泉仕立て用浴槽排水栓。
【請求項2】
温泉源素材を随時交換できるように、栓体にキャップが脱着自在とされることを特徴とする請求項1記載の温泉仕立て用浴槽排水栓。
【請求項3】
栓体に被覆されたキャップの周縁が浴槽底面より突出しないようにしたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の温泉仕立て用浴槽排水栓。
【請求項4】
排水栓は、栓体とその上面に被覆されるキャップとで空所が形成され、該空所に相応する不織布などの袋、又はケースに温泉源素材が入れられて、空所に収納されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温泉仕立て用浴槽排水栓。
【請求項5】
温泉源素材が、ゲルマニウム鉱石、或いはそのセラミックスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の温泉仕立て用浴槽排水栓。
【請求項6】
温泉源素材が、北投石(ラドン)、或いはそのセラミックスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の温泉仕立て用浴槽排水栓。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−6232(P2008−6232A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201270(P2006−201270)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(392028767)株式会社日本アルファ (73)
【Fターム(参考)】